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曲げと圧縮を受ける冷間成形円形鋼管部材の終局耐力の統計的評価

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Academic year: 2021

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(1)

1

論  文】 UDC ;624

014

2:691

714 :62

462 日本 建 築 学会構 遣 系 論文 報告 集 第 408 号

1990 Z 月

曲 げ

け る

冷 間 成 形 円形 鋼 管 部 材

        終 局 耐 力

統 計 的評 価

正 会員 正 会

之* 明* *  

1.

は じめ に   限 界 状 態 設 計で は部 材の耐 力や変形 能 力に影 響 す る 数々 の因子を統 計 的に扱い 総 合 的に部 材あ るい は造 物の安全 性を論じ る必 要がある。 こ の問 題につ いて は多 くの究成が あり

それら に基づい て限 界状 態 設 計は すで に実用 段 階にあ る

し か し

それら の研 究は主にH

形 鋼 部 材につ いて考 察さ れてお り1,

3,

円 形 鋼 管 部 材 耐 力 問 題 を設 計 段階までじ た研究は少ない。   部 材 耐 力の統 計 的な評 価に は数々 の方 法が ある が

現 在の ところ設 計に生かせるの は

LRFDi

代 表され る 実 験 値 と解 析 値に基づい た1次 近 似の 2次モ

メ ン ト法 で あ る

ま た, 曲 げと 圧縮 を受ける部 材は

荷 重 状 態に よ り耐 力が変化す る た め に, 厳密な安全性の評 価は 困難 で

耐 力の評 価 方 法の統

が 必要であ る

こ の耐 力 評 価の 問題につ いて も

,LRFD

で な され た方 法は有 効 である と考え ら れ る

 しか し, 曲 げ と 圧 縮 を 受ける部 材の 耐 力に対する

LRFD

の統 計 的な評 価 方 法は

実 験 変 数に か か わ り な く耐 力の変 動 係 数は

定 として

設 計 値に対 する実 験 値 の平 均 値と変 動 係 数を求 めて いる。 部 材 耐 力の変動 係 数 は

実験変数

た と えば細長 比により化 す るの で

こ の方 法で は合 理 的な評 価と な ら ない 。 この欠点を解消で き るものζして

確 率変数の分布形を質点モ デル で現 し た数値解 析で耐力 問題 を考 察し た研究4 〕が あ る 。   曲 げと圧 縮 を受 ける冷 間成 形 鋼 管 部 材の耐 力は簡 単な 解 析 値5}

致 す6}

η 。 ま た

実 験 資 料の数は限ら れ て い る

6

つ まり

実 験 値 を評 価するだ けで は

安 全 性 の論 議 ができない の で, 数 値 解 析で基 本 的 な考 察 を行 う 必 要が あ る。 そ の場 合に

塑 性 加工後の素 材の応 か ひ ずみ関 係の特性や複雑な残 留応力の評価が問 題と な る。

       ’

ま た

冷 間成形に よ り素材は高い 伏応 力と な るの で

部 材の形 能 力が小さ く な ること が報 告され て いるS)

これ ら は設計に関連す るの で

統 計 的に応 用 が 可 能な形 で の応カ

ひずみ関係の評 価が 必要である とい え る

 著 者らは文 献9 )に おい て冷 間 成 形 円 形 鋼 管 材の応 カ

ひずみ関 係の

般 化を試みて お り

その結 果か ら局 部 座屈耐 力と中心 圧 縮柱の力につ い て考 察し た

た だ し 応 カ

ひずみ

も数 値 演 算が必 要であ り

物 理 的な意 味が不明確で あ る

こ こ では

まず応 カ

関 係に お け る硬 化 指簡 便 な 近 似式 を提 案す る。 そ の結 果 を 用いて, 曲 げと圧縮を受け る部 材の耐 力 問題の統 計 的 考 察 を行う

 

2

冷 間 成 形 完 成品 の み か け の 応カ

びずみ関 係  2

1 硬 化 指 数の近似 値  応 カ

ひずみ関係を

Ramberg−Osgood

式で近 似 する た めに は   応 カ

ひずみ曲線上の 1 点 (応 力

ひずみ )の値    ある条 件 を満足 す る応 力

あ るいはひず みの値 が最 低 必 要で あ る

 み か け の降 伏 応 力σy (O

2% 残留ひずみ値 )が明 ら かであ れ ば  の条 件が与え られ る の で

 

  

・・

…  

£

M (・ ・ 箪

1参 照 )  た だ し

E :ヤング係 数 (2 100 tcmZ

 

  の条 件に引 張 強さ時の対 数ひずみ ε, を用い て硬 化 指 数 m を 求める方 法はすで にか れて い る】ω

21

0 本 論 文の

部は

文献2の に表し た も の で あ る

熊 本 大 学   助 手熊 本 大 学   教 授

工 博   (19S9年8月10日原 稿 受理

1989年 12月コ9日採 用 決 定 }         O     O

2   0

4   0

6   0

8   1

0       δ lx)

Fig

1 Stress

stram  models  showing  effect  of hardening ex

     PQnent

(2)

3e m 20 10       O       O

6     0

7     0

8     0

9     1

0       σh!σ囗

Fig

2 Relations between hardening exponent  and  yield ratio ay と引 張 強さ σ uに は統計量が ある が, ε e に は統 計 量が ない

そこで

引 張 強さσu 時の真 応 力 σ。 と ε。との 関 係に注目 すると

 

  

恥一

+ ・… 2

σe σ y

m

…・

…・

…・

…・

……・

〔1 >     ε。

=1n

〔σ。/σ。)

…・

………一 ……・

一 …

(2)

 

  

+ ・… 2

頭 舞)

m −

1・

……・

…………一 ・

(3 )

 

σ y と au の値をこれら の条件式に代入 し

収 束 計算で m を求め た9}

しか し

こ れらの条 件 式は複雑な非線形 式で あり

m を 求 める収 束 計 算 も複 雑であ る。 そこで

近 似解を求める た め に (1 )

(3 >式の弾性部分の を 無 視し

σ e と εe を消 去す る と     璽n (ay/σ u)

=1

/m {

1− ln

500

/m )}

……

 

…・

(4 )  この (4 )式で注目 すべ ことは

硬 化 指 数が降 伏 比 のみの関 数と な ることで ある

。Fig.

2に (4)式を実 線 で示す

し か し, (

4

)式で は数 値 的に m を 求 めな く ては な ら ない

そこ で

(4)式を適 当な関 数に置き換 え ることによっ て m の解を求め る。  

3

次ま での

Taylo

[展 開 式 ある い は対 数 式の級 数 解で (4 )式 を近似す ると誤 差が大 きく

次 数を増や し て も 解が複雑と な り実用に な ら ない

そ こ で (4)式 右 辺 の

lnx

を下 式で近似す る。      y= an

bx

°

5+ C  こ の関 数に は

3

つ の 定 係 数 (a b c)が ある か ら

ln

 x の あ るに お け る接 線こ う配と曲 率こ う配を合わ せ る

m の平 均 値は都 合 よく10程 度であ る か ら

  m == 10の点まわ りで各こ う配を

致さ せ た

その結果 か ら (4>式は

  

璽n (σy/σ

Ci

m

t 十

C2・

M

o

5十

C3…・

………

 

5

)        

2C

S

Ci−

2CiC3

C2

 4CiS

4CIC3 十

C2

  m =

      2(

S − C3

)2

             

…………・

…・

…・

……・

…・

(6 )

ただし

,S ・

=C3

のと き m

Ci

C2

1

56

   

S =

1n

(σuノσu}, 

Ci

=−

5

91

 

C2=

L26

 

Ci.

;− O.

1

こ の (6) 式で与 え られ る m と降 伏比 との 関 係 を Fig

 zに破 線で示 す

実 線の (4)式 と ほ ぼ

致し てい る。 降 伏 比の統 計 量が明ら か に な れば, (

6

)式 を 用い て応 カ

ひずみ関 係の統 計的な

般 化が可 能で ある

 2

2  降 伏比の 計 量  残 留 応 力な ど の影響を含ん だ み か けの応 カ

ひずみ関 係を近似す る た めに

降伏応 力 ay は短 柱の圧 縮 試 験か ら得ら れ る値と して い る

し た がっ て

6

)式の降 伏 比 も圧 縮 試 験の降 伏 応 力を使 用し な け ればな ら ない

伏 応 力 σ

や引 張 強さ au と同様に降伏比の実 験 値 を回帰 すれば必 要な統 計量 を得るこ と がで き る

し か し

引 張 試 験 と 圧 縮 試 験のそ ろっ た資 料は少な く, 両 者の そ ろっ た資 料を回 帰し て も

統 計量 と して の 信 頼 性は σy

σ u の統 計量 よりも 低 く な る

そこで, Cy と σu の統 計 量か ら降伏比の統 計量 を誘導す る

ル成 形されたSTK 41 材の統 計 量は     lnay

=−

O

0803

1n(DIt )十

1n4.

56十

lnM

,     

COV =0.

121   サンル数 :68

…・

…・

7

    

ln

σ。

=−

o

0034

ln

D

/t>+

ln

 4

78+

ln

 

M

,     

COV

=・O

078   サ ンプル数 :320

…・

…・

(8 }     p=・

O.

576

lnM

ln

 

M2

の相 関 係 数 ) であ る か ら9)

  

 

954・

Ms

°

°’6e

…・

……・

……・

 た だ し

,ln

 

M3

 

 

ln

 

Mi

 

− ln

 

M2

し た がっ て

,1n

 

M3

の標準偏 差す な わ ち降 伏 比の変 動 係 数 は

     Var (lnM ,)

Var  (lnM ,)十Var (

1nM

,)

        

・Var

 

lnM

》气煎 翩 か ら      

COV

Ms

}=   ar 

ln

 

M

=O.

099

 ただし,

COV

:変 動 係 数

 Var :分 散  降伏比の験資 料を

Fig.

3に示す

た だ し

図中の 実線は (

9

)式の確 率変数 餓 を

1.0

と し た平 均値で あ り

破線は平均 値か ら変 動 係 数の

2

分 は な れ た

95

% 1

0 76 「 U OOD  

6

丶 δ 4

0 0

3

0

2      10     20  30 4050      100       D!t

(3)

信頼限 界で あ る

そ れ らの誘導さ れ た値は実験資料を よ く表し てい る とい え る

 

3.

統 計 的 評 価 方 法   LRFD 方 式に必 要な耐 力の統計量は平 均 値と変動係 数で ある。   近 似 的に

耐 力の対 数 値の標 準 偏 差が耐 力の変動 係 数 と等しい とす る

耐 力の対 数 値

y

が各 確率 変数の関 数 となること を前 提 として

   

y= 9(x ,, 

x

・, 

:, 

xn

 各 確 率変数の均 値 μx

,μx

,…,

Uxn の ま わ りで 1次 近 似の

y

の平 均 値は     

E

Y

)= 9 μx

μXt

…,

μx

π

…・

………・

(10)  ま た, 各確率 変数 間の相関を考慮して

y

の分 散は

  

 

Var (・)・

類象

・・v (

X

X

・)                

………・

……・

…・

…………

(11)   た だ し

,Cov

:共 分 散  こ の近似はgが陽 関 数で ない場 合に は直接 使 用する こと がで き ない し か し

部 材 耐 力が数 式の形ではな く, 数値解析のと し て求め ら れ る と す る と

各 確 率 変 数 の均 値 を用い て数 値解 析を行うことに より

(10) 式 のを求め るこ と がで き る。  ま たtg を多 項 式で補間 する数 値 微 分 法 ]1) っ て (11 )式の係数を与え るこ とに より

耐 力の分 散 を求め る こと がで きる。 そ の場 合に問 題 とな るの は刻み点を ど の よ うに取る かであ る。   そ こ で

接 線 剛 性 理 論に こ の方 法 を用い て

中心 圧縮 柱の耐 力平 均 値と変 動 係 数 を求 める。 そ れ らの数 値 と 確率 論 的に密な値であ る確 率 密 度 関 数の数 値 積 分の結 果 を比 較す る

その ことで

1次近似の平 均 値の妥 当 性 と数値微分に お け る関数 g のみ点の検 討 を する。  なお 計 算する点に高 次モ

メン トを考 慮して確率の 重みをか け

演 算 結 果か ら統計量 を 得る と小 野ら4, が用 い た 3point 法の概 念と同じで あ る

こ こ で は

ll

式に基づい て分 散 を求め る た め にの み耐力の関数 g を 離 散 化してお り,確 率の分 布 形などの考慮は して いない。 ま た, こ こ で の方法は (

11

)式の 1次 近 似 式に基づい て い る た め に

各確率変数間の相関を考慮す ること がで き る

  (7 )

8

)式にお け る降 伏 応 力に関 する確 率 変

tw

 M と引 張 強さの確 率 変 数

M

,が耐 力に関 係す る と して     

Xi=

ln

 

Mh

  

X2

= 

ln

 

M2

と す る。  

X

,と

Xz

の相 関を考 慮し た 2次 元の確 率 密 度 関 数 を与 え

そ の確 率密 度関 数に基づいた応 カ

ひずみ関 係の モ デルか ら得た 接線剛性理論 値の確 率 分 布を数 値 積 分し て 平 均値と変動 係 数を求め た9♪ 。 そ の平 均 値 をFig

4に, 変動係数を

Fig.

5

に そ れ ぞ れ実 線で示 す。 な お

 Fig

4 2

0 5               0

2

Z 0

5         O  O

2 0

4 0

6 0

8 1

0 1

2 1

4 1

6       Xn

Fig

4 Comparison between apProximate  mean  and  exact  mean      values  of column  strengths P〃

30)

COVO

15 0

10 0

05  0   0

20

40

60

8 1

0 1

2 1

4 1

6        Xn

Fig

5 COV  of column  strengths  (P/t

30 の たては公称の降伏 軸力Ny

n で無 次 元化 し て い る

 前 述の よ うに

,1

次 近 似の均 値は 各 確 率 変 数の平 均 値 を 用い た 接 線 剛 性 理 論の値と なる

すな わ ち

σs と atC の平均 値は (7 )

(8 )式か ら

 

 

 

a

… 6

… (・・m ・)

…………一

(・2>

   

7・

♀)

°°3‘ (・・ 

……・

…・

…・

13  この

2

つ のを (6 )式に入 すると m の 1次 近 似 の均 値が得られ る。 その m の平 均 値と σy の平 均 値を 用いて

Ramberg −Osgood

式を与え る

そ の応 カ

ひずみ 曲線を用い て求めた接 線 剛 性 理 論 値を Fig

4に破 線で 示す

12

), (13 )

式 を 用

μx、

μx、を用い た こ とにな り, こ の値は 1次 近 似の平 均 値と な る。  

Fig,

4

に おい て, 破線と実 線に若 干の差を生 じ て いる の は

耐力の確 率の分 布 形 がいびつ に な る細 長 比の領 域 であり

これ は1次近似によ る誤 差 と考え ら れる

し か し

非 常にさ な差であ り, 平均 値は 1次 近 似で十 分な 精 度が あ ること と, (6)式の近 似 式が妥 当で あ るこ と が分か る

 次に 分 散につ い て考え て み る

(11 )式に必要な 1 次 微 分の値は Lagrange の方 法に基づい た数 値 微 分111で 求め る

。変

動 係 数を基 準に して多 項 式に当て は め る刻み 点 を下 記の よ うに設 定 し た

   Case 1    5点 (

2

,−

1

,0、1,2

)      

Case

 2   3

点 (

1

0

1

57

(4)

   

Case

 

3

  5点 (

1

,−

0

5

0

,0.

 

5,

 

1

)    

Case

 4    3点 (

0

5

0

0

5 )      

Case

 5  3点 (

2

0

2 かっ こ の中の数 字 )fiは標 準 偏 差の倍率で あ り, そ れ ぞ れ の確 率 変 数の 平 均 値か ら標 準偏 差の rs倍 分 離れ た数 値で演 算を行い耐力 を求め る

その耐 力の対 数 値を通る 多 項 式 を 求め

その多 項式を微分 し て (

11

>式の係 数 を 求め る

 確 率 変 数 XI を例に説 明す る

 gの偏 微 分 項 を求める 場 合には 普 通の変 数と確 率変数を区別す る必要は ない の で

説明の便 宜上

関 数g にお け る

Xi

を x と す る

μx

か ら

9

,の

7

,倍 離れた降 伏 応 力の値をσ y

rt で表 し, その降 伏 応 力 と 変 数x の値 Xi との関 係は

   

ln a

,t

1n a、

m + x、

=−

O

0803

ln

(D/t}        十

ln

 4

56十 溢

ζ  ただし

ζ,は確 率変数 

Xi

の標 準偏差 (

0.121

)である

a。

v

と引 張 強さの平 均 値 (13 )式 を (6> 式に代 入 し て m を 算 定し

7,に対 応し た

Ramberg−

Osgood

式を求 め る

そ れら3組ない し5組の応 カ

ひずみ曲 線に対し て接 線 剛 性 理 論 値 を 求 める。 そ れ らの理 論 値の対 数 値 y‘か ら

g

をLagrange の 2次な い し4次の 多 項 式 In

1 で表すと     9(

Xi,

μXi)=

ln−

1(二じ) 一

籍講

i

ii

緊臻

 こ の 多項式を x で微分 す るこ とで

11 )式中の 偏 導 関 数 ∂g/∂

Xi

の μx

 XIK

にお け る値を求め ること がで き る

 同 様に ∂

g

/∂x,の値を求めて変 動 係 数 を 算 定し た

Fig.

5に 演 算 結 果を示す

脇(1/π

2

4/2100

λ)が0

8 以 下の領 域で は

,Case

 5を 除い て数 値 積 分の値 と1次 近 似の値は よ く

致して いる。 そ れ以 外の領 域で は

そ れ ぞ れ若 干の差は あるが

よ く傾向が表さ れ て い る

こ こ で生 じ た差は

耐 力の確 率 分 布の形がい びつ に な るた め と考えられ る。 これ は

接 線 剛 性 理 論に上 限 値 (オ イ ラ

荷 重 )が存 在する ためである か ら

こ の上 限 値の影 響をあ ま り受け ない曲 げ と圧 縮 を受け る部材耐力につ い ては

こ こ での方 法で十 分な精 度がある もの と考え ら れ る

 

4.

部 柑の終 局 耐 力の統 計 量  4

1  部 材 耐 力の数 値 解 析 法  面 内に の み変形を生じる部 材の最大 耐力を解 析 的に求 める方 法には数々 のが あ る。 精度の高い厳密な解 析 方法 も あ る が, 耐 力の

般化 に は多く の数値演 算が 必要 であ るの で, た わみ形 を正 弦 波で仮 定し た近 似 解 5)

7) の 妥 当性を既往の実験資 料6〕

T}

IZ)

IT] を用い て検討す る。 た だ し, 断面を 周方 向に

40

分割し た数値 積分 法で断面 力 を求め ること と す る。

58

N

1

,      

N

 

 

 

Ne

 

 

 

 

 

 

 ↑

N

  e )  

CN ( 階   1 )

OH ( 盖   岡

  Fig

6 Test collditions  for 

bearn

columns

Mu

e〔±

cml 1000 100 10         3          3 黜0   100   1000       凹”

o 随

ool

Fig

7 Test results  and  predictions of ultimate  strength  of      beam

columns  既往の 実験に は

Fig.6

の よ う に

3

種 類の載 荷 方 法が あ る。 こ の 近似解で 求めた最 大 耐 力は

Fig.

6 (a),(c) の タイ プの実 験 値 と よく

致 する こと が明らか になっ て い る6)

7)

  (6 )式で m を算 定する た め に は素 材の 引 張 強さと 短 柱の圧 縮 試 験の 降伏 応 力が必 要である。 実 験 資 料にお い て両 者が公 表さ れて い る場 合に は (6 )式を用い て応 カ

ひずみ関 係 を 近 似し た。 短柱 圧 縮 試 験の応 カ

ひずみ 関係のみが 公 表 さ れて い る場 合に は

0.

4% の残 留ひず み に対 応す る応 力 σ。

t

、を用い て m を求め た

す な わ ち      

1n

 

2

   

m

ln

(。。

、/。 y)  短 柱の圧縮 試 験の結果が 公表さ れて いない実 験 資 料と 熱 間圧 延の材 料 あるい は焼 鈍 材の 実 験 資 料は扱っ てい な い

 

Fig.

6の すべ て の載 荷 方 法で は

曲 げモ

メ⊃・ トが 化 するの で

最 大 曲げモ

メ ン トの実 験 値乢

,と計 算 値 職 cとの関係 をFig

7に示 す。 Fig

6(a)タイ プでは

実 験 値計 算 値下 回 て い

れ は

7

の資 料であり

そ の文 献に述べ ら れて い る よ う に局部座 屈の影 響 と 考えられ る。 また (b)タイ プで は

実 験 値 は計 算 値 よりも若 干 高い こと が分か る。(c)タイ プでは

(5)

ご Z b

     

1         /       /     /     /  / / (卜

1u

Nu

畍) /

 

θ

 

M

d

・Nu,

d)                

M

〔t

cm )

Fig

8 Definition of  resistance  of beam

columns 耐 力に摩 擦 力の影 響が報 告 されている曲 げ耐 力の小さい 小 径の実 験 を 除い て

計 算 値は実 験 値と よく

致して い る。 総 じて実 験 値 と計 算 値の相 関は良好である

 

Fig.

6(

b

)の載 荷 方 法で は曲 げモ

メ ン トに こ う配が ある た めに等 価 曲 げモ

メ ン ト係 数

Cm

を 考え な けれ ば なら ない

しか し,実 験資料の細長 比 λが 小さい た め に, 塑 性 設 計 指 針13 ,の算 定 式で は

Cm

がほぼ 1

0とな り

Cm

を考え ても設 計 値は変わ ら ない

ま た

こヒで行っ た解 析 方 法では

Cm

の違い による耐 力の変 化 を表 現で き ない の で

Fig

6(

b

)タイ プの λが大き な領 域における部 材 耐 力は考 察の対 象 外とす る。  4

2  平 均 値と変 動 係 数   前述の部 材耐 力の数値解析 法か ら得た最大耐力を前述 の統 計 的 評 価 方 法に適用 して部 材 耐 力の 統計量 を求め る

 この場 合に,耐 力の変 動 を評 価す る方 法が問題と な る

つ ま り

荷 重の経 路が 明 ら かでな け れば

耐 力の分散が 求め ら れ ない。 こ の問 題には多くの議 論が あ る が

こ こ で は

LRFD

]) と同様に

 

Fig,

8

に示す よ う に荷重は M

N 相関 図の原 点か ら直線で変化す ること と す る。 す な わち      

M =

N ・

e と して

偏心量 e は確 定量 と して変 動は ない もの と考 え る

ま た

こ の直線上で部材 耐 力が変動する こ とにな るの で, 部 材の最 大 耐 力の統 計量 を偏 心 圧 縮 柱の軸 方 向 耐 力Nu を用いて

   

R

ハlu

V〆

i

F

≡葬F

 

(14) の値で評 価 する。 ま た

Fig

8の よ うに曲 げモ

メ ン ト を横 軸と し

圧 縮 力を たて軸と し た と きの直線の角 度θ に対する R の変 動 係 数の 変 化を調べ る。 直 線の角 度 θ と荷 重 状 態には      

N

  1

   

セm θ

7

万 の関 係 が ある

こ こで

θは荷 重 状 態 を表す変 数 とな り, 偏心 量の みで変化 す る確 定量であ る

  解 析の 変 数は細 長 比 λ

20

40

60

80

120と し

2

O 5 0

2

Z 0

5 0 1

5       0

Z 丶

Z 0

5 0 1

5       0

2

Z 0

5 o1

5 0

2

2Z O

5 01

0           5           翫

2

Z O

5

0

0     1

5 鬥・

・!M卩

・ 2

0 0

5

0

1

0     1

fi Mu

■!Mp

n 2

0 0

5

0

1

0      1

5 Mu

購/門P

n 2

O 0

5

0

1

0     1

5 門凵

・!凹P

n D!t±10

100 2

0 {e 〕λ=

120

      0      0

5    1

0    1

5    2

O       Mu

・!凹卩

n

Fig

9 Mean Ψa 且ues Qf ultLrnate strengths  of  beam

columns

59

(6)

COVO

15 0

10 0

05 CNS#5 Cese卜4         0          0   0

1π  D

2π  0

3π  0

4π  0

5π       θ ‘陥 d〕

Fig

10 Effect of dlfferences in several  discreteヒechniques  on

      value Qf COV 〔D/t

30> M

N 相 関 線が 90分 割する よ うに偏心 量 を 設定し, 径 厚 比

D

/tは10か ら100 まで 10おきと し た

なお 外 径は

165.

2mm

と した。

 

最大 耐力の 1次 近 似の平 均 値を公 称の 降 伏 応 力 σy

n (

2.

4t/cmZ で計 算 し た公 称の降 伏 軸 力Ny

n と 全 塑 性 モ

メ ン ト

M

.,で無 次 元 化して

Fig.

9に示 す

平 均 値 は公称の耐力に比べ て か な り高く な る

また, 径 厚 比に よ り降 伏 応 力と引 張 強さ が変 化 する た めに 最 大 耐 力の 平 均値も

1

径厚比で化して い る。  分 散につ いて は

まず 前 述の数値微分におけ る刻み点 の違い によっ て どの程度の差が分散に現れ る かを検 討し た。 刻み の点によっ て分 散の差が顕 著な λ

己120

の演 算 結 果を

Fig.

10に示 す

 

Case

 5の θが大きい場 合

す な わ ち高 軸 力の場 合を除い て

すべ て の演 算 結 果に大し た 差は ない 。 これ は

中 心 圧 縮 柱と違っ て耐 力の確率密度 のがいびつ で は ない こと を示 して い る

。Case

 5 を除け ば どの演 算 結 果 も大し た差がな い の で

Case

 

2

演 算果 を用いて以 下の考 察 をする

 演 算 結 果をFig

11に示 す

径 厚 比に よ る変動係 数の 変 化は λ

120の場 合に顕 著である

ほ か の長 比では

径 厚 比に よる変 化は ほとんどない

ま た

θ に対す る変 動 係 数の変化は細 長 比によ り異な る

 変 動 係 数と均 値の変 化は雑で あ り,

LRFD

方 式 の設 計におい て必 要な低 減 係 数と平 均 値 を 簡 単な 形で表 すこと はで き ない もの と考え ら れ る

 

5.

設計耐力 の 考察   5

1 全 塑性限界耐力  冷 間 成 形 材の よ うに降伏 棚が現れ ない材料で は

全 塑 性モ

メ ン トの評価自体に問 題 が あ る

現 在の耐 力 設 計 で は ひずみ硬 化による耐 力上 昇を見 込んで い ない の で 全 塑 性モ

メ ン トが設計に使す る部材耐 力の最 大 値であると考え ら れ る

し か し

明 瞭な降 伏 棚が現れ な い 合に は徐々 に応カ

ひずみ関 係の剛 性が変 化す る た め に

全 塑性モ

メン トを設 計の最 大 値と して良いのか ど う か不 明であ る

本 論で は 0

2%の残留ひずみ に対 応 する応 力 を降 伏 応 力 としてい る が, この値を用い て算 定し た 全 塑性モ

メ ン トと部 材 耐 力との関 係 も定か でな い

一一

60

COVD

15 0

10 0

05 D/t

10

1DO 00

 

0

1π O

2π O

3π 0

4π 0

5π       θ 1「Ed 〕         〔

a

〕λ=

20

COVO

15 O

10 0

05 0       〔

b

D/t

10

100 COVO

15 0

10 0

05 O    O

1n  O

2π  O

3K  O

4rt  O

5π 0       〔C     θ tred) λ=

40

D!t

10

100 COVO

15 0

10 0

05 0   0

1π 0

2π 0

3π 0

4疋 0

5rt    θ tred ) λ=

60

D!t

10

100 0 。 0

1. 02 。 0

3。 0

4rt 。

:i.       θ lredl         [

d

}λ=

80

COVO

15 0

10 O

05 D/t

10

100     O      O  O

1π 0

2π O

3π 0

4π O

!iπ       θlraの       【

e

〕 λ=

120

Fig

11 COV  of   ultimate  strengths  Qf  beam

columns

 そ こで

短柱 (λ

20 )の最大 耐 力が全 塑性 状態の 界 耐力であ る と して, これ を 全 塑性モ

メン トの計 算 値 と 比 較して み る

(7)

6 54 β 321  0   0   0

1π  0

2π O

3n  O

4π 0

5π       θ lred )

Fig

12

 Safety index for full plastic limit state

計値

1V

喇 と曲げに対す る設計値

Mzad

との関 係は

 

 

 

・ ・s

π Nv

d2Ns

d

…・

……・

…・

……一 ・

15 ただし  

Mp,

d

 

Zp

 

 ay

el:設 計 用 全 塑 性モ

メ ン ト  Nyri

A

σs

d 

l

設 計 用 降 伏 軸 力  σ。

d :設 計 用 降 伏 応 力

 Z . :塑 性 断 面 係 数  

A

:断 面 積  Fig

8に示す よ うに 廻嘸 と1V昭 は      MKd

Nzaa

 e を満足 す る と し て

   R

,=

N

、、d

s/

i

IF5T と した

Rd

を設計用 限 界 耐 力と す る。 た だ し

(15) 式 で は数 式の形で

R

.を与ネること ができな い の で

2分 法で上記の条件を満足する ユ5 >式の根を求める

また

Fig

11に示 し た

R

の 変 動 係 数 ζ。 を考 慮し て R.と R の平 均 値

Rm

との関 係を調べ る。 その た めの指 標とし て        ln(Rth/Rd)        

 (16)       β

      ζ,  β

LRFD

方式 の安全指 標 βに分 離 定 数a を か け た もの と等 しい

ま た

荷 重の 変 動を考えない 場合に は

設 計 変 数に よっ て β

が変 化し な けれ ば安 全 性が

定で ある といえ る。  (15) 式の設 計 用 降 伏 応 力 ay

d に公 称の降 伏 応 力σy

n (2

4t/cmZ を用い た β

Fig,

12に示 す

β

は径 厚 比でき く変化 して いる。 し か し

θに対しては あ まり 変 化し ていない

これ は, (

15

)式 は妥 当で あ り

公称 の降 伏 応 力 とした設 計 用 降 伏 応 力に問題が あ ること を示 してい る

 そこで, (7 )式の圧縮試 験の降伏応 力の統 計量 に基 づい て設 計 用 降 伏 応 力 を与え る

す な わ ち

,LRFD

方 式と同様に     σ y

d== ay

パ exp (

fla

ζ1)  

Z

ρ と A を確 定量 とし て い る た め に

こ の式 中の β

Mp

N

。の 安 全 指 標と考えること ができ る。 しか し

降 伏 応 力 ay は

0.2

%の残留ひずみに対応 す る 応力であ 65 4 β 3 2 コ       0         0  0

1π 0

2;匸 0

3π Og4π O

57匸       θ Cred】

Fig

13 

Safety

 index controlLed  by statistical  data of compress

      ed yield stresses  (β

3

0) り, その ay で与え た

Mp

とNy の

算 値が部 材の曲 げ耐 力 と圧 縮 耐 力 を 表し てい るとはい え ない

そのた めに β

を与えた設 計 用 降 伏 応 力 を 用い て 求め た

R

αと 曲 げ と 圧 縮を受け る短 柱の 限 界耐 力の平 均 値

Rm

とを 比 較 し て, β

と βa が等しい かどう か検討す る必要が ある

βα と β

が等 し けれ ば, その設 計 用 降 伏 応 力は部 材 耐 力の 評 価に適切で ある とい え る

β

3

0と し た設 計 用 降 伏 応 力 を 用い て (15) 式 に基づい て

R4

を 算 定 し た

Fig

13に計 算 結 果 を 示 す。 径 厚 比の変 化に伴 う降 伏 応 力の 化 と部材 耐力の 化は

致 し な い た め に

Fjg.13

の よ うに径 厚 比に よっ て β

は変化す る。 ま た

β。とβ

は か な り異な る値で あ る

これ は, 部材耐 力の 統 計 量が素 材の応 カ

ひずみ関 係に お け る降 伏 応 力の統 計 量ほど 径厚比の影 響を受け ない た め で あ る

 す な わ ち, 降 伏 応 力が高い場 合に は, 降 伏 比が萵く な り硬 化 指 数m は大き く な る

し たがっ て, 降 伏 応 力 近 傍での応 力上 昇さ く な り

ほぼ降伏応力で部材の 最大 耐力が決ま る。 逆に降伏応力が低いと m が小さ く な り

応 力の上 昇率は大き く な り

ひずみの増 加が小さ く て も応 力はか な り上 昇す るの で

部材の大耐力 塑 性モ

メ ン トよ り も高 く な る

つ ま り, 降 伏 応 力と m の変 化が部 材 耐 力に与える影 響は相 殺される ので

降 伏 応 力の統 計 量に お ける径 厚 比の影 響がそ のま ま部 材 耐 力には現れ ない。  こ れ は

,O.

2

%の残 留ひずみ よ り も若 干 大き なひずみ 領 域の応 力の統 計 量を部 材 耐 力の設 計に使 用すれば良い ことを示してい る。 し か し

その よ う な応 力の統 計 量 を 求め るの は困 難であ るの で

引張 試 験の降 伏 応 力 を使 用 し て み る。 引 張 試 験の 降 伏 応 力tay は, 圧縮の降 伏 応 力 に比 較して分 散は小 さく

平 均 値は若 干 高く な り径 厚 比 の影 響が小 さい9 )

  

 

tay

… (・/・m・)

一 ・

……・

17

)      

COV

= o

109  こ の統 計 量 を用い て設 計 用 降 伏 応 力 を与え る と

61

(8)

6FO4 β 3 21       0         0  0

1π 0

2π 0

3π 0

4π 0

5π       θ〔r 巳の

Fig

14 Safety index controHed  by stat 正sticai data of tensi【e       yie皇d stresses (β

3

0)      σ y

d 

t σy

m

exp (

βa

ζ4)

……・

…・

……・

18

 Fig,

14 にβ

3.

0

と し た 場合の β

を 示 す

β

径 厚 比にか か わ り な く ほ ぼ

3.

0

であ る。 つま り

安 全 性 を

定に す る た め に は (

18

)式を用いて (

15

)式の d と 凡 d を 与 え れ ば よい といえ る

 た だ し, この 結果は λ= 20の部 材の最 大 耐 力と比 較 し た場 合であり

細 長 比の値 が 変わ れば (

18

)式との 係も変 化するもの と考え られ る

 5

2  曲げ圧 縮 限 界 耐 力   曲 げと圧 縮 を 受 ける部 材の設 計には

圧 縮 を受け る部 材の設計耐 力 1V。r を用いた相関 式が

般に下 式で与え ら れて いる

 

晦              

Nc

1

0

 

(19) 「

      

 

Nzad1

N,

脇  ただし, N, :オイラ

座 屈 強 度  圧縮を受ける冷間成 形 部 材の耐 力の平 均 値や分 散は熱 間圧延材と異なっ てい る

また N

の既 往の設 計 式 を 冷間 成 形部材に適 応し た場 合に は 短 柱の領 域 (λ<30 ) を 除 く と

設計 式と部 材 耐 力と の不

致よりも径 厚 比で 安 全 性が変 化する割 合の方が大きい9)。 こ れ ら は

圧 延 材とは別の設 計 式が冷 間 成 形 材に必要なこと を示 して い る。 し か し

そ れ らの こ とを設 計に反 映す る た めの考 察 は不 十 分で あ る

ま た

,一

般に短柱領域での

N 。

r の低 減 係 数と

Mp

の低 減 係 数は 同 じ値が与え ら れ るこ と が多い の で

これ らの低 減 係 数の値につ い て は考 察し ない

 設計 変 数 θ に対して

定の安 全 性 を 確 保で きる方 法 につ い て考察す る

その た めに 細 長 比に よ る耐 力の 均値の変化と低減係数の変化 が 含 まれ た表 現で ある塑 性 設 計 指 針ls)

o

設 計 式

N

,r と し て 用い る。 す な わ ち

STK

 41で は       Ncr      O≦λ≦30の場 合      

1

O

       Ns

 

  

・・〈 ・≦・2・ の場 合

1

・… 6(・

・・)

一 62 一

87 65 β 43 21       0         0  0

1π O

2π O

3

π 0

4π D

5π       θ lrad )

Fig

15 

Safety

 index usi ロg linear interaction equatio ロs D/t

     30)

  

   

・>

12

・ の駘 晦

       

…・

……・

………・

…・

………・

(20)  ま た, (

19

)式の

Mp

と (20 )式の

Ny

の計 算に は公 称 の降 伏応 力 σ

n を使用 する

公 称の降 伏 応 力 を 用いるこ とで

そ れぞれ に低 減 係 数を含んで お り, (19),(20 ) 式は設 計 耐 力 を与え ること とする

 以上の ことに基づい て

曲げ圧 縮 限 界 状 態の β

を 求 め た

β

の変 化は 径 厚 比 が異なる場 合に もθ に対し て は よ く似た傾向と な る ので

こ こ で は

例と して D/t ;

30

演 算結果 を

Fig.

15

文 献1)で は

fl

値を

1.

65 (α

=0。55,

β=

3.

O

し て い る こ判 断 す る と

(19) 式に基づけば全 体 的に安 金 側の評 価 とな る こと が

Fig

15か ら分か る

し か し

λ

120 を除い て θが大きくなる とβ

が小さくな る傾 向が あ る

こ の 向は

,H

形 鋼 部 材 を対 象に設 定さ れ た (19 )式 が円形 断 面の部 材 耐 力を表せ な い た め に生じ たもの と考え られ る

 前 項で示 し た よ う に

円形 断 面の全 塑 性 状態の設 計 式 (15)式とλ

20の限 界 耐 力 を比 較し た場 合には

θに 対して β

は変化 し ない

ま た

,Fig.

15

中の λ=

40

,60,

80の β

の変 化は λ

20の変 化と同じ傾 向 が ある か ら, (15) 式に基づい た相 関 式 を 曲 げ圧 縮 限 界 状 態の設 計に 用い る こ と が必 要で ある と考え られ る

(15> 式に基づ い て

,Sherman

 

 

 

1

・・S

π

N

”d2 ハ

1cr

一 ・

……

(21 ) の相 関 式を使 用 し て い る17 )。 この 相 関 式を用い て β

を 求めると

Fig、

16と なり

短 柱の領 域 (λ

20

40 )で は

θ に対してほ ぼ

定の β

と な る。 し か し

λが60以上 で はθが 小 さ く な る と β

は 低下し て い る

また

細長 比が大き く な るにつ れ てその傾向はしい

これは

(9)

654 β 321       D         O    O

1π   0

2π  0

3π   0

4π   O

5n       θ Cred }

Flg

16 Safety index using interaction curves  of CHS Dt

      30) 65 4 β 3 21       0         0   0

lrt  O

2π  0

3π 0

4π 0

5π       θCred)

Fig

17 Safety lndex using  factored inte[action curves 〔D/t

      30) 間成 形 材では かな り小さ なひずみ の域で非 弾 性 挙 動が み ら れ ること が

部 材 耐 力に影 響す る た めと考え ら れ る

こ の現 象は評 価し て お く必 要がある

低 減 係 数 ψ を用 い た相 関 式とし て

 

 

 

〔、

調

・ ・s

……・

22 を想 定し

,di

1

3と す る と θして β

は ほ ぼ

定の 値で あっ た。 そ の演 算結果を

Fig.

17

に示す

径 厚 比が 30の場合には

λ= 20

120 を除い て β’は ほぼ2

0 とな る

 λ

=120

で は, θに対して β

は大 き く変 化 してお り

その最 低 値は ほ か の細 長 比の値と お お む ね等しい

ま た

λ

20で は

β

は ほ か の細 長比の結 果と 比較して格 段に 大き な値であ る。

これ らの結果は

安全性の評価に既往 の設計式 (

20

)式 を使用 し たこと に起因 し て お り

,N

の設 計 値には再考の余地があるとい え る

 

図示し てい ない が, 径

比が変 化すると

B

の値 自体 は変化す る が

θに対し て は変 化し な くて ほぼ

定の値 であっ た

  実験 資料の 限 界耐 力

Re

と (22 )式 を用い てめ た設 計用 限 界耐力

R

,を

Fig

8

に比 較す る

こ の図に単 位 を示して い ない の は

偏心 量 e に よっ て

Re

Rd

の単

Re100D

10D 10        Rd

F◎

18 Test results compared  wiしh factored resistances

位が変 化 する ためであ る。

Re

Rd

の値は e (cm )

 

N

 (t)と し て算 定 し て い る。 また

実 験 資 料に は

STK

50

相当の材 料 が あるの で

その実 験 資 料につ いて は σy

n

3

3tcmZ とし て R, を 計 算 して いる。 実 験 資 料の数 が限 られ て い る上に

実 験変数に偏 りが あり

素材 の実 験 が 多い

こ の よ う な実 験 資 料 との比 較では

前 述 の

Nc

。の問 題 や径 厚 比に よる安 全性の変 化を明ら かに で き な い が

Fig

18に よ れ ば (22 )式を用い た設計値は 存 在 軸 力や曲 げモ

メ ン トに関係な く お お む ね

定の 全 性を与えて いる といえ る。  

6.

ま と め   曲げ と 圧縮を受け る部材耐力につ いて の統 計 的な評価 の結果を ま と め る

  (

1

)加 工 後の応 カ

ひずみ関 係 を与える モ デル の係

数につ い て 計 的に応 用が可 能な形で簡 便な近 似 式を 得た

  (2 ) 十 分な精 度の ある部 材 耐 力の近 似 解に応 カ

ひ ずみ関係の モデル を用い てその妥当性を確 認した

  (3 )

1

次近似の平 均と 分散を数 値 的に求め た

そ の

曲げ と 圧縮 を受け る部 材の最 大 耐 力の統 計 量は 径 厚比

軸力比, 細 長 比に よ り変 化し た

  (

4

) 素材の降 伏 応 力の統 計 量 を用い た低 減 係 数 を 降 伏 軸 力 と全 塑 性モ

メ ン トに与え ること が

全 塑 性 限 界 状 態の設 計に有 効である こ と が分か っ た。   (5) 現 在の設 計に使 用さ れ てい る曲げ 圧縮 耐力の 関 式は

円形 鋼 管 部 材に対し て適切 な 設計 耐 力を与え な くて

荷 重 状 態によ

り安 全 性が変化 した

円 形断面の全 塑性状態にお け る相関 式に基づい た曲 げ圧 縮 耐 力の相 関 式では

細長 比 が大き く な る と危 険 側の評価と なっ た

特 殊な低減係数 を その関 式に与える と, ほ ぼ

全 性が確 保で き た。   これ らの こと か ら

曲げ と 圧縮を受け る冷間 成形 円形 鋼 管 部材の耐 力を統 計 的に評 価でき た といえ る。し か し

一 63 一

(10)

初 期 不 整な どの幾 何 学 的な不 整 を考 慮し て い ない

ま た

具 体 的な低 減 係 数の表 現 を避けて 既 往の設計式を基準 に して安 全 性の評 価 を して いる。 初 期 不 整の問題は実際 の構 造 物の施工程 度 を考 慮 し た上で考え るべ り, ほ か の形 鋼と統

れ る必 要 が あ

ま た , 低減係 数 を与え る ために必 要 な安 全 指 標 と分 離 定 数の値も荷重 状 態などを考 慮し た上で統

され るべ き で あ る

これ ら の ことが成され た後に よ り合 理 的な評 価 を行う予 定で あ る。  謝 辞   本 研 究は文 部 省 科 学 研 究 費 (総 合 A No

63302052 代表 者五 十嵐 定 義)お よ び東レ科 学 振 興 会の援 助 を 受け た

記して感 謝し ま す

参 考 文 献

1)

Bjoihovde

 

R.

,Galambos

 T

V

Ravindra

 

M .

 K

   LRFD  Criteria for Steel Beam

Co且ttmns

 ASCE

 

Jour−

   nal of StTuctulal Division Vol

104 No

ST9,    pp

1371

1387

 1978

9 2) 坂 本 順

小 浜 芳 朗

大 宮 幸 男 :信 頼 性 設計法に関す る    考 察 [H]

日本 建 築 学 会 論文報 告集

第305号

pp

9

16

   1981

7 3) 小野徹郎

平 野 富 之 :実 験

タ に基づく鋼 構 造 部 材の     耐 力と変 形 能 力に関す る統 計論 的考 察 (

1

日本 建築 学    会 論 文報告集

第 3Z8号

 pp

1

10

1983

6 4)小 野徹郎

井戸 田秀樹

河 原 弘 明 :高 次 積 率を 用い た 鋼    圧 縮 材お よ び曲 げ 材の抵 抗 強 度に関する統 計論 的 研 究

   日本建築 学会構造 系論文 報告集

第370号

pp

19

27

   1986

12

5) Chen

 W

 F

 Atsuta

 T

;Theory of  Beam

Colu皿 nt    Volume 1

 McGraw

Hill

 pp

387

391

1976

6) 若 林  実

石田  昭

野 中 泰二郎

西 川

正 :電 縫 鋼 管    の座屈に関 する実 験的研究

そ の 2 座 屈実験

一,

日本    建築学会大会学術 講演梗概 集

pp

971

972

1968

10 7} 西 田 芳 弘

加 藤 征 宏

久 光 脩 文

奥 戸 行

坂 本  傑      :塑性 設 計 法の鋼 管 構 造へ 応 用

住 友 金 属

Vol

23

   No

4

 pp

107

ll7

1971

10

8

〕 加 藤 勉:閉 断 面 部 材の局 部 座 屈 と 変 形 能 力

日本建築     学 会 構 造 系論 文 報 告 集

第378号

pp

27

36

]987

8 9) 越 智 健 之

黒 羽 啓 明 :冷 間成形 円 形 鋼 管 部 材の耐力 と変    形 能の統 計 的評 価

日 本建築 学会構 造系 論 文 報 告 集

第     391号

 pp

59

71

 ユ988

9 10)  山田嘉昭:塑 性

粘 弾 性

培風 館

pp

21

24

980 11)例えば 山 内二郎

森口繁

一,一

松  信:電 子計算機の    た めの 数 値 計 算 法

L

培 風 館

pp

67

69 pp

 90

92

    1965 12) 仲 威 雄

加 藤 勉

清 山卓 郎 :非調質 鋼管の座 屈 実 験

   日本建築学会 論 文 報 告 集

号 外

pp

299

1965

9 13)藤 本 盛 久

鈴 木敏郎:鋼管構造便覧

日本鋼管株式会社

    pp

675

684 14)越 智 健 之

最 相元雄

黒羽 啓 明

大 塚 孝志 :円形 鋼 管 部   材の履 歴 性状

その 1

耐 力

変形 能と径厚 比;日本建築     学 会 大 会 学 術 講 演 梗概 集

pp

667

668

1985

1〔1 15) 蓑田 茂

越 智 健 之

黒 羽 啓 明 :熱 間 圧 延 円 形 鋼 管 部 材   の耐 力 と変形 能にす る実験

日本建 築学会大会学 術 講    演梗 概集

構造CH

 pp

1125

1126

1989

10

16) Matsui

 C

 and Tsuda

 K

 l Strength and Behavior of   

Circular

 Steel Tubular Beam

Columns

 Internatienal    Conference on Steel Structures

 Recent Research Ad

    vances  and  Applications

 Budva

 Yugoslavia

1986

9

17 Sherman

 D

R

:Interpretive Discusslon of  Tubular

    Beam

Column Test Data

 Department o {Civil En

   gineering

 University of  Wisconsin

Milwaukee

1980

12

18)  日本 建 築学 会 :鋼 構 造 塑 性 設 計 指 針

1975

19Chen

 W

 F

 Soalt   i

S

:CylindricaL Members  in    Offshore Structures

 Thin

Walled Structures

 Vol

6

    pp

153

285

 ユ988

20)越 智 健 之

黒羽 啓 明 :曲げ と 圧縮を受け る冷 間 成形 円 形

   鋼 管 部 材の終 局 耐 力の統 計 的 評 価

日本 建築学 会九州支    部研究報告

第31号1

pp

205

208

1989

3

(11)

SYNOPSIS

UDC:624.014.2:691.714:62-462

STATISTICAL

EVALUATION

OF

ULTIMATE

CAPACITIES

OF

COLD-FORMED

CIRCVLAR

TUBULAR

BEAM-COLUMNS

'

by,KENSHI

OCHI,

ResearchAssistant,Kurnamoto

'

sity, and Dr.\OSHIAKI KUROBANE, Professer,

mote University,Members of A.I.

J.

This

paper presents results of

qn

analysis of ultimate

behavior

of tubular

beam-columns

based

on.statistical

data

for

cold-formed circular tubesunder combihed

bending

and axial

loads.

The

conclusions

drawn

are summarized as

follows

:

(1)

The

hardening

exponent included

in

a stress-strain model fortubular sections after cold-formiqg was

found

to

be

represented

by

a simple

functien

of yield ratio.

Statistics

of theyield Tatio were

determi"ed

by

using statistical dataon compressive yield stresses and ultimate tensile strengths.

(

2

)

Mean

values and

'coefficients

of variation of the column buckling strengths were obtained

by

using a

semi-probabilistic numerical approach. These values were

found

toagree well with exact

yalues.

(

3

)

A simple theoretical approach

based

on a proposed stress-strain

inodel

was

found

to

be

capable of

preting ultimate strengths of tubular

beam-columns

inthe existing

data

base,

Numerical

analysis according

tothe

first

order prebabilisticapproximation was carried ouf to

determine

mean values and coefficients of

variation of resistances.ef tubular

beam-columns.

(4)

On

the

basis

of these numerical results, recommendations were given

for

the

design

of tubular

参照

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