イギリス・北ヨークシャー県の
1
9
8
6
年度予算の編成について
西 山 一 郎
I
はじめに イギリスの地方自治体の予算過程を研究する場合でも,それは自治体の財政 担当職員や地方議員等にたいする聞き取り,予算書や決算書の分析等をおこな うことによって達成されるべきであろうが,そのようなことをただちに現地に 出向いておこなうことは私自身の身辺の状況から困難である。そこで,私が思 いついた1
つの方法は,たまたま面識のある北ヨークシャー県議会の財政部長 補佐のカーグマン (Kirkman,Barry)氏とヨーグ市議会の財政部次長のオブラ イエン (O'Brien,Pat)氏に,予算過程に関する簡単な質問を記した手紙を出す ことであった。ほどなく,カークマン氏からは長文の手紙とともに北ヨーク シャー県議会の1
9
8
6
年 度 の 予 算 編 成 を め ぐ る 財 政 部 長 ハ ウ ン サ ム(Houn -some,K
.
R.)氏の報告書等が送られてきたし,オブライエン氏にかわってヨー ク市議会財政部長のラッグ(Wragg, G..M)氏からもごく簡単な回答が手紙で ょせられた。そこで1
つの事例研究として,カークマン氏の返書とハウンサ ム氏の報告書を素材に,北ヨークシャー県議会の1
9
8
6
年度の予算過程を概観す ることにしたい。なお,私は,先に両自治体の1
9
8
4
年度予算の編成過程をそれ ぞれの予算書に付された財政部長の報告を手掛りに素描したことがあったが, 小稿は,北ヨークシャー県議会の部内資料にもとづき先の拙稿の不十分な点を (1) r予算過程」とは,予算の編成過程をさす。 (2)拙稿[7],63一70ベージ。補訂するとともに,より立ち入った考察をおこなうことになるであろう。 小稿は,イギリスの
1
つの地方自治体の予算過程に関する考察としてもきわ めて不十分なものであるが,それでも若干のfact-finding的な意義があるもの と考え,あえて発表することにした。そして, このようなものでもとにかくま とめることができたのは,ひとえに先に名前をあげた諸氏の協力の結果である ことを特記して,それらの方々に深謝したし、。 II 資本予算の編成 カーグマン氏によれば,予算編成は資本予算 (capital budget)と経常予算 (revenue budget)に区分しておこなわれる。 まず資本予算の編成についてであるが,それは2つの作業に分かれる。 1つ は,毎年 1月と 2月 に お こ な わ れ る 向 こ う 4年 間 の 中 期 資 本 予 算(fore氾ast capital budget)の編成である(もっとも i向こう 4年間」と言っても,それは 翌財政年度の資本予算を除いたものである)。たとえば,1986年をとれば,北 ヨークシャー県議会は,同年2月20日に, 1990年3月末までに終了する予定の 中期資本予算を1カ年延長して 1991年3月末までにすることを決定した。この 決定は,新規事業は経常経費の節約をもたらすとともに緊急なものだけに限る という政策・財源委員会の勧告とことなるものであったが,各々の行政サービ ス委員会(ServiceCommittees)は新規事業を追加して提出できることになっ た。そして,この中期資本予算は, 1987年4月1日から 1991年3月31日まで の4カ年聞にわたるものである。なお,中期資本予算の編成は,毎年1月と 2 月におこなわれ,その都度見直しがおこなわれるようであるから,これはいわ ゆるローリング・システムによる予算編成と言うべきものであろう。 (3)C
4 。] (4) 資本予算と経常予算を区分して論じることができなかったことが先の拙稿の大きな欠陥 であった。なぜそうなったかといえば,私が依拠したイギリスの二次文献が経常予算の編成 のみを対象としていたからであった。 [2],p.78,をみよ。 (5) ‘forecas土capitalbudget'を「中期資本予算」と邦訳したのは,その内容を汲み取った結 果である。すなわち,わが国においては r3年前後を目途とした財政計画J([24])を「中 期財政計画」と呼ぶが,それにならって「中期資本予算」としたということである。317 イ ギ リ ス ・ 北 ヨ ー ク シ ャ ー 県 の1986年度予算の編成につし、て 31ー ところで,
1
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年3
月下旬に県財政部(
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が まとめた1
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7
年 度-1990
年度の中期資本予算の総括表を示せば,それは第l 表の通りである。これをみれば,新規事業にかかる総予算のうち5
8
ノf一セント は道路・運輸委員会が,そして 15パーセントは教育委員会がそれぞれしめてい ることがわかる。そして, こまかし、話になるが,道路事業費のうち支出額の大 きいのを二三あげれば,ハロゲイト=ネールスバラ・南ノミイパスが511万ポンド, シャーバン・イン・エルメ y ト=ミルフォード・バイパスが450万ポンド, リボ ン(
A
6
1
)
が3
3
0
万ポンド等である。また,教育委員会の資本支出の内容について みれば,スカーブラ工業カレッジの建設費が5
3
万ポンド,スキプトンのグレイ ヴン・カレッジの建設費が50万ポンド, ノース・ウエスト・セルビー,クリフ トン・ロウクリス ノーサラトンの小学校建設費がそれぞれ37万8千ポンドで ある。 近年における資本支出の時系列的変化をみれば,それは第2
表の通りである。 第l表 1987年 度-90年 度 資 本 支 出 予 測 総 括 (単{立 1,000ポ ン ト ) 予 測 資 本 支 出 委 員 ム広 総予算 31919日1以年3降月 1987年度 1988年度 1989年度 199C年度 新規事業 l 県計画 729 0 271 4 191 4 187 2 72 2 68 2 教育 10 838 0 1 449 1 2,861 3 2,883 0 2 427 0 1 217 6 3 道路・運輸 42,178 0 6577 0 10.758 0 10548 0 12 088 0 22070 4 図書館・博物館 1 241 9 お38 450 2 4208 1371 5 北ヨーク・ム7:1..国定公園 526 2 1096 154 0 1328 129.8 6 警察 4 175 1 1 3287 2560 0 247 2 39 2 7 政策・財源 96154 2 390 4 2422 0 2 420 0 2 318.0 65 0 8 住民保護 2 183 0 4262 410 5 479 9 536 2 330 2 9 社会サービス 1 19申2 319 0 355 0 270 2 255 0 10ヨークシキー・デールス伊国定公園 378 0 124 5 1075 93 0 53 0 11小 73 063 8 13 229 7 20 269 9 17 6821 18 055 5 38266 1987年3月31日までに契約締結予定の事業 計画 新規事業の経書勘定平年度負担 公債費 運自費 ムロ i十 1 457 9 1072 1 565 1 4.379 1 4 379 1 177 4 15 8C R" 161 6 -1 62 6 2 453 7 32 2 485 9 9124幻8CR" 8896 4899 2 0 4916 2ω8 3000 500 6 -1120 12 0 8071 0 421 0 8 492 0" 12各委員会合計 10 173 3 7 1138 2 531 0 4050 123 5 -1 2881 4 240 CR" 2白74 13合 計(11+12) 83 237 1 20 343 5 22 800 9 18.087 1 18 179 0 38266 10 952 4 197 0 11 149 4 注1) CRはcreditorの略で 貸方記入を示す。 2)この小計はη849万1700万ボントとなる。 [出所1 [19]。第2表資本支出の推移 (単{立 1,000ポ ン ト ) 総資本支出(A) 国庫支出金 純支出〔
ω
一(副 年 度 金 額 指 数 と分担金(防 金 額 f旨 数 1974 30,814 100 2,857 27,957 100 1981 14,067 46 2.360 11,706 42 1982 14.284 46 3.112 11,172 40 1983 16,706 54 2.505 14,201 51 1984 23,867 77 1.108 22,759 81 1985 24,835 81 4.364 20.471 73 1986 25.433 83 4,046 21,387 76 1987 20,343 66 4,194 16,149 58 1988 22.801 74 3,769 19,032 68 1989 18.087 59 3.236 14,851 53 1990 18.179 59 3.970 14,209 51 注)1974年度一1984年度は決算額, 1985年度は修正予算額, 1986年度は予算額, 1987年度以降は見積額である。 〔出所) [18J。
1980年代初頭の総資本支出の水準は,北ヨークシャー県が発足した 1974年度 に比較して大幅に低下している。それは, 1984年度-86年度に一時期増大傾向 に転じたものの 1989年度, 90年度においては6割の水準になるものと予測さ れている。ハウンサム氏は, 1987年度以降の資本支出の水準を考える時の留意 点をいくつかあげているが,最初の2つだけを紹介すればつぎのようなもので ある。すなわち,第1は, 1986年1月に発表された政府の公共支出白書(
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Paper on P
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によれば,これから2
年間の地方自治体の資本 支出は1986年度の水準を実質値でこえるようには計画されていないこと,第2
は,地方自治体の資本支出にたいする統制が資本収入の使途とリースによる資 金の融通とに関してともにより強化されるであろうということで、ぁぎ;した がって,北ヨークシャー県議会のこれから4
年間の資本支出も漸減傾向になる ということである。 (6) [18J, p 5319 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について -33 中期資本予算は,通常 5月又は6月の県議会本会議で承認される。 資本支出は 2年以上にわたる財政支出であるからこのような中期予測がお こなわれるのであろうが,それは,土地の購入,校舎や道路の建設等の見込み にすぎなし、。したがって,中期資本予算の承認がただちに各年度の資本支出を 決定するわけではない。そこで,当該財政年度の資本支出に関しては年間資本 予算
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が編成されなければならない。これが資本予算編 成のもう 1つの作業をなす。 翌財政年度の資本予算の編成は,前年の9月に開始されるが,それは,すで に承認された中期資本予算の当該年度の数値を基礎に編成される。そして,年 間資本予算の編成は,それが経常勘定からの資金の繰出しを含むために,経常 予算の編成以前におこなわれ,経常勘定の負担額を明確にしfよければならない。1
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年度の資本予算原案(
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は,1
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年1
2
月末に出来上 がり,翌年1
月2
0
日開催の財政小委員会(
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に提出さ れた。1
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年度の資本予算原案の総括表は,第3
表の通りである。それによる と1
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年度の資本予算の総額は,工事契約締結済(
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の1
3
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万 ポ ン 第3表 1986年度資本予算原案 (単位 1.000ポンt) 1985年3 予 測 経 費 委 員 ぷZhミ、 総予算 月31日ま 1986年度 1987年3月31日以降 1985年度 での支出 契約締結済 米 契 約 契約締結済 未 契 約 県計画 583 7 90 2 127 5 184 0 1820 教育 23.607.6 8.700 2 7.746.5 3.419.2 1.419 7 6390 1.683 0 道路・運輸 34.887 3 6.529.1 10.242.8 8.991.0 3.284 8 5.283 6 556 0 図書館・博物館 740 0 64 8 462 3 161 4 20 0 31 5 北ヨーF・ムアズ国定公園 4168 150 3 138 5 48 0 80 0 警察 1.360 3 25..1 564 4 253 6 3084 1.0 207 8 政策・財源 7.916.4 100 1 2.230.5 4474 5.116.0 22 4 住民保護 2.258.4 219 4 1.040.9 401 0 216 1 381 0 社会サーヒス 4.400 2 1.223.0 2.252..3 83 0 363 4 478 5 ヨ-1',/ャー・デールズ固定公園 163 0 29 0 15 0 119 0 メ口斗 E十 76.333 7 17.1022 24.834.7 13.955.6 11.0774 5 9551 3.408.7 〔出所) [14]。ドと未契約
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の1
1
0
8
万ポンドを合計して,2
5
0
4
万ポンドである。 そして,そのうちのほぼ5
0
ノミ一セントをしめるのが道路・運輸委員会であるが,1
2
2
8
万ポンドのうち5
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0
万ポンドはヨーク外まわり環状道路の建設費である。 道路・運輸委員会についで大きいのは教育委員会であり,それは約4
8
0
万ポン ドである。その内訳をみると,大きい項目は,小学校の建設費8
0
万ポンド,ハ ロゲイト学芸・技術学校(
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の増築 費8
0
万ポンド等である。なお,1
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6
年度の資本支出は,中期資本予算の第4
年 目である。1
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6
年度の資本予算原案は,つぎにのベる経常予算原案とともに,1
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8
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年2
月初めに開催される政策・財源委員会に提出されたのち県議会本会議に提案さ れる。I
I
I
経常予算の編成 つぎは経常予算の編成である。カークマン氏によれば,翌年度の経常予算の 編成作業は,予算編成の基本となる要綱(
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を承認すmる,県議会の7
月 本会議から開始され,それが近年では「据え置き予算(‘s
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t')Jの 作成につながってゆく。1
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年度の経常予算の編成も,このような手順をふん でおこなわれた。 まず,1
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5
年7
月の県議会で財政小委員会が作成した1
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年度の要綱が承 認された。つづいて8
月1
日開催の本会議は,県財政部長(
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のハウンサム氏が6
月に作成した1
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年度予算の一次予測(
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)
に関する政策・財源委員会の報告をうけたが,1
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年度予算に関する立 ち入った議論は1
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年 度 の レ ー ト 援 助 補 助 金 最 終 案(
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)
についての環境相の提案をまっておこなうべきであるという同委 員会の報告を了承した。しかし,実を言うと,後にみるように, レート援助補 (7) [4). (8) 私は未見である。 (9) これも未見。321 イギリス・北ヨークシャー県の 1986年度予算の編成について -35-助金最終案に関する環境相の提案は
7
月2
5
日におこなわれていたが,その含意 を分析する時聞が北ヨークシャー県議会には十分なかったし,人件費, とくに 経常経費の大宗をなす教員給与も 7月にはまだ未決定であったのである。しか し,ハウンサム氏は,1
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年度経常予算に関して9
月末に作成され,1
0
月7
日 開催の財政小委員会に提出された文書において rこのような事情によって翌年 度の予算を〔現在〕見積ることは危険の多い作業となる。しかしそれにもかか わらず財政小委員会が1
2
月2
日の会議において予算の規模に関し各サービス 委員会に勧告をおこなうとすれば, さまざまな可能性を含むより立ち入った考 察をただちに開始することは不可欠である。」と言う。そこで,彼は,年度途中 ではあるが1
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5
年度の修正予算(
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)
を基礎に1
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年度の経常予 算の素案,すなわち「据え置き予算」を作成する。 「据え置き予算」とは,カークマン氏によれば,現行水準のサービスを提供 するのに必要な経費の他に,前年の予算で一部執行された事業の平年度負担分, 投資事業(
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)
から生じる経常勘定負担分,そして,インフレ による前年の経費増加分を含む歳出の総額である。インフレによる経費の増加 分についていえば,そもそも県議会の予算は通常前年の1
1
月の物価水準を基礎 に編成され,1
1
月から当該財政年度末までの物価の上昇分に関しては大雑把な 金額が計上されるにすぎない。たとえば,1
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8
7
年度予算は1
9
8
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年1
1
月の給与 と物価の水準を基準に編成され,1
9
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年1
1
月から1
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8
年3
月までのインフレ による経費の増加分は「臨時費(
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)
J
として一括または大雑把な金額 が計上されるということである。 さて,1
9
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5
年9
月末にハウンサム氏が作成した1
9
8
6
年度の「据え置き予算」 に話をもどせば,1
9
8
5
年9
月から1
9
8
7
年3
月までの給与上昇分を55
パーセ ント,物価の上昇分もまた年平均5
,5
パーセントと想定する。1
9
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5
年度の当初 予算は2
億3
3
0
0
万ポンドであるから,これに1
9
8
5
年度の平年度負担分とイン フレ上昇分9
6
0
万ポンドと1
9
8
6
年度の臨時費1
1
5
0
万ポンドが追加される。さ ( I助 [8],pl (1]) [4].らに1985年度における投資事業の経常勘定負担分から主としてなる「当然増経 費(“committedgrowth")J 330万ポンドと,建物修繕維持基金(Buildin gMain-tenance Fund)等からの, 1985年度と同額の繰出し金460万ポンドが追加され, 「据え置き予算」の総額は 2億6200万ポンドとなる。これは, 1985年 度 の 歳 出純計を2900万ポンド上まわることになる。以上の算出の過程を示せば,第4 表の通りである。 ところで,前年度に比較しての増加分, 2900万ポンドは,赤字予算が認めら れないイギリスの地方自治体の予算制度からいって埋め合わされなければなら ない。ハウンサム氏は,資本費融資政策(capitalfinancing policy)の変更によ り400万ポンドがうき r据え置き予算」は2億5800万 ポ ン ド 程 度 に 減 額 さ れ る見込みであると言う。しかし,その場合でも2500万ポンドの追加の財政収入 が必要であるが,それはレート援助補助金の増額か県委任課税(Countypre -cept)の増税かによって補填されなければならない。ハウンサム氏は r再び強調 されなければならないが,これはあくまでも概算の見積りである。しかし,そ れにもかかわらず2200万ポンドから 2700万ポンドの負担の増加がありうると 思われる。」と言う。 第4表 1986年度据え置き予算 (単位 100万ポンド・パーセント〉 1985年度歳出 2 インフレーション (a) 1985年度平年度負担とイン フレ上昇分 (b) 1986年度臨時費 3 当然増経費 4 建物修繕維持基金等からの繰 出し 5 1986年度歳出見込み 6 経費の増加分 〔出所) [8 J
。
(12) [8J
, p 2 純 経 費 11985年度比増加率 2330 21 1 96 11 5 33 4 6 262 0 290 91 L4 20 125323 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について -37ー ま ず レ ー ト 援 助 補 助 金 の 交 付 見 込 み 額 で あ る が , こ の 時 点 で は 北 ヨ ー ク シャー県の補助金関連経費見積り (GREA)が不明であり,レート援助補助金の 交付額は推測の域を出ない。 lつ言えることは,北ヨーグシャー県の純支出が 来年度は増加するから,レート援助補助金が減額されるであろうということで ある。そのさい経費が1ポンド増加するごとに,補助金が約 25ペンス削減され る。そこで,ハウンサム氏は,第
5
表のような見込みをたてる。すなわち,純 支出が2億 5800万ポンドの時は,国からのレート援助補助金の交付額は l億 1210万ポンドであるのにたいして,純支出が,たとえば 2億 5000万ポンドに削 減されれば,レート援助補助金は1億 1410万ポンドに増額されるということで ある。 つぎに県委任課税の税収見込みであるが, これはレート援助補助金よりも更 に不確定である。そこで,歳出額に対応する委任課税の税率を示すと第6
表の 第5表 レート援助補助金の予測 (単位 100万ポンド〉 純支出 1986年度 240 0 . 245 0 2500 255 0 258 0 (歳出見込額〉 1985年 度 2330リ 〔出所J
[8J
。 レート援助補助金交付額 1166 1153 114 1 1128 1121 1100 第6表 県 委 任 課 税 率 の 予 測 純 経 費 (100万ポンド〉 1986年 度 240.0…
2450川 川 引 250 0.. 県 委 任 課 税 率 税率(ペンス)I別行聖堂雪村リ合
… 引150 158 166 5 10 2550 … ! 川 川 川 引 山 川 刷 • • . . • 174 15 2580 (歳出県込額〉…l引 ド ド178 18 1985年度 2330 〔出所J[8J
。
151ようになる。すなわち,歳出が「据え置き予算」で推測したように2億5800万 ポンドになれば,委任課税は178ペンスとなり,本年度に比較して 18ノミ一セン トの増税となる。しかし,委任課税の増税を10ノミーセントにおさえようとすれ ば r据え置き予算」の歳出は800万ポンド,すなわち 34パーセント削減しな ければならない。 以上が1985年 10月初旬の財政小委員会に提出された「据え置き予算」の概 要である。これをみると r据え置き予算」は前年度の予算を基礎にして当該財 政年度の純支出を見積り,それをまかなうためにレート援助補助金の交付額と 県委任課税の税率を予測することによって作成されることがわかる。そして, 「据え置き予算」は,財政部長がかなり技術的に,すなわち各サービス部局や委 員会との折衝をへずに作成しているようにみうけられることが特徴であろう。 ところで,ハウンサム氏は, 1985年 12月2日開催の財政小委員会にたいす る, 11月下旬に作成された財政部長報告において r翌年の予算に含まれる純支 出のこまかし、積上げ作業は,今やほとんど完了した。さらに一層の調整がおこ なわれることも考えられるが,計数全体にたいする大幅な変更はほとんどあり えない。」と言う。したがって 1986年度の経常予算の原案はこの時期にほぼ出 来上がったものと考えてよいであろう。 カークマン氏によれば,経常予算編成のこまかい作業は
9
月, 10月,そし て11月 初 旬 に お こ な わ れ る 。 す な わ ち , 行 政 サ ー ビ ス 各 部 の 部 長(Chief Officers)と委員会の議長たち (CommitteeChairmen)は,翌年度において緊急 に実施しなければならない事業を検討するとともに,経費節約の目途をたて, たとえばlパーセント節約できるか2パーセント節約できるかを議論する。そ して, 10月から11月にかけて政策・財源委員会の議長(県議会のリーダーがな る),財政部長,そして各サービス部局の部長の聞の一連の会合がおこなわれ, そこにおいて(a)財政部長による翌年のレートの増税の予測, (b)政府が課する経 費目標, (c)新規事業または経費の節約の見込みの検討がおこなわれ,翌年度の (]3) [9 J.p..1 (]4) [41325 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について --39-経常予算と資本予算の大筋が決定される。政策・財源委員会の議長は,そのよ うな折衝をふまえて
1
2
月初めに開催される財政小委員会にたいして翌年度予 算の歳出に関する勧告(
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をおこなう。そして,財政小委員会 にたいする勧告は各サービス委員会に通知され,つぎの会合で詳細な据え置き 予算が承認されるとともに,財政小委員会の勧告とともに新規事業ないし経費 節約のための修正が検討される。 さて,1
2
月2
日の財政小委員会にたいする財政部長の報告に話をもどせば, 「据え置き予算」が編成された1
0
月初め以降の2
ヵ月間に政策・財源委員会の 議長は,各委員会の予算について当該の委員会の議長と協議し,行政サービス の水準に影響をあたえない範囲で経費を削減したり収入を増加したりする可能 性やサービスの向上をはかるための経費の増加を検討した。そして,そのよう な作業の結果をまとめたものが第7表である。この表について若干説明する。 まず最初の投資事業に伴う経常勘定の負担金89万6千ポンドであるが,このう ち6
1
万2
千ポンドは道路・運輸委員会の管轄であるヨーク環状道路の建設にあ てられる。現行のサービスを維持するための追加支出3
1
1
万9
千ポンドのうち ほぼ半分の1
5
8
万ポンドは教育委員会に配分されるが,そのうちの最大の支出 は成人教育の受講者と奨学金受給者の増加による経費の増加分1
6
5
万7
千ポン 第7表 1986年度経常予算歳出増の内訳 (単位 1,000ポンド〉 1 投資事業に伴う経常勘定負担分 896 2 現行のサービスを維持するための追加支出 3.119 3 議長勧告による新規事業費 556 5十w
4,571 4 新規資本収入利子 589 5 基本予算における経費節約 1.000 6 議長勧告による経費節約 934 計 (B) 2,523 歳出の実質増((A)ー(助〕 2,048 〔出所) [9]。ドである(なお,中等学校の生徒数の減少により教育費は
5
5
万ポンド節約され, 純増が1
5
8
万ポンドということである〕。議長勧告による新規事業費5
5
万6
千 ポンドの内訳をみると,警察委員会が2
1
万ポンド,政策・財糠委員会が1
4
万9
千ポンド等である。つぎに,新規資本収入利子とは,1
9
8
5
年度と1
9
8
6
年度に 土地等を売却した代金を一時的に投資した結果得られる利子収入である。基本 予算(
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)
における経費節約とはすでに承認された経費節約の平年度 分である。なお,1
0
0
万ポンドのうち5
4
万4
千ポンドは教育委員会である。そ の内訳をみれば,成人教育における経費節約1
4
万8
千ポンド,学校給食サービ スにおける経費節約1
0
万2
千ポンド等である。議長勧告による経費節約9
3
万 4千ポンドの内訳をみれば,教育委員会,道路・運輸委員会,社会サービス委 員会がそれぞれ2
5
万ポンドである。 近年の経常予算編成時にみられる経費節約についてのカークマン氏の説明を 紹介すれば,各サービス部局の部長は県議会から求められた場合自分の委員会 がおこなわなければならない経費節約のリストを準備するのが慣行となってい る。たとえば,各部長は1
9
8
5
年度においては2
パーセント,1
9
8
6
年度において は1
パーセントの節約を検討するように県議会から要請された。各委員会の経 費節約のリストは,委員会の議長,政策・財源委員会の議長,当該部局の部長, そして財政部長の4
者が検討し,経費節約の当否が決定される。そして,合意 された経費節約の金額は政策・財源委員会の議長によって財政小委員会に提案 される。それが承認されると,個々の委員会は要請された経費節約を達成する 方法を検討することになる。したがって,これは,-スペイン異端審問所」方式 の予算編成方式といえるであろう。 さて,1
9
8
6
年1
0
月初めの「据え置き予算」によれば,補填すべき財源は2
5
0
0
万ポンドあったが,1
2
月初めの最新の数値にもとづくと,それは第8表のよう に2
7
6
0
万ポンドである。しかし,ハウンサム氏によれば,建物維持修繕基金か (]5) この詳細については,[
1
0
J
をみよ。 (J日[5J
.
(]司拙稿[7J
, p.54,をみよ。327 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について 第8表 1986年度予算歳出増加見込み 0985年12月〉 (単位 100万ポンド) 項 目 l インフレーション (a) 教員給与の引き上げを含むイン7レによ る1985年度経費増加分 (b) 1986年度臨時費 2 新規歳出増1) 3 建物維持修繕基金からの繰出し 合 計 注1) 内訳は第7表をみよ。 〔出所) [9
J
。 金 額 7 3 13 7 2 0 4 6 276 -41-らの3
4
0
万 ポ ン ド と 資 本 費 融 資 の 変 更(
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で う い た2
6
0
万ポンドが利用でき,補填すべき経費は2
1
6
0
万ポンドに減少する。これを 補填する財源はレート援助補助金と県委任課税であるが,それらの見積りはど うであろうか。 まず前者について言えば,政府は,1
9
8
5
年1
0
月2
8
日に1
9
8
6
年度の補助金関 連経費(
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,以下,GRE
と略称〉の暫定値を発表した。 それによれば北ヨークシャー県のGRE
は2
億6
0
8
0
万ポンドとなり,1
9
8
5
年度 の2
億4
1
6
0
万ポンドに比較して79
パーセントの増加となる。しかし,この増 加分のうち1
8
0
万ポンドは他のすべての県の県議会経費(
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に同じような影響をもっ成人教育費プール勘定の算式の変更にもと づくものであるから除外すると,北ヨークシャー県議会のGRE
の増加率は7
.
.
2
4一セントとなる。しかし,それでもシャイアー諸県(
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)
の平均の55
パーセントに比較するとかなり大幅な増加率といえる。その原因はなにか といえば,それは教育費を計算するさいの指標の学校人口が稀薄になるにつれ て経費が割高となる密度補正(
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)
と公債費負担の指標の変更が北ヨーク シャー県に有利に働いたことによる。この点について,ハウンサム氏は r北ヨー ( 1曲 これは,第8表中の 460万ポンドとは別枠である。グシャーは,実際,シャイアー県の中ではGREの査定において最も得をした。 教育密度補正
(
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)
と公債費負担の指標の変更は,補助金 総額にたいする政府の統制と大都市県にたいして資金を全面的に振りむけよう とする,現実にとられているようにみえる政策とに起因する補助金の実質的喪 失を,たしかに軽減するであろう。」と言う。 ところで, レート援助補助金の交付額はまだ発表されていないが,ノ、ウンサ ム氏はそれを1
億1
2
5
0
万ポンドと見積る。これは1
9
8
5
年度の交付額がl
億1
0
0
0
万ポンドであったから,23
パーセントの増加率となる。そして,県のレー ト委任課税の税率は1
7
3
ペンスとなり,前年度に比較して2
2
ペンス,1
5
パーセ ントの増税となる。 以上のような経常予算の見積りをふまえて,政策・財源委員会の議長は,財 政小委員会にたいして6点の勧告をおこなった。ここではそのうちの3点だけ を紹介すると,その第1
は r据え置き予算」の歳出を第7
表に示されたように, 議長勧告により9
3
万4
0
0
0
ポンド削減すること,第2
は,同じく第7
表のよう に議長勧告による新規事業費として5
5
万6
0
0
0
ポンドを計上すること,第3
は, 統合借入基金(
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から各サービス委員会が借り入れた 資金の利率を年11ノξ一セントとすることであった。 さて,財政小委員会は1
月の会議において予算を中心として再び議論をお こなうが,その時までには政策・財源委員会の議長の勧告にたいする各委員会 の反応が出,県にたいするレート援助補助金の交付額も政府から通知され,予 算編成も大詰めに近づくのである。I
V
レート援助補助金等の決定 北ヨークシャー県の近年における歳入の内訳をみると第9表の通りである。 これによれば特定補助金, レート援助補助金,運輸補填補助金の合計は経常収 入の約5
0
パーセントをしめる。したがって,中央政府からのそれらの交付額の (19) [9], p.8川 ω1) 1985年12月18日に通知された金額は 1億1220万ポンドであった。329 イギリス・北ヨークシャー県の 1986年度予算の編成について -43-第9表 北ヨークシャー県の経常収入内訳 (単位 1,000ポンド・パーセント〕 1983年度 1984年度 収 入 項 目 金 額 構成比 金 額 総経費(A) 291. 561 9 100 0 306,635 7 特定補助金(紛 27.468 9 9 4 38,585 4 その他の収入札) 37.850 0 13 0 41. 004 9 純経費 l(A)ー(B)ー(C)J 226.243 0 77.6 227,045 4 レート援助補助金 110.295 5 378 107,785 4 運輸補填補助金 6,349 0 2 2 7.485 5 余剰金の増減 8,437 3 2 9 2,175 7 レート納税者の負担 101.161 2 34 7 109.598 8 注)1983年度, 84年度は決算額, 1985年度は修正予算額である。 〔出所J [15]. [16J
。
構成比 100 0 12 6 13 4 74 0 35 1 2 4o
7 35 8 1985年度 金 額 構成比 308.607 9 100 0 30,120 9 9 8 43.707 0 14 2 234.780 0 76 0 112,000 0 36 3 2.111 0o
7 120,669 0 39 0 決 定 は 北 ヨ ー ク シ ャ ー 県 の 予 算 編 成 を 左 右 す る 大 き な 要 素 を な す 。 そ こ で , つ ぎに 1986年度のレート援助補助金等の決定の経緯について概観する。 1986年 度 の レ ー ト 援 助 補 助 金 最 終 案 は 3段階をへて決定された。すなわち第 1段階は,環境相が 1985年7月25日に 1986年 度 の レ ー ト 援 助 補 助 金 総 額 の 暫 定 値 , 経 費 目 標 と 罰 則 の 廃 止 , そ し て そ れ に 伴 う 包 括 補 助 金 の 機 構 の 改 革 を 提 示したことだった。第 2段階は,同年 10月28日付の環境相の書簡でGREを計 算 す る 方 法 の 変 更 と 個 々 の 地 方 自 治 体 のGREの 暫 定 値 が 明 ら か に さ れ た こ と で あ る 。 そ し て 最 後 の 段 階 は , 同 年 12月18日に 1986年 度 の イ ン グ ラ ン ド の レート援助補助金最終案が庶民院に提出され,それが翌年l月20日に可決され たことである。 つぎに,これら3つの段階をすこし立ち入ってみる。 1985年7
月25日 の 庶 民 院 に お い て 環 境 相 の ジ ェ ン キ ン ( Je
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)
は, 1986年 度 の 地 方 財 政 に つ い て 説 明 を お こ な い そ の 中 で イ ン グ ラ ン ド の レ ー ト援助補助金の提案をおこなった。「私の提案は,国庫補助金総額が今年[1985 年 度 〕 の 最 終 案 で あ る 118億 ポ ン ド と 同 額 と い う こ と で あ り , そ れ は 来 年 の 補 。1) この節の以下の部分は,主に [21Jによる。助金対象経費(relevantexpenditure)の大体47ノミ一セント以下になる見込み であるということであります。」そして r私が提案している
RSGC
レート援助 補助金〕最終案は過去数年間におけるよりも複雑ではなくなるでありましょう。 それは,経費支出の大きい自治体にとっては経費節約に強い圧力がかかるであ りましょう。最も浪費的な自治体にたいしては強し、規制が伴うでしょう。もし 地方自治体が賢明に行動するならば,来年のレート平均増加率はl桁の中でも 低い水準になるはずであります。」これがジzンキンの提案の要点である。それ にたいして野党である労働党の影の内閣の環境問題担当のスポークスマンであ るカニンガム (Cunningham,DrJ
.
ohn)は r今年は,現政府がレート援助補助 金を故意に削減してきた6
年目である。公表された1
1
8
億ポンドとし、う数字は, 現行のインフレ率を与えられたものとすれば,貨幣額が凍結ということである から実質で7パーセントの削減になるであろう。〔その結果〕地方議会が現行の サービスを維持しようとすればほほ1
0
億ポンドの財源不足が来年は生じるで あろう。」と批判した。 環境相の7
月2
5
日の庶民院での提案の詳細は,実は,環境省の諮問案(con -sultative paper)として地方自治体の諸国体に送付されており,秋には地方財政 諮問会議(ConsultativeCouncil on Local Government Finance)の補助金作業 部会(GrantsW orking Group)において立ち入った検討が加えられることに なっていた。したがって7
月の諮問案の送付は,地方自治体にレート援助補 助金最終案についての全体像を早く知らせることが狙いであった。諮問案の概 要をみれば,まず第l
に,レート援助補助金算定の基礎となる1
9
8
6
年度の経常 経費は公共支出白書の見積り額を5
億ポンド増額して2
2
2
億5
0
0
0
万ポンドと 見積ること,第2
に,環境相が庶民院でのベたように国庫補助金総額は1
1
7
億6
4
0
0
万ポンドとし,1
9
8
5
年度の最終案と同額とすることである。補助金対象経 倒 ‘Statementby the Secretary of State for the Environment in the House of Commons on25thJ
uly 1985',[21J 闘 [22J“ 倒 [21].pp..89-90.331 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について -45-費に対する国庫補助金総額の割合は, 1985年度が 487パーセントであったが, 1986年度には 46引8パーセントとなり, 19ポイント減少する。そして,第3は, 先に紹介した環境相の演説の後半でのべられていることだが, レート援助補助 金交付に関連して設定されていた経費目標と罰則が廃止されるというこ主で あった。その理由について諮問案は,.経費目標と罰則は地方自治体の支出の膨 張を抑制するのに効果があったと主張されるけれども,その内在的な硬直性と 過去の支出形態に過度に依存するということによりだんだんとその欠陥が露呈 してきた。それ故に国務大臣〔環境相〕は経費目標と罰則を廃止し,それに代 わって経費を規制する,包括補助金の基本的機構を使うことを決断した。」と言 う。すなわち,具体的にはポンドあたりの補助金交付額算定のカーヴの傾斜を 急にするとともに,補助金関連経費を5パーセントこえた場合の中間関 (inter. mediate threshold)を挿入することであった。 ところで wタイムズ』のウオーカー記者によれば 7月 25日のジェンキン 環境相の上記の提案は,.大蔵省にたいする彼の省の画期的な勝利を意味すると ともにシャイアーと郡の議会の保守党グループにたいする大きな譲歩を含む」 ということである。すなわち,大蔵省のはげしい抵抗をおして,環境相は個々 の地方自治体にたいする経費目標を1986年 4月から廃止するとともに, 1986 年度の国庫補助金をシャイアー県,特にパッキンガムシャー,サリー,イース ト・アングリアに有利なように配分することに成功したということである。 しかし,この時点では北ヨークシャー県のレート援助補助金の交付額につい てはまったく不明であった。 環境相のベーカー (Baker,Kenneth)は, 1985年 10月 28日に書簡を発表し, 経費目標が廃止される 1986年度の予算編成にあたって地方自治体の要望に答
。
)5補助金対象経費が241億6100万ポント、であったのにたいして,国庫補助金総額は 117億 6400万ポンドであった。 ( 2)6 [22J。。
) 環境相は, 17 985年 9月の内閣改造の結果,ジェンキンが更送され,代わってベーカーが就 任した。 側 ‘RateSupport Grant 1986/87-Provisional Grant Related Expenditures-Department of the Environment Letter of 28th October 1985',[21J, p 173えレート援助補助金に関するより多くの最新の情報を与えようとした。この書 簡において環境相は,補助金関連経費の査定の方法の変更とともに個々の地方 自治体の補助金関連経費の暫定債を明らかにした。前者についてはすでに簡単 には紹介したが,ややくわしくみれば,教育費の密度補正の指標(sparsityin -dicator)とは,中等教育に関し「ヘクタール当たり 4人又はそれ以下の生徒をも っ教育行政地域の人口の割合を基礎にした密度の現在の物理的尺度の代わり に,ヘクタール05人またはそれ以下の人口とヘクタール当たり O引5人から4 人の人口をもっ闘の組み合せに基礎をおく尺度を導入すること」ということで ある。また,教育費の公債費負担の指数の変更とは1981年度以前の公債費負担 に関し r現実の経費を充当するということから,成人教育費プールにたいする 拠出を除く教育サービスの残りの部分にたいする見積り補助金関連経費に比例 する配分に変更すること」であった。このような査定方法の変更により,すで に指摘したように北ヨークシャー県は補助金関連経費の査定において最も得を したのである。 北ヨークシャー県の補助金関連経費の暫定値はなお不明である。というのは, 『レート援助補助金~ (1986年度版〉にはそれに関する資料(Annex
B
)
が掲載さ れていないからである。しかし,先に指摘したように,ハウンサム氏によれば それは2億6080万ポンドであった。 さて,ベーカ一環境相は, 1985年 12月18日の庶民院にイングランドの1986 年度レート援助補助金最終案を提出した。彼は,まず「この最終案の主要な特 徴は,経費目標とそれに関連した補助金罰則の廃止であります。この決定は, 大多数の地方自治体が熱烈に勧迎したところであります。それは補助金制度の 大幅な簡素化であります。/われわれの目的は,今日においても地方自治体の経 常支出を経済が許容できる水準に圧縮することであります。経費支出の小さい 自治体にはより多くの補助金を与える制度が現在存在するけれども, 目標の廃 止に便乗して実質的に経費支出を膨張させないように,そのような自治体にた 自由 ‘Statement by the Secretary of State for the Environment in the House of Commons on 18th December, 1985, '[21], p.246 次の引用文の傍点は西山。47ー イギリス・北ヨークシャー県の 1986年度予算の編成について 333 したがって,経費 目標と罰則が廃止されても,地方自治体は経費支出を自由に増大させることが できるわけで、はない。「より多く支出することによってより少ない補助金をもら より少なく支出することによってより多い補助金をもらう」という原則は, いしては強い圧力をかけつづけることであります。」と言う。 ,
、
} h v あいかわらず存在するのである。つづいてベーカーは,1
9
8
6
年度の国庫補助金 それは補助金関連経費の1
0
月2
8
日に暫定的な補助金対象経費の 総額が今年度と同額の1
1
7
億6
4
0
0
万ポンドであり,4
6
5
パーセントになるとし、う。彼は, 見積りを発表したが,-その発表以来私にたいしておこなわれた陳情を注意深く 検討したが, しかし私の原案が妥当であると判断した。 しかし,個々の自治体 の補助金関連費見積り額(
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)
は,最近の情報によって1
0
月に発表された1
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月1
8
臼付の環境相のメモ とW
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/
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)
]
によって若干計数の説明をつ なお, 数字とは若干ことなるであろう。」と言う。 け加えれば,イングランドの地方自治体の経常経費総額は2
2
2
億5
4
0
0
万ポンド で,1
9
8
5
年度の最終案に比較して9
億4
0
0
0
万ポンド,4
5
パーセントの増加で あった。しかし,非経常経費項目(
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0
億7
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万ポンド追 加され,結局,補助金対象経費総額(
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億2
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万ポンドとなる。国庫補助金総額は7
月に発表された通りの1
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億6
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万ポン これは1
9
8
5
年度の最終案と同額である。しかし,それから警察行政 ドであり, ンドとを差し号│いたものがレート援助補助金であり, ドとなる。それからさらに住宅レート軽減補助金7
億8
0
0
万ポンドが差しヲ│か この算出過程を表にしたのが, 等にたいする特定補助金2
6
億6
0
0
万ポンドと運輸補填補助金等l億7
0
0
0
万ポ それは8
9
億8
8
0
0
万ポン れ,包括補助金は8
2
億8
0
0
0
万ポンドとなる。 第1
0
表である。 以上のような1
9
8
6
年度レート援助補助金最終案にたいして,労働党のカニン 「われわれは,補助金総額を1
9
7
9
年に現政府が引き ガムは,庶民院において, ついだ6
2
ノミ一セントちかし、水準から地方自治体の経常経費の4
7
ノξ一セント以 正確にいえば, 46 4パーセントである。 (3助第10表 1986年度レート援助補助金(イングランド〉 (単位 100万ポンド) 項 自 1 経常経費総額 2 その他のレート基金経費 3 補助金対象経費総額c1
+
2 J 4 国庫補助金総額 5 特定および補填補助金 警 察 改良補助金 都 市 計 画 徴 罰 裁 判 所 保 護 観 察 補填補助金 その他 6 レート援助補助金 [4-5 J 7 住宅レート軽減補助金 8 包括補助金 (6一 7J 〔出所JMain Rψort1986/87, [21J。 金 額 22,254 3.075 25,329 11.764 2.776 1,394 465 185 132 131 170 299 8,988 708 8.280 下に引き下げるべきであるというのは受け入れることができない。この削減は 第7
年目に入るが,それは総額で1
6
0
億ポンド以上の損失を地方自治体にあた えたのである。/彼〔ベーカー〕は,地方自治体が補助金関連経費見積り額を超 過して支出すれば罰金を再び課せられるとは言わなかったのではないのか。も し多くの支出が少ない補助金を意味するのであれば,彼は,経費目標と罰則を 廃止したとは主張できないのではないのか。」と批判した。また,自治体関係 者もそれぞれの立場からこの最終案を批評した。まず,大都市自治体協会(
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会長代理のブランケット(Blu
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)
は,レート援助補助金最終案は自治体が廃止される地域のレートの増税 を緩和し,来年5
月の自治体選挙において保守党が勝利することをねらった ベーカーの政治的操作であると非難した。県議会協会(
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County
(31) [23].傍点は西山。335 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について
-49-C
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議長のラヴィル(
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は,最終案が特にシャイアー県に不利 であり,レート納税者の負担を2
0
ノf一セント以上も増加すると言う。郡議会協 会(
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)
は,大都市以外のレート納税者の3
分のl
が1
0
パーセント以上のレートの増税になるであろうし,-皮肉なことに今日 の最終案によってもっとも打撃をこうむる多く〔の自治体〕は,ホワイトホー ルが設定した目標以内に経費をおさえて政府の勧告に常に従、ってきたところで ある。」と言う。したがって,全般的にこの最終案は,地方自治体に熱烈に歓迎 されたとは言えないであろう。 そこで,その理由を多少でも明らかにするため,主として『レート援助補助 金A(19
8
6
年度版)によって,1
9
8
6
年度のイングランドのレート援助補助金最 終案の全般的な特徴を簡単にみておくことにする。 まず第lに,国庫補助金総額であるが,これはジェンキン環境相が1
9
8
5
年7
月に発表したのと同額の1
1
7
億6
4
0
0
万ポンドであった。それは前年度と同額で あり,実質的には45
パーセントの減額となる。そして,補助金対象経費2
5
3
億2
9
0
0
万ポンドにしめる国庫補助金総額の割合は4
6
.
.
4
パーセントとなり,前年 度に比較して更に23
ポイント減少する。サγチャ一政権下における補助金対 象経費にしめる国庫補助金総額の割合の推移を示せば,第1
1
表のようであり,1
9
8
1
年度以降連続して低下し,1
9
8
5
年度には5
0
パーセントを割ってしまった のである。 第2
は,国庫補助金総額の分析である。第1
2
表をみよ。包括補助金は,国庫 補助金総額から特定補助金,補填補助金,そして住宅レート軽減補助金を差しヲ
I
¥,、た残額で『あるが,それは,1
9
8
6
年度は前年度に比較して2
億9
0
0
万ポンド,2
.
5
パーセント減額されている。また,国庫補助金総額にしめる包括補助金の割 合は,現行の包括補助金制度が発足した1
9
8
1
年度が763
パーセントであった (扮以上,いずれも[23].. 側 1986年度は, 1981年度から勘定すれば正確には6年目にあたる。したがって, 12月18日 の庶民院におけるカニンガムのr7年目」という指摘は誤りである。但し,ハンサードは未 見である。第11表 補 助 金 対 象 経 費 に し め る 国 庫 補 助 金 総 額 の 推 移 (単位 ノミーセント) 年 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 度 発 表 時 60 60 59 1 561 528 519 487 464 年度末1) 549 51 7 498 49 9 46 6 46 4 注1) 経費支出の過大な自治体にたいする罰則により補助金が減額され た結果である。 〔出所J[23]
。
第12表 国 庫 補 助 金 総 額 の 分 析 (単位 100万 ポ ン ド ・ ノ ミ 一 セ ン ト ) 1981年度 1985年度 最 終 案補経る割費助金に合対 象し め構補助成金比の最 終 案経補る助費割金に対しめ合 象 構補助金の 成比最 終 案 補助金対象経費 17,338 -124,161 -125,329 特定補助金 1,381 7 97 13 4 2,410 10 0 20 5 2,606 補填補助金 387 2 23 3 8 166o
7 1.4 170 住宅レート軽減補助金 663 3 82 6 5 699 29 5 9 708 包括補助金 7,823 4512 763 8,489 351 722 8,280 国庫補助金総額 10,254 59 14 100 0 11,764 48 7 100 0 11,764 〔出所J[20], [21]。 1986年度 経補る助費割金に合対し象め 10 3 06 2 8 32 7 46 4 構補助成金比の 22 2 1.4 6 0 70 4 100 0 のにたいして1
9
8
6
年度は7
0
.
.
4
パーセントに減少している。また,補填補助金 も金額は小さいが同様に減少傾向を示している。他方,特定補助金は国庫補助 金総額にしめる割合を,1
9
8
1
年度の1
3
.
.
4
パーセントから1
9
8
6
年度の2
2
.
.
2
パーセントへと大幅に増大しているのが注目される。 第3
は,県議会協会議長のラヴィルが指摘した自治体聞の包括補助金の配分 割合の推移である。それは第1
3
表のようであるが,1
9
8
1
年度以降明らかにシャ イア一地域の配分が減少している。それに反し,大都市県地域は漸増傾向であ3
3
7
イギリス・北ヨークシャー県の1
9
8
6
年度予算の編成について 第1
3
表 包 括 補 助 金 の 地 域 別 配 分 の 推 移 (単位ノ《一セント)1
9
8
1
年 度1
9
8
5
年度 シャイア一地域5
4
4
5
2
8
大都市県地域298
3
2
2
ロンドン1
5
8
1
5
0
メ口斗 計1
0
0
.
.
0
1
0
0
0
1
9
8
6
年 度5
0
9
3
L
6
1
7
5
1
0
0
0
注)1
9
8
1
年度と1
9
8
6
年度は最終案見積り,1
9
8
5
年度は最終案(経費目標での支出〕 である。 〔出所J[
2
1
J
。 -51-るし,特にロンドンの場合は1
9
8
6
年度は前年度に比較し2
.
5
ポイントも増加し ている。 さて,最後に1
9
8
6
年度の北ヨークシャー県のレート援助補助金についてみて おく。 W1986年度基本報告』によれば,1
9
8
6
年度の北ヨークシャー県の補助金 関連経費は2
億6
1
0
4
万2
千ポンドである。乗数は,1
,0
0
2
9
0
0
であり1
以上, すなわち包括補助金が若干削減されることを表わす。そLて, レート援助補助 金の交付額は,県の歳出が貨幣額でみて1
9
8
5
年度予算と同額であれば1
億1
4
2
9
万6
千ポンドであり,県の歳出が最終案経費見積りと同じであれば1
億1
2
1
7
万 ポ ン ド で あ り , 県 の 歳 出 が1
9
8
5
年 度 予 算 の 見 積 り 実 質 額(
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)
と同じであれば1
億1
1
5
0
万5
千ポンドであると発表された。V 1
9
8
6
年度予算の成立 さて,北ヨークシャー県議会の財政小委員会は年があけて1
月に再び予算を めぐって討論をおこなった。もちろんこの頃までには予算案にたいする各サー どス委員会の反応が明らかになっているし,当該財政年度のレート援助補助金 についての政府の通知も北ヨークシャー県議会に届いている。したがって,県 レート委任課税の税率が煮詰められるとともに 2月初めに開催される政策・ 財源委員会にたいする勧告案も検討できるのである。1
9
8
6
年度予算についていえば,1
9
8
6
年1
月2
0
日に財政小委員会が開催され,ハウンサム氏は,経常予算原案と資本予算原案について報告をおこなった。資 本予算原案についてはすでに紹介したので,ここでは経常予算原案の内容を検 討する。 ハウンサム氏は,まず,
1
9
8
6
年の県レートが1
7
5
ペンスに決定されたという。 それは前年度に比較して2
4
ペンス,すなわち1
5
.
.
9
パーセントの増税である。 そして,予算編成の最終目標は住民が負担するレートの税率の決定であり,そ の説明をおこなうのが経常予算に関するハウンサム氏の説明の主要な内容をな すのである。 まず第l
に県議会の純支出の見積りがおとなわれる。財政小委員会は,1
2
月 2日に,先にみたように経費節約と新規事業による経費の増加について各サー ビス委員会に勧告をおこなった。それをうけて各委員会は勧告を検討し,最終 的な経費の純増が明らかとなる。 それをまとめたものが第1
4
表であるが,1
9
8
6
年の経費の純増は2
2
9
万ポン ドであり,前年度当初予算に比較して lパーセントの増加となる。 つぎに臨時費(
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)
について。各サービス委員会の歳出 見積りは1
9
8
5
年1
1
月の物価水準を基礎におこなわれたが,1
9
8
5
年4
月からの ( 34) [11]. 第14表 経 常 予 算 歳 出 増 減 の 内 訳 (単位 1,000ポンド〉 項 目 基本予算における経費増等 投資事業に伴う経常勘定負担分 その他 資本収入利子 小 計ω
経費節約B) 新規事業費(ο 純増〔ω
H
ο
ー(防〕 〔出所) [12]。 金 額 877 7 3,077.8 (ー)5895 3,366 0 1,885.1 808..9 2,289..8339 イギリス・北ヨークシャー県の1986年度予算の編成について -53-教員給与の引き上げは未解決だった。そこで, 1985年12月2日開催の財政小委 員会は, 1985年11月から 1987年3月までの物価の上昇率と 1985年4月から の教員給与の引き上げ率をそれぞれ55パーセントと想定して, 1890万ポンド の臨時費を承認したのであった。 第3に, 1986年度の経常予算原案(draftRevenue Budget)の総括表を示せ ば,第15表の通りである。これによれば,各委員会の純支出の合計は, 2億5732 万6千ポンドであり,前年度比で 2434万6千ポンドの膨張となっている。そし て,この経費の増加は,中央政府からの包括補助金,県レート委任課税,余剰 金の充当の3つから補填されなければならなし、。そこで,つぎにそれらのそれ ぞれについてみる。 まず第1にレート援助補助金についてである。 1986年度のレート援助補助金 の暫定値は 1985年12月18日に発表されたが,北ヨークシャー県議会のそれは 1億1220万ポンドあった。しかし,この数字は補助金配分の基礎となる統計 データを最新のものにしたり r減額調整(“clawback")Jとよばれる操作が加え られたりして実際の交付金額はなお変更される可能性がある。そこで,ハウン サム氏は,そのような事情を考慮して 1986年度のレート援助補助金を1億 1300万ポンドと見積る。しかし,それは前年度に比較すると 300万ポンドの増 加にすぎず, 1986年度の純支出にしめるレート援助補助金の割合は前年度の 472パーセントから43..9パーセントに低下する。しかし,国庫補助金総額が 1985年度と同額であるという状況の下ではそれでもまだましな方であった。ハ ウンサム氏は r全体としてみた非大都市県自治体はロンドンと大都市県地域の 補助金プールへの拠出により総額
2
億ポンドをこえる補助金を失った。しかし ながら,過疎地域の教育コストにたいする理解を求める努力が政府に評価され, その対策が講じられたため,当県議会は,大部分のシャイアー県に比較して優 遇されたと考えられる。」と言う。 (35) [9 ,] p.2,をみよ。 (36) [ll], p..4第15表 1986年度経常予算原案総括表 (単位 1,000ポンド〉 1984年度!) 1985年度!) 委 員 会 開発計画 971.7 8874 教 育 149.506 0 147,202 0 道路・運輸 26,733 4 26,321 8 図書館・博物館 4,121 3 4.352 2 1ヒョ-!7・ムアスし 183 7 215 7 警 察 15.782 6 14,852 3 政策・財源 委員会経費 C R2)224 6 348 臨時費 11,7000 建物維持基金 C R 2)2,485 0 C R2)4,570 0 住民保護 8.6866 8,785.6 社会サービス 23.537 4 22,962 6 ヨークシャー・デーノLズ 232 3 235 6 委員会純支出 227,045 4 232,980 0 レート援助補助金等 115,270 9 110,000 0 レート納支税出者と余剰金にか かる純 111,774 5 122,980 0 余剰金の繰出し 2,175 7 2,311 0 レート納税者負担 109,598 8') 120,669 0 ペニーあたりのレート税収 :E784 .507 :E799 .133 県レート税率4) 139p 151P 1986年度1) 893 5 155,393 2 28.745 3 4.803 6 2098 16.3924 949 7 18.900 0 C R2)4.490 0 9,445 7 25,826 4 255 9 257.325 5 113.000 0 144.325 0 2,836 5 141,489 0 :E808,507 175P 注1) 1984年度は決算, 1985年度は当初予算, 1986年度は予算原案である。 2) 貸方記入を示す。 3) 1984年度当初予算では, 1億904万6千ポンドである。 4) レート納税者負担をベニーあたりのレート税収で除したものである。 〔出所J[13J。 レ ー ト 援 助 補 助 金 の 交 付 額 の 見 積 り が お こ な わ れ る と , そ れ を 委 員 会 純 支 出 か ら 差 し 引 い た も の が レ ー ト 納 税 者 の 負 担 と 余 剰 金 か ら 補 填 さ れ る 金 額 に な る 。 余 剰 金 は 一 種 の 緩 衝 器 で あ り , 一 方 的 に 繰 出 す ば か り で は な く 繰 入 れ ら れ て 積 み 立 て ら れ る 年 度 も あ る 。 し か し , 第15表 に よ れ ば , 1984年 度 と 85年 度