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病院に就業する看護師が展開する学習活動に関する研究 ―看護実践の質との関係に焦点を当てて―

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Academic year: 2021

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(1)【原著】. 病院に就業する看護師が展開する学習活動に関する研究 ―看護実践の質との関係に焦点を当てて― 髙橋 聡子(国立看護大学校研究課程部看護学研究科後期課程) 上國料美香(国立看護大学校) 亀岡 智美(国立看護大学校) . Learning Activities Developed by Nurses Working at Hospitals: Focusing on the Relationship with the Quality of Nursing Practice Akiko Takahashi RN, MNS*1, Mika Kamikokuryo RN, DNSc*2, Tomomi Kameoka RN, DNSc*2 *1 Graduate School of Nursing, National College of Nursing, Japan *2 National College of Nursing, Japan Abstract The purpose of this study is to clarify the relationship between learning activities developed by nurses working at hospitals and the quality of their nursing practice, and to consider effective learning activities connecting to improvement of their nursing practice and challenges to achieve their implementation. A conceptual framework was constructed based on literature review. A questionnaire consisting of items which measure demographic characteristics of the participants, questions regarding learning activities, and the Nursing Excellence Scale in Clinical Practice which measures the quality of nursing practice, was used. A questionnaire survey was sent by mail to 91 hospitals in Japan, targeting 1,177 ward nurses with more than 5 years and less than 11 years of clinical experience. 516 responses (43.8%) were received, of which 383 were valid for analysis. As a result, 5 types of learning activities, such as "intentionally and systematically ensuring learning opportunities", "not leaving questions or matters that are unclear unanswered, but continue to search for understanding based on the evidence until you are convinced", "finding opportunities to study in the daily nursing scene and positively utilizing them", were related to the quality of nursing practice. In consideration, it is suggested that awareness their responsibility for quality nursing practice, value the importance of learning, value the nursing practice based on evidence, and using this as the foundation for action, are important in order to achieve these five types of learning activities. Key Words:learning activities quality of nursing practice. 学習活動 看護実践の質. [要旨] 研究目的は、病院に就業する看護師が展開する学習活動と看護実践の質との関係を探索し、看護実践の質 向上につながる効果的な学習活動のあり方とその実現に向けた課題を検討することである。 文献検討に基づき概念枠組みを構築した。測定用具には対象者の人口統計学的特性、学習活動を問う項目、 看護実践の質を測定する「看護実践の卓越性自己評価尺度-病棟看護師用-」(舟島ら、2015)から成る調 査票を用いた。全国91病院に就業する臨床経験5年以上11年未満の病棟看護師1,177名に調査票を配布し、返. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 39.

(2) 送された516部(回収率43.8%)のうち有効回答383部を分析した。 その結果、〔意図的・計画的に学習機会を確保する〕、〔疑問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得でき るまで探究する〕、〔日常の看護実践場面に学習機会を見いだし積極的に活用する〕等、5種類の学習活動が 看護実践の質に関係していた。 考察の結果は、これら5種類の学習活動の実現に向け、看護師が質の高い看護実践への責任を自覚し、学 習の重要性、根拠に基づく看護実践を価値づけ、行動の基盤としていることが重要であることを示唆した。 また、対象者に質問項目として挙げた学習活動の. Ⅰ.緒言 病院に就業する看護師は、クライエントへの質 1). 実施頻度を問うことにより学習活動を調査してお. 、この責. り、質問項目として挙げられていない学習活動の. 務遂行に向けて自律的に学習を継続する必要があ. 実施状況は調査されておらず、看護実践の質との. の高い看護実践を第一義的な責務とし 2)3). 。実際に、看護師の多くは、自己の看護実. 関係も未解明である。これらは、病院に就業する. 践の質向上をめざし、専門誌の閲読、病院内外の. 看護師の学習活動と看護実践の質との関係が十分. 研修会やセミナー、学術集会への参加等を通し、. に解明されていないことを示す。. る. 学習活動を継続している。しかし、看護師にとっ. そこで、本研究は、病院に就業する看護師個々. て看護実践の質向上は必ずしも容易ではなく、知. が看護実践の質を維持、向上するために展開して. 識、技術の不足やその獲得、向上の困難を知覚し. いる学習活動と看護実践の質の関係を探索した。. 4). 。先行研究は、臨床経験を. 本研究の成果は、看護実践の質向上をめざす看護. 5年以上重ねた看護師が、職場の中堅として活躍. 師個々にとって効果的な学習活動のあり方と、そ. を期待されながらも、看護実践能力の停滞という. の実現に向けた課題を検討するための基礎資料と. ている者も存在する. 状況に直面しやすいこと. 5). 、その中には看護実践. の質の高い者からそうでない者まで存在すること. なる。. 6). を示しており、これらも、看護師にとって看護実. Ⅱ.研究目的. 践の質向上が必ずしも容易ではないことを支持す. 病院に就業する看護師が展開する学習活動と看. る。この現状は、看護実践の質の高い看護師がど. 護実践の質との関係を探索し、看護実践の質向上. のように学習活動を展開しているのか、看護実践. につながる効果的な学習活動のあり方と、その実. の質向上につながる専門的能力の維持と向上の実. 現に向けた課題を考察する。. 現をめざし、どのような学習活動が効果的である かを明らかにする必要性を示す。また、そのため. Ⅲ.用語の概念規定. には、看護師個々の学習活動が実際に看護実践の. 1.学習活動(learning activities). 質向上にどのように結びついているかを解明する 必要がある。. 態度、性格、興味、知識、理解などに比較的永続 7). 先行研究を概観した結果、看護師の学習活動 、 8). 、自己教育力. 9). 的な変化が生じる過程」15)である。この過程には、. 等、学習上の多様な. 意図的な行動を通して生じる場合と非意図的、す. 特性とそれらに関係する因子を探索した多数の研. なわち偶然によって生じる場合があり、学習活動. 究が行われていた。その中には、学習活動と看護. とは、このうち前者に該当する行動を指す。また、. 学習ニード. 10)11). も2件存在し. ある行動が学習活動であるか否かは、次の2点に. た。能力は、個々人が承認されうる水準の行動を. より区別できる 16)。第1は、その行動が知識、技. 成し遂げることに対する潜在的な可能性であり12)13)、. 術等の獲得という予め設定された目的の達成を意. 看護実践能力の高さは看護実践の質の高さに直結. 図して行われているか否かである。第2は、学習. 実践能力の関係を探索した研究. 14). 40. 学習とは、「経験を通じて、行動や技能、能力、. する 。そのため、これら2件の研究は、看護師. 者としてその行動を行う者自身が、獲得をめざす. の学習活動と看護実践の質の関係を探索した研究. 知識や技術等の情報に主体的かつ計画的に働きか. とみなすことができる。しかし、いずれも、便宜. け、自らのものとしようとしているか否かである。. 的に抽出した対象者から収集したデータを分析し. これらを前提とし、看護師が、専門的知識、技術、. ており、その成果の一般化可能性に限界があった。. 専門職者としての価値観等の獲得や向上を意図. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020.

(3) し、それらに関わる情報に自ら働きかける行動を. 関係する可能性の高い学習活動を検討し、概念枠. 学習活動と規定する。. 組みを構築した。先行研究の中には、病院に就業. 2.看護実践の質(quality of nursing practice). する看護師が実施している学習方法の全容解明を. 看護師は、看護の目標達成をめざし、クライエ. めざした研究 20)21) が存在した。この研究成果は、. ントと相互行為を重ねるとともに、多職種との協. 看護師が実施している学習方法36種類を明らかに. 働や臨床の場の物的、人的環境の整備等、クライ. しており、他の先行研究が質問項目に挙げた学習. エントとの相互行為の過程が看護の目標達成に向. 活動と照合した結果、前者は後者を全て包含して. けて効果的なものとなるための多様な活動を展開. いた。そこで、学習方法36種類のうち、本研究が. する. 17)18). 。これらの活動には、看護師個々の専門 19). 規定する「学習活動」に該当する28種類を検討し. 等が反. た。28種類の中には、1種類に複数の学習活動を. 映されており、その適切性は、看護の目標達成に. 包含するもの、いくつかを統合することにより1. 影響を及ぼす。これらを前提とし、看護実践の質. つの学習活動として意味を見いだせるもの等が存. とは、看護師個々が看護の目標達成をめざし展開. 在した。そこで、1つの変数が1つの学習活動を. するクライエントとの相互行為、および、それを. 表すよう各学習活動の包含する内容を分離、統合. 支えるための多様な活動の適切さの程度とする。. した。その結果、学習活動に関わる変数は全28変. 的知識、技術、専門職者としての価値観. 数となった。これら28変数とは、学習上の工夫に Ⅳ.概念枠組み(図). 関わる〔①どの研修や学会に参加するかの年間計. 病院に就業する看護師の学習活動に焦点を当て. 画をたてる〕、〔②年単位、月単位で学習計画をた. た研究について文献検討を行い、看護実践の質に. てる〕等16変数、疑問点や不明点発生時の対処方. 学習活動 疑問点や不明点発生時の対処方法 ⑰納得できるまで調べる ⑱必要な情報を迅速に得るとともに、 改めて学習する時間を持つ ⑲文献や資料を用いて調べる ⑳後回しにせずその場で調べる ㉑周囲の看護師や他の医療従事者に 聞く 職業活動の自己評価 ㉒看護実践に対する自己評価を行う 学習機会の探索と活用 ㉓学術集会に参加する ㉔院内研修に参加する ㉕院外研修に参加する. 看護実践の質. 学習上の工夫 ①どの研修や学会に参加するかの年間計画をたてる ②年単位、月単位で学習計画をたてる ③研修に参加する際は予習や復習を行う ④委員会や部署内の係を自己の学習機会ととらえ積極的に 引き受ける ⑤未経験の看護技術や処置を実施する時には必ず事前学習 を行う ⑥他の看護師や医療従事者の行動を観察してよい点を参考 にする ⑦未経験の看護技術や処置を経験する機会を積極的につくる ⑧一度学習した内容であっても重要なことは繰り返し学習する ⑨目標達成のために学ぶべき内容が膨大であっても、 できることから取り組む ⑩仕事の前後や休日を利用し学習にあてる ⑪学習した内容をノートに整理する ⑫時間があればいつでも読めるように専門書や専門誌を 携帯する ⑬学習すべき内容や調べることを忘れないように書き留める ⑭疾患や症状の理解が深まるよう専門書の内容と実際の患者 の状態を照らし合わせる ⑮短時間であっても日々学習を継続する ⑯毎日、時間や量を決めて学習する. 知識や情報の探索と活用 ㉖最新の知識や情報を積極的に 入手する ㉗インターネットを利用する ㉘専門書や専門誌を閲読する. 学習活動と看護実践の質の関係探索 効果的な学習活動の検討 効果的な学習活動の実現に向けた課題の検討 図 本研究の概念枠組み. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 41.

(4) 法に関わる〔⑰納得できるまで調べる〕、〔⑱必要. 第1は、看護師の学習活動28変数を調査するた. な情報を迅速に得るとともに、改めて学習する時. めの質問項目であり、本研究のために作成した。. 間を持つ〕等5変数、職業活動の自己評価に関わ. 学習上の工夫、疑問点や不明点発生時の対処方法. る〔㉒看護実践に対する自己評価を行う〕の1変. に関わる項目は「かなり当てはまる(5点)」か. 数、学習機会の探索と活用に関わる〔㉓学術集会. ら「全く当てはまらない(1点)」の5段階、看. に参加する〕、 〔㉔院内研修に参加する〕等3変数、. 護実践に対する自己評価は「しばしば行っている. 知識や情報の探索と活用に関わる〔㉖最新の知識. (4点)」から「あまり行っていない(1点)」の. や情報を積極的に入手する〕、〔㉗インターネット. 4段階、学術集会、院外研修への参加状況は「1. を利用する〕等3変数である。. 年に3回以上(4点)」から「参加していない(1. 看護師が展開する学習活動は、その成果である. 点)」の4段階、院内研修は「よく参加している. 知識、技術、専門職者としての価値観等の獲得状. (3点)」から「参加義務のある研修のみ参加して. 況に影響することから、看護実践の質に関係する. いる(1点)」の3段階、最新の知識や情報の入. 可能性がある。そのため、これら学習活動に関わ. 手状況は「積極的に入手している(2点)」と「積. る28変数は、看護実践の質に関係する可能性が高. 極的には入手していない(1点)」、インターネッ. い。病院に就業する看護師が展開する学習活動と. トの利用状況は「よく利用している(5点)」か. 看護実践の質の関係を探索することは、看護実践. ら「全く利用していない(1点)」の5段階、専. の質向上につながる効果的な学習活動のあり方と. 門書・専門誌の閲読状況は「よく読む(5点)」. その実現に向けた課題の検討を可能にする。. から「全く読まない(1点)」の5段階の選択肢 により回答を求めた。なお、先行研究 27)28)を基盤. Ⅴ.研究方法. として質問項目を作成するにあたり、研究者より. 1.研究対象者. 承諾を得た。. 研究対象者は、病院に就業する臨床経験5年以. 第2は、看護実践の質を測定する尺度である「看. 上11年未満の病棟看護師とした。対象者の臨床経. 護実践の卓越性自己評価尺度-病棟看護師用-. 験年数を5年以上11年未満とした理由は、次の通. (以 (Nursing Excellence Scale in Clinical Practice)」29). りである。先行研究 22)23)は、看護基礎教育課程を. 下、NES)であり、全35質問項目を用いた。NES. 修了して看護師となった者が、就業開始後の数年. は、看護実践の質を構成概念とする測定用具であ. 間を通し、看護実践能力を顕著に高めていくこと、. る。病院の病棟に勤務し、臨床経験を重ねること. それに伴い看護実践の質も変化する傾向を示す。. を通してある程度安定した水準の看護を実践でき. また、看護実践の質と5年毎に群分けした臨床経. るようになったと感じている看護師が、看護実践. 験年数との関係を探索した研究. 24). は、看護実践の. の質を自己評価する際の活用を意図し、開発され. 質が経験年数とともに向上する傾向を示す。一方、. た。7下位尺度35質問項目から成る5段階リカー. 臨床経験5年以上20年未満、あるいは5年から15. ト型尺度である。選択肢は、「かなり当てはまる. 年の看護師の看護実践の質には大きな変化がない. (5点)」から「全く当てはまらない(1点)」で. ことを示す先行研究. 25)26). も存在する。これらは、. 対象者の臨床経験年数をこの範囲に限定すること. あり、測定結果は、得点が高いほど看護実践の質 が高いことを示す。. により、看護実践の質の変化が少ない時期にある. 第3は、対象者の特性を調査するための質問項. 看護師からデータを収集できる可能性を示唆す. 目であり、本研究のために作成した。これは、対. る。そこで、学習活動と看護実践の質の関係を探. 象者の人口統計学的特性、学習への取り組み状況. 索するという本研究の目的達成に向け、臨床経験. と成果を調査するための項目から成る。. 年数が看護実践の質に与える影響を可能な限り少. 上述した質問項目のうち、NES は、先行研究に. なくすることを意図し、対象者の臨床経験年数を. より信頼性と妥当性が確認されている 30)。看護師. 5年以上11年未満とした。. の学習活動28変数と対象者の特性を調査するため. 2.測定用具. の質問項目は、専門家会議、パイロットスタディ. 本研究の測定用具には、次の3つの部分から成. を実施し、その内容的妥当性を確保して用いた。. る調査票を用いた。. 42. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020.

(5) 3.データ収集. 用いた重回帰分析を行った。なお、統計学的有意. 全国の病院から無作為抽出した500病院の看護管 理責任者に往復はがきを用いて研究協力を依頼し た。その結果、承諾を得た91病院の病棟に勤務す. 水準α = 0.05とした。 5.倫理的配慮 日本看護教育学学会研究倫理指針 31) に準拠し、. る臨床経験5年以上11年未満の看護師に看護管理. 国立国際医療研究センター倫理委員会の承認を得て. 責任者を通して調査票を配布し、返信用封筒を用. 実施した。看護管理責任者、および、看護師個々. いた無記名個別投函による調査票の返送を依頼し. には、研究協力依頼状を用いて研究目的、方法、. た。データ収集期間は、2018年2月14日から5月. 倫理的配慮を説明した。併せて、無記名、個別投. 31日までであった。. 函により匿名性と自己決定の権利を保障した。ま. 4.データ分析. た、個人情報漏洩回避に向け、データを保存した. 統計解析ソフトウェア IBM SPSS Statistics 24を. ファイルにはパスワードを設定し、データを保存. 用いて、調査票を構成する全質問項目の記述統計. した USB は、鍵付きの保管庫にて保管した。なお、. 量を算出した。また、対象者の獲得した NES 総得. NES の使用にあたっては、開発者から許諾を得た。. 点に対し、Kolmogorov-Smirnov 検定、ヒストグラ ム、正規 Q-Q プロット法を用い、その分布の正規 性を確認した。次に、学習活動28変数と NES 総得. Ⅵ.結果 配布した調査票1,177部のうち516部が返送され. 点の関係探索に向け、t 検定、一元配置分散分析、. た(回収率43.8%)。このうち有効回答383部を分. Tukey の HSD 検 定 等 を 用 い て 単 変 量 解 析 を 行 っ. 析対象とした。. た。さらに、単変量解析の結果、NES 総得点との. 1.対象者の背景(表1). 有意な関係を認めた学習活動の変数を説明変数、. 1)人口統計学的特性. NES 総得点を目的変数とするステップワイズ法を. 対 象 者 の 年 齢 は、25歳 か ら58歳 の 範 囲、 平 均. 表1 対象者の背景 n =383 項目 項目 項目 1.人口統計学的特性 所属施設の病床数 度数 (%) 2.看護実践の卓越性自己評価尺度(NES) 年齢 169(44.1) NES 総得点 M(SD) M(SD) 32.2(5.5) 20~199床 120.5(17.8) 72(18.8) 3.学習への取り組み状況と成果 性別 度数 (%) 200~299床 51(13.3) 日頃の学習への取り組み状況 女性 331(86.4) 300~399床 度数 (%) 28(7.3) よく/わりに学習している 男性 52(13.6) 400~499床 59(15.4) 500~599床 15(3.9) 少し学習している 臨床経験年数 204(53.3) 25(6.5) あまり学習していない 5年 57(14.9) 8年 59(15.4) 600~699床 116(30.3) 13(3.4) 不明 6年 74(19.3) 9年 69(18.0) 700~799床 4(1.0) 2(0.5) 学習する目的(複数回答) 7年 60(15.7) 10年 64(16.7) 800~899床 900床以上 5(1.3) 看護実践能力の向上 卒業した看護基礎教育課程 339(88.5) 3(0.8) 資格の取得 大学 79(20.6) 不明 33(8.6) 短期大学 10(2.6) 所属病棟の種類 その他の目的 28(7.3) 77(20.1) 明確な目的はない 専門学校 266(69.5) 内科系 22(5.7) 77(20.1) 必要な学習を円滑に進められていると思うか 高等学校専攻科 24(6.3) 外科系 92(24.0) はい 不明 4(1.0) 内科系・外科系混合 42(11.0) ICU/CCU/HCU 等 11(2.9) いいえ 所属施設の所在地 332(86.7) 36(9.4) 不明 北海道・東北 44(11.5) 精神科 9(2.3) 9(2.3) 学習を円滑に進められていない理由(複数回答) 東京 33(8.6) 産科/周産期 7(1.8) 多忙であり学習時間の確保が 関東・甲信越 80(20.9) 小児 232(69.9) 6(1.6) 難しい 東海・北陸 37(9.7) 緩和ケア 18(4.7) 心身の疲労により学習に向かい 近畿 54(14.1) 地域包括ケア 212(63.9) 中国・四国 70(18.3) 回復期リハビリテーション 16(4.2) にくい 110(33.1) 九州・沖縄 65(17.0) 療養 19(5.0) 学習意欲がわかない 83(25.0) 所属施設の設置主体 重症心身障害児(者) 7(1.8) 効果的な学習方法がわからない 国 93(24.3) 障害者 4(1.0) 看護実践の質向上に対する日頃の学習活動の成果 139(36.3) 公的医療機関 73(19.1) その他・不明 4(1.0) とても/わりにつながっている 少しつながっている 153(39.9) 社会保険関係団体 13(3.4) 職位 41(10.7) 法人・その他 194(50.7) スタッフ看護師 375(97.9) あまり/全くつながっていない 50(13.1) 不明 10(2.6) 看護師長、副看護師長、副主任 8(2.1) 不明. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 43.

(6) 32.2(SD =5. 5)歳であった。臨床経験年数は、5 年が57名(14.9%)、6年が74名(19.3%)、7年が. の成果. 60名(15.7%)、8年が59名(15.4%)、9年が69名. 日頃の学習活動が看護実践の質向上につながっ. (18.0%)、10年が64名(16.7%)であった。卒業し. ていると思うかを問うた結果、「とても/わりに. た看護基礎教育課程、所属施設の所在地、設置主. つ な が っ て い る 」 が139名(36.3%)、「 少 し つ な. 体、病床数、所属病棟の種類は、多様であった。. がっている」が153名(39.9%)、「あまり/全くつ. 2)看護実践の質. な が っ て い な い 」 が41名(10.7%)、 不 明 が50名. 対象者が獲得した NES 総得点は、55点から171 点の範囲であり、平均120.5(SD =17. 8)点であっ た。NES 総得点は、141点以上が高得点領域、104. (13.1%)であった。 2.学習活動と看護実践の質の関係 学習活動と看護実践の質の関係探索に先立ち、. 点以上140点以下が中得点領域、103点以下が低得. 対象者が獲得した NES 総得点と人口統計学的特性. 点領域に該当し、これらは各々、看護実践の質が. と の 関 係 を 分 析 し た。 そ の 結 果、「 職 位 」 別 の. 「高く卓越している」、「標準的である」、「低い」. NES 総得点には有意差があり、「看護師長、副看. 32). 。この基準に照らし、本研究の対象. 護師長、副主任」は、「スタッフ看護師」よりも. 者の NES 総得点を分析した結果、中得点領域が最. NES 総得点が高いことを示した。しかし、対象者. も多く279名(72.8%)、高得点領域が43名(11.2%)、. の97.9% が「スタッフ看護師」であったことから、. 低得点領域が61名(15.9%)であった。また、対. 職位による看護実践の質への影響は考慮せず、以. 象者を臨床経験5年、6年、7年、8年、9年、. 下の分析を行った。. ことを表す. 10年の6群に分類し、各群の NES 総得点の平均値. まず、学習活動28変数と NES 総得点の単変量解. の差を比較した結果、6群間の NES 総得点に有意. 析を実施した(表 2)。学習活動28変数は、回答. 差はなかった。. の選択肢を2群、もしくは、3群に分け、2群に. 3)学習への取り組み状況と成果. 分けた変数は、1点と0点、3群に分けた変数は、. (1)日頃の学習への取り組み状況. 2点から0点に得点化した。その結果、学習活動. 日頃の学習への取り組み状況を問うた結果、 「よ く/わりに学習している」が59名(15.4%)、「少 し学習している」が204名(53.3%)、「あまり学習. 28変数のうち、24変数①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫ ⑬⑭⑮⑰⑱⑲⑳㉑㉒㉓㉖㉘が有意な関係を示した。 次に、重回帰分析に向け、NES 総得点との関係. していない」が116名(30.3%)、不明が4名(1.0%). を調べる説明変数を検討した。まず、学習上の工. であった。. 夫に関わる15変数①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭. (2)学習する目的(複数回答). ⑮は、その意味内容より、変数相互の共通性が存. 看護師として学習する目的を問うた結果、「看. 在すると考えた。そこで、これら15変数を用い、. 護実践能力の向上」が339名(88.5%)、「資格の取. 因子分析(主因子法によるプロマックス回転)を. 得 」 が33名(8.6 %)、「 そ の 他 の 目 的 」 が28名. 行った結果、3因子が抽出された。第1因子に最. (7.3%)、「明確な目的はない」が22名(5.7%)で. も高い因子負荷量を示した8変数⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭. あった。. ⑮は、〔A.時間を確保し学習活動を継続する〕、. (3)学習活動の円滑さ. 第2因子に最も高い因子負荷量を示した4変数①. 必要な学習を円滑に進められていると思うかを. ②③④は、〔B.意図的・計画的に学習機会を確保. 問うた結果、「はい」が42名(11.0%)、「いいえ」. する〕、第3因子に最も高い因子負荷量を示した. が332名(86.7%)、不明が9名(2.3%)であった。. 3変数⑤⑥⑦は、〔C.日常の看護実践場面に学習. また、 「いいえ」と回答した者に、その理由(複. 機会を見いだし積極的に活用する〕と命名した。. 数回答)を問うた結果、「多忙であり学習時間の 確保が難しい」232名(69.9%)と最も多く、次が、. 44. (4)看護実践の質向上に対する日頃の学習活動. 次に、疑問点や不明点発生時の対処方法に関わ る5変数⑰⑱⑲⑳㉑のうち、〔㉑周囲の看護師や. 「心身の疲労により学習に向かいにくい」212名. 他の医療従事者に聞く〕は、「あまり/全く当て. (63.9 %)、 以 下、「 学 習 意 欲 が わ か な い 」110名. はまらない」者の NES 総得点が「かなり/わりに. (33.1%)、「効果的な学習方法がわからない」83名. 当てはまる」 、「少し当てはまる」者より、僅かに. (25.0%)と続いた。. 高い得点を示した。そこで、他の4変数とは異な. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020.

(7) 表2 学習活動と NES 総得点の関係(単変量解析の結果) 項目. 度数. (%). NES総得点 M(SD). 検定統計量. 学習上の工夫 F (2, 373)=18.68 ①どの研修や学会に参加するかの年間計画をたてる (1) かなり/わりに当てはまる 54 (14.4) 132.1 (15.8) *a ***a (2) 少し当てはまる 78 (20.7) 123.4 (15.4) *a (3) あまり/全く当てはまらない 244 (64.9) 117.0 (17.9) ②年単位、月単位で学習計画をたてる F (2, 374)=11.12 (1) かなり/わりに当てはまる 19 (5.0) 131.4 (13.7) **a (11.1) 129.5 (2) 少し当てはまる 42 (16.3) **a (17.7) (3) あまり/全く当てはまらない 316 (83.8) 118.6 ③研修に参加する際は予習や復習を行う F (2, 375)=25.10 (10.3) 134.0 (15.2) (1) かなり/わりに当てはまる 39 ***a *a (2) 少し当てはまる 94 (24.9) 125.8 (15.2) ***a (3) あまり/全く当てはまらない 245 (64.8) 116.2 (17.6) ④委員会や部署内の係を自己の学習機会ととらえ積極的に引き受ける F (2, 375)=26.27 (1) かなり/わりに当てはまる 116 (30.7) 129.8 (16.0) ***a ***a (2) 少し当てはまる 119 (31.5) 117.4 (14.6) (3) あまり/全く当てはまらない 143 (37.8) 115.4 (18.9) ⑤未経験の看護技術や処置を実施する時には必ず事前学習を行う F (2, 373)=27.30 (1) かなり/わりに当てはまる 205 (54.5) 125.9 (16.6) ***a ***a (2) 少し当てはまる 123 (32.7) 116.1 (17.4) *a 108.4 (15.8) (3) あまり/全く当てはまらない 48 (12.8) ⑥他の看護師や医療従事者の行動を観察してよい点を参考にする F (2, 375)=16.59 (16.8) (1) かなり/わりに当てはまる 298 (78.8) 123.1 ***a *a (2) 少し当てはまる (18.3) 68 (18.0) 110.7 (3) あまり/全く当てはまらない 12 (3.2) 109.9 (20.5) ⑦未経験の看護技術や処置を経験する機会を積極的につくる F (2, 374)=15.92 (1) かなり/わりに当てはまる 171 (45.4) 125.8 (15.9) ***a ***a (2) 少し当てはまる 137 (36.3) 117.1 (17.9) (3) あまり/全く当てはまらない 69 (18.3) 114.0 (18.8) ⑧一度学習した内容であっても重要なことは繰り返し学習する F (2, 371)=23.40 (17.0) (1) かなり/わりに当てはまる 126 (33.7) 128.5 ***a ***a (2) 少し当てはまる 140 (37.4) 118.3 (15.4) (3) あまり/全く当てはまらない 108 (28.9) 113.9 (18.7) ⑨目標達成のために学ぶべき内容が膨大であっても、できることから取り組む F (2, 217.74)=24.11 104 (1) かなり/わりに当てはまる (27.7) 129.8 (17.1) ***b ***b (2) 少し当てはまる 162 (43.1) 119.3 (15.2) *b (3) あまり/全く当てはまらない 110 (29.3) 113.3 (18.5) ⑩仕事の前後や休日を利用し学習にあてる F (2, 374)=20.90 (1) かなり/わりに当てはまる 95 (25.2) 129.5 (16.8) ***a ***a (2) 少し当てはまる 126 (33.4) 120.3 (16.0) *a 156 (41.4) 115.2 (17.9) (3) あまり/全く当てはまらない ⑪学習した内容をノートに整理する F (2, 374)=4.03 *a (1) かなり/わりに当てはまる 69 (18.3) 125.9 (17.7) *a (2) 少し当てはまる 90 (23.9) 119.0 (14.8) (18.8) (3) あまり/全く当てはまらない 218 (57.8) 119.3 ⑫時間があればいつでも読めるように専門書や専門誌を携帯する F (2, 374)=4.03 (1) かなり/わりに当てはまる 38 (10.1) 126.3 (17.7) *a (2) 少し当てはまる 68 (18.0) 123.3 (17.2) (3) あまり/全く当てはまらない 271 (71.9) 118.9 (17.9) ⑬学習すべき内容や調べることを忘れないように書き留める F (2, 374)=7.57 (1) かなり/わりに当てはまる 160 (42.4) 124.5 (16.2) **a *a (2) 少し当てはまる 131 (34.7) 117.0 (17.5) (3) あまり/全く当てはまらない 86 (22.8) 118.1 (20.0) ⑭疾患や症状の理解が深まるよう専門書の内容と実際の患者の状態を照らし合わせる F (2, 373)=30.56 (16.1) (1) かなり/わりに当てはまる 141 (37.5) 128.3 ***a ***a (2) 少し当てはまる 153 (40.7) 118.3 (16.3) **a (3) あまり/全く当てはまらない 82 (21.8) 110.9 (18.0) ⑮短時間であっても日々学習を継続する F (2, 374)=9.81 (1) かなり/わりに当てはまる 14 (3.7) 136.5 (19.2) **a (2) 少し当てはまる 57 (15.1) 125.6 (14.9) *a (3) あまり/全く当てはまらない 306 (81.2) 118.8 (17.8). n=376. n=377. n=378. n=378. n=376. n=378. n=377. n=374. n=376. n=377. n=377. n=377. n=377. n=376. n=377. 注:a TukeyのHSD検定, b Games-Howellの検定 *: p <.05, **: p <.01, ***: p <.001. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020 項目. 度数. (%). NES総得点 M(SD). 45 検定統計量.

(8) (2) 少し当てはまる (3) あまり/全く当てはまらない. 57 306. (15.1) (81.2). 125.6 118.8. (14.9) (17.8). *a. 注:a TukeyのHSD検定, b Games-Howellの検定 *: p <.05, **: p <.01, ***: p <.001. 表2 学習活動と NES 総得点の関係(続き)(単変量解析の結果) 項目. 度数. (%). ⑯毎日、時間や量を決めて学習する (1) かなり/わりに当てはまる 5 (1.3) (5.6) (2) 少し当てはまる 21 (3) あまり/全く当てはまらない 352 (93.1) 疑問点や不明点発生時の対処方法 ⑰納得できるまで調べる (1) かなり/わりに当てはまる 157 (41.4) (2) 少し当てはまる 147 (38.8) (3) あまり/全く当てはまらない 75 (19.8) ⑱必要な情報を迅速に得るとともに、改めて学習する時間を持つ (1) かなり/わりに当てはまる 107 (28.3) (2) 少し当てはまる 152 (40.2) (3) あまり/全く当てはまらない 119 (31.5) ⑲文献や資料を用いて調べる (1) かなり/わりに当てはまる 169 (44.6) (2) 少し当てはまる 133 (35.1) (3) あまり/全く当てはまらない 77 (20.3) ⑳後回しにせずその場で調べる (1) かなり/わりに当てはまる 203 (53.6) (2) 少し当てはまる 131 (34.6) (3) あまり/全く当てはまらない 45 (11.9) ㉑周囲の看護師や他の医療従事者に聞く (1) かなり/わりに当てはまる 311 (82.1) (2) 少し当てはまる 60 (15.8) (3) あまり/全く当てはまらない 8 (2.1) 職業活動の自己評価 ㉒看護実践に対する自己評価の実施 (1) しばしば/ときどき 129 (34.3) 自己評価を行っている (2) たまに自己評価を行っている 129 (34.3) (3) あまり自己評価を行っていない 118 (31.4) 学習機会の探索と活用 ㉓学術集会に参加する (1)1年間に1回/2回/3回 以上参加している (2)参加していない ㉔院内研修に参加する (1)参加義務のない研修にも よく/ときどき参加している (2)参加義務のある研修のみ 参加している. 知識や情報の探索と活用 ㉖最新の知識や情報を積極的に入手する (1)積極的に入手している (2)積極的には入手していない ㉗インターネットを利用する (1)よく/ときどき利用する (2)たまに利用する (3)あまり/全く利用しない ㉘専門書・専門誌を閲読する (1)よく/ときどき読む (2)たまに読む (3)あまり/全く読まない b. c. 注: TukeyのHSD検定, Games-Howellの検定, t検定, *: p <.05, **: p <.01, ***: p <.001. 46. 130.0 125.1 120.0. (24.9) (13.2) (18.0). 126.9 120.0 107.8. (17.0) (15.8) (16.5). 128.0 120.3 113.8. (16.4) (16.2) (18.5). 126.1 115.0 117.5. (17.1) (16.1) (19.1). 126.6 114.9 109.3. (16.2) (16.3) (19.0). 121.9 112.6 122.0. (17.8) (16.4) (18.3). 検定統計量 F (2, 375)=1.55. n=378. F (2, 376)=34.13. n=379. n.s.d. **a. ***a. ***a F (2, 375)=19.67 **a ***a. F (2, 376)=17.24 ***a. (16.0). 120.1 113.1. (15.1) (19.7). 103. (26.9). 123.8. (16.7). 280. (73.1). 119.3. (18.1). F (2, 376)=31.46 ***a ***a. n=379. F (2, 376)=7.10 **a. n=379. **b. ***b. t (376)=1.32. n=378. t (381)=1.15. n=383. t (375)=6.19 ***c. n=377. c. (89.2). 120.1. 41. (10.8). 123.9. (16.2). 294. (76.8). 121.1. (17.3) n.s.c. 89. (23.2). 118.6. (19.4). 120 257. (31.8) (68.2). 128.3 116.7. (15.9) (17.4). 284 77 20. (74.5) (20.2) (5.2). 121.4 119.0 115.3. (17.0) n.s.d (19.6) (21.8). 141 138 104. (36.8) (36.0) (27.2). 124.9 120.4 114.7. (17.1) (16.8) (18.6). 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. n=383. *c. 337. 一元配置分散分析. n=376. **b. (17.8) n.s.. d. n=379. **a. F (2, 242.03)=19.92. 127.4. n=378. **a. t (381)=2.18. ㉕院外研修に参加する (1)1年間に1回/2回/3回 以上参加している (2)参加していない. a. NES総得点 M(SD). F (2, 378)=1.47. n=381. F (2, 380)=10.34 ***a. n=383. *a.

(9) る回答傾向を持つ可能性があると判断し、説明変. まで探究している者、日常の看護実践場面に学習. 数〔㉑疑問点や不明点発生時は周囲の看護師や他. 機会を見いだし積極的に活用している者、看護実. の医療従事者に聞く〕として重回帰分析に用いる. 践に対する自己評価を行っている者、最新の知識. こととした。残る4変数⑰⑱⑲⑳を用い、因子分. や情報を積極的に入手している者ほど、看護実践. 析(主因子法によるプロマックス回転)を行った. の質が高いことを明らかにした。これら5変数を. 結果、1因子に収束し、〔D.疑問点や不明点を放. 含む重回帰式の調整済みR 2は .335であった。また、. 置せず根拠に基づき納得できるまで探究する〕と. 説 明 変 数 5 変 数 間 の VIF は、1.182か ら1.401で あ. 命名した。因子分析の結果、抽出された A、B、C、. り、多重共線性が認められないことを確認した。. D は、各因子に含まれる変数の平均値を算出し、 説明変数として重回帰分析に用いることとした。 続いて、A、B、C、D、㉑の5変数と、残る〔㉒看. Ⅶ.考察 1.本研究のデータの特徴. 護実践に対する自己評価を行う〕、〔㉓学術集会に. 本研究は、病院に就業する看護師が展開する学. 参加する〕、〔㉖最新の知識や情報を積極的に入手. 習活動と看護実践の質の関係探索を目的とする。. する〕、〔㉘専門書や専門誌を閲読する〕の4変数. 探求のレベルをこのような関係探索とする研究の. を合わせた9変数間の相関係数を算出した。その. 標本は、ばらつきが必要であり、多様でなければ. 結果、r s >.6となる説明変数の組み合わせはなかっ. ならない 33)。本研究は、全国の病院から無作為に. た。そこで、9変数全てを NES 総得点との関係を. 抽出した500病院の看護管理責任者に研究協力を. 調べる説明変数として重回帰分析に用いることと. 依頼し、承諾を得た91病院の病棟看護師1,177名に. した。. 調査票を配布、データを収集した。その結果、対. 学習活動と看護実践の質の関係探索に向けて、学. 象者の所属施設の所在地は、北海道から九州、沖. 習活動を表す9変数を説明変数、NES 総得点を目的. 縄まで全国におよび、その設置主体、病床数、所. 変数とするステップワイズ法による重回帰分析を. 属病棟の種類、対象者の卒業した看護基礎教育課. 行った(表3) 。その結果、 〔B.意図的・計画的に. 程も様々であった。これらは、本研究が、ばらつ. 、 〔D.疑 学習機会を確保する〕 (β = .222、p <.001). きのある多様な標本からのデータ収集に成功して. 問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得できる. いることを示す。. 、 〔C.日常の看 まで探究する〕 (β =.210、p <. 001). また、本研究は、学習活動と看護実践の質の関. 護実践場面に学習機会を見いだし積極的に活用す. 係を探索するという研究目的の達成に向け、臨床. 、 〔㉒看護実践に対する自 る〕 (β =.196、p <. 001). 経験年数が看護実践の質に与える影響を可能な限. 己評価を行う〕(β =.132、p =. 005)、〔㉖最新の知. り少なくするとともに、看護実践の質が比較的安. 識や情報を積極的に入手する〕(β =.111、p =. 018). 定している時期の看護師からデータを収集するこ. の5変数が NES 総得点と有意な正の関係を認め、. とを意図し、対象者の臨床経験を5年以上11年未. 意図的・計画的に学習機会を確保している者、疑. 満に限定した。実際、NES を用いて看護実践の質. 問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得できる. を調査した結果は、対象者の72.8% が、看護実践. 表3 学習活動と NES 総得点の関係(重回帰分析の結果) 変数 D 疑問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得できるまで探究する B 意図的・計画的に学習機会を確保する C 日常の看護実践場面に学習機会を見いだし積極的に活用する ㉒ 看護実践に対する自己評価を行う ㉖ 最新の知識や情報を積極的に入手する. R2 adjusted R 2 F. 標準偏回帰係数 .210 *** .222 *** .196 *** .132 ** .111 * .344 .335 37.256 ***. * p < .05 ** p < .01 ***p < .001. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 47.

(10) の質が標準的であることを示す中得点領域に該当. い、であった。先行研究も同様に、多くの看護師. する NES 総得点を獲得したことを示した。また、. が、多忙による学習時間の確保困難 35)36)37)、心身. 対象者を臨床経験5年から10年までの1年毎の6. の疲労 38)39)40)、学習意欲低下 41)、効果的な学習方. 群に分類し比較した結果、6群間の NES 総得点に. 法不明 42)、経済的負担 43)44)45) 等の問題に直面し、. 有意差はなかった。これらは、本研究が、意図し. 学習活動の展開が容易ではないことを指摘してい. た通り、比較的安定した、しかも標準的な質の看. る。これらは、多くの看護師にとって、看護実践. 護実践を展開している時期の看護師からのデータ. の質向上につながる効果的な学習活動の展開が重. 収集に成功していることを示す。. 要な課題であることを示唆する。. さらに、研究結果は、対象者の獲得した NES 総 得点が、正規分布に従うことを示した。一般に自. 動のあり方、および、その実現に向けた課題. 然現象や社会現象を測定した値の分布の多くは正. 本研究は、臨床経験5年以上11年未満の看護師. 34). 規分布に近似する 。したがって、本研究の対象. を対象とし、展開している学習活動と看護実践の. 者が獲得した NES 総得点の分布が正規分布に従っ. 質を表す NES 総得点との関係を探索した。その結. たことは、収集したデータが、臨床経験5年以上. 果は、次の5種類の学習活動が NES 総得点に関係. 11年未満の看護師の看護実践の質の自然な変動を. することを示した。それは、〔意図的・計画的に. 反映していることを示唆する。. 学習機会を確保する〕、〔疑問点や不明点を放置せ. 以上は、本研究のデータが、次の3点の特徴を. ず根拠に基づき納得できるまで探究する〕、〔日常. 備えていることを示す。第1に、本研究のデータ. の看護実践場面に学習機会を見いだし積極的に活. は、関係探索レベルの研究にふさわしいばらつき. 用する〕、〔看護実践に対する自己評価を行う〕、. のある多様な標本から収集できている。第2に、. 〔最新の知識や情報を積極的に入手する〕である。. 臨床経験年数が看護実践の質に与える影響が少な. また、これらを行っている看護師ほど NES 総得点、. く、看護実践の質が安定した時期の看護師から. すなわち、看護実践の質が高かった。このことは、. データを収集できており、このようなデータを用. これら5種類の学習活動の展開が、看護実践の質. いて学習活動と看護実践の質の関係を探索した結. 向上と不可分であることを表す。. 果は、一般化可能性が高い。第3に、臨床経験5. そこで、以下、看護実践の質向上につながる効. 年以上11年未満の看護師の看護実践の質の現状を. 果的な学習活動のあり方、および、その実現に向. 反映している。. けた課題を考察する。. 2.病院に就業する看護師の学習活動への取り組. 1)意図的・計画的に学習機会を確保するという. み状況と成果. 学習活動とその実現に向けた課題. 本研究の結果は、臨床経験5年以上11年未満の. 本研究の結果は、意図的・計画的に学習機会を. 看護師の多くが意識的に何らかの学習に取り組. 確保している者ほど、看護実践の質が高いことを. み、看護実践能力の向上をめざしていることを示. 明らかにした。これは、意図的・計画的に学習機. した。. 会を確保することが、看護実践の質向上につなが. しかし、対象者のうち必要な学習を円滑に進め. ることを示唆する。. られている者は約1割にとどまり、円滑に進めら. 看護実践に必要な知識や技術は、日々刷新され. れていない者が約9割を占めた。また、学習活動. ており、看護師は、それらを取り入れた質の高い. の成果が看護実践の質に十分につながっていると. 看護を実践するために、就業している限り学習を. 回答した者は約4割程度にとどまった。これらは、. 継続する必要がある 46)。また、研修や学術集会へ. 多くの看護師が、看護実践能力の向上をめざして. の参加をはじめ、様々な機会を捉え、自己の学習. 意識的に学習に取り組む一方、その学習活動は円. 機会とすることは有用な手段となる。しかし、看. 滑とは言えず、必ずしも十分な成果に結びついて. 護師にとって、自らが希望する通りに学習機会を. いるとは言えないことを示す。. 確保することは容易ではない。. さらに、学習を円滑に進められていない理由は、. 48. 3.看護実践の質向上につながる効果的な学習活. 病院に就業する多くの看護師は、交代制勤務に. 多忙による学習時間の確保困難、心身の疲労、学. 従事する。交代制勤務に従事している看護師の中. 習意欲がわかない、効果的な学習方法が分からな. には、勤務計画表に対し、 「希望通りにならない」、. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020.

(11) 「提示が遅い」等の不満を抱いている者 47)、他の. まま看護を実践することは患者の安全を脅かす 51)。. 看護師への配慮、所属看護単位内の序列に配慮し. そのため、看護実践上の疑問点や不明点を放置せ. ながら勤務希望を申請している者 48) も存在する。. ず、根拠に基づきその解決を図ることは、質の高. これらは、看護師にとって、学習機会確保も含め、. い看護の実践に不可欠である。. 希望通りに日々の予定を組むことが容易ではない ことを表す。. 看護師が行っていた疑問点や不明点を放置せず 根拠に基づき納得できるまで探究する行動とは、. このような状況の中、看護師が希望通りに研修. 「後回しにせずその場で調べる」 、「文献や資料を. や学術集会等の学習機会を得るためには、早期に. 用いて調べる」、「納得できるまで調べる」、「必要. 参加を計画し、勤務希望を示し、周囲の理解や協. な情報を迅速に得るとともに、改めて学習する」. 力を得て、上司による勤務計画表の完成を待つ必. であった。前項に述べた通り、個々人は、重要な. 要がある。看護師が看護実践の質向上をめざし、自. 価値を内在化したとき、それを行動の基盤として. らの希望する学習機会を確実に確保するためには、. 主体的に用いる 52)。これは、多忙による学習時間. 「意図的・計画的」であることが不可欠である。 看護師が行っていた意図的・計画的に学習機会. の確保困難や心身の疲労を経験しやすい状況に あってもこのような行動をとっている看護師が、. を確保するという行動は、「委員会や部署内の係. 「質の高い看護を実践することへの責任」を自覚. を自己の学習機会ととらえ積極的に引き受ける」 、. し、それに不可欠な「根拠に基づく疑問点や不明. 「どの研修や学会に参加するかの年間計画をたて. 点の解決」を価値づけていることを示唆する。質. る」、「年単位、月単位で学習計画をたてる」、「研. の高い看護を実践し患者の役に立つことを希求す. 修に参加する際は予習や復習を行う」であった。. る看護師が、疑問点や不明点を探究していたこと. これらは、いずれも、極めて主体的な活動であり、. を示す先行研究 53)も、これを支持する。したがっ. 多忙さや心身の疲労を日常的に経験しやすい状況. て、疑問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得. の中、このような行動がとれるためには、その看. できるまで探究するという学習活動の実現に向け. 護師が「看護実践の質向上にとっての学習の重要. ては、看護師個々が「質の高い看護を実践するこ. 性」を価値づけ、内在化していることが不可欠で. とへの責任」を自覚し、それに不可欠な「根拠に. ある。教育学の理論は、個々人が、重要な価値を. 基づく疑問点や不明点の解決」を価値づけている. 内在化したとき、それを行動の基盤として主体的. ことが重要である。. に用いること 49)を指摘している。したがって、意. 3)日常の看護実践場面に学習機会を見いだし積. 図的・計画的に学習機会を確保するという学習活. 極的に活用するという学習活動とその実現に向. 動の実現に向けては、看護師個々が「看護実践の. けた課題. 質向上にとっての学習の重要性」を価値づけ、内. 本研究の結果は、日常の看護実践場面に学習機. 在化していることが重要である。. 会を見いだし積極的に活用している者ほど、そう. 2)疑問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得. でない者よりも看護実践の質が高いことを明らか. できるまで探究するという学習活動とその実現. にした。これは、日常の看護実践場面に学習機会. に向けた課題. を見いだし積極的に活用することが、看護実践の. 本研究の結果は、看護実践上の疑問点や不明点. 質向上につながることを示唆する。先行研究 54)55). を放置せず根拠に基づき納得できるまで探究して. も、看護師が、研修等のあらたまった学習機会の. いる者ほど、看護実践の質が高いことを明らかに. みならず、日常の看護実践場面に学習機会を見い. した。これは、看護実践上の疑問点や不明点を放. だし、知識や技術を獲得していることを示す。看. 置せず根拠に基づき納得できるまで探究すること. 護師が、職場の同僚や先輩看護師、他の医療従事. が、看護実践の質向上につながることを示唆する。. 者等の行動を観察、模倣し、自己の学習機会とし. 看護師にとって、臨床の場への新たな知識や技. て活用していることを示す研究成果 56)も存在する。. 術の導入、初めて経験する疾患や病態の患者への. しかし、本研究の結果は、日常の看護実践場面. 対応は日常茶飯事であり、これらに関連し、看護. に学習機会を見いだし積極的に活用するという行. 師の多くは、看護実践上の疑問点や不明点に頻繁. 動のうち、対象者の約8割が「他の看護師や医療. 50). に直面する 。また、疑問点や不明点を放置した. 従事者の行動を観察してよい点を参考にする」を. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 49.

(12) 実施していた一方、「未経験の看護技術や処置を. 直視すること等を伴う。したがって、効果的な自. 経験する機会を積極的につくる」、「未経験の看護. 己評価の能力を育成するためには、自己のあり方. 技術や処置を実施する時には必ず事前学習を行. を客観的に吟味する機会を設ける必要がある 59)。. う」の実施者は対象者の半数程度にとどまったこ. 実際、本研究の結果は、自己評価を行っている者. とを明らかにした。これらは、看護師の中に日常. が約7割存在するものの、その実施頻度は様々で. の看護実践場面を多様な学習機会として十分に活. あること、また、自己評価を行っていない者が3. 用できていない者が存在することを示唆する。. 割存在することを明らかにした。今後の課題は、. 看護師の多くは、多忙さに関連し、学習時間を. 自己評価の実施が看護実践の質向上につながるこ. 確保することに難渋している。しかし、研修やセ. とを看護師個々が理解するとともに、効果的な自. ミナーに参加する時間を確保できない看護師で. 己評価の実施に必要な能力を高めること、並びに、. あっても、日常の看護実践場面を学習機会として. 自己評価実施の意義理解、実施促進につながる教. 活用することは、「時間の確保」という点からは. 育機会を提供することである。. 容易であり、これは、全ての看護師にとって効率. 5)最新の知識や情報を積極的に入手するという. 的、効果的な学習手段になる可能性が高い。した. 学習活動とその実現に向けた課題. がって、日常の看護実践場面に学習機会を見いだ. 本研究の結果は、看護に関する最新の知識や情. し積極的に活用するという学習活動の実現に向け. 報を積極的に入手している者ほど、そうでない者. て、看護師個々は、日常の看護実践場面が自己の. よりも看護実践の質が高いことを明らかにした。. 能力向上、ひいては看護実践の質向上につながる. 毎年、我が国においても、海外においても、膨. 効果的な学習機会となることを理解し、その積極. 大な数の看護研究の成果が発表され、看護に関す. 的な活用に努める必要がある。しかし、どのよう. る知識は、日進月歩である。また、それら研究成. な看護師が日常の看護実践場面に学習機会を見い. 果として産出される知識に加え、人々の生活や健. だし積極的に活用することができているのか、そ. 康、医療、看護に関わる情報が、行政機関や各種. の特性は明らかになっていない。したがって、日. メディア等を通し公表されている。看護師にとっ. 常の看護実践場面に学習機会を見いだし積極的に. て、このような知識や情報を入手することは、最. 活用している看護師の特性解明は、今後の研究課. 新の研究成果を根拠とし、人々のニーズや社会の. 題である。. 状況に適合した質の高い看護を実践するために重. 4)看護実践に対する自己評価を行うという学習. 要である 60)。 しかし、本研究の結果は、看護に関する最新の. 活動とその実現に向けた課題 本研究の結果は、看護実践に対する自己評価を. 知識や情報を積極的に入手している者が対象者の. 行っている者ほど、そうでない者よりも、看護実. 約3割にとどまり、約7割は「積極的には入手し. 践の質が高いことを明らかにした。これは、看護. ていない」ことを示す。. 実践に対する自己評価の実施が、看護実践の質向. 内外の研修、学術集会への参加、専門書や専門誌. 上につながることを示唆する。 自己評価とは、自分で自分の学業、行動、性格、. の講読に加え、インターネットを通じて比較的容. 態度等を査定し、それによって得た情報に基づき. 易に入手できる。実際、本研究の結果も、対象者. 自分を確認し、自分の今後の学習や行動を改善、. の9割以上がインターネットを利用していること. 57). 調整するという一連の行動である 。したがって、. を明らかにした。この状況を看護に関する最新の. 看護師による看護実践の自己評価の実施は、その. 知識や情報を積極的に入手している者が対象者の. あり方の客観的な吟味、改善に向けた課題の明確. 約3割にとどまるという結果と照合すると、看護. 化、課題の克服への意欲と実施につながり、結果. 師の多くが、インターネットを操作し情報を得る. として、看護実践の質が高まることを示唆する。. 能力はある程度修得しているものの、質の高い看. 58). の成果も、看護実践に対する自己評価. 護を実践するために最新の知識や情報を積極的に. の継続が、確実に看護実践の質向上につながるこ. 入手することには結びついていない可能性を示唆. とを示す。. する。. 先行研究. しかし、自己評価は、自己の好ましくない面を. 50. 今日、看護に関する最新の知識や情報は、病院. 情報教育は、情報機器操作能力育成と情報活用. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020.

(13) 能力育成の2側面から成り、前者は、ハードウェ. of_ethics.pdf(2019年11月12日閲覧). アやソフトウェアの機能、操作方法の理解、後者. 2)前掲書1).. は、コンテンツとしての情報の意味や価値の理解、. 3)舟島なをみ監修:院内教育プログラムの立案・. 再編集・加工・創作といった創造的な活動によっ. 実施・評価,第2版,医学書院,1,2015.. 61). 。また、看護基. 4)亀岡智美他:病院に就業する看護職者が職業. 礎教育課程のような高等教育においては、この2. 上直面する問題とその特徴,国立看護大学校. 側面の教育が重要であり、特に、専門領域に特化. 研究紀要,7(1),18-25,2008.. て必要に応える情報処理を含む. 62). した情報活用法を学ぶ必要性が大きい 。上述し. 5)辻ちえ他:中堅看護師の看護実践能力の発達. た結果は、看護師の多くが、一定程度の情報機器. 過程におけるプラトー現象とその要因,日本. 操作能力を修得してはいるものの、情報活用能力、. 看護研究学会雑誌,30(5),31-38,2007.. 換言すれば、質の高い看護実践にとっての専門的. 6)亀岡智美他:看護実践の卓越性に関係する特. な知識、情報の意味や価値の理解、人々のニード. 性の探索-臨床経験5年以上の看護師に焦点. に応える創造的な看護実践に向けたその処理や活. を当てて-,国立看護大学校研究紀要,14 (1) ,. 用については、十分に修得できていない可能性を 示唆する。質の高い看護を実践するために不可欠. 1-10,2015. 7)例えば次の文献がある。. な看護師の情報活用能力の現状、および、その修. ①小松照子:病院に就業する看護師の学習活. 得に向けて、どのような教育が行われているのか. 動に関する研究-学習方法に焦点を当て. を探究することは、今後の研究課題である。. て-,国立看護大学校研究課程部看護学研 究科修士論文,2013.. Ⅷ.結論. ②伊吹奈緒子他:A 大学病院看護師の学習へ. 病院に就業する看護師の看護実践の質には、次. の取り組みに関する実態調査 学習の意欲向. の5種類の学習活動が関係していた。それは、 〔意. 上と継続につながる要素の抽出,滋賀医科. 図的・計画的に学習機会を確保する〕、 〔疑問点や. 大学看護学ジャーナル,13 (1) ,62-65,2015.. 不明点を放置せず根拠に基づき納得できるまで探. 8)例えば次の文献がある。. 究する〕、〔日常の看護実践場面に学習機会を見い. ①山根美智子:精神科看護師の自己教育力と. だし積極的に活用する〕、〔看護実践に対する自己. 看護実践および学習ニードの関連,獨協医. 評価を行う〕、〔最新の知識や情報を積極的に入手. 科大学看護学部紀要,3,11-22,2010.. する〕であり、これらの学習活動を行っている看. ②甲斐瑞恵他:中堅看護師における学習ニー. 護師ほど看護実践の質が高い。これら5種類の学. ズの実態調査,川崎市立川崎病院院内看護. 習活動の実現に向け、看護師が質の高い看護を実 践することへの責任を自覚し、そのための学習の. 研究集録,65,63-68,2011. 9)例えば次の文献がある。. 重要性、根拠に基づく看護実践を価値づけ、行動. ①工藤一子:看護職者の自己教育力と看護実. の基盤としていることが重要であること等を示唆. 践の関連-A 県の11病院における質問紙調 査から-,日本看護管理学会誌,13 (1) ,76-. した。. 83,2009. 謝辞. ②丸橋里枝他:看護職の自己教育力,職務満. 本研究にご協力くださいました全国の病院の看. 足度及び看護実践能力に関する一考察,日. 護管理責任者、看護師の皆様に深謝申し上げます。. 本看護学会論文集 看護教育,47,183-186, 2017. 10)川元美津子他:看護師による学習行動と看護. 利益相反の開示 本研究における利益相反は存在しない。. 実践能力との関係-教育背景別による比較-, 日 本 職 業・ 災 害 医 学 会 会 誌,65(1),26-32, 2017.. 引用文献 1)日本看護協会:看護者の倫理綱領,2003,https://. 11) 上村千鶴他:看護師による学習行動と看護実. www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/rinri/code_. 践能力との関連性,日本職業・災害医学会会. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 51.

(14) 誌,64(2),88-92,2016.. 28)前掲書21).. 12)安彦忠彦他編:新版 現代学校教育大事典3,. 29)舟島なをみ監修:看護実践・教育のための測. 「コンピテンス」の項,ぎょうせい,212,2002.. 定用具ファイル-開発過程から活用の実際ま. 13)辰野千寿他編:多項目 教育心理学辞典,「コ ンピテンス」の項,教育出版,137,1986. 14)亀岡智美他:看護師の研究成果活用力に関係. 30)前掲書29),68-70. 31)日本看護教育学学会:日本看護教育学学会研. する特性の探索-看護継続教育への示唆獲得. 究倫理指針,看護教育学研究,26(1),94-95,. に向けて-,日本看護学教育学会誌,25(2),. 2017.. 29-40,2015.. 32)前掲書29),72-74.. 15)安彦忠彦他編:新版 現代学校教育大事典1, 「学習」の項,ぎょうせい,317,2002. 16)Eurostat: Classification of Learning Activities (CLA) MANUAL 2016 edition. http://ec.europa. eu/eurostat/documents/3859598/7659750/KS-GQ-. 33)Diers, D.;小島通代他訳:看護研究 ケアの場 で行なうための方法論,日本看護協会出版会, 222,1984. 34)中野正孝:新版看護系の統計調査入門,真興 交易医書出版部,131,2003.. 15-011-EN-N.pdf/978de2eb-5fc9-4447-84d6-. 35)前掲書4).. d0b5f7bee723, 2016.(2019年11月12日閲覧). 36)前掲書7)①.. 17)永井良三他監修:看護学大辞典,第6版.「直. 37)二宮彩子他:中堅看護職者の学習環境と学び. 接看護」の項,メヂカルフレンド社,1490,. のプロセス(第3報) 「学び直し教育プログラ. 2013.. ム」受講後の自己評価を通して,お茶の水看. 18)永井良三他監修:看護学大辞典,第6版.「間 接看護」の項,メヂカルフレンド社,400,2013. 19)King, I.M.;杉森みど里訳:キング看護理論,. 護学雑誌,4(1),29-36,2009. 38)前掲書8)②. 39)前掲書4). 40)中村恵美:小児領域看護師の生涯学習の現状,. 医学書院,3,1985. 20)前掲書7)①.. 福岡県立大学看護学研究紀要,4(2),69-81,. 21)小松照子他:病院に就業する看護師が実践し. 2007.. ている学習方法の解明-効果的な学習活動の. 41)前掲書40).. 展開促進に向けて-.第33回日本看護科学学. 42)前掲書7)①.. 会学術集会講演集,483,2013.. 43)前掲書4).. 22)玉井保子:臨床経験別にみた看護師の看護基. 44)前掲書7)①.. 本技術の到達度,日本看護学会論文集 看護管. 45)前掲書37).. 理,39,400-402,2009.. 46)杉森みど里他:看護教育学,第6版,医学書. 23)田村沙織他:看護問題に対応する経験年数別. 院,331,2016.. 看護師の行動の特徴-看護問題対応行動自己. 47)日本看護協会:2010年病院看護職の夜勤・交代. 評価尺度を用いて-,日本看護学会論文集 看. 制勤務等実態調査 2008年時間外労働,夜勤・. 護管理,40,246-248,2010.. 交代制勤務等緊急実態調査 2008年看護職の労. 24)亀岡智美他:病院に就業する看護師の看護実. 働時間管理に関する緊急調査報告書,https://. 践の卓越性-臨床経験年数との関係に焦点を. www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/jikan/pdf/02_. 当てて-,日本看護科学学会学術集会講演集, 29,420,2009.. 05_09.pdf, 2012.(2019年11月12日閲覧) 48)渡邉奈穂:看護師の「勤務表文化」の実態,. 25)前掲書5) .. 日本看護管理学会誌,21(1),7-16,2017.. 26)山田智子:女性中堅看護師の看護実践能力に. 49)Oermann, M. H. & Gaberson, K. B.;舟島なをみ. 影響を与える要因 個人属性からの検討,広島. 監訳:看護学教育における講義・演習・実習. 国際大学看護学ジャーナル,14(1),45-56,. の評価,医学書院,18,2001.. 2016. 27)前掲書7)①.. 52. で-第3版,医学書院,64-75,2015.. 50)前掲書4). 51)村川和代,安富千恵子,赤澤芳江,森澤迪子,. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020.

(15) 竹本洋子:与薬看護業務に関するインシデン トの現状と原因,日本看護学会論文集,看護. に資する学習活動,京都橘大学研究紀要,42, 131-146,2016. 57)橋本重治:教育評価基本用語解説 ,「自己評. 管理,34,85-87,2004. 52)前掲書49).. 価」の項,指導と評価,29(8),38,1983.. 53)大石美代子:新人看護師の自己学習に関する. 58)亀岡智美他:「継続的自己評価を導入した看. 実態,神奈川県立保健福祉大学実践教育セン. 護実践の質向上プログラム」の開発,国立看. ター看護教育研究集録,34,125-131,2009.. 護大学校研究紀要,13 (1),1-9,2014.. 54)Campbell, A. M.,Nilsson. K., & Andersson, E. P.: Night duty as an opportunity for learning, Journal of Advanced Nursing, 62 (3) , 346-353, 2008. 55)松尾睦他:看護師の経験学習プロセス:内容 分析による実証研究,札幌医科大学保健医療. 59)梶田叡一:三訂版 教育評価-学びと育ちの確 かめ-,放送大学教育振興会,118-119,2003. 60)茂野香おる他:系統看護学講座専門分野Ⅰ 看 護学概論 基礎看護学〔1〕 ,医学書院,39-41, 2016. 61)情報教育事典編集委員会:情報教育事典,「大. 学部紀要,11,11-19,2008. 56)奥野信行,辻本雄大,小西邦明:集中治療室 に勤務する新人看護師の看護実践能力の獲得. 学における情報教育」の項,丸善,172,2008. 62)前掲書61).. 看護教育学研究 Vol.29 No. 1 2020. 53.

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