Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
理学 療 法 学 第
32
巻 第4
号313
〜
317
頁 〔2005
年 )褥 瘡 対 策 プ
ロジ
ェク ト
理
学療法
と
車
い
す
*廣
瀬
秀
行
* * は じめ
に 今 まで車いすの作 成は坐 幅,
奥 行 き等の寸 法 を 決め てい く 手 法であっ た。
しか し.
こ の手 法は以下の ようない くつ かの間 題点 を 持っ
てい るn1 )車
い す上 で測定
す る た め,
そ ば に あっ た車い すに近い 形 状に な るこ と,
2
)寸法
測定
がス リン グ シー
トの た わ み等
で誤差 が起き易い こ と,
3
) 身 体 角 度の評 価 を し ていないこ と,
4
) クッ ション の決定
は後 回し となっ て いる.
5
) 重 力 下で無力 性 脊椎 など頭 部体 幹のつ ぶれを 無 視し てい る.
な どがあげ ら れる。
こ こ で は,
まず 坐 位 姿 勢の 表現手 法につ い て 説 明 し,
次に 車いすの設 計手 法,
特にクッ シコ ン の選択や車いす 形 状の設 定 手 法に お け るマ ッ ト評価につ い て 言 及 す る.
車
いす 坐位 姿 勢
の表 現
坐位 姿 勢は機 能 的
,
生 理的.
移 動 手 段,
坐 り心 地,
外 観1),
そ して介護に影 響 する/
t 特 に,
不 良 姿 勢 は生 理 的 に 関係 す る褥 瘡の発生 や脊 柱 変 形に よ る呼 吸・
消 化・
嚥 下 など多 くの問ra2
)3/ を起こす。 つ ま り,
車いす上の姿 勢 を評価し,
起こ り え る患 者 様にとっ て の問 題 点 を指 摘 する必 要がある。
また.
新た に車い す を提 供 する場 合,
提 供 前と後の車いす で の 姿 勢 が どの程 度 変 化した か 把握す る 必 要 が あ る。
車い す や 座 位 保 持 装 置 上 での姿 勢を表現 す る手 法はいま ま で な かっ た、
,
し か し,
座 位で重 要 な骨 格は まず.
骨盤であ り,
そし て脊柱である。 それ らの表 現 を国 際 的 に決 めてい こう とい う考え が2DOD
年か ら始 ま り,
1SO
〔困 際 標 準 化 機 構 )TC173
〔福 祉 用 具 )SC
1
〔車い す)の中に座 位 姿 勢お よ び座 位保 持 装 置 を表
現 す る グ ルー
プ が 出来上 がっ た。1
〕 基本 条 件 :座 位 姿 勢を対 象とした表現 手 法と し,
前 額 面,
矢状 面,
横
断 面 に対 する身
体各
節の位 置と して,
車い す 座 標 系,
座位 保 持装置 座 標 系,
人 体 座 標系か らなる座 標 系 を設定し た/
t 人体座標 系は 左右の股 関 節 中心が,
座 位 保 持 装 置は座 面 後 縁 中 央,
車いすは左 右大 輪 設 置 面 中 央が原 点となる、
、
座 標 系は右 手 の法 則が定 義さ れ た (例え ば,
原 点か ら右 股 関 節 中心に向 うx *Physical
Therapy
and
Wheelchair
艸
国 立身体 障害者リハ ビ リ テ
ー
シtu ンセンター
研 究 所
〔〒
3598555
埼土県所沢喧並木4
−
1
)
1
正idcyuki
Hirose
.
RPT
:Reseavch
Institute
,
National
Rehab
[1itation
Center
for
・
PersefiS
wiLh
DisubiliLieti
キ
ー
ワー
ド :車い す,
評価,
姿 勢噂
5
o
1
{
鷲
・・
図1
前額 面で の骨 盤の位 置の表
現手法点 線は左右
ASIS
を結んだ 線,
そ れ に 垂 直 な 前 額 面 骨 盤 線 を 実 線,
そ し て・
点鎖線は 垂 直 線 を 表 し,
垂 直 線 か ら 時 計 周 り で 前 額 面 骨 盤 線 を表現 す る と5
度と な る.
軸を 正 と し た )。
回旋は360
度時 計回 り法を使 用し,
矢 状 面は x 軸 止の方 向か ら,
前 額 面はy
軸正の方 向か ら,
横 断 面はz軸 正の方 向か ら見た角 度となる、
,
基 本的に姿 勢 を 表現 する時は車
いす 座 標 系が基 本となる。
また,
基 本 的 座 位 姿 勢は股・
膝関節90
度ルー
ルを採 用し,
そこか らの角度 変 化 を 表現する手 法 を 選 ん だ。
2
) 身 体 節の2
つ の 人 体 標 点か ら節 線が決め ら れ た、
例 え ば,
頭 部 は左 右の眼 縁 を結ぷ 前額 面 頭 部 線,
眼 縁 と耳 珠 を結ぶ矢 状 面 頭 部 線.
左 右 耳珠 を結ぶ横 断 面 頭 部 線が3
つ の 面そ れ ぞ れ に 定 義さ れ た。
頚 部 は 人 間 工 学 デー
タ を 使 用 し た ヒ部 頚 部 点 と 下 部 頚 部 点か ら前 額面 頚 部線と 矢 状 面 頚 部 線 が 決 め ら れ た、
体 幹 部 は矢状 面L
部 体 幹 線 が 下 部 頚 部 点 と 腸 骨 稜 を 結 ん だ 線,
矢 状ll
’
li体幹 線は 下 部 頚 部 点 と 股 関 節 中 心 〔ASIS
とPSIS
も 人間⊥学 デー
タ に よ る 比 率 に よ り計 算 さ れ る ) か ら な り,
前 額 面 は 胸 骨 の上端と 下端を 結 ん だ 胸 骨 線,
胸 骨上 端 と 左右ASIS
の中 点を 結 ん だ前 額 面 体 幹 線を決め た。以 下 に
代 表
例 と し て骨盤の 矢状面お よ び前 額 面での位 置の表
現手
法を説 明 する (図D
。 図1
は前 額 面での骨 盤 絶 対 角 度 を示し,
人体 標 点の左 右ASIS
を結ぶ線 〔点 線 〕の中央に垂 直 な 実線を 立て る。 こ れが前 額 面 骨 盤 線 〔実 線 ) と なるt.
t
360
度 の定義よ り,
乖直 線 (一
点 鎖 線) の差の角 度,
こ こ で は5
度に N工 工一
.
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service
314
理 学 療 浬ξ:
孕 第3Z
巻 第4
号・
r
灘
.
v一
泌.
,
縫 PS−
m5’
ゆ’
拳.
/t・
猷!
ノ’
磯一
、
、
〆
315
°0
鉱
・
・
’.
.
.
韃
‘
鷺 糊曲.
蝋
畔「
図
2
矢 状 面 での 骨 盤の 位 置の 表現于法
点 線は八
SIS
とPSIS
を結ん だ線
,
そ れ に 垂 直 な 矢 状 面 骨盤線を実線
,
そ し て.
点 鎖 線は垂 直 線を表し,
電直線
か ら時 計 周り で 矢状 面骨 盤 線を表現す る と315
度と な る.
な り,
左に骨盤 が前額面で傾 斜し てい ること を表 す.
矢 状 面で は 〔図21
標 点と してASIS
とPSIS
を結んだ線 〔点 線)に垂 直 な線が矢状 面 骨盤線
〔実 線}とな り,
垂 直 線 〔一
点 鎖 線〕 の差315
度が骨 盤の絶 対 角 度で,
骨盤 が侵傾 し てい るこ と を指 す 他のL
肢お よび ド肢 もそ れ ぞ れ表現手 法が 決 まっ てい る.
.
ま た 同様な手 法で座 位 保 持 装 置の各部 品につ い ても表 現でき る よ う に なっ
てい るVt問題点と し て
,
例 え ば肩関節 外 転が左 右では今まで は同・
の3D
度 外 転 位と して表
現 してい たのが.
右は150
度,
左 は210
度Cl
’
.
腕を ト.
う し た角度 が18D
)・
Xl
]・
と な る.
、
これは体 幹 部の角 度 表 現での整 合性か ら来てい る の で,
既存の表 現 手 法 と異 な る 次に.
人体 計 測 点か ら仮 想の関 節 中心を求
め てい る た め実 際の 計 測には困 難 さが牛じてい るtt
/
車
いす決 定 手 法
,特
に クッシ
ョ ン 前 項 で 述べた よ う に,
今 まで,
車い すに坐っ て いた だい た 状 態 で 坐 幅 や奥f
∫きを 測 定 する手法で 申:いすが決まっ てき た.
しか し,
質の高い市
販の ク ッシ ョ ンが多 く使 用 される よ うにな り,
ま た 座位で の クッシ ョ ン の高さが安 定性やH
常生活に影響 を及ぼ す ように なっ て き た.
.
また,
狭い車いすの座 席に大 きい クッショ ンを 置 く ことで.
クッショ ンが は じめ か ら圧 縮 を受け,
期 待し た性 能を 発揮し な く な る、
よっ て.
車いす を 決め る前に クッシ ョ ンを 決 め る 必要があ り,
そ れ に合 わ せ た 車い す 寸 法 が 後か ら決 ま・
)て い く必要が あ る.
で はク ッ ショ ン の性 能 を 決 め る 要 因のひ とつ と し て 褥瘡の リ ス クを どの よ うに測 定す る か で あ る、
、
高 齢 音 で は 褥癒 発生の リ ス クを持っ て いる か 判 断 が 困 難 で あ る.
.
当 然 脊 髄 損 傷 は診断 と同11
・i
に褥 瘡の リス クを 持っ てい るの で.
予 防すべ きであろ う。
基 本119
に褥 瘡発 生のリス タ を 検 討 し,
リスク が あ る な ら.
減圧等 機能 を持つ マ ッ トレ ス や クッ ショ ンを 選 択 す る.
、
ここで は そ れぞ れのリスクスケー
ルを 紹 介 する と ともに,
PT
治 療と の 問 題点につ い て言 及 す7”,
,
1
) リスクスケー
ルー
般に高 齢 者が褥 瘡を起こす 疾 患や障 害は多 様であ り,
目 の前にい る高齢 者の方が褥瘡の リ ス クを持っ て い る か どうか を 判 断する こと は困 難であっ た。
これに対して褥 瘡の リス クを測 定する多 くの方 法が開発さ れて い る、
.
こ こ では 冂本で よく使 用 さ れ るブ レー
デ ン ス ケー
ル につ い て説 明 する 門ブレ
ー
デン スケー
ルCBraden
Scale
f
〔)rPredicting
Risk
ofPressure
Ucer
)は,
米国Braden
博 士に よ’
っ
て 開発され,
項 冂と し て は知 覚の認 知,
湿 潤,
活 動 性,
叮動性
,
栄養
状 態,
摩 擁とずれの6
項目 か ら な るt.
知 覚の 認 知は痛み に よ る 反 応 で あ り,
圧 迫に よ る不 快 感に対 して適 切に反 応できる能 力を さ す, 湿潤は汗や尿 などのた めに,
皮 膚が湿 潤にさ ら さ れて い る程 度 をさす,
活 動性は行 動の範 囲で,
寝たきり.
座 位 叮能.
歩行uJ.
能に分 類さ れる。
Lll’
動性は体 位 を変 えた り、
整え たりで きる能 力で,
匡迫を 除く体 動が基 本と な るt
.
t
栄養 状 態は,
普 段の 食事 の 摂 取 状 況 で あ る、
最後に摩 擦 とずれ は介助 時,
痙 攣 等.
椅 子 や 抑 制 帯 な どの使 用 も その範疇 と してい る,
こ れ ら はベ ッ ド上の 齷
瘡
に対す る リス ク評価であll,
車
い すヒの褥 瘡リスク はベ ッ ド.
L
より高い と考え ら れ るので.
ベ ッ ド ヒで の リスク が高い と判 断さ れ れ ば,
車いす.
ヒは さ ら に 注 意 が 必 要であ る.
ま た,
全 身 状 態として の リス クを 見ることもでき,
車いす を 使 用 し てい る高齢者は まずこれ らの ス ケー
ルを用い て リス ク を確認 すべ き で あ る.
、
2
)車い す クッ ショ ン 提 案さ れ ている車い す 座 位 上 での リスク 評 価 につ い て 説 明 する.
,
:1
:1
米i
剛建康 産業 製 造 翫協 会6; 米 国の健 康 産 業 裂造 協 会田MA
で は米 国での 健 康 保 険プロ グ ラムMEDICARE
での適 切 な 座 位 保 持 装 置の供給 を 目 的 に,
身
体状 況 に合わ せ た座 位 保持 装 置の選 択 手 法 を開発 した.
その 111で,
皮 膚へ の評 価 を 行っ てい る.
.
医 学
rl9
基準の 評 価 項 目 と し て,
ll
項 口 が あ る、
.
ま た,
項目 に は そ れ を 具 体 的 に 説 明 す る 下 位 項H
が あ る ものも あ る、
製 品 側の性 能 機 能 を 基 に,
7
段 階 に 製 品 を 分 類 し,
褥瘡のリ スク が 少 ない 方 が 求 め る 姿 勢 保 持 性 能 や 変 形 対 応機能 と軟部組 織へ の減 圧 能 力 機 能 と 姿 勢 保 持性肓旨や 変 形 対応 機 能が求めら れ た シッ ショ ンに牙 類 する、
t 身 体側の 評 価 項日のい くつ か に適 合 し た場 合,
そ れ に合わ せ て 製 品 側の段階 が 決定さ れ る。
これ ら の褥 癒の評 価 項 目と し て座 位 時 間,
姿 勢,
除圧,
ブレー
デ ン ス ケー
ル,
皮 膚 状 況 など が あ げ ら れ ている.
〔2
)感 覚と除 圧 能 力からみた分 類’
.
車い すを 主 と して使 用して いる方を対
象
に痛覚
や触 覚の有 無と車いす上で の有 効 な 除圧動 作 能 力の有 無で障害を4
つ に分 類 し,
対 応 策を示し たtt
分 類1
は感 覚が正 常で除 圧 も可 能である 方で あ る.
、
例え ば,
曄{いす 走 行が かなり自立 し,
また車いすか らの トラ ン ス フ ァ も 自“flし てい る高齢 者である が,
歩 行が困 難である か ら臀 筋が萎 縮 し てい る と考えら れ,
座 り心 地 を 意 識L
たクッ ショ ンを 選 択 す る.
N工 工一
.
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理 学 療 法 と 車い す
315
表
1
褥 瘡 評 価と車い すクッ ション の選 択s〕1
.
褥癒 リスク評 価 〔車いす60
分以 上連 座 座位生活 者 )D
可 動 性 叮動 性1
.
全 く体 動 な し2
.
非 常に限 られる3
.
や や限ら れ る4
,
自 由に体動 する 体 位 を 変 えた 介助 な しで は,
体 時々体 幹 ま たは 四肢 を少し動かす.
し か し,
少しの動 きで はある が,
介 助な し で頻同 に かつ り 整 え た りで 幹 ま た は 四 肢 を 少 し ば し ば 自 力 で 動 か した り,
ま た は 有 効 な し ば し ば 自 力 で 体 幹 ま た 適 切 な 〔体 位を 変 え る き る 能 力 し も動 か さ ない.
〔圧 迫 を 除 去 す る よ う な } 体 動 は し ない.
は 四 肢 を 動 か す.
よ う な )体動 を す る.
2
}摩擦とず れ1
.
問題 あ り2
.
潜 在 的に問題 あ り 移 動のた め に は.
巾等 度 から最 大 限の介助 を 要 す る..
弱々しく動 く.
ま た は最 小 限の介助 が 必 要で シー
ツ で こすれず に 体 を 移 動 すること は不 可 能であ…
あ る.
移 動 時 皮 膚は,
あ る程 度シー
ツや椅 子,
る.
し ばしば床上や椅 ∫.
の.
ヒでず り落 ち,
全向介助.
抑 制 帯,
補 助具などに こすれ てい る 可能 性が で何 度 も 元の位 置に戻 すこと が必 要となる.
痙 攣,
ある.
たいがい の時 間は.
椅 チや床上 で比 較 拘 縮,
振 戦は持 続 的に摩擦 を引 き起こす.
的 良い体 位 を保つ ことがで きる.
3
,
問 題 なし 自力で椅 子や床上 を 動 き,
移 動 中 十 分に体 を支 える筋 力 を 備え てい る,
い つ でも,
椅子 や床 上で良い体 位 を 保つ こと が できる,
3
}現 在,
車いす座位 接 触 部皮 膚の状 況 (1
,
創 有り2
.
発赤,
ビラ ン3
,
無:14
〕前 額 面で の骨 盤 脊柱の変形 1:1
.
車いす上で左 右に倒れる2
.
問題 ない冫5i
感覚 障害 知 覚 の 認 知 圧 迫によ る不 快 感に対して1
.
全く知 覚 なし 痛みに対.
す る 反 応 の め く,
避け る,
つ か む等:1 なし,
2
.
重 度の障 害あ り 痛みの み に反 応 する.
不快 感を 伝 えるII
寺には,
うめくこと や身聯 孅 畿
、 か、]
曝
隔
最
、、す1
不’
「夬感や体 位 変 換のニー
ドを伝.
る.
知 覚 欠 損 は な 適 切に対 応で こ の反 応は,
意 識レベ ル の の置 き場 な く動 くことしかでき えることが.
い つ もできると は く,
痛み や不 快 感 きる能丿丿 低 ドや鎮 静に よ る.
あるい ない.
あるい は、
知 覚 障 害があ 限 ら ない,
あるい は,
い くぶ ん を 訴え ること が で は体のおおよそ 全 体に わた り,
体の レ2
以 上にわた り痛み 知 覚 障 害が あ り,
四肢の1
,
2
き る.
i
り痛覚の障 害がある.
や不 快 感の 感じ方が完 全で は な 本に おい て痛みや不快
感の 感じ い.
方
が完全 で ない部 位が あ る,
6
)座 位に関 係し た褥 瘡の有無 :1
.
過 去に有2
.
過 去に鮭し7
冫身体 拘 束の有 無:L
有2
.
無し2
.
クッ ション の選 択1
項凵で も1
が選択されれば.
褥 瘡予防 を目的と した クッ シu ン の選択.
→
最 低でも厚さ10cm
クッ ショ ン の選 択 分 類2
は 感 覚がTF
常 だ が 除圧 ができ ない 万である.
例 え ば,
筋JJ
に障 害 を持つ 筋ジス トロ フ ィ症 な ど で,
減圧能力
の あ る クッ ション,
つ まり褥 瘡 防IL機 能 を持っ た クッ ショ ンが 必 要 と な る、
、
分 類
3
は感覚
に障 害が あ る が,
除圧能 力がある方である、
例 え ば,
上肢 機 能が維 持さ れてい る胸 腰 髄 損 傷者の 方である,
ク ッシ ョ ンと して減圧能 力が 必要である。
分 類4
は感 覚の障害と 同時に,
自分で の除圧能 力が ない方で ある。
例え ば,
頸 髄 損 傷 者や重度 な 高 齢 者を指 す.
、
よって.
減 圧能 力を持つ ク ッシ ョ ンと同時に,
いすの角 度を変 えて接 触 面 を変 更できる ティ ル ト機 能が 必要である,
〔3
}ま とめs’ 高 齢 者の座 位で の 褥瘡 を 起こ しやすい 方 を 見つ け 出 す ため の要 因 と して,
環 境や道 具に左 右 さ れ ない 身体 要 因 を考 え,
そ の後 環 境や身 体 要因を決 定し てい く手法が よいで あ ろう.
、
し か し.
現実は座 位時 間は決めら れ.
そ し て身 体拘 束は 行 わ れ てい る現 状でそれ らを加 昧した ヒで の クッシ ョ ン の選 択 を考え る 必 要が あ る、
、
そこで,
まずNPUAP
での座 位 時 間60
分9」
を 基 本 とする、
逆に,
60
分以 ドでも5cm
程 度の クッ ショ ンは 必 要 で あ る。
次 に,
ブレー
デン スケー
ル の U∫動 性,
摩 擦とずれ,
感覚 障 害の項H
を人 れ た.
そ れ ぞ れ に身
体 動 作 能JJ
や感 覚の 有 無が 問 わ れ る⊃
皮膚 組 織で は現 在の皮 膚 状 態お よ び過 去の皮 膚 状 態 を評価 する項LI
を 人 れ た、
.
ま た,
脊 性変 形 は前 額 面で の骨盤脊 柱の変 形 を 入れ,
こ れ は臀 部下 に 圧力の偏り が起こ る 可能性が あ ることで こ の項 日をい れ た、.
最 後に,
身体 拘 東 禁止 となっ ても 現 実には身 体拘 朿を行って いる とこ ろもあり,
本 項凵 を 入 れ た.
.
姿勢 評 価 と車
いす作 成
関節可動 域や筋の短 縮な どの機 能 障 害が 不適 合な車い すと 重 なっ て不 良姿 勢 を招 く。
使 用者の身 体状 況 を 把握 する こと が 適 切 な 車いす座 位 姿 勢 を とる第一
歩である.
、
い すは基 本 的に 股 関 節 屈 曲 角 度が座 背frl
度 を,
膝関節 屈 曲 角 度が座下腿 角 度 を,
そ し て 足 関節角
度が 足底板
の角
度を決め る (図3
)19.
P。
こ こ で は 下 肢 を 中 心 と し たマ ッ ト評価IL/ といわ れ る 臥 位で の 評価 と骨 盤 脊惟 を屮 心 と し た座 位で の評価の・
部につ い て数 例 解説 を加 えて説 明する、
D
臥f
・:厂
:での評 価重ノ丿影 響 が 除 け る 背 臥 位 で
、
頭 部,
体幹 と 下 肢の 肢 位 や そ れ ら肢 位の制 御 しや す さ,
そ して 計 測のしや す さ で この姿勢 が 選 択 さ れ るt/
場合 に よって は 側 臥位で の評 価も卩∫能であ る、
.
レ股 関 節 最 初に股 関 節が90
度になる ように屈 曲 させ る.
=
こ の時,
背 腰 椎 部 に 手 やタオルを 入 れ,
腰 推の桂 度前 彎 位 を保 持 させ る 〔図4
:1
。 痛みゃまた骨 盤が後 傾になるか気 をつ ける。
関 節」1∫動 N工 工一
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316
理 学 療 法 学 第32
巻 第4
号”
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・
F・in・ケ浮奪”一・
’
・
諮聴
.
挫 齦一
iPt
・
一
図5
股関
節
屈出
が 強く,
骨 盤後
傾位
で 腰椎
が後轡位
図3
股 関 節・
膝 関 節・
足 関節 角 度がいすの座 背 角 度
・
座 卜腿 角 度・
足関節角
度に 関7
ー丶 手
=
パッド1
−
A 図6
レP
’
マ ノ ト面から左 手 1 パ ノ ド),
r−
P
圏
マ ソ ト面 から右 手 〔パ ン ド),
r−
A
’
マ ソト面 か ら 右 肩 峰) 図4
骨 盤前傾位で 腰椎 前 轡のある状 態で の股 関 節 屈曲
位位
置 域測定
と異なり,
肉足 を 同 時に屈 曲 させるので,
股 関 節の拘 縮 が あ れ ば制限 を 越 え た範囲 か ら骨 盤の 後傾 が起こる。
これ は背 腰椎 部の下に入 れ た 壬へ の圧 迫 か ら 見 ること が で き る 〔図4
}、
例え ば,
右股関節 が 関 節 可 動 域SO
度 で 痛 み が で れ ば,
坐背 角 別 度では痛み が で るので75
度 程 度 で 坐 背 角 を 決 め る。
膝 関 節 膝 関節に関す る問題点と して,
ハ ムス ト リングス の短 縮の 例 を小す、
.
ハ ム ス トリングス の短 縮股 関節 屈 曲制 限で制 限 角 度を越え る と骨盤 が
後
傾 す る よう に,
今 度 は 股 関 節 位 置 を固 定 し膝 関 節を伸はすとハ ム ス ト リン グ ス の作 用で骨盤 が後 傾 する.
逆に,
足部 支持 位 置を内側 に 入 れ さ せ膝関節 を 屈 曲させ ると,
ハ ム ス トリ ングスが緩み.
骨盤 は中 立 位や前傾し やす くなる.
・
ど ち らの姿 勢 を選 択 する かは,
体 幹の安 定 性があるか が ポ イン トである。
安 定してい れば骨 盤を起こして,
膝を屈 山位に す る姿勢
が あ :)!
上肢 動 作 をより活 性 化できるt/
逆に体 幹の安定
性が ない 場 合,
後傾 して体 幹の安 定 性 を得る手 法 も ある。
2
)座位で の 評 価 座 位での辞価は患 者 を 足か着 き座が岡 めの台に 座らせ,
後 図7
側 方 攴持が付い た座 位 保 持装置 座 から背 部につ い てい る左 右の側 方パ ッ ドの高 さが そ れ ぞれ.
1
−
P
とr−
P
と な る.
方
か ら憲者
の上前腸骨棘
で確
認 し て骨盤 を 水「フ に さ せ る、
後 方 か ら患 者の胸 郭 を検者の両 于 で 側 方 か ら 支 持 す る、
その時,
攴 持は極 力 水 平に押してい くこと が 望 ま しい。
これ は,
支 持 部 品 で の支 持 は水 平に押す こ と し か で き ず,
例 え ば 同 旋 を 制 御 す る こと は困難であ る た めであ る。
その時.
検 者は 支持 力と 支 持位置 を 見 てい く。
こ こ で は,
脊椎 糠 突起によ る脊柱の付 置.
特に対称 性を.
ま た 上肢の 運動 機 能 を 見て.
両 手の支 持 を決 定 する こ と になる 〔図6
.
7
).
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Eleotronlo LlbraryJapanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
理 学療 法と車い す
31
ア 図8
変形強度である場 合,
臀 部下に補 高 し様r・
を見る,
支 持 力が少 ない 場 合,
胸 部皮 膚へ の負 担は少 ないが,
大 き い 場 合,
皮 膚へ の負 担はft
き くな り,
皮 膚へ の損 傷や痛み な ど が起こ りやすい。
よっ て,
支持 ノ」が大 きい場 合,
支 持 面 を広 く して,
皮 膚へ の負 担 を減らす 于法やある程 度 変 形 を 許 して支 持 力 を 減 ら す 于 法 が あ る。
変形 が 強度であ る場合
.
上 肢 動 作 や 頭 部の 位置 を 中 心 に姿 勢 を決 定 する、
,
臀 部での高 さの左 右 差が おきてい る場 合,
臀 部 の支 持と安 定 を得る た めに,
パ ッ ドで確 認す る。 坐支 持 部は そ の高 さ を 加 えて作 成 す る 〔図8
)、
こ こ で は,
体 幹,
特に脊椎へ の前 額 面での アプロー
チ を2
通 り示 し た。
図6
の手 法は脊椎へ の対 称 性 位 置へ の矯正力 がより 働 き や す く,
図8
は逆に矯 正 力が働 きにくい。
理 学 療 法 士は脊 椎の可 動 域 を チェ ッ クす る と 同 時 に,
脊 椎 変 形へ の 注 意 を怠る べ きでは ないだろ う。
ま とめ
本 論 文では 今 までの車いす 製 作 手 法の問 題 点 を 指 摘 し.
姿 勢 表現 于 法,
クッ ショ ン選 択.
そ して車い す また は姿 勢 保持 装 置の基 本 的 決 定 手 法を解 説し た、
残 念な が ら本 手 注の有効性に 関 するエ ビ デン スは見 当た らない、
、
坐 位 姿 勢の目的はD
坐 り 心地.
2
)機 能 性.
3
}生 理 的.
の 移動 性,
5
)実 用 性,
6
〕外 観.
7
)介
護とい わ れ る1)c そ れ ら に 関する評 価ス ケー
,レを開 発 し,
エ ビデ ン ス のあ る車
いす 製 作 を目指し てい かな ければ ならな い。
特に,
こ の製作はPT
と 同 時 にOT
との コ ラ ボレー
ショ ン が 重 要であ る。
現在,
PTOT
が シー
ティ ン グへ の取 り 組み を 共 同でui’
能にするべ くNPO
凵本シー
テ ィン グコ ンサ ル タン ト協 会 (
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文
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