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東北観光推進機構の取り組みについて 一般社団法人東北観光推進機構 日本を訪れる外国人旅行者は ここ数年急拡大を続けており 十年前に733万人であった旅行者数が 昨年には2,400万人を超えるまでになっています 国は 観光を低迷する日本経済脱却のための成長戦略 と捉え 官民を挙げた様々な取り組みを行な

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■東北観光推進機構とはどのような団体でしょうか

東北観光推進機構は、2007年(平成19年)に、地元経済界、東北6県、新潟県および仙台市などによって、 観光振興と東北経済の発展に寄与することを目的に設立されました。官民による広域的な交流・連携の下、海 外における東北の認知度向上と国内外からの観光客誘致等に係る活動を行なっています。 2017年4月には一般社団法人化し、拡大を続ける訪日旅行需要の東北への取り込みや東日本大震災からの復 興等、東北が一体となって取り組むべき課題を克服し、東北観光を推進していくために組織体制の強化を図り ました。 また、2017年5月には、観光庁 の「日本版DMO候補法人」 とし て登録され、地域や関係団体およ び事業者等と連携を図りながら、 東北観光を広域の観点からマネ ジメントし、「観光の力」による 地域活性化に取り組んでいます。 (参考1)

東北観光推進機構の取り組みについて

一般社団法人東北観光推進機構

〈参考1〉 日本を訪れる外国人旅行者は、ここ数年急拡大を続けており、十年前に733万人であった旅行者数が、 昨年には2,400万人を超えるまでになっています。国は、観光を低迷する日本経済脱却のための成長戦略 と捉え、官民を挙げた様々な取り組みを行なっています。東北地方においても、東日本大震災からの復興 および地域活性化の観点から、東北観光の更なる成長が大いに期待されているところです。このような状 況下、東北観光のけん引役として活動する一般社団法人東北観光推進機構の取り組みについてご紹介させ ていただきます。 地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った 観光地づくりの舵取り役として、多様な関係者と共同しながら明確なコンセプトに基づいた観光地域づ くりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人の ことをいいます。 DMO:DestinationManagementOrganization 日本版DMOとは

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■観光の力とは

日本における観光の位置付けは、以 前はあまり高いものではなく、観光は 物見遊山であるとされてきました。一 方、世界に目を転じると、観光は産業 としての地位を確立させ、世界のGD Pの10%を占めるとされる一大産業と なっています。また、雇用の9%が観 光産業によるものであり、輸出額の 7%を占めるなど、経済や雇用の分野 で大きな役割を果たしています。[U NWTO(国連世界観光機関)の試算 による](参考2) 人口減少社会に突入した日本におい て、観光は数少ない成長産業となって おり、交流人口の拡大の面でも地方創生において大いに期待されています。地域を訪れる旅行者が増えれば、 その地域における消費行動が発生し、消費額の増加に伴う雇用増や投資といった経済循環が生まれます。日本 人一人当たりの年間消費額は125万円とされており、日本人の日帰り旅行客の一回あたりの消費額は1.6万円、 宿泊を伴う旅行者は4.9万円とされて います。これに対し訪日外国人旅行者 の一回あたりの消費額は17.7万円もあ るのです。地域の定住人口が一人減っ たとしても、7名の訪日外国人旅行者 (インバウンド)を地域に取り込むこ とができれば、人口減少に伴う地域で の消費減をカバーできることになりま す。(参考3) 世界中が競って観光産業の拡大に向 けた取り組みを進めていますが、日本 における観光への取り組みは緒につい たばかりです。産業としての観光に対 する理解を深め、さらに育てていくこ とが必要になっています。 また、地域を訪れる観光客との交流を通じ、地域の住民による地域の再発見も期待されています。他の地域 からの観光客が、地域の観光素材に関心を示してくれることがわかれば、何気なく見て触れていた地域の観光 素材が素晴らしいものに感じられ、地域への誇りへとつながる可能性を秘めています。このように観光には、 経済面のみならず、社会の共生や環境保護等も含めた地域の活性化に大きく貢献できる力があります。 〈参考2〉 〈参考3〉

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■観光の現状

世界の観光客の渡航先として、現在最も人気があるのはヨーロッパですが、将来的にはアジア・太平洋へも シフトし、2030年には4.8億人もの観光客がアジア・太平洋エリアを旅行すると見込まれています。(参考4) このような旺盛な需要を取り込み、訪日外国人旅行者の増加を図るべく、政府は2003年にビジット・ジャパ ンキャンペーンを開始しました。2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災で一時落ち込んだものの、 2013年の訪日ビザ緩和、2014年の免税法の改正を経て、2016年には2,400万人もの旅行者が日本を訪れています。 (参考5)2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックで、日本への関心がこれまで以上に高まる ことが予想され、訪日外国人旅行者数のさらなる拡大が期待されています。 〈参考5〉 〈参考4〉

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日本への外国人旅行者が急伸している一方、東北は大きく出遅れているのが現状です。東北での訪日外国人 宿泊者数は、震災前の2010年では東北6県で50万人泊でしたが、2011年には東日本大震災による被災およびそ の後の風評被害等もあり18万人泊まで激減しました。2015年にようやく震災前実績を回復しましたが、他の地 域が大きく訪日外国人旅行者の受入を伸ばしている現状を踏まえると、東北は大きく出遅れてしまっています。 (参考6) こうした現状を踏まえ、政府は2016年を『東北観光復興元年』と位置づけ、東北6県における訪日外国人宿 泊者数を2020年までに震災前の3倍の150万人泊とすることを目標に、全世界を対象とする大々的な東北プロ モーションを開始しました。(参考7)東北においても、広域連携に係る意識の高まりを受け、各県や市町村、 関係団体および事業者等との連携のもと、オール東北での取り組みを強力に進めています。 〈参考7〉 〈参考6〉

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■東北の課題

東北の観光、特に訪日外国人旅行者への対応においては、様々な課題があります。 『弘前にある桜を見たい』、『松島を背景に写真を撮りたい』、『大内宿でそばを食べたい』等、東北に関心を 持つ人々は、東北で他に何ができるか、他のどこに行けばいいか等の情報を求めていますが、これまでの取り 組みでは、県や市町村などの狭いエリアでの観光紹介に終始していたのが実情でした。海外からのお客様に県 境は関係ありません。広く東北全域を周遊されるニーズを掘り起こすためには東北広域でのプロモーション や、各地に点在する観光素材を点ではなく線や面でとらえ、魅力を発信していく取り組みが必要となります。 また、国際定期便の就航が少ない東北においては、新規路線の誘致とともに東京等大都市圏からのアクセスや 域内交通のアクセスの充実を図っていくことも重要となります。

■東北観光推進機構の取り組み

東北観光推進機構は、こうした現状を踏まえ、東北観光を復興させるためのけん引役としての役割を強く期 待されています。今年度、東北の課題克服に向けた2020年までの中期計画を策定し、様々な取り組みを行なっ ております。

◎東北観光推進機構

 中期計画(2017年~2020年)

中期計画事業目標値(対象:東北6県および新潟県)

観光庁発表の「宿泊旅行統計調査(基準:従業員10名以上の事業所)」や「訪日外国人消費動向調査」 をもとに、以下のような目標値を策定しました。 ①総宿泊者数=4,200万人泊 ②外国人宿泊者数=200万人泊(政府目標:東北6県150万人泊) ③外国人消費額=1,059億円

中期計画における基本方針と具体的な取り組み

観光をめぐる環境の変化、東北観光の課題等を踏まえながら、当機構のこれまでの取り組みと成果 を活かし、オール東北の推進役として東北の観光をけん引するため、今後大幅な伸びが期待できる訪 日外国人旅行者の受入に重点を置き、次の6つの方針を柱として取り組んでいます。実施に当たって は、PDCAサイクルを重視し、事業の効果、効率性を高めていきます。

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1 幅広い連携によるオール東北の実現 自治体や公的機関、会員等と の連携を強化し、訪東北旅行 者の拡大を図るため、トップ セールスなど地域の枠を超えた 「オール東北」として一体感を 醸成する取り組みを行なってい ます。 また、幅広い連携を進めるこ とにより、国内外との多様な交 流機会を拡大していくとともに、 観光を柱とした地域創生や人材 育成・確保、新規事業の育成を 図っていきます。 2 戦略的なプロモーションと情報発信の拡充 これまでの活動で培ってきた 知見やマーケティング分析等に より把握した対象市場、顧客の 特性に合わせ、ターゲットを見 極めた、テーマ性のあるプロ モーションや情報発信で誘客活 動を展開、強化しています。 特に震災の風評が残る国、地 域に対しては、粘り強く正確な 情報の発信を行い、風評の克服 と旅行需要の回復を図っていき ます。(参考9) 〈参考9〉 〈参考8〉 東北6県、新潟県及び仙台市の知事・市長や経済界、観光関連団体の代表等が一堂に会し、 東北のターゲット市場の政府、経済関係者、旅行会社等の代表に対してトップセールスを行い、 東北のPRを行う事業を2016年から実施しています。 2016年は最も訪東北旅行者数が多い台湾、2017年には風評被害が根強く、未だ震災前の訪東 北旅行者数を回復していない香港において実施し、双方向交流の拡大や国際定期便、チャーター 便の誘致拡大に向けたトップセールスを実施しました。(参考8) オール東北で取り組むトップセールス事業

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3 域内観光コンテンツの磨き上げ 訪日外国人旅行者の東北での広域周遊を図るため、東北の美しい四季、歴史文化、食などの魅力あ る素材を活用し、広域観光周遊ルート『日本の奥の院・東北探訪ルート』を設定しました。2016年4 月には、観光庁の認定を受け、海外の旅行会社で旅行商品化支援や広域周遊ルートのプロモーション などの取り組みを行なっています。また、東北観光復興対策交付金事業等を活用し、東北観光の広域 的な課題解消と魅力の向上にむけても自治体と連携して取り組んでいます。(参考10) 4 受入環境の整備促進 訪日外国人旅行者に対して実施する満足度調査において寄せられ た、日本旅行中の不満点については、言語、無料Wi-Fiサービスの不 足が上位を占めており、当機構では多言語通訳サービスの提供や通 信事業者と連携したWi-Fi整備などを進めています。また、東北観光 への玄関口となる仙台空港やターミナル駅と観光地間のアクセス向 上など接続交通を整備し、陸海空をネットワークした立体観光の促 進にも取り組んでいます。(参考11) 〈参考11〉 東北観光復興対策交付金を活用し東北6県とともに制作した東北PR動画「Autumn Colors in Tohoku, Japan 4K(Ultra HD)-東北の秋」は、2016年12月にYouTubeで公開後2017年8月には 再生回数が1,000万回を突破し、2017年9

月現在では1,212万回となっています。 また、2017年2月に公開した「Winter Lights in Tohoku, Japan 4K(Ultra HD) -東北の冬」も871万回の再生回数とな り、東北の魅力を広く海外に発信するこ とに寄与しています。

東北の魅力を世界に発信するPR動画の作成

〈Autumn Colors in Tohoku, Japan 4K(Ultra HD)─東北の旅〉

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5 人材の育成とネットワーク化 「オール東北」の視点を持った地域観光 プロデューサーを育成し、ネットワーク 化を図ることを目的とした観光人材育成 塾「フェニックス塾」を2016年から開始 しました。また本年からは、マーケティ ングを活用し、より効果的な事業展開が 期待できる、観光マーケティング人材育 成も実施します。(参考12) 6 マーケティング、広域観光戦略の強化 東北観光推進機構は、県や市町村、関 係機関や域内事業者等とのネットワーク の強化、および中長期の視点に立った 組織基盤の強化を図っています。また、 2017年5月に日本版DMO候補法人とし て登録されたのを機に、東北観光のマー ケティングおよびマネジメント等にも注 力し、各種施策や事業のPDCAサイク ルの深度化を図っています。(参考13)

■むすびに

東北においては、東北のハブ空港としての役割を期待されている仙台国際空港が2016年7月に完全民営化さ れ、LCCの新規就航や国際定期便の拡大等、台湾をはじめとする東アジアからの訪東北旅行のニーズを直接 的に取り込むことができるようになりました。また、オール東北による各種の戦略的プロモーション等も奏功 し、2017年に入ってからの訪東北外国人旅行者数は、全国平均を大きく上回る伸びに転じています。 東北観光推進機構では、今後とも東北の復興、地域の更なる活性化に向け、地域や産官学金等との連携によ る東北観光の推進を図ります。引き続き当機構の活動へのご理解とご協力をお願いいたします。 一般社団法人東北観光推進機構では会員を募集しています。 新規入会をご希望の場合は下記窓口までお問い合わせください。 〇(一社)東北観光推進機構 総務渉外部 担当:新倉・後藤 soumu@tohokutourism.jp 〒980-0081 仙台市青葉区一番町2-2-13 仙建ビル8階 〈参考12〉 〈参考13〉 観 光 庁HP:日 本 版 D M O 候 補 法 人 の 形 成・確 立 計 画 http://www.mlit.go.jp/ common/001183970.pdf

参照

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