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東日本大震災(2) 震災を踏まえた健康安全・危機管理研究の再構築

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Academic year: 2021

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465 J.Natl.Inst.Public Health,60(6):2011

巻頭言

東日本大震災

(2)

 震災を踏まえた健康安全・危機管理研究の再構築

武村真治

国立保健医療科学院健康危機管理研究部上席主任研究官

Restructuring of research on health security control

after the Great East Japan Earthquake

Shinji T

AKEMURA

Chief Senior Researcher, Department of Health Crisis Management, National Institute of Public Health

東日本大震災によって,健康安全・危機管理対策の重要性が再認識され,健康安全・危機管理研究のさらなる推進が求め られている.しかし今回の震災において発生した課題の中には,これまでの研究の知見やアプローチでは十分に対応できな いものも多いことが明らかになりつつある. 健康安全・危機管理研究は,わが国では阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した平成 7 年ごろから,諸外国で はアメリカの同時多発テロが発生した平成 13 年ごろから積極的に取り組まれるようになったが,その歴史は浅く,研究成 果や研究アプローチは必ずしも十分に成熟していないのが現状である.そのような中での今回の震災のインパクトは甚大で あった.震災に起因する課題の多くは,研究成果が十分に蓄積されていなかった課題,研究成果の蓄積が十分に活用されな かった課題であった.このことは,これまでの健康安全・危機管理の研究基盤が脆弱であったこと示唆している. しかし今回の震災は,そのような研究基盤(研究推進体制,研究成果,研究アプローチなど)を見直す上で貴重な機会を 与えてくれた.歴史が浅く,十分に成熟していなかった健康安全・危機管理研究を次のステップに発展させるための貴重な 機会である. 国立保健医療科学院は,研究機関として,これまで健康危機管理研究を積極的に実施し,多くの研究成果を上げてき た.また厚生労働科学研究費補助金「健康安全・危機管理対策総合研究事業」の Funding Agency(FA)として,研究課 題への研究費の配分,研究課題の評価及び支援,研究事業全体の基本戦略の策定に貢献してきた.このような研究の遂行 (intramural)と研究の支援(extramural)の機能を兼ね備えた国立保健医療科学院においてこそ,東日本大震災後の健康安全・ 危機管理研究の方向性を提示することができるのではなかろうか. 本特集は,東日本大震災を踏まえて,健康安全・危機管理研究の幅広い研究領域において,研究の方向性やあり方をどの ように変革すべきか,あるいは変革すべきでないかについて検討し,今後起こりうるさらなる重大な健康危機事象に対応す るための健康安全・危機管理研究の方向性と重点的に推進すべき研究テーマを提案することを目的とする. 01 巻頭言_3校 .indd 465 2012/02/28 7:58:37

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