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Moodle 用シラバスモジュールの開発

○伊藤 宏隆 松尾 啓志

名古屋工業大学 情報基盤センター

コースマネジメントシステムMoodle は e-learning を支援するシステムである。Moodle は多くの 教育機関で利用されている。名古屋工業大学では,2007 年 4 月に Moodle を導入した。また,2009 年4 月より名古屋工業大学ではシラバスを一般公開する計画であった。新しいシラバスシステムの開 発にあたり,Moodle をもとにすることになった。そこで,著者らは,Moodle 用のシラバスモジュー ルを開発した。シラバスモジュールは,シラバス管理プログラム,シラバスブロック,My シラバス ブロック,シラバス検索プログラム,シラバス図書管理プログラムから構成されている。結果として, Moodle のインターフェースからシラバス,資料配布,課題,小テスト,出欠管理を行うことが可能 となり,学生への情報提供手段を一元化することができた。

Development of Syllabus Module for Moodle

Hirotaka Itoh and Hiroshi Matsuo

Information Technology Center, Nagoya Institute of Technology

Course management system “Moodle” is an e-learning support system. Moodle is used at many academy. At Nagoya Institute of Technology, Moodle was introduced in April, 2007. Nagoya Institute of Technology planned to open new syllabus to the public. Authors developed new syllabus system based on Moodle. Moodle syllabus module consists of syllabus administration program, syllabus block, my syllabus block, syllabus search program and syllabus library administration program. Therefore, we could integrate the information provided method to the students.

1.はじめに

名古屋工業大学では2007 年 4 月にコース管理 システムとしてMoodle[1]を本格的に導入した[2]。 Moodleはe-learningを支援するシステムであり, 教材の作成支援,課題の提出管理,小テストの実 施,チャット,掲示板,Wiki,学生の受講管理を 行う機能を持つ。しかし,Moodle にはシラバス 機能が備わっていなかった。本学では,2009 年 4 月より,シラバスを公開する計画があがっていた。 新シラバスシステムの開発にあたり,Moodle を もとにすることとなった。このMoodle シラバス は,名古屋工業大学の正式な新シラバスシステム となるため,単に教員がシラバスを入力したり, 学生がシラバスを閲覧するだけでなく,管理者に より,シラバス入力期間の設定や公開・非公開の 制御が行えることが求められた。また,授業開講 時期に学生がシラバスを検索できる機能も必要で ある。さらに,新シラバスの開発にあたり,シラ バスと図書館 OPAC との連携の要望が寄せられ

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た。それらの仕様を満たすため,著者らはMoodle のシラバスモジュールとして,シラバス管理プロ グラム,シラバスブロック,My シラバスブロッ ク,シラバス検索プログラム,シラバス図書管理 プログラムを開発した。このシラバスモジュール の開発により,同一のインターフェースからシラ バス,資料配布,課題,小テスト,出欠管理を行 うことが可能となり,学生への情報提供手段を一 元化することができた。また,既存のMoodle を もとにすることにより,市販のシステムの購入や 外注による新システム開発にかかる費用を節約す ることができた。また,開発面では,Moodle の コードを流用することができ,開発期間を短縮で きた。開発期間はおよそ5 ヶ月である。 本文では,著者らが開発したシラバスモジュー ルについて論述する。

2.

Moodle 用シラバスモジュール

2.1.データベースの構造 本シラバスモジュールで使用するデータベース はシラバス管理テーブル,シラバステーブル,シ ラバス図書テーブルの3つである。各テーブルを 表1~3にそれぞれ示す。シラバス管理テーブル では,年度,シラバス入力期間,公開・非公開フ ラグを管理する。シラバステーブルは,各授業の 授業情報やシラバスを管理する。教科書・参考書 はシラバス図書テーブルで別に管理されている。 表1.シラバス管理テーブル id ID year 年度 inputstartdate 入力開始日 inputenddate 入力終了日 openclose 公開・非公開フラグ timecreated 作成日 timemodified 修正日 表2.シラバステーブル id ID courseid コースID lecturecode 授業名 englishname 英文授業名 lecturecode 授業番号 teachers 担当教員 faculty 学科 grade 学年 depart クラス subject 科目区分 timetable 時間割 credits 単位数 purpose 授業目的・達成目標 schedule 授業計画 grading 成績評価の方法と基準 advise 注意事項 officehour オフィスアワー textnum 教科書数 refnum 参考書数 timecreated 作成日 timemodified 修正日 表3.シラバス図書テーブル id ID syllabusid シラバスID type 教科書or 参考書 num 順番 book 書籍情報 ncid NCID timecreated 作成日 timemodified 修正日

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2.2.シラバス管理プログラム シラバス管理プログラムでは,管理者がシラバ スの入力期間やシラバスの公開・非公開を制御す ることができる。 管理者は図1のシラバス管理ページでシラバス の入力開始日,入力締切日,公開設定を確認でき, 「変更」リンクをクリックすると,図2の設定変 更ページが表示され,シラバス入力期間とシラバ スの公開・非公開の切り替えが可能である。 2.3.シラバスブロック シラバスブロックは教員によるシラバス入力プ ログラムと学生にシラバスを提供するシラバス表 示プログラムからなる。 シラバスブロックは,コース中に配置される。 ユーザがそのコースの教師の場合は,図3のよう に「シラバス入力」ページと「シラバス表示」ペ ージへのリンクが表示され,ユーザが学生の場合 は,図4のように「シラバス表示」ページへのリ ンクのみが表示される。 コースの教師が「シラバス入力」リンクをクリ ックすると,シラバス入力可能期間中であれば, シラバス入力ページが表示される。図5にシラバ ス入力ページの一部を示す。入力ページには,授 業科目名,時間割番号,担当教員名,学科・年次, 科目区分,単位数,時間割といった授業情報が表 示されている。なお,管理者が入力ページにアク セスした際には,図6のように授業情報が変更で きるようになっている。教師は授業情報を変更で きない。 教師はシラバス入力ページにおいて,授業の目 的・達成目標,授業計画,成績評価の方法と基準, 履修にあたっての注意事項及び教室外における準 備学習などの指示,教科書,参考書,オフィスア ワーの各項目を入力する。教科書,参考書以外の 項目は図5の授業の目的・達成目標のようにテス トエリアにhtml エディタを使用して入力する。 教科書,参考書は図7のように1 行に 1 冊ずつ入 力する。入力行を追加するときには行数をプルダ ウンで選択し,変更ボタンをクリックする。 シラバス入力ページの「プレビューを表示する」 やシラバスブロックの「シラバス表示」をクリッ クした場合には図8のように整形されたシラバス が表示される。 図1.シラバス管理ページ 図2.シラバス設定変更ページ 図3.教師用シラバスブロック 図4.学生用シラバスブロック

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図6.管理者用授業情報 図7.教科書・参考書入力 2.4.My シラバスブロック My シラバスブロックは,My ページに配置さ れる。図9に教員,学生用のMy シラバスブロッ クを図10に管理者用のMy シラバスブロックを 示す。図9で教員が「My シラバス」をクリック すると,図11のように自身が担当している授業 の情報が表示され,授業名をクリックすると図5 のシラバス入力ページが表示される。図9で学生 が「My シラバス」をクリックすると,自身が学 生登録している授業情報が表示され,授業名をク リックすると図8のシラバスが表示される。管理 者が図10の「シラバス管理」をクリックすると 図1のシラバス管理ページが表示される。図10 の「シラバス図書管理」リンクについては2.6. 節にて解説する。 図8.シラバス表示 図9.教員・学生用My シラバスブロック 図10.管理者用My シラバスブロック

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図11.My シラバスページ 2.5.シラバス検索プログラム シラバス検索プログラムはコース検索[2]を改 良し作成した(図12)。コース検索でシラバスも 閲覧できるように改良した。 2.6.シラバス図書管理プログラム Moodle をもとにした新シラバスでは,シラバ スと図書館OPAC との連携を実現している。シラ バスを表示した際,教科書・参考書欄の書名には OPAC の書誌検索結果ページへのリンク(図1 3)がついている。このリンクをクリックすると 書誌情報ページが表示される。このリンクは図書 館で管理している図書の NCID をキーにして作 成されている。各図書のNCID は図書館側で登録 する。 図13.OPAC の書誌検索結果ページへのリンク NCID の登録方法には 2 つの方法がある。1つ はNCID の CSV ファイルをアップロードする方 法で,もう一つはNCID 登録ページで登録する方 法である。 図10の「シラバス図書管理」をクリックする と,図書管理用シラバス検索ページが表示される (図14)。図14の①のメニューを図15に示す。 図15の「授業リストを画面に表示する」では, 検索結果を画面上に表示する。図15の「図書リ ストをダウンロードする」では,検索結果で抽出 した授業における図書リストをCSV ファイルで ダウンロードできる。ダウンロードした図書リス トの各図書にNCID を追加して,図15の「NCID をアップロードする」を実行すると,NCID が一 括で登録できる。 また,図14の②の編集をクリックすると,授 業ごとの図書にNCID を登録するページが表示 される(図16)。NCID を入力し,「変更を保存 する」をクリックすると,NCID が登録できる。 図12.コース検索

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図15.管理用メニュー 図16.NCID 登録ページ

3.シラバスの一般公開

名古屋工業大学のMoodle は,一般には公開さ れていない。そこで,シラバスの一般公開に当た っては別のユーザインターフェースを作成し,一 般からアクセスが可能なように設定されている。

4.まとめ

著者らはMoodle のシラバスモジュールを開発 した。これらのモジュール群により,教員による シラバス入力機能と学生へのシラバス提供の他, 管理者によるシラバス入力期間や公開・非公開の 制御も可能となっている。教員は担当しているす べての授業のシラバスを入力する必要があるため, My シラバスブロックを実装し,入力の利便性を 向上させた。また,学生が授業開講時期にシラバ スを検索し閲覧できるようにコース検索を改良し た。また,シラバスの教科書・参考書から図書館 OPAC の書誌情報を表示する連携機能を実装し た。 新シラバスシステムをMoodle をもとに開発し たため,同一インターフェースでシラバス,資料 配布,課題,小テスト,出欠管理を行うことでき, 学生への情報提供手段を一元化することができた。 また,教員によるMoodle の利用促進を期待して いる。

参考文献

[1] http://moodle.org/ [2] 伊藤宏隆,舟橋健司,中野智文,内匠逸,松 尾啓志,大貫徹:名古屋工業大学における Moodle の構築と運用,Vol.4,No.2,pp.15-21 (2008) 図14.図書館シラバス管理用ページ

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