わが国企業の多品種・少量・
小ロット生産の動向
一一一欧米企業との比較において一一一井 上 信
l はじめに 近年わが国製造企業を取りまく環境は,国際的には輸出先国および輸出比率 の増加,圏内的にはニーズの多様化・個性化がし、われ,製品ライフサイクルの 短縮化を来し,流通段階ではいわゆる多品種少量流通の傾向が顕著になってき ている。製造企業でも,このような動向に対応して,注文生産化,生産リード タイムの短縮,在庫量の削減等の方法でそれに対処Lてきている。製造段階で の具体的な対応策は,多品種・少量・小ロット生産である。本稿では,具体的 に多品種・少量・少ロット生産化の動向とともに,その前提になるFMS
化,注 文生産化をも併せて検討してみたい。わが国企業における動向を明らかにする ため,欧米企業との比較(第2節〉及びわが国企業の時系列的な比較(第 3節〉 によりその動向を考察したい。 本稿で用いる調査データは,いずれも製造企業を対象にした郵送調査による ものであり,対象企業は,日本の場合,東証上場製造企業(昭和56年調査は914 社,昭和57年調査は908社,そして昭和61年調査は926社〉を対象にした。 米国の調査は, Fortune誌掲載企業上位500社 (985)と501位から 1000位 (981)のうち2/3を系統抽出し,777社を調査対象とした。英国は,The
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1000 (1984-85)のうち製造企業と思われる企業512社,カナダは,P
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(
1
9
8
6
)
掲載企業のうちより売上高上位648社を抽出-112- 第61巻 第3号 442 した。 回答率は,日本の場合,昭和 56年693%,昭和 57年72..5%,そして昭和 61 年53..9%,米国 12..3%,英国 1L3%そしてカナダ 134%である。 なお,各国の回答企業の業種別の構成は,以下のとおりである。米国の場合 には,組立生産が 361%と最も多く,化学的進行生産が 32.4%と次に多くなっ ている。機械的進行生産は 139%と低い。組立生産,化学的進行生産を中心に した産業構成になっている。英国の場合は,化学的進行生産と組立生産が 29 3%と多くなっているが,米国の場合に比べて機械的進行生産の割合も比較的多 くなっている。カナダの場合も,組立生産が相対的には最も多いが,機械的進 行生産,化学的進行生産ともかなり多くなっている。日本の場合,組立生産が 441%と最も多く,機械的進行生産が 265%そして化学的進行生産が 205% と,組立生産中心の産業構成になっていることがわかる。 (1) 調査方法等及び回収企業の概要等の詳細は,井上信一稿「生産方式と原価計算(l)J, 『香川大学経済論叢J,第55巻第2号,昭和57年9月,同稿『データベース会計情報シ ステムに関する一考察J,W香 川 大 学 経 済 論 議 ゎ 第57巻 第3号,昭和59年12月, Inoue, S, 代AComp喰rativeStudy of Recent Development of Cost Management Problems in U S.A., U. K, Canada and Japan,"r香川大学経済論叢J,第61巻 第1号,昭和63年 6月,および下記のデータを参照のこと。 産 業 構 造 の 特 性 業 種 特 性 米 国 英 国 カ ナ ダ 日 本 基礎資材型 40 ( 42 1%) 20 ( 38 5%) 41 ( 500%) 328 ( 35 3%) 加工組立裂 30 ( 316%) 7 ( 135%) 23 ( 28 0%) 392 ( 42 2%) 生活関連型 25 ( 263%) 25 ( 48 1%) 18 ( 22 0%) 209 ( 225%) 全 体 95 (100 0%) 52 000 0%) 82 (100 0%) 929 000 0%) 生産方式(技術的特性〉 生 産 方 式 米 国 英 国 カ ナ ダ 日 本 組 立 生 産 39 ( 361%) 17 ( 29.3%) 26 ( 271%) 226 ( 44.1%) 機生械的進行産 15 ( 139%) 11 ( 190%) 22 ( 22 9%) 136 ( 26.5%) 化生学的進行産 35 ( 324%) 17(293%) 15 ( 15 6%) 105 ( 20 5%) そ の 他 19 ( 176%) 13 ( 224%) 33 ( 34 4%) 46 ( 9.0%) 全 体 108 000 0%) 58 000 0%) 96 000 0%) 513 000 0%)
443 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向
-113-2
欧米企業との比較 本節では,まず最初に欧米企業と日本企業の多品種・少量・小ロット生産化 の現状を比較することにより,わが国企業の空間的な位置を明らかにしたし、。 それと同時に,米国,英国およびカナダの製造企業の多品種・少量・小ロット 生産の状況を,各国ごとに生産方式別により詳細に検討してみたL。、2
1
欧米との対比 本項では,米国,英国,カナダの企業の多品種・少量・小ロット化とわが国 のそれとを比較することにより,わが国の状況をより包括的に位置付けるのが 主たる目的であるが,その生産技術的な前提になるFMS
化およびそれと深い 関係のある注文生産化をも併せて検討したい。 1)FMS
化 表-1
によると,FMS
の導入は,日本での導入が際立って高く,カナダ,米 国,英国の2倍以上になっている。具体的な導入企業の比率は,日本257%, カナダ 16引2%,米国118%,英国 114%となっている。F M S
導 入 済 未 導 入 米 国 9 018%) 67 (88 2%) 表- 1 F M Sの 導 入 英 国 5 (1l4%) 39 (88 6%) カ ナ ダ 12 06 2%) 62 (83 8%) 注 目本〔昭和57年〕。ここでは, FMSの導入についてだけである。 2) 市場的特性 注文生産化 生 産 管 理 の 方 式 生 産 管 理 米 国 英 国 カ ナ タ 製 番 方 式 19 ( 19 8%) 19 ( 38 8%) 28 ( 30 4%) MRP方 式 58 ( 60 4%) 24 ( 49 0%) 42 ( 45 7%) かんばん方式 9 ( 9 4%) 2 ( 4 1%) 6 ( 6 5%) そ の 他 10 ( 10 4%) 4 ( 8 2%) 16 ( 174%) 全 体 96 000 0%) 49 000 0%) 92 000 0%) 日 本 166 (25 7%) 480 (74 3%) 日 本 232 ( 47.7%) 174 ( 358%) 54 ( 11 1%) 26 ( 54%) 486 (100 0%) なお,回答企業数とキーにしている項目別の集計企業数に差があるのは,重復回答企業があ るためである。このことは,国別の結果についても同様である。-114ー 第61巻 第3号 444 一般には,多品種・少量・小ロット生産化と注文生産とは非常に関連がある といわれている。各国の受注生産化の現状を尋ねてみた結果が,表
-2
のとお りである。日本の注文生産の比率は 46..8%,米国は456%そして英国では42 9%と,相対的には日本での注文生産化が他の国に比べてやや進行しているとい える。 表-2 製品の市場的特性 市 場 的 特 性 米 国 英 国 臼 本 注 文 生 産 47 ( 456%) 24 ( 42.9%) 239 ( 468%) 見 込 生 産 52 ( 505%) 29 ( 51 8%) 260 ( 509%) そ の 他 4 ( 39%) 3 ( 5.3%) 12 ( 24%) 全 体 103(100 0%) 56(100.0%) 508(100 0%) 注 目本〔昭和61年九 3) 製品の種類 多品種生産化 ある企業において生産している生産品目数の多様化を示す多品種生産化につ いては,表-3
に示すとおりである。多品種生産化は, 日本744%,英国64 1%,カナダ560%そして米国が547%と, 日本での多品種化が最も進んでお り,それに英国がつづいている。米国,カナダでは,多品種化が相対的に進ん でいなく,むしろ少品種生産が比較的多くなっている。 表-3 製品種類の特性 製 品 種 類 米 国 英 国 カ ナ ダ 日 本 多 品 種 生 産 58 ( 54 7%) 34 ( 64 1%) 47 ( 560%) 380 ( 74 4%) 中 品 種 生 産 61 ( 11 9%) 少 品 種 生 産 38 ( 35 9%) 16 ( 30 2%) 34 ( 40 5%) 65 ( 127%) そ の 他 10 ( 94%) 3 ( 5 7%) 3 ( 36%) 4 ( 1 0%) 全 体 106 (1000%) 53(100 0%) 84 (1000%) 511 (100 0%) 注.日本〔昭和61年〕。米国,英国およびカナダの調査票には中品種生産という項目がなか った。 4) 生産量れ少量生産化 ある企業において生産しているある製品のある一定期間(例えばl年間〉に445 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -115ー おける生産量の変化を示す製品生産量の特性は,表-4のとおりである。少量 生産化の傾向も,日本45..7%,英国26れ4%,米国とカナダはそれぞれ179%と, 日本が飛び抜けて高くなっている。ついで,英国が少量生産化しており,米国 は中量生産と多量生産が中心であり,カナダでは多量生産を中心に中量生産も それに近い数字になっている。 表-4 製 品 生 産 量 の 特 性 生 産 量 米 国 英 国 カ ナ ダ 日 本 少 量 生 産 19 ( 179%) 14 ( 264%) 15 ( 179%) 232 ( 45 7%) 中 量 生 産 39 ( 368%) 20 ( 37 7%) 32 ( 38 1%) 118 ( 23 2%) 多 量 生 産 38 ( 35 9%) 16 ( 30 2%) 34 ( 40.5%) 144 ( 28 3%) そ の 他 10 ( 9 4%) 3 ( 57%) 3 ( 3 6%) 14 ( 2 8%) 全 体 106 000 0%) 53 (1000%) 84(1000%) 508(100.0%) i'::t・日本[昭和61年〕。 5) ロットサイズ“小ロット生産化 ある製品の一回(一度)の生産における生産数量の小型化を示す小ロット生 産化は,表
-5
のとおりである。小ロット生産(ここでは,個別生産+小ロッ ト生産を含めている〉化は,日本で67..7%,英国49.1%,米国403%そしてカ ナダでは380%と,臼本での小ロ γ ト生産化の傾向が他の国に比べて圧倒的に 高くなっていることがわかる。他の国では,英国が比較的小ロット生産化が進 んでおり,カナダと米国では,大ロット生産(ここで、は,大ロット生産+大量 表-5 工 程 管 理 上 の 特 性 工 程 管 理 米 国 英 国 カ ナ ダ 日 本 個 別 生 産 15 ( 126%) 9 ( 15.3%) 7 ( 7.6%) 100 ( 19..7%) 小 ロ ッ ト 生 産 33 ( 277%) 20 ( 339%) 28 ( 30 4%) 243 ( 47.9%) 中ロット生産 90 ( 178%) 大 ロ ッ ト 生 産 41 ( 34 5%) 16 ( 27 1%) 23 ( 25..0%) 44 ( 8.7%) 単 種 大 量 生 産 24 ( 202%) 9 ( 15 3%) 27 ( 293%) 22 ( 4 3%) そ の 他 6 ( 50%) 5 ( 8.5%) 7 ( 7.6%) 8 ( 1.6%) 全 体 119 000 0%) 59 (100 0%) 92 (100.0%) 507 (100 0%) 注:日本〔昭和61年〕。なお,中ログト生産は,米国,英国およびカナダの調査票には項目 がない。116ー 第61巻 第3号 446 生産を含めている)が
50%
を越えており,いまだ大ロット中心の生産形態であ る。 以上,米国,英国,カナダ企業と比較した場合,日本企業におけるFMS
化, 多品種生産化,少量生産化,小ロット生産化が飛び抜けて進行している。つい で,英国でも多品種化はかなり進行しているが,中量/多量生産の割合もかな り高く,また大ロット生産も多くなっており, 日本の場合とは歴然とした差異 が見られる。 また,米国,カナダ企業では,少品種,中量/多量生産,かつ大ログト生産が 中 心 で あ り , い わ ゆ るこ れ ま で 伝統 的 に言 わ れ て きた 大 量生 産 (ma回 一pro -duction)の域を出ていないようである。22
米国企業の動向 本項では,米国の製造企業における多品種・少量・小ロット生産の動向を具 体的に考察するため,生産方式の技術的特性を基準にして組立生産,機械的進 行生産,およびイl二学的進行生産にわけてその特徴を考察してみたい。 1) FMSjロボット化 米国における FMSjロボットの導入の状況は,表- 6に示すとおりである。 FMSjロボットの導入の最も多いのは,機械的進行生産であり導入済の企業が5
3
3%
と回答企業の過半数を越えている。次いで,その他社2%
,組立生産が359%
と比較的導入されている。化学的進行生産では,143%
と他に比べて低 くなっている。 表-'-6 FMSjロボットの導入 FMSjロボット 組立生産 機械的進行 化 学 的 進 行 そ の 他 全 体 導 入 済 359% 533% 14 3% 41 2% 31 1% .FMS 77 6 7。
235 78 -ロポット 10 3 6 7 8 6。
5 6 -両 方 2 6。
。
。
2 2 -不 明 15 4 40 0 5 7 17 6 15 5 米 導 入 64 1 46 7 85 7 58 8 68 9 iE 業 数 39 15 35 17 90447 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向
-117-2
)
市場的特性 注文生産化 製品の市場的特性を示す注文生産かあるいは見込生産を採用しているかにつ いての結果は,表一7のとおりである。注文生産の比率は,組立生産では55れ1% と最も高く,機械的進行生産も 524%と過半数の企業が注文生産になってい る。しかし,化学的進行生産では注文生産の企業は341%に過ぎず,逆に見込 生産による企業が6
1
“0%と,見込生産が中心である。組立生産と機械的進行生 産での注文生産化が進行していることが理解出来る。 市 場 的 特 性 注 文 生 産 見 込 生 産 そ の 他 注 n= 95。 表-7 製品の市場的特性3
)
製品の種類 多品種生産化 全 体 45 6% 50 5 39 表-8
によると,米国における多品種生産の比率は,組立生産で70%近く, 機械的進行生産では60%弱であり,化学的進行生産では40%強に過ぎない。米 国では,全体的には,多品種生産の比率は547%と他の固に比べて最も低かっ たが,その中では組立生産での多品種化が高く,機械的進行生産でも生産が比 較的多品種化していることが理解出来る。 製 品 種 類 多 品 種 生 産 少 品 種 生 産 そ の 他 表- 8 製品種類の特性 注 n = 88。なお,米国の調査票には,中品種という項目はなかった。4
)
生産量 l 少量生産化 全 体 54 7% 35 9 94 生産量の側面から,米国において少量生産化がどの程度進行しているかを考 察してみよう。その結果は,表-9
のとおりである。米国においては全体で1
7
9%
と,日本,英国に比べて少量生産化が進行していなく,中量/多量生産が中118- 第61巻 第3号 448 心 で あ る 。 少 量 生 産 は , 組 立 生 産269%と最も高く,機械的進行生産 167%, 化学的進行生産 14“6%となっているが,いずれの業種でも余り少量生産化は進 んでいないことがわかる。 表- 9 製品生産量の特性 生 産 量 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 少 量 生 産 269% 167% 14 6% 53% 17 9% 中 量 生 産 42 3 41 7 26 8 47 4 36 8 多 量 生 産 23 9 33 3 46 3 26 3 35 9 そ の 他 1 9 8 3 12 2 21 1 9 4 注 n= 80。 5) ロットサイズ 小 ロ ッ ト 生 産 化 米国における工程管理上の特徴はどうであろうか。具体的な結果は,表
-10
のとおりである。米国企業における小ロット化(個別生産+小ロット生産)も, 全 体 で403%と余り進んでいなく,大ロット生産と単種大量生産をあわせると 54..7%と所謂大ロット生産中心の生産形態である。業種別には,組立生産 (54 3%),機械的進行生産 (465%λ そして化学的進行生産 (228%) と,組立生 産での小ロット生産化が相対的には進んでおり,ついで機械的進行生産でその 傾向が窺える。化学的進行生産では,大ロット生産(大ロット生産+単種大量 生 産 〉 が645%と,大ロット中心の生産形態になっている。 表-10 工程管理上の特性 工 程 管 理 組立生産 機 械 的 進 行 化 学 的 進 行 そ の 他 全 体 個 別 生 産 18 0% 179% 89% 46% 126% 小ロット生産 393 28 6 15 5 18 2 27.7 (個別+小ロッ I) (54 3) (46 5) (24 4) (22 8) (40 3) 大ロット生産 279 357 378 454 34 5 単種大量生産 14 8 17.9 267 273 202 そ の 他。
。
111 46 50 注:n = 920 (個別+小ロ y ト〉は,個別生産と小ロァト生産の割合を加えたものである。な お,中ログト生産は,米国の調査察には項目がなかった。 以上の米国企業の多品種・少量・小ロット化の動向を整理すると,以下のと おりである。FMSj
ロボット化は,機械的進行生産を中心に組立生産で多く導449 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 v o d i 7 i 入されており,市場的特性では,組立生産と機械的進行生産での注文生産の割 合が 50%を越えている。多品種化も,米国の製造企業全体で約 55%と,その比 率は他の国と比べて最も低く,化学的進行生産では少品種生産の比率が逆に高 くなっている。また,生産量の特徴である少量生産化は全体的に余り進んでし、 ないが,相対的には組立生産でやや進行しているといえよう。ロットサイズは, 全体的には大ロット生産化が 50%を越えており,小ロット生産化は 40%位に過 ぎなし、。ロットサイズは,組立生産と機械的進行生産で小ロット化が比較的進 んでいるが,化学的進行生産は大ロット中心の生産形態になっている。全体的 には,少品種,中/多量,大ロット生産とL、う伝統的な大量生産
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)
という生産形態、が,米国ではいまなお主流をなしていることが理解でき る。2
3
英国企業の動向 この項では,英国の製造企業における多品種・少量・小ロット生産化の動向 を,米国の場合と同様に,具体的に検討してみたい。 1)FMS/
ロボット化 英国におけるFMS/
ロボット化の動向は,表-11
のとおりである。英国で も,組立生産での導入比率が最も高く 353%となっており,機械的進行生産で は 27 3%,そして化学的進行生産では 125%に過ぎなし、。 表-11 FMSjロポットの導入 FMSjロボグト 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 導 入 済 353% 273% 12 5% 231% 24 3% .FMS 118 91。
154 5 4 -ロボット 118 91。
7 7 8 1 -両 方 1L8。
。
。
10 8 -不 明。
9 1 125。
。
未 導 入 64 7 727 87 5 769 75 7 注 n= 48。
2
)
市場的特性 注文生産化 表 -12に示すとおり,英国での注文生産の比率が高いのは,機械的進行生産120ー 第61巻 第3号 450 (60 0%),組立生産(57 1%)であり,化学的進行生産では見込生産(61..9%) 中心の生産形態になっている。 表-12製品の市場的特性 市 場 的 特 性 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 注 文 生 産 571% 60 0% 33 3% 333% 429% 見 込 生 産 42 9 40 0 61 9 60 0 51 8 そ の 他
。
。
48 6 7 5 3 注:n = 56。 3) 製 品 の 種 類 多 品 種 生 産 化 製品種類の多様化を示す多品種化の動向は,表-13のとおりである。それに よると,多品種生産の比率は,組立生産で特に高く 85 0%,機械的進行生産で は667%,そして化学的進行生産でも 60.0%と高くなっている。多品種生産化 は,組立生産中心ではあるが,化学的進行生産でも比較的進んでいるのが英国 の特徴である。 製 品 種 類 多 品 種 生 産 少 品 種 生 産 そ の 他 表-13製品種類の特性 注 :n = 53。なお,英国の調査票には,中品種という項目はなかった。 4) 生 産 量 少 量 生 産 化 全 体 64 1% 302 5 7 英国における少量生産化の動向は,表-14
のとおりである。少量生産化は, 全体で264%とそれほど進行していなく,むしろ中量生産,多量生産が中心で、 表-14製品生産量の特性 生 産 最 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 少 量 生 産 450% 41 7% 200% 91% 264% 中 量 生 産 400 250 40 0 454 37.7 多 量 生 産 100 250 30 0 364 302 そ の 他 50 8 3 10 0 9 1 5 7 注 n= 80。451 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -121ー あった。業種別に検討すると,相対的には,組立生産 (45引0%)と機械的進行 生産 (4L7%)において,少量生産化が比較的進んでいると言えよう。 5) ロットサイズ l 小ロット生産化 英国企業における小ロ、ソト生産〔個別生産+小ロット生産)の比率は,表-15 のとおりである。機械的進行生産と組立生産における小ロット生産化がいずれ も約55%と比較的進行している。しかし化学的進行生産では,大ロット生産と 単種大量生産を合わせると 440%と大ロット生産化の割合がかなり高くなっ ている。英国企業全体としては,工程管理上の特性からみると,小ロット生産 を中心に大ロット生産の企業が混在している状況である。 表-15 工程管理上の特性 工 程 管 理 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 個 別 生 産 22 2% 16.7% 16..0% 67% 152% 小 ロ ッ ト 生 産 33 3 389 28.0 26 7 339 (個別+小ロット) (55 5) (556) (44 0) (33 4) (491) 大 ロ ッ ト 生 産 29 6 22 2 32..0 267 27 1 単 種 大 量 生 産 148 167 12 0 333 15 3 そ の 他
。
55 12 0 67 86 注 n = 590 (個別+小ロット)は,個別生産と小ロ yト生産の割合を加えたものである。な お,英国企業の調査察には,中ロット生産という項目はなかった。 以上の英国企業における多品種・少量・小ロット生産化の特徴は,以下のと おりに整理できる。FMSj
ロボット化は,組立生産を中心に機械的進行生産で 多く導入されており,市場的特性では,機械的進行生産と組立生産で注文生産 の比率が60%近く,注文生産化が進行しているといえよう。また,製品の種類 では,組立生産で‘の多品種生産化の比率が非常に高し機械的進行生産,化学 的進行生産でもある程度多品種化が進行している。生産量については,全体的 には,少量生産化は相対的には進んでいないが,業種別には,組立生産と機械 的進行生産で少量生産化がある程度進行している。ロットサイズについては, 小ロット化が機械的進行生産と組立生産で比較的進行しているが,化学的進行 生産ではいまだ大ロット生産が中心である。-122 第61巻 第3号 452 英国企業の特徴は,多品種,中量,小/大ロット生産中心の生産形態になって し、るとし、えよう。
2
..4, カナダ企業の動向 この項では,カナダの製造企業における多品種・少量・小ロット生産化の動 向を,米国,英国の場合と間様に,具体的に検討してみたい。 1)FMSj
ロボット化 カナダにおけるFMSj
ロボット化の動向は,表-16
のとおりである。カナダ では,機械的進行生産での導入が35,,0%,組立生産で320%と比較的導入され ている。逆に化学的進行生産では200%である。 表-16
FMS/ロボッ卜の導入 FMS/ロ ボ ッ ト 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 導 入 済 32 0% 35 0% 20 0% 24 1% 28 1% .FMS 4 0 15 0 6 7 6 9 79 - ロ ボ ヅ ト 8 0 5 0 6 7 10 3 79 -両 方 20 0 15 0 67 6 9 12 4 未 導 入 68 0 65 0 800 75 9 719 i人I二 業 数 25 20 15 29 89 2) 製品の種類 多品種生産化 カナダ企業における多品種化の動向は,表-17のとおりである。組立生産で は,多品種生産が714%,機械的進行生産では54引2%,化学的進行生産では53 3%と多品種生産の割合が減少してきている。組立生産での多品種化は比較的高 いが,機械的進行生産と化学的進行生産では多品種生産を中心に少品種生産が 混在している。 製 品 種 類 多 品 種 生 産 少 品 種 生 産 そ の 他 表-17 製品種類の特性 注:n = 80。なお,カナダの調査票には中品種という項目はなかった。 全 体 554% 406 4 0 (2 ) カナダ企業の市場的特性については,調査項目がなかったために,結果は不明である。453 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -123
3
)
生産量 少量生産化 カナダ企業における少量生産化は,表-18のとおりである。全体では,少量 生産化の比率は188%
とほとんど進行していなく,むしろ中量/多量生産中心 の生産形態になっている。ただ,業種別には,組立生産(286%)
,機械的進行 生産(208%)
では相対的に高く,化学的進行生産では非常に低く(
6
山7%)
なっ ている。 表-18製 品 生 産 量 の 特 性 生 産 量 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 少 量 生 産 28 6% 208% 67% 14 7% 188% 中 量 生 産 42 9 333 467 294 36 6 多 量 生 産 25 0 45 8 467 47 1 40 6 そ の 他 3 6。
。
88 40 注 n= 80。 4) ロ ッ ト サ イ ズ 十 小 ロ ッ ト 生 産 化 カナダ企業における小ロット生産化は,表-19
のとおりである。組立生産と 機械的進行生産での小ロット生産化がし、ずれも55%
近くまで進んでいる。しか し,化学的進行生産では,少ロット生産は僅かに1
58%
に過ぎなし、。逆に,大 ログト生産と単種大量生産を合わせると737%
と,大ロット生産の比率が圧倒 的に高くなっている。カナダ企業全体としては,いまだ大ロット生産中心の生 産形態であり, とりわけ化学的進行生産でそのことがし、えそうである。 表-19 工 程 管 理 上 の 特 性 工 程 管 理 組立生産 機械的進行 化学的進行 そ の 他 全 体 個 別 生 産 57% 7 1% 10 5% 65% 7 1% 小 ロ ッ ト 生 産 48 6 464 5 3 16 1 31 9 (個別+小ロット〉 (54 3) (535) (158) (22.6) (390) 大 ロ ッ ト 生 産 25 7 21 4 31 6 25 8 25 7 単 種 大 量 生 産 17 1 2L4 42 1 387 28 3 そ の 他 2 9 3 6 10 5 129 7 1 注:n=75o (個別+小ロット)は個別生産と小ロyト生産の割合を加えたものである。なお, カナダ企業の調査票には,中ログト生産という項目はなかった。 以上のカナダ企業の特徴は,以下のように整理できる。FMSj
ロボット化は,-124ー 第61巻 第3号 454 相対的には機械的進行,組立生産で進んでいる。多品種生産化については,組 立生産で比較的進んでおり,少量生産化はほとんど進んでいなく,中/多量生産 中心である。小ロット生産化についても,組立生産,機械的進行生産では50% を越えているが,化学的進行生産では大ロット生産中心である。 カナダ企業においては,米国の場合同様あるいはそれ以上に,伝統的な大量 生産
(
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u
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t
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n
)
が中心であり,多品種,多量,大ロット生産の生産形態 を色濃く残している企業が多いようである。 2 5 欧米企業の動向一一小結 以上,米国,英国,カナダおよび日本の製造企業における多品種・少量・小 ロット生産化の動向を比較検討してきた。 国際的には, 日本企業の多品種・少量・小ロット生産を行っている企業の比 率が,他の3国に比べて,圧倒的に多くなっていることがよく理解できた。 また,米国,英国およびカナダ企業における業種別の特徴を比較することに より,いずれの国でも多品種化,少量化,小ロット化は組立生産,機械的進行 生産でより進行しており,化学的進行生産では余り進んでいないこともわかっ た。 英国では多品種化,小ロット化は比較的進行しているが,生産量は,全体と しては中量/多量生産が中心であり,少量生産化は進んでいない(なお,組立 生産,機械的進行生産ではある程度まで進行してきているが〉。従って,英国の 場合は,多品種,中量,小/大ロット生産中心の形態といえる。米国とカナダ では,少品種,中/多量,大ロット生産とし、う伝統的な大量生産(
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)
とし、う生産形態が中心である。 3 わが国企業の時系列的比較 本節では,わが国製造企業における多品種・少量・小ロット生産化の動向を 昭和56年と昭和 61年を時系列的に比較検討したい。その際,国際的な比較の 場合と同様に,上述の項目について,昭和56年と昭和 61年における製造企業 全体の特徴と,生産方式別の特徴にわけて考察する。特に,生産方式一組立生455 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -125-産 , 機 械 的 進 行 生 -125-産 と 化 学 的 進 行 生 -125-産 一 別 に 分 け て , 多 品 種 生 -125-産 化 , 少 量 生 -125-産 化 , 小 ロ ッ ト 生 産 化 の 動 向 を 明 ら か に し たL。、
3
L
製 造 企 業 全 体 の 動 向 1) 市 場 的 特 性 注 文 生 産 化 消 費 者 ニ ー ズ の 多 様 化 , 個 性 化 お よ び 高 品 質 化 へ の き め 細 か し 、 対 応 の た め に は , 製 品 市 場 へ の 対 応 の 側 面 か ら は , 注 文 生 産 化 が 要 請 さ れ る 。 製 品 市 場 へ の 対 応 か ら み た 結 果 は , 表-20の と お り で あ る 。 表 か ら も わ か る と お り , こ の5
年 間 に 注 文 生 産 の 比 率 が40%増 加 し て お り , 逆 に , 見 込 生 産 は13%減 少 し て い る 。 製 造 企 業 全 体 で は , 注 文 生 産 化 の 傾 向 が あ る 程 度 み ら れ る と い え よ う 。 表-20製品の市場的特性 市 場 的 特 性 昭 和 56年 昭 和 61年 s コにz 注 生 産 42 8% 468% 見 込 生 産 52 2 50 9 両 者 併 用 5 0 2 3 注 nニ602(s56), n二 511(s61。) 2) 製 品 の 種 類 多 品 種 生 産 化 わ が 国 企 業 に お け る 多 品 種 化 の 動 向 は , 表-21によれば,この 5年 間 に 約9 2%増 加 し て お り , 逆 に , 少 品 種 生 産 は7..2%減 少 し て い る 。 従 っ て , わ が 国 の 表-21 製品種類の特性 製 品 種 類 昭 和 56年 昭 和 61年 多 ロロロ 種 生 産 74 0% (65 2)事 744% 中 品 種 生 産 (119) 1L9 少 品 種 生 産 22 6 (19 9) 12..7 そ の 他 34 ( 3 0) 1 0 注:n = 593(s 56), n = 511(s 6L)。なお,昭和56年の調査項目には,中品種生産という項目が なかった。昭和56年の括弧の中の数字は,仮に中品種生産を行っている企業の比率が昭和 61年と同様であると仮定して算出した比率である。 (3) 昭和56年の中品種の数字をどのように解釈するかが問題であるが, 5年間の多品種化 の時系列的な動向を明らかにするには,中品種の比率を表注のような算出方法を用いて も大きな誤りはないであろう。従って,以下,比較の際の昭和56年の数字は,括弧の中 の数字を用いた。また, ロットサイズについても中ロット生産という項目がなかったの で,同様の趣旨で比較をおこなった。-126- 第61巻 第3号 456 製造企業全体での動向は,多品種生産が増加傾向にあると言えよう。 3) 生産量 少量生産化 各企業の代表的な製品のある一定期間の生産量の変化は,表-22のとおりで ある。表からも理解できるように,少量生産がこの5年間に62%増加してお り,また多量生産も5れ7%増加している。逆に,中量生産は1L3%も減少して いる。数字からは,少量生産化を中心に,多量生産化も同時に進行しており, 逆に,中量生産は減少傾向にあると言えよう。 表-22製 品 生 産 量 の 特 性 生 産 量; 昭 和 56年 昭 和 61年 ノ レ 量 生 産 395% 457% 中 量 生 産 345 232 多 量 生 産 226 28 3 そ の 他 34 28 注 n
=
593(s 56), n=
508(s 61 )。4
)
ロットサイズ 小ロット生産化 一度(回〉の生産における生産量を示すロットサイズの変化は,表-23に示 すとおりである。個別生産は,この5年間に5引9%増加しており,小ロット生産 も49%増加している。このように,製品の小ロット生産化は着実に進行してい る。他方,大ロ y ト生産はほとんど変化なく,単種大量生産は70%減少してい る。 表-23 工 程 管 理 上 の 特 性 工 程 管 理 昭 和 56年 昭 和 61年 偲 ~Ij 生 産 16 8% (13 8)" 197% ロ 可y 生 産 52 3 (430) 479 中 ロ ツ ト 生 産 (17 8) 178 大 ロ ツ 生 産 97 ( 80) 87 単 種 大 量 生 産 138 (11.3) 43 そ の 他 73 ( 60) L6 注 n = 600(s 56), n = 507(s 61)。昭和56年の質問項目には中ロット生産という項目がない ために, ( )内の%は中ログト生産の構成比が昭和56年と昭和61年とで変化がないと仮定 して算出した数字である。以下,表中の( )の中の数字は同様である。457 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -127 以上のことから判断して,製造企業全体として, ロットサイズは着実に小さ くなる傾向にあると雷えよう。 32 組立生産の動向 1) 市場的特性 h 注文生産化 組立生産における注文生産の比率は,表-24のとおり,昭和56年時点ですで に57%を越えており,かなり高い水準に達していることがわかる。昭和61年 時 点 で は575%と若干増加傾向にはあるが,見込生産も昭和56年352%から昭 和61年 394%と42%も増加している。両者の併用は,逆に7..7%から31% に減少しているのが, 目立った特徴である。 表-24製品の市場的特性 市 場 的 特 性 昭 和 56年 昭 和 61年 注 文 生 産 57 1% 575% 見 込 生 産 35 2 394 両 者 併 用 7 7 3 1 注 :n = 247(8 56), n = 226(8 61)。
2
)
製 品 の 種 類 多 品 種 生 産 化 組立生産における製品の多品種生産化の動向は,表-25のとおりである。表 からもわかるように,組立生産では既に多品種化すべき製品は多品種(品目〉 化されており,この5
年間に多品種化が若干進行しているが,それほど変化が みられない。組立生産の多品種化については,行きつくところまでいっている 状況であり,若干増加しているようでもあるが,他の業種に比べると,この5
年間の増加は僅かである。 表-25製品種類の特性 製 品 種 類 昭 和56年 昭 和 61年 多 ロロロ 種 生 産 88 0% (771)* 792% 中 ロロロ 種 生 産 (124) 124 少 ロcロ 種 生 産 91 ( 80) 7.1 上 記 の 経 ロぷ斗 2 9 ( 25) 1 3 注 :n = 242(8 56), n = 226(861.)。括弧内の数字は,製造企業全体の場合と同様である。128- 第61巻 第3号 458 3) 生産量 少量生産化 組立生産におけるある特定の製品のある一定期間の製品生産量の動向は,表
-26
のとおりである。少量生産化は,この5
年間に64%
増加しており,また 多量生産も97%
も増加している。逆に,中量生産の比率は1
58%
も減少して いる。少量生産と多量生産の増加傾向が大であり,両者に二極化する傾向にあ る点は注目する必要がある。即ち,組立生産では,基本的には製品の少量生産 化に対応しなければならないが,企業としてはそのような製品と同時に出来れ ば多量生産したい製品を抱えている企業が混在しており,少量生産化を中心に 多量生産化も増加の傾向にあるといえないであろうか。 表-26製品生産量の特性 生 産 量ー 少 中 多 そ 生 生 生 の 量 霊 長 産 産 産 他 昭 和 56年 51 2% 368 9 1 29 昭 和 61年 57 6% 210 188 2 7 注 n= 242(s 56), n = 224(s 61)。4
)
ロットサイズ l 小ロット生産化 生産工程において一度に生産する製品の数量を示すロットサイズの動向は, 表-27
のとおりである。 組立生産では,小ロット化(個別生産と小ロット生産の合計〉は,既に71引3% (昭和5
6
年),8
4
5%
(昭和6
1
年)に達しており,かなりの程度まで小ロット 表一27工程管理上の特性 工 程 管 理 昭 和 56年 昭 和 61年 個 7.J1j 生 産 243% (215)* 31 6% ロ"
ト 生 産 563 (498) 52..9 中 ロ ツ ト 生 産 (11 6) 116 大 ロ ツ 生 産 5 3 ( 4 7) 3 1 単 種 大 量 生 産 4 0 ( 35) 4 そ の 他 10 1 ( 8 9) 4 注 :n=
247(s 56,)n=
225(s 61)。括弧内の数字は,製造企業全体の場合と同様である。459 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -129-生産化が進行している。それでもなお,この
5
年間に個別生産が1
01%
も増加 しており,小ロット生産の割合は31%
増加している。逆に,大ロット生産は1
6%
,単種大量生産は31%
減少している。以上のことから,組立生産では既に 小ロット生産化が最も進行しているが,今なお小ロット生産化が進行している ことがわかる。33
機械的進行生産の動向 1) 市場的特性 注文生産化 機械的進行生産における製品の市場的特性は,表-28
のとおりである。表か らもわかるように, この5年間に注文生産の割合が若干(09%)
減少し,見込 生産がやや増加(15%)
している。 表-28製品の市場的特性 市 場 的 特 性 昭 和 56年 昭 和 61年 注 文 生 産 565% 556% 見 込 生 産 407 42 2 両 者 併 用 2 8 2 2 注 n= 108(s 56), n = 135(s 61)。2
)
製品の種類 多品種生産化 機械的進行生産における製品種類の動向は,表-29
のとおりである。多品種 生産化がこの5
年間に1
06%
も増加しており,逆に,少品種生産は1
0
ゎ6%
減少 している。 機械的進行生産でも,多品種化がすでにかなり進行しているが,今なお進行 しており,逆に少品種生産は減少傾向にあることが理解出来る。 表-29 製品種類の特性 製 品 種 類 昭 和 56年 昭 和 61年 多 仁ロ2ロ 種 生 産 736% (64 8)事 754% 中 ロロロ 種 生 産 (11 9) 119 少 ロロロ 種 生 産 25 5 (22 5) 11..9 上 百己 の 組 ぷELコ 9 8) 8 注 n=
106(s 56), n=
134(s 61)。括弧内の数字は,製造企業全体の場合と同様である。-130- 第61巻 第3号 460 3) 生産量 少量生産化 機械的進行生産における代表的なある製品のある一定期間における生産量の 変化は,表
-30
のとおりである。それによると,この5
年間に少量生産が64%
, 多量生産が8れ6%増加しており,逆に,中量生産が156%も減少している。組 立生産の場合と同様に,少量生産化を中心に多量生産も増加傾向にあり,逆に, 中量生産の減少傾向が著しいことがわかる。このことは,企業としては,基本 的には消費者ニーズの多様化・個性化に対応して少量生産化しなければならな いが,他方出来れば企業としては,組立生産の場合と同様に,多量生産のスケー ルメリットを最大限に活用する方向にニ極化する傾向にあるようである。 表-30 製品生産量の特性 生 産 量 昭 和56年 昭 和 61年 少 最 生 産 32 1% 38 5% 中 量 生 産 41 5 25 9 多 量 生 産 25 5 34 1 そ の 他 9 1 5 注 n= 106(s 56), n = 135(s 61)。4
)
ロットサイズ 小ロット生産化 機械的進行生産における工程管理上の特性は,表-31
のとおりである。ここ では,小ロット生産 (25%)と大ロット生産 (52%)がある程度増加傾向に あるが,単種大量生産(62%)は減少傾向にある。傾向的には,若干小ロット 生産化の方向にあるといえよう。 表-31 工程管理上の特性 工 程 管 理 昭 和 56年 昭 和 61年 個B
リ 生 産 140% (10 6)* 113% ロ ,っ ト 生 産 56 1 (42.6) 45 1 中 ロ ツ ト 生 産 (241) 24 1 大 ロ グ ト 生 産 14.0 (10 6) 158 単 種 大 量 生 産 13 1 ( 99) 3 7 上 記 の 組 ぷ口〉‘ せ 28 ( 21)。
注 :n=
107(s 56.), n=
133(s 6L)。括弧内の数字は,製造企業全体の場合と同様モある。461 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 34 化 学 的 進 行 生 産 の 動 向 1) 市 場 的 特 性 、 注 文 生 産 化 131-化 学 的 進 行 生 産 に お け る 製 品 の 市 場 的 特 性 は , 表
-32
の と お り で あ る 。 表 か ら も わ か る よ う に , 化 学 的 進 行 生 産 で は 基 本 的 に 見 込 生 産 で あ る が , こ の5
年 間 に 注 文 生 産 (06%)も 見 込 生 産 (10%)も 共 に や や 増 加 傾 向 に あ り , 両 者 を併用する企業が減少傾向にあると言えよう。 表-32 製品の市場的特性 市 場 的 特 性 昭 和 56年 ~ι Z 注 生 産 11..9% 見 込 生 産 85 5 雨 者 併i 用 2 5 注 :n = 159(s 56), n = 104(s 61)。2
)
製 品 の 種 類 多 品 種 生 産 化 昭 和 61年 12 5% 86 5 1 0 化 学 的 進 行 生 産 に お け る 多 品 種 化 の 動 向 は , 表-33の と お り で あ る 。 化 学 的 進行生産では,他の生産方式に比べて多品種化が最も遅れているが, この5
年 間 に お け る 多 品 種 化 の 比 率 は 16ゎ8%
も増加しており,その増加比率は特に著し い。他方この間,少品種化は逆に1
31%
も減少している。化学的進行生産では, 現 在 多 品 種 生 産 化 で ニ ー ズ の 多 様 化 ・ 個 性 化 に 対 応 し て 行 こ う と し て い る 企 業 が非常に増加しているようである。 表-33 製品種類の特性 製 ロロロ 種 類 昭 和 56年 昭 和 61年 多 ロ広ロヨ 種 生 産 494% (44.2)* 61 0% 中 ロロロ 種 生 産 00 5) 105 少 ロロロ 種 生 産 45 5 (40 7) 27 6 上 記 の 組 ロぷ斗 5 1 ( 4 6) 10 注 :n = 158(s 56), n = 105(s 61.)。括弧内の数字は,製造企業全体の場合と同様である。 3) 生 産 量 少 量 生 産 化 化 学 的 進 行 生 産 に お け る 製 品 の 生 産 量 の 動 向 は , 表-34
のとおりである。総132ー 第61巻 第3号 462 体的には,化学的進行生産の中では,多量生産が45%余りで最も多いが,この
5
年間ほとんど変化がみられない。それに対して,少量生産の比率はこの5
年 間に1
27%
も増加しており,逆に中量生産は1
12%
も減少している。化学的進 行生産でも,現在,消費者のニーズによりきめ細かし、対応をするため,少量生 産化が特に重要な課題のようである。 表-34製品生産量の特性 生 産 量 昭 和 56年 昭 和 61年 少 量 生 産 190% 31 7% 中 量 生 産 30 4 192 多 量: 生 産 45 6 462 そ の 他 5 0 2 9 注.n = 158(s 56.), n = 104(s. 61.)。4
)
ロットサイズ 小ロット生産化 化学的進行生産におけるロットサイズの特性は,表-35
のとおりである。そ れによると,小ロット生産(この5年 聞 に90%増加)を中心に,個別生産 (21%
増加〉および大ロット生産(1引7%
増加)も若干増加しており,逆に,単種 大量生産は134%
も減少している。化学的進行生産でも,生産におけるロット サイズは小ロット化の傾向が著しいといえる。 表-35工程管理上の特性 工 程 管 理 昭 和 56年 昭 和 61年 イ 周 5.iU 生 産 69% ( 56)* 77% ロ ツ 卜 生 産 384 (31..4) 40 4 中 ロ ツ 生 産 (18 3) 183 大 ロ ツ 生 産 14 5 (11 8) 13 5 単 種 大 量 生 産 34 0 (278) 14 4 上 記 の 併 用 63 ( 51) 58 注:n=
159(s. 56), n=
104(s 61)。括弧内の数字は,製造企業全体の場合と同様である。35
わが国企業の動向一一小結 組立生産における,多品種・少量・小ロット生産の動向は,他の生産方式に463 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -133-較べて最も進んでhおり,またこの5年間,多品種生産化(21%-5年間に増加), 少量生産化 (64%),小ロット生産化(132%)とも,いまなお進行している。 とりわけ, ロットサイズの縮小(小ロット生産化〉の傾向が著しいといえる。 また,機械的進行生産における多品種・少量・小ロ y ト生産の動向は,多品 種生産化
(
1
0
,6%-5
年間に増加),少量生産化(6ι%)
,小ロット生産化(
3
2%)と,いずれも多品種,少量,小ロット生産化の傾向にあるが,多品種化の 傾向が著しいといえる。 他方,化学的進行生産における多品種・少量・小ロソト生産の動向は,ダ品 種生産化(168%-
5年間に増加),少量生産化(127%)
,小ロット生産化(111%)
と,これまで多品種化,少量生産化,小ロット生産化が最も進んでいなかっ た化学的進行生産において,いずれも多品種化,少量生産化,小ロット生産化 の傾向が顕著であり,その伸び率もいずれの面(多品種化,少量化,小ログト 化)でも10%
を越えているほどである。このことは,多品種,少量,小ロット 生産が組立生産,機械的進行生産だけでなく化学的進行生産まで波及してきて おり, 白木の製造企業全体の特徴になっていることを如実に物語っている。 以上,わが国企業における多品種化,少量化,小ロット生産化の傾向は,組 立生産では従来から最も進んでいたが今なお小ロット生産化を中心に,機械的 進行生産では多品種化を中心に進行している。また,化学的進行生産では,こ の5年間における多品種生産化,少量生産化,小ロット生産化の伸び率が特に 著しく,現在も多品種,少量,小ロット生産化の傾向が顕著である。このよう に, 日本ではあらゆる産業で多様化・個性化した消費者のニーズにきめこまか に対応しようという傾向が顕著であり,多品種,少量,小ロット生産化を押し 進めることにより,製造企業では消費者ニーズの多様化を反映した多品種少量 流通に対応して行こうとし、う傾向が益々顕著にみられる。 (4) 製造企業としては,それでは少量化,小ロット化とともに,他方多量化,大ロット生産 化の傾向は見られないのであろうか。企業としては,多品種化は止むを得ない動向である としても,出来れば多量生産,大ロット生産のほうが企業にとってスケーノレ・メリットが 大きいと思われる。従って,少量生産化をせざるを得ない企業(あるいは製品〉と多量生 産の企業(あるいは製品),小ロット生産の企業くあるいは製品〉と大ロッ}生産の企業-134- 第61巻 第3号 464
4
む す び 以 上 に お い て , わ が 国 製 造 企 業 に お け る 多 品 種 生 産 化 , 少 量 生 産 化 お よ び 小 ロ ッ ト 生 産 化 の 進 行 を , 米 国 , 英 国 お よ び カ ナ ダ の 製 造 企 業 の 動 向 と 比 較 す る こ と に よ り , ま た わ が 国 の 製 造 企 業 に つ い て は 昭 和56年 と 昭 和61年を比較す} る こ と に よ り , そ の 動 向 を 明 ら か に し て き た 。 そ れ に よ り , わ が 聞 に お け る 多 品 種 ・ 少 量 ・ 小 ロ ァ ト 生 産 化 は , 米 国 , カ ナ ダ お よ び 英 国 に 比 較 し て , 格 段 に 進 行 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た , わ が 国 に お け る 多 品 種 ・ 少 量 ・ 小 ロ ッ ト 生 産 化 の 動 向 は , 組 立 生 産 で 最 も 進 行 し て お り , 機 械 的 進 行 生 産 で も か なり進行している。また, これまで余り多品種・少量;・小ログト生産が進行し て い な か っ た 化 学 的 進 行 生 産 に お い て も , 多 品 種 ・ 少 量 ・ 小 ロ ッ ト 生 産 が こ の 5年 聞 に 急 速 に 進 行 し て き て い る こ と も 理 解 で き た 。 そ の 結 果 , わ が 国 製 造 企 業 に お け る 多 品 種 ・ 少 量 ・ 小 ロ ッ ト 生 産 化 は , い ま や 組 立 生 産 , 機 械 的 進 行 生 産の業種だけの問題ではなく製造企業全体に波及してきており, 日本経済全体 の問題になってきていることも理解できた。 こ の よ う な 日 本 企 業 の 生 産 シ ス テ ム の 革 新 は , 当 然 原 価 計 算 , 原 価 管 理 に も 影 響 を 与 え て き て お り , 新 し い 生 産 シ ス テ ム に 相 応 し い 原 価 計 算 , 原 価 管 理 が 求 め ら れ , ま た そ れ に 対 応 で き る 原 価 計 算 , 原 価 管 理 シ ス テ ム の 構 築 も 必 要 不 〔あるいは製品)にこ極分解するのでなかろうかと考えられるが,その結果は次の通りで ある。 多量生産化は組立生産,機械的進行生産で進んでいるが,化学的進行生産では変化がみ られない。また,少品種生産化,大ロット生産化はいずれの業種でも減少傾向にあり,特 に,化学的進行生産でその傾向が著しい。多様化・個性化した消費者のエーズに対応する には,多品種化,小ロット化は今や止むをえない方向のようである。これは,組立生産, 機械的進行生産ではこれまでに業種としては既に早くから多品種・少量・小ロット生産化 に取り組んできており,かなりの程度進んでおり,業種としてある程度の水準にまで到達 している。ただ,組立生産での小ロット生産(特に個別生産が中心)化は,この5年間に 13%余り進んでおり,今なお小ロット生産化が進行している。それに対して,化学的進行 生産では,多品種化,少量化,小ログト化ともいずれも 10%を優に越えて増加しており, この 5年間での多品種・少量・小ログト化の傾向は著しいものがある。いずれにしろ,多 品種化,小ロット化は今後とも進行するであろうが,生産量については少量生産化を軸 に,製品により多量生産を維持していく傾向も窺える。465 わが国企業の多品種・少量・小ロット生産の動向 -135-可欠になってきている。このことについては,稿を改めて検討したL、。(1