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無線ネットワークにおけるフロー特性を考慮したQoS制御方式の検討

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 75 回全国大会. 5Y-1. 無線ネットワークにおけるフロー特性を考慮した QoS 制御方式の検討 赤石 健一† 高橋 修† 中村 嘉隆† 公立はこだて未来大学システム情報科学部 1. はじめに. 近年、無線 LAN(Local Area Network)による通信が ますます普及し,多彩なサービスが提供されている。 その中で,音声や動画配信等のマルチメディア通信 において安定した通信を提供するための QoS(Quality of Service)制御が重要性を増している. 無線 LAN において,QoS の保証をするための MAC プロ トコルとして IEEE802.11e がある.IEEE802.11e で用 いられている EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)は最大4つの優先度でフレームを区別し,優 先的に送信することで QoS 制御を実現するという方 式である.しかし EDCA では高い優先度のトラフィッ クが増大すると通信品質が劣化してしまうという問 題[1]がある. 本研究では,EDCA において高優先度のトラフィッ クが増大すると通信品質が劣化する問題を解消する QoS 制御方式を検討する.. 2. 関連研究 2.1. IEEE802.11e. IEEE802.11e とは IEEE802.11a/b の規格を標準と してセキュリティ機能や QoS 機能を追加したもので ある.QoS 機能には EDCA と HCCA(Hybrid Coordination Function Controlled Channel Access)の 2 つがあ る[2].HCCA に対応している無線 LAN 製品がほとんど ないという難点から本研究では,より実用的である EDCA に着目する. EDCA は送信フレームをトラフィック毎に,AC_VO, AC_VI,AC_BE,AC_BK の4つの AC(Access Category) に分類し,それぞれのサービス品質に差をつけるこ とで優先制御を実現する.4 つの AC にはそれぞれ表 1のような通信順や通信量を制御するパラメータが 存在する.これらのパラメータの設定により,送信 頻度に差が付き,優先順位の高い AC ほどより多くの 通信機会を 得ることができる仕組みになっている. 表 1:IEEE802.11eEDCA の制御パラメータ パラメータ 説明 CWmin 送信待ち時間の最小値 CWmax 送信待ち時間の最大値 AIFS フレームの送信間隔 TXOP limit. 2.2.. 3. 提案方式 3.1. 想定環境. 本研究では,一つのアクセスポイントを中継し て複数の端末同士が通信することを想定する. 各々の端末はそれぞれ AC_VO,AC_VI,AC_BE,AC_BK の 4 つのトラフィックが流れるものとする. また, 高優先度 AC に付加をかけるため,AC_VO,AC_VI のトラフィックが非常に多い通信環境を想定する.. 3.2.. 動作概要. 提案手法では,AC のキューの大きさを可変にす ること,制御パラメータを AC のキューの大きさの 変化に応じて動的に制御することによって QoS 保 証を実現する.処理するトラフィックの量に応じ て AC のキューの資源を共有させる.つまり,まだ 処理しきれないトラフィックが流れてきた場合に, 優先度の低い AC_BE や AC_BK から資源を共有させ るという方法を取る.これにより,パケットロス の発生を抑制することができる.処理しきれない トラフィックが流れてきた場合には,その時点で 通信している端末同士を優先して通信させ,品質 を保証する.つまり,通信を妨害しないように後 から入ってきたトラフィックは通信が終わるまで 通信できない状態にするということである.ただ し,空いているキューがある場合は,そのトラフ ィックは通し,全体としての QoS を保つ.これに より,音声品質の劣化,遅延時間が大きくなりす ぎることを防ぐことができる.動作概要を図 1 に 示す.図 1 は高優先度である AC_VO の送信キュー に流れてくるトラフィックの様子を表したもので ある.トラフィックは種類毎に各 AC に分類される. 台形はキューを表し,球体はトラフィックを表し, 上から優先度が高い順に並んでいる.AC_VO と AC_VI の線は, 閾値でありこの値を目安として資源 共有の合図を出す.図 2 のように AC_VO のトラフ ィックが閾値を超えた場合,AC_BE のキューと資源 を共有する.同様に,AC_VI のトラフィックが閾値 を超えた場合, AC_BK のキューと資源を共有すると いう方式を取る.. チャネルの占有時間. EDCA 動的パラメータ更新技術. 文 献 [3] で は EDCA の 待 ち 時 間 で あ る CW(Contention Window)の値を VoIP 端末台数の変化 に応じて動的に更新することでフレームの衝突を緩 和し,VoIP 端末の収容台数を増加させる方式を提案 している.これにより,同時通話可能な VoIP 端末の 台数を確保することができる. しかし,隣接して同じチャネルを使用する基地局 が存在する場合,優先制御ができなくなってしまう 可能性がある. “A study of QoS control method considering flow properties in wireless LAN” Kenichi Akaishi†, Osamu Takahashi†, Yoshitaka Nakamura† †School of Systems Information Science. Future University Hakodate.. 3-471. 図 1:提案方式の動作概要. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 75 回全国大会. 4. 評価. 2000. 4.1.. 遅延時間(ms). 本研究では音声品質評価指標として R 値を用いる. R 値とは E-model と呼ばれるアルゴリズムに雑音,エ コー,遅延などのパラメータを代入して求める数値 であり,数値が大きいほど高品質な音声通信である ことを意味する[4]. また,映像品質評価指標として ITU-T G.1010 で規 定されている遅延時間を用いる.リアルタイム性の 求められる双方向映像通信において端末間の遅延は 150ms 以下,条件付きで 400ms 以下と推奨されている [5].. 1500. 500. 評価項目. 0 1. 基礎実験. 4.3.. 考察. 図 2,図 3 では 10s 後トラフィックを増加したこと によって R 値の減少,遅延時間の増加が見られる. これはトラフィックの増加によって QoS が著しく低 下したことを意味している.図 4 では送信間隔を早 くすることによって,ロスパケット率の増加が見ら れる.これは送信間隔が短くなることによって,ト ラフィックがキューに溜まりやすくなりオーバーフ ローを引き起こしていることを意味している.. 3. 5. 7. 9 11 13 15 17 19 時間(秒). 図 3:Deray の推移. 基礎実験として IEEE802.11eEDCA における R 値, 遅延時間,ロスパケット率を検証した.IEEE802.11e による通信を行い,トラフィックの変化に対する R 値,遅延時間,ロスパケットを測定した.この実験 では,有線接続されたトラフィックサーバから無線 接続のクライアント端末に音声と映像のトラフィッ クを流した.サーバとクライアント端末はそれぞれ 6 台ずつ用意し,サーバはクライアント端末へアクセ スポイントを中継してトラフィックを送信する.音 声通信は合計で 384kbps,映像通信は 3000kbps のト ラフィックが流れている.10s 後, 音声通信を 128kbps, 映像通信を 1000kbps 増加させ,合計で 20s 間データ を取る.このようにすることによって,R 値,遅延時 間がトラフィックの増加によりどのように変化する のかがわかる.また,同じ条件でパケットを送る間 隔を 20ms から 1ms まで 1ms 秒刻みで変化させ,ロス パケット率を測定した.実験結果を図 2,3,4 に示 す.. ロスパケット率(%). 100 80. ロスパケット率. 60 40 20 0 20 18 16 14 12 10 8. 6. 4. 2. パケット送信間隔時間(ms) 図 4:ロスパケット率の推移. 5. まとめ. 本研究では,IEEE802.11eEDCA において高優先度 のトラフィックの増大による通信品質の劣化の解 消を課題とし,その解決策として AC のキューの大 きさを動的に変化させ,資源を共有させる方式を 提案した. 今後は,提案方式を Qualnet 上で実装し,従来方 式との比較評価を行い,提案方式の有効性を検証 する.. 6. 参考文献. 100 80 R値. 下りDeray. 1000. 提案方式をネットワークシミュレータ Qualnet 上 で実装し,評価を行う.比較対象は従来方式である, IEEE802.11e とする.評価項目は,R 値,遅延時間, ロスパケット率とする.. 4.2.. 上りDeray. 60 上りR値. 40. 下りR値. 20 0 1. 3. 5. 7. 9. 11 13 15 17 19. 時間(秒) 図 2:R 値の推移. [1] 宮野 とも子,小 笠原 守,飯塚 正孝 : “IEEE802.11e 無線 LAN におけるリアルタイ ム系トラヒック品質保証のための受け付け制 御およびトラヒック制御方法の提案”,電子情 報 通 信 学 会 技 術 研 究 報 告 106(243),pp.31-36, 2006-09-07 [2] 大谷 昌弘、浦野 直樹、 上田 徹:“QoS を実現する無線 LAN 規格 IEEE802.11e”, 映 像 情 報 メ デ ィ ア 学 会 誌 57(11) pp.1459-1464,2003-11-01 [3] 小笠原 守,川村 憲一,平栗 健史:“無線 LAN の EDCA パラメータ動的更新技術”,NTT 技 術ジャーナル,pp.44-48,2007-08 [4] 高橋 玲,吉野 秀明,北脇 信彦: “IP 電話 サービスの通話品質評価技術”,電子情報通信 学 会 論 文 誌 , J88-B(5) pp.863-874, 2005-05-01 [5] ITU-T Recommendation G.1010, “ End-user multimedia Qos categories”, November 2001.. 3-472. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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