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環境経営の戦略展開--環境世紀へ向けた未来展望---香川大学学術情報リポジトリ

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香 川 大 学 経 済 論 叢 第72巻 第4号 2000年3月 49-72

環境経営の戦略展開

一環境世紀へ向けた未来展望-原 田

環 境 ・ 社 会 ・ 精 神 の 統 合 さて,今やエコロジー運動の側面からの環境問題への対応が地球規模での急 速な高まりをみせており,企業経営においても環境経営への本格的な取り組み を行うことがいよいよ避けて通れなくなる状況に遭遇している。そして,まさ に環境世紀ともいわれる

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世紀を迎えるにあたり,我々のエコロジーに対する 取り組みはますます大切になりつつある。そこで,我々人類がこのきたるべき 環境世紀において生き抜いていくには,確固とした未来展望を持つことが強く 要請されることになる。 そのために,まずもって行うべきことは,多様にそして個別に行われている 環境問題への取り組みを,いわば

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つの大きなパワーへと結実させていくこと である。これはすなわち,フエリックス・ガタリのいう人間総体の問題として エコロジ}問題を捉える観点が不可欠であるということを意味している。ガタ リによれば,現在のエコロジーの危機は,社会的なもの,政治的なもの,実在 的なものというような広範にあたる危機であるとの認識が不可欠である。それ は,現在進行しているデジタルソサエティ化が,必ずしも我々の精神的なあり 方を安定的なものにしないことを意味している。 こう考えると,ガタリのいうようなエコロジーの拡大解釈を行うことが環境 経営に効果をもたらし,同時に政治まで含めた実践的なパワ}の行使が環境経 営に効果をもたらすことになる。これこそが,じつはガタリのいう 3つのエコ ロジーであり,まさにエコゾフィーということになる。さて,彼のいうところ

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のエコゾフィーとは3つのエコロジー的な作用領域のことであり,具体的には, 第1に環境,第2に社会的諸関係,第3に人間的主観性, という 3つである。 そして,成人が真に環境問題に関わることの意義については,これらの3つの 倫理一政治的な接合を不可欠なものにしていることである。 それは,すなわち 21世紀のエコロジー運動の推進においては,統合的な視点 を持ったビジョンの形成と徹底した行動計画に裏付けられることが大切である ことを意味している。そうなると,ここで議論するエコロジーについては,ま さに環境,社会,精神の総体にかかわる地球や人類の根本に刺さり込んだ深い 視点が必要であるとの強い自覚が不可欠になる。そこで,このような観点に立 脚して,本稿においてはきたるべき環境世紀に向けた環境問題の未来展望を試 みることにする。 第1は,共生を志向するエコパラダイムについてである。ここでは,きたる べき環境世紀には,それにふさわしいパラダイムの確立が不可欠であることを 述べている。それは,環境経営を行うにはまさに企業経営における明確なビジョ ン形成とビジネスシステムの確立を行うためのパラダイム革新が不可欠だから である。 第

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は,環境世紀に向けた戦略対応についてである。ここでは,実際に環境 経営に取り組むにあたり考慮すべき基本的な事項への対応、方法について述べて いる。そして,環境経営を実践する際における法的側面や評価側面の仕組みを 確立することの重要性について特に力点をおいて述べている。 第3は,ベンチャーとして環境ビジネスについてである。ここでは,環境経 営を実践するにあたり,あくまでもビジネスペースでの展開に拘ることを強調 している。それは,ベンチャーは環境ビジネスをビジネスとして成功すること で,はじめて環境に対してポジティブに関われることの強調である。

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共生を志向するエコパラダイム

2..1 本来の人間主義における意義 さて,以上の言説できたるべき環境世紀に臨むべき基本姿勢が理解できたと

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1247 環境経営の戦略展開 -51ー 思われるが,ここにおいては環境世紀を生き抜くためには一体どのようなパラ ダイムを確立すべきかについて考察を加えてみる。これは,取りも直さず前提 になることはまさに自然と人間の共生を追求することであり,例えば合田周平 によれば,これはエコパラダイムと呼ぶべきものである。なお,我々がこのヱ コパラダイムの提言から学ぶ、べき点は,概ね以下のように要約することができ る。 旧くは論語において,すでに孔子がエコパラダイムについて言及を行ってい ることは周知のとおりである。合田によれば孔子のいう命とはいのち,仁とは それを育む力,言い換えれば気の充満した自然環境のことを意味していた。そ して,この双方の共生により自然のエコロジーが成立しているのである。その 意味では,命とは,そして仁とは自然界のエコロジー形成のインフラと考える ことができる。 このエコパラダイムとは,我々の個から集団にいたるいわば文明社会による 従来の人間活動の「場」を本来のあるべき姿にリストラクチャリングするため に不可欠な基本思考であり,それは,結果的には以下の

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点に集約することが 可能でおある。 I点目は,エコパラダイムでは日常的な人間活動のあらゆる領域とレベルに おいて地球規模の自然環境を身近に実感し得るような共通の理念と規範が求め られる。そして,我が国はもとより国際社会での政治や行政において,それを 基盤とした具体的なライフスタイルへ取り組むことが課題となりはじめてい る。 2点目は,エコパラダイムでは経済的な側面においても,それぞれの産業活 動のなかで自然環境との調和を重視している。しかも,次第にサスティナブル な経済の反映を目指した産業構造を構築することが課題になりはじめている。 3点目は,エコパラダイムではサスティナブルな経済成長を支える産業活動 のベースとしての科学・技術の研究開発が最重点、の課題になっている。そして, 文明新時代のためには,多少の便益を抑えてもまさに自然環境とどこかで調和 する文明環境を実現することが必要になっている。

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4点目は,エコパラダイムでは文化的・精神的な日常のライフスタイルにお いて,それぞれの感性に基づいた個性のある生活の質が重んじられる。そして, 特にこれを重んじる生活文化とアメニティを実現することが望まれている。 以上の4つの側面はすべて自然に焦点を結んでおり,論理面では,物理界の エントロピーの法則と自然界のエコシステムである共生現象をいかに調和させ た産業システムを構築しうるかという課題が生じている。つまり,これからの 自然環境については,かつての文明活動のように自然が一方的に人間のするが ままに従属させられているような,まさに人聞が破壊,変貌,消失が思うがま まに,いわば自然はただ利用されているだけの対象として考えられなくなって いる。 さらに合田は,これらの 4つの側面を照らし合わせながら,以下のような人 間活動の端におけるリストラクチャリングの基本になる論理の提言を行ってい る(図表-1)。 図表ー1 人間活動の場におけるリストラクチャリング r 、 , 、 , 一一一ーーーーーーーーー一一ーーーーーー・---一一ーーーーーーー可F一一白血ーーーー--一一一ーーー'

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点目は,政治的側面を捉えたエコポリティクスについてである。例えば, 対立する

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大国の時代が終駕した後の国際秩序を模索するような場合には,対 立さえも内在させた共生現象のプロセスはおおいに参考になる。

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点目は,経済的側面を捉えたエコエコノミーについてである。経済活動の 基盤が大きく変化すると,例えば従来の枠組みである統計的な数値に依存した 官庁型経済は敗退し,人間本来の感性などを考慮したより自然でエコロジカル な相関にある感性型経済になる。 3点目は,技術的側面を捉えたエコテクノロジーについてである。 これは, 例えばサイパネティクスやフィードパックの考え方がマクロな領域で重視され ることなどである。 これは,例 それぞれの感性を発揮しうる社会や都市づくり,快 4点目は,生活的側面を捉えたエコアメニティについてである。

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-環境経営の戦略展開 1249 えば身近な生活のなかに, 適な室内気候をも実現することなどである。 風景を読み解〈力 2,2 ここでは環境をいわば全的な風景として捉える環境観について若干 続いて, の考察を加えてみる。かつて,世界的に著名なエコロジストのポーノレ

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シアー ズは,環境が人類の課題として取り上げられた初期の噴,すなわち

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年代に エコロジーを考えるにあたりまずもって風景を読み解く力が大切であ ると述べていた。 このシアーズによれば,我々は風景と一連托生なのである。彼によれば,我々 の周囲の風景は,人間の天才の生みだす最も高貴な作品とも比較されるほど, おいて, この風景はただ眺められるもの 言い換えれば理解し解釈すべきものである。我々は, 風景の不可分な一部であるとともに,風景もまた同じくらい我々の一部である。 だからこそ,我々は風景と一連托生の宿命であって,したがって自然が最終決 無限の多用な興味と問いかけを与えてくれる。 というより以上のもの, 定権を握っているのだが,同時に現代の人聞は自然の死活を制するだけの力を 持っている。 シアーズによれば,風景それ自体に関してはその諸形態や被覆を理解 また, するだけでは充分ではない。すなわち,彼によれば風景というものをいわばエ エネルギ一保存 じつは, ネルギーの流れのー顕現としてみなければならない。

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に関する諸法則は,エンジン類の設計や,動力の輸送や使用一般に適用される と同様の的確さで風景にも適用されている。なお,ある風景の健康さつまり風 景の生命維持能力というものは,まさに太陽エネルギーの受け入れから不可避 的な消散までの聞に,それが利用される効率によって測られている。 これは,シアーズによれば風景をいわばエネルギーの現れとしてみる観点に 立脚した考え方なのである。これによれば,ある文化のもつ能力や圧力が増大 するにつれて,このような破壊の危険もまた増大することになる。そこで,我々 をも一構成要素としている風景を基本的な物理法則に基づいて観ずることを学 ばないかぎり,我々もまた同じ危険のなかにおかれてしまう。そこで,もしも 我々が我々の生活を支配している有力な科学技術関係諸機関に何らかの影響を 与えようとすれば,例えば自然保護はまさにそのように理解され表現されるこ とが大切なのである。 2引3 ガタリによる横断性の概念 さて,今後の環境世紀を迎えるにあたり,合田のいうエコパライム獲得の必 要性や,シアーズのいう環境と人間との関係形態を充分踏まえたエコロジー的 なアプローチを行うことが大切である。ここでは,このような課題を最も反映 したモデルとして,前述したガタリが主張する横断性による関係について,特 に訳者の杉村昌昭に依拠しながら考察を行ってみる。この考え方は,ある意味 では共生という関係をあらわしたものと考えてもよい。 ガタリ自身,自らのことを横断性の専門家と規定しているが,横断性とはい わば精神分析と制度分析との交錯から生まれた彼独自のコンセプトと考えられ る。一般に,社会的な諸制度の中において,人間関係は形式上では垂直関係か 水平関係に線引きされる。しかし,実際には,この

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者の間に横断的にいわば 斜線で結ぼれるような無数の関係が内在的に存在している。 この横断的斜線とは,すぐれて無意識的なレベルの結合線である。そして, ガタリにおいては,この無意識的な目にみえにくい結合関係の諸様態を究明し, さらにそれをいわば社会的遺伝子操作にみたてて組み替えをはかり,もっと新

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1251 環境経営の戦略展開 -55-しい集団的主体を確立しながら世会と人間の変革を目指している。 なお,この横断性において,ガタリは以下のことを強調している。例えば, 手段のなかにおける横断性とは,ピラミツド型の階層秩序化を促す構造に逆行 すると同時に,それを補足するディメンションであり,またメッセージを不毛 化する伝達様式に逆行すると同時に,それを補足するディメンションでもある。 ここでいう横断性とは,じつは集団の無意識的主体の存在する場所であり,そ の主体を樹立する客観的な法則を超えた悲願なり集団の欲望の支柱に他なら ない。 さて,これらのことから理解できることは概ね以下のようなことである。す なわち,横断性という概念は,一義的に反体制二革命の根拠として想定されて いるのではなく,常に権力と反権力の相反するベクトルを含み持つ両義的な場 として想定されている。そして,それがどちらに向かうかはひとえに欲望の質 いかんによっている。すなわち,ガタリによれば一般に形式上では垂直関係も しくは水平関係に線引きされている人と人との関係の磁場にいかなる欲望を負 荷した横断的斜線を浮上させることが可能か,これこそが社会的諸関係の改変 の鍵を握っていると考えられる。 そして,その場合に権力による上からの横断性の現実化に与するのではなく, 抑圧された集団的無意識の主体化をはかりながら下から権力,制度に向かつて 横断性のフィールドを拡張していくことが,まさにガタリの理論なのである。 3 環 境 世 紀 に 向 け た 戦 略 対 応 3" 1 環境経営に向けた条件整備 さて,環境への配慮がまさに地球的な課題になり,そのため前述のエコパラ ダイムこそが

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世紀の社会を規定することが予見される。そうなると,経済セ クターにおいてもいよいよ本格的な環境問題への取り組みが行われていく。す なわち,このことは,じつは環境問題が国民的総意として展開されることを意 味しており,そのため,これは法的な裏付けのあるものとして展開されていく。 そこで,以下において,中小企業金融公庫の調査による我が国の大企業の環境

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対策について若干の考察を行ってみる。 企業が環境対策に深くコミットしはじめたのは,たんにエコロジー的なアプ ローチが倫理的に望ましいと考えただけではなく,同時にエコロジー的アプ ローチを行うことがマーケティング面で有利になる時代が到来したことを意味 する。じつは,これこそが環境世紀の最大の特徴なのでもある。すなわち,こ れは企業経営においてもビジネスの直接的な目標として環境経営を設定しうる 可能性が高まってきたことである。こうして,我が国の大企業のなかにおいて は,急速に本格的に環境経営に取り組む気運が高まってきている。そうなると, これらの大企業と深い関係にある中小企業においても,また環境問題に対する 取り組みのネットワークの中に必然的に組込まれていく。 それでは,このような環境対応が企業経営において一体どれほど不可避であ るかを,特に近年の法的な整備状況から押さえてみることにする。それらは, 具体的には,第1は前倒しの予防的規制の実施,第2は社会システム変更のた めの法整備,第3は責任主体の考え方の変化,第4は情報開示への要請の高ま り,という

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点である(図表

-2)

。 図表-2 環境経営に向けた法的対応の体系 環境経営における法的対応

仁二コ

第1の前倒しの予防的規制の実施からは,以下のような傾向を読み取ること ができる。これには,具体的にはフロン,ベンゼ、ンや環境ホノレモンに関連する 動きを代表的なものとしてあげられる。それは,地球環境にかかわるものは被 害や事故が発生してからでは遅すぎるという認識に基づいている。また,昨今

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1253 環境経営の戦略展開 -57-確実に国民の環境問題に対する関心が高まっており,その意味でも,前倒しの 予防的措置は時期をえた的確な判断であると思われる。 第2の社会システム変更のための法整備からは,以下のような傾向を読み取 ることができる。これは,法制化の目的が変化したことを意味している。すな わち,これは,特定物質を指定して使用または排出を規制する直接的なものか ら,次第にリサイクノレ法や省エネルギー法などのような担会システムを変更す るものに移行していることである。例えば,鉛の使用制限や梱包材の見直しな どの動きは,リサイクル法という規制を受けての間接的な対応である。このよ うに,間接的に対応すべき法制度改正は非常に増えていることが,まさに昨今 の特徴なのである。 第3の責任主体の考え方の変化については,以下のような傾向を読み取るこ とができる。 このようなことは, 1972年にOECD(経済開発協力機構)から提唱された国 際的な環境政策の原理である

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の考え方が変化 したことに端的にあらわれている。

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つ目の変化は,これまでの

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の考え方が直接経費(とくに健康被害)を 及ぽす物質や排出量について適用されていたのに対し,現在では,これがより 広い意味から適用されつつある。これは,すなわち汚染に限らず例えば廃棄物 を利用することや天然資源の利用などの環境利用にも負担を求めていく動きで あり,いわゆる環境コストの内部化と表現されるものである。

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つ自の変化は,拡大製造者(生産者)責任

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の流れである。これまでのメーカーが製品について責任を負う のは消費者サイドでの使用段階までであり,そのため使用済み製品を引き取り, そして処分するのは自治体の責任であった。しかし,拡大製造責任においてメー カーの責任範囲は,回収,処理,再資源化まで拡大されている。例えば,すで に施行されている容器包装リサイクル法や,

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年から本格的に施行される家 電リサイクル法については,この拡大製造者責任の原則に基づいている。 第 4の情報開示への要請の高まりからは,以下のような傾向を読み取ること

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ができる。現在,我が国でも展開されようとしている PRTR(環境汚染物質排 出・移動登録制度)は,環境汚染の可能性を持つ化学物質を取り扱う企業に対 し,その排出や移動についての情報を登録させる制度である。このような情報 開示の方針が急がれる背景には,以下のようなことが考えられる。 1点は,近年の環境問題が複雑化し,因果関係の解明や問題の予測が不可能 である。例えば,環境ホルモンの問題において,可能性のあるすべての膨大な 量の物質すべてに規制をかけることは現実的ではない。そこで,まず情報開示 の体制を整え,問題が生じた場合には速やかに対応するという考え方が現実的 であると思われる。 2点は,企業活動にとって環境問題が重要性を増しているため,企業の成長 性や社会性, リスクなどを評価する際,その企業の環境とのかかわりに関する 情報が不可欠になる。このような観点から,実際に現実にグリーン・コンシュー マー・インベスター(環境にやさしい消費者・投資家)などが増加している。 また,このような考え方は,就職を考える人,融資を判断する銀行,企業を誘 致する地域住民などにみる広範な人々から強く支持されている。 3..2 企業における環境経営の戦略対応 以上のような法整備の状況やグローパルな制約条件への対L応もあってか,昨 今では,企業は大企業のみならず中小企業に至るまでが環境経営への戦略対応 が急務の状況である。そこで,昨今企業において取り組まれている環境経営戦 略について,野村総合研究所の田中宏二郎と佐伯隆によりながら若干の展望を 行ってみる。この田中と佐伯によれば,各企業は環境経営に鋭意取り組んでい るのだが,それはまさに循環型産業や社会の実現へ向けた取り組みとしての展 開である。 このいわば環境循環型産業や社会への転換とは,じつは従来の企業の行動規 範を根本から転換させるものである。すなわち,このことは経済効率性一辺倒 から環境効率化を考慮した複合的な価値観が不可欠になることを意味してい る。すなわち,それは廃棄物を再利用するだけではなしまさに原材料から加

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1255 環境経営の戦略展開 59 図表-3 循環型経営に向けた企業の行動規範 循環型経営 ー 、

G~1jih~

工,生産へ,そして流通から消費の各プロセスにおける省エネ,省資源や再利 用,再資源化の推進が重視されるからである。 このような状況下で,企業戦略についても環境経営を基軸にしたものに転換 し,循環型サイクルの確立のためには力点をおいた対応が行われている。そし て特に,商品開発戦略やマーケティング戦略の再構築が重点課題になっている。 このように,各企業においては,いよいよそれぞれのスタンスで環境経営につ いて本格的に取り組みはじめたところである。そして,これらの取り組みにつ いては,概ね以下のような4点に整理ができる。すなわち,第 1はグリーンマー ケティング戦略,第2は環境リスクへッジ政策,第3は資源生産性の向上によ る環境対応革新,第4は環境新事業の開拓,という 4点である(図表-3)。 第

1

のグリーンマーケティング戦略とは,環境にやさしい,すなわち環境負 荷の小さな商品やサービスや,リサイクJレを考慮した商品を提供することなど を推進するマーケティング戦略のことである。 第

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の環境リスクへッジ政策とは,例えば地下水汚染や土壌汚染などの表面 化によって将来巨額の負担を迫られる,あるいは企業イメージが低下するとい うようなリスクを未然に防止または削減するための施策である。 第3の資源生産性の向上による環境対応革新とは,例えば生産,物流方式の

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改良や材料の代替などによって省資源,省エネ,環境負荷の低減を実現すると ともに,費用対効果の優れた商品供給を可能にすることで競争力を高める手立 てを積極的に推進することである。 第 4の環境新事業の開拓については,環境問題に対応する施策や手段を商品 化したり事業として推進したりすることにより,今までにないような新たな収 益を獲得していくことである。 また,環境経営を志向するためには,経営管理制度のなかにその枠組みを構 築することが不可欠になる。これについては,田中と佐伯は以下のような環境 保全要素を折り込んだマネジメントの必要性について強調している。この環境 保全要素については,環境効率化と環境保全の

2

つの要素から成立している。 そして,大切なことは,これらの

2

つの環境保全要素を経営管理の

2

つの局面 において確実に組込むことである。なお,この

2

つの局面とは,具体的には, 第lは意思決定局面,第 2は組織の管理局面,という 2つである。 第

1

の意思決定局面については,企業家における重要な局面,例えば製品設 計や開発,設備投資などで意思決定を行う際に環境保全要素を折り込むことで ある。 第

2

の組織の管理局面については,各事業部,各部門,各社員が実施する計 画から実施,成果評価サイクルのなかに環境保全要素を折り込むことによる自 律的な環境保全活動の誘発である。 このためには,確固とした経営としての環境マネジメントの枠組みを持つこ とが大切になる。この環境経営の枠組みについては,概ね以下のとおりである。 すなわち,第1に環境保全,環境負荷削減のための活動管理システムである環 境マネジメントシステム,第 2に環境会計マネジメントシステム,第 3にそれ らの仕組みから得られる環境保全や環境への配慮に関する企業の対応状況を外 部に報告する環境ノfフォーマンス報告,という

3

つから構成されている。ここ で重要なことは,環境問題への透視や経費を受け身のコスト負担としてだけか ら 捉 え る の で は な し 第1に新しい商品価値を生みだす,第2に競争力を強化 する,第

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に将来のリスクを回避する,ということを目的にすることが大切で

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1257 環境経営の戦略展開 -61ー ある。

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3

環境格付け時代への準備 WEDGEによれば,このように我が国企業においても本格的な環境経営に取 り組みはじめているが,その背景には,我が国においても環境格付けが企業の 命運を握る日の到来が現実になっていることが読みとれる。これは,いわば環 境格付けの取り組みの状況によって企業に点数を付けるものであるが,これは 社会貢献などを競う企業イメージランキングとは根本的に異なるものである。 それは,環境格付けは欧米においては環境格付けが実際に株価を左右しており, 資金調達の条件にも影響を与えるからである。 そこで,我が国においても導入が予見されている,いわば資金調達から保険 料までが格付けによって決まりがちである環境格付けについて若干の考察を加 えてみる。じつは,昨今では個人投資家を対象としたエコファンドが企業対象 の商品としても多大な人気を集めている。それは,このエコフアンドが地球環 境の保護に協力する満足と高い運用成績の同時実現が可能な商品として期待が 大きいからである。こうして,次第に確実にエコファンドに巨額のマネーが流 れ込む時代が到来しつつある。 このような状況を踏まえて,環境保全の取り組みを定量的に評価する環境格 付けが登場したわけである。例えば, WEDGEによれば,日興エコフアンドに おいては全上場,公開銘柄約

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社から株式投資の基準で約

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社を選定し, さらに続いて環境配慮席の視点、で半分の約

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社に絞り込みを行っている。そ して,その上で,株価の割安感などを勘案しながら,最終的には,約

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社から

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社ぐらいを選定する仕組みが運用されている。 それでは,企業にとってエコフアンドに組み込まれるということは一体どん な意味を持っているか。それは,昨今の事例からは,これが間違いなく株価の 上昇に貢献していることが理解できる。例えば,WEDGEによれば,イトーヨー カ堂がスイスの大手銀行のUBSのエコファンドの対象銘柄に選定された際に は,株価が翌日には

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円高,さらに翌々日にはさらに

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円高になったこと

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でも明らかである。実際に,この

UBS

のエコファンドにはトヨタ自動車台,ソ ニーなど日本企業は9社が含まれている。また,このようなことは逆に環境対 策で出遅れた企業にとっては通常の株式投資においても,まさに圏外におかれ てしまうというリスクが発生することを意味している。それは,もしも環境投 資を行わなければ,近い将来,いずれは大きなコストがのしかかることが明ら かだからである。したがって,現在ムーディーズやスタン夕、}ド・アンド・プ アーズ(S&P)の信用格付けが株価を大きく左右しているように,今後は環境格 付けもまた企業の命運を握る可能性が強まりつつある。 WEDGEによれば,米国ではカウンシル・オン・エコノミック・プライオリ ティーズがA,B, C, D, Eの5段階での環境格付けの公開を行っている。 これによれば,例えばIBMはA,ジェネラJレ・モーターズはB,モトローラは Cというような評価を下されている。最も評価の高い企業の一つであるIBM においては,明確な環境ポリシーと管理システムを持っていることと環境負荷 低減の目標と実現の過程が公表されていることが,その評価を高める要因に なっている。なお,環境格付けが影響を与えるものは,今日では何も株価だけ ではない。例えば,銀行が融資の見返りに企業から担保不動産をとっても,そ こから土壌汚染が発見されれば担保価値は急落し,銀行は新たな不良債権を抱 えることになる。したがって,銀行においても,融資の審査には取引先企業が 抱える環境リスクを冷静に判断する目が問われている。 また,環境規制はますます厳しくなる一方で,次第に消費者や地域住民が環 境を切り口にして企業を選別するようになる。そこに,さらに環境格付けが広 がれば,環境対策に手をこまねいてきた企業などは投資や融資さえ受けられな くなるだけでなく,保有不動産の切り繰りさえもできなくなる。すなわち,昨 今,まさに信用格付げが企業を淘汰に追い込んだ、ように, 21世紀には環境格付 けが企業の競争力を大きく左右する時代になることが予見できる。

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ベンチャーとしての環境ビジネス

4,,1 中小企業が担う環境新産業

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1259 環境経営の戦略展開 図表-4 中小企業の環境新事業事例 ----一ーーー一一ーー『ー『九、i 三和建材 環境保全サービス 63-日本環境保全 環境への関心が地球的な規模で高まりをみせはじめると,環境を捉えたビジ ネスによる新市場が形成されてくる。また,そのため技術開発もおおいに促進 され,技術オリエンティッドなビジネス形成が多面的に展開されてきた。すな わち,今や国際的な環境に対する関心の高まりをフォローウインドにしながら, 国際競争力のあるビジネスの登場がおおいに期待されている。なお,このよう な事業開発はじつは中小企業においても容易に取り組めるものであり,すでに 多くの成功事例が現出している。そこで,月刊中小企業が取り上げている多く の成功事例のなかから,特に4つの事例について簡単に紹介を行ってみる(図 表- 4。) 第

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の成功事例はペットボトルの再生に成功した山本製作所である。これは 再生ペット樹脂の成形技術の事業化を試みたものである。すなわち,ここでは 使用済みペットボトルをプラスチック製品にリサイクルする独自の射出成形法 によって商品開発へと結びつけている。これらの商品は今話題の

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円ショッ プ向けのプラスチック商品であり,最初に開発したものは風呂いすであった。 そして,この成功によって,第

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弾として洗いおけ,第

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弾としてブックスタ ンド,の発売へと業容を拡大している。 第

2

の成功事例は,廃プラや古紙の型枠を開発した三和建材である。これは, 廃プラ,古紙というリサイクルを行わないと環境に悪影響を与えることが明白 なものをビジネスとして成立できるように改善する試みである。このような着 眼点を持って,三和建材では廃プラと古紙を原料にした板材であるエコパネル を開発したのである。このエコパネルはコンクリート打設の型枠として利用さ れるもので,環境対策,リサイクノレ,コスト削減を狙った商品であると考えら

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れる。なお,特に注目すべき点は,このエコパネルが,合板性型枠と比較して 力学的特性や耐久性が優れていることである。 第3の成功事例は,廃ガラスの舗装材料を開発した環境保全サービスである。 これは,廃ガラスをリサイクノレする装置である乾式ガラスリサイクル装置であ るクラッシュセパレーターを開発し,商品化することでビジネス化へ挑戦した ものである。具体的には,この装置を使うことで,道路の舗装材料に活用しよ うとするもので,今後は容器リサイクノレ法をフォローウインドにすることで大 きな期待が寄せられる領域である。また,環境保全サービスでは,すでにこの 技術を応用することで,焼却灰溶融スラグをコンクリート二次製品などにリサ イクノレするシステムの開発にも成功している。 第

4

の成功事例は,焼却灰処理の超小型溶融炉を開発した日本環境保全であ る。これは,ごみ焼却炉からでる焼却灰の処理を低コストで行うべく開発され たものである。この焼却灰溶融炉は,排ガス処理に新式のシステムを導入して おり,熱交換機,サイクロン集塵機,洗煙ブロアーなどを備えている。じつは, この領域に日本環境保全のようなベンチャーが参入できたことは画期的なこと なのである。 これらの事例にみる成果からも,たとえ技術オリエンティッドな事業開発に おいても,中小企業に多くのビジネスチャンスが見いだせるのが環境ビジネス なのである。環境問題が世界的な課題になり,これへの対応が不可避になった 現在,少数の大企業だけで膨大なニーズを吸収することは困難である。とりわ け,生活や企業活動からでる紙やプラスチック,そしてガラスなどの廃棄物の 再生や再利用の分野では,中小企業が大企業に対して優位性を持てる領域とし ておおいに期待が寄せられる。

4

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環境企業のアライアンス さて,環境ビジネスは確かに中小企業でも取り組める産業領域であるが,そ れでも個別企業の力だけでは限界がある。そのため,仕組みによってより効果 的な対応を行おうという環境企業連合が推進される。そこで,ここでは最も新

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1261 環境経営の戦略展開 65 しい環境ビジネスの潮流であるアライアンスの先行事例について,日経ビジネ スから以下の 4事例についての紹介を行ってみる(図表 5 。) 図表-5 環境保全事業のアライアンス事例

関荷庖 第1は,処理業者を組織化することでサービスを均質化したリーテムの事例 である。このリーテムは,一言でいえば廃棄物をリサイクルするリサイクノレの コンビニヱンスストアである。このリーテノレは,同業者 27社を組織化して全国 規模のリサイクルネットワークである

J

.

RIC (ジェイ・リック)を立ち上げて いる。その狙いは,全国どこでも,同様のサービスを同様の条件で受け付けよ うとするものである。この

J

.RICにおいては,一本の窓口で全国にある支社工 場など顧客企業のすべての事業所の廃棄物を一定の水準で請け負い,これに よって排出企業の利便性を高めることを狙っている。ここでの動きは大手企業 へも多大な影響を与えることになり,すでに日本通運とのアライアンスも成立 している。すなわち,これは使用済みのたばこ自販機を日通が回収し,そして

J

RICのネットワークに乗せるサービスである。 第2は,ペットボトルの再利用品を多様化することに成功した根来産業の事 例である。これは,カーペットメーカーの根来産業がペットボトルの再利用ビ ジネスを展開するにあたり,大手商社のトーメンのパワーを借りながら,グン ゼ,クラボウ,シキボウなど繊維や衣料品の大手が参加して,エコスマイルグ /レープとして組織化されたものである。根来産業は,ゴミ回収業者や自治体な どからペットボトJレを回収し再生ポリエステル原綿に仕上げ,自社でカーペッ トの製造を行っている。そして,同時に,この原綿をトーメンが買い取り,他 のメーカーに卸して多様な衣料品に仕立てる仕組みが確立している。このネッ

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トワーク効果は次第に高まっており,例えばシキボウにおいては,再生綿に対 して静電気防止機能や抗菌抗臭機能を付加する技術を開発している。 第3は,ガラスサイクlレ関連会社によって設立されたネットワーク企業であ るクリスタノレクレイの事例である。これは,従来では再利用できずほとんど埋 めたてられていた色っき瓶などの廃ガラスのリサイクjレによる事業化の成功事 例である。ここでは,飲料メーカーなど使用済みガラスの排出企業,ガラスの 回収企業,タイルメーカーなどの再資源化や再商品化企業,建材メーカー,建 設業者などの再使用企業が株主になっている。すなわち,ここでは,ガラスの 再生に不可欠な機能が株主のネットワークという形態でできあがっている。な お,株主には

TOTO

INAX

,日本電器硝子,川崎重工業などがあり,ここで は共同事業の模索も多面的に行われている。 第4は,企業の遊休地を使い燃料工場を全国に展開する関商庖の事例である。 これは,関商庖が石川島播磨重工業と共同して開発した廃プラスチックと古紙 を原料にした

RPF

と呼ばれる固形燃料の知多イー・アンド・エムが展開する製 造ラインである。この関商庄は,通産省から

RPF

製造業者として認定されたの を契機にして,

RPF

のフランチャイズチェーンに取り組んでいる。関商庄では, 大手企業との連携により建設許可を容易に入手できることを考えつき,これに よって拠点拡大が困難な製造拠点の拡大に成功した。 このように,元来環境ビジネスは中小企業でも展開できるビジネスであるが, 今後の本格的な展開に向けでは事例の

2

社だけではなく,同時に大企業も含め た多重的なアライアンスの推進が効果を発揮することも期待されている。すな わち,環境世紀といわれる 21世紀を見据えた戦略対応が,巨大市場において事 業を展開するには不可欠な対応であると考えられる。このように,中小企業が ネットワークの確立によって,環境ビジネスのイニシアチブを確立することも けっして夢ではない。 4 3 エコロジーとエコノミーの両立 環境世紀の到来とは,環境ビジネスがビジネスとして競争力を保持している

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1263 環境経営の戦略展開 F O ヴ'' ことが条件になることを意味している。それは,環境に取り組むことが利益を 生みだすことであり,また環境に取り組むことで,そうしない場合よりも多大 な利益が獲得できる時代が到来することである。このような時代においては, エコロジーを標梼するだけでは不十分であり,エコロジーとエコノミーとの両 立が望まれる。そこで,以下において,日経ベンチャーから黒住沙織のいう主 婦を動かす環境マーケティングについての紹介を行ってみる。 現在,確かに環境意識の高まりに注目して,エコロジーに配慮した商品やサー ビスの開発を行う企業が増大している。しかし,消費生活の中核をなす主婦層 は単にそれだけではけっして満足してくれない。彼女たちに納得してもらうた めには,じつはエコロジーとエコノミーが両立することが不可欠である。言い 換えれば,エコロジーを訴える前に,まずエコノミーであることが必須の条件 なのである。このような観点から,以下のような

2

つの成功事例について若干 の考察を加えてみる。 第

1

は,茨城県の開発型ベンチャーである夕、イキョウが開発した抗菌まな板 であるバルトについての事例である。このパノレトは,じつは定価が8,000円と 普通のまな板の約

4

倍に設定されている。しかし,これが,何と年間10万枚も 売れているそうである。それは,価格を超えたメリットが主婦層に充分理解さ れたからに他ならない。それは,このバルトにおいては一生使える抗菌まな板 を実現されたからである。すなわち,これは抗菌剤をゴムと樹脂に塗り込んで 熱加工しているため,年に数回ヤスリで表面をこすれば新しい面が表れ,その ため抗菌効果が持続するわけである。また,これに加えて,夕、イキョーでは長 年使ったまな板を再生加工する独自の保証制度の導入を伴っている。これは, 10年たってきずや汚れが目だってくると 3割引きの価格で新品同様に再生加 工して送り返してくれるシステムである。このように,元がしっかりとれる仕 組みをセットしであることで,まさにエコロジー商品がビジネスとして成立す るわけである。 第

2

は,岩谷産業の子会社であるカセットフーにおける省エネ安全コンセン トについての事例である。これは,実際にカタログ通販で

1

万セットも売れた

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ビジネスである。これは,テレビなどの待機電力の無駄をなくすいわゆるアイ ディア商品で,家電製品のコンセントを同商品用ソケットに差し込むと,個別 に電源の入りきりが行える。これを使えばコンセントをいちいち抜く手聞が省 けるうえ,電源が入っているとスイッチが点灯するので切り忘れを防ぐことが できる。なお,この商品を販売するにあたっては,第3者の客観的なデータて、 コストセービングの金額を裏付けることが行われた。こうして,データから待 機電力が年間8,000円分あること証明してみせたわけである。そして,このよ うなことを行ったために疑い深い主婦層からの強い支持を受けることになっ た。 さて,これらからエコロジーマーケティングの方向性が理解できたはずであ る。大切なことは,単に理念だけではビジネスは成立しないためで,顧客に支 持されるための真のメリットが存在することが不可欠なのであることを十分理 解すべきということである。そこで,黒住沙織のいう,以下に述べるエコエコ 主婦攻略の7ヶ条が環境ビジネスにおいてはおおいに意味を持つことになる。 ①環境に便乗はすぐに見破られる。 ②主体的に動く客は多くても三割程度と心得よ。 @一方的な理念の押し付けは嫌われる。 ④説得型の販売手法を選べ。 ⑤省エネは万能のキーワードだが,省資源は訴求不足。 ⑥お得さを客観的な数字で示せ。 4内4 独立採算制のリサイクル事業 昨今では,大企業のみならず中小企業においても環境ビジネスに果敢に取り 組んで、いるところである。しかし,環境ビジネスがビジネスとして成立するに は,それが単独で利益が確保できることが前提条件になる。すなわち,独立し た組織として採算が合っていることが必要になる。そこで,このような観点か らリコーにみるリサイクJレ事業の独立採算性について川上慎市郎によって考 察を加えてみる。

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1265 環境経営の戦略展開 -69 リコーは,大企業の中においては環境経営に本格的に取り組んでいる企業と してたいへん著名である。それは,前述したように,環境がもはや対外的なイ メージや他社との差別化などではなく,ビジネスの存立にかかわる基本問題で あるという観点からの本格的な取り組みである。すなわち,リコーでは製品と してではなしいわば企業として環境基準に対応していることを示す努力をは じめたわけである。 このような考え方に基づいて,リコーでは最初は設計部門から環境経営を導 入することになった。すなわち,第

1

段階では設計面のリサイクJレ基準の確立 を行ったわけで,これにより埋め立てられる廃棄物の量は重量比で

5%

まで低 減できた。そこで,このような成果をベースにして全社的に環境経営の推進を 拡大したのである。こうして,設計部門からはじまった業務革新の波は部品の 回収や再生を請け負う工場にまで及んでいった。これが,いわば第

2

段階の環 境経営への取り組みであった。そして,いよいよ販売部門へも環境経営が持ち 込まれることになった。すなわち,全国各地で営業マンや取引先に対する環境 マネジメントシステム

(

E

M

S

)

の導入を推進することになった。そのため,リ コーでは販社や支庖での環境活動のキーマン

1

2

0

人を育成し,

4

5

0

の全直轄営 業拠点で代理屈へのサポート体制を構築した。このような販売部門への導入が, じつは第3段階の環境経営である。 さて,そして

1

9

9

8

4

月にはそれ以前には社長直属の横断組織であった環境 対策室を改組し,画像システム事業本部の事業部へと改組した。これは,製品 は設計の段階で生産から流通までのコストが決定するため設計部門が責任を持 つのが望ましいという考え方からとられた対応であった。しかし,独立採算制 に基づく事業運営は必ずや困難がつきまとう。そこで,現在では損益勘定につ いては,以下のような考え方による運営が行われている。支出項目には,部門 の人件費や販管費に加え,回収センターまで運ばれてきた複写機を選別,再生, 再資源化や廃棄するまでのコストを計上する。収入項目には,再生して新しい ものを作った場合にはその売上げを計上することにしている。部品の社内価格 は新品と同じに設定しているため,本来かかるコストを差しヲ│いたものがその

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ままリサイクル事業部の利益になっている。現実的には,未だ赤字であるそう だが,それでもこのような取り組みが本来的なものであり,環境世紀に環境ビ ジネスを展開していくには避けて通れないことである。

5

環 境 世 紀 に お け る 企 業 経 営 さて,本章において環境経営を推進するにあたっての基本的なスタンスが理 解できたと思われる。そこで,これらの考え方に立脚して,今後の環境に対す る展望を概括的に触れることで本稿の締めくくりにする。 我々は,環境世紀を向けるにあたって,忘れてならないことはレスター・サ ローがいうところの以下のような言説である。それは,経済成長はじつは環境 保護の敵ではないということである。むしろ,環境を改善するには成長が不可 欠なのである。環境に関心が集まるのは,経済が成長し生活水準があがってい るときだけである。所得水準が低ければ環境にも関心が持たれない。それは, 所得が低ければ,不安の種はもっぱら飢えをしのげるかどうかだからである。 そして,所得水準が上昇するにつれて生活の心配がなくなり,環境を改善する ことが将来の生活水準に影響を与えると考えられてくる。 人聞が他の動物と異なる点は,どうすれば環境が改善できるかを考え,実際 に,それを実現する力を持っていることである。天然資源や環境資源の富につ いて人聞が考え行動すべき点は,けっして人聞が関与する前の環境に戻すこと ではない。それは,人間自身のために望ましい環境を考えることであり,した がって,これは他の動植物にとっても望ましい環境を考えることである。 そこで,企業経営においてもビジネスとして環境への取り組みが期待されて いるのだが,そのためには環境問題を考えられるだ、けの余裕を持った状態を維 持できることが望ましい。ただ単に,株主対策から利益の帳尻を合わせる単純 なリストラクチャリングから,環境を見通せる広範な視野から長期的な大胆な リストラクチャリングへの転換が期待されている。そのためには,環境経営に ついてもビジョンをしっかりと確立しておくことがきわめて重要である。 このような観点から,最後に,再び最も環境経営に理解が深いと思われる企

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1267 環境経営の戦略展開 -71ー 業の

1

つであるキャノンの酒巻久の説く地球環境保全を明確化することによる メリットについて確認を行ってみる。もちろん,このメリットを享受するには, トップが明快な社会的な責務観を認識していることが前提になる。 第

1

に,全世界の環境トレンドを分析して,その結果を企業戦略に活か

L

て いくことが必要である。前述したように,スイスの銀行では企業の環境対応に よって金利が異なっている。それは,環境問題のトラブルは膨大な費用がかか るからである。それは,また資金を貸す側にとっては多大なリスクということ なのである。第2に,省エネ,省資源は環境負荷の極小化に1番有効な手段で あるということである。したがって,全企業活動の基本にエコロジー問題をお いて,それに対して先進的な創造的なアプローチを行えば,その企業は世の中 の他の企業よりも優位な立場に立てることになる。 参 考 文 献 (1) フエリックス・ガタリ著,杉村昌昭訳,解説『三つのエコロジー』大村書底, 1993。 (2 ) 合田周平『エコパラ夕、イムの時代自然と人間の共生をめぐって』丸善ライブラリー, 1993。

(3) Pau.lB.Sears,

WHERE THERE I

S

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, Del1Publishing Co., Inc, 1962.(柳田為 正訳『エコロジー入門』講談社現代新書, 1972)。 (4 ) 中小企業金融公庫調査部「動き出した環境対策J'月刊中小企業J1996年6月号,ダイ ヤモンドネ土。 (5 ) 田中宏二郎,佐伯隆 r21世紀に向けた環境経営戦略」『知的資産創造』第7巻第1号, 野村総合研究所。 (6 ) ウエッジ編集部「日本上陸!r環境格付げ」が企業の命運を握るJ'WEDGEJ 1999年 8月号,株式会社ウエッジ。 (7) 月刊中小企業編集部「環境ビジネス最前線Jr月刊中小企業11999年1月号,ダイヤ モンド社。 (8 ) 井上俊明,金子憲治,小林佳代, JlI上慎市郎「俺たちが造る環境大国J'日経ビジネス』 日経BP社, 1999年10月18日号。 (9 ) 黒住沙織「エコエコが主婦を動かすJr日経ベンチャーJ1999年3月号,日経BP社。 (10) 川上慎市郎 rr環境」てこに会社改革リサイクル独立採算性にJ I日経ビジネス』日経 BP社, 1999年6月7日号。

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のピラミッド~ TBSブリタニカ, 1999)

(12) 酒巻久「キャノンの環境経営への取組みJ'BusinessRes巴arch~ 企業研究会, 1998年

参照

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