C A N C ER 10 (2001)
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p. 1 -71
幼生研究のための小テクニック集
(2)
幼生飼育についての
F A Q
小 西 光 一
エピ ・カニ類幼生を研究する場において,あま り活字にされることのない事項の中から,前回は サンプルの取り扱いをテーマとした (小西, 2000). これらのサンプルを得るためにはふ化幼生を飼育 をするか,プランクトン採集をするか,あるいは 保存されている標本から入手しなければならな い. 今回はその中の幼生飼育において身近に遭遇 するであろう事項をテーマとしたい. 改めて述べ るまでもないが,飼育はその種や目的によってそ の技法も変わるものであり,それこそさまざまな 工夫の集 まりとも言える. よって 一般化されたマ ニュアルが作りにくいものの典型ではないだろう か? ここで述べるの は研究の初期段階でのごく 小 している . このような小規模飼育では,当面の目 標は『可能な限り後の幼生期まで育てること j で あろう. 技術開発あるいは事業ベースで行われる 中 ・大規模飼育では,これとは異なる発想と技術 が必要で、あるのは言うまでもない. ここでは飼育 技術に関するポイントを大まかに「道具,水,餌 と世話」とし,それぞれに話を進めたい . なお 以 下の文章では特に断らない限り,ふ化から変態ま での幼生をゾエア,変態直後をメガロパ,その後 を稚ガニあるいは稚エビと呼ぶことにする.1.
道具について 0 1 : 飼育容器は何が良いか? A 1 : ビーカ一類が使いやすい. 実際面を考える と,透明でかつ洗いやすい単純 な形状であることが条件 となる. 特に角形のもの は部分的に水やゴミが滞留し ,細部の洗浄もやり にくいので,丸味のあるものが良い. そうなると, 一般に入手 出来るものではビーカ一類となる . 材K ooichi K ONISHI: Miscellaneous techniques for stud-ies on decapod larvae (2) F A Qs on larval rearing
質はガラスが良いが,ガラス器具は大型になるほ ど割れやすく,洗浄時をはじめとして思わぬケガ の原因となるので注意しなければならない. プラ スチック製ビーカーでは破損の 心配は少ないが, 一般に柔らかい材質なので傷がつきやすく ,透明 性も保ちにくい. また材質によ って は加熱滅菌が 出来なか ったり する . いずれの場合でも目盛りが 付いているものが便利である. 筆者は通常は0.5
e
のガラス製ビ ーカーに透明な蓋をかぶせ て使 っている( 図1A-1 ,2). なお lOe
を超える 場合にはプラスチック製の水槽しかない . 0 2 :飼育容器の大 きさは? たとえば,飼育をふ化幼生100個体で始める場 合であれば, 100 x 20=2,000 ml ,すなわち最低で も2e
の水量 は欲しいものである . この場合ビー 2倍のもの を選んだ方が使いやすい. 幼生が脱皮成長するに つれてこの数値は大きくな って行くが,実際には 生存数も減る結果,飼育密度も低くなるので,容 器を大きいものに替えて行くことはあまりない . ただし,特にカニ類ではゾエアからメガロパに脱 皮した後は共食いが始まることが多いので,様子 または個別飼育に切り替えた方が良い . 0 3 :幼生を扱う器具は? A 3 : 太口のピペッ トが使いやすい. 幼生を移す際には ,吸い込み時 に傷つけない様 に先端口が大きくて丸味を帯びているものが良 い. 市販品では植物培養用のカルスピペットと呼 ばれるものが便利であるが( 図1D-8 ),ガラス 管 等を 加工して使うのも 一つのやり 方である . 筆者 はマイクロピペ ッ トの使用済みチ ップの中から 59' ) . いず れ の 場 合 も 幼生 に 直 接触 れる可能性の ある先端口部分 は バ ーナーで加熱して丸くするこ とが大切で あ る. ま た, イセエピ類のフィロソー マ幼生の様に 体 が扇平でかつ脆いもの , あるいは アサヒガニやカニダマシ類のゾエアの様に極端に 長い称を持つものに対しては ,小型 の 杓 子 (いわ ゆるお玉) で横方向からスライドさせる様にすく う方が傷を与えにくい . 図l Cに示したのは 三重 県水産技術センターで考案 ・使用されて い るガラ ス製の特注杓子で , フイロソーマの発育段階によ って大小 のサ イズを使い分けるものであるが,透 明であるために幼生が見 やすいのが特長である . Q 4 :器 具 の 洗 浄 で注意すべき点は7 A 4 : 直 接 飼 育 に 関 わ る 器 具 に は , 出 来 る だ け 洗 剤類を用いない. 洗剤類の使用は出来るだけ避け,スポンジやブ ラシのみで行う . また超音波洗浄も有効である . 最 近 で は ア ル カ リ イ オ ン 水 で 洗 浄 す る 方 法 も あ り, これは同時に生成される酸性水に滅菌作用も あるので便利 である . 洗浄後は出来ればアルミホ ない場所に保管しておくと良い . 図 1 飼育に用いられる器具類の一例. A : ビーカ一等司B : アルテミア専用ふ化器 (アクリル製特注品 ), B ' : ふ化後に透明板側に集ま ったアルテミアのノープリウス‘ C : 脆い幼生を扱う時の杓子 (ガラス製 特注品司三重県水産技術センター でフィ口ソーマ幼生周に使われているもの)‘D : ピペッ ト類の先端部. 1 : ビーカ一周の葦 (アクリル製),2: ガラス製ビーカー (3 e) 司3: 換水用メ ッシュ筒司 4 :婦除用サ イホン, 5 :通気管, 6 :黒ゴムシート司 7 :パスツールピペッ ト(1ml )司7':通常のピペッ ト, 8 :カ ルスピペッ ト(5ml ),9 :マイク口ピペッ トの使用済みチyプ (9 ') を加工して作 った太口ピペッ ト
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2.
水について 0 5 : 飼育に使 う海水はどうするのか 7 A 5 : ろ過海水または人工海水を用いる. エピ ・カニ類の幼生飼育では事実上,海水がほ とんどなのでここでは海水について述べる . ろ過 は通常の細菌類がトラップ可能な孔径0.45μm の メンブレンフィルターで行うのが望ましく,また 作業効率を考えて 一度に5 ンク等に入れ,冷暗所で保管しておくと良い . ま たろ過海水はすぐに 使 うのではなく ,半年 以上 「寝かせてj おいたものを使うのが良いとも言わ れている . 人工海水は様々な処方が公開されてい るが,実際には市販品を 利用するのが便利 で、ある . 市販品としては,これまで海産無脊椎動物に対し てはIJamarin
(ジヤマリンラボラ トリー製)J
が 良く使われていたが( 石川・ 沼宮 内,1988)
,現 在は生産中止となったので,筆者は主に rSEAL-IFE ( ( 株) マ リン ・テ ック製 )J を使っている . 実際に使う場合 には,製品粉末を2
倍濃度 ,つま り約70%。になる よう に溶かして原液とし,使用時 に望みの塩分に希釈している . 毎回使うのは4 e 程度なので, 耐熱性のプラスチックボトルに入れ,80
"Cで1
時間オートクレーブして使用する前の晩 から低温恒温器に入れている . 0 6 : 飼育は止水か,流水か? A 6 : 止水 で定期的に水を交換する方カf現実的. 流水システムを 小規模飼育で行うことは ,あ る 程度の施設と機械が必要なので,それらが無い場 合は困難であり ,当然経費もかさむので「小分け で止水j が現実的と思われる . 止水飼育では定期 的に水を交換しなければならないが,この場合全 量を交換するのでなく ,半分から1/3程度は残し ておいた方が良い . また容器内面には細菌等が付 に洗浄 ・滅菌したビ ーカ ーに幼生を移すなどする . 0 7 : 小規模飼育で通気は必要か? A 7 : 飼育水のかく梓のために行 った方が良い. ゾエアの酸素消費量から見て ,水量が上述の飼 育密度で毎日 1 回は換水するのであれば,不要と 思われる . しかし ,水が動かないまま でおくと, 底部に残餌やゴミが滞留 しこれらがゾエアの体表 等に付着してしまう . 通気すること によって水を 緩やかにかく排すれば, これをあ る程度は防げる . 図1 A
に示したの は大型ビー カー用 に作ったアク リル製の蓋( 図1A-l
) で ,中 央に通気管を通す ための孔 を開けてある . 通気管は滅菌が可能な様 に先端を 丸 めたガラス管または市販のものをシリ コンゴム栓に通して使 っている (図lA-5 ). 0 8 :飼育水温はどの様に決め,制御するのか7 A 8 : 棲息場所の ふ化時期の水温を基準とし,ウ ォーターパスか恒温器 (室) により制御. 飼育しようとする種が天然、の棲息場でいつ頃幼 生をふ化 させるかを調べ,その時期の水温を基準 にする . これが分からない場合は近縁種のデータ を参考にする . 設定した水温を保つた め には,ウ ォーターパスか恒温器,あ るいは恒温室を 利用す ることになる . ウォ ー ター パス 方式 は箱型水槽に 設定温度の水を循環さ せ,ここに飼育容器を並べ 図2 低温恒温器を用いた幼生飼育の例. 上中段は飼 育用の3e
ビーカーで司それぞれ側面の小穴から 通気用のチューブを通している. 下段は水換え 用の 4 e のボトルておく . ただしこの場合ある程度の床面積とクー ラーユニッ トが必要となる . これに比べて低温恒 温器はそれほど場所は 取 ら な い が,2 3
e
のビ ーカーが数個 収容可能な機種で ,容 積 が100e
前 後が必要になり,さらに精度が: t0.5 " c クラスと なるとかなり高価である . 総合的な経費および温 度調節の利便性からみれば,ウォーターパス式の 方がやや有利かも知れない . 匡12
には恒温器での 例を示したが,この場合上中段に3 e ビーカーが 4 個,下段に水換えのための4 e ボ トルが 3本入 っており ,通気については側面の穴からエアーポ ンプのチューブを 引 き込んで、いる.3.
餌と世話につい て 0 9 :餌は何を与えれば良いか7 A 9 : 生きた餌料生物を主に与える. 変態までの浮遊期幼生については,ふ化直後の アルテミア( ブラインシュリンプ) のノープリウ ス幼生とシオミズツボワムシが代表的なものであ るが,場合に よっては ウニのふ化粧やプランクト ン中のフジツボ幼生等も用いられる. 必要に応じ2
3
て微細藻類を添加することもある. 参考までにゾ エアと各種餌料生物の大きさの一覧を図3に示し た. ゾエア期において は積極的に餌を探すという よりは,たまたま目の前に来たものを捕食する傾 向があるので ,餌の密度はある程度なければなら ず,ゾエア1個体当たりで5 ウスを目安としている . 幼生が底棲生活に移行し た後は,すなわちゾエアや稚エビ ・カニでは積極 的に捕食する様になるので,必要に応じてオキア ミやアサリ肉の細片を与える . 0 1 0 : アルテミアのふ化幼生だけを集めたいが? A 1 0 : 幼 生 の 走 行 性 を 利 用 し て 集 め る か 司 脱 殻 処理した卵を用いる. アルテミア卵殻表面には様々な菌類等が付いて いる場合が多く,これが混じっていると,ゾエア がこれを食べたりすることにより,悪影響が出る 可能性がある. そこで ,出来ればふ化直後のノー プリウス幼生だけを得て給餌した方が良いとされ ている . 走行性によって集めるには色々な器具と 方法があるが,筆者 は図 1 B の様な特注品のふ化4
5 6
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図 3 ソエア幼生と各種餌料生物の大きさを模式的に示 したもの. 1 : アルテミアのノー プリウス幼生, 2: ウ二 の四腕期プルテウス司 3: シオミズツボワム シ,4:キートセラス (珪藻),5・テトラセルミス (プラシノ 藻),6 :ナンノクロロ プシ ス (真正眼点藻).Z : ホンヤドカリ類の第1ソ工ア. 図中のスケールは1 . 0 m m小 西 光 一
5
箱 を 用 い て い る . こ れ は 黒 色 ア ク リ ル 製 の 箱(220
X150
X50
m m) で,正面のみ透明プラスチ ック板になっており ,径5 m m の小孔81
聞を横一 列に開けた仕切板を端寄り に入れてある . なお, この場合アルテミア卵はあらかじめ1
固に必要な 量を 小パイアル瓶に分けて入れて乾燥剤と共に冷 蔵庫で保管しておく. またふ化の温度は通常より 率は悪いが,その代わりに 温度が低くてもふ化す る様な強いノープ リウス幼生を得るためである . 脱殻処理については,次亜塩素酸ナトリウム (ア ンチホルミン) を 用 いて行うが,その具体的手}II買 は吉松 (1999) 等を参照されたい. 0 1 1 : 飼育時の光条件は7 A 11 : 明暗どちらかに偏らない様にタイマ一等 で制御. 幼生の摂餌活動には昼夜のリズムがあり,暗黒 下ではあまり餌を取らないことが知られている . よって 飼育のための恒温器やウォーターパスを設 置した部屋の照明は ,出来 る限り天然、の明暗条件 を反映する様に,タイマ一等により制御する . 0 1 2 : 掃除はどの様にするか7 A 1 2 : サイホンとピペッ トで行う. ガラス管にチューブをつないだサイホンで主に 底面を掃除する (図4 A). この時に幼生を吸い込 まないために ,管の先端口径は相手の幼生の大き さより 小 さめに加工してたものを用いる. この場 合, ピペット類と同様,先端は丸味をおびさせて おく . 電子顕微鏡等で使われるガラスナイフから も想像がつく様に,切り放しのガラス面は非常に 鋭利であり , ちょっと触れただけで幼生を傷つけ ることがある . また ,水中に漂っている小さなゴ ミや添加した藻類の除去には ,短く切った塩ビ管 の底にナイロンメッシュ(100 μm
前後) を貼っ た換水用筒( 図1A- 3 )
を使うと便利である. 幼 生の脱皮殻は透明で薄いために慣れないと見つけ にくいが,容器の底に黒いものを敷き, 1WJ方か ら 光を当てると分かりやすい . 筆者はこのために黒 ゴムシート片を用いている (図1A-6,4 A ). 0 1 3 : 幼生の活力をどう判断するのか 7 A 1 3 : 動きや糞の排出量司脱皮が参考になる. ふ化直後の幼生は 一般に強い走光性があり ,光 源を移動させるとその方 向 にすみ やかに集まる . この時に動きが緩慢あるいは動かない個体は実験 には使用しない方が良い . 次にアルテミア幼生を 与えて約1 日経つと赤褐色 褐色の糞が出て,こ れらが絡み合って容器底に糞塊として見られるが (図4 B ), この量で摂餌への活力がある程度分か る. 脱皮については ,同調性が高くて短期間で全B
図4 飼育容器の掃除・水換えの例. A :幼生の大きさに応 じた 口径のガラス管を用い司サイホン で底部に 溜ま ったゴミ等を取り除き,また必要に応じて太口ピペッ トで幼生を移す司B:
ゾエア幼生が排出 し た糞塊の拡大像 (スケールはO.1mm)個体が次の齢に進む場合は概して結果が良く,こ れも活力の目安になり得る. また元気がなくて動 きが緩慢な幼生 はほと んどの場合,餌のカス等の ゴミが体表に付着 している . 0 1 4 : 幼生の病気対策は? A 1 4 : きれいな海水,適正水温, 薬浴がポイン卜 . 飼育水中の細菌類やカピ類を完全にシャットア ウトすることは事実上不可能である . よってこれ らを必要以上 に繁殖させない様に ,常にほぼ無菌 の海水と交換し,水温を適正に保つことを 心掛け る. これに 加 えて,抗生物質の添加も行うが,筆
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.3
1回 同 間 四 印 生 存 数 ( 率 ) 50 40 3 0 20 10 10 15 20 25 30 35 40 ふ化後の 回数 図5 表計算ソフトによるデータ入力とグラフ化の例. 上はデータの入力画面で司毎日それぞれの齢期 にお ける脱皮殻 (0 9,]1 Z1 -e ) と死亡個体 (E, Z1 -d ) の数を入力している . 下はこれらのデ ー タを齢期別の生存率クラフと して 出力したもの . この場合では第1から2ゾエアへの脱皮時以外は 比較的生存率が高く安定していることが分かる. 者の場合は毎回入れるのではなく ,脱皮の前後の 期間を目安として必要最小限に止めている. 抗生 物質の添加量は海水1 e に対して,たとえばスト コールで5 ロラムフェニコールについては水にほとんど溶け1
ml
の純エタノールに溶か した後,こ れを海水数t
に加えている . また液状 に溶かした市販品もあるので,これを利用しでも 良い. 0 1 5 : 毎回取るべきデータは? A 1 5 : 生存・死亡個体と脱皮殻の数 は最低限必要. これらを表計算ソフト等で処理すれば,図5の 例の様な齢期別の 生存( 残) 率グラフが描ける . もちろん各発生段階のサンプルを取っておくこと を忘れてはならない . また余裕があるならば,飼 育系列としては生存率データのための区と,サン プル採取のための区を別々に設けた方が良い. 意 外に大切なのは死亡個体の状態で,たとえばカピ によるのか,共食いの結果なのか等,気の付いた 点を必ずメモしておく . 何ごとにおいても「どの 様に成功したかj よりもむしろ「どの様に失敗し たか」が大切である.4.
その他
0 1 6 : プリゾ工アは異常 なものか 7 A 1 6 : こればかりが見られる時は ふ化 の 状態 が 異常. プ リゾエアとは「匹外被におおわれたゾエアが ふ化時にこれを脱ぎ捨てるまでの 一時的な状態j のことなので,本来ほとんどの十脚類幼生のふ化 時には正常に見られるものである . ただし,その 時間は数秒 数分ときわめて短いので,通常のふ 化であれば目に止まるチャンスはほとんどなく, この場合観察する側から見れば,I
プリゾエアは いなかった」ことになる( 小西, 1993). この定 義に基づけば,Hf
外被を脱げないままで長時間そ のままでいることは異常である . ふ化幼生の状態 が悪いと第1ソゾゾ‘. ' エアにならないままに水槽の底に 活力のない状! 態1
詮売で 亡することがほとんどである . この時は目に止ま小 西 光 一 7 るチャンスが充分にあるので ,
r
プ リゾエ アがた くさん見られるj こと になる . 少 々分かりづらい かも知れないが,I
プ リゾエア自体は異常ではな いが, プ リゾエアのま までいるのは異常」と理解 すれば良いのではないだろうか? 以上いくつかの項目別に述べたが,幼生飼育こ そは種毎に条件が異なり ,一般化 が難しいもので ある . しかしながらヒ トが行うものである以上 , 次の様なことが必 要条件であるのは間違いない . すなわち , ヒ トに休日 はあっても幼生にはないの で,これに合わせて年中無休 でO K
というだけの 体力が必要である . その種毎にやり方を変えねば ならず,既往の技術 や既製品は参考にはな っても これに頼ることも 出来ず,ちょ っ とした工夫が常 に要求される . 期限の定まらない,失敗の多い作 業に耐えるだけの気力 も必要である . 今回取り上 げた事項はすでに現場で飼育に携わ っている方々 には物足りないと思 われ るが, これ らを 一つの素 材 として参考にして ,さ らに良い飼育テクニック を公開して頂ければあ りがたい . 文 献 石川 優・沼宮内隆H青 (共編) ,1988. 現代発生生物学 シリーズ 3 : 海産現時脊椎動物の発生実験 . 培風館, 229 pp. 小西光一,1990. プリゾエアの話. 養殖研ニ ュー ス, NO.20: 8-10. 小西光一,2000. 幼生研究のための小テクニ ック集 (1)サン プル観察についてのFAQ . Cancer, N O.9 : 33・37.
吉松隆夫 ,1999. やさしくできるアルテミア耐久卵脱 殻処理のすすめ方. 養殖 ,36(2) : 10ら112. 参 考 に な る サ イ ト 1 . 小林博士のモクズガニ生態図鑑 (h仕p://w w w.zspc.com/mokuzu/) :モクズガニ全般を 扱 ってい るが,その中に幼生飼育に関する部分があ る. 2.渡辺辰夫のホーム ページ (http://w w w.inh.co.jp/-penaeusj/) : クルマエピの養 殖が主であ るが,内容は広範聞にわた り,幼生飼育 についても述べら れている. これら以外にも ペッ ト関係のホーム ページ等でそれぞ れの種別に飼育に ついてふれているものも多い. (独立行政法人水産総合研 究 セン ター養殖研 究所)