健康
言葉
表現
人間関係
環境
養
護
○乳児保育については、生活や遊びが充実することを通して、子どもたちの身体的・精神的・社会的発達の基盤を培うという
基本的な考え方を踏まえ、乳児を主体に、「身近な人と気持ちが通じ合う」「身近なものと関わり感性が育つ」「健やかに伸
び伸びと育つ」という視点から、保育の内容等を記載。保育現場で取り組みやすいものとなるよう整理・充実。
○「身近な人と気持ちが通じ合う」という視点からは、主に現行指針の「言葉」「人間関係」の領域で示している保育内容と
の連続性を意識しながら、保育のねらい・内容等について整理・記載。乳児からの働きかけを周囲の大人が受容し、応答
的に関与する環境の重要性を踏まえ記載。
○「身近なものと関わり感性が育つ」という視点からは、主に現行指針の「表現」「環境」の領域で示している保育内容との
連続性を意識しながら、保育のねらい・内容等について整理・記載。乳児が好奇心を持つような環境構成を意識して記載。
※生活や遊びを通じて、
子どもたちの身体的・精神的・
社会的発達の基盤を培う
健やかに
伸び伸びと育つ
身近なものと関わり
感性が育つ
身近な人と
気持ちが通じ合う
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発達や学びの連続性を重視した指導の積み重ね
➡ 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
参考:0歳児の保育内容の記載のイメージ
中央説明会資料より
事例 5歳児
「おやつを配る」
[幼児の行動の変化から,資質・能力を考える]
グループで食べるおやつを買いに行ったA児は,『オットット』の菓子を買ってくる。
グループの一人ずつに,一つずつ配り始めるが,なかなか,配り終えられない。
しばらくすると,A児は,
ひとつまみずつ
,配るようになった。
幼児が「ひとつまみずつ配る」姿から
○ 一人に一つ,菓子の数と相手を対応させて配る。
○ 配りながら初めて,一箱の菓子の数の多さを実感する。
○ 一つより早く配るために,つかんで配ることを考える。
○ 配りながら,数が量に置き換えられることに気付く。
○ ひとつかみでこぼれない量ずつ配ることで,同じ量と
して捉える。
上記の学びを支えたものは
○ 自分が好きな菓子をグループのみんなも喜ぶだろうという感情
○ 配る係として役割を果たそうとする意識,責任感
○ なかなか配り終えられない気付き,葛藤
○ 葛藤する自分を受け入れて待っていてくれる友達の表情,友達関係
○ 待っていてくれる友達の気持ちから,考えを巡らす時間,折り合い
○ 配り終えた満足感,自己有能感,自己肯定感
③学びに向かう力・人間性等
(非認知的能力)
資質・能力
①知識・技能の基礎
自分に関係の深いおやつの場面から,
配る係としての必要感から,
数や量を実感して捉える。
②思考力・判断力・表現力等の基礎
自分の感覚から予想して,
もっとよい方法を考える。
配り方を試す。 よい方法だったか
判断する。
幼児が考えたり判断したりできるような機会(買い物や係)を意図的に計画した教師の援助や環境の構成
参考 事例1
事例 5歳児
「虫の展示館ごっこ」
[幼児の「閉館」の言葉から資質・能力を考える]
・・・・略・・・・ A児たちは,先生や友達と一緒に作った展示館のケース(つもり)から,自分で作った虫を取り出
して,お客さんに見せたり,虫同士を戦わせたりしている。・・・・・・・・・・
A児が「閉館」と言うと,一斉に虫たちがそれぞれのケースに戻っていく。 ・・・・・・略・・・・・
幼児にとっての「閉館」の意味・学びは
○ 「へ・い・か・ん」という言葉の響きのおもしろさ (感覚的)
○ いつも使う「お休み」とは違う,新しい言葉への興味や関心
○ 「閉館」の意味を知り,語彙が増え,活用するうれしさ
○ 友達とイメージが共有でき,行動を共にできる一体感,楽しさ
から,「閉館」の意味を実感する。(深い学び)
○ 「閉館」と発したことで,自分の言葉が他の幼児に伝わるうれしさ
○ 自分と折り合う・・・遊びの経過と見通しからの切り替え(調整力)
○ 他の幼児と折り合う・・・閉館を合図に行動の共有 (調整力)
○ 「閉館」と言うことで,遊びの展開の変化 (創造力)
上記の学びを支えたものは
○ 虫への興味や関心,展示館の発想,いろいろな虫や生態への探究心
○ 自分のできること,得意なことを生かす(自己発揮できる)場や時間 持続力
○ 興味や関心のある遊びを通じて,つながりを深めてきた友達関係
○ 「閉館」という新しい言葉など,自分に関わりの深いことへの好奇心 等
③学びに向かう力・人間性等
(非認知的能力)
資質・能力
①知識・技能の基礎
興味のある遊びに関係の深い
言葉の理解・語彙の豊かさ
②思考力・判断力・表現力等の基礎
様子に応じた言葉の活用・表現の
タイミングの判断・切り替え
幼児の虫への興味,「展示館」の発想を生かして遊びが展開できるようにする教師の援助や環境の構成
参考 事例2