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児童におけるしゃがみ動作の可不可および関節間協調性に関連する要因

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 46 巻第 4 号 225 ∼ 232 頁(2019 年) しゃがみ動作の要因. 225. 研究論文(原著). 児童におけるしゃがみ動作の可不可および 関節間協調性に関連する要因* 滝 澤 恵 美 1)# 小 林 育 斗 2) 川 村 紗 世 3) 岩 井 浩 一 4). 要旨 【目的】本研究は,運動器検診の項目であるしゃがみ動作の可不可,さらに下肢の関節間協調性に関連す る要因を調べた。【方法】小学生 47 名を対象に,踵接地でしゃがみ動作の可不可を確認した。動作中の膝 関節に対する股関節の屈曲角度の変化率が一定であることを表す直線からの偏差を二乗平均平方根で計算 し,この値を関節間協調性の指標とした。独立変数として,年齢,性,疼痛・傷害歴,スポーツ活動,生 活様式(寝具の種類) ,身体特性(下肢長,肥満度,足関節背屈の角度および筋力,長座体前屈距離)を 調べ,ロジスティック回帰分析または重回帰分析を行った。【結果】しゃがみ動作が不可であった児童は 12 名(25.5%)であり,疼痛・傷害歴,肥満度,長座体前屈距離が有意に影響した。膝関節と股関節の関 節間協調性は年齢のみが関連した。【結論】児童において,しゃがみ動作の可不可は身体構造の状態を反 映し,下肢の関節間協調性には発達による変化が現れる。 キーワード しゃがみ動作,関節間協調性,児童. 検討する必要がある。. はじめに.  運動器検診の項目のひとつに踵接地によるしゃがみこ.  児童や生徒の運動習慣は二極化しており,運動過多に. 3) み(以下,しゃがみ動作)の可不可があり ,しゃがめ. よるオーバーユース症候群,または運動不足による将来. ない児童または生徒の割合は 1 ∼ 3 割程と報告されてい. 的なロコモティブシンドロームといった運動器不全が問. る. 題視されている. 1)2). 。このような背景から,平成 28 年. 度より,学校健診において腰や四肢の運動器検診が必須 化され. 3)4). ,医師や学校関係者のみならず理学療法士に. よる活動も期待されている. 2)5)6). 。児童や生徒の運動器. 1)7)8). 。完全にしゃがむためには,下肢関節に十分な. 可動性が必要である 約 20 度と狭く になる. 9)10). 。生理的な足関節背屈角度は. 11). ,5 度の制限によってこの動作は困難. 12). 。児童を対象とした報告によると,対象者の. 多くが背屈角度 25 度もしくはそれ以上を有しており,. 不全に対応するために,まずは検診結果に反映される要. しゃがみ動作の可不可と足関節の可動性の間に有意な関. 因を明らかにし,結果の解釈を行ったうえで活動内容を. 7) 係を認めなかった 。一般的に,児童の関節可動域は広. く *. Factors Associated with Ability and Inter-joint Coordination in Children Performing a Deep Squat 1)茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科 (〒 300‒0394 茨城県阿見町阿見 4669‒2) Megumi Takizawa, PT, PhD: Department of Physical Therapy, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences 2)作新学院大学経営学部スポーツマネジメント学科 Yasuto Kobayashi, PhD: Department of Sport Management, Faculty of Business and Public Administration, Sakushin Gakuin University 3)三郷中央総合病院リハビリテーション技術科 Sayo Kawamura, PT: Department of Rehabilitation, Misato Central General Hospital 4)茨城県立医療大学保健医療学部人間科学センター Koichi Iwai, PhD: Center for Humanities and Sciences, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences # E-mail: takizawa@ipu.ac.jp (受付日 2018 年 9 月 14 日/受理日 2019 年 3 月 14 日) [J-STAGE での早期公開日 2019 年 6 月 5 日]. 13)14). ,またその身体プロポーションは相対的に下肢. が短い特徴がある. 15). 。したがって,成人と児童では, “本 16). 来的な道具としての身体”. が異なるため,しゃがみ. 動作の可不可に関連する要因が異なる可能性がある。  しゃがみ動作に関連する要因として,関節可動性の他 に,疼痛や傷害(または障害) ,スポーツ活動,さらに は生活様式が指摘されている. 7)8)17). 。先述した運動器検. 診が必須化された背景を考慮するならば,しゃがみ動作 の可不可の結果と疼痛や傷害,またはスポーツ活動との 関連を明らかにする必要がある。加えて,しゃがみ動作 は基本的な日常動作という側面があることから,生活様 式の影響についても検討する必要があるだろう。しか.

(2) 226. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. 表 1 対象者の学年内訳 学年 (年齢). 低中学年. 男子(n=21). 女子(n=26). 1 年生(7 歳). 3. 3. 2 年生(8 歳). 2. 1. 3 年生(9 歳). 4. 3. 4 年生(10 歳) 合計(n=22) 5 年生(11 歳) 高学年. 6 年生(12 歳) 合計(n=25). 3. 3. 12(26 %). 10(21 %). 2. 8. 7. 8. 9(19 %). 16(34 %). n=47. し,この動作に関する多面的な検討は十分になされてい. 歩を迎えており,現病歴または既往歴として神経疾患,. ない。. 下肢の骨折,関節固定を要する靭帯損傷,医師による運.  児童のしゃがみ動作について,“ぎこちない”,あるい. 動制限の指導を受けた者はいなかった。また,調査測定. は“上手くできない”といった声が教育現場から聞かれ. 時に腰あるいは下肢に痛みを訴えた者はいなかった。. る。投げる,跳ぶ等の運動パターンは学童期の間も変化 し,長い時間をかけて発達することがよく知られてい 18)19). 2.方法. 。また近年の報告では,静止立位時の姿勢制御.  本研究の調査測定項目は,先行研究の方法における信. においても多関節が協調的に動いており,その能力は学. 頼性と妥当性を参考にしつつ,本対象者の特性に配慮し. 童期に至ってもなお発達途上にあることが示されてい. た方法に変更し計測した。. る. る. 20). 。成人の場合, (しゃがみ動作と等価である)スク. 1)しゃがみ動作の可不可. ワット動作中の膝関節と股関節の屈曲角度の間には,動. 3)  運動器検診の実施方法に基づき ,対象者に上肢前方. 作速度によらず直線的な関係,つまり関節間協調性が存. 挙上,閉脚立位で立ってもらい,「踵を床に着けたまま. 在し,重心移動に対する姿勢バランスの最適化によって. しゃがんで下さい」と指示した。数回の練習後に 1 施行. 21)22). 。これらより,子どものしゃがみ. 行い,その様子を対象者から 4 m 遠位に設置したデジ. 動作において指摘されている“ぎこちなさ”は,発達の. タルビデオカメラ(30 fps)を用いて矢状面から撮影し. 過程に現れる様相であり,変化する可能性がある。児童. た。しゃがみ動作の可不可は,同一評価者 1 名が撮影動. のしゃがみ動作中の“ぎこちなさ”を関節間協調性の観. 画を見て判断した。踵接地で大. 点から調べることは,動的な重心制御を発達の観点から. きた者をしゃがみ“可”とした。静止できない,動作が. 検討することにつながり,将来的なロコモティブシンド. 途中で終わる(大. ロームに関連する基本的かつ重要な知見となるだろう。. 床から離れる,動作中にバランスを崩した者を“不可”.  そこで本研究は,児童のしゃがみ動作の可不可,さら. と判断した. に動作中の膝関節と股関節の関節間協調性に,年齢や. 2)しゃがみ動作の関節間協調性. 性,スポーツ歴や下肢の疼痛・傷害歴に加え,生活様式,.  しゃがみ動作の可不可の判定に用いた動画を分析し. 身体特性(関節可動性,身体プロポーション,筋力)が. た。動作解析ソフト(DKH 社,Frame-DIAS Ⅴ)を用. 及ぼす影響を調べ,運動器検診の項目としてのこの動作. いて片側の身体分析点(肩峰,大転子,大. の結果の解釈を検討した。. 外果,第 5 中足骨頭)の 2 次元座標値を求め,動作中の. 説明されている. 対象および方法. と下. と下. が完全に接触で. が接触せず中腰姿勢),踵が. 7). 。. 骨外側上顆,. 膝関節と股関節の屈曲角度を算出した。動作の開始時点 は,立位姿勢を基準として膝あるいは股関節角度の変化. 1.対象. 量が 3 度以上となった最初のフレームの 1 フレーム前と.  茨城県内の A 小学校(全校児童 89 名)の保護者に対. した。終了時点は,肩関節がもっとも低くなった時点と. して本研究の説明を書面で行い,児童 47 名(全体の. した。得られた膝関節角度を横軸,股関節角度を縦軸と. 52.8%,男子 21 名,女子 26 名) ,低中学年 22 名(男子. する散布図を作成し,開始時点と終了時点の 2 点を結ぶ. 12 名,女子 10 名) ,高学年 25 名(男子 9 名,女子 16 名). 直線方程式を求めた(図 1) 。そして,この直線方程式. から協力同意を得た(表 1) 。調査当日に児童本人の協力. に各時点の膝関節角度を代入して得られた値と実際の股. の意思と体調の確認を行い,47 名全員が参加した。なお,. 関節角度との差を時点毎に求めた。この関節角度の差は. 参加児童は 1 才 6 ヵ月の乳幼児健康検診までに全員が独. 正負の値を取り得るため,分析区間における二乗平均平.

(3) しゃがみ動作の要因. 227. 伸展位)を保持できる最大角度を 1 回計測し,この角度 を背屈角度とした。長座体前屈距離は新体力テストにお ける方法で 2 回測定し. 25). ,級内相関係数が ICC (1, 1)=. 0.957(95% CI:0.925 ‒ 0.976)と信頼性が高いことを確認 したうえで,より大きな値を身長で正規化(%)した。  筋力は,しゃがみ(蹲踞)姿勢で前脛骨筋が活発に活 動することから. 26). ,利き足側(ボールを蹴る方)の足関. 節背屈筋力(N m)を測定した。背屈筋力は他の筋群と 比べて信頼性が低い傾向があるため. 27). ,本研究では児童. が目的の運動を容易に理解し実行できることを優先し, 両膝を屈曲させた膝立ち座位の姿勢で 図 1 関節間協調性(度)の算出方法 関節間協調性(度)は,動作の開始時点と終了時点を結ぶ直 線方程式に各時点の膝関節角度を代入し,得られた値と実 際の股関節角度との差を求め,分析区間における二乗平均 平方根(RMS)を計算した.なお,膝関節に対する股関節 の変化率が開始時点から終了時点まで直線的である程,この RMS 値は小さな値を示す.. 28). , 「踵を床に接. 地したままつま先を強く持ち上げてください」と指示し た。その際,ハンドヘルドダイナモメーター(HOGGAN Health Industries 社,マイクロ FET2)を足背部(中足 骨部)にあてがい,最大等尺性背屈力(N)を 2 回測定 した. 29). 。ハンドヘルドダイナモメーターのセンサー中心. から外果までの矢状面距離(m)を計測し,これをモー メントアームとしてトルク(N m)を求めた。級内相関 係数が ICC (1, 1)= 0.896(95% CI:0.821 ‒ 0.941)と信頼. 方根(Root Mean Square:以下,RMS)を計算し,こ. 性が高いことを確認したうえで,より大きな値を体重で. の値(度)を関節間協調性の指標とした。RMS は信号. 正規化(N m/kg)した。. 処理などで多く用いられるが,本研究では先行研究. 23). に倣い関節角度に適用した。また,しゃがみ動作中の膝. 3.統計的解析. 関節と股関節の屈曲角度の関係は再現性が高いことか. 1)データの事前処理,基本統計. ら. 21)22). ,1 施行のデータから RMS 値を求めた。なお,.  連続変数(しゃがみ動作の関節間協調性の RMS 値,. 膝関節と股関節の屈曲角度の変化率が一定である程,関. 下肢長,長座体前屈距離,および背屈筋力)は,シャピ. 節間協調性の指標値(RMS)は小さな値を示す。. ロ・ウィルク検定を用いて正規分布していることを確か. 3)スポーツ活動,疼痛・傷害歴,生活様式. めた。正規分布を認めない場合はノンパラメトリック検.  アンケート用紙を用いて,児童の情報を保護者から収. 定,もしくはログ変換の処理を施した後にパラメトリッ. 集した。スポーツ活動(なし,あり)は,週に 1 日以上. ク検定を行った。. の頻度で半年以上継続している習い事とした。疼痛・傷.  カテゴリ変数にはダミー変数をあてがい,しゃがみの. 害歴(なし,あり)は,下肢の疼痛歴あるいは整形外科. 可不可(0:不可,1:可),性(0:男子,1:女子),学. 等に受診歴がある者とし,疼痛または傷害部位を記載し. 年(低中学年:0,高学年:1) ,スポーツ活動(0:なし,. てもらった。. 1:あり),下肢の疼痛・傷害歴(0:なし,1:あり),.  生活様式は,先行研究を参考に,寝具の種類(ベッド, 7). 寝具の種類(0:ベッド,1:敷布団) ,足関節の背屈角. 敷布団)を確認した 。. 度(0:≤20 度,1:25 度)とした。学年および性の違. 4)身体特性. いによる結果の差を調べるために,フィッシャーの正確.  身体プロポーションは下肢長と肥満度を調べた。下肢. 確率検定,またはマン・ホイットニーの U 検定を行っ. 長は,左側の大転子と外果の間の距離をメジャーで測. た。有意水準は 5%とした。. り,身長で正規化(%)した。肥満度(%)は,学校保. 2)多変量解析. 健会の計算式に基づき身長と体重から算出した. 3). 。.  しゃがみ動作の可不可および関節間協調性を従属変数.  関節可動性は足関節の背屈角度(度)と長座体前屈距. とする多変量解析を行った。独立変数として,性,年齢,. 離(cm)を調べた。足関節の背屈角度は様々な測定方法. スポーツ活動の有無,下肢の疼痛・傷害歴の有無,生活. で信頼性の問題が指摘されており,他動的可動域は外力. 様式(寝具の種類)を投入した。また,身体特性の 5 変. 24). 。そこで,本研究は相. 数のうち,しゃがみ動作の可不可,関節間協調性との間. 対的外力を統一するために自重を用いる方法を選択し. にそれぞれ有意(ここでは便宜上,p<0.1 とした)な相. た。傾斜角度が 15 度,20 度,25 度に設定できる傾斜台. 関関係を認めた変数を多変量解析に加えた。なお,順序. の上で,対象者が直立位(背・殿部は壁につけ膝関節は. 尺度間の相関係数はスピアマンの順位相関係数,カテゴ. の大きさに多大な影響を受ける.

(4) 228. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. 表 2 対象者の基本特性 学年 低中学年(n=22). 性. 高学年(n=25). p値. 男子(n=21). 女子(n=26). p値. しゃがみ動作  不可  関節間協調性(度). 5(23). 7(28) 0.75. 6(29). 6(23) 0.74. 12.3[9.8 ∼ 16.6]. 5.7[4.3 ∼ 8.6] ***. 10.1[6.0 ∼ 16.2]. 7.3[4.7 ∼ 13.1] 0.14. 15(68). 11(44) 0.14. 12(57). 14(54) 0.99. 8(36). 11(44) 0.77. 10(48). 9(35) 0.39. 寝具(敷布団) スポーツ活動(あり) 疼痛・傷害歴(あり). 6(27). 12(48) 0.23 46.4[44.7 ∼ 46.9] *. 下肢長(%). 44.7[43.2 ∼ 45.6]. 肥満度(%). ‒ 1.7[‒ 13.0 ∼ 8.6] ‒ 0.4[‒ 14.0 ∼ 11.0] 0.88. 背屈角度(25 度). 16(73). 24(96) *. 背屈筋力(N m /kg). 0.50[0.37 ∼ 0.62]. 0.75[0.61 ∼ 0.87] ***. 長座体前屈(%). 25.2[21.0 ∼ 29.1]. 25.2[21.5 ∼ 28.1] 0.49. 7(33). 11(42) 0.56. 44.7[43.3 ∼ 46.4]. 45.6[44.6 ∼ 46.9] 0.12. ‒ 0.9[‒ 12.6 ∼ 2.9] 4.8[‒ 14.0 ∼ 14.3] 0.29 16(76). 24(92) 0.22. 0.74[0.54 ∼ 0.92]. 0.53[0.41 ∼ 0.66] *. 24.1[20.9 ∼ 27.0]. 27.5[21.4 ∼ 30.1] 0.65. n=47 中央値[四分位範囲]もしくは人数(%)を示した.背屈筋力は体重(kg),下肢長および長座体前屈距離は身長(cm)で正規化(%) した. フィッシャーの正確確率検定 マン・ホイットニーの U 検定 * p<0.05,*** p<0.001. リ尺度間の相関係数はポリコリック相関係数,カテゴリ. 学年が 5.7 度であり,高学年が有意に低値(p<0.001). 尺度と順序尺度間の相関係数はポリシリアル相関係数を. であった。一方,性による有意差は認めなかった。. 算出した。ポリコリック相関係数とポリシリアル相関係.  スポーツ活動を有する者は 19 名(40.4%),疼痛・傷. 数の有意確率の計算は Wald 検定あるいは尤度比検定を. 害歴を有する者は 18 名(38.3%)であり,いずれも学年. 用いた。. や性による有意差を認めなかった。疼痛や傷害の部位は.  しゃがみ動作の可不可は,尤度比検定量を基準とする. 重複回答ありで,股関節が 1 名,膝関節が 9 名,足関節. 変数減少法にてロジスティック回帰分析を行い有意な変. が 10 名であった。調査時に,腰部または下肢に痛みを. 30)31). 数(p<0.1). を抽出し,影響力の大きさを調整オッ. 訴えた者や通院中の者はいなかった。. ズ比で示した。しゃがみ動作の関節間協調性は,ステッ.  生活様式として敷布団(和式)を利用している者が. プワイズ法による重回帰分析を行い有意(p<0.05)な変. 26 名(55.3%)であり,学年や性による有意差を認めな. 数を抽出した。. かった。.  統計解析ソフトは Base SAS 9.4 CORR プロシジャ.  身体特性として 5 変数を測定した。下肢長の中央値は,. (SAS 社)および SPSS Statistics Ver. 24 for Macintosh. 低中学年が 44.7%,高学年が 46.4% であり高学年が有意. (IBM 社)を使用した。. に長かった(p=0.01) 。一方,性による有意差は認めな かった。足関節背屈角度は全対象者が 20 度以上を有し. 4.倫理的配慮. ていた。25 度以上の者が 40 名(85.1%)であり,低中.  本研究は,該当自治体と茨城県立医療大学の連携協力. 学年が 16 名(72.7%) ,高学年が 24 名(96.0%)と有意. 協定のもと実施した。自治体に調査を申請し承認を得た. 差を認めたが(p<0.001),性差は認めなかった。足関節. 後,教育委員会および調査対象小学校の承認を得たうえ. 背屈筋力の中央値は,低中学年が 0.50 N m/kg,高学年. で行った。本研究のすべての調査・分析にかかわる倫理. が 0.75 N m/kg であり高学年が有意(p<0.001)に大き. 的配慮は,茨城県立医療大学倫理委員会の承認(承認番. く,また女子が 0.53 N m/kg,男子が 0.74 N m/kg であ. 号 458)を得て実施した。. り性差(p=0.010)を認めた。肥満度と長座体前屈距離. 結   果. は,学年や性による差を認めなかった。. 1.対象者の基本特性(表 2). 2.しゃがみ動作に影響を及ぼす要因.  しゃがみ動作が不可であった者は 12 名(25.5%)であ.  しゃがみ動作の可不可と有意(p<0.1)な相関関係を. り,学年や性による有意差を認めなかった。しゃがみ動. 認めた身体特性は,肥満度(p<0.001),長座体前屈距離. 作の関節間協調性の RMS 値は正規分布を認めなかった。. (p=0.038)であった。しゃがみ動作の関節間協調性と有. 学年別のこの RMS の中央値は,低中学年が 12.3 度,高. 意な相関関係を認めた身体特性は,下肢長(p=0.038),.

(5) しゃがみ動作の要因. 229. 表 3 変数間の相関関係 項目. カテゴリ(0 / 1) または単位. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 0.06. ‒ 0.54 **. 0.06. 0.07. 0.37 *. しゃがみ動作  可不可. (不可 / 可). ‒ 0.17.  関節間協調性. (度). ‒ 0.48 **. 1 年齢. (歳). 2 性別. (男子 / 女子). 3 スポーツ活動. (なし / あり). 4 疼痛・傷害歴. (なし / あり). 5 寝具. (ベッド / 敷布団). 6 下肢長. (%). 7 肥満度. (%). 8 背屈角度. (≤20 度 / 25 度). 9 背屈筋力. (N m / kg). 0.11. ‒ 0.35. ‒ 0.18. ‒ 0.03. 0.12. 0.32 † ‒ 0.21. ‒ 0.54 **. ‒ 0.23 0.55 **. ‒ 0.32 *. ‒ 0.04. ‒ 0.31 †. ‒ 0.40 **. 0.38 *. ‒ 0.48 **. 0.33 *. 0.02. 0.40 †. 0.62 **. 0.15. ‒ 0.05. 0.36 *. 0.30 †. 0.42 †. ‒ 0.38 **. 0.03. 0.50 **. ‒ 0.18 ‒ 0.25 † 0.19. 0.07. ‒ 0.21. ‒ 0.06. ‒ 0.04. 0.18. 0.04. 0.01. ‒ 0.12. ‒ 0.10. 0.17. 0.20. 0.00. 0.05. 0.19 0.21. ‒ 0.99 **. ‒ 0.20. 0.01. 0.06. 0.18. 0.01. ‒ 0.29. ‒ 0.16. ‒ 0.23. 0.18. ‒ 0.23 ‒ 0.09. 10 長座体前屈距離 (%) 背屈筋力は体重(kg) ,長座体前屈距離は身長(cm)で正規化(%)した. 順序尺度間の相関係数はスピアマンの順位相関係数,カテゴリー尺度間の相関係数はポリコリック相関係数,カテゴリー尺度と順序尺度間の相関係 数はポリシリアル相関係数を算出した.ポリコリック相関係数とポリシリアル相関係数の有意確率の計算は Wald 検定を用いた.なお,寝具の種類と 背屈角度の間の相関係数の検定は標準誤差が 0 となったため尤度比検定を用いた. † p<0.1,* p<0.05,** p<0.01. 図 2 しゃがみ動作の関節間協調性の一例 低中学年と高学年の中央値に相当する児童を示した. a. 9 歳,女子(126 cm,26.9 kg) ,関節間協調性(13.7 度) b. 12 歳,女子(141 cm,35.6 kg) ,関節間協調性(5.8 度). 足関節背屈角度(p=0.087) ,足関節背屈筋力(p<0.001).  関節間協調性の値(RMS)は正規分布を認めなかった. であった(表 3)。これらの変数を身体特性に関する独. ため,ログ変換後の値を用いて重回帰分析を行った。そ. 立変数としてそれぞれの多変量解析に加えた。. の結果,年齢(標準化係数 β :‒ 0.550,95% CI:‒ 0.139 ‒.  ロジスティック回帰分析の結果,しゃがみ動作の可不. ‒ 0.052,p<0.001,調整済み決定係数:0.286)のみが抽出. 可に影響を与える変数として,疼痛・傷害歴(調整オッ. された。年齢が上がるほどこの RMS は低値を示し,膝関. ズ比:0.055,95% CI:0.006 ‒ 0.503,p=0.010) ,肥満度(調. 節と股関節の屈曲角度の関係はより一定であった(図 2) 。. 整オッズ比:0.898,95% CI:0.829 ‒ 0.974,p=0.009) ,長.  いずれのしゃがみ動作の項目においても,生活様式. 座体前屈距離(調整オッズ比:1.262,95% CI:1.008 ‒ 1.580,p=0.042)が抽出された。下肢の疼痛・傷害歴を有 すること,肥満度が高いこと,長座体前屈距離が短い. (寝具の種類)は有意な変数として抽出されなかった。 考   察. ことが,しゃがみ動作が不可となる確率を有意に増大さ.  しゃがみ動作の可不可,さらに膝関節と股関節の関節. せた。. 間協調性に関連する要因を多面的に調べた。しゃがみ動.

(6) 230. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. 作が不可であった児童は 12 名(25.5%)であり,下肢の. れやすいのだろう。また,肥満による負荷そのものが身. 疼痛・傷害歴,肥満度,長座体前屈距離が影響し,身体. 体移動を伴うパフォーマンスを困難にする負荷となるた. 構造の状態を反映した。関節間協調性は年齢のみが関連. め. し,年齢が上がるほど関節の協調性が向上した。. 度も加味したうえでしゃがみ動作の可不可を解釈し健康.  先行研究では,特定の運動習慣(スポーツ活動)を有. 指導する必要がある。. する児童においてしゃがみ動作が不可となる確率が有意.  元来,子どもはしゃがむことを好み. に高かったが,傷害や疼痛歴を考慮していない限界が. に比べて東南アジアの人々は日常的な作業でしゃがむこ. あった. 7). 。そこで本研究では,スポーツ活動と傷害や疼. 32). ,先に述べた疼痛・傷害歴だけではなく肥満の程. とが多い. 33). ,さらに欧米. 33‒35). 。そのため,近年の日本でしゃがめない. 痛歴を同時に検討した結果,両変数には相関関係がある. 子どもが増えている背景として,生活様式の欧米化によ. ものの,しゃがみ動作の可不可に直接的な影響を及ぼす. る影響が推察されている. のは疼痛・傷害歴の有無であり,スポーツ活動の有無は. 7) 代表する項目として寝具の種類(ベッド,敷布団) を. 棄却された。これより,疾病またはスポーツ活動等に合. 選択し調べたところ,しゃがみ動作の可不可に対して有. 併する疼痛や傷害をスクリーニングする検査項目とし. 意な影響を認めなかった。先行研究によれば,児童にお. て,しゃがみ動作の可不可は有用であると示唆された。. いて,生活様式が関係するのは選択する作業姿勢であ. なお,本調査時に下肢に安静時痛や運動時痛を有した者. り,しゃがみ動作の可不可には影響しないことが報告さ. はいなかったことから,この結果は疼痛や傷害後の機能. 7) れている 。したがって,児童の場合,運動器検診の項. 不全を反映したと考える。. 目としてしゃがみ動作の可不可の結果を解釈する際に 7). 17). 。本研究では,生活様式を. のしゃ. は,生活様式による影響の考慮は最小限にとどめ,疼痛. がめない児童の割合は 2 ∼ 3 割程度であり,他の地域の. や傷害,またはその後の機能不全を優先して検討すべき.  本研究および同地域を対象とした先行研究 結果. 8). と比べて多かった。これは地域差によるもので. であろう。. はなく,動作の帰結を可または不可のいずれかで判断す.  運動器検診ではしゃがみ動作の可不可が確認される。. ることの難しさが評価者のばらつきとなって現われたた. しかし,本研究は教育現場で指摘されているこの動作の. めと考える。実際の運動器検診では,問診表による事前. “ぎこちなさ”にも注目し,膝関節と股関節の屈曲角度. 調査をもとに,必要に応じて医師による検査や診察が実. の関節間協調性を調べた。重回帰分析の結果,この関節. 施される。スクリーニング検査において重要なことは偽. 間協調性は年齢のみが関係し,年齢が上がるほど成人で. 陰性を見逃さないことであり,事前調査等で判断に苦慮. 観察されるような直線的な一定の関係. する場合は,厳格に判定するように保護者ならびに学校. ら,発達の影響を受けると示唆された。しゃがみ動作に. 関係者に指導する必要がある。. おける膝関節と股関節の協調性は,重心を制御するため.  柔軟性や関節可動性に関連する長座体前屈距離が短い. の姿勢バランスの最適化によって説明されている. ことが,しゃがみ動作を不可とする確率を有意に高め. したがって,より低年齢の児童で観察される図 2(a). た。しかし,この結果については十分な検討が必要であ. のような膝関節と股関節の屈曲角度の関係が途中で変化. る。膝関節伸展位で行われる長座体前屈距離は,おもに. する“ぎこちない”動きは,姿勢バランスの最適化が未. ハムストリングスや腰背部筋の伸張性や柔軟性を反映す. 発達であることを現わすと考える。しゃがみ動作でみら. る。ところが,しゃがみ動作は膝関節と股関節がともに. れる“ぎこちなさ”は,低学年ではボールの投げ方が成. 屈曲する動作であるため,ハムストリングスの伸張性や. 人のそれとは異なることと同義であろうが,高学年にお. 柔軟性の低下がこの動作を困難にするとは考え難い。足. いては姿勢バランスが不適切であることを現し,将来的. 関節の可動性についても 8 割以上の児童の背屈角度が. なロコモティブシンドロームのリスクが高いことを意味. 25 度もしくはそれ以上であったことから,しゃがめな. する可能性がある。. い要因は,所謂,“身体が硬い”という理由によって説.  本研究で認めた児童のしゃがみ動作における関節間協. 明し難い面があるだろう。児童におけるしゃがみ動作の. 調性の発達は,重心制御を目的に,成長に伴い変化する. 困難性の背景には柔軟性以外の問題も潜在している可能. 身体の慣性特性. 36). 21). を示すことか. 21). 。. に応じて,中枢神経系が感覚情報を. 37)38). ,複数の筋が協調的に組織化(あるいは筋. 性があり,結果の解釈やその後の指導内容にはさらなる. 統合し. 検討が必要である。長座体前屈距離がしゃがみ動作の可. シナジー)された. 不可に関連する背景については,たとえば腰椎と骨盤の. ある年齢に達すれば自然発生的に生じるものではなく,. 関係性(腰椎骨盤リズム)を含めた検討も必要と考える。. 多様な活動を通じた経験に基づく学習の結果である。し.  身体プロポーションとして肥満度が高いことが,しゃ. たがって,関節間協調性の発達に関する支援活動は,ス. がみ動作が不可となる確率を高めた。厚みを増した脂肪. トレッチや単関節運動のみでは不十分であることが想定. 層を含む軟部組織の衝突によって関節の可動性が制約さ. され,長期的かつ多様な活動を検討する必要がある。こ. 39)40). 結果であろう。この組織化は,.

(7) しゃがみ動作の要因. のような視点を有することは,理学療法士が発達途上に ある子どもの運動器不全にかかわるうえでのアドバン テージとなる。  本結果は,児童に対してのみ適応できるものであり, 運動器の発育および発達の程度が違う中学生や高校生で は異なる結果が得られる可能性があるため比較検討を要 する。また,本研究は限られた地域の希望者による少人 数横断研究であり,今後は他地域でも調査する必要が ある。 結   論  児童において,しゃがみ動作の可不可は下肢の疼痛や 傷害等を含む身体構造の状態を反映する。またしゃがみ 動作中の膝関節と股関節の関節間協調性は,年齢が上が るほど向上することから,発達による変化が現れる。こ れらの検査結果は,オーバーユース症候群や将来的なロ コモティブシンドロームといった二極化する児童の運動 器不全のスクリーニングに有用であろう。 利益相反  開示すべき利益相反はない。 謝辞:本研究にご協力いただきました自治体および教育 委員会,A 小学校の児童ならびに保護者の皆様,教職 員の皆様に心より感謝申し上げます。ならびに,測定協 力をいただいた本学理学療法学科学生にお礼申し上げま す。なお,本研究は茨城県立医療大学奨励研究費の助成 を受けて行われた。 文  献 1)帖佐悦男:ロコモ対策:学童期からの取り組み─なぜ子供 の頃からロコモティブシンドローム(ロコモ)予防が必要 か.リハビリテーション医学.2014; 51: 113‒119. 2)髙橋敏明,内尾祐司,他:小児の運動器.Jpn J Rehabil Med.2018; 55: 4‒8. 3)文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課監修:児童 生徒等の健康診断マニュアル(平成 27 年度改訂) (第 7 版) . 公益財団法人日本学校保健会,平成 27 年 8 月 . 4)松永夏来:児童生徒等の健康診断の見直しについて.小児 保健研究.2016; 75: 2‒7. 5)山川智之:理学療法士が行う学校保健での運動器検診.理 学療法学.2016; 43: 86‒87. 6)松田雅弘,新田 收,他:千葉県内の子どもロコモティ ブシンドロームの現状把握と予防意識の調査.調査研究 ジャーナル.2016; 5: 111‒119. 7)滝澤恵美,山口麻紀,他:生活様式や運動習慣が児童の蹲 踞姿勢に与える影響.Anthropol Sci (Jpn S). 2014; 122: 1‒8. 8)津島愛子,三村由香里,他:小学生における運動器検診の 結果と課題.岡山大学大学院教育学研究科研究集録.2017; 164: 41‒47. 9)岩倉博光,柏原 愉,他:しゃがみ動作と姿勢.リハビリ テーション医学.1986; 23: 138‒140. 10)吉元洋一:下肢の ROM と ADL.理学療法学.1988; 15: 247‒250.. 231. 11)鳥巣岳彦,国分正一:標準整形外科学(第 9 版) .医学書院, 東京,2005,pp. 810‒817. 12)山崎裕司,井口由香利,他:足関節背屈可動域としゃがみ 込み動作の関係.理学療法科学.2010; 25: 209‒212. 13)Sankar WN, Laird CT, et al.: Hip range of motion in children: what is the norm? J Pediatr Orthop. 2012; 32: 399‒405. 14)Grimston SK, Nigg BM, et al.: Differences in ankle joint complex range of motion as a function of age. Foot Ankle. 1993; 14: 215‒222. 15)廣原紀恵,服部恒明,他:身体比例チャート法による女子 の身体プロポーションの年齢的変化.学校保健研究.2011; 53: 101‒106. 16)Mauss M,明地 亨(訳) ,他:社会学と人類学Ⅱ.弘文堂, 東京,1976,pp. 121‒152. 17)德村光昭,井ノ口美香子,他:学校健康診断における運動 器検診(2016 年度実施案)整形外科を専門としない学校 医による実施方法.慶應保健研究.2015; 33: 7‒14. 18)海野 孝:一般運動能力の構造とその発達的変化,新版 運動心理学入門.松田岩男,杉原 隆(編) ,大修館書店, 東京,1987,pp. 94‒103. 19)高本恵美,出井雄二,他:小学校児童における走,跳およ び投動作の発達:全学年を対象として.スポーツ教育学研 究.2003; 23: 1‒15. 20)Wu J, McKay S, et al.: Center of mass control and multisegment coordination in children during quiet stance. Exp Brain Res. 2009; 196: 329‒339. 21)長 崎  浩: 動 作 の 意 味 論. 雲 母 書 房, 東 京,2004,pp. 74‒107. 22)田上義之:スクワット動作における協調性.リハビリテー ション科学 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテー ション学科紀要.2006; 2: 27‒37. 23)Boonstra TA, Schouten AC, et al.: Parkinson’s disease patients compensate for balance control asymmetry. J Neurophysiol. 2014; 112: 3227‒3239. 24)Rome K: Ankle joint dorsiflexion measurement studies. A review of the literature. J Am Podiatr Med Assoc. 1996; 86: 205‒211. 25)文部科学省ホームページ:新体力テスト実施要項(6 ∼ 11 歳対象) .http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/ 05030101/001.(2018 年 9 月 3 日引用) 26)岡田守彦:姿勢保持における筋負担.姿勢シンポジウム論 文集.1971; 25‒36. 27)Hébert LJ, Maltais DB, et al.: Hand-held dynamometry isometric torque reference values for children and adolescents. Pediatr Phys Ther. 2015; 27: 414‒423. 28)川元恒美,一ノ宮孝司,他:筋力増強訓練に関する一考察. 理学療法のための運動生理.1992; 7: 93‒96. 29)恩幣伸子,枡 良充,他:足関節背屈筋力の定量的測定と 信頼性.理学療法科学.1996; 11: 33‒38. 30)高橋善弥太:医者のためのロジスチック・Cox 回帰入門. 日本医学館,東京,1995. 31)対馬栄輝:医療系研究論文の読み方・まとめ方:論文の PECO から正しい統計的判断まで.東京図書,東京,2010. 32)山本利春:測定と評価.ブックハウス・エイチディ,東京, 2007. 33)Hewes GW: World Distribution of Certain Postural Habits. Am Anthropol. 1955; 57: 231‒244. 34)井上耕一:アジアに見るあの坐り方と低い腰掛.丸善,東 京,2000. 35)川田順造:表紙写真説明.非文字資料研究.2003; 1: 2. 36)横井孝志,渋川侃二,他:日本人幼少年の身体部分係数. 体育学研究.1986; 31: 53‒66. 37)Shumway-Cook A, Woollacott MH: The growth of stability: postural control from a developmental perspective. J Mot.

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