Title
複屈折率制御型結晶GdYCOBによる紫外光の発生
Author(s)
古屋, 博之; 吉村, 政志; 森, 勇介; 佐々木, 孝友
Citation
大阪大学低温センターだより. 105 P.12-P.19
Issue Date 1999-01
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/11094/11373
DOI
rights
Osaka University Knowledge Archive : OUKA
Osaka University Knowledge Archive : OUKA
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/
複 屈 折 率 制 御 型 結 晶GdYCOBに
よ る紫 外 光 の発 生
1.は じ め に 光 の 波 長 は 赤 色 よ り青 色 、 青 色 よ り紫 外 と短 くな り、 短 波 長 の 光 ほ ど エ ネ ル ギ ー が 大 き くな る。 紫 外 レー ザ ー 光 は 集 光 性 や 物 質 と の 反 応 性 に優 れ て い る た め 加 工 等 に 遮 し て お り、 近 年 、・産 業 応 用 が 様 々 な 分 野 で 検 討 され 始 め て い る。 こ れ ま で 主 に 使 用 され て い た 光 源 は 気 体 レー ザ ー や エ キ シ マ レー ザ ー で 、 低 動 作 効 率 、短 寿 命 、 急 速 な特 性 劣 下 、 高 電 圧 動 作 、 大 装 置 サ イ ズ 等 の 多 くの 欠 点 を抱 え て お り、 運 転 ・ メ ン テ ナ ソ ス に 多 くの 労 力 と 費 用 ・時 間 を要 す る と い う問 題 が あ っ た 。 こ れ に 置 き換 わ る 光 源 と して 、 非 線 形 光 学 結 晶 を 用 い た 赤 外 域 固 体 「レー ザ ー 光 の 波 長 変 換 を行 う方 法 が考 え られ る。 こ れ は 、 低 電 力 、 空 冷 式 、 装 置 サ イ ズ が 小 さ い 等 の 、 固 体 レー ザ ー の 特 長 が 生 か さ れ る た め 、産 業 向 け の 新 しい 光 源 と し て 期 待 さ れ て い る。 紫 外 光 発 生 用 の 波 長 変 換 材 料 と して い くつ か の 結 晶 が 挙 げ ら れ る が 、 現 在 の 主 流 と な っ て い る の は 酸 素 と ホ ウ 素 の 組 み 合 わ せ を 基 本 構 造 に もつ ホ ウ酸 系 結 晶 で あ る 。 ホ ウ酸 系 結 晶 の 多 く は紫 外 光 発 生 に優 れ て い る が 、 水 と反 応 しや す く、 反 射 防 止 膜 作 製 の 難 しい もの もあ り、 デ バ イ ス 化 の 際 に 特 殊 な技 術 や 工 夫 を 必 要 と して い る。 ま た 、 育 成 自体 が 難 し く、 良 質 な結 晶 が 得 ら れ に くい 材 料 も あ る た め 、 現 在 も な お 新 材 料 探 索 が 行 わ れ て い る。 近 年 、 著 者 ら は イ ッ ト リ ウ ム ・カ ル シ ウ ム ・オ キ シ ボ レー ト (YCa、0(BO3)、,YCOB)が 紫 外 光 発 生 用 結 晶 と して 優 れ て い る こ と を 見 い だ した[1,2]。 この 結 晶 は 化 学 的 、 機 械 的 に極 め て 安 定 で 、 融 液 か ら の 高 速 成 長 が 可 能 と い っ た 特 長 を も つ 。 ま た 、 著 者 らは イ ッ ト リ ウ ム(Y)を ガ ド リニ ウ ム(Gd)で 部 分 置 換 した ガ ド リニ ウ ム ・イ ッ ト リ ウ ム ・カ ル シ ウ ム ・オ キ シ ポ レー ト(GdxY、 一xCa、O(BO3)3,GdYCOB)を 開 発 し、 結 晶 の 複 屈 折 率 が 組 成 に よ って 制 御 で き る こ と を 明 ら か に した[3]。 複 屈 折 率 の 大 き さ は 波 長 変 換 の 自 由 度 を 決 め る フ ァ ク ター で 、 高 効 率 で 安 定 した 出 力 光 を 得 る に は 各 波 長 変 換 に 対 して 最 適 な 大 き さ が存 在 す る 。 従 来 の ア ル カ リ金 属 、 ア ル カ リ土 類 金 属 の 陽 イ オ ンの み で 構 成 さ れ る ホ ウ酸 系 結 晶 で は 、 こ の 複 屈 折 率 の 大 き さ を 自 由 に 制 御 す る こ と は 難 し か っ た 。 GdYCOBは 構 成 元 素 に 希 土 類 を 含 む た め 、 結 晶 組 成 に よ っ て 複 屈 折 率 の 最 適 化 を 行 う こ とが で き る 画 期 的 な 材 料 と言 え る。 著 者 ら は 、 組 成 の 最 適 化 を行 い 、 波 長 変 換 能 力 が 飛 躍 的 に 向 上 す る非 臨 界 位 相 整 合 条 件 下 でNd:YAGレ ー ザ ー の 第3高 調 波(波 長:0.355μm)を 発 生 さ せ る こ と に 成 功 し た 。 本 報 告 で は 、 新 しいGdYCOB結 晶 の 育 成 と紫 外 光 発 生 特 性 を 中 心 に述 べ る。2.GdYCOB結 晶 2.1歴 史 的 背 景 希 土 類 ・カ ル シ・ウ ム ・オ キ シ ボ レー トの 研 究 は 、1991年 の ロ シ ア のKhamaganovaら に よ る SmCa40(BO3)3が 最 初 の 報 告[4]で 、 彼 ら はPbO溶 液 を 用 い て 結 晶 育 成 を 行 い 、 そ の 構 造 に つ い て 述 べ て い る。1996年 、 フ ラ ン ス のAkaら は 希 土 類 ・カ ル シ ウ ム ・オ キ シ ボ レー トが 非 線 形 光 学 材 料 と して 利 用 で き る こ と を 見 い だ し、 引 き上 げ 法 に よ る 結 晶 育 成 と光 学 特 性 に つ い て 発 表 し た[5,6]。 こ こ で は 、 GdCa40(BO3)3(GdCOB抽 こつ い て 調 べ ら れ て お り 、 吸 湿 性 を も た な い 化 学 的 に 安 定 な 結 晶 で 、 Nd:YAGレ ー ザ ー 光 の 第2高 調 波 発 生(波 長:0.532μm)素 子 に適 して い る こ と な ど が 報 告 さ れ て い る。 1997年 、 著 者 ら は 紫 外 光 を 発 生 す る 新 材 料 の 開 発 を 目的 と し 、GdCOBの 希 土 類 サ イ トをY置 探 し た YCOB結 晶 の 育 成 を 行 い 、Nd=YAGレ ー ザ 出 光 の 第3高 調 波(波 長:0.355μm)を 発 生 す る こと を 明 ら か に した 。YCOBがGdCOBに 比 べ て 大 き な複 屈 折 率 を も つ た あ 、 よ り短 波 長 ま で 位 相 整 合 が で き る よ う に な っ た こ と に 起 因 して い る。 こ れ は ま た 、 固 溶 体 と してGdOOBとYCOBが 任 意 に 混 ざ り、 混 合 比 に よ っ て 屈 折 率 が 徐 々 に 変 化 す る の で あ れ ば 、 あ る混 合 比 に お い てy軸 方 向 で 位 相 整 合(非 臨 界 位 相 整 合) 可 能 な 結 晶 が存 在 す る こ と を 意 味 して い る 。 著 者 ら は この 考 え の も と に 組 成 を最 適 化 させ たGdYCOB 結 晶 を 育 成 し、Nd:YAGレ ー ザ ー 光 の 第3高 調 波 に 対 して 非 臨 界 位 相 整 合 可 能 な 素 子 開 発 を行 っ た 。 2.2結 晶 構 造 希 土 類 ・カ ル シ ウ ム ・オ キ シ ボ レー ト結 晶 の 多 くは 単 斜 晶 の 点 群m(空 間 群Cm)に 属 し、 中 心 対 称 性 を 欠 くた め に2次 の 非 線 形 光 学 効 果 を 発 現 す る 。YCOBの 場 合 、 格 子 定 数 は a=8.046A,b=15.959A,c=3.517Aで 、 結 晶 軸 は 直 交 系 で は な く α=γ=90。, β=101.19。 と な る 。 単 位 格 子 は 化 学 式 YCa40(BO3)32つ 分 の 原 子 で 構 成 さ れ る 。. GdCOB,GdYCOBと も に 格 子 定 数 、 角 度 β が 異 な るの み で 、 構 造 はYdOBと ほ と ん ど 同 一 と み な して 差 し支 え な い 。 結 晶 の 対 称 性 は 低 く、b軸 の み が 二 回 対 称 を も っ て い る。 四 軸X線 回 折 に よ る構 造 解 析 で 得 られ た 構 造 を 、 図1に 示 す 。 こ こ で はGdCOBの 結 晶 構 造 を 示C して お り、YCOBはGdサ イ トをYで 置 き換 え た 構 造 を も つ 。GdYCOBで は 、 希 土 類 サ イ トにGdとYが 任 意 の 比 率 で ラ ソ ダ ム に 分 布 し て い る。 結 晶 は 平 面 構 造 のBO3と 、Gd,Ca を そ れ ぞ れ を 中 心 に もつ 酸 素 八 面 体 か ら構 成 され る。
図1GdCOBの
結 晶構 造
ホ ウ酸 系 結 晶 の非 線 形 性 の 強 さ、 バ ソ ドギ ャ ッ プ(紫 外 域 で の 吸 収 端)な ど を 決 定 す る主 要 因 は 、 ホ ウ 素 と酸 素 の 結 合 か ら な る ボ レー ト陰 イ オ ソ グル ー プ に あ る こ とが わ か っ て い る[7]。YOOB結 晶 で は 三 角 形 の(BO3)3一 平 面 構 造 を と る た め 、 非 線 形 性 は 他 の ホ ウ酸 系 結 晶 と 比 べ て そ れ ほ ど大 き くな い 。 紫 外 の 吸 収 端 も0.18~0.20μmが 期 待 さ れ る が 希 土 類 陽 イ オ ソ の 吸 収 の た め に0.21μmと や や 長 波 長 に シ フ トす る。 しか しな が ら、 希 土 類 陽 イ オ ン を もつ 故 に 組 成 に よ っ て 複 屈 折 率 の 制 御 が 自 由 に 行 え る こ と が で き 、 可 視 か ら近 紫 外 光 の 発 生 に お い て 優 れ た 特 性 を もつ こ と が わ か っ た 。 3.結 晶 育 成 及 び 光 学 特 性 3.1結 晶 育 成 先 ず 、GdCOBとYCOBを 任 意 に 混 ぜ 合 わ せ た 固 溶 体GdxY、.xCa40(BO3)3(GdYCOB)が 安 定 に存 在 し、 均 一 組 成 で 結 晶 成 長 で き る か ど う か を 調 べ た 。 標 準 的 な 高 周 波 誘 導 加 熱 型 の 引 き上 げ 法 を 用 い 、 融 液 か ら の 結 晶 成 長 を 試 み た 。 結 晶 の 融 点 は1480~1500。Cと 比 較 的 高 温 に な る た め 、Ir製 の る つ ぼ を 用 い 、 る つ ぼ の 酸 化 を 防 ぐた め にAr雰 囲 気 中 で 育 成 を 行 っ た 。 当 初 の 育 成 で は 細 か な ク ラ ッ ク(割 れ)の 発 生 、 バ ブ ル(気 泡)の 混 入 が 問 題 と な っ て い た 。 断 面 内 で の 熱 分 布 ・成 長 機 構 の 対 称 性 が 高 くな る よ う に 結 晶 の 引 き 上 げ 方 位 をb軸 に選 ぶ こ とで 、 ク ラ ッ ク の 発 生 は 抑 制 で き る よ う に な っ た 。 ま た 、 バ ブ ル の 混 入 は 高 速 引 き上 げ に よ っ て 取 り込 ま れ る た め 、1~3㎜/hの 低 速 引 き 上 げ を 行 う こ と で 改 善 で き た 。 ま た 、 結 晶 成 長 時 の 重 量 変 化 を モ ニ タ し、 直 胴 結 晶 が 成 長 す る よ う に高 周 波 出 力 の 制 御 を 行 っ た 。 これ ら育 成 条 件 を 検 討 し た結 果 、 図2に 示 す よ うなGdYCOB単 結 晶 を 得 る こ と に 成 功 した 。 図2GdxY、 一xCa40(BO3)3結 晶(x=0.24) 3.2結 晶 性 の 評 価 次 に 、 あ る組 成 比 で 育 成 した 結 晶 に つ い て 、 成 長 方 向 の 組 成 分 布 を 調 べ た 。ICP-AES(誘 導 結 合 型 プ ラ ズ マ 原 子 発 光 分 析)に よ るGd濃 度 の 測 定 を行 い 、 そ の 値 の 変 化 を 調 べ た(図3)。 図 か ら も わ か る よ うに 、 成 長 に 従 って 組 成 は 変 化 して い な い と考 え られ る 。
また 、組 成 を変 え て育成 した結 晶 の格 子 定数 の比 は、 図4の よ ちに線 形 に変化 す る。 これ らの結果 か
ら・ 臆
の飴
比 で 混 飴
わ せ たGdYCOBを
湘 灘
よ ・て 決 ま 珊
有 嫡
子 定 数比 を もち・ そ の値 は
成 長 に 従 っ て 変 化 し な い と考 え られ る 。 山0.68
ノ
α5
8x
量94
選 α・
量
α、
6 ζ O 一屡 の O α E O O 0.1(a)x呂0.48
一
〔b)x=0.つ3
一
0.6 0.5 0:4 03 0.2 Oj 9 ⑩巨 2 Φ E歪 8 8 一焉 =◎£ ① ぼ 00 05101520253035 Positionfromtheseedcrystal(mm) 図3GdYCOB結 晶 の 成 長 方 向 の 組 成 分 布 2.3 2.295 2.29 2.285 2.28 2,275 2.27 00。20.40,60.8重 Compos詮ionalparameterxinGdxY1.xCOBcrystal 図4GdYCOBの 組 成 に 対 す る 格 子 定 数 比 変 化 0.506 0.5055 0.505・ 0.5045 0.504 0.5035 0.503 刀Φ 識 O O 噸 一① 茸 δΦ O 山 「 9 コ 」 Φ 一Φお ① Σ り 3.3透 過 特 性 分 光 光 度 計 を 用 い てGdYCOBの 透 過 ス ペ ク トル を 測 定 した(図5)。 可 視 か ら赤 外 の2,5μmま で は透 明 で 、 透 過 が 完 全 に な く な る吸 収 端 は0.21μmで あ る こ と が わ か っ た 。 し か し、GdCOB結 晶[6]と 同 様 に 紫 外 域 の 透 過 ス ペ ク トル にGd3+の 吸 収 ピー ク が 現 れ る。 波 長 変 換 を 行 う波 長0.355μmに 吸 収 ピー ク は 見 られ な い が 、 短 波 長 側 の 近 傍 に 吸 収 が 存 在 す る。 そ の た め 、 高 出 力 光 を 発 生 さ せ る 際 に は わ ず か の 吸 収 に よ っ て 引 き起 こ さ れ る 温 度 上 昇 や レー ザ ー 内 部 損 傷 に つ い て 調 べ る 必 要 が あ る。100 80
翁
奮 ・
・
馨
240澤
20 0GdYCOB
{x=0.48)
0,355μm 0.10.150.20.250.3035 Wavelength(叫m) 図5GdYCOB結 晶 の 透 過 特 性(紫 外 域 の み) 0.43.4波
長 変換特 性
レー ザーの波 長変 換 は、 中心対 称性 を欠
い た非線形 媒質 で あれ ば常 に行 え る とは 限
らない。 位相整 合 と呼 ばれ る条件 が満 た さ
れ た場合 のみ 、非線形 振 動成 分 は検知 で き
る強 さの光 とな って取 り出 され る。 す なわ
ち、媒質 中 で誘起 され た非線 形 分極 波 に含
まれ る所 望 め振 動成 分波 は、減 衰 しない よ
うに位相 を揃 えて(重 な り合 って)伝 搬す る
必 要 が あ る。 通 常 は、 複屈 折 率(屈 折 率 異
方 性)を もつ結 晶 を利 用 して位 相整 合条 件
を満 足 させ る。
和 周 波 発 生 に よ ってNd:YAGレ
ーザ ー
光 の 第3高 調波(波 長:0.355μm)を
作 り出
す 位相 整合条 件 は、運 動量 の保 存則 か ら導
かれ、
go 80 70 60 3509 ヨ ・筍 30 20 10 0 A(73.2。,goo) x Z θ k γ type-1 B(90。,5870) 0102030405060708090 φ(deg.) 図6Nd:YAGレ ー ザ ー の 第3高 調 波 発 生 のtype-1位 相 整 合 角 △k一 長 働 一 島 伽 ・一 鳥 … 一 舞(3雌 、(3ωL2n、(2ωLn2(ω))一 ・ と な る。'こ こで 、k:波 数 ベ ク トル 、 λ:波 長 、 ω:角 周 波 数 を 表 す 。 結 晶 の2つ の 屈 折 率 はn,>n、 と 区 別 して い る 。YCOBの 場 合 、type-1(2つ の 入 射 光 の 偏 光 方 向 が 平 行 の 場 合)の 位 相 整 合 の み が 可 能 と な る 。 type-II(2つ の 入 射 光 の 偏 光 方 向 が 直 交 す る 場 合)で 波 長 変 換 を 行 うた め に は 、 さ ら に 大 き な 複 屈 折 率 を 必 要 とす る 。Sellmeier方 程 式(屈 折 率 分 散 式)か ら計 算 さ れ たYCOBのtype-1位 相 整 合 角 の カ ー ブ は 図6 の よ う に な る。 点A、Bは 実 験 値 で 求 め た 値 で あ る。こ こ・で 用 い て い る θ,φ は3次 元 極 座 標 系 の 角 度 で あ る。 θは 原 点 を 通 る入 射 方 位 ペ ク トルkと 極 軸zと の な す 角 度 、 φは 赤 道 面(xy面)へ のkの 射 影 とx軸 とgな す 角 度 で あ る 。 位 相 整 合 が(θ,φ)=(90。,90。)のy軸 方 向 で 行 え る場 合 、 出力 光 の 角 度 に 対 す る 安 定 性 が 著 し く向 上 し 、 相 互 作 用 光 の 伝 搬 方 向 を 完 全 に 一 致 さ せ る こ と が で き る 。 』これ を 特 に非 臨 界 位 相 整 合(NCPM: noncriticalphase皿atching)条 件 と 呼 ぶ 。 こ の 条 件 下 で 波 長 変 換 を 行 っ た 場 合 、 高 い 変 換 効 率 が 得 ら れ る だ け で な く結 晶 の 角 度 調 整 が 極 め て 簡 単 に な る と い っ た 様 々 な 利 点 を も つ。 著 者 らは 、YCOBのY をGdに 少 しず つ 部 分 置 換 した 組 成 の 結 晶 を 育 成 し、 そ の 位 相 整 合 角(図 中 の 点A、B)の 変 化 を 調 べ た 。' ddxY、 叛Ca40(BO3)3結 晶 のGdの 割 合 に 射 して 、 得 られ た 位 相 整 合 角 を グ ラ フ に す る と図7の よ う}こな る。 0 0 0 0 9 8 7 6 (. O Φ η ) ω Φ 喜 6 0 三 ` 2 6 ∈ あ ω 6 ` 50
…
.
一 . 一 一 ■ ■ 騨 一拶
■ 噛 一 ■ ■■ 一 幽 ……
〆
…
…
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…
…
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…
…
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川
…
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學 一 薗 一:
研
一 層 薗 一 …r
=
・
…
00.050.10.150.20.250.3 CompositionalparameterxinGd xY1.xCOB 図7第3高 調 波 発 生 の 位 相 整 合 角 変 化 曲 線aが 図6の 点Aの 変 化 し た角 度 、 曲 線bは 図6の 点Bの 変 化 し た 角 度 を調 べ た もの で あ る。 θ、 φの ど ち ら か は 常 に90。で あ る。Gd濃 度 の 増 加 に 伴 い 位 相 整 合 角 は 、(θ,φ)=(90。,90。)のy軸 方 向 に 向 か っ て 次 第 に 変 化 して い る 。 この 結 果 か ら、GdxYトxCa40(BO3)3の 組 成 パ ラ メ ー タx=・0.28の 結 晶 に お い て 、 非 臨 界 位 相 整 合 条 件 下 で の 第3高 調 波 を 室 温 で 発 生 で き る こ と が わ か っ た 。 .4.GdYCOBに よ る 紫 外 光 発 生 特 性 組 成x=0.28の 結 晶 か ら 長 さ6,1㎜ の 波 長 変 換 素 子 を 切 り出 し、 高 調 波 発 生 の 基 本 特 性 を 調 べ た 。 ま た 、YCOB結 晶 を 各 位 相 整 合 方 向 に 長 さ9.6㎜(xy面)と4.7㎜(yz面)に 切 り出 し、 こ れ らの 波 長 変 換 特 性 に つ い て も測 定 し た 。Nd:YAGレ ー ザ ー(Spectra-Physics,GCR190)か らの 、 繰 り返 し周 波 数10Hム ビー ム径1㎜ φ(アパ ー チ ャ「 通 過 後)の1.064μm光 を 基 本 波 と し、 第2高 調 波 発 生 に は 付 属 のKD,PO、(KD*P)結 晶 を用 い た 。type-1位 相 整 合 の 第3高 調 波 発 生 を 行 うた め に 、2波 長 波 長 板 を 用 い て2つ の 入 射 光 の 偏 光 方 向 を結 晶 のz軸 に 平 行 に な る よ う忙 した 。 信 号 の 検 出 に は フ ィ ル タ と フ ォ トダ イ オ ー ドを 用 い た 。 実 効 非 線 形 光 学 定 数 儲 の 値 は 参 照 結 晶 と の 強 度 比 較 を行 う こ とで 計 算 で き る。 参 照 結 晶 にxy 面type-1位 相 整 合 のLi泓05(LBO)を 用 い た 。 実 効 非 線 形 光 学 定 数 はd面FO.68pm/V[8,9]、 結 晶 長 は7.
5㎜ で あ る。 測 定 結 果 よ り、 山=0.55pm/Vと な る こ と が わ か っ た 。 次 に 、 温 度 、 角 度 に 対 す る許 容 幅 を 求 め た 。 許 容 幅 は 出 力 が 半 分 に な る ま で の 変 動 量 の 幅 、 半 値 全 幅 (FWHM:fullwidthathalfma幻mum)を 指 し、 出 力 安 定 性 を 表 す 性 能 指 数 に な る 。 角 度 に つ い て は 外 部 角 の 許 容 幅 を 測 定 し た 。 こ の 測 定 結 果 よ り 、GdYCOBは 角 度 許 容 幅 は △ θ11/2=・114mradcm1!2、 △ φP/2=65.6mradcmv2と な る こ と が わ か っ た 。 非 臨 界 位 相 整 合 の 場 合 は 、 位 相 不 整 合 量 を 表 す △kの 展 開 項 の 第1次 項 が0と な る た め に 単 位 がmradcm1/2と な る 。 同 様 に 出 力 の 温 度 特 性 を 測 定 し 、 温 度 許 容 幅 が6.6℃cmと な る こ と が わ か っ た 。 相 互 作 用 す る 光 波 同 士 の 伝 搬 方 向 の ず れ は 、 ウ ォー ク オ フ角 と呼 ば れ 、 高 効 率 で 波 長 変 換 を 行 う た め に は この 値 が 小 さい こ と が 望 ま れ る。 通 常 、Sellmeier方 程 式 か ら計 算 を行 うが 、、GdYCOBの 場 合 は 位 相 整 合 角 か ら0と 推 測 した 。 以 上 、 求 め たGdYCOB、 及 びYCOBの 特 性 を 表1に ま と め る 。 参 考 の た め に 、 文 献 か ら得 られ た LBO[8-10]、KH2PO、(KDP)[11]の 値 も加 え て あ る。GdYCOBは 非 臨 界 位 相 整 合 す る た め 、YCOBと
比 べ て 極 め て 広 い角 度 許 容 幅 を有 す る こ と が わ か っ た 。 温 度 許 容 幅 は逆 に 狭 い こ と が 明 ら か に な っ た 。 表1Nd:YAGレ ー ザ ー の 第3高 調 波 発 生 特 性 Materialsd 雌(pm/V)(type) Externalangular acceptancebandw圭dth △ ・θ1△ φ1 TemperatureWalk-off bandwidthangle (。Ccm)(mrad)
YCOB(1,xy)
0.52 3。2 9.7 8.5YCOB(1,yz)
0.43 5,6 G・YC・ ・(1,・)・ ・55m,蓋lm、/、m,ll濫 ・!・LBO(1,xy)
0.68 1.71 8.5 6.6 19.0 4.7 0 18。3LBO(H,yz)
0.50 5.02 3.7 9.30KDP(II)
0.35 1.58 5.2 26.55.お わ り に
紫 外光 発生 用 結 晶 ζ し傘
・Y・
一
イC・0(B9・)・
を醗
セ・ その雛
を明 勢
に し顔・ この結 晶 は繊
に
よ り複屈 折 率 が変 化 し、非 臨界 位相 整 合条 件 でNd:YAGレ
ー ザ ー光 の第3高 調 波 を尭 生 さ.せるこ とが で
き る。 そ の条 件 下 で は、 出力 強度 の角度 変 動 に対 す る安 定度 が増.し、 ウォー クオ フ角 が0で あ るため 高
効率 の波長 変 換 が期 待 で き る。 今 回 の報 告 でGdYCOB結
晶 の 波長 変換 の基礎 特 性 に つい ての み を述 べ
て き肉。、
今後 は この結 晶 を用 い.‡
二
紫 外 光源 の 開発 、評価 を進 めて い く予 定 で あ る。
参 考 文 献 1.M,Iwai,T.Kobayash童,H.Furuya,Y.Mori,andT.Sasaki,」 加.J.Appl.Phys.36,L276 (1997). 2.M.Yoshimura,T.Kobayashi,H.Furuya,K.Murase,Y.Mori,andT.Sasaki.OSATOPS Vol,19AdvancedSolidStateLasers,561(1998). 3.M.Yoshimura,H.Furuya,T.KobayaShi,K.Murase,Y.Mori,andT..Sasaki,tobepub-lishedinOpt.Lett. 4.T.N.Khamaganova,V.K.Trunov,andB.F.Dzh耳rinski,Russ.J.Inorg.Chem6,墨,484 .(1991) . 5.G,Aka,L.Bloch,J.M.Benitez,.P.Crochet,A.Kahn-Harari,D.ViVien,F.Salin,P.Cぴ quelin,andD.Colin,OSATOPSonAdvancedSol量d-StateLasers1996,Vol.1,S.A.P年yne. andC.Pollock.(eds.),p.336. 6.G.Aka.A.K昂hn-Harari,D.Vivien,」.M.Benite客,F.Salin,andJ.Godard,Eur.J.Solid StateInorg.Chem.,33,727(1996).7.C.T.Chen,Devθ1ρ ρmθnωf1>bwNヒ)η 加earqp亡fca1α75εalsfnBora重eSeが θs,HarwoodAca-demicPublishers,Switzerland(1993). 8.D.A.Roberts,1EEEJ.QuantumElectronり.28,2057(1992). 9,K.王(ato,IEEEJ.QuantumElectron.,三 壁,2950(1994). 10.S,P.Velsko,M.Webb,L.Davis,andC.Huang,IEEEJ.QuantumElectron.,27,2182 (1991). 11.D.Eimerl,Ferroelectrics,.72,95(1987).