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水理模型実験報告 II 小谷池(高知県)余水吐について-香川大学学術情報リポジトリ

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香jlt県立鹿科大学学術報饉

水理模型実験報告

Ⅱ 小谷池(高知県)余水吐について

前川忠夫,吉良八郎,脇谷 武

Tわ.e r・eport of hydraulic modeltests

ⅡpOn the spillway of Xotanireservoir(K6chiprefecture)・

Tadao MAEKAWA,Hachir6 KIRA ar・dTakeshiWAKIYA

(Laboratory of AgriculturalEr)gineering)

(ReceivedDccemd.e‡■ 5,1955.)

23(; 工 ま え が き (1) この実験は高知県の委託により,本学構内水理実験施設に・おいて,高知県営栃木堀用水改良事業と.して施工中の 小谷池(仮称)余水吐について行ったものである・・第1次実験ほ1954年11月実験企画以来約5カ月閲,第2次実験ほ

1955年6月以降約3カ月間にわたる検討と再度の修正を経て1955年8月その最終案を得た・本報告はその間県当局に報

(2)(3) 碧した滞1敵軍2報に示した実験結果の概要をまとめたものである・この貯水池ほ安芸川下流約3L70haの水田補給 水厨として安芸川右岸支流小谷川を締切る二l二堰礎で,堤高16・4m,賂眞4ユm,清水面辟2」・9ha,貯水景203,660m8と. 討画されている・そ・の規模概して小であるが,本地方ほ全国的にも豪雨地描であり,加えて流域ほ急峻なる山地で 殆んど表土なく,岩盤露出して極度状態不良のため洪水鼠ほその画布i(3フOha)に比して著しく大であるさらに 流域の谷はほぼ南北に走る単谷で,豪雨をもたらす南風を正面にうける位置碇あるしたがつて余水吐の適否は堰 堤の安定を大きく左右するものであるい 余水他の位置ほ堰堤の左岸,堀喘とほ分離して地山紅封蘭され,延長54mの左右対称型溢流堰を有する横溢水路 Side cllunnelを経て,値ちに髄道(約90m)に流入し,放水路は延長34mの曲線急勾配水路で堰堤下流小谷川河床 に放流される型式を採用している1勾配と屈折の変化多き隊通式余水吐として,三理論的計算の困難なる部分多く, ここにその設計について芙験的にその排水能力の限界,水理並にユ事費の節力錮、らみたる修正点の宥恕を検討せん と.したものである。 Ⅱ 第 1 次 実 験 (A)改訂檻より与えられた蟄網 計画洪水崖Q=68・28m令/SeC,同溢流水深=0・80mとされ,この個ほ過去50カ年間(高知測院所)の最大時間雨 鼠102.2mmを基礎として算出されたものである溢流堰は延長54mで27mづつの左右対称形に位屈し,溢流水は中 央部にて合流,長さ5.0m,勾配1:3のbe11mouth型に漸縮する導流水路を経て随道に流入する′ 溢流堀頂は半 径0‖5mの円弧曲線を与え,以下1‥0小3法で横溢水路蟻に至る横溢水路の檻巾は,上流部で4い5m,以下漸次拡大 して中央合流点に至って6、Omである深さほ上流鵡で2…5m,中央合流点3‖85mで底勾配ほ1:罰であり,対壁法は (4) (5,¢〉 1皿3である以上の設計基礎は.HINDSおよびT∂G6の両方法によって計算され,安全別のHINDSの結果を採 用している。随迫は延長90m,勾配1:15で流入後直ちに53030†右に矧塊し以下直線となる・断面は標準馬蹄型で, 香lコから轡曲部を経て10mの間ほRニ2・5m断面続いて5mの間で漸次断面を縮少してRニ2けOm断面となり,以下75 mほ同一J朋面である・な対隊追邦の地野ほ買菜である」隊遺址口下流ほ延長34m,庶巾4m,庶勾配1;フ(下流8・・03 mは水や),州法コ∴0・5,曲率半祥30mの【111線急勾配水路で河床に適する河沫ほ.砂礫,転石よりなり,基岩は上流 域堤敷からみて2′−4mにあるようである“なお改訂の際採用しているコンクリ−トの租既係数ほn=0・015である (B)相 似 律 くl) 不実験ほ重力の影響著しい場合として,欝1報のようにFROUDEの相似律を採用し,縮尺比としてほ本学施設の

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解7巻 第3号(1956) 239 実験可能流競および模型酬れ毎積から1:25を採用した縮尺比1‥25はこの確実験でほ原型と模型との相似性ほ信頼 し得るものと考え.る縮尺比1:25の場合の原型と模型との相似律および設計資料の主要事項の寸法比ほ貿1,2,3衷 の通りである(卿一.,2,3,4図参照) 第2園 余水吐放水路下流部平面図(原案) (C)模型の製作と据 付 余水吐溢流堀および横 溢水路部ほ角榔 板崩等 を用いて骨組とし,表面 部を鍍金あるいは鋼銀を 用いて張り,さらに細部 はパテー,ゴム粘土等を 用いて整形し,表面に数 回ペンキ塗を行 って仕上 げた・随道部および放水 路部は坂角材の基礎上に 室として板金で製作し, 表面は同様ぺンキ塗仕上 げとし,さらに随道部で は内部の流況親側のため 上線に沿って多数の孔を 設けたぃ 製作には大工お よび銭金工を利用したが, 製作中常時監督して,詳 第3区!原案(HINDS断面)の横溢並.に 導流水路楔型(第1次実験) 第4図 原糸放水路模型 (第1次実験) 細指示し,部分的にほ数回改作した 模型の据付りにほコンクリ・−トブロックを用いて水深0.・8m,水面私的8mゴの貯水池を牒成して溢流堰を固定し, 順次所定の勾配で隠退,放水路を押付けた・ 貯水池その他の漏水防止にほゴム粘土,ビニール股,ビニーールテ∵−−プ,ぺンキ,アスファルト等を適宜併用し

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香川県立彪科大学学術報告 240 第i表 原型と模型の相似律 (縮尺比1:25)FROIJDE 型】模 型 〝 下流端 底 勾 配 随 道 延 長 底 勾 配 断 面(R) 0′・・10m 〝 (R) ユ.5′−90m 中 心 巾 〝 高 長 巾

延 底 側 法

第2表 原型と模型の寸法 事 項l原 型一模 型 粗 度 係 数 第3表 高 差

l原 型l模 型

堰 堤 天 端

封 画 洪 水 位 満水イ立(溢流堰堤) 横溢水路底 上流端 ” 下流端 導流水路 上流端 〝 下流端 随道春口 麿 随道吐口 庶 政 水 路 上流端 〝 下流端 2.00 0.8 0 一一2.5 −3.85 −3小85 −5.51 −5い5⊥ −11.51 −⊥1.51 −15..22 た.貯水池水面形の相似性を与えることは不可能であったが,余水吐閃近の流線をなるべく現地形に近似せしめる ため余水味左半前面にブロックによって半島を設けた・以上の据付けによって接近流速ははとんど認められなかっ た. (D)実験方法および順序 (1) 定鼠的観測ほ罪1経とおなじく主として水深と流速で,水深についてほ水面測定器5台を用い0・1mmまでよみ,流 速ほ小型ピトー管フ台を用いて測水イ立背水イ立をmmまでよんだ小定性的観潮ほ流況スケッチ,および写真撮移によっ た.実験は(1)原案の排水能力限界,(2)計画洪水遠Q=68・28が/secを中心として各種流窺の場合の流況,(3)水理学 並に工事費節減上からみて修正すべき点等に要約される・観測すべき主要部分は,(1)貯水池水位の変化(余水吐の Q−HcuI・Ve),(2)横溢水路の流況(対称型であるから主として片側に・ついて行い,他は比較のため一部について行

う)観測e断面,13聞流水路の流況,観測4断面,(4j随道中の流況,観測5断面,(5)放水路の流況,磯測4断面,その

他特異の流況を示す部分紅ついて行う1・また磯潮流崖ほ第4衣のようにフ,966が/SeCから始め限界流量におよんだ・

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241 (E)実験結果の検討修正 原案について以上の膵序方法により実験観察をな し,限界流鼠として85・32m$/SeCなる倍を得たがそ の他僻瀕ぎ結果につきては省略すること.にし,その原 案を検討修正し再実験を試みた点のみにつき述べ る 原設封ほ計画洪水畳68.28m$/SeCの略々1割の余 裕を入れて一計算したとのことであるが,これには大 体適合し,貯水池水位も計掛値と略々適合してい 第7巻 罪3号(1956) 第4表 観 測 流 量 水 イ立 (鼻水矩形堰) 実 験流 還 原 型 流 遠 (mβ/SeC) フ.966 22 180 40.393 68・28(計画洪水愚) 85・316(限界流違う (l/SeC) 2..55 7.10 ユ2.93 2ユ〟β5 2フ..3ユ

m 6 C2 4 6 8 0 1

る横溢水路および琴流水路の流況ほ計画洪水鼻69−・28m8/S?Cまでほ完全温流を呈し,水路構造が左右対称なため (1) ぐ7〉 いかなる流況を示すか疑問であ、つたが,従来の逆瀬池(軍1,2,3次実験)や満濃池(第⊥次実験)余水吐水理模型 実験中で水理学的にみて最も良好なる流況を示した1よりてこの部分でほとくに修正すべき点ほ認められないが, ただ横溢水路の全側壁を1m増高することが望ましく,これを・ユm高とした 隊道内部では標準馬蹄型断面5mから4mに絞る箇所において,討画洪水窺以上の瀧鼠でほ濁流現象を生じるので, この部分の長さを原案の5mから10mに延長して絞った・これは蛇行減殺区間を延長して渦流を緩和し,断面を拡大 してこの区間の通水能力を増大せしめることが目的である放水路では大なる流速と甚だしい偏流を示すので,根 本的修正が必要であり,原案の34.05mを有する琴曲水路第4,7図より,むしろ随道延長に直線的放水路を設ける修 正が考えられ,これを盾線的にして,隊道政口より小谷川左岸までの随道線上紆18m間に・水樽工を設け減勢する手 段を採用した以上のようにした修正模型に.対して,原案同様再び各種流鼠の流況を各部分について観潮した結果 につきまとめると,貯水池水イ立上昇ほ原案と修正案に・ほ変化がはとんどない‖桟溢水路においてもさしたる流況に 変化ほみられなかっねただ水路の側壁.1m高により浴流頂が左右で0・3m宛,計Ol6m短縮されたような結果とな り,水位および流速の減少をみているノ′ しかしこれも僅かのものであり,ほとんど変化はないといってよい・導流 水路においても大体同様のことがいえるが,Ⅹ−ⅩSeCtで限界洪水鼠の場合水イ立上昇を示すが,これほ流速の減少に よるものと思われる流速は封画洪水鼠で2u58m/secから5l24m/secをとる 随遺においてほ5m標準馬蹄型断面から,4m標準馬蹄型断面むこ漸次断面が絞られる箇所を5mよりユOmに延長した が,この箇所で変化が起っている.すなわち蛇行現象が原案では2回であったが,修正案でほ3回起る限界洪水監 では延長3フ5m,7”5mおよび15mの3点,計画洪水堕では3m,6mおよびL2mの3点,40‖39m$/SeCでほ・2・75m,5175 mおよび9mの3点,限界洪水景では10∼20mの間ほ渦流となる‖ 計画洪水盟以下でほこれほみられない流速も原案 とさしたる変化はなく,計画洪水藍で4・・66m/SeC∼13り18m/SeCをとる 放水路ほ扇形に.開く開水路とした‖ この場合,小谷川まで一億勾配を与えるとさらに大なる流速を生ずるおそれ があるので,随道春ロより水流を自由落下せしめ,落下点から下流に堰を設けて水褐艦.よる減勢効果を検討した この場合堰の位置および高さを種々かえてみたが,はとんど減勢の効界はみノられなかった.さらに小谷川河床より 2m低下せしめ,水樽の深さを増加したが,この場合もその効果ほ現われなか(た.さらに小谷川をこえて右岸に.ま で放水路を延長して試みたが,対岸に作用する水圧は強力なものとなり,護岸の点から雉点がみられた 以上のような修正を行って検討結果罪6,8図のような修正案を得た‖ すなわら水得部を小谷川現河床より2m低下 せしめ随遺吐ロより水平距離で15.Smから1m間隔に3列,12簡の1m立方体なる柱状ブロックな設けて城勢を計っ たり放水路の延長ほ24mとなり,小谷川のはぼ右岸に達し,この第1次最後修正案でほ,ブロック12個の効果が著しく 現れた… すなわち随道を放出された水流ほ,討画洪水量においてユOInを中心に,厚み4mで,放水路庶におちる√′ こ とにほすでに貯水があるのである程度の減勢ほ認められるがさらに直ちに.ブロックに衝突して一部ほ押し返され, 山部ほこれを乗り越えて流下するい このブロック箇所ではある程度水面に盛り上りを生じるが,この部分で減勢の 効果著しく落下点で計画洪水盈の場合14.55m/SeCあった流速が,7.5C)m下流(3−3sect)にある2列目のブロック附 近で平均3り58m/SeC,915m(4−4sect)の3列冒のブロック附近で平均3.2?m/SeCにおち為.そして12。5mの小谷川 の右岸護岸に衝突,−・部は押し返され,−・部はこれをのり超えて,/ト谷川右岸対壁で僅かの盛り上りを生じて流下 する・一方3−3sectから小谷川本流が始まっているが,これに流入する勢力もここで始まり流速5.53m/SeCをとる 水位ほ実験の都合上,小谷ノーt上流を締切って行ったが実際の場合は上流にも河床が開放されているため,実験の場

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242 杏川県立農科大学学術報告 合よりくヱ緩和されるであろう 水褐坤水深ほがいして大となり計画洪 水立とご5∼6mを示す 放水路より小谷川流下の流速ほ実験施設の都合 で,この先を自由放流としたため低下背水の影響があるが,流速平均 約4…5m/SeCを示した (F)第1次実験の結論 以上原案の流況から水理学的にイ医正すぺき形態を検討し,それにも とづき改変したる修正案についてさらに流況を額察し原案と修正案と の比較検討を行ったその結果随遺から上流部においてほ設討原案ほ 計画洪水鼠に対してかなりよく適合するが,二三の点で小修正の必要 が考えられるしかし原案放水路はその流況からみて河床洗掘の危険 性が明瞭であるので根本的に改変し,数回の修j二[を重ねて一応はば尭 仝と考え.られる最終案を得た 以上第1次実験を通じて認められた流況および修正の要点を摘記す ると, ① 本余水吐の限界淡水鼠ほ85・32m㌘/SeCである・サーなわち言1蘭洪 水鼠6828m宍/SeCに対して1フ‖04m8/SeCの余裕能力を有する (串 本余水吐の排水能力を限定するpointは隠退苔口部附近にあ るこの部分の拡大によってある梓度の流還を蛸加し得るが他の部分 の流況が悪化するおそれがある 第6図 放水路修正■模型 (第1次実験) ④ 計画淡水景69・28m詔/SeCの場合の溢流水深ほ設計では0=細1で あるのに.対して,実験船果ほ0・78mとなった“ ③ 対称形横溢水路ほ流速の減退の点からほ望ましい形態であることを認めた. ⑦ 随追啓口部の轡曲ほ蛇行杵成の僚牒となるが∼ そ・の断面渦潮部の存存によってこの蛇行がはとんど消滅し隊 道中の流況を整え得た ⑥ 原案放水路の流況ほ水路攣由と急勾配のため,備漸甚だしく流速大となり河床洗掘のおそれがある」(第フ図 参照) (う 流速ほ横 溢水路で0∼3m /SeC,導流水路 で3∼6m/SeC, 隊道で6∼12m /SeC,放水路で 12∼13Ⅰ℃/SeCを 示した,さらに 修正点にっ て は, (め 二横溢水路 の側壁高を原案 より1m埠高し た Q)随道の断 面5mより4mに 漸縮する部分の 長さを原案の5 罪フ図 原案放水路漁況 mより.10mに延 (Q=68.23m汚/SeC) 第8図 修正罪2案放水路流況 (Q=ニ68h28m3/SeC)

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243 欝フ巻 第3号(1956) 長した ⑩ 放水路は原案とほ別に極道延長方向直線の開水路とし,随道よりの放流水を自由港下せしめ水樽によって減 勢を計った.その結果修正放水路の流速は隊道吐口の12∼13m/SeCから4∼5m/SeCに減速し得東(第8医惨照) ⑪ 以上放水路を除く部分の修正ほ原案を基礎としたものであるが,放水路ほ原案によらず新しく実験的に考察 したる一形態粧すぎない… さらに考究の余地があろう ⑩ 工事費において原案と.修正案との増減対比ほ省略した・なお全般的にみで与えられた討画洪水罷6828が/SeC を妥当とすれば,本余水吐ほ放水路を除けば設計原案の一一部修正で適当と考えられる・ Ⅱ 第 2 次 実 験 (A)要 第1次実験において原案(HINDS)断面について,ニ三の局部的修正と放水路の馴痩垣線化するなどこの改変を 行ったが,滞2次実験では与え.られた基本条件が異なり,それ艦・伴って修正ほはとんど全般に・およんだいすなわち 原案で与えられた洪水鼠は計画洪水墨として68・28m祭/SeCのみであったが,さらに異常洪水昼と.して1100が/SeC が追加され,溢流側溝部の断面が原案ではHINDS公式によったものであったのを,′r6G6公式による断面と比較検 討する必要が生じたことである.こ.の2つの基本条件の変更によって模型ほその大部分を改変する結果と.なった ただ放水路虹ついては原案の場合の修正をそのままとし,第2次実験でほふれなかった なお相似律,縮尺比(シち5),模型製作,据付要頑などは第1次実験と同一・なる故省略する (B)修正最終案に.至るまでの修正経過 第2次実験における修正最終案に至るまでの主なる修正点 を摘記すると (丑 側溝郡を原案(以下筍1次実験粧届ける修正を含めて 原案と呼ぶ)のH工NDS断面からT∂G∂断面に修正し,槌道 以下ほ原案のままとした場合について検討した(第5図参照) その結果T6g6sectの限界洪水崖ほ8285m8/SeCを\示し, 原案HINDS SeCt,の場合の85h32m祭/SeCに.比して僅かに 2.5mりSeC程度の減少しか示さなかった側瀾部の流況でほ T6G6sectの場合巾の減少のため溢.兼水脈の対壁側の盛り 上りほHINDS SeCt・の場合よりかなり高く現れるが,縦流 砂流速が王汀msの場合より大きくなるが,縦流の流速が HINDSの場合より大きくなり(例えば65l2em窮/SeCのとき Ⅴ−VsectでHINDSO65m/sec,T6G6249m/SeC)杯.水位の上 昇は殆んど変化なく,したがって計画洪水鼠 622〔m郡/sec に至っても払流は完全であることを認めたこの HINDS T6G6の比較実験の結果T6G6sectlを採用することとして 次の修正に移った・断面大なる HINDS と小なる T6G6と においてその通水能力に大差がないことほ甚だ興味ある実験 結果であつて,この点に関してさらに陛道以下を除去し開水 路として詳細に比較実験を試みたので後日報告したい. 節5図 修正糸(T6G引払面)の横洛並に導流水 路模型(第2次笑験) ㊥ 側溝部をT6G6sectに/採り随道以下の断面ほ原案のままとし,瞳道勾配のみなうhからち与0に変更して検討し たr その瞭の限界・洪水鼠ほ92”84m令/SeCを・示し,勾配の修正のみに.て約10m8/SeCの増大が認められた.しかし与 えられた異常洪水量110m缶/SeCにほなお遠く,しかも現地の高差から与io勾配の場合随追出口は殆んど河床に接近 し,さらに隠退出口の流速が1フ∼18m′secに達し,あまりに急勾配にすぎると考え,次の修正目標を隊道の断面叱 向けたい (1.7) ③ 陪道の排水能力を左右するpOint−がその呑口附近にあることは,これまでの実験例から見ても明らかなので 随遺⊥流部で次の修正を行った.断面形ほ標準馬蹄型とし0∼10mの間を,D=7mに,10∼30mの間でDごフ∼4mに

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香川県立農科大学学術報告 244 漸縮するよう拡大し,それ以下は原案のままのD=4mとした」・勾配ほ第1次実験修正第2実の結果から再こドおなじく 原案の塊5にもどし検討した“その結果限界洪水崖として125m3/SeC附近に.あることが認められたのではぼ与えら れた条件に適う大体の形態に到達した訳である. 以上は修正経過の主なる点であるが小 その間小修正ほ各部において試み,特に縫通番口附近および移行部の修正 ほ数種試みた結果である・一応以上の形態を得たのでこれを完全なる模型に仕上げて修正叔終案として詳細なる実 験検討を行った (C)修 正 最 終 案 原案(第1次実験)に対する修正最終案の主なる修正点(第9図参照)は次の通りである 第9図 余水吐平面図T6G6断面 ① 側溝部を翫NDSSeCtlをT6G5SeCt…にしたため床巾ほ上流側で45mからl」2mに・著しく減少,以下漸次縮 少して対称軸断面(0−.Osect・)では原薬と同じ6mを与えた片側中央断面(VLVIsect)では5・2mから3・5m に減少した.なお延長,深さ,法勾配および庶勾配(ちち0)は原案と同一・・とした ⑧ 導流水路は随通番口断面拡大に座って拡大されたが,入口附近(W−Wsect」)では原案と大差なきも以下麻 薬の5mから7mに拡大した・延長5m,底勾配鴨は原案のままを採用した ⑨ 魔道呑口径をD;7mの標準馬蹄形とし以下10mまでこの断面を与えた,10∼30mの問でD=4mに漸縮以下約 ∞mは原案のD=4m随道に連結した‖ なお桜通の攣側度および勾配槻岩)は原案のままとした 以上が原秦に対する修正要点であるが,これを表示すると界5寮となる1ただし原案と同一・事項匿ついては省略 した.

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245 第フ巻 罪3号 第5表 修 正:最 終 案(縮尺比1:25) 異 常 洪 水 崖 側 溝 庶 巾 卜上流姉(Ⅰ一Ⅰおよび Ⅱ−−1【sect・・) 1中 央(ⅤトVIsect.) 轡 流 水 路 庶 巾 J始 端(W∼ ̄Wsectr) し木 蝋(随通辞「り 瞳 遺 ‥ ・二ニ

=テ

(D)実験結果および考察 実験には滞6衷に示す流還を用い,観測観察を杓 った主なる部分ほ,(1)貯水池水位変化(余水吐のQ・ H cuIVe),(2)械溢水路の流況(9断面),(3博流水路 の流況(4断簡),(4魔道の流況(フ断面)等の点で ある. (∋ 貯水池の水位変化(第10図参照)−堰流が完全 溢流の間,すなわちQ==ニ85m祭/SeC附近までほ原案 と殆ど−−・致し,Qの増加に伴って貯水池水位も上昇 し計画洪水壌6828m票/secにおいて−0フ8mを示した これは設計で算出せる08mより約2cm低いが大体 一一・致しているさらにQが増加した場合原案では 85小32mネ/SeCで水位0・9mを示し限界に.達したが,修 正展では110.Om祭/sec(異常洪水塁)で水イ立109m

翠6表 観∴測 流 量

原 型 流 畳 (m畏/SeC) フ小966 22.180 40 393 682鉦)(計画洪水轟) 82」e50(T(ラG6限界) 85316(HIND郡民界) 11010∞(異常洪水鼻) 125.000 126,.210(修正案限界) を示しさらに余裕を残し, 12621m祭/SeC(水位1,22m)に いたって水イ立の急敦上昇を示 し限界に達するり 設計による 木曜堤の満水面上余裕高は 2町であるから110m窮/secの 場合に示すIL09mですでに余 者、眉ほ091mとなり,126・21 mりsecでは0フ8mに.減じ し かもその後急昇して危険であ る.余水吐の排水能力の限界 は1261.21m釆/secであっても, 余裕高の点で洪水面上1m程 度におさえるべきであろう・ 左右対称形であるから主と して片側において観測,比較 のため反対側の中央部(Ⅴ′− 2218i4039 043105フ 罪10図 貯 水 池 水 イ立 変 化 (余水枕浴流堰に.おけるH−Q曲線)

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香川県菓農科大学学術報告 246 (2)横溢水路の流況(第11,13図参照) 第13図 横溢水路の流況(Ⅴ−Vsection) 第ユ1図 計画洪水騒(Q=6828m祭/sec) 第2次実験修正最終案 Ⅴ†sect‖)で観測したQの小なる問は,溢流水勢が優勢のため,横流著しく,対壁捌欣.片各って細流を示すにすぎ ないが,Qが漸次増加するにつれ内水位もたかまり,縦流が漸次優勢となる∩ 溢流水脈ほ縦流の憶を潜り対壁㌢こ達 して法面上紅盛り上る・この盛り上りほⅡおよびⅡsect、附近で特に著しく,6328m金/sec(計洪)で早くも設計 対壁をこえるに至る」これに反しで堰側の内水位はがいして低く堰流ほ85.32m書/secに至るまで完全溢流を示し側 溝の排水能力を十分に発揮する中央対称軸断面(0−Osect・)でほ左右よりの流水の循突のため,僅に水位止昇す るも,商ちに導流水路に流下するため,やほり8532mホ/SeC 附近までほ完全溢流である.110m8/SeC(輿洪)に至れば堰流 ほ不完全となり,12621m詔/SeCでほ潜囁となり,内水位ほ 貯水池水イ立とははとんど−激するに至る・ 流速ほQの増加に伴い,また上流より下流に至るにしたが い漸次増適する傾向に.あり,6822mβ/sec(計洪)の場合 についてみると,上流でほ1m/SeC前後で変化が多いが, Vsecモ・で24m/SeC(麻齢5),VIsectで219m/SeC(原案 13)∴Ⅵsect一で3”2m/SeC(原案Lフ)と増加するも,中 央対称軸断甫(Osect・)に近接すると両側よりの流水の衝 突に.よってかえって流速を減じ2・3m/sec(原案16)程度と なるけまた修正案(T6G6)の流速が原案(HINDS)よりも相 当大であることが認められ,断面縮少による狭陰性は流速に よってCOVerされ,内水栓の上昇をおさえる結果となって いる.原案(HINDS)においてほ巾広い側滞部で流水がだぶ つき内水位■の上昇を示したことが理解できる・110mP/sec以 上になると内水棲は著しく上昇流速ほかえって低下する」な お左右両側の側溝の流況ほはとんど相等しいことが認められ た ① 導流水路の流況(第12図参照) 第12区に斜面洪水遥:(Q=68・28m$/SeC) 第2次 実験修正最終案

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罪7巻 罪3号(1956) 247

側溝部より隊道春口にいたる延長5m,勾配与もの急勾配部分で対称軸紅おいて衝突した側溝の流水は方向を転じて

本水路に流入するその始端附近断簡でほ各Qに対して水面ほはとんど水平で,漸次水深を増し,68.28m$/SeCで

約2・6m,110m$/secで約35m,126121が/SeCで約45mとそれぞれ水深を示し,流況いたって平滑である.下流に

シ、たるにしたが/つて,水位ほ中央部で盛り上る脚弛示すが,Qが増大するにつれて水平枇なる・・流速はやほりQ の増加に伴い漸増し,68・29m3/secの場合で各断面により4小1m/SeC(坂案2l6),5”9m/SeC(4小フ),6lm/芦eC(52), 6・8m/SeC(4・フ)なる値をとる′ これほ原案の場合よりも,ある程度の榔塞である・Qがさらに.増加して110m8/sec

に・至るとかえって流速咋減退し,52m/SeC,126”2lm$/secでは4一21n/secとなるhこれほ槌道の流況隼よって朗誓

冬れる結果であって随道の抵抗が背水となっておよぶためである ④ 随道の流況(常14区惨照) 腿道春口の流況は導流水路未端流況とし て−既述したが,随遣ほ流入と同時に曲率 半径6mをもって右に轡曲するから呑口附 近流況ほかなり変化が著るしい・流入後 5m亭eCtでほ各流星共に水イ立ほ左側内壁に 著るしく盛り上り,右側に傾くこの現象 は100m9/SeC附近まで顕著でuOm毘/SeC (異状)に.至るとかかる水面傾斜ほはとんど 消減レ水位ほ全体的に急激に上昇する 12621・m祭/secいたると満流となる.この ユ10叩5/苧eC附近以上の流況の急変ほ下流 苧eCt”甲背水の影響であるhlOmsect・・随 道ほ轡曲を終っですでに.直線部艦移って いるが,5m sectの曲流の影響がなお残 1鷲62州民班) Q}てnl=ソじeC Ⅰ沌00けい1ミ) 68:三3(】!り 10i9 範パP 忘忘基;;墓⊇ 22】80 j 2 797 C_ ー1I−−”−..__●一一一一一・一一一一′ 葦14図 桜 通 の 流 況(40mの断帝) 存し左側壁の水位の高まりがみられる・ 110mA/sec以上でほ5msectと同様の流況を示す この10msectから随道の径ほ以下20mでD=7”4mに.漸縮する が,その中間の20msect小(D=55m)でほ5msect に・発生した蛇行がユ5m附近で2匝旧の反転を示し,その、影響に より,上流とほ庇右側に水棲の上昇を示すこのSeCtでほ110m缶/SeC以上ほことどと・く潮流である3dms9Ct・ ほ隠退漸縮の終端でD=ニ4msect・に移る部分で,蛇行の3転附近にあり,使に左側に水政ゐ高まりを示すが縦流優 勢のため著るしくほない蛇行は大体以上の3転で消滅するこのSeCt でほ8532mき/SeCではと,A,ど満流に近 くそれ以上のQほヱとごとく清流である 以上は0∼30m問の流況であるが,85m8/sec附近まlでの消沈はf’Ieeflowとして簡明であるがこれをこえる聞近 から渦流に近接し,随通全体の通水能力はこの30m sect・において左右されることが認められた・すなわち85が/SeC 附近までほfⅠee flowとして流過している水流が,除々にQを土削l】すると,なおかなりの自由空間を残存していて も,水面動揺などで突然渦流となり,通水能力を減退し,その影響鳩上流SeCtに.および急数なる水位の上昇を示 すに至る“このことは上潮SeCtlの流況にも明晰こ現われている一 さらにQの増加に伴う影響は漸次上流SeCt.に および,下流の潜流SeCt・は内圧をうけることとなるこの諺攣ほさらをこ導流水弘側溝にまで達し,その結果貯 水池水位の上昇にまでおよぶわけで,その影響矧珂をどの柑り封こおさえるべきかが修正の際最も遠大な点であった そこで1〕・Om只/SeCの異常洪水鼠を安全に・通水し,その.朋紬噂流水路附近濫おいて終りうるような断面をねらい として各種修正の結果本修正案を得た訳であるユ26J211ユーロ/くミeCほ.上浦への影響を無視してQを増した場合の眼界 洪水鼠で障遺ほ香口において渦流に達し,貯水池水府の急激卜昇を示すに至る限界であるこの限界Qで前記のよ うに貯水池水位ほ122mに.達した, 30m以下のSeCtトはD=‥4mで延長約60mであるが,J呈Omsectlでは内水拉蘭麿水斗で,126.2lm8/sec(限界)に 至っても渦流iこ近いが,なおf‡eeflowである随道出仁Isect‖でほ,63123m毘/SeC(計洪)で水深18m,1262lm$/ SeC(限洪)でも2・26mでなお174mの臼由空間を残し粧酢こほ充分の余裕を示す 駆道中の訝i義ほ罪フ衷のようにfrceflow’の肝は紺汐、.Vを淑埋し,Q=6812EmS/SeCの時でほ召口Ⅴ=6,e3m/SeC

(11)

248 が吐口でⅤ=13.1.4m/SeCとなり随道中で約2倍とな る.Q=石85m8/sec附近から30m/sect.の満流の 影響が漸次上流におよぶこと.が,よく流速にも現 われ,30msectl・上流のⅤはがいして−/l\さく,30m SeCt・以下で漸増しI10m8/SeCの場合‡吐ロで1409m/ SeCを示す なお随退出口の流速は原案のQ=85け32m語/secの 場合1263m/SeCに.比して修正案では138フm8/SeC 否川原甘蘭科大学学術報告 界7義 隆道中の 流速 で1い24m/secの増大であ り,1ユOm宕/secでほ 14・09m語/secが現われること.となるが,放水開渠郡を原案修正澱態を採用するときは大なる支障はないものと考え られる. 耶 結 第1次実験(HINDS断面による原案)にひきつづき実施した軍2次実験(T6G引断面艦よる修正最終案)結尭を最 終案として摘記すると, ①本案の限界洪水鼠ほ12621m爵/SeCであるが,これほ腿通過水の限界能力であって,・その際貯水池水位上昇は 1け22mを示し,余裕高ほ0フ8mに.減少し危険である ⑧貯水池水位上昇からみてl。09mの110m8/SeC附近を安全限界流還としたいただ万一Lの場合随道通水限界をI10 m8/SeCにおいておくと.さらに危険性を増大するのでユ26..21mB/SeCまでの余裕を随道に与えた訳である ⑨側溝部における原案(HINDS)と.修正案(T6G6)とでほそのSeCtに相当の広狭があるが,狭小なる後索が 縦流速の増大によってCOVe工され内水位に大差なく,はとんど同一・の通水能力を示したことほ.興味ある結果であ (8〉 る‘この点についてほひき続き再実験を試みたので後日報告したい ④側溝部の対壁法高ほ水位の盛り上り紅対して少くとも45m(鉛直高)を与えるぺきである ⑨左右対称の側溝形態ほ中央軸部で左右からの流水徳突のため著しく流速が減殺され,それ以下の流速の緩和と なり望ましい形態である ⑥導流水路の庶勾配ろ島は適当で,もしこの部分の勾配が授かであると対称軸部で流速の落ちた流水が滞留して内 水位が上昇することとなる ⑦駐追啓口附近の径フmに拡大せざるを得なかったが,障道下流径を4mに.おさえるためにほ止むを得なかった、急 勾配(加速度)糧道でほ下流程断面を漸縮してさしつかえないことば実験的にも明瞭である ⑨隠退以下の放水開渠部ほ流速からみて原案の場合に試みた修正形態で大なる支障ほないと考える. ◎ 原案に比し修正案ほ排水能力で約40m$/SeC増加し,隊追啓口鞘近り拡大ほあるが,側溝部の断面縮少で地山 裾さく土壁がよはど減少することになろう 最後に本第1次,第2次実験を行うに.あたり,多大の援助を煩した高知県当局,また長期にわたり実験に当った関 係諸氏に謝意を表し本稿を終る 参 考 (1)前川忠夫,上原勝樹,山内一「郎:水理模型実験報 告(工),香川農大学術報告,7(2),193∼206(1956) (2)高知県農林部耕地課:余水【止水理模型実験報告 (Ⅰ),(1955). 13)同上(Ⅱ),(1955) (4)J.HINDS:Side channelspillways,Trans d〝紹7■、S,C・・且,89,839∼937,(1926) (5)東郷成蔵:側薄賢余水吐の断面討辞法,農文士木 文 献 研究∴い2?,22フ∼229(ユ941)・ (61東郷成蔵:側溝余水吐の断面計昇法,鳥取虚学 会報,10(31,99∼105(1954) 冊 香川県農地部:満濃池余水吐水理模型実験増 悪(】_),(コー954) r81前川忠夫,碧艮八郎,脇谷武:側溝余水吐をこおけ る比較共験について,農業土木学会中四国支部研 究報告(9),13∼16(1956)

参照

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