特集
PHOTONEXT2018
写真ビジネスに新展開を
プロ機材 & フォトセミナー最大スケールのイベント「PHOTONEXT2018」がこのほど神奈川の横浜パ シフィコで開催され、前年を上回る 9608 人が来場した。第9回目を迎えたこのイベント、今回もスタジ オ、写真館、写真店を中心とした商材やサービスが一堂に展示された。テーマは、「フォトスタイル大変革 期のビジネス意識革命」。スマホがカメラに取って代わろうとしている中、写真ビジネスへの取り組みも変 化させていかなくてはならないのが現代。会場では、その変革のための素材がいくつか散見できた。今回は、 プリント関連を中心にレポートしてみた。今回も新しいプリント関連商材が 展示された。 富士フイルムは、店頭で作成する カレンダーのランナップを充実。 COYOMI、フォトブックリング カレンダーなどの卓上カレンダーで 新しいデザインを投入。また、ウォー ルタイプでは、大きなA3サイズを 追加。ポスタータイプでは、工場生 産のみだったマイカレンダーを店頭 注文、店頭仕上げ可能とした。10 月からのサービス開始を予定してい る。 一方、フォトグッズの店頭注文が 可能となったことを正式にアナウン スした。 アスカネットは、新製品として、 プリントの中央部を若干盛り上げ、 なだらかな丸みを帯びた加工を行 なった「PASTA」を展示。フォト スタンドとしても壁掛けとしても使 える。 また、アルミ素材をベースにした プリントは、以前から存在するが、 海外ではポピュラーなものの国内で はなかなか定着してこなかった。 しかしながら徐々にではあるが、 認知度は高まっているという。 今回は、CP+にも出展したパイ オテックが大きくブースを構えア ピールした他、イルフォードのブー スでも「ILFOCHROME」プリン トシステムの紹介を行なった。
プリントに新たな切り口も
デザイン、仕上げ、素材に工夫
ア ス カ ネットが展示した新製品 「PASTA」 。 フォ ト ス タ ン ド と し て テ ー ブ ル に 自 立 で き る 以 外 に、 パ ネルとして壁にかけることもできる ク ロ ー ム プ リ ン ト。 呼 び 方 は い ろ い ろ あ る よ う だ が、 こ の 派 手 な 印 象 だ が な ぜ か 引 き 込 ま れ る プ リ ン ト が、 2 つ の ブ ー ス で 展 示 さ れ た。 ア ル ミ 素 材 に 写 真 を 転 写 す る 方 式 だ が、 と に か く 特 別 な プ リ ン ト と 言 え る。 海 外 で は 一 般 的。 国 内 で は ま だ ま だ認知度、評価は低いものの、徐々にその存在感を感じ取れるようになってきた。 富 士 フ イ ル ム は、 店 頭 で 作 成 す る カ レ ン ダ ー の ラ ン ナ ッ プ を さらに充実させた。マイカレンダーも店頭仕上げ可能に 柔 ら か な 質 感 と ナ チ ュ ラ ル な 風 合 い が ポ イ ン トのフォトカード 「Leafカード」 。アートな 感じのハガキとして使える D N P フ ォ ト イ メ ー ジ ン グ ジ ャ パ ン の ブ ー ス で は、 D r e a m Pagesのカレンダー作成システムをアピール。A2の 大 型 ポ ス タ ー カ レ ン ダ ー が で き る ほ か、 開 始 月 が 自 由 に 選 べ、 オ リジナル 記念日が入れられるプリントバリエーションの展開と いう観点では、新しいものは少な かったものの、プリント拡販に向け ての提案が見られた。 特に注目されたのは、富士フイル ム。プリントの販売に関して一般 ユーザーを対象にした調査を行な い、それに基づき、年代別の商品ア プローチの提案を行なった。 「被写体別」でプリントビジネス を拡大!、と書かれた提案コーナー を設けた。 これは、先に行なわれた富士フイ ルムイメージングシステムズの商談 会で提案された、6つの被写体別の 攻略法に次ぐもので、今 回は、ヤ ン グ、ミ ド ル、 シニアの3つの世代別と いう切り口を加えた。 ヤングは、プリントの きっかけとして「贈る」 を挙げており、写プライ ズ提案を、ミドルは、記 念日にプリントすること が多いので、シーンに合 わせた、シーズンコト提 案を、シニアでは、プリ ント製品に中でLプリン トの比率が高いので、そ の他のカレンダーやキー ホルダーなど、Lプリン ト以外の「楽しみ方」を 提案する。といった内容。 プリント関連機材も展示された が、新製品としてもっとも注目を集 めたのが、ノーリツプレシジョンの 銀塩ミニラボ「QSS-39」シリーズ。 ノーリツプレシジョンのブースで は、銀塩プリンターの新製品「 QSS-3901G/3904G」を展示し、大きな話 題となった。 QSS-3901Gは、Lサ イ ズ で約 1650枚/時、六切サイズで約423 枚/時、四切サイズで約345枚/ 時 の 処 理 能 力。 一 方 の 同3904G
ノーリツが最新鋭の銀塩機材
機能生かした成果物も徐々に
富士が世代別攻略法を提案
傾向を見極め最適な商材を
各 層 に 対 し て シ ー ズ ン ご と の 仕 掛 け 内 容 を 考 え る こ と が 重 要。 ミ ド ル 層 に 対 し て は、 8 月 に は こ う し た ア イ テ ム を 勧 め て み る、 と い う 提 案。 左 は、 ヤ ン グ 層 に 対 し て、 友 人 と の イ ベ ン ト の プ レ ゼ ン ト に、 お 菓 子 だ け で は な く、 さ り げ な く プ リントを添えるというアイデアトペーパーで330×635mm。 2列式のダブルペーパーマガジン 搭載。最大幅305mmのペーパーマ ガジンを2個装着可能となってい る。 多彩なプリントに対応、一般プリ ントばかりでなく、両面プリントを 生かしたフォトブックやカレンダー などの作成ができる。 ま た、EZコ ン ト ロ ー ラ ー を使 用することでアドビシステムズの DNG変換技術と同社独自の画像処 理技術「Accusmart TM」により、 他の現像ソフトを使用することな く、RAW画像データから高画質な プリントを出力できる。 「QSS Green IV」の処理能力は、 Lサイズで約770枚/時、六切サイ ズで約285枚/時、四切サイズで 約210枚/時。 商材としては、パールペーパープ リント、コラージュプリント、まし は、Lサイズで約2250枚/時、六 切サイズで約614枚/時、四切サ イズで約501枚/時の処理能力を 持っている。 プリントの最大出力サイズは、 305×914.4mm。 商 材 と し て は、 ロングロングプリント、カレンダー プリント、コラージュプリント、ま しかくプリントを基本ラインナッ プ。工場オプションでトリプルマガ ジン、クアッドマガジンに対応して いる。 インクジェット方式のドライミニ ラボの新製品としては、すでに販売 されている「QSS Green III」と初 登場の「QSS Green IV」を展示した。 「QSS Green III」は、同社のイン クジェット方式ミニラボでは、最 速の処理能力を持つ。Lサイズで約 1180枚/時、PCサイズで約950枚、 六切サイズで約305枚/時、四切 サイズで約223枚/時の処理能力 を実現。 プリント最大出力サイズは、ロー ルペーパーで305×1400mm、シー ノーリツプレシジョンは、 銀塩ミニラボの新製品 「Q S S ー 39」 シリ ー ズ を は じ め、 イ ンク ジ ェ ッ ト ミ ニラ ボの新製品「QSS Green Ⅲ 」(販売中) 、「同Ⅳ」 を展示して注目された。 富 士 フ イ ル ム は、 ノ ン フ ォ ト チ ャ ネ ル 向 け に 開 発 を 進 め て い た フ ロ ン テ ィ ア D E 1 0 0 を 核 と す る 簡 易プリントシステムを関せさせ、お披露目した かくプリント、カレンダープリント、 ロングロングプリントなどをライン ナップ。プリントの最大出力サイズ は、305×1757.7mm。オプション でダブルマガジン化が可能だ。 また、同ブースでは、付加価値プ リントのコーナーを設け、ユニーク なプリント展示を行なった。過去の refocus時代を思い出させる展開に 何ともいえない思いが。 一方、富士フイルムでは、先般の 商談会で参考展示した、ノンフォト 向けのプリントシステムを本格導入 に向け、公開した。 システムは、WPSと「フロンティ アDE100」をDIコントローラー を介さずにプリント注文可能とした もので、パソコン経由の簡単な操作 環境を実現している。 また、機材を利用した新しいビジ ネス提案を行なうブースも散見され た。
POSCAL は、ポストカードビジネスを中心にプリントビジネ スのデザイン 編集、印刷までをワンストップで管理するサービ ス。既存の店頭サービスに簡単にメニューを加えることができる。 加盟店は独自のネットワークで繋がっており、オーバーフロー した受注は余裕のある店舗に依頼することができる仕組み。ス マホ 対応で店頭の QR コードを読むと即注文できる 着物の在庫商品を販売するためのサービス。あらかじめ準備されたモ デルのデータに合成着付するというもの。販売したい仮絵羽を反物を送 付すると白生地モデルに合成着付。送付する着物の仕立ては不要で現物 を撮影、データ 上で合成、完成した着姿データが送られてくる仕組み 「 移 動 写 真 プ リ ン ト 店 あ ち こ ち プ リ ン ト 」。 プ リ ン ト 機 材 を 車 に 搭 載して、あちこち飛び回るというビジネス提案 錦 名 印 刷 の ブ ー ス で 展 示 さ れ た C S P キ ュ ー ブ の ス マ ホ ケ ー ス の プ リ ン ト シ ス テ ム。 通 常 は イ ン ク ジ ェ ッ ト な ど で 直 接 印 字 が 一 般 的 だ が、 こ れ は、 一 度 転 写 プ リ ン ト に 印 字 し た 素 材 を 専 用 機 器 で 熱 を 加 え 転 写 圧 着 す る 方 式。 角 の 部 分まで印刷がなされ、これまでにない美しい仕上がりだ 三菱製紙のブースで見かけた OKI のプリンターを活用し た T シャツプリントシステム。よくあるシステムではあるが、 下地を一度プレスして、その上に金や銀を印刷すると豪華 な感じに仕上がる。右のようなプリントも立体的でクオリティ の高いものができるようだ パ ノ ラ マ あ る い は 3 6 0 度 カ メ ラ で 撮 影 す る サ ー ビ ス。 韓 国 の 写 真 関 連 イ ベ ン ト で は 数 年 前 に 見 た こ とがあるが、国内で見るのは初めて。データ 渡し キヤノンは、ImagePROGRAPH およびPIXUS PROによるプリン ト提案を行ったが、今回、PIXUS PROによる証明写真サービスの提 案も行なわれた。 POSCALは、写真付加価値商材 によるビジネスを自店のプリントビ ジネスに手軽に付加できるシステム で、顧客は、店頭端末に表示された QRコードをスマホで読み取ること で、スマホからのTシャツ、マグカッ プなどの付加価値商材を含めたプリ ント注文ができるようになる、とい うもの。 このほか、パノラマ、VR撮影に よるウエディング関連商品の作成 や、「移動写真プリント店」なるユ ニークな提案も見られた。 ウエディングのVR撮影について は、ようやくこの手が出てきたとい う感じ。VRの活用はまだまだこれ から。 「移動写真プリント店 あちこち プリント」は、プリント機材を積ん だ車で、各イベント会場などを巡回 してプリントサービスを行なうとい うもの。 キ ヤ ノ ン マーケ ティン グ ジャパ ンのブー ス で は、 P I X U S P R O に よ る 証 明 写真システムの紹介も行なわれた
DNPフォトイメージングジャパ ンがブースを出展し、DreamPages のフォトブックやカレンダーそして 昇華型フォトプリンター「DS620」 「DS820」を活用した多彩な内容の プリント受注システムの紹介を行 なった。 DreamPagesのコーナーでは、こ のイベントの主たる来場者であるス タジオや写真館を対象に、撮影した 写真を使ってのDreamPagesのフォ トブックをさらに数多く作ってもら うことを提案。 商品として、扱いやすく親しみや すいDreamPagesのフォトブック を取り入れることで、さらなる売上 を確保してもらおうと、商品アピー ルを行なった。 さらに写真店や小売業向けにも1 冊から注文可能、簡単にでき、品質・ 価格も納得できることを訴求した。 フォトブックのコーナーでは、面 質の違いによる表現力の差異を手に 取って感じ取ってもらおうと、グロ ス、マット、ナチュラルの3種類 の面質の異なるペーパーで作成した フォトブックを展示。同じサイズで も用途によって質感を選択できる幅 の広さを提示した。 DreamPagesの フ ォ ト ブ ッ ク に は、「B5サイズ」というラインナッ プがあるが、もっとも特長的なのは、 使用ペーパーにしっとり感のある高 級ポストカード用紙を採用している こと。 レイフラットシリーズでは、ハー ドカバーに加えて、昨年夏にリリー スしたソフトカバー(A5サイズ) のアピールに力を入れた。 見開きで見られるフォトブックの 価格を抑えることで、買い求めやす くしている。 また、業務用のフォトブック作成 ソフト「DreamPages EX2」の無償 提供を訴求した。 「DreamPages EX2」が無償提供 されることで、システムの導入の ハードルがグッと低くなり、スタジ オや写真館における基本ビジネス にプラスできる商材となることをア ピール。 さらに、DreamPagesの製品ライ ンナップとしては、カレンダーも改 めて丁寧に紹介した。今回は、来場 者にカレンダーの内容をじっくりと 見てもらおうと、専用のコーナー作 りにも力を入れた。 DreamPagesのカレンダーは、写 真を入れるだけで簡単に作成でき、 即座に店舗メニューに加えられるの が大きなポイントになる。 カレンダーでは、A2横タイプの ポスターカレンダーをラインナップ
無償ソフト活用で売上げ増を
カレンダー、ポスターも戦力
撮影ビジネスに奥行きプラス
DreamPages導入で活力を
DNPフォトイメージングジャパン DNPフォトイメージングジャパンは、PHOTONEXT2018 に出展し、 DNP のフォトブック DreamPages(ドリームページ)関連商品をメイン に多彩なプリントビジネスの提案を行なった。今回の出展の目的は、従 来の商材、サービスなどの提案を改めて掘り下げて提示すること。来場 者ひとり一人に語りかけ、来場者も熱心に耳を傾けていた。BOOTH HIGHLIGHT
に加えたほか、A2サイズの写真を 活かしたポスターもできることを提 示した。 プリント受注システムも展示され た。店頭プリント受付端末「DT-T5 j」が展示されたが、A4のテンプ レートを増やしたことをアピール。 背景合成機能でさまざまな背景色 に対応、付加価値の高い証明写真を 提供できる、証明写真ソフトウエア 「Easy ID Software IDX v2.3」も紹
介した。 このほか、月額利用料のみで始め られ、データ付きプリント販売が行 なえる、観光地向けの撮影画像販売 システムや即日データ渡しが可能な スタジオ向けの同様のシステムの紹 介が行なわれた。 A 2 サ イ ズ と い う 大 き な サ イ ズ の カ レ ン ダ ー を 紹 介。 同 サ イズでのポスターも作成できることもアピール B 5 サ イ ズ は、 し っ と り 感 の あ る 高 級 ポ ス ト カ ー ド 用 ペ ー パ ー を 使 用 し て お り、 独 特 の 風 合 い、手触り感を楽しむことができる 3 種 類 の 異 な る 面 質 を 用 意 し て お り、 使 用 目 的 に よ っ て 選 択 で き る こ と を 改 め て ア ピールした 昇華型フォトプリンター「DS620」「DS820」、店頭プリント受付端末「DT-T5 j」、証明写真ソフトウエア「Easy ID Software IDX v2.3」などが紹介され たコーナー 観 光 地 や ス タ ジ オ 向 け の 撮 影 画 像 販 売 の シ ス テ ム を 紹 介。 デ ー タ 付きプ リ ン ト 販売や即日データ 渡しのビ ジ ネ スが即座に可能となる
プリント受注システムが充実
証明写真、データ販売も訴求
レ イ フ ラ ッ ト シ リ ー ズ に ソ フ ト カ バ ー タ イ プが登場、買い求めやすさを訴求した 「 D T - T 5 j 」 で は、 テ ン プ レ ー ト や ア ル バ ム、 プ リ ン ト モ ー ド が さ ら に 充実した飾 る こ と を 前 提 に し た ア ル バ ム も い ろ い ろ 出 て き て い る。 こ れ は、 木 枠 の スタンド に 入 っ た アルバム。 表紙はアクリル 採用 アク リル を 表 紙 に 使 っ た ア ルバム は、 以 前 か ら あ る が、 ア ク リ ル 採 用 の ア イ テ ム が ア ル バ ム 以 外 に も 小 型のものを含めていろいろと増えてきている 〝白いアルバム〟 も目につく。右が富士フイルムの ユ ポ ア ル バ ム、 左がラ ボ ネット ワークのcotowa。 い ず れ も 使 用 ペ ー パ ー に こ だ わ り、 白 色 の エ レ ガ ン スさとしっとりとくる質感をポイントとしている 今回もフォトブックおよびアルバ ムの展示が行なわれた。 フォトブック関連では、もはや新 しいタイプが次々に出てくるという 状況ではないので、なかなか記事に しにくいが、いくつか動きはある。 富士フイルムがフォトジンを展示 したが、新製品として「スリムサイ ズ」を展示。スマホの画像を手軽に 出力できるユニークなアイテムとし て注目を集めた。 また、アルバムの展示では、流れ として感じられるものがいくつか見 かけられる。 1つは、表紙などにアクリル素材 を使ったもの。以前からも流行に なっていたが、さまざまなタイプで 幅広くこの仕上げ方法を使ったもの が見受けられるようになった。 また、ラボネットワークは、コン セプトを「写真はインテリアにな る」とした新しいタイプのアルバム 「cotowa」シリーズを展示。写真が 主役になる写真集のような暮らしに 溶け込む新アルバム、としており、 体裁は、本棚に収まりやすいレター サイズのアルバム。 使用ペーパーにもこだわり、保湿 感のあるさわりごこちが特長となっ ている。 全体に白いイメージで、ペーパー も感触に特徴を持たせているが、こ の微妙なニュアンスは、富士フイル ムの「ユポアルバム」もそう。 写真表紙のハードカバー仕立ての アルバムだが、使用ペーパーは、高 い白色度で写真が映え、しっとりと した質感を持つ仕上がりとなってい おる。これも1つの新しい流れか。