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2006 No.110

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2008

10

1

〒144-8551

東京都大田区南蒲田2-16-46

株式会社トキメックは 

         に 

社名変更いたしました。

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2006 No.110

Special Issue

東京湾の安全を確実に確保する

航行管制システムの運用をめざして

Front Report

Webアプリケーションを基幹業務で活用する

Technology Focus

電磁波ノイズ障害への対策

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Special Issue

 京浜工業地帯を擁し、貿易や物流を担 う海の玄関口として、東京湾は日本の経 済活動を支える極めて重要な存在です。 その一方で、東京湾は「船舶通航の難所」 という一面も持っています。地形的に湾 域そのものが狭く、大型船が通航可能な 深度を持つ海域が限定されている中にあ って、1日約 600 ∼ 700 隻もの船舶(商 船から客船、漁船、プレジャーボートま で)が行き交う世界有数の過密海域だか らです。  昭和 40 年代頃には大型船舶の座礁や 衝突などの海難事故が相次いで起こりま した。増加する海運需要の中で、もはや 飽和状態に達しつつあった東京湾では、 各船の「航海の自由」という大原則を越 えた交通体系を導入しない限り事故は続 発することが強く懸念されるようになっ たのです。そこで海上保安庁では、東京 湾の安全航行を確保する独自の対策を推 し進めていきました。 ■東京湾の安全を確保するため  管制塔・東京マーチスが誕生  東京湾の安全航行対策は、大きく二つ の方向から取り組まれてきました。  まず一つは、湾内の状況を地上から把 握できるシステムを構築するものです。 同システムでは、沿岸数カ所に高分解能 レーダーを設置して、湾内を航行する船 舶のエコーを全て1つの平面(モニタ ) に表示させます。さらに、それぞれの位 置・針路から危険な状況を予測し、船舶 への指導や注意喚起を行うものです。こ れは、陸上から海上交通を支援するとい う最初の試みとなりました。  もう一つは東京湾の航行にルールを設 け、船舶に遵守を求めるものです。具体 的には大型船舶用の法定専用航路を設定 し(浦賀水道航路と中ノ瀬航路)、長さ 50m 以上の船舶はこの「海の道路」を 順番に航行することを規定しました。  こうした安全対策の流れの中、昭和 48年制定の海上交通安全法を踏まえて、 東京湾海上交通センター(東京マーチス) が設立されました(昭和 52 年2月)。 ここでは、東京湾の安全確保を使命とし て、航行管制業務と情報提供業務を行っ ています。  航行管制業務とは、海上交通安全法に 基づく航行管制、航路通報及び変更通報 の受理、航路入航時刻の変更などの指示 勧告、航路入航制限の指示勧告を行う業 務です。一方の情報提供業務とは、長さ 200m 以上の大型船舶などに向けた定 期的なラジオ放送 ( 気象情報などの一般 情報 )、テレホンサービス、携帯電話、 インターネットサービス、ファクシミリ などを通じて提供する業務です。これら の業務を通じて安全航行を支援するの が、東京マーチスの役割です。湾内には 昼夜を問わず船舶が出入りしているた め、業務は 24 時間休みなく行われてい ます。 ■船舶通航業務(VTS)とAISが融合  高度な航行管制システムへ  東京マーチスでは、湾内を航行する船 舶の位置や速度に関する情報を把握する ために海上交通情報処理システムを活用 しています。これは高分解能レーダーに よって得た船舶の位置や進行方向などの 情報に加えて、AIS( 船舶自動識別装置: Automatic Identification System) 陸上局装置からの船舶動静情報とを一元 管理し、統合的に表示するシステムです。  運用管制官は、GD(グラフィックデ ィスプレイ)に表示されたデータを参照 しながら航行是正の指導や視界不良時の 危険回避指導を行います。情報提供業務 を含めて、こうした一連の航行援助支援 業務は VTS(船舶通航業務:Vessel Traffic Services)と呼ばれています。 現在、国内における VTS は、東京マー チスを含む、名古屋港、大阪湾、備讃瀬 戸、来島海峡、関門海峡、伊勢湾の計7 つの海域で運用されています。  VTS に AIS が導入される以前は、レ ーダー画面上に輝点として示された船舶 の位置情報に対して、運用管制官が航路 通報データをもとに船舶の ID コードを 1 つひとつ手入力してモニターしていま した。的確な管制指示や情報提供を行う ためには、個々の船舶の動静を正確に把 握する必要があるからです。しかし、輻 輳する海域ではレーダー画面上の輝点と 実際の船舶とを同定させることが難し く、VHF 無線での交信などを通じて確認

世 界 有 数 の 過 密 海 域 で あ る 東 京 湾。 こ こ で は、 海 難 事 故 を 未 然 に 回 避 し、 尊い人命を守るための先進のシステムが構築されています。東京湾の管制 塔である東京湾海上交通センターの業務を通して、進化する航行サポート システムの現在をご紹介します。

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図 2 東京湾における航法 川崎航路第二号灯標 木更津港沖灯標 中 丿 瀬 航 路 浦 賀 水 道 航 路 大房岬 富津岬 第2海堡 第3海堡 木更津 横浜 横須賀 東京湾海上交通センター 剱埼灯台 レーダー局 凡例 する場面も多々ありました。  現在では、AIS を搭載した船舶のうち、 航路通報もしくは位置通報のあったもの はレーダー画面にAISから得られた個別 の船舶 ID が自動的に付与されるので、 運用管制官は動静の把握に専念できるよ うになりました。  また、AIS の通信電波は、レーダーで は補足できない島の裏側にいる船舶や、 レーダー波が届かない遠距離にいる船舶 についてもキャッチできるため、より緻 密な船舶動静把握が行えるというメリッ トもあります。  東京マーチスの管轄で言えば、陸上局 とのネットワークにより千葉沿岸から静 � �� ���� 浦安 本牧 勝浦 野島埼 観音埼 伊豆大島 東京湾海上交通センター AIS陸上局 AIS有効範囲 レーダー有効範囲 凡例 石廊埼 図1 AIS の有効範囲 東京湾に出入りする船舶には、「東京湾における航法」とい うルールの遵守が求められます。浦賀水道航路(入湾出湾そ れぞれ一航路ずつ)と中ノ瀬航路(入湾一航路)はそれぞれ 幅約700mと、決して広くないレーン幅です。従って、東京 マーチスによる交通整理(通行順の計画)に従うことが原則 になります。さらには、規定の位置通報ラインに達した時に、 船名、総トン数、通過時刻、通過ラインの略称の通報が求め られています。

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【海上交通情報処理システム】 高分解能レーダー装置およびAIS陸上局装置から得た船 舶動静情報を一元管理し、統合表示するシステム。航行 是正の注意喚起や視界不良時の危険回避指示などを行う 航行管制業務、巨大船の航路入航予定、操業漁船の状況、 気象警報などの情 報提供を行う運航 援助サービスの円 滑な遂行を支援し ています。 図3 AIS の概要 ̶̶ 基地局と船舶のネットワーク概念図  AIS は、船舶自動識別装置という名称が示す通り、自船の船名や船舶の識別情報、位置、速度、行き先、積荷などの識別情報を周囲の船舶に向けて自動的に発信し、 また他船からの情報を受信する装置です。AIS を運用することで、船舶同士では、運航に必要な情報をほぼリアルタイムに自動的に入手できるようになり、安全航海の実 現に役立ちます。  AIS は、SOLAS 条約 ( 海上における人命の安全を確保する国際条約 ) によって、2002 年 7 月から船舶への搭載が順次義務付けられています。  東京湾の場合、大型船舶や危険物を積載している等の一定の船舶については、船名やトン数、船種、航路への入航時間などを、あらかじめ東京マーチスに連絡すると いう「航路通報」を行うルールになっていますが、通報の対象となっていない1万総トン未満の船舶についても、AIS を搭載していれば同様の情報が把握できるようにな ります。  東京マーチスが船舶の動静を把握しやすくなったことは、特に緊急指示などで大きな効果を発揮します。タンカーなどの巨大船は急に制動をかけても、洋上で完全に 停止するまでかなりの距離を移動してしまいます。そのため、操船では先手を打った対応をしなければなりません。船舶側が、湾内情勢を的確に掴んでいる東京マーチ スからいち早く情報を入手することで、より確実な操船サポートが実現されることになります。これはそのまま、湾内の安全へとつながるのです。 ●トキメックが取り扱うシステム機器の概要 【AIS 陸上局装置】 船舶に搭載された AIS装置から発信さ れた各種情報(船名 や 船 舶 の 種 類、 位 置、針路、速度など) を受信し、管制官に 提供する装置。個々 の船舶に対して的確 な管制指示が行える ことで、気象現況や ディファレンシャル GPSによる位置補 正データなどの情報 発信を通じて、安全 航海に役立てられて います。 ▲ 海上交通情報処理システム(レーダー運用卓、AIS運用卓) 【高分解能レーダー装置のアンテナ】 海上交通管制を行うためには、海域を航行 する船舶の動静を正確に捉える必要があり ます。高分解能レーダー装置は輻輳する多 数の船舶を確実にキャッチし、そのデータ を高精細画面に表示します。管制官の「も う1つの眼」となる装置です。 ▲ AIS陸上局装置

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関連情報 本ページの関連情報をホームページで公開しています。併せてご覧下さい。 → www.tokimec.co.jp/report/no110/t10.html 岡沿岸の一部をカバーできるようになっ ています(AIS の有効範囲については図 1、概要については図3を参照)。  時間にすれば東京湾に達する3∼4時 間程度前から入湾する船舶との交信を確 立できることになり、受け入れる東京マ ーチスにとってはゆとりある計画立案 が、船舶においては東京湾内の情報が早 い段階から取得できることになります。  また、AIS を搭載した船舶の普及によ って、搭載船は位置通報ラインを気にせ ず操船に専念でき、管制官はレーダー画 面に集中できるようになりました。その 他、湾内国際 VHF 無線の使用低減で混 信が少なくなるという利点も挙げられま す。これらは AIS の成果と言って良いで しょう。  このように、VTS と AIS のシステム融 合は相乗的なメリットを生み出し、海上 交通路の安全確保に大きく貢献している のです。 ● ● ●  現在、AIS を活用した次世代航行支援 システムについても研究されています。 その具体例の一つが“海の ITS”と称さ れる、7つの海上交通センターを核とし た AIS 地上局のネットワーク化です。東 京湾から北九州海域まで、超ワイドエリ アを一貫する航行サポートの仕組みが整 うことで、より安全な航行支援と、航行 時間短縮による効率的な物流システムを 構築できる可能性を秘めています。それ は陸上輸送に偏重した現在の物流のあり 方にも、大きく影響を与えることになる でしょう。  また今後は、海上交通センターによる 陸上からの船舶航行支援の進化だけでな く、船舶自身が安全・効率的なオペレー ション・システムを実装していくこと、 つまり船舶の高度化・知能化※なども開 発課題となっています。次世代の航行支 援システム開発をめざして、トータルな 研究が今後も進められていく見通しで す。 ※主な課題として、「高度船舶交通管制システム」「衝 突・座礁回避システム」「離着船支援システム」「高 度船舶安全管制システム」「港湾管理システム」等が 上げられています。(運輸政策審議会答申「21世紀初 頭における総合的な交通政策の基本方向について」 2000年)

 東京マーチスのマーチス(MARTIS)とはMARINE TRAFFIC INFORMATION SERVICEの略称です。東京マーチスは1977 年に設立され、現在、海上保安庁のスタッフによって24時間体制で東京湾の安全を見つめています。オペレーションルーム では、東京湾内4基(うち1つは東京マーチスに設置)の高分解能レーダーから収集した船舶の位置、及びAISを通じて取 得した船舶位置情報をグラフィックディスプレイ(GD)に表示し、計画・管制・情報提供に利用しています。2004年には 「航行管制の円滑化、情報提供の高度化を図る」ことを目的として東京マーチスにAISが導入されました。  東京マーチスは航行支援体制を充実させ、東京湾の安全確保に努めています。 [航行管制業務]   浦賀水道航路及び中ノ瀬航路入航のための、航路通報及び変更通報の受理、航路入航時刻の変更などの指示勧告、航路 入航制限の指示勧告 [情報提供業務]   一般情報の提供/巨大船の入航予定、船舶の同行、漁ろう船の集中状況、気象状況、工事状況等の情報を提供   個別情報の提供/個別、特定船舶向けに、他船の動向、混雑海域での見合い関係等の情報をVHF通信によって提供

東京湾海上交通センターの概要

オペレーションルームの運用管制卓には、高分解能レーダーから得た船舶の位置情報や動静を提供する グラフィックディスプレイを中心に、航行中の船舶の個別情報を表示するAIS画面、事前に航路入航予 定が提出されている巨大船などの各種海上情報が表示されるキャラクターディスプレイなどが装備され ています。運用管制官は、この情報をモニターしながら適切な情報提供や航行支援を行います。 オペレーションルームの風景 放送ブース 東京マーチスでは、周囲の船舶に向けて巨大船の入 航予定や気象情報の海上交通情報を15分毎に放送 しています。東京湾には海外から来航する船も多い ため、英語による放送も併せて行っています。

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bア

P C 、 そ し て イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 に よ り、 私 た ち の 暮 ら す 情 報 社 会 は ま さ に 新 た な 時 代 へ と 突 入 し ま し た。 ト キ メ ッ ク 情 報 シ ス テ ム ズ︵ T I S ︶ で は、 そ の 新 時 代 に 対 応 し た 優 れ た セ キ ュ リ テ ィ 機 能 を 持 つ W e b ア プ リ ケ ー シ ョ ン 開 発 ソ フ ト O Z の 取 り 扱 い を 開 始 し ま し た。 世 界 的 に 高 く 評 価 さ れ る O Z の 特 徴 を ご 紹 介 します。  現在、ユビキタスと称されるようなネッ トワーク・コンピューティングを実現する ツールとして、Web application( ウェ ブ・アプリケーション ) が急速に進展して います。これらは、Web ページを閲覧する Web ブラウザー (Internet Explorer や Netscape Navigator など ) を介して、 さまざまな業務をこなすものです。例えば、 サーバーに接続し、複数のデータベースに 存在する様々なデータを抽出して、新たに 求める図表やグラフを作成する、あるいは サーバーでデータ処理を行わせ、その結果 を PC 上にグラフィカルに表示できます。  今回、トキメック情報システムズ( 当社 の 100%出資子会社、以下 TIS)では、OZ と呼ばれる開発ツールの取り扱いを開始し ました。この OZ は Web Application の開発を格段に効率化するものです。  現在、韓国政府が積極的に推進している E-Korea の中で、市民がインターネット を利用して自宅の PC から各種の公的な証 明書を獲得する、納税を行う、あるいは電 子申請を行う、などを可能にしています。 そのシステムの中枢にあるのがこの OZ で す。また、韓国電力、サムソン、ヒュンダ イ、LG 電子を始め、韓国の有力な企業は こぞって、この OZ によって開発された IT システムを運用しています。OZ が、韓国 で優れたソフトウェアに与えられる GS 賞 (Good Software) やソフトウェア大賞、 また、世界的な標準として高い品質を持つ ソフトウェアに与えられる VeriTest 認証 も獲得していることからも、その評価の高 さがうかがえます。  日本において OZ は、リッチクライアン トの開発ツールと認識されています。リッ チクライアント開発ツールの中には、クラ イアント (PC) 側での豊富なデータ操作を 実現するだけというものもあります。また、 Web や AP サーバー間のやりとり、ある いはデータベースへのアクセスについては 全く別個に、指定された言語でコーディン グを行うのが一般的です。さらには、使用 できるサーバーのプラットフォームやデー タベースが限られる場合も多く見受けられ ます。  しかし、OZ は、どんなプラットフォー ムやデータベースでも対応することがで き、クライアント側からデータベースのア クセスまで全ての工程を一貫して行うこと ができます。  OZ が他の開発ツールと最も異なる点 は、セキュリティに対する考え方です。 OZ はインターネットを介してデータが送 受信されることを前提としています。これ は、インターネットが、悪意の第三者によ る攻撃にさらされる危険性について、十分 に認識しているためです。従って、OZ で はデータベースから抽出されたデータは、 OZ フォーマットに変換された上に、圧縮 され、さらに暗号化されてインターネット に送られます。そのため、万が一その情報 が第三者の手に落ちても、彼らがそれを読 解することは極めて困難となります。OZ の 持 つ こ の セ キ ュ リ テ ィ の 特 徴 が、 E-Korea では大きく評価され、開発ツー ルとして最も多く使用されている理由と言 えます。  これまで日本では Web Application は企業の基幹業務にはあまり使われてきま せんでした。それは業務に関する重要な情 報がインターネット上に流れる事に大きな 危機感を持っていたことが主な原因です。 しかし、OZ のセキュリティ機能が、この 問題の解決を可能にしました。ユビキタス 時代に、企業活動の幅広い分野で OZ はさ らに活躍する可能性を持っています。

セキュリティ対応に優れた開発ツール“OZ”は

企業活動の幅広い分野で活用が可能

 ENIACと呼ばれる世界初のコンピュータが完成したのが1946年です。それから60年、 今やどこの事務所の机にも PC( パソコン ) が当たり前のように置かれています。この PC がインターネットと結びついた事によって、世界中の人や情報に簡単にアクセス出来るよ うになり、それ以前と以後では社会の仕組み、人の考え方も大きく変化しました。  そして今、「誰でも、どこからでも簡単にかつ安全にコンピュータを利用できる」とい うユビキタス・コンピューティングが、今後の情報化のキーワードとなっています。

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関連情報 本ページの関連情報をホームページで公開しています。併せてご覧下さい。 → www.tokimec.co.jp/report/no110/t20.html

 OZ は韓国のフォーシーエス社が開発し、日本国内ではその子会社である日本法人、株式会社オズウェブテクノロジー ( 以下 OWT 社 ) が販売していましたが、さる 2006 年 8 月 8 日、トキメック情報システムズ(以下、TIS)とフォーシーエス社との間 で契約調印が取り交わされ、TIS が OWT 社に資本参加することになりました。これによって TIS は OZ を利用したシステム開発 事業に本格参入いたします。  本文でもご説明しましたように、OZ は、データの入力や閲覧などで操作性の高いシステ ムが構築できるソフトで、ウェブサーバーとの間のデータを暗号化するため高いセキュリテ ィを確保できるのが特徴です。画面・帳票の作成機能も充実しており、複雑なシステムを短 期間で開発できます。韓国では電子政府関連システムの構築で実績があり、開発ツールとし てデファクトスタンダードになっています。  TIS はトキメックの情報システムだけでなく、有名チェーン店の給与計算委託業務や大手 コンピュータシステム企業のアウトソーシングを請け負う企業として独自のポジションを築 いてきましたが、OZ の導入によって付加価値の高いシステム開発に取り組んでまいります。 フォーシーエス社の趙 鐘敏社長(左)とトキメック情報システムズの稲葉博信社長との間で契約書にサインが交わされました。

トキメック情報システムズ

OZを活用したシステム開発事業に本格参入!

■OZによる開発例 画面はOZで開発されたアプ リケーションの例。 ■OZ導入のメリット

開発の効率化

ビジネスロジックと、プレゼンテーションロジック部分の 開発ツールが分離。開発作業の分割が可能になる ことによって、業務のシナジー効果が増大 リッチなWeb UI開発からレポートの出力 まで、統合された環境で開発が可能

高い拡張性

企業向けソリューションにおいて、 あらゆるシステムで適用が可能 既存で開発されたITシステムと、 効率的な連動が可能

経済性向上

保守及び管理の一元化で費用節減 保守の費用がIT投資費用の40%以上と 雪だるま式にふくらむ中で、 OZ製品を利用することにより効率的な保守が可能

効率的な開発生産性

従来の開発環境と比較し、 10倍の開発生産性を実現 ユーザの要求に積極的に対処した 高品質のサービス提供が可能

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 一方、電磁波ノイズ障害を防ぐ取り組み も研究されています。電子機器そのものを、 ある一定レベル以上の電磁波の干渉を受け ない高い耐性(電磁感受性:EMS)を備 える環境に置くといった、シールド保護対 策がその代表です。特殊な金属めっきや被 覆により電子部品を封止したり、電磁波を 遮蔽・吸収する材料で作業ルームを作る (シールドルーム)などの方法があります。  シールドルームは、情報セキュリティ対 策としても注目されています。パソコンな どから発する微弱電波を傍受し、顧客情報 などを不正に取得するテンペスト(電磁波 盗聴)が、情報漏洩リスクの1つとして認 識されているためです。この技術を使うと、 例えばオフィスのパソコンモニタから漏洩 する電磁波を傍受し、室外からそのモニタ 画像を映し出すことが可能とされていま す。入退出管理をいかに厳重にしても、電 磁波が壁を通過する以上、セキュリティに 穴が存在しているも同然です。情報漏洩の 防止には、認証技術を駆使した先進のID システムと共に、電磁ノイズ対策を加えた 総合的な対策が必要と言えるのです。

電磁波ノイズの漏洩は情報セキュリティにも波及

 現在、障害電磁波を発生させない、誤作 動を起こし難い製品づくりが国際的に求め られています。こうした要求に対応するた め、メーカーでは電磁適合性試験を行える 環境の確保が重要になってくる訳ですが、 開発の初期段階において電磁適合性試験が 要求する電波暗室を使用することは、費用 対効果の面から最適とは言えない場合があ ります。そこで注目を集めているのが組立 て式のシールドルームです。  既存の建造物では、部屋自体にシールド 対策を施すには大掛かりな工事が必要です が、組立て式のシールドルームなら建物内 のエリアに設置でき、電磁波の遮蔽のみを 目的として電波吸収体を使用しないため、比 較的安価で、短期の簡単な工事で済むとい うメリットがあります。特にトキメックの アンティエミーシリーズは、高い電磁波遮 蔽性能と優れた居住性を持つシールドルー ムとして高い評価をいただいています。  現在、電磁波シールド事業は(株)トキ メックアビエーションが担当し、機器の製 造、販売、施工、サービスまでトータルな 取り扱い態勢を整えております。今後は需 要が高まっている電磁波測定検査や電磁波 対策コンサルティングなど、当事業におけ る多様かつ高度なニーズに最適なご提案、 対応をしてまいります。

調査から施工までトータルなサービスを提供

 私たちの生活環境を改めて見渡すと、さ まざまな電子機器に取り囲まれていること に気づきます。電子機器は作動中に微弱な 電磁波を出しており、航空機の離着陸時に 携帯電話やパソコンの使用が制限されてい るのも、電子機器などから発せられる電磁 波が計器類に悪影響を及ぼすのを防止する ためです。携帯電話が心臓ペースメーカー に与える影響も同じ理由によるものです。 こうした私たちの生活に関わってくる電磁 波の量や種類は、電子機器の急速な普及に 伴って年々増える傾向にあります。  産業界においても、電磁波障害対策は必 要不可欠な状況になってきています。生産 現場では電子制御システムの導入によって 精密で効率の良い作業が実現されています が、瞬間的な不規則パルス ( 電磁波ノイズ ) が超精密な加工精度を狂わせてしまう可能 性があります。もちろん、マシンの誤作動 による事故を招く原因にもなり、都市部の 工場では近隣住居への干渉(受信障害など) というトラブルにも繋がりかねません。  このような、電子機器から発生する電磁 波による障害を「電磁妨害(EMI)」と言い、 今、その対策が社会的なテーマとなってい るのです。

社会全般に広がってきた電磁波ノイズ障害

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さ ま ざ ま な 電 磁 波 に あ ふ れ る 現 代 社 会。 高 機 能 な 携 帯 電 話 や 無 線 デ ー タ 通 信 用 デ バ イ ス の 活 用 が ま す ま す 進 む に つ れ、 電 磁 波 対 策 は さ ら に 難 し く な っ て い ま す。 テ ン ペ ス ト と い っ た 不 正 行 為 も 懸 念される中、 電磁ノイズ障害をめぐる現状についてまとめました。

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関連情報 本ページの関連情報をホームページで公開しています。併せてご覧下さい。 → www.tokimec.co.jp/report/no110/t30.html ● シールドルームのエンジニアリング  電磁波対策には、どこから電磁波が漏れているのかを明らかにする精密な測定技術や、実際の施工ノウハウといった専門的なエンジニ アリングが求められ、対応できる国内のメーカーが少ないのが現状です。トキメックでは、航空電子機器分野で培ったマイクロ波技術を 核として電磁波シールド事業を立ち上げてきた経緯があります。16GHzといったレーダー関連で熟知したノウハウを基に、一般オフィス から病院のMRI ルーム、高周波電磁波を使用する大規模工場まで、それぞれに対応した電磁波障害対策をご提供しています。 ● アンティエミー シリーズ  トキメックでは、工業用として組立てキット式のシールドルーム(ア ンティエミーシリーズ)の開発をスタートし、その後、MRI検査室用シ ールドルームをはじめとする様々な業種・用途に向けた各種シールド ルームをお届けしています。特に、アンティエミーシリーズがご好評 を頂いている大きな理由は、独自に開発した、特殊な金属を網目状に 織り上げたメッシュタイプの壁面パネルにあります。  メッシュタイプなので通気性、採光性に優れており、シースルーの ため中で作業する人にとっても外部との疎外感や狭い空間に閉ざされ た圧迫感を受けることが少ないというメリットがあります。もちろん 60dB ( 150 KHz ∼ 3 GHz:アンティエミー IB MKⅡ)という高い電磁 波遮蔽性能もあわせもっています。  その他、ドアのラッチ部を壊れにくい作りにし、一般にシールドル ームの弱点とされる開口部からの電磁波の漏出を高い精度で抑え込む ことも大きな特長です。  シールドルーム壁面内側には、パソコン等と接続する電源やLANな どのインターフェース端子を設けています。ケーブルも含めてシール ドルーム内にパソコン等を収納できるため、発生する電磁波は外部に 漏れず、テンペストへ対抗します。 (写真はアンティエミー IB MK Ⅱ)

電磁的両立性(EMC)対策

EMI、EMS両面からの対策

電磁妨害(EMI)対策

電磁波ノイズを出さないようにする対策

電磁感受性(EMS)対策

電磁波ノイズで誤作動しないようにする対策 協力:医療法人社団主体会 主体会病院 ( 三重県四日市市 ) 殿

   東芝メディカルシステムズ株式会社殿 (MRI 撮影装置 EXCELART Vantage) ● 電磁波ノイズ障害対策

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グリーン化対応の環境設計で新登場

超音波流量計 UF-900G/UFM-400G

 UF-900G/UFM-400Gは、有害物質の含有を制限したグリーン化設計に基づく新しい超音波流量計です。トキメ ックが永年にわたって培ってきた超音波計測技術とハードウエア技術を駆使し、 お客様のご要望にお応えする高い測定精度と信頼性をさらに高めました。本体 構造も耐じん、防浸構造とするなど、使用環境を選ばない設計となっています。 ●仕様 ・測定原理:超音波パルス伝搬時間差方式 ・測定流体:上水、河川水、工業用水、農業用水、海水、汚水、純水など ・測定管(呼び径):UF-900G / 300A∼6000A, UFM-400G / 25A∼250A ・測定精度:UF-900G 読み値の±1% (流速0.8m/s未満の場合、±0.008m/s) UFM-400G 読み値の±1% (流速2m/s未満の場合、±0.02m/s) ・測定範囲:流速換算で−30m/s∼+30m/s ・測定方向:正流方向、逆流方向(方向判別接点出力付) お問い合わせ:流体管理事業 営業部 電話:03-3737-8621

鉄道用 デジタル超音波探傷器 SM-10R

 SM-10Rは、鉄道保線でのニーズにお応えするために新たに開 発したデジタル超音波探傷器です。 一般的な垂直探傷法や斜角探傷法に加え、レール溶接部の融合 不良や垂直傷の検知に欠かせないタンデム探傷法を採用するな ど、鉄道向け専用の機能を搭載しています。保線作業を熟知し たトキメックレールテクノならではの優れた特徴と性能は、保 線作業の効率化と鉄道の安全確保に貢献いたします。 ●おもな特長 ・デジタル信号処理による確かな性能と信頼性 ・対比試験片(RB-41)対応のエコー高さ区分線を自動作成 ・最大500件の探傷データを保存可能 ・広い測定範囲を実現(連続可変範囲は1mm∼14,500mm) ・2点方式の音速測定機能を搭載 ・レール溶接部の融合不良や垂直傷の検出に有効なタンデム探傷法が 可能 ・Aスコープ(受信波形)とBスコープ(断面画像)の同時表示が可能 ・保存した探傷結果をExcelに取り込めるので、報告書作成がスピーディ お問い合わせ:トキメックレールテクノ 電話:03-3732-7061 SM-10R

トキメックアビエーション

東京事務所がリニューアルオープンしました

 5月15日、電磁波シールド(EMI)事業の前進基地として、トキメックアビエーションの東京事務所がリニュー アルオープンしました。オフィス内には、組立てキット式シールドルーム「アンティエミー IB Mk II」が設置さ れており、ご来社いただいたお客様に実物をご覧いただきながら電磁波遮蔽性能を体感していただけるようにな っています。トキメックアビエーションでは、電磁波シールドルームの販売、施工、サービスだけでなく、MRI 室やCT室、レントゲン室から電磁波や磁場、X線などの漏洩が無いかを定期的に調べる測定検査や、シールドル ーム建築に際してのコンサルティングなど、電磁波障害対策に関する総合サービスを行っております。電磁波障 害でお困りの際は、どうぞお気軽にご連絡いただきますようお願いいたします。 株式会社トキメックアビエーション 東京事務所 〒113-0033 東京都文京区本郷 5-1-16 NP-IIビル 電話 : 03-5842-6022 FAX : 03-3814-4334 探傷画像例

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関連情報 本ページの関連情報をホームページで公開しています。併せてご覧下さい。 → www.tokimec.co.jp/report/no110/t40.html

■配送先変更・配信停止に関するお知らせ

Tokimec Report Views は、当社とお取り引きのあるお客様、資料請求をいただいたお客様、およびご講読を申し込まれたお 客様にお送りさせていただいております。配送先変更・配信停止をご希望のお客様はお手数ですが 下記にご連絡いただきます ようお願い申し上げます。       株式会社トキメック 社長室 電話:03-3730-7013   FAX:03-3733-3690

米国イートンエアロスペース社の正規サービスセンターに認定

 このたび、トキメックがイートンエアロスペース社(以下EA社)から正規サービスセンタ ーとして認定を受けました。EA社は米国の大手航空機器メーカーであり、当社とは航空機向 け油圧機器の製造販売で提携していましたが、その関係をさらに強化、発展させるために正 規サービスセンターとして認定される運びとなりました。トキメックでは、日本国内の航空 機に搭載されているEA社製品の全体のサービス、サポートを視野に入れながら、民間航空 機市場に向けて新たな価値を提供できる体制を整えてまいります。

献血推進で「厚生労働大臣 感謝状」を受賞̶̶那須工場

 7月27日、宇都宮市で開催された栃木県献血功労者表彰式において、「厚生労働大臣 感謝状」 が授与されました。那須工場では、創業当初の昭和49年8月から献血運動をはじめ、以来毎 年1回(通算32回)、延べにして2,757名(平成2年から平成17年まで)の実績を積み重ねてまい りました。年平均にすると那須工場の従業員の約35%が毎年献血に参加しています。このた びの感謝状はこうした献血に対する積極的な姿勢に対して贈られたものです。那須工場では、 これからも献血をはじめとした社会貢献活動に取り組んでまいります。

トキメック110年小史を刊行しました

 2006年5月1日、トキメックはお陰さまで創業110周年を迎えました。これを1つの節目として110年 小史を発刊いたしました。1996年に100年史を刊行いたしましたので、本誌は、その間の10年間の歩み を記しています。限定制作のため数に限りがございますが、ご希望の方に謹呈させていただきます。お気 軽に下記までご連絡ください。  なお、誠に勝手ながらお1人様1冊とさせていただき、先着順で限定数に達しましたら締め切りとさせ ていただきます。ご要望に添えない場合がございますことをあらかじめご了承ください。 〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46 株式会社トキメック 社長室  電話:03-3730-7013 FAX:03-3733-3690

企業の社会的責任と健全な企業活動に向けて CSR推進室と内部監査室を新設

 トキメックは、6月1日、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility、以下 CSR)活動の強化に向けて「CSR推進室」を、グ ループの内部統制機能として透明性と倫理感の高いグループ企業の価値向上を実現するために「内部監査室」を、それぞれ新設いたし ました。トキメックグループでは、社会に開かれた健全で透明性の高い企業活動を通じて企業価値を最大化し、ステークホルダーの皆 様に利益を還元する魅力ある企業を目指してまいります。

展示会出展のお知らせ

●製造業環境・エネルギー対策展 ECO-Manufacture2006 会  期:11月29日(水)∼12月1日(金) 会  場:パシフィコ横浜 10:30∼17:00 出展商品:電波レベル計、ポータブル超音波流量計 [公式サイト ] http://www.jma.or.jp/ECOMA/ ●マイクロウェーブ展2006 会  期:2006年12 月13日(水)∼12月15日(金) 会  場:パシフィコ横浜 10:30∼17:30(最終日は17時まで) 出展商品:各種マイクロ波デバイス、マイクロ波モジュールなど [公式サイト]  http://www.apmc2006.org/fcp05.html

(13)

TOKIMEC Report Views(通巻 110号) 平成18年 10月発行 ●本誌に対するご意見、お問い合わせは下記までお願い致します。 上水ラインは、まさに『生命線』と呼べる重要な社会インフラ。自然の恵みであるこの水資源を効率的に活かすため、 山間の水源から家庭まで、ラインの随所で流量計が活躍しています。トキメックの新モデルUF-900G/UFM-400Gは、 有害物質の含有を制限したグリーン化設計を採用し、製品が健康や自然環境に与えるインパクトを小さくしてい ます。また、超音波による測定は配管の外側にセンサを設置するため、水のクリーン性に影響を与えず、同時に、 高い測定精度とメンテナンス性を発揮します。環境性と操作性の最適バランスを目指し、トキメックは、21世紀 のものづくりに積極的にお応えしていきます。 商品の詳細情報・お問い合わせ 第 1 制御事業部 流体管理事業  本社・東京営業所/〒 144-8551 東京都大田区南蒲田 2-16-46 電話 (03)3737-8621  FAX(03)3737-8665 超音波流量計 UF-900G/UFM-400G

Green & Clean。

札幌営業所/電話(011)816-6291 仙台営業所/電話(022)295-5910 名古屋営業所/電話(052)232-8511 大阪営業所/電話(06)6150-6601 広島営業所/電話(082)249-4661 北九州営業所/電話(093)531-6881

図 2 東京湾における航法 川崎航路第二号灯標 木更津港沖灯標 丿 中 航 瀬 路 浦 賀 水 道 航 路 大房岬第2海堡富津岬第3海堡 木更津横浜横須賀東京湾海上交通センター観音埼灯台剱埼灯台 レーダー局凡例する場面も多々ありました。 現在では、AIS を搭載した船舶のうち、航路通報もしくは位置通報のあったものはレーダー画面にAISから得られた個別の船舶 ID が自動的に付与されるので、運用管制官は動静の把握に専念できるようになりました。 また、AIS の通信電波は、レーダーでは補足できない島の裏側にいる

参照

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