鳥取県における太陽エネルギーの分布特性
農
*。柏 田幸 男
**・藤本義雄
*・吉野章男・・ 鈴木豊彦
*田辺征 一
*・・ 落合義孝
*。若
良二・ 。岩 田
博
*キ (1981年 5月 30日 受理)The Amount and Properties of Solar Energy in trottori Prefecture
by
Tsutomu HAYASHI*,Yukio KASHIWADAキ
・,Yoshio FuJIMoTOキ
,Fumlo YosHINO*,TOyohiko SuzuKI・
,Sel‐ichi TANABE・・ ,Yoshitaka OcHIAI・
,Ryoji WAKA*,Hiroshi lwATAキ
・(Received ray 30,1981)
In a viewpoint of effective use of solar energy,the global solar radiation is analyzed not only quantitatively but also qualitatively ln the first,a distribution of the giobal solar radiation throughout Tottori Prefecture is estinated with meteOrological data for recent nine yeatt in order to make it clear thatsolar energy is one ofthe important alternative local energy sources for Tottori Prefecture Secondary,definitions for a spe■ with solar radiation mOre than a certain threshold valuc or iess than that and for a daily variation pattern are newly intrOduced,then the characteristics of real daly giobal solar radiation by Robitzch actinograph is evaluated statistically to offer a
fundamental information for effective use of solar energy
林
1.
ま え が き 最近 のエネルギー価格の高騰 と将来の資源不足 の見通 しか ら,エ
ネルギー資源問題の重要性が世界的規模 で認 識 されて,全
ての可能性 のあるエネルギー源 について有 効利用の方策が考 え られている。 太陽≒ネルギーは低密度 エネルギーであること,昼
夜 のサイクルがあること,天
候 および季節 による変動があ ることを勘案 した として も,資
源 に恵 まれない我国 に と っては,非
常 に有望 な国産 で効率的且つ莫大なエネルギ ー源であると言える。 また,太
陽エネルギーをロー カルエネルギー源 として 有効 に利用 しようとす る立場 か らすれば,地
域 における 半機械工学科 Department Of Mechanictt Engineettng ■本生産機械工学科 Department of Mechanical Engineering
潜在賦存量 や各種 日射量の統計値 な らびに動特性 に関す る調査研究が必要であ る。 その調査研究の結果 に基づ い て
,太
陽エ ネルギー利用設備 の設置可能面積,地
理的制 約,技
術的条件 等の諸要因 を考慮 して利用可能量が算出 され る。 日本全国の太陽エネルギー潜在賦存量や 日射量 の統計値 については既 にサンシャイン計画ゆ等において調 査 されてい る。 しか しこれ らは全目的規模 について行 っ た ものであ り,県
単位 について詳細 に調べ た もので はな い。 本研究で は,将
来 の ローカルエネルギー開発のための 基礎資料 を提供 す る目的で,鳥
取県における太陽エネル ギーの量的・ 質的評価 を行 った。量的評価 としては,鳥
取県内の出来 るだけ多 くの地点 を選 んで
,既
存の気象デ ータか ら潜在賦存量 を表わす全天 日射量 を推定 し,マ
ッ プを作成 した。また質的評価 として は,日 射 の断続時間, 平均的な全天 日射量の 日変化パ ター ンお よび 日射量平均 時刻の表示法 を新 し く導入 し統計値 を求 めた。 これ らの マ ップや統計値 は太陽エネルギーの有効利 用のために不 可欠な情報 を提供すると考 え られ るので,そ
の概略 につ いて報告す る。2.観
測 地 点 と 日照 時 間 鳥取県 における太陽エネルギー量,す
なわち直達 日射 量や全天 日射量 を直接測定 した結果 は若干存在する231だ けであ るので,鳥
取県全体 の太陽エネルギー賦存量 を把 握す る資料 にな り得 ない。正確 な太陽エネルギー賦存量 分布 を示すためには,年
々の気候変化 を考慮すれ ば,十
年 間以上の県内各地 での 日射 量 の連 続 測定が必要 であ る。 しか し現実問題 として,そ
の 日射量の観測結果 を待 つわ けにはいかない。 そこで,鳥
取県の太陽エネルギー 賦存量 は既存の気象データを使 って推定 しなければな ら ない。 既存の気象データの うち太陽 エネルギー量 の推定 に供 し得 る基礎要因は日照時間,積
雪量,雲
量,降
水量等で ある。 これ らの基礎要因の うち地域 に降 り注 ぐ太陽エネ ルギー量のお ゝよその見当 をつ ける目安 としては国照時 間 を取 り上 げるのが最 も簡単 であると考 えられ るので, Table lに県内22ケ所 の観測 地点 と年間 日照時 間 を示 す。示 された 日照時間 はバ イ メタル 日照計 による観測結 果の年間総時間であ り,1970年∼1978年の9年間の平均 値 を示 している。 年間 日照時間 はいずれの観測地点で も1700時間を越え 県全体 の平均 は2120時間 に達 してい る。一般 に気象台 で使用 しているジ ョルダ ン日照計 に較 べてバイメタル 日 照計 は長 い日照時間を記録する°ことを考慮 して も,一
般 的な山陰 地 方のイメージ と異 な り日照時 間 が比較 的多 く,太
陽エネルギー を有効 に利用で きる立地条件 に恵 ま れてい ることが推察出来 る。Table l List of meteorological observation stations and sunshine duration anntal total hours.
地 点 所 在 地 博 度 鮭 度 海 抜 年 間 日照 砂 丘 利 用 研 究 施 設 鳥 取 市 浜 坂 1300 35°32' 1787.Oh ′碍 取 地 方 気 象 台 鳥 取 市 湖 山 町1640 35 30.7 2246.8 米 子
測 候 所 境
″ 米 子 市 博 労 町4の 326 晩 港 市 東 本 町 64 35 26 35 33 33 21 33 14 ? 2 2394.9 2129,1 黒 坂 農 業 気 象 観 測 所 羽 合
″ 閃 金
″ 三 朝
″ 青 谷
″ 岩 井
″ 佐 治
″ 下 市
″ 淀 江
″ 法 勝 寺
″ 阿 毘 禄
″ 赤
le
″ 東 1白″ 鹿 野
″ 相 部
″ 栃 本
″ 智 願
″ 二 房
″ 日 野 IB日 野 町 黒 板 曲 淵 の 上201の 2 東 伯 都 羽 合 町 水 下 字 河 原 田 ユ29の 2 東 伯 郡 関 金 町 大 鳥 居1288 東 伯 B8三 朝 町 高 偽150 気 高rlb青谷 町 守 谷4077の 11 岩 美 都 培 美 町 思 志 OT 入 頭 都 佐 治 村 高 山 西 伯 都 中 山 町 塩 津742 西 伯 郡 淀 江 町 大 字 小 波 字 西 浜 畑 西 伯 部 西 伯 町 大 学 法 勝 寺 後 河 原 上 日 野 都 日 南 町 下 阿 毘 緻 東 伯 郡 赤 碕 町 高 問 字 西 屋 敷 東 伯 郡 東 伯 町 別 富 127 気 高 郡 鹿 野 町 鹿 J,字 小 屋 根 岩 美 郡 福 部 村 海 士 岩 美 郡 国 府 町 栃 本 字 前 田272 人 頭 郡 智 頭 町 大 学 智 頭653 西 伯 郡 大 山 町 豊 房1627の 1 35 12.8 35 20.2 35 22.7 35 23.1 35 30,8 35 33.7 35 20.2 35 31.5 35 26.5 35 20 35 12.7 35 27.3 35 25,2 35 27.3 35 32,7 35 27.9 35 15,9 35 26.6 33 23,5 33 52,3 33 45,4 33 55.5 33 59,9 34 20.8 34 06.9 33 84.4 33 24.5 33 19,6 33 12.7 33 38 33 39.G 34 04.3 34 16.9 34 22 34 14.ユ 33 31,2 220 4 148 160 S 10 320 15 4 37 530 110 235 53 10 230 175 240 2004.4 2166.2 2099,0 1847.0 2117.5 2070,0 2071.9 2116.0 2322.1 2593,9 1933.2 2021,0 2060,8 2014.0 2179.5 1994,3 2058.9 2000,9
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
12巻
3.全
天 日 射 量 太陽エネルギーの有効利用 を考 える場合,エ
ネルギー 賦存量 として はその地域 での水平面 に到達す る直達 日射 量 と散乱 日射量 を合せた全天 日射 量 を採用す るのが妥 当 である と考 えられ る。全国の全天 日射量マ ップは既 にサ ンシャイン計画ゆにおいて作成 されてい る。しか しこれは 全国的規模 について概略分布 を求 めた ものであ り県単位 の詳細 な全天 日射量分布 を示 した もので はない。 鳥取県の地形 は中国山地 か ら急斜面 を もって海岸部 に 至 るため山間部が多 くの面積 を占め平野部が狭小である ことか ら,全
天 国射量の局所的な差が大 きく太陽エネル ギー利用 システムの立地条件 は複雑 に変化 してい ると考 え られる。そ こで太陽エネルギーの有効利用 に際 しては, 詳細 な全天 国射量マ ップが必要 となる。 また,観
測地点 は海岸近 くと山間部 に半数ずつ存在 しているので,日
出 日没時刻 におよばす天空 と地形・ 地物 の境界線 が高 い位 置にあ る場合 が多い。したが ってマ ップの作成 に際 して, 快晴の 日に国照 を記録す るであろう可照時間の計算 には 地形・ 地物 のアウ トラインを考慮 す る必要が ある。3.1
全天 日射量の推定 全天 日射量 は気象学や気候学だ けでな く農業 な どに と って も重要な因子であ るので従来多 くの研究が されて来 た。 しか しなが ら,全
天 日射量の直接的な観測件数 は非 常 に少 な く且つ正確 な測定が困難 であ ったので 日照率等 か ら推定す る方法が提唱 されて来た。これ らの うちBlack らが導入 した公式働が多 くの場合 に採用 されている。サ ン シャイ ン計画で は熱電対式A型
全天 日射計 による日本各 地 の月平均全天 日射量 データな らびに日照率(S/S。 ),積 雪指数(G10),太陽高度(力)の 気象因子 を用 いて, これ らの関係 を事例解析す るとともに重相関解析法 によ り月 平均 日射量(Q)を
推定する式 を作成 した。 その推定式 │ま O/o。=0146+0534・
S/S。+0047・Gi。 +0 036 sinん …………。(1) であ り,推
定誤差 は5%で
ある としている。 ただ し,こ の式の 日照率 はジョルダン国照計 によって測定 された 日 照時間の天文可照時間に対す る比 を用いている。本研究 ではバイメタル 日照計 による日照時間 と周囲地形 を考慮 した実際可照時間 よ り求 めた 国照率 お よびロビッチ 日射 計 による全天 日射量 データを使用 して(1)式
を検定 し た結果,推定誤差 は20%以
内であった。これ はまた,日 照率の計算 に際 して天文可照時間 よ りも実際可照時間 を 用 いる方が正 しい推定値 が得 られ るこ とを示 した。 しか し全天 日射量の実測値 と推定値 をとヒ較 した場合 は全体 的 に推定値の方がやや高めの値 を示 した。 さらに高精度 な 推定式 を得 るためには鳥取県内数 ケ所 での熱電対式A型
日射計 による数年間の実測が必要 であ る。3.2
地形 。地物 の影響 による可照時間の補正 天文学 や気象学で用 い られて来 た可照時間 は太陽が地 平線か ら出て地平線 に没む までの時間す なわ ち天文可照 時間であって,実
際の 日出 日没時刻 が山な どの地形の影 響 を受 けることを考慮 に入れていないう。しか し,鳥取県 内各地の農業気象観測所の多 くは山間部 に立地 してお り, 山や建物や樹木 な どが可照時間 を少 なめに し,大
陽高度 で東側18°西側17°を遮蔽 して可照時間 を33時
間 も少 な くしてい る観測地点す ら存在す る。 したが って本研究で は,金観測地点の可照時間 として天文可照時間か ら地形・ 地物 が障害 となる時間 を除 いて補正 した真の 国出か ら日 没 までの時間 を採用す る。実際 に天空 と地形・ 地物 の境 界線 を求めるために,遠
くの山々 も見渡せ る晴天 の 口を 選 び,各
観測地点の 日照計設琶場所 か ら日出 日没の方角 つま り方位角230°∼300° (東)および50覧120° (西)付近 の地形 の10数枚 の連続写真撮影 を行 い,同時 に風景中の 代表的 目標物数点 を選び トランシッ トで その方位角お よ び高度 を測定 した。photo.1は この よ うに して得 た合成 写真の一例である。 この合成写真 を基 に して,天
空 と地 形の境界線 のアウ トラインの高度 (力)と
方位角 (4) の関係 をラグランジェの補間公式力
=丞
協
/ど(・)=羞
′
X4)ん
(4) 〃(4)=(4-4。 )(4-41)…
…(4-4.)
によって求 めた。Fig。1に アウ トライ ン近似式 によって 表わ した地形の輪郭の一例 を示 す。 日出,日
没時刻お よPhoto。 l COmposite picture at the observation
Fig.1 0utline curve for the contour Of the ground.
びその時の太陽高度 と方位 角は,ャ太陽の軌道方程式
cos力・sin 4= cOsδ 。・slnrr
cos力
cos 4=―
cosφ・Sin δ。+sinφ・COS δ。,cosrrcosん =sinφ・Sin δottcOsφ cos δo cos打
と
(2)式
のアウ トライ ン近似式の交点 を電子計算機 を 使 って逐次近似法で求 めることによ り決定 した。ここで, 島,rrは太陽の赤緯お よび時角,φ は観測地点の緯度 であ る。 この よ うに して得た実際可照時間(S。)から大気外水 平面 日射量 (QO)を求 め,さ らに(1)式
によ り月平均 全天 日射量(Q)を
推定 した。3,3
月別全天 日射量 全天 日射量推定式(1)を
使 って計算す るために用い た 資 料 は 鳥 取 大 学 砂 丘 研 究 所MeteOrological2 3 4 5 6 7 89101112
MONTHFig。 2 Progress of monthly mean giobal solar
radiation. Data91970年∼1977年の
8年
間 分 と鳥 取 県 気 象 月 報°1970年∼1978年の9年間分であ り,そ
の資料 か ら月 間積算 日照時間,月
間積雪 日数(ただ し,積
雪10 cm以上 の 日を積雪 日とした)を
抽 出 し使用 した。 また,太
陽の 赤緯,赤
経,均
時差,グ
リニ ッジ視恒星時,太
陽常数補 正値 は理科年表 によ り,各
観測地点の緯度 お よび経度 はTれ
le lの値 を用 いて太陽の軌跡,可照時間,大気外水 平面 日射量 を計算 した。 鳥取県内 22ケ 所の観測地点 について推定 した月平均全 天 日射量の平年値(8, 9年
間の平均値)の
年間推 移 と 年毎の変動を表わす標準偏差の一例 として米子の図 をFigTable 2 An■ual mean global solar radiation and the range of fluctuation.
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鳥 取311.9
米 子 境315.1
324.5
4.9
2.4
黒 坂 羽 合 関 金 三 朝 青 谷 岩 井 佐 治 下 市 淀 江 法 勝 寺 阿 昆 縁 赤 碕 東 伯 鹿 野 ネ冨者[ 栃 本 智 頭 豊 房
307.8
308.3
305.0
293.9
312.6
305.5
315,7
301.8
327.6
(346.8)
295.5
303.8
312.8
307.3
313.1
309.8
312.1
300。 62.3
5.53.7
5.3
3.5
3.8
2.6
4.8
5。 64.5
4.0
3.8
2.1 6。 14.3
4.9
4.8
5.2
県 平 均309.0
YONA60鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
12巻
Table 3 Comparison of the giobal solar radiatio■ of Japan with that of Tottori Prefecture.
全 国 ′辞 取 県 平 均 特 定 地 点 `卜 均 特 定 地 点 日 射 量 ly/day 地 点 名 日 射 量 ly/day 日 射 量 ly/day 地 点 名 日 射ly/day量 月 平 均 最 大 値 (月 ) 約
410(5)
久 米 島531 (7)
464 (7)
淀 江 495 (7) 最 小 値 (月 ) 約150(12)
稚 内 65 (12) 140 (12) 栃 本 123 (12) 年 間 平 均 平 均 *,290 最 大 値 南 大 束 島 淀 江 最 小 値 程 内, 北 見 枝 幸 三 朝 294 2に 示す。月平均全天 国射量の年間推移は全ての観測地点 で同様な傾向を示 している。全天 日射量は5月および7 月にピークにな り,7月
には年間最高425∼4951y/day* の日射量がある。 6月 の落込みは梅雨の影響が現われて いるもの と思われる。また,12月 ∼2月の冬季には極端 に日射量が少な く2001y/day以下である。年毎の変動度 を表わす標準偏差 は梅雨期の長短の影響か らか7月が大 きく,佐
治,関
金,赤
碕,鹿
野,智
頭,阿
毘縁の傾斜変 換点に立地する谷口集落では冬季2月の変動が大 きい。 各観測地点の年平均全天 日射量の平年値および年々の 変動度をTable 2に
示す。ただし,年 々の変動度は標準 偏差を平年値で除 した百分率で表わす。全県平均の年平 均全天 口射量は 3091y/day,変 動度は40%で
あ り,年
によって大 きな違いがないことを示 している。 鳥取県の全天 日射量を全国のものと対比 したのがTable 3で ぁる。月別全天日射量の最高値は全国各地の単純平均 で5月の約 4101y/dayで あるのに対 し,鳥取平均は7月 の 4641y/dayで あ り全国平均より高いことを示している。 一方,最低値は全国平均で12月の約 1501y/dayに 対し鳥 取平均は同 じ12月の 1401y/dayで あるので,鳥取県は夏 季 と冬季の日射量の差が著 しいと言える。 また,特
定場 所については,全
国最高全天 日射量は沖縄 ,久米島の7 月の531 ly/dayに対 し,鳥取県では淀江の7月の4951y/ dayで あり,これは四国・瀬戸内海沿岸の8月に匹適する。3.4
全天 日射量マ ップ 鳥取県における月別全天 日射量分布の代表例 および年 平均全天 口射量分布 を表わ したマ ップをFig,3∼ 5に示 す。図中のMは
全天 日射量が極大の地域,Lは
極小 の地 域 を表 わす。曲線 は日射量 の等エネルギー線 を示 し,近
隣観測地点の値から101y/day間隔の点 を求めて等エネル ギー点 を結 んで得た ものであ る。 夏季 と冬季の等エネルギー線 は海岸線 に沿 って東西方 向に走 り,夏
季 は内陸山間部 に較 べて海岸近 くの 日射量 が多 く,冬
季 は逆 に積雪の影響か らか内陸山間部の 日射 量が多 くな っている。春季 と秋季 は海岸平野部 と内陸山 間部 との差が小 さい ことを示 した。3. 5
全天 国射量分布の特徴 鳥取県の全天 日射量の推定結果か ら太陽エネルギー潜 在賦存量 を概算すれば,鳥取県全上の面積3492.3k『に放 射 され る全 天 日射量 は年間平均 として一 日当 り109× 10Bkcalであ り,夏季 には一 日当 り16×10硝kCalにも達 し,冬
季 では一 日当 り0.49×10Bkcalであると言 える。 また,夏
季 は海岸沿 いが,冬
季 は山沿いが相対的 に高 く な り,一
般 的に西高東低の傾 向を示 している。 この よう に,鳥
取県の 日射量 は全国各地の 日射量 と較 べれ ば夏季 と冬季の差が著 しい ことを示 し,太
陽エネルギー利用の 立場か ら見れ ば夏季のエネルギー賦存量 は豊富で有効利 用 の可能性 が高い と言 える。 しか しなが ら,こ
れ らの金天 国射量の推定 はバイメタ ル 日照計 による日照時間の実測値 を基 に行 った ものであ ly=ca1/cm2:langleyFig.3 Representation on the map vith distribution of monthly mean giobal solar radiation in July throughout Tottori Prefecture.
Fib.4 Representation on the map with distribution of monthly mean global sOlar radiation in December throughout Tottori Prefecture.
嘲
削IMANE―KEN ヾ_. ″ヽ
/―ψ
拌ノ
↑
/
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ヨ
HIXXl《N (ly/doy) ユ`ヽ、__、
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鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
12巻
Fig.5 Representation on the map with distribution of annualttnean global solar radiation throughout Tottori Prefecture. り
,バ
イメタル 日照計の精度 はジ ョ_ルダン日照計 と比較 して必ず しも高 くないことを附記 しておかな ければな ら ない。 したが って,太
陽熱発電所等の高効率集約型の太 陽エネルギー利用 システムの開発建設 に際 しては最適地 の選択 とその地点での 日射量の高精度な実測が望 まれる。4,日
射 の 断 続 時 間 太陽か らの 日射 は,雲
一 つない快晴 国で も昼間緩やか な変化 を示 すが,大
部分の 国には僅少 な時間間隔での断 続変化 を示 す。太陽エネルギー利用機器の動特性 を検 討 す るためには, この頻繁な断続性 についての知識が必要 である。太陽エネルギーの質的評価の一方法 として,こ
の断続性 を表わすために日射継続時間,不
日射継続時間 の度数分布 を求めた。 日射継続時間 は一定の基準値以上 の 日射 量が跡切れることな く続 く―続 きの時間を表わ し, 不 国射継続時間 は逆 に 日射量 がある基準値 を越 えない一 続 きの時間 を意味 し,夜
間 もこの不 日射時間 に含 めた。 これ ら日射 および不 日射継続時間 は従来求 め られている 日照,不
照継続時間に対応す るものであ る。 ただ し,従
来求 め られている日照,不
照継続時間 は日射量の基準値 が一定 に固定 されたジョル ダン日照計 またはバ イメタル 日照計 による観測結果 よ り求 めた ものであ り,単
に 日照 の有無 についての情報 しか与 えない。 これに対 して,日
射 お よび不 日射継続 時間 は全天 日射量 の経時変化 を記録 した ロビッチ 日射計 による観測結果 よ り求 め るものであ り,日
射量の基準値 を任意 に選 べ るので,太
陽エネルギ ー利用 システムの特質に合致 した 日射量 の特性解析 を可 能 にす る。 国射 の断続時間の統計解析 の例 として,砂
丘利用研究 施設 の1979年の ロビッチ日射計 自記記録 を選 び,日射 量 の基準値 として04,0.6,081y/minの
3種類 を採用 し た。Fig.6に 2月 の,Fig.7に
8月の 日射継続時間の度 数分布の例 を示す。 この統計 は01時
間刻みに とった切 れ 目のない一続 きの 日射継続時 間別度数分布 であ り,月
間の生起 回数 を度数 としている。例 えば,2月
には061y/
min以
上の 日射量が31∼
4時間連続 してい る総 回数 は 3回であることを示す。 また, この度数分布 図 は太陽エ ネルギー利用 システムを稼動 させ る最低 の 日射強 さを設 定 する資料 を提供す る。例 えば, 4時
間以上 の 日射 が継 続 しなけれ ば稼動 させない シス テムでは,集
熱器がある 基準値以上の 日射量がない と駆 動 しない とすれば, 8月│こ は
041y/minで
17回,0.61y/minで
10回,0,81y/
(ly/dcy)
oRttAm
o10U‖AkU 319L守
` r〓 卜Z o〓 < z ︻ > い 〓 Ш つO Ш ∝ ﹂ (49) SAKYU Feb Ⅲ
l -04(ty/雨
n)キ
、
一
‐
―α
6(ty/min)―
―
-00(t/min)
I ﹂ 8191101111 90100110120 1HRS)Fig。 6 Frequency diStribution of spells with
solar radiatio■ more than a certain threshold value.
minで
6回の稼動が可能であるが,2月
には041y/min
で5回,061y/minで
2回,081y/minで
はその月には 稼動 しない ことを示す。太陽エネルギー利用設備 か ら見 れ ば,駆
動 日射量の設定値 を高 くすれば高効率の システ ムの開発 が可能であるか も知れないが,稼
動時間が短 く 一 日に何度 も運転停止 を操 り返す ことになる。 したが っ て,稼
動継続時間を出来 るだけ長 くし,か
つ稼動最低 日 射量 を大 き く設定 するための参考資料 として不可欠の統 計値 である。 Fig.8に不 日射継続時間の度数分布の一例 を示す。 こ れ は日射 の中断の長 さを表わす不 日射継続時間別度数分 布 である。 日射 量の基準値 は日射継続時間 と同 じとし, 夜 間を含 めて不 日射継続時間 として取扱 った。 この統計 で は基準値以上の 日射量が ない日の場合,そ
の前後の夜 間 も含 めて2日間の不 日射継続時間 とな る。 この ように したため,月
の区切 りは最初 の 日射が中断 した時か ら数 えはじめ,次
の月の最初の 日射開始 までを1ケ月分 とし た。図の横軸 は10時間刻みで区分 してあ り,例
えば,20 時間 とは不 日射継続時間が10.1∼200時
間であったこと を示す。5.毎
時 全 天 日射 量 太陽エネルギー量 すなわ ち日射量 は年毎 の変化や年間 通 しての変化 と共 に一 日の内での時間変化 もまた重要で ある。そ こで,日 々の 日射量 の時間変化 を表わすために,Fig,7 Frequency distribution solar radiation more
threshold value. 1 ︲ 8 a i l EL 5︲ 1 60 SP ﹃ ︰団 FA 割 ‘悧 H0 鰤 ︰ 測 NGT ll l 20 LE O ︲ 1 6︲ を 刑 ﹂L 5︲ を 6 0 SPE 蝙 1 50 A 釧 1 40 0F l O TH 2 ! 3 N6 ﹁ を 2 . O LE O︲ ︲悧 〓 卜Z O 〓 < Z ︼ > い ZШ つO Ш α ﹂ 〓 卜Z O ▼一 身R Z ︼ >ω Z Ш つ0 ] に ﹂ 81 91 10J ll,1 901110110120 (HRS) of spells with than a certain 14 12 10 8 6 4 2 0 Fig.8 10 20 30 40 50 60 70 00 90 100110 LEN6TH OF A SPELL (HR3) Frequency distribution of spens with
solar radiatio■ less than a certain threshold value including night.
毎時全天 日射量の月平均値 で 日変化パ ター ンの代表値 を 示 し
,日
射量平均時刻で一 日平均の 日射量 の最大 となる 時刻 すなわち方角を表わす ことを試みた。 毎時全天 日射量 はある一時間 にお ける全天 日射量の積 算値の月平均値 あるいは年平均値 を表わす。Fig。9は 1978 年の砂丘研究所 での月平均 および年平均 の 国変化パ ター ンの例 を示 す。時間間隔 は標準時の毎正時 を採 用 した。ヽ
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鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
12巻
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日射 量の 日変化パ ター ンは国出 と共 に急激 に増加 して正 年 に最大値 に達 し
,年
後 には時間 と共 に減少す る。 日射 の総量 は 7月 と 12月 では顕著 な差 を示す。また,8月
の 日射量 は正午 を中心 にして対称 になってお らず午前 中の 日射量が過大 とな っている。 日射量が午前中に多いか午後 に多いか を簡単 に表わす ために日射量平均時刻 を導入 した。 この 日射量平均時刻 は一 日の 日射 量分布の平均時刻 の標準時の正午か らの変 位時間 を表わ し,天
気概況で言われ る「晴のち曇Jや「曇 のち晴」 をエネルギー的観点か ら数量的 に表現 しようと する尺度 であ る。Fig。 10は 8月と 12月 の 日射量平均時 刻の 日々 の変化状況 を示 す。明 らか に月 または旬 によっ て平均時刻 に偏が あることが見受 け られ る。 この統計量 は固定式受光面の傾 き角 を決定す るための資料 を提供 す る。 Fig.11は毎時全天 日射量の月間累積度数分布 を示す。 これは単位時間当 りの 日射量がある値以上得 られ る総時 間の 1ケ 月間の総時間に対 する比率 を示す。例 えば,太
陽エネルギー利用 システムが301y/hOur以上の 日射量が ある時のみ稼動す る とすれば,8月には20%の
稼動率で あるが 2月 には8%に
な ることを示す。 6。 ま と め 将来の ローカルエネルギー開発 のための基礎資料 を提 供す る目的で,鳥
取県における太陽エネルギーの量的評 価 として全天 日射量 を推定 し,質
的評価 として 日射 の断 続時間お よび毎時全天 日射量の解析 を試みた結果(1)
鳥取県 にお ける月別全天 国射量分布および年平 均全天 日射量分布 のマ ップを作成 した。(2)
県内各地の 国射量 を比較 す ると,夏
季 は海岸沿 Fig。 105 10 15 20
DATETime deviation of da■ y
radiation.
g10bal sOlar
い――― Fed ― Aug
0
HOURLY 6LOBAL SOLAR RADIAT10N(lv/hr)
Fig.1l Cumulative frequency distribution of hourly giobal sOlar radiattOn in a month. いが冬季 は山沿 いが相対的に高 くな り
,全
般的 に 西高東低の傾 向 を示 した。(3)
鳥取県全土 に放射 され る全天 日射量 は年間平均 として一 日当 り109×10崎kCalであ り,夏季 には 一 日当 り1.6×10BkCalにも達 し,冬季では049× 10略kCalである。(4)
全国各地 と比較 した場合,鳥
取県の全天 日射量 は夏季 と冬季の差が著 しい。(5)
日射・ 不 日射継続時間 を定義 し,太
陽エネル ギ ー利用 システムの開発 のための基礎資料 とな る統 計量 を提供 した。 J剛 占 話 3 翌 ﹂ ]≧ 卜ち Ш∝ Ш≧ 愛 ヨ 〓 B(6)毎
時全天日射量の日変化パターンお│び
日射量 平均時刻の表示法を導入し,太
陽エネルギーの有 効利用の観点か ら有益な統計値を示 した。 という結論が得 られた。さらに,高
効率の太陽エネルギ ー利用システムの開1発建設に際しては,最
適地の選択 と その地点での日射量の高矯度な実測が望まれる。 最後に,本研究に際し,鳥 取地方気―象台久保朋弘台長, 鳥取大学農学部附属砂丘利用研究施説松由昭美教授をは じめ多くの方々の―ご教示,ご
協力を戴いたことに対し感 謝の意を表します。 参 考 文 献1)日
本気―象協会 :昭 和 51年度│サンシャィン計画報告 書F太陽エネルギーシステムの研究 (気象調査)」 (1977)。 2). 気象庁 1気 象庁月報,気
象庁年報ぅ3)鳥
取大学農学部附属砂丘利用研究施設iMOt∞
rolo」cal Data No19(1970)― No27(1978)。4)吉
田作松 :バ イメタル日照計による観測値の性質,気象庁研究時報
20-1(1968), 6φ
5) B14ck: J. N,, 1まか2ィ旨, S01ar RadiatiOn and
DuratiOn Of simttineJ Quart.J.Rey.Met Scc,80
(1954), 2131。