メリットについて
なぜ法人化するのか?
所得税・住民税・事業税・社会保険・医療費が高い!
それは・・・
所 得 (=収入-経費)が高いからです。
すべてにかかわります。
※特に所得税は超過累進税率です。 住民税:10%・事業税(不動産):5%どういう場合に法人化するのか?
●
相続税対策が終わった場合
⇒相続税が発生し、相続人の子が引き継いだ場合。
●
減価償却費等の経費がなくなった場合
⇒給与等を支払うことにより経費を増やします。
メリット
法人化の
メリット
・
デメリット
①役員の給与(役員報酬)を、
経費
にすることができます。
個人(個人事業含む)の場合、売上(収入)から経費を引いた金額に対して課されます。「事業主の給与」という 概念はありません。 法人(会社組織)では、個人(個人事業含む)で「事業主の給与」にあたる、役員の給与(役員報酬)が経費と して認められます。(諸届をしない場合や違法な場合には認められない場合があります) 役員給与(役員報酬)には、一般のサラリーマンと同じように、給与所得控除が適用されますので、節税になるこ とがあります。図にすると、次の通りとなります。法人と個人(個人事業含む)の課税の違い
個人(個人事業含む) 売上 経 費 ここに課税されます 売上(収入) 経 費 給与所得控除 役員の給与(=経費) ここに課税されます 法人(会社組織)②資本金が1000万円未満の場合、会社設立後2事業年度は
消費税が免税
となります。
法律で定められた売上金額以上になれば、消費税を納税する義務があります。法人は、 基本的に会社設立後2事業年度まで、消費税が免税となります。節税になるケースが あります。 青色申告の個人事業の場合、赤字の繰越控除は 3年間ですが法人にすると7年間過去の損失と 利益を相殺することができます。③赤字を
7年間繰り越せる!!
④死亡退職金につき相続税の
非課税枠がつかえる。
非課税枠=
法定相続人×500万円
⑤弔慰金につき相続税の
非課税枠がつかえる。
非課税枠=
業務上の死亡:報酬の36か月分
業務外の死亡:報酬の6か月分
定期保険は全額が損金となる。※
⑥一定の生命保険料が
損金
に出来る。
一株単位で贈与が出来るため⑦生前
贈与が容易
個人事業の場合は、減価償却は強制だが、 法人の場合は任意でできる。⑧減価償却を
任意
ですることができる。
会社設立するために、登録免許税ほか、費用が必要です。手間もかかります。 法人の場合、赤字であっても、地方税(都道府県税、市民税)が発生します。
デメリット
①設立に
費用が必要
です。
②赤字でも、
地方税が発生
します。
法人は個人事業と違い「法人税法」が適用されます。個人事業 にはない、法人独特の決まりがあって、複雑です。 確定申告書類も、個人事業に比べ、内容、枚数ともに増えることになります。③会計記帳、確定申告が
複雑
になります。
法人化した後の経理処理・税務処理は、個人事業の場合に比べ複雑になりま すので、多くの場合は税理士などの専門家に依頼をすることになり、その支払う報酬 がかかるようになります。 個人事業者の場合で税理士など報酬を支払っている場合なども、法人化した場合には 通常報酬が上がります。(設例) 個人の不動産収入 2000万、 経費1000万 ※資本金1000万、アパート収入のみとする。法人税等の実効税率は40%とする。 収入 経費 差引 特別控除 不動産控除 所得控除 課税所得 所得税額 住民税額 事業税額 合計税額
給与所得控除の
メリット
個人
所
得
税
20,000,000 10,000,000 10,000,000 650,000 9,350,000 380,000 8,970,000 1,427,100 (8,970,000×23%-636,000) 897,000 (8,970,000×10%) 355,000 {(10,000,000-2,900,000)×5%} 2,679,100 ・・・・A益金 損金 役員報酬 課税所得 住民税額 合計税額 20,000,000 10,000,000 10,000,000 0 70,000 70,000 ・・・・①
法人化した場合①(役員報酬1人に1,000万円)
法人税
個
人
給与収入 給与所得 所得控除 課税所得 所得税額 住民税額 事業税額 合計税額 10,000,000 7,800,000 (10,000,000×90%-1,200,000) 380,000 7,420,000 1,070,600 742,000 0 1,812,600 ・・・・②①+②=1,882,600
・・・B
B-A
=▲796,500
益金 損金 役員報酬 課税所得 住民税額 合計税額 20,000,000 10,000,000 10,000,000 0 70,000 70,000 ・・・・③
法人化した場合①(役員報酬1人に法人化した場合②
(役員報酬
2人に各500万)
法人税
給与収入 給与所得 所得控除 課税所得 所得税額 住民税額 事業税額 合計税額 5,000,000 3,460,000 380,000 3,080,000 210,500 380,000 0 518,500 ・・・・④③+④+⑤=1,107,000・・・C
C-A=
▲1,572,100
給与収入 給与所得 所得控除 課税所得 所得税額 住民税額 事業税額 合計税額 5,000,000 3,460,000 380,000 3,080,000 210,500 380,000 0 518,500 ・・・・⑤個
人
個
人
不動産管理会社の方式
不動産の所有者はあくまでも個人オーナーであり、不動産管理会社は個人所有部物件の
管理を行います。そのため、会社が得るのは
「管理料収入」のみ
となります。
個人オーナー
所有の不動産
不動産
管理会社
清掃・集金代行 等の管理業務 管理料賃借人
家賃 貸付け①管理料徴収方式
サブリース方式とも呼ばれる方式で、個人オーナーが所有物件を不動産管理 会社に一括で貸し付けます。会社は個人オーナーに貸上げ家賃を支払い、 一方で借り上げた物件について入居者を募集し、「家賃収入」を得ます。 会社が空室等の経営上のリスクを負うことになりますので、満室時の実質管理料(賃借人からの家賃 収入-個人オーナーへの支払家賃)は管理料徴収方式の場合よりも高く設定されるのが一般的です。不動産
管理会社
個人オーナー
所有の不動産
一括貸付け 家賃賃借人
家賃 貸付け②転貸方式
不動産管理会社が物件を取得し、管理運営を行います。
会社が建物そのものを所有しますので、家賃収入は100%会社に入ります。
個人の家賃収入がすべて会社に置き換えられ、個人としては地代収入が残るだけですので、収入の
分散効果はこの不動産所有方式が最も大きいといえます。
不動産
管理会社
個人
オーナー
賃借人
貸付け 家賃 土地の貸付け 地代収入③不動産所有方式
管理料徴収方式の場合の主な判決・裁決事例
方式
年分
当初申告における
管理料割合
適正
管理料割合
東京地裁
H元.4.17判決
管理料
徴収方式
S58
50%
6.10%(建物) 6.43%(駐車場)国税不服審判所
H元.7.5裁決
管理料
徴収方式
S59
約50%
6.64%
S60
約50%
6.62%
東京地裁
H6.1.28判決
管理料
徴収方式
S62
37.69%
4.98%
S63
35.89%
4.89%
H元
34.35%
4.50%
方式 年分 当初申告における 管理料割合 適正 管理料割合 福岡地裁 H4.5.14判決 その後、福岡高裁、 最高裁ともに棄却 転貸方式 S59 30.49% 5.11% S60 31.43% 5.76% S61 33.99% 5.19% 千葉地裁 H8.9.20判決 その後、東京高裁、 最高裁ともに棄却 転貸方式 甲 建 物 S62 52.02% 6.23% S63 61.23% 6.42% H元 54.76% 7.15% 乙 建 物 S62 56.57% 5.90% S63 59.77% 6.07% H元 54.56% 6.63% 国税不服審判所 H12.1.31裁決 転貸方式 H6 46.77% 9.66% H7 47.56% 9.78% H8 44.91% 8.88%
転貸方式の場合の主な判決・裁決事例
収入の分散効果が最も高いのが不動産所有方式で
あると述べました。しかし、会社が資産を所有した方が有利だといっても、土地も建物も
会社に移そうと思うと、移転時には不動産取得税や登録免許税等のコストがかかり、税負担も
考えなければなりません。もちろん、会社が買い取る際の資金についても工面しなけらばなりません。
そのため、資金負担を最小限に抑えながら所得の分散効果を最大限にするため、収益性の高い建物
のみを会社に移すと良いでしょう。古くから所有している土地であれば含み益部分が
実現し、個人オーナーに多額の譲渡税が課されることから、
会社で所有すべき優先順位は低い資産であると言えます。
不動産所有方式の留意点
どのような建物が良いのか?
(例)建築価格1億円のマンションを建築した場合の建物相続税評価額 建物 3,500万円 借入金 1億円 評価差額 6,500万円 相続税評価額 実際には1億円投資して1億円の建物を購入しているが、相続税の評価上は3,500万円で 評価される。つまり、その差額6,500万円が評価の引下げになっている。 固定資産税評価額 1億円×50%(目安)=5,000万円 相続税評価額 5,000万円×(1-0.3×100%)=3,500万円 *貸家権割合が30% *賃貸割合は100%とする評価額 ▲6,500万円
建物の築年数が浅い場合には、上記にもありますように相続税評価額の圧縮
効果が大きいため、「相続税評価額<時価」であるケースが大半です。
したがって、相続対策を主目的として建築する場合には、一般的には個人所有が
有利であると言えるでしょう。
築年数が相当期間経過していると建物の相続税評価額と時価の関係は
「相続税評価額>時価」となるケースが多いと思われます。
したがって、相続税評価額よりも低い価額で会社に移転させることができ、相続税の
計算上、有利になります。
また、収入の面でも、借入の返済も終了しているような物件については、修繕日等
の維持費の負担は増加してくるものの、相対的に手残りは増加してくるでしょうから、
その意味でも会社への移転が望ましいと言えます。
*不動産の所有権を移転する場合には、登記費用と不動産取得税の負担を考慮しておく必要があります。a.築浅物件の場合
b.築年数が相当期間経過している場合
課税総所得金額 所得税 都道府県民税 市町村民税 合計 税率 控除額 税率 税率 税率 控除額 万円超 0 ~ 万円以下 195 5 ー 4 6 15 ー 195 ~ 330 10 9.75 4 6 20 9.75 330 ~ 695 20 42.75 4 6 30 42.75 695 ~ 900 23 63.6 4 6 33 63.6 900 ~ 1,800 33 153.6 4 6 43 153.6 1,800 ~ 40 279.6 4 6 50 279.6
所得税と住民税の合計速算表
(平成19年分以降h)
医療分保険料 後期高齢者支援金分 保険料 介護分保険料*1 平等割 (世帯ごとに負担) 1世帯あたり 35,690円 1世帯あたり 9,174円 1世帯あたり 7,773円 均等割 (被保険者数に応じて負 担) 被保険者数 ×20,582円 被保険者数 ×5,290円 介護保険第2号被保険者数 ×6,240円 所得割*2 (所得に応じて負担) 被保険者ごとに平成 年中総所得 金額等ー33万円 ×8.3% 被保険者ごとに平成 年 中総所得金額等-33万 円 ×2.2% 介護保険第2号被保険者ごとに 平成 年中総所得金額等- 33万円 ×2.1% 最高限度額 50万円 13万円 10万円