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試験研究課題名  東京湾の生物相モニタリング調査

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Academic year: 2021

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(1)

築磯漁場効果調査

<豊かな磯根で漁業者豊かに>

相模湾試験場

研究の背景

・ 藤沢市沿岸域における漁業の活性化を進めるため、魚貝類の生息環境を創出する築磯事業及び稚 魚稚貝放流事業等のつくり・育てる漁業の推進が期待されている。 ・ 藤沢市江の島地先において昭和30 年代から造成されてきた投石による築磯漁場についてこ れまであまり調査が行われておらず、その現状・効果、今後の造成方針が望まれている。 ・ 種苗放流事業を進めるにあたり適地や対象魚介類の選定が求められている。

研究のねらい

・ 藤沢市江の島築磯漁場の現状を明らかにし、今後の漁場造成に関する知見を得ること。 ・ 築磯漁場及び周辺海域における種苗放流適地・効果を明らかにすること。

これまでの研究成果

・ 築磯漁場は、水深15m前後に設置され、投石の高さは約1mから5mであった。 ・ イシダイ、メバル、カサゴは周年生息し、また、6 月前後はマアジの群れが投石上部に蝟集 していた。 ・ サザエ種苗を江の島地先水深 6m前後の天然磯場に放流したところ、1 年で殻高 50mm、2 年で75mm に成長し、放流初期は成長が遅いがその後の成長は良好であることがわかった。 また、多くが放流地点に留まっており放流適地と考えられた。

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

・ 簡易イセエビ礁を築磯漁場近辺に設置したところ、稚エビの蝟集が確認できた。 ・ 種苗放流したサザエの現存量調査の結果、高い割合で残存していることがわかった。

波及効果(普及の状況)

・ 今回の調査を踏まえ、江の島地先で中空三角ブロックによる漁場造成が計画されている。 写真 放流4 ヶ月後のサザエ生息状況 写真 投石の上に蝟集したメバル魚群

(2)

東京湾漁場環境調査

<東京湾を科学の目で診断し、より元気な海に!>

企画経営部

研究の背景

・東京湾では、夏期を中心に底層での溶存酸素量が著しく低下し、貧酸素水塊が形成される ・溶存酸素の低下は底生性魚介類の分布や漁場形成に大きな影響を与えている ・漁業者から貧酸素水に関する情報提供を受けている

研究のねらい

・ 貧酸素水の形成と消長の動向把握と予測、東京湾溶存酸素情報の発行及び関係者への配布 ・ 貧酸素水塊の分布と漁業者の操業結果から漁場と貧酸素水塊の関係を明らかにし、効率的な 操業支援をする

これまでの研究成果(新規研究は除く)

・貧酸素水塊がないときは、操業範囲が広い(6 月 14 日の例) ・貧酸素水塊(2.5ml/l 以下)があるときは、シャコ、マアナゴ漁場とも 2∼3ml/l の水塊に 漁場が集中する(7 月 28 日の例) ・貧酸素水塊は、短期間で消長を繰り返す

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

・来年度から千葉県、海上保安庁などともに共同で、東京湾溶存酸素情報を発行することになっ た

波及効果(普及の状況)

・東京湾溶存酸素情報は、漁業者に利用されている。 ・千葉県等と共同で出すことにより、観測ポイントが増え、より正確な情報を出すことができる ・1.5・2.8 ・3.8 ・3.5 ・2.9 ・3.8 ・3.9 ・3.0 ・2.8 ・4.0 ・4.0 ・4.0 ・4.2

3

2000. 6. 14

シャ コ

4

・3.3 ・4.0 ・2.8 ・1.5・2.8 ・3.8 ・3.5 ・2.9 ・3.8 ・3.9 ・3.0 ・2.8 ・2.8 ・4.0 ・4.0 ・4.0 ・4.2

3

2000. 6. 14

マア ナゴ

4

・3.3 ・4.0 ・1.5・2.2 ・3.5 ・2.4 ・2.2 ・3.0 ・3.1 ・1.7 ・2.3 ・3.4 ・3.6 ・3.5 ・3.9

2

3

2000. 7. 28

シャ コ

・3.4 ・3.3 ・1.5・2.2 ・3.5 ・2.4 ・2.2 ・3.0 ・3.1 ・1.7 ・2.3 ・3.4 ・3.6 ・3.5 ・3.9

2

3

2000. 7. 28

マア ナゴ

・3.3 ・3.4

(3)

漁業環境試験研究

<まだ見ぬ海の力を知り、豊かな海を創造しよう>

企画経営部

研究の背景

・沿岸域の人為的富栄養化の進行 ・水質悪化に伴う漁場環境、生活環境への影響危惧 ・MF21による深層水を利用した海洋肥沃化システム(拓海)の設置

研究のねらい

・海洋肥沃化システム(拓海)の効果調査する ・赤潮など特異現象発生時にその原因解明のための調査を行い、関係者に報告及び指導する

これまでの研究成果(新規研究は除く)

・ 赤潮の発生状況をホームページで行うようにした

赤潮の発生件数は、県全体で20 件と増加にあり、東京湾では、今まで確認できなかったフ ィブロカプサの発生などで、昨年の6 件から倍増している。気象データの関係と考察中

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

・装置近くの水深30m に栄養塩の一部に極大値が見られた ・クロロフィルa については、その効果がはっきりと現れていない ・赤潮連絡網の確立(今後の予定)

波及効果(普及の状況)

・ 肥沃化については、栄養塩の部分では進んでいる 放流地点NO2-N 0 20 40 60 100 120 140 160 180 200 0 0.2 0.4 (μgat/l (m) 80 0.6 ) H14.8.15 H14.8.29 H15.8.13 H15.8.28 放流地点NO3-N 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 0 5 10 15 20 (μgat/l (m) ) H14.8.15 H14.8.29 H15.8.13 H15.8.28 放流地点TIN 0 20 40 60 80 100 120 0 5 10 15 20 (μg at/l) (m) 140 160 180 200 H14.8.15 H14.8.29 H15.8.13 H15.8.28 放流地点PO4-P 0 20 40 100 0 0 160 0 200 0 1 2 3 4 (μgat/l) (m) 60 80 12 14 18 H14.8.15 H14.8.29 H15.8.13 H15.8.28 放流地点SiO2-Si 0 40 60 80 100 120 140 160 180 200 0 10 20 30 40 (μg at/l) (m) 20 H14.8.15 H14.8.29 H15.8.13 H15.8.28

(4)

三浦市沿岸漁場環境調査

〈三浦の海の健康診断〉 資源環境部 【研究の背景】

・漁場としての利用価値の高い三浦市沿岸域の環境評価の必要性

・環境変動に対する漁業への悪影響の懸念

・環境保全および漁業振興に対する基礎資料の必要性

【研究のねらい】

・三浦市沿岸域の中長期的な環境変動の把握

・漁場としての環境評価

【これまでの研究成果】 ・昭和 52 年以降、三浦市の沿岸漁業振興の基礎資料とするための委託を受け、成層期の夏と対流期の冬 に同市沿岸の水質、底質・底生生物に関する調査を行い、毎年結果を報告。 【本年度の特記事項】 ・夏期は 7 月 25 日に底質・底生生物調査、9 月 9 日に水質調査を実施した。冬期は 1 月 21 日に底質調 査を行い、2 月 13 日に水質調査を実施する予定。 ・底質・底生生物調査の結果について、過去のデータ整理を開始。三浦市と相談の上、しかるべき形で公 表の予定。 【波及効果】 ・この四半世紀の水質、底質に関する基礎データの蓄積は当研究所にとっても本県沿岸の環境変動を把 握する上で重要。特に、底質・底生生物は漁場環境の悪化と好転に、何が作用しているかを知るための データを提供する。

(5)

相模川水系魚類生息状況調査

<未来につなごう相模川の魚>

内水面試験場

研究の背景

・ 相模川は内水面漁業、遊漁及び自然に親しむ県民の憩いの場となっている他、県民の生活を 支える重要な水源としても貴重な水域となっている。 ・ 近年、支流の中津川上流に宮ヶ瀬ダム、中流域に相模大堰がそれぞれ完成している。 ・ 将来にわたって相模川の健全な魚類等の生態系を維持保全するための資料として、相模川に 生息する魚類等の種類と分布・生態等の現状調査を行った。 ・ 本事業は、神奈川県内広域水道企業団からの委託を受けておこなっている。

研究のねらい

・ 相模川水系における生息魚種の把握。 ・ 取水堰等の河川構築物が魚類及び甲殻類に与える影響の把握。 ・ 重要な水産資源であるアユの産卵場、仔魚の降下状況の把握。

これまでの研究成果(新規研究は除く)

・相模川及び中津川において 30 科 78 種の魚類を確認した。 ・相模大堰の稼働前後で確認魚種を比較したところ、相模大堰より上流の相模川本流及び中津川 では、相模大堰稼働により消失したと考えられる在来種は見あたらなかった。 ・相模大堰魚道で、魚類 19 種、甲殻類7種を確認した。小型仔稚魚にも多く利用されている。 ・相模大堰の稼働により消失した産卵場も有るが、産着卵の確認地点数は、減少していない。 ・相模大堰稼働後に仔アユの降下所用時間が増大する傾向が認められた。 るには至らなかった。

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

波及効果(普及の状況)

・河川構築物 短期的お ・ 源の変動要因解明とその対策研 ・相模大堰の右岸優先放流による迷入防止効果を検証す 2003.11.6-7:通常放流時 0 1 2 3 4 5 6 7 降下密度(尾/m3) 表層 中層 底層 2003.11.10-11:右岸優先放流時 0 1 2 3 4 5 6 7 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 調査時刻 ・相模大堰の取水口の表層・中層・底層におい て、仔アユの迷入状況を調査したところ、通常 放流時より右岸優先放流時に表層付近を迷入 する仔魚が多い傾向があった(図)。 (堰)の魚類に与える よび長期的な影響等を把握し、相模川を永続 的に有効利用して行くための基礎資料として 活用する。 本県のアユ資 究の基礎資料として活用する。 図 堰取水口における層別の仔アユ迷入状況

(6)

人工リーフに造成された藻場の保護育成機能等の調査

<藻場の機能を明らかにする>

相模湾試験場

研究の背景

8000 ㎡のカジメ藻場が形成された。

研究のねらい

・カジメ藻場の水質浄化機能および人工リーフの水産動物保護育成機能について評価する。 性が考

本年度の特記事項

あたり7∼13 本(御幸の浜では 10 本/m2前後で安定か)、現存量 ・ ,窒素量で25.6∼60.4 人,リン量で 44.0∼108.5 人分がカジメの藻体

波及効果(普及の状況)

成の原単位(期待されるカジメ現存量、水質浄化量、魚介類蝟集量等) ・ の基礎資料を漁業者に提供する。 ・ 小田原市御幸の浜沖の人工リーフに藻場造成を行い、約 ・ マアジ、ブリ、カサゴ等の魚類、イセエビ、サザエ、アワビ等の磯根生物が多く蝟集した。 ・ 人工リーフを利用した藻場造成技術確立のため、カジメ藻場の維持更新過程を明らか にする。

これまでの研究成果

・人工リーフのカジメ藻場は、天然のカジメ藻場と同様な群落の維持と更新を行っていた。 ・人工リーフで観察された魚種は57 種におよび、ベラ類、メゴチ等が産卵場としている可能 えられた。目視観察および漁獲試験の結果から、人工リーフの魚礁効果は、砂浜域と比べて非常に 高いことが明らかとなった。 ・人工リーフのカジメ密度は1m は湿重量ベースで 1.3∼3.3kg/m2であった(水深5∼10m)。これは近隣の天然藻場に匹敵する値 であった。 人工リーフのカジメ藻場には として固定されていた。更にカジメの成長や流失分を考慮すれば、これと同程度の窒素、リンが毎 年カジメの藻体に取り込まれていると考えられた。 ・本調査で得られた藻場造 は、他海域で同様の造成事業を行う際に利用される。 漁場として利用する際に、持続可能な漁獲を続けるため 写真2 人工リーフの魚礁効果(マアジ) 写真1 人工リーフに造成されたカジメ藻場

(7)

藻場造成試験調査

<市民とともに魚のゆりかごを再生>

栽培技術部

・ 水産資源を保護育成し水質を浄化するアマ 全国的に急がれている。 ・ 自然再生推進法などで自然再生事業への市 行政と市民との連携が謳われ、その実践 ・ 県と市民団体とが協働でアマモ場造成事業 ・ 市民団体の与えられた使命に対する対応を 、事業が行政主体から市民・漁業者主体 ・ 県内の天然藻場から 4 た。 ・ 研究所内に移植用苗 を育成中。 て既存資料の評価 ・ 市民団体との協働によって、 などの多くの人手を要する作業へ の積極的な市民参加を呼びか た。 看板を海上に設置した。 横須賀市走水の天然藻場における花枝採取 金沢漁港において市民参加で作成した播種シ ート

研究の背景

モ場の再生が 民参加、 の蓄積が急がれている。

研究のねらい

に取り組む。 検討して へと転換できるよう、簡易なマニュアルを作成する。

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

花枝を採取し、研究所内で種子 万粒を生産し を育てる水槽を新たに整備し、種子から育てた苗 ・ 金沢湾(野島海岸、海の公園)と小田和湾において、NPO 法人に委託し 基準に照らした造成適地を選定した。 ・ 金沢湾において、NPO 法人に作業を委託して約 630 ㎡の播種による造成作業を実施した。

波及効果(普及の状況)

花枝採取、種子の選別、播種 け、延べ200 名の市民が参加し ・ 播種を行った現場では12 月以降アマモの発芽・生長がみられているが、アサリ採捕による 掘削・撹乱の被害を受けており、1 月にアマモ場の保護を呼びかける

(8)

東京湾の生物相モニタリング調査

資源環境部

研究の背

・東京湾は人為的な影響により漁場環境 可能性が高い。 ・資源管理型漁業推進のため及び水域環境の めには、バックデ−タとなる生物相を

研究のねらい

・底生生物の分布や変動を把握し、資源 環境研究の基礎資料とする。

これまでの研究成果(新規研究は除く)

・魚類84 種、甲殻類 47 1 16 30 、軟体類7 種、総計 138 種が採集された。 定であった。 ・12−1 月のシャコの着底

波及効果(普及の状況)

豊饒の海よ、いつまでも!

が大きく変化する 維持保全のた 常時把握しておく必要がある。 管理研究、水域 種(口脚類 種、長尾類 種、短尾類 種) ・年別、定点別、季節別のどれを基準としても、底生生物相に大きな変化は求められず、出現頻 度の高い種もほぼ一

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

量は近年では高い水準にあると考えられた。 2002年の分類群別の採集状況 個体数 30% 59% 7% 4% 重量 47% 39% 4% 10% 魚類 長尾類 短尾類 軟体類

(9)

45

生態系復元研究

<取り戻せ!きれいな川。戻ってこい!魚たち>

・県下の内水面においては、淡水魚類の生息環境が、生活排水の流入や河川改修による淵の喪失など で悪化し、多くの魚種が分布域を縮小させ、個体数も減少している。 いる。 自然水域における生息地を復 ・県下の主要河川において魚類分布調査を実施し、絶滅危惧種のその分布と現状を明らかにした。 ・ ホトケドジョウ、ギバチ等の絶滅危惧種の増殖技術開発に成功した。 殖している。 ・ 理者の行 ・ 境川等の源流域でホトケ を行い、本種の生息条件について研究した。 千 カスケードM型は低かっ ・ 、 創出できる。 内水面試験場

研究の背景

・ 河川管理のあり方が、近年大きく変化し、魚道や多自然型護岸の整備が行われるなど、「魚に優し い川づくり」が行われるようになり、この分野への関わりを求められて ・ 県環境基本計画や生物多様性国家戦略の見直しにより、「生物多様性の保全・確保」が社会的目標 として一層意識されるようになった。

研究のねらい

・ 希少種の増殖研究を実施し、継代飼育による種の保存を図りながら、 元し、広く水域環境と生態系の保全に啓発していく。 ・ 魚道や多自然型護岸など「魚に優しい川づくり」への技術支援を行い生態系復元を図る。

これまでの研究成果(新規研究は除く)

・ ミヤコタナゴを試験場のビオトープおよび横浜市内のため池へと放流し、生息地復元試験を実施し ている。毎年、稚魚が確認され、ため池ではドブガイとヨシノボリも繁 ・ ホトケドジョウの復元試験を試験場内のビオトープ、生田緑地、上堤農業用水路、初音ヶ丘小学校 等で実施し、成長や繁殖等の基礎資料を収集しながら、短期的な復元に成功した。 ・ 市町や市民団体の行うメダカ保護活動を指導し、地域別にメダカ8 系統の系統保存を実施。 県土整備部、市町および市民団体の行うイベントや河川環境保全の普及啓蒙活動、河川管 う多自然型護岸や魚道の設計を指導し、関係の調査や試験を実施した。

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

ドジョウ生息地の調査 ・ ホトケドジョウに適する魚道を検討した結果、 鳥X型の遡上率が高く、 た。しかし、カスケードM型も、水深を確保する ことで遡上率が上がることがわかった(図1)。 ・ ホトケドジョウへの鰭切除による標識放流を検 討し、背鰭と尻鰭切除は、生残率は高いが鰭の再 生が速く、腹鰭切除は、へい死個体は多いが、再 生は遅く90 日後でも明確に識別できた。バチが 試験場のビオトープで再生産し、成長や環境デー タ等の基礎資料を収集した。 ホトケドジョウに係わるシンポジウム「オババサ ミット」を、市民団体と川崎市とで共催した。

波及効果(普及の状況)

・ 希少魚をシンボルとしてのその増殖技術を開発し し、水域の生態系を保全・復元し、豊かな水域が 生息地を復元することにより、遺伝資源を確保 図1 ホトケドジョウの魚道・各条件における遡上率 0 20 40 60 80 100 250 500 250 500 250 500 250 500 125 250 500 125 250 500 1歳魚 当歳魚 1歳魚 当歳魚 1歳魚 当歳魚 カスケードM型:30cm 千鳥X型:30cm カスケードM型:15cm 条件 遡上率 (%)

(10)

希少淡水魚保護増殖対策事業(ゼニタナゴ)

<タナゴもドジョウも生きている!>

験場 ・ ゼニタナゴは生息環境の 川県の絶滅危惧種に指定 されて ・ 本種の自然分布は南限および西限は神 その意味でも本種の系統(種)を保存し、

研究のねらい

・ 県下の内水面において、放流適地調査と放流試験を行い、本種の生息地を自然水域に復元する。 ・ 人工受精による増殖試験において、採卵・ふ化までの技術はほぼ 率がさらに向上した。 明。 得た。 ・ 件を検討した。水温を段階的に下降および上昇さ 法と生残率および浮 上率は変わらなかった の生残率が ・ イとドブガイを使用し、500L-FRP 水槽 で2 歳魚および1歳魚を親魚として実施 した。産卵後の二枚貝は屋外500L 水槽 ・ ガイとイシガイを20 個体づつ、 実 11 月中旬にピークがあり、産卵行動は 12 ・ することができる。 内水面試

研究の背景

悪化により全国的に減少し、環境省および神奈 いる。 奈川県であり、 自然水域での生息が必要となっている。 ・ 本種の継代飼育(種の保存)を継続するとともに、量産規模での種苗生産技術を開発し、飼育下 における遺伝子保存を行う。

これまでの研究成果(新規研究は除く)

屋内水槽で親魚養成に成功し、 確立し、平成11・12 年度に少数ながら浮上稚魚を得ることに成功 ・ 平成12・13 年度、低温処理と水温上昇のタイミングを改良し、浮上 ・ 自然産卵による増殖試験では、大型水槽で複数の親魚を使用した産卵方法とFRP水槽でお見合 い形式による産卵方法で、浮上稚魚を得ることに成功 ・ 二枚貝の選択試験を実施したところ、本種にとってドブガイとイシガイが有用であることが判 ・ 産卵行動の観察結果から、その概要を解明し、親魚サイズにより、ドブガイとイシガイのサイ ズ選択性があることを発見した。 ・ 屋外の生態試験池における繁殖試験の結果、多数の浮上稚魚を得ることに成功 ・ 横浜市青葉区の奈良川源流域ビオトープで放流試験を行い、ゼニタナゴの二枚貝への産卵を確認 するとともに、少数ながら浮上稚魚を

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

人工受精による増殖試験で低温管理への移行条 せる手法は、従来手 。 ・ 60 ㎝水槽でイシガイを産卵母貝として 自然産卵試験を実施、使用した親魚すべ ての産卵が確認されたが、貝 低く、稚魚の浮上はわずかであった。 平成15 年度の自然産卵試験は、イシガ で飼育管理中である。 場内の生態試験池の下流域を改良し、4 月にドブ 9月にゼニタナゴ親魚を 10 個体づつ放 養し、水辺ビオトープによる復元試験を 魚がドブガイおよびイシガイ周辺になわばりを形成し、 月まで継続した(図1)。 0 2 4 6 8 14 10/710/1 7 10/2 7 11/611/1 6 11/2 6 12/612/1 6 12/2 6 1/5 1/15 図1 生態試験池におけるゼニタナゴの産卵行 12 施した。産卵行動を観察したところ、10 月に入り、親

波及効果(普及の状況)

ゼニタナゴをシンボルとして、谷戸周辺地域の生態系を保全・復元し、豊かな内水面水域を創出 10 動 尾数(尾) 0 5 10 15 20 25 水温(℃) ♀ ♂ 水温

(11)

47

カワウ食害対策研究

<鵜呑みになんかされないぞ>

内水面試験場

研究の背景

・ 近年、急速に生息域を拡大し生息数が増大しているカワウにより、増殖目的で放流された稚魚等 の多 ・ 平成 14 年 3 月には「生物多様性国家戦 、生息数が増加し問題の生じている野生鳥 獣については、有害鳥獣駆除等の鳥獣被害への対応を推進していくこととされた。

研究は除く)

した。季節は、冬季に多く、夏季には減少することがわかった。 ・相模川水系では、宮ヶ瀬 高速道路橋、寒川堰付近、 銀河大橋下流付近にカワウのねぐらが形成された。 期的にアユが川にいない2月で ・カワウの防除対策としてのねぐらの伐採は、場所により効果が異なった。テグス張りは、短期間で や銀河大橋下流のねぐらが消失した。最大のねぐらは、 で12 月に 295 羽を記録した。 ・ 酒匂川の飛来数は、冬季に増加し、最大で12 月に 235 ・ ユ親魚を大 を解明することにより、食害の防止等に 量の捕食による内水面魚類資源、生態系への影響が生じている。 略」が見直され ・ 本県では、平成 11 年度から関東都県他と連携しながら、カワウによる食害実態等を調査し防除対 策を検討してきたが、十分な効果は見られなかった。 ・ そこで、最近の情勢を踏まえてカワウによる食害の防止等に対する総合的な対策を早急に実施し、 健全な内水面生態系の保全、復元を推進していく必要がある。

研究のねらい

・ 相模川等の河川、芦ノ湖におけるカワウの飛来、生息状況、捕食状況等の実態を調査し、効果的 な食害防除対策を検討する。

これまでの研究成果(新規

・相模川のカワウの延べ飛来数は、平成 11 年 39 千羽、12 年 88 千羽、13 年 112 千羽と年々増大 湖、津久井湖名手橋付近、磯部堰上流中洲、東名 ・カワウによる川魚捕食調査の結果、アユが川に生息する時期では、カワウ 44 羽から 266 尾の魚を確 認し、内訳は、アユが 204 尾と最も多く全体の 76.7%を占めた。時 は、カワウ 22 羽から 98 尾の魚を確認、内訳は、オイカワ 34 尾、ウグイ 30 尾等であった。 あれば特定場所のカワウの捕食を減らすことは可能である。

本年度の特記事項(研究成果の中間報告)

・ 平成 15 年の相模川の飛来数は、冬季が多くて最大が 12 月の 633 羽/日、夏季は少なく、60 羽/日程度であ った。相模川のねぐらは、昨年と状況が異なり、磯部 東名高速 羽/日を記録、芦ノ湖では、12 月の禁漁とともに増加 し、最大で28 羽が確認された。 4月の駆除個体の胃内容物を調べたところ、寒川で捕 獲した個体が遡上アユを大量に捕食していた。11 月の 駆除個体は、厚木のアユ産卵場付近で、ア 量に捕獲していた。

波及効果(普及の状況)

・ 各河川や湖沼でのカワウの飛来状況、捕食状況等の生態 対する総合的な対策について検討することができる。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2003年 0 100 200 300 400 500 600 平均飛来数(羽/日) 中流域 下流域 図1 相模川水系におけるカワウの飛来数(月別日平均)

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