戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列(III)
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(2) . 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列 ( 1 1 1 ). 沢. 1 ←. 口. 信. 目. 次. 戦後の経済成長. 光. 系列企業のそのf 也の結合関係. ハ (. 4. 産業の資金調達. ( 1 )役員派遣による結合関係. 都市銀行と系列金融機関. ( 2 )新産業における結合. 系列融資. ( 3 )新規企業設立における結集. 系列の株式持合. 4 ( )社長会の結成 (以上本号). r o ハ b. 政府金融機関系企業. 9. 7 十. 系列占拠の変化 -- 結びにかえて. 社外投資の状況 (以上前々号と前号). 8. その他の結合関係. ( 1 }役員派遣による結合関係 大銀行の活動 についていえば 「大銀行は産業企業との結合を地域の点でもまたその生産の種類の 点でも, できるだけ多面的にすることをのぞみ……地域的または産業部 門間への資本の配分の不均 ) 等をなくそうとつとめている1 」「産業との結合を普偏的な現象にしようとす るのが一つの傾向であ } り, この結合を永続的かつ緊密なものにしようとするのがもう一つの傾向である2 」と学者は指摘す. る. 前者の点, わが国でも大銀行と各業種の大企業との結合はすでにみた通りである, さらに後者 の永続的な緊密は当然人的結合の面からも探られる. すでに大銀行の資本は (その他の系統金融機. 関を含めて) 貸付は, 株式, 事業債を通じて産業資本として活動している以上, 銀行はその資産を 安全に確保する必要がある. 一方, 企業は対内, 対外的に自己の地位を拡大し占拠率を高めるには 自己蓄積をこえた銀行資本の導入の重要性 が大きい, 両者の便から銀行による役員の派遣となる, だがその場合, 大銀行は貸付先, 投資先の多面化方針を採る以上, 受入企業はその使用資本の調達 を複数銀行, 複数金融機関による古 文 , 主力銀行のみならず第2, 第3等の銀行からの役員受入れ, もしくは取引関係企業, 主力株主からの受入れと複綜す る.. いま系列別に役員派遣の状況をみると第20表のようになる.表は東京証券取引所第1部上場会社 のみに限定してある. まず表に ついて説明を加えれば( ィ )受入会社は延数である, したがっ て例えば 三井銀行派遣の役員が三井信託銀行からその派遣役員と同一企業に重複することがある, その場合. 同一会社であっ ても2会社として集計してある. 派遣役員数もまた同一人が数社の兼任 であること がしばしばある, これまた延数として集計してある.( カッコ内は主力銀行を他系銀行とするか, もしくは特に原拠典に名称を指摘してある親会社 (例えば三井系でいえば東芝トヨタ自動車とかい. うように) の系統 である。 しかし, 表の縦欄の派遣会社としてある銀行ならびにその他の金融機関 の欄 ではカッコ内が他系列会社であり, その殆ん どが主力銀行を他系とする受入会社である,( ′ぅ派 43.
(3) . 沢. 口. 信. 光. 系列別役員 の 派遣状 況 (昭50 . 9現在). 第20表. 受 入 会 社 受入会社 派遣役員 入 会 社 受入会社 派遣役員 数 数 延 延 数 延 数 延 遣 会 社 ( 数 ) 派 派 遣 会 社 社 ( ) ( 人 ) (社) 97 4) 0(1 7 49 富 士 銀 行 3 8(7) 三 井 銀 行 富 2 2 (1) 13 安 田 信 託 1 3(4) 三 井 信 託 受. 命. 3(0). 4. 大正 海上 火災. 1(1). l. 計. (15) 5 5. 67. 114(49). 162. 三 井 生 i ノ 、. その他会社 ( 謡. ). 士. 安 田 生 命. 3 (1). 安田 海上 火災. (1) 4. 5. 計. (17) 79. 107. 計. (1 ) 47 8 (3 ) 1 26 5. 178 119. 系 小. その他企業 ( 謡 ). 3. 71. 計. 16 9(64). 229. A. 三 菱 銀 行. (13) 8 7. 112. 第 一 勧 銀. 78 (3 1). 三 菱 信 託. 22(3). 25. 日 生 命. (1 2 0 2). 21. 命. (0) 4. 4. (43) 9 8. 140. 東京 海上火 災. (0) 6. 7. (16 29 ). 41. 127(56). 181. 合. 明 治 生. 第 勧 銀 系. 朝 小. 計. その他企業 ( 謡 ) ム. 計. 小. 計. 119(16). 148. 112(28). 158. 三 和. 銀 行. 46 (1 2). A. 計. 4) 1(4 23. 306. 東 洋 信 託. (1) 2. 5 6(8). 73. 大 同 生 命. 他会杜 ( 麗 ) そのr 住 友. 銀 行. 和. j ′ 、. 計. A. 計. 住 友 信 託. 4(1) 1. 16. 生 命. 1 2(2). 12. 住友 海上 火 災. 2(1). 2. 84(12). 103. 日 本 興 業 銀 行. 104( 25). 169. 総. 189(27). 272. うち, 金融機関. 住 友 i / 、. 計. その他企業( 謡 ) ム. 計. 系. その他企業 ( 謡 ). 計. 3 (2) 51(15). (16) 23 31) 74( ( 4 76 6). li2. 992. 1373. 562. 740. 2 )興銀の場合, 同系の系列会社からの役員派遣 3 2頁により集計 ( 1 (注) { )系列の研究第17集 84頁~ 1 あらわす。 系の系列会社を )カッコ内は内数にして旭 3 は 原典に記載がない (. 遣会社欄にある 「その他会社」 とあるは派遣会社が有力株 主 であるとか, 取引の密接関係に ある場 4 合, 他の会社に役員を派遣する場合である. 三井系でいえば実数25社が他の 会社へ派遣が延数 11 社 と い う こ と に な る,. 73名 で 2社 であり, かつ派遣役員は延数1 さて, 第20表によっ てみるに受入会社の総延数は99 ,3 4 延数7 0名 である ある. さらに 金融機関のみをとっ てみれば受入企業数は延562社, 派遣役員 .そ して金融機関 で派遣の 主力をなすものは資力の点からいっ ても銀行である. 7銀行はそれ自身のみ. で延数 451社, 派遣役員延数619名となっ ている. これを1銀行平均にすれば受 入会社は延数約64 会社となる. こうして銀行はわが国主要企 業 (東証第1部上場 会社をさす) に役員を派遣すること によ っ て監督と支配に参加している の である, こうした 役員派遣は信託銀行以下の金融機関によっ ても当 然行われるし, それらは 銀行とは独立した機関であるにせよ, 全体として受入企業の経営に 参加 して系列を強化する.さらにこれらの金融機関を系列別に全体として受入企 業の実数と使用総資 系列企業数に対 比し 本の規模別派 遣状況をみよう (第21表) , 第21表をみるに, まず目につく点は て三菱銀行系, 第一勧銀系, 興銀の派遣先企業 (受入企業) が実数 (系列内各金融機関の派遣先の 重複分を除く) にしても延数にしても多いことであり, 逆に三井系, 住友系金融機関の 派遣先企業 が少いこと である. 実数に対して延数が多い程, 同系金融機関からの役員が重複することになり, それだけ系列としては量的には 人的支配の 薫化を意味する. この点, 三井, 三和 では同系金融機関 44.
(4) . 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列α P 1. 1表 金融機関の役員派遣先企業の使用総資本 第2 (総資産) 規模別 金融機関 列 系. 三. 井. 受入企業. 菱. 友. 士. (6) 2 0. (2) 1 1. 1 2(2). 5 3( 1 1). 系列企業 (B). 42. 17. 15. 21. 95. 47.6. 64.7. 53.3. 57.I. 55,8. 三. 和. 46. 29. 11. 33. 会社t実数(A). 3 8 (6). 4(2) 2. 1 1(4). 21 (3). 系列企業 (B). 60. 26. 銀. 9. 22. 55社. 119. 94(1 5) 117. 63.3. 92,3. 95.5. 80,3. 受入「延数. 40. 12. 15. 17. 84. 会社L実数(A). 3 4 (7). 1 2(2). 1 0(0). 1 4 (1). 系列会社 (B ). 61. 21. 12. 21. 55.7 41. 57.I 13. 83.3. 66.7. 受入{延数. 17. 8. 79. 会社\実数( A). (8) 3 5. 1 2(1). 1 5 (3). 8 (3). 70(1 ) 5. 系列企業 ( B). 47. 20. 13. 8. 88. 74.5. 60,O. 115,4. 100・0. 受入f延数. 47. 15. 13. 23. 98. A) 会社t実数(. 4 (2 5 3). (5) 1 5. 1 1(5). 1 9(9). 90 ( 4 2). ) 系列企業 (B. 24. 11. 6. 11. 52. A/B (%). 122.2. 60,9. 79.5. 187,5. 136.4. 183,3. 23. 9. 7. 12. 51. 会社1実数(A). (5) 2 2. 9 (3). 7(1). 1 1(5). 4 (1 4) 9. 系列企業 ( B). 24. 11. 91,7. 81,8. 9 77.8. 172,7. 7 0( lo) 115. 受入「延数. A/B (%). 興. 8(1). 受入「延数. A/B (%). 第一勧銀. 計. A) 会社ー実数(. A/B (%). 富. 500億円 1,000億円 2,000億円 ~1,000億 円 ~2,000億 円 以上 社 社 社 12 8 14. 21社. A/B (%). 住. 未満. 受入「延数. A/B (%). 三. 500億 円. 173.I. 12. 56. 91.7. 受入「延数. 35. 15. 14. 12. 87.5 76. A) 会社1実数(. ( 3 5 27). 1 5(6). (6) 1 4. 1 2(6). 4 76( 5). B) 系列企業 (. 18. lo. 8. A/B (%). 194.4. 150.O. 175.O. 15 80,O. ,. 51 149.O. (注) ( 1 )延数は系列内各種金融機関 (銀行, 信託銀, 生保, 損保各会社) 2 )実数は系列内金融機関 の重 の派遣先を単純集計した数をあらわす。( 複分を除いた数をあらわす。( 3 )カッコ内は内数にして他系列の企業数 4 )典拠は第20表と同じ。 をあらわす。(. からの重複派遣が少い点が目につく. 次に 各系列企業数に対して派遣先企業の実数を対比してみる 3%, 以下カ ッコ内同 73,1% (うち系列内92. と, 派遣率の高いものから, 第一勧銀系金融機関の1. 3% (67 様) 49.0% (6 0. 8%) 5% (62.5%) 0. .5%) , 富士系の , 興銀の1 , 三和 系の87. , 三菱系の8 2%) となる, 以上によっ て第 5% (62.5%) 7 9. , 住友系の60.9% (52,1%) , 三井系の55.8% (44.. 一勧銀系, 興銀は系列外企業を含めて活発に役員派遣を行っ ていることが明かとなる. このことは これらの銀行が主力銀行外の地位にある場合でも第2, 第3の強力な融資銀行としての働きに基づ. く, それにひきかえ住友系, 三井系金融機関 では派遣先企業率の少いのが目につくし, 三井系金融 機関では系列内派遣は系列企業の半数にも達しない. さらに派遣先企業 (系列外を含めて) の 吏用 45.
(5) . 沢. 口. 信. 光. 総資本による規模別派遣状況をみよう. 使用総資本2,000億円以上の巨大企業をとっ てみても, 系 こ第 列企業数に比べて派遣先企業の少いのは矢張三井系金融機関であり, 次いで住友系である, 逆{ 一 云いうる 特に第 1 0 0 0億円億上の規模に対しても 三菱系は旺盛であり 一勧銀系, . , このことは , 勧銀系は自己系列のみならず他系列に活発に及んでいるし, 全般的に 各規模層を通じて他系派遣が 旺盛 である, これは系列企業の少いのに比 べて銀行等の資力の充実による結集拡大の 攻勢によると も想ズ つれる. ではこうした派遣数なり派遣率の差異は何によっ て生ずるか. 考えられる第1は銀行 (その他の金融機関を含めて) の資力の問題 である(資力については再び第9表参照) , 第2に銀行 と企業との結合の歴史的古さ である, 第3に派遣先企業 (表でいう受入企業) 経営基盤の如何であ. る, 第4に派遣先企業の資産の大きさ である. 銀行にとっ ては派遣先企業の資力大なる場合はこれ を通じてその子会社等の間接系列支配が可能であるからである. 第5に派遣銀行と派遣先との相互 間の企業経営能力の如何 である. 第6に長短貸付の如何 である. 長期貸付の比較的 多い場合は資金 固定の意味から監督も銀行側にとってより 重要なものとなろう, 第7に業種による景気動向であろ う. 第8に銀行側の経営者の人事の更新の面 があろう. 次に再び第20表によっ て, 事業会社による派遣先をみよう. そうすれば, 三井系企業25社の派. 遣先の企業は延114社となり, 各系列において最大となるし, 銀行等金融機関の場合と事態は一変 2社,104社となり, 他系よ する. 次いで三菱系22社, 住友系17社の派遣先企業はそれぞれ延数11 り ぐっ と多い, だが各系とも派遣企業の大きいものは各系の直系企業もさるこ とながらしばしば外 様大名的コンツェルン が大きな地位を占めている点に注意を要する. 三井系の場合の派遣有力企業 0 社以上のものとして. 以下の系統の場合も同 様) をあげれば (仮りに派遣先を1 , 東芝, トヨタ自 三井系からすれば外様コンツェルンであ 動車, 三井物産, 三井鉱山 であり, 東芝, トヨタ自動車は り, それ自体三井系列をはみ出しつつある企業大集団として自己系列の企業群をP 包する, しかも これらの役員派遣先企業は少からず他系主力銀行に属するものである, とすれば系列結集からすれ. ば頗る拡撤されたものとなる. 三菱系の派遣有力企業 では 三菱化成, 三菱重工, 三菱商事 であり, いわば三菱系の直系企業であり, 派遣先の企業の主力 銀行は三菱系 である場合が多い, この意味で 銀行は結集の重要なタガとして作用している. 住友系の役員派遣の有力 企業としては住友化学, 住. 友金属工業, 住友商事, 日本電気, 松下電器, 旭化成 であり, 後二者は外様コンツェルン であり, 派遣先企業の主力 銀行は, 住友銀行との結合の比較的新しい旭化成の派遣先を除いては大方, 住友 銀行によっ て占められるし, それだけに受入企業は内部役員以外は住友系派遣の役員 で「移入役員」. が構成される場合が 多い, 富士系の有力企業は日本鋼 管のみであり, 大成建設は準有力企業 (派遣 先は1 0 社以下として)といえよう.しかし,これらの派遣先企業の主力銀行は他系列銀行が混入し,. 派遣先の企業の他系列役員が少く ない. 第一勧銀系の派遣有力企 業は古河電気のみであり, 準有力 企 業は富士 通, 川 崎重工, 石川島播磨重 工と なるが, 派遣先企業も富 士系に 比べて一層 少く なる し, しかもこれらの派遣先の主力 銀行も異系列のもの多く, したがっ て派遣役員も各系列から入り. まじっ ている. 三和銀行系の派遣有力企業は特に有しない. 準有力企業に強いて入れれば日立造船 のみ である.日立造船を含め総じてこの系の派遣先企業の主力銀行も異系列が入りまじっ ているし, この点第一銀行の場合と同じである,. これを要 するに 各系列の事業会社の役員派遣による場 合, 三菱系を筆頭とし, 住友系が派遣先の 企業も主力銀行がその系列によっ て結集されているとみられるし, 富士系以下は バラ バラ であり, 三井系はその中間にある. しかも三井系は事業会社に派遣企業とその派遣先企業が多いといっ ても. 系列と関係疎遠ともいえる 外様企業の派遣が多い点 でこの系列 (三井系) の結集の弱さが感じられ る. 46.
(6) . 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列0 I D. 0頁 I) 2) レーニン 「帝国主義論」 国民文庫6. 2 ( )新産業における結合 系列企業の結合に戦後開発ないし発展した産業に同系企業の出資による新企業の設立がある 新 . 産業に対する 同系企業の結集 である, そこでまず これら産業の開発な いし発展過程を一べつしつ , つ結集をみよう, 1 ( )原子力産業における結集 1 9 53年(昭和28年) , アメリカ の原子力平和利用宣言を契機に世界的な原子力 ブームが形成され た. 日本, 西 ドイツのような軍事利用を目的と しない国々 も一斉に原子力開発に のりだした 加え . て石炭が斜陽化 し, 石油依存率が高まり, 諸国の外貨事 情の悪化は原子力発電への期待を高めた , わが国では昭和31年原子力委員会が設置され 原子力開発委員会基本計画 が策定された この計画 , , に基いて日本原子力研究所,原子燃料公社の設立となる 産業界では1 日財閥 グループが原子力 グルー , プを結成して原 子力の開発を策定し さらに原子力専門会社の設立となる 昭和3 2年か ら33 年 の , , ことである. これらの グルー プは重電会社を中心としそれ ぞれ同系の グル」 プの資本を集中して結. 集し, 各国原子炉メーカー, 核燃料メーカーと提携して開 発を進めた これらの原子力会社をあげ , れば三井 グループの日本原子力事業会 社が東芝を中心とし三井系18社と石川島播磨重工の出資に. より設立されたし, 三菱原子力工業会社が三菱重工 業 三菱電機 を中心とする三菱系22社をも て , っ 設立され, 住友原子力工 業会社が日本電機 を中心とする住友 系36社により設立され このほか第一 , 勧銀系 グルー プによる第一原子力 グループ放 射線研究所 日立製作所を中 心とする東 京原子力 グ , ルー プがある. ( 2 )情報産業における結集 経済成長は膨大な情報量を必要 とする しかもそれに対処する迅速な科 学的処理が必要とされる . . 情報量の増大理由については第1に機械工業の発展 である 機械設備の高度化 大規模複雑化 自 . , , 動車, 家電などの耐久消費 財産業の比重の増加 航空機の大型化 は生産過程の膨大な情報を必要と , する. 第2に市場 に関する膨大な情報の入手 すなわち 売上の動向 一般市場条件を決定する要 , , , 因の変化, 需要動向の変化をいち早くキャッチすることを要する 第3に企業間のシステム化であ , る, コンビナートの建設, 開発投資, 都市開発 海洋開発等にあっ ては従来の縦の業種分類による , 1企業ずつの 存在状態から これを横に串ざした 横の連系と統制 が要求されるし そのため横の情報 , が一層必要となる. かく してここに情報産業会社が生れ てくる コンピュ ーター が大規模に利用さ . れ, 生産体系, 販売体 系, 技術のシ ステム化 企業集団のシステム化が効果的 に行われる (以上 は , , 竹中一雄 「情報産業」 を参照した ) かくして三井系にあっ ては昭和42年 三井情報会社が三井物 , , 産, 三井銀行を中心に同系1 0社の出資によっ て設立されたし,45年三菱総 合研究所が三菱商事 三 , 菱銀行, 三菱重工, 三菱電機 を中心とする2 6社をもっ て, 住友系では44年日本情報サー ビス会社 が住友系6社出 資をもっ て, 富士 銀行 グルー プ では45年芙蓉情報 セン ターが同系 の53社出 資を もっ て, 三和 グループ では4 6年東洋情報システム が1 2社出資をもっ て設立されたの である いず , れも銀行が共通点と して核となっ ている なお, このほか東海銀行系のセントラ ルシステム 大和 , , 銀行系 の綜合システム研究所があるが, この二者は筆者ののべる系列集団の範囲外にある .. 47.
(7) . 沢. 口. 信. 光. ( 3 )海洋開発における結集. 海洋開発は海洋科学の進歩と新 工学技術の開発によっ て前進した, 海洋開発には海洋天然資源 の利 用 (水産資源, 鉱物資源, 海水利用資源) , 海洋スペー スの利用 (海上空港, 海上工場, リクリエー (海洋発電 ) がある. 海洋開発にはその 技術面から関連産業の参加 ショ ン) 海洋エネルギーの利用 960年代後半から世界的に 脚光を浴 びるようになっ たし, わが国でも昭 が必要 である, 海洋開発は1 た 和40年代成熟するにい っ た. 国際収支の黒字定着による外貨面 での余裕, 高度成長による経済規 模の拡大による海洋資源開発の 必要性, アメリカの海洋開発のイン パ クト, 佐藤, ジョンソン 会談. による海洋資源開発の日米協力体制の成立である. こう した状況下にあっ て旧財閥系 グループある いは金融 グルー プなどの企業集団の 結集の形をとっ て海洋開発が進められることとなる,(以上は竹 中一雄 「海洋開発産業」 を参照した.) ところで民間 グルー プの海洋開発進出において中核をなして 1 青報収集, 資源開発利権獲得などを通じてオルガナイ いるのが商社, 造船企業である. 総合商社力も ザーとして機能を発揮する. さて, 昭和43年, 三井海洋開発が三井物産, 三井造船を中心として三井系10社によっ て設立さ 5年三菱開発 (これは海洋開 発のほか地域開発, 住宅産業開発をも兼ねる) が三菱商事, 三菱 れ, 4 地所, 三菱鉱業を中心とした三菱系25社によっ て,48年住友海洋開発が住友商事, 住友重機を中心 とした住友系, むしろ住友銀行系傘下 多数企業の出資をもっ て, 44年芙蓉海洋開発が丸紅, 日本鋼. 管を中心として富 士系企業の出資をもっ て, 第一動銀系 では47年, ワール ドオーシャ ンシステムが 川崎重工, 伊藤 忠商事を中心とし同系11社をもっ て, 三和系 では46年, 東洋海洋開発が日立造船 を中心とし同系9社の出資をもっ て設立されたのである.. ( 4 )都市開発産業における結集 都市開発はもともと国や地方自治体などの 公共団体の行う べき任務と考えられた. しかし都市過 密化, 財政難による地方公共団体が都市開発における民間資本の参加を希望するにいたっ た, 加え. て実際工事は民間デベロッ パーに一括発注される場合が多い,40年代に入っ て従 来の成長産業が成 長の一巡, 需要の一巡により過剰資本を抱かえるにいたっ た. 一方, 都市開発は波及効果, 需要誘. 発効果の大きい プロ ヂエクトであるの でここに綜合 デベロッ パーが誕生するにいたっ た.(以上は主 として荻原勝 「都市開発」 を参照とした) 昭和46年, 三井都市開発会社が三井物産, 三井不動産を. 中心とした 三井系企業の出資をもっ て誕生し, 45年三菱開発が (海洋開発で既述) , 46年住友都市 開発が住友商事, 住友不動産を中心に住友系企業の出資をもっ て, 47年芙蓉総合開発が丸紅, 大成 建 設, 富士銀行を中心とした富士 系企業の出資を もっ て, 45年第一開発が第一勧銀系企業出資を もっ て, 47年東洋総合開発が三和系企業の出資をもっ て設立されるのである. ここ でも同系企業の 資本参加 が各系列毎に行われている, ( 5 )石油開発における結集. 各系の石油開発会社設立前後の石油情勢からまずみよう, そう した情勢の中 で設立の経緯が明 瞭 95 0年代60年代は原 となろう, 第2次大戦後, 米欧資本による大油田の開 発が行われた. そして1 60年 OPECが結成さ 9 油供給過剰化と原油価格の低下傾向 がつづいた. こう した傾向に 対処して 1 970年のリビアのクー データー以後一連 の産油国政府はメージャーの独占支配に対抗 れているし,1 O P E C 大きな影響を持つようになり石油供給に新時代が到来する, 以後民族 が世界石油市場に し, 9 8) 意識と世界の石油需供の逼迫を背景に国際石油価格は急速に高騰してくる.即ち,1 バレル(15 97 0年1. 80 ドル が 1971 年 2.18 ドルに,72 年 2.51 ドル, 73 年 3,27 ドル, 74 年 1 当り公示価格は1 48.
(8) . 戦後の経済成長と金融機関を中 心とする企業系列Q I D. 月 6.06 ドル, 75 年 1 月 11.85 ドルと急騰する. 以上の情勢下にあっ てわが国の石油政策の力点は従来の 「低廉供給」 から昭和45年 (1970) には 「安定低廉供給」 へ, そして昭和48年 「安定供給」 とかわっ てくる, 一方, わが国の需要面では30 ) 電力 鉄鋼製造や輸送業におけるエネルギー源としての石油需 年から始まる石油化学産業の発展1 , , lから 要の増大, 所得増大による自動車の普及は輸入石油を37年から46年の1 0年間に47百万k 1と5倍に増大せしめた こうした情況の中で42年2月, わが国総合エネルギー 調査会は 224百万 k , 60年には所要原油の30%を海外での開発石油で供給することを目途す る政府答申をなした.これは 自主開発によっ て供給源を直接支配することによっ て安定低廉供給を意図したもの である.42年政 府全額出資の石油開発公団が設立された (旧石油資源開発株式会社資本金1 28億円に新規政府出資. 40億円を合せて設立) .その意図するところは民間の内外油田開発に資金供給や技術援助を行ない,. あるいは公団自身で, 内外石油天燃ガスを開発しようというの である.52年その資本金は2,0 04億 ) 35年アラビア石油の油田開発の成功 政府の石油公団の設立 44年の外貨流 円の巨額に達する2 , , . ) うち 28社に石油開発公 入の急増は油田開発会社を族生せしめたし,4 8年末には51社に達した3 , ,. 団の出資がなされているし, かつ開発会社への投資は原油需要の多い石油鉱業, 石油精製, 商社, ) こうした中 で6系列もまた石油開発会社を創設し開発に参 電力業, 鉄鋼業会社が主となっ ている4 . 加する. すなわち, 44年三井物産, 三井鉱山を中心とする三井系企業の出資によっ て三井石油開発 会社が,47年三菱商事, 三菱鉱業セメントを中心に三菱系企業によっ て三菱石油開発会社が, 48年 住友商事, 住友化学を中心とする住友系企業と系列外9社によっ て住友石油開発が, 同じく48年丸 紅, 富士銀行を中心に芙蓉石油開発会社が, 同じく48年伊藤忠商事, 第一勧銀を中心に第一勧銀系 企業によ っ てワール ドエネルギー開発会社が, そして同じく48年日商岩井, 丸善石油を中心に三和. 系企業によっ て東洋石油開発会社が設立されたのである, ここにも系列を中心とする結集をみるこ. とができる, ところで, これらの石油開発会社は, 先にのべた各種の新産業の会社に比べれば資本 金も一際大きく, 三菱系の21 2億円, 三井系の1 70億円, 住友系の1 33億円 (何れも51年6月) と なっ ている. 石油開発はもともとリスクの大きい事業であるので, 石油開発会社は一般的にいっ て. 自ら探さくにあたるのみでなく, 他の石油開発会社に対する投資会社ともなっ ている. この点, 石 油開発公団と同様である. 例えば三菱石油開発会社はアンデス石油, スマトラ石油, 日本イラク石 油開発, マ ダガスカル石油, アラカン石油石油開発の各開発会社の投 資会社の投資者となっ てい ’というふう である 加えて石油開発会社への投資者は 1 石油開発会社への出資者 であるのみ で る5 , なく他石油会社への出資者 である. これまたりクスの分散のため である. また系列をこえて他系列 企業と共同出資者として開発会社設立にも参加する, 要するに系列を超えた結集もまた行われる , したがっ て系列結集に閉されているわけではない,例えばアラスカ石油開発会社 の大株主は新日鉄, 伊藤忠, 日商岩井, 三井物産, 丸紅 であり, 第一石油開発会社の大株主は帝国石油, 三井石油開発,. 三菱商事, 日本長銀であり, イン ドネシア石油開発会社のそれは三井石油開発, 三菱商事, 丸紅, ) 住友商事であるごとき等々 である6 ,. l 1)石油製品販売量において石油化学の原料となるナフサの販売量をみると昭和4 0年7 3百万k (同年の石油販売 . l l(同年石油販売量2 量77, ) 4. 9百万k 23 2百万 娘) である.〔典拠東洋経済統計年鑑197 〕 8百万k 8 . ,51年では3 2) 財政金融統計月報 No 8頁 .310国有財産特集号3 3) 4) 各開発会社とその出資者については商社機能研究会編 「現代総合商社論」1 8 7~1 9 1頁参照されたい, かつ 9 2頁の図を参照されたい, 共産圏を除く油層含有可能性のある全世 これら開発会社の探鉱地区については同書1 界に 及 ん でいる.. 41 5) 新日本出版社 「経済」 No .1 , 35頁 6) ダイヤモンド社 「会社要覧非上場会社版」1 97 8を参照 49.
(9) . 沢. 口. 信. 光. 6 ( )リース産業における結集 リース産業のリースとは単なる賃貸借ではなく equlpment lease である, 企業が必要とする機械. 設備を通常3~5年の比較的長期にわたっ て貸与する賃貸制度 である. 借手は これにより資金の流 動性を高めると同時に機械の陳腐化を回避しうるし, 一定の予算枠で容易に必要な機械設備の調達 が可能となる, 一方, メーカーも自社製品販売促進手段としてリースを活用することができる, ア メリカ では19 52年と始まり196 3年糠乱の時代を迎える.わが国におけるリー ス産業は昭和38年日 ) 本 リ ー ス 会社, オ リ エ ン トリ ー ス 会 社 に 始ま り, 43 年 リ ー ス 会 社 の 設立 の 盛 期 を迎 え る1 .. さて, リース産業に対しても財閥系もしくは金融機関系 グルー プ出資をなして進出する. まず三 井系では三井リース事業会社がある.その経過をみるに41年三井物産事業部を母体とし,46年三井. 物産より分離独立したもの であり, 三井物産, 三井信託, 三井生命, 大正海上火災の三井系が資本 金の過半を出資し, これに他系列の金融機関が出資して設立されたもの である. 三菱系にあっ ては. 三菱商事リー ス室から46年同系の ダイヤモ ン ドリース会社 が新設され た. 住友系 では43年綜 合 リース会社が住友商事, 日本電気, 住友重機, 住友銀行, 住友不動産によっ て設立された. その前. 身は38年設立の住商リースであり, 住友商事の傍系会社 である. 次に芙蓉総合リー ス会社は44年 丸紅を中心に富士系 グルー プに外資1社を加えて設立された,第一勧銀系 では東京リース,センチュ アリースがあり, 三和系 では39年設立のオリエントリース会社があり, これは日綿実業, 三和銀行,. 東洋信託の出資を中心に外資系数社,他系金融機の出資をもっ て設立されたもの である.試みにリー } 50年9月 資本金1 ス会社唯 一 の東証1部上場会社たるオリエントリース会社をみれば2 7億円, , , 貸与資産1 0 9 3億円 年間リース料5 2 0億円とな ており その活動は日本全国はもとよりニ っ ュー , , ,. ヨーク, ロン ドンに及ん でおり, リース事業は一般産業機械はもとより, 発電機放送機械 その他電 気機械, 輸送機器, 事務機器, 医療機械とあらゆる部門に及ん でいる. リース事業会社の一端をう. かがうに足る, だが, それはともかくとしてリース産業は新産業であると同時に未来産業 であり, ここにも銀行, 商社を中心とした同系企業を主とする資本の結集をみる. 1) オリエントリース社編 「リース産業」 参照. 4 38頁参照. 977上場会社版1 2) 日本経済新聞社 「会社年鑑」1. ( 3 )新規企業設立における結集 新規大企業設立の場合の結集としてここ ではアルミ産業の場合をとっ てみよう,アルミニュ ーム工 業は戦時中軍需市場に依存して急速に発展したが, 戦後苦難の途を歩む. しかし昭和30年代に入り )によっ て飛躍的展期を迎 えた こう した背景の中 で43年1 高度成長下に技術革新と需要の著 増1 . 月, 三井 グルー プは三井アルミニウム 工業を設立した. 三池の低品位炭による自家発電を行いこれ を利用したアルミニウム地 金を生産しようとするもので45年1月操業に入る,従来アルミ製錬工業. は日本軽金属, 昭和電工, 住友化学によっ て独占されていたが, まず36年三菱化成がアルミ製錬部 門に進出し, 三井アルミニウム工業が これにつ づくニューエントリーとしての参入である. 三井ア ルミニウム 工業は三井物産, 三井鉱山, 三井金属鉱業を中心とし三井系13社の出資によっ て設立さ. 0億円) れたが(51年6月資本金11 , つ づいて翌44年はアルミ製錬の原料たるアルミナ製造部門を 担当する三井アルミナ製造会社が設立された. それま でアルミナをオーストラリヤからの輸 入で あっ たのを原料から地金生産ま で一貫化を期したのである. 同社は 三井物産, 三井金属を中心とし. た三井アルミニュ ーム等三井系1 0社の出資による,ここに新規大企業進出に結集するグルー プの姿 をみることができる, しかしアルミ工業は石油ショッ ク以後長期不況による需要の激減, 電力コス 50.
(10) . 1 P 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列α. 卜の急増によっ て構造不況に直面し, 51年4月以降, 三菱化成, 昭和電工, 住友化学の大手総 合化 学工業会社がアルミ製錬工業部門を分離独立させ局面打開 を図る. すなわち, 三菱化成 は 「三菱軽 金属」 を, 昭和電工は 「昭和軽金属」 を, 住友化学は 「住友アル ミニユウム製錬」 をそれぞれ設立 するが, その際にも共同出資者は同系グループが中心となり, これに地金需要会社が資本参加する , 三菱軽金属にあっ ては三菱銀行, 三菱商事, 三菱重工などの三菱 グルー プ1 2社の出資によっ て設立 され, 三菱化成の最大のピン チに陥っ ているアルミ部門は グルー プの支援体制によっ て切り抜ける こ と に な っ た (51 年 6 月資本金5 0億円) . 昭電からの分離の昭和軽金属は51年10月の発足である. が, 丸紅, 富士銀行, 日産自動車, 日本鋼管などの富士系グループ8社の共同出資と地金需要者(新 日本製鉄, 神戸製鋼, 三井アルミ等9社) の出資による (資本金1 00億円) , ここでもまた グルー プ 出資の支援をみることができる. 住友アル ミニウム製錬の分離独立は51年11月 であるが, これま た住友 グルー プ (住友金属, 住友銀行, 住友商事, 住友電気) によろし, これに系列外大手需要者 } (伊藤忠『 神戸製鋼, トヨタ自動車工業, 東洋工業等)の出資が加わる2 2月資本金80億円) (51年1 , 分離会社の新設は専業体制を基礎として合理化投資, 経営改善にある反面, 旧親会社の資金負担と 金利負担の軽減の面でも救済的寄与となる, なお, グループの典型的救済支援をあげれば, 51年5. 月の住友化成の子会社東予アルミニウム製錬 に対する住友 グループ4社 の支援をみること ができ ) グルー プ結束の強力さを痛感せしめ る る3 . , ところで, 前節( 1 )~( 6 )にわたっ て新産業における結集をみたの であるが, より括目すべきとして 戦後の新産業としてわが国工業の最重要な一翼 たる石油化学産業における各系列の資本結集 であろ )に よ っ て 詳 述 さ れ て い る の で こ こ では そ れ に 委 ね よ う う, し か し, そ れに つ い ては 各 書4 .. 1) 需要著増として建築, 電力輸送, 電機通信, 輸送機械その他機械の需要があるが, 銅需要の増大による供給市 場の逼迫による銅価格の高騰による代替需要の増大がある. 2) 新会社の設立は主として朝日新聞 (縮版) によった, 3)住友化学工業全額出資の子会社, 住友東予アルミニユウム製錬(資本金3 0億円, 工場愛媛県東予市) が総工費 3 0億円をもって50年4月最新鋭製錬工場を完成せるにもかかわらず, アルミ不況で電解炉2 7 20炉中僅か40炉 しか稼働できず窮地に陥入った. そこでその救済のテコ入れの住友軽金属, 住友銀行, 住友信託, 住友商事が同 社と資本参加して倍額増資し救済にのりだしたとある (朝日新聞縮版5 1年No 8参照) .5のp ,30 . 4) 例えば川手・坊野 「石油化学工業」1 51~1 72頁, 大内力 「日本経済論」 下4 09~42 8頁をみられたい,. ( 4 )社長会の結成 戦後財閥本社の解体後,金融機関特に銀行が企業結集の中心となっ たことは既にみた通り である, しかし, 個別的に金融機関との結合はあっ ても企業個別の相互間の結集 をはかる組織はなかっ た , かくして生れたのが各系の社長会である. 三井系グルー プの二本会, 三菱系 グルー プの金曜会, 住. 友系グルー プの白水会, 富士系 グルー プの芙蓉会, 三和 系グルー プの三水会, それに50年末の時点 で第一勧銀系の3 グループ古川 三水会, 川崎睦会, 旧勧銀系の1 5社会がある. 戦前にあっ ては旧3大綜合財閥 では系列の頂点に財閥本社があっ て系列企業は本社によっ て統轄. 支配されたの である.「三井合名 傘下の投資や資金調達計画は三井合名の理事会が決定 した 銀行は , ) それに基づいて融資した1 」「住友の傘下の企業の金融の心配は全部本店でみた. 本店の方へ各事業. 所は年次予算をもっ て行き, それを本店が審査し, その査定の範囲 で本店の責任で銀行から各事業 ) へ資金がでる. その枠をこえることができない2 」とある, 三菱 の場合は岩崎家が名実ともに資本所 有者兼経 営者として君臨したの であるから合資会社たる本社の支配統轄もまた強力であっ た この . 51.
(11) . 沢. 三 井 銀 行 三 井 信 託 三 井 生 命 大 正 海 上 三 井 鉱 山 北 海道炭磯 汽船 三 井 建 設 三 機 工 業 本. 日. 製. 粉 レ. 東. 王 子 製 紙 三井東圧化学 三井石油化学 日 本 製 鋼 所 三井金属鉱業 東京芝浦電気 三 井 造 船 トヨタ自動車工業 . 二 井 物 産 越. 三. 三 井 不 動 産 大阪商船三井 三 井 倉 庫 三. 菱. 系. (28社) 銀 信. 菱 菱. 行 託. 明. 治. 生. 命. 東 態. 京 麟. 海 麦. 上 酒. 三 菱 レ イ ヨ ン. 三 菱 製 三菱化成 工 三菱瓦期化 三 菱 油 三 菱 樹 三 菱 石 旭. 硝. 紙 業 学 化 肥 油 子. 三菱鉱業セメント. 52. 友. 系. (白水会). (21社). 住 友 銀 行 住 友 信 託 住 友 生 命 住 友 海 上 住 友 林 業 住友石炭鉱 業 住 友 建 設 住 友 化 学 住友ベークライト 日 本 板 硝 子 住 友 セ メ ン ト. (金曜会) 三 三. 三 菱 製 鋼 一 三 菱 金 属 三 菱 化 工 機 三 菱 電 機 三 菱 重 工 業 日本光学工機 三 菱 商 事 三 菱 地 所 日 本 郵 船 三 菱 倉 庫 ☆三 菱 モ ン サ ン ト ★三 菱 建 設 ★三菱アルミニウム ☆三 菱 自 動 車 工 業 白. 信. 光. ような本社統制下で傘 下各企業の経営者は本社の 統轄と権威に忠誠であらねばならなかっ た.. 第22表 企業集 団の社長会( 1 ) ニ 井 ; 系 三 (二 木会) (23社). 口. 住友金属 工業 住友金属鉱山 住 友 軽 金属 工 業 ☆住友アルミニウム製錬 住友 電気工業 住 友 重 機械 工 業 日 本 電 気 住 友 商 事 住 友 不 動 産 住 友 倉 庫 (注) ①☆部は非上場会社 をあらわす。 8集 ②系列の研究第1 に よ る。. ところで,戦後グルー プ集団の基本政策を決定す るのは社長会であるとされる.第22表・第26表は. 各系集団の 社長会を示す.いま,山城氏論文によっ て社会長の役割機能をみよう.「巨大企業集団内部. につくられている社長 会は各集団がもっている政策 決定機構の司 令部をみることができる.社長会は 、 つう集団の中核を構成する 大企業の会長, 社長で 構成されており, 金融的, 経済諸関係 で相互に 結 びついている集団構成企業体の基本方針や計画を 決定する場となっ ている. 社長会のそうした統括. 的機能と権威は集団によっ て強弱の差がある…… 金融的経済的諸関係とはつ ぎのよ う なもの であ る. 1. 株式, 社債など有価証券の相互保有, 新 規発行にあたっ ての提携, 協力関係 2, 集団内 部の長短融 資についての恒常 的,かつ緊密な結合, 3. 原料資源の占有や共同入手体制, 中間製 品, 部品な どの恒常 的 な提供, 利用 関係 4. 生産, 受注, 販売面での集団としての協力 関 係 5. 以上のような諸関係を維持, 強化するた 依存関係. めの人的 結合関係 (一般的な形は 重役の相互ない し一方的派遣である(カッコ -- 原)) . こんにち 資本主義的企 業にとっ て以上のような金融的, 経 済的な諸関係を背景にした社長会の動向, 方針は. 絶体的な意味をもつもの であり, 集団構成企業と さらにその系列下に ある企業の最高経営方針, 政 } 」とある, とすれ 策を左右する権威をもっている3 ば結集にもつ 社長会の存在は 極めて大きいといえ よう. とはいえ, 後でみるように結集と権威は集 団によっ て強弱の差のあることは上掲文の中に 指 摘されるように当 然であろう.. 2表) さて, 個別集団の社長会をみよう (第2 , まず三井集団よりみる. 戦後財閥解体, 経営者追 放後, 三井系集団の集会の先がけとなっ たのは昭. 和25年誕生する月曜会である, 旧三井系27社の 常務以上参加の懇談会である, さらに 三井系 では. これとは別に 35年, す でに発足せる(26年)住友 白水会の結集にかんがみ,18社の社長によっ て構 ) 51年23社となる 成される二本会が誕生する4 . . ところ で, 社 会長会の構 成は3大旧綜 合財閥に.
(12) . . 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企 業系列α P 1. あっ ては企業同族意識が存在するとして もその誕生とその後の系譜によっ て結合力に大きな影響 が あるとみられる. この点迂遠になるがみよう, 三井 系の場合, 旧本社の直系としては三 井物産 三 , 井生命, 三井銀行, 三井信託, 三井鉱山, 東神倉庫 がある. 特に物産, 鉱山, 銀行の3社はその誕 生も古く, 三井を支 える3本の柱とされた 三井物産から昭和に入り 造船 船舶が分立 して本社 , , , の直系となるし, 第2 2表に関係したものでは物産直系会社 では大正海上火災, 東洋レーヨン (後の. 東レ) が, 物産傍系 では日本製粉, 三機工業があり, 三井鉱山から分立したものに三井化学 東洋 , 高圧, さらに戦後の三井金属鉱業がある, 三井財閥の傍系としてはその主なものに王子製紙 北海 , 道炭磯汽船, 日本製鋼所 (北炭の子会社) 三越 電気化学 , 鐘潮紡績, 芝浦製作所 (後の東芝) , , , } 問題はこの傍系 小野田セメントをあげることができるし, トヨタ自動車もまたこれに含まれよう5 , の戦後三井系からの独立化傾 向である. 元来, 三井財閥には直系 準直系 (物産 鉱山の子会社) , , , 傍系の3つの格付があり, 直系準直系には高い格づけが与え られたのに対し 傍系企業は財閥系内 , では低い格づけしかなされなかっ た, 戦後傍系企業は三井系を離れた が, こう した格づけの低さが. 戦後うっ積し, さらに戦時経済突入後はと もかくとして, 重工業における三井財閥の軽視の指導方 ) その最たるものが東芝 である なお 針にあきたらなかっ たことが グループを 離れる原因となっ た6 . . ) さて 東芝 であるが 独立派傍系大企業に王子製紙, 鐘紡, 電気化学, 小野田セメント等がある7 , . , ) 昭和1 三井銀行の融資の中 に発展した8 4年, アメリカ資本GEとの合弁になる東京電気と合併し . , 東京芝浦製作所となる. 戦時下, 軍需会社として共同融資団の資金導入を加えつつ1大コンツェル ンとなる. 戦後集中排除法の適用を受け27工場を処分し, 残存1 6工場と東芝車輔の合併をもっ て 再発足するが,高度成長期の電子・電機工業の成長産業を担い三井系から独立する 傍系の鐘紡もま . た第1次大戦中の巨利と蓄積の中に三井財閥との関係をうすめつつ 過剰蓄積 の対中国 投下となる , .. 王 子 製 紙 は 洋 紙 の トラ ス ト であ り, ま た コ ン ツ ェ. ルンであっ た, 戦後膨大な在外資産を喪失, 加え て集排法による3社分裂し,相互の競争に入るも, なお, 嘗 て の 傍 系 の 態 度 を く ず し て い な い トョ ,. タ自動車は戦前三井銀行からの出資と融資‘ こより 大をなしたといえ, 戦 後は長銀資 金の導入 が 多. . 第2 3表 三井系二木会,三菱系金曜会,住友系 白水会の各構成会社の株式銘柄相互特 合状況 (昭50 . 9) \. ー 一て. 朴長会 会 二 二木 木会 会 声婦 終ぞ. 所有銘柄 十\ L ”“川… \ \. 1~ 3. 工業の加入をみる ともかく二木会はこうした外. 1 0~1 2 1 o ~1 2. して も な お, 社 長 会 と して の 結 束 の 強 化 と い え そ ) な お 結 束 の 1 指標 と し て 二 木 会 構 成 う も な い9 , , 会社 (金融 機 関 を 除 い て) の 株 式 相 互 持 合状 況 を み よう. 二 木 会 に あ っ て は, 傍 系 会 社 の 同 会 構 成 会 社 を 対 象と す る 保 有銘 柄 は 極 め て 少く, 北 炭 保. 有 の ゼ ロ, 三 越 の 1 銘 柄, 東 芝, ト ヨ タ 自 動 車 工 業の 各2 銘 柄 で あり,直 系 準 直 系 です ら 三 井 鉱 山 ,. 三 井 東 圧 化 学 の 各2 銘 柄 と 少く, 保 有銘 柄 の 多い の は 三 井 物 産, 三 井 不 動 産, 三 井 造 船, 三 井 倉 庫. 社. :}o き}3 1 6% ゑ}1 5 o% 0% . , . . 4~ 6 4 ~6. 様 会社 を 含め る こ と に よ っ て 二 木 会 の 比 重 は 上 昇. 社. 白水 水会 会 白. 0. なる, ところで , 独立派東芝, 王子製紙, 三越が. 48 年 二 木 会 に 加 入 し た し, 翌 49 年 ト ヨ タ 自 動 車. 社. 金曜会. 7~ 9 7~9 3~1 1 3 ~1 5 1 6~ ~ 6. ≦} 4 7 4 i}2 0 0 0 0 ;}2 o O , . , .. 』。 ぎ 』 ドト. i 」 1} 2 ・o. 0) 2 1 9( 1 0 0 計 0 0( 1 00 ) .o .o 銘柄 銘 柄 1社平均 (A 5 )5 ) 8 7 1 0 9 7 , . 銘柄 柄 完全保有数(B) 1 )1 8 銘 1 , 9 /B A/ B % 1% 3 8% 2 1 5 6 8% , , .. 1 l I (I 5 o o o) . 1 1 I I 8 7 . 1 , 4. 1% 8 4, .% .. (注) ( 1 )系列の研究第1 7業により作成。( 2 )各会とも. 金融機関を除ぃた数字である。{ 3 )1社平均は目 社を除く。( 4 )東証非上場会社を除く。 このため 金曜会では三菱モンサント, 三菱建設, 三菱ァ ルミ, 三菱自動車を, 白水会では住友林業、 住. 友ァルミ製錬を除ぃてぁる。. 53.
(13) . 沢. 口. 信. 光. 2) 第2 4表 3大財閥傘下企業払込資本金の対全国割合 (昭1 井 業 14.2. 鉱. 金 属 工 業 機 械・農. 2.6 具 11・0. 旭. 船. 化. 学・ ゴ. 菱. 装. 井. 2,7 食料品・水 0.9 15.2 電 力 ・ ガ 5.I 2.4 鉄 9.2. 35.6. 海. 6.5. 4.I 金. 窯. ム 8,8 業 16.I. 製. 紙. 63.4. 7.5 2.6. 繊. 維 15.5. 4,I. 融. 産. 菱. (%). 住 友. ス. 7.6 13,8 2.9 2.4. 道. 2,8. 運. 0.9 23.O 14.7 4.3 8.8 3,7 8.O 1・7 0・7. 業. 商 事・貿 易 不動産・その他 ム 計. 0.8. 0・7. 1.4. 1・0. 7.3. 5.2. 2,5 2.4. (参考) 安田 1,7, 浅野 1,5, 大倉 0,9, 古河 0,7, 川崎 0.6 の各% (注) 柴垣和夫 「日本資本主義分析」274頁による. の4社に過 ぎない, つい でいえば, 三菱系金曜会では保有銘柄の少い三菱製鋼のゼロ, 三菱樹脂, 三菱石油の2銘柄を例外としてこれ以外の構成員たる会社は相互保有は緊密であるし, 住友白水会 は同会の何 れの構成会社をとっ ても相互保有は極めて緊密である, この 点第23表 で明か である, 白. 水会 では二木会とは対照 的ですらある, 2表にみる通り である. 金曜会構成会社に 次に三菱系集団の金曜会をみよう, その構成会社は第2 つい て焦点をしぼっ てみれば, 昭和3年頃, 三菱合資の直系会社としては三菱造船 (後の三菱重工 鉱業) 業) , 三菱商事, 三菱海上火災(後に明治火災, , 三菱鉱業(後の三菱鉱業セメン トと三菱金属 ) 災となる と合併して東京海上火 東京海上火災の両者 , 三菱銀行, 三菱信託があり, 合資の傍系とし ては日本郵船がある, さらに三菱造船の子 会社として 三菱電機があり, 三菱銀行の子会社として三 菱倉庫がある. この外, 岩崎家の直系会社として三菱製紙, 旭硝子があり, 岩崎家の傍系として明 o ) これが三菱系の基本 である その後, 戦時下戦後の再編 成をとる 治生命, キリンビールがあるl . . が, 旭硝子と三菱系外の日本化成と合併して三菱化成工業となり, これから三菱樹脂が分立し, さ らに化成工業は戦後三菱化成, 三菱レーヨン, 旭硝子と分裂するし, 分裂後の旭硝子から三菱油化 が分立する, 三菱ガス化学はその源は三菱製紙の子会社である. 三菱製鋼は三菱重 工に起源し, 三 菱石油は三菱商事燃料部の独立であり, さらに三菱化工機が三菱石油より分立する. 日本光学は東. 京計器その 他が三菱資本により統 合されたもの であり, 三菱地所は三菱合資地所部の独立 である, さらに戦後設立された非上場群をみれば三菱モンサントは米国モン サント社の合弁設立であり, 三 となる. 菱自動車 工業は三菱重工業の子会社であるID . 以上によっ て金曜会構成会社の系統が明か 三菱もまた戦前の三井と同様リスクの多い企業には 三菱の名称を与えなかっ たが, これらは戦後の )合資傍 高度成長下に大をなし三菱の名称をとるにいたっ た. 以上をみれば三菱の場合, 三井と異1 三 加えて ものである しくは準直系といえる その大方は直系も 系や岩崎家傍系の 少いこと であり, . 菱を財閥として組織化した本社社長岩崎小弥大 (大正5年就任) の指導性が終戦ま で一貫して強力. であり, 傘下事業に対する中央集権的統制 が強かっ た. 組織の 三菱といわれるゆえんである. こう 寸断的分轄からの復元を早期に達成 したこと が三菱銀行と共に集 団の中心をなす 三菱商事の戦後の‐ べたように金曜会構成会社の株式 さきにもの せしめた し, 三菱系集団の結束の堅いゆえん である. の相互持合をみても濃密であり, 三井系とは格段の差異がある, なお, 金曜会の諮問機関が金曜会 中の中心的大会社の社長経験者をもっ て組織され, このほか金曜会の下 部機構として常務懇 談会が あ る, 54.
(14) . 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列α 1 P. 第2 5表 3大財閥系社長会構成会社規模 (昭5 0 ) 使 500億円. 未満. 三 井 三 菱 住 友. 2 社 2 社 2 社. 総. 資. 本. 単位:億円. (総 資 産). 500~ 1’000~ 2,000~ 5,000~ lo’000 1’000 lo’000 5,000 2,000 以上 1 2 Q J 3 2 \ } ー 12 3. 2. 4. 4. q リ \ Q U. 2. } 1 3 1 }. 6. 2 ー. 合 計 19. 使用総資本計 87,600 (53,496) 101,510. 146,805 (52,729). 54,383. 82,223 (31,045). 20. (6 9 7 7) ,7. 16. (3 9 5 0) ,6. 2. 145,391. (5 9 1) ,28. (注) 系列の研究第1 7集により作成。 表は構成員たる金融機関を除いてあるし, また非上場会社も除いてある。 カ ッコ内 は商社を除いた数字である。 なお, 各系構成員たる非上場会社数は三井系0, 三菱系4, 住友系1となっている。. 次に住友白水会をみよう, まず住友財閥をみれば戦前三井, 三菱と比べればスケールの小さい財 閥であっ た. 昭和1 2年企業払込資本金で全国比三井7. 3%, 三菱5. 2%, 住友2. 4%であっ た(第24 2 ) こ 表) 住友は戦時重工業化に沿 っ て発展するが, しかもなお, 前両者との差は依然として残 る1 , , 3 ) の財閥は最も重工業, 特に金属工業に比重をおいた財閥であっ た1 . さて, 住友白水会は21社よりなる,白水会は他系に先ん じて26年誕生 する,戦時下 の重工業拡大 4 ) それまでは住友合資は直系会社の株式 過程において直系会社の株式保有率は低下したとはいえ1 , 1 00%支配する純血の原則が貫か れていたこと,住友の各事業は銅を基盤とする技術関連で発達した こと, 社員は本社の一括採用 で住友系各企業に配置される前に住友財閥に入っ たこと, 銀行を中心 として戦前から信託, 生保に強力な金融力をもっていたことが, これを中心にいち早く社長会を結 5 ) 加えて前述三井 三菱に比べて相対的に小型 であっ たことも結 集せしめた客観的条件であっ たi , , 束を容易にした であろう. いま白水会構成会社(第22表)に絞っ てその系譜をみれば, 昭和1 2年, 住友の直系会社は住友鉱業 (戦後分離して住友石炭鉱業, 住友金属鉱山, 住友建設 (鉱業の土木部 門を継承分離)) , 住友金属 (これから住友軽金属分離) , 住友電線 (現住友電気工業) , 住友化学, 住友ア ルミ製錬, 住友機械工業 (現住友重機械工業) , 住友銀行, 住友信託, 住友生命, 住友 倉庫, 6 } これが直系の基幹であり こ 住友ビル, 大阪北港 (両者は現住友商事に包含) があるの であり1 , , れに現在構成員として住友林業 (旧住友本社の林業部門) 住友海上火災 住友セメン ト(前身 , , ,盤 ベ 城セメント) 住友 ークライ ト(三共より分 ) 日本板ガラス 住友不 離 日本電気が加わる 動産 , , , , ,. これらも直系もしくは準直系といわれるべきものである. 白水会はこのように住友の同根企業より. なる以上, 先述の理由もあっ て結束が堅いといわれる, 第23表にみるように白水会の株式の相互持 合は極めて濃密 である, しかし, 構成会社は三井系, 三菱系に比べて比較的小型であり(第25表) ,. 住友銀行系の鹿島建設, 旭化成, ノ i ・松製作所, 松下電器, 東洋工業といった巨大企業はむしろ白水 会の周辺外にある.とはいえ,三井系の二木会の東芝, トヨタのような巨大傍系独立派を含まないこ. とが結束力を強める作用をなしていると思われる, 白水会は他の グルー プ社長会以上に実質的協議 7 ) なお 住友 グルー プには社長経験者による白泉 機関として大きな役割を果しているといわれる1 , . 会, 副社長, 専務クラス組織の5日会があり, これまた結束の強化となろう . 次に富士銀行系芙蓉会をみよう. 金融財閥旧安田系金融機関中心に結集する社長会であり, 富士. 銀行, 安田信託, 安田生命, 安田火災を含めて2 9社よりなる (設立時25社) , 金融機関を持た ざる 旧来の中財閥系や戦前戦中の新興財閥企業の寄り合い結集 である, 芙蓉会の発足は41年 である, 大 55.
(15) . 信. 沢 口. 光. 建系の丸紅, 呉羽化学, 日産系の日立製作 所, 日産自動車, 日本油脂, 日本冷蔵, 昭和海運, 大倉 系の大成建設, 森系の昭和電工, 浅野系の 日本鋼管, 日本セメン ト, 根津系の東武鉄 道, 日清紡, 稀 薄成員となっ ている. したがっ て旧3大財 構成 日清製粉, 朝日新聞系の山陽国策 パル プその他資本系が 閥系のように同 根発生の企業意識をもっ 合とはかなり異ろう し, て構成される場 企業集団 第26表 の社長会( 2 ) 富. 士. 系 、. (芙蓉会). (29社). 富 安 安 安 大 日. 士 田 田 田 成 清. 銀 信 生 火 建 製. 行 託 命 災 設 粉. サ ッ ポロ ビー ル. 日 本 冷 蔵 日 清 紡 積 東 邦レー ヨン 山陽国策 パルプ 昭 和 電 工 呉羽 化学工業 日 本 油 脂 東亜燃 料工 業 日本セメント. 日 久 日 0日 沖 横 日 キ. 本 鋼 保 田 鉄 本 精 立 製 作 電 気 工 河 電 産 自 動 ャ. ノ. 管 工 工 所 業 気 車 ン. 丸. 紅. 東 東 京 昭. 京 建 物 武 鉄 道 浜 急 行 和 海 運. 第 一 勧 銀系. 第一 勧業銀行 朝 日 生 命 電 化 旭 日 本 軽 金 属 日 本 ゼ オ ン. 士 通 富 富 士 電 機 製造 古 河 鉱 業 古 河電気工業 横 浜 ゴ ム oi l崎陸会) 川 崎 汽 船 ; i l崎 重 工 業 i ; l 崎. 製. 鉄. J i l 鉄 商 事. 旧勧銀系 (15社会). 第一勧業銀行 兼 松 江 商 本 州 製 紙 電気 化学工業 二. 資. 共 生. 堂. 新 潟 鉄 工 日 本 コ ロ ン ビア. 安 川 電 機 西 武 百 貨 店 後楽園スタジアム 通. 日 産 火 災 日本勧業角丸証券 富 国 生 命. 会. 和. (三水会). 旧第一系. (古川三水会 理事会社1 0社 会員会社2 9社). 電. 0印は重複加 盟をあらわす. 三. (社長 ・会長 36社) 三 和 銀 行 東 洋 信 託 大 組 林 人. 帝 ユ. ニ. チ. カ. 宇 部 興 産 大 阪セメン ト 関 西 ペイ ン ト 徳 山 曹 達 日 立 造 船 積 水 化 学 藤 沢 薬 品 東洋ベアリン グ シ. 田 京 神 日 東. ャ. ー. 辺 製 阪 神 急 戸 製 鋼 商 岩 洋. ゴ. o プ. 薬 行 所 井 ム. 中 山 製 鋼 所 日 本 通 運 0日 立 製 作 所 山下新日本汽船 岩 崎 通 信 機 岩 谷 産 業 新 明 和 工 業 東 洋 建 設 日 綿 実 業 日. 立. 化. 成. 日 立 金 属 日 立 電 線 屋 島 高 ダイ ハ ツ 工 業 オリエントリース. 日 本 生 命. 芙蓉会は 「締めつけのない グルー プ」 と 8 ) 芙蓉会の結成に いう言葉も生れよう1 , ついては 「系列の 研究」 は次の3点を指 1 )旧財閥系その中 でも三菱, 住 摘する,( 友の両 グルー プは グループの結束を背景 に, グループ外の企業の分併, または提 携を強化するなど外延的拡充を図っ てお り, その他 グルー プにも同様の傾向がみ 2 )これからの(41年以降(筆 られること,( 者)) 産業再編成は旧財 閥, 巨大企業 グ. 3 )富士 ルー プを軸に進む見通し が濃い.( 銀行としてもこの波に 乗り遅れると預 金 高1位の 座が危くなるという 危機感であ 9 ) 41年以降は外資自由化に対処する る1 . 大型化の再編成の時期 であっ た. これを 要すると銀行側の危機感と産業の資本再 編成の要求の結合とみるこ とができる. 後にみる三和系三水会も同様 であろう.. ところで, 芙蓉会には巨大商社 丸紅のほ か, 使総資本 1兆円を越す日本鋼管, 日 立製作所(銀行系列 流動) ,日産自動 車(興. 銀系) が含まれ, 参 加 会 社 の 使 用 総 資 2兆6, 21 0億円, 年間売上高1 本9兆8, 784億円(丸紅除いてそれぞれ7兆6 ,856 00億円) という巨額とな 億円, 7兆1 ,3 0年) る (数字は5 . 芙蓉会の結束を補完 するものに不 二会(副社長 クラス) , 芙水. 会(企画部長 会) , 芙蓉懇談会がある. 旧 財閥に比べて結束力は劣るとしても, な お不況下にあっ て集団系企業の救援活動 0 } 面 でも 結 束 が み ら れ る2 ,. 次に三和銀行系の三水会をみよう, 同 系56社 のう ち36社 の加 入 (発 足 時24. 2年 2月の発足である. 主として大阪神戸を中心 社) よりなり, 社長会構成会社数 が最大である, 4 とした関西系, 中国地方系 グルー プの集りである, 元来関西は繊維資本系が大 き か っ た で あ る が, 日華事変以降重化学 工業資本が急速に伸長する. 関西系 では住友 グルー プが大きいが住友以外のグ 56.
(16) . 戦後の経済成長と金融機関を中心とする企業系列α 1 D. ルー プがここに結集する, 鈴木系の帝 人, 神戸製鋼, 日商岩井 日産系の日立製作所 (芙蓉会にも , 加入) , 日立造船, 日立化成, 日産金属, 日立電線, 山下系の山下新日本汽船, 長銀系 の日本通運, 関西資本系の日本生命, その他住友系以外の関西有力資本が構成員となっ ている ただ三水会 では , その結集 グループの数に比較して, あるいは他系の社長会に比べて商社がやや小型であり 諸企業 , の海外戦力を練る上からも日商岩井と日綿実業と合併 を望む声がある . 次に第一勧銀系をみよう. 第一勧銀系には第一勧銀と朝日生命と古川系8社よりなる 「古川三水 会」 があり, 川崎系4社による川崎睦会があり両者とも重工 業を重点とした企業の結集体 である , 古川三水会は40年古河 グループの連携強化をはかる意図の下に結成 理事会をもっ て グルー プ内の , 政策決定の最 高機関とし, 理事会10社のほかに関係会社をもっ て会員総会を結成する また古河グ , 1 ) 川崎睦会も41年結成する ルー プはこのほか各社の長老1 0人で結成する理事会諮問機関 をもつ2 . が, 瞳会は単に4社よりなるとしても川崎製鉄はその使用総資本12兆円を越える巨大会社 であり . 01 1鉄商事はその商業部門) , 川崎重工もまたわが国屈指の重工業会社 であり, 川崎汽船はわ が国海 運業の第3位を 占める大会社である これらはともに傘下会社の裾野は広いし 頭部4社の結集 は . , 4社間の結 集に止まらず下部に大きい影響を持つ このほか第一勧銀系の社長会には旧勧銀系15社 , 会がある, 45年の結成 である, この中には東銀系の兼松江商 三井銀行系の本州製紙 電気化 学工 , , 業, 三共も含まれている, もともと結束力も弱く 古川 三水会 川崎睦会に比すべくもな い 第一 , , , 勧銀系の統一体としての社長会「三金会」 の結成されるのは5 3年1月 であり, 本稿論述時点の以後 に属するも一言付言すれば三金会加入には前述3 グルー プのほか 従前住友系列 とされた巨大商社 , 2 伊藤 忠商事があり, このほか三和三水会との重複加入の巨大企業が目につく2 } . さて, ここ で再び本項社長会の冒頭にのべた山城氏による社長会の役割機能をふりかえると( 1 )か ら( 5域 での役割機能があった,各系の社長会の結束の強さの如何によっ て そして状況の如 何によ っ , 1 て( )から( 5ば でが, あるいはそのいずれかをとりつつ濃淡の度を異にしつつ機能しよう し 集団と , しての体動なりう ねりがあろう. (未完) 1) 三井不動産社長江戸英雄氏談 (系列の研究19 65年版9頁) 2) 元住友本社経理部長ノ k i f v l l忠良氏談 (同上9頁) 3) 山城吾郎 「金融寡頭支配における政策決定におけるメカニズム (上) 」(「経済」1 97 7,7月号) 4) 久保田晃 「三井」 5頁8頁参照 5)以上の区分は柴垣和夫「三井三菱の百年」8 4頁による系統図を基とした. その後の新設分の追加は春秋社編「明 治百年企業の歴史」 により追加した. 6) 久保田晃 「三井」3 4頁参照 7)明治27年三井元方の下に物産, 鉱山, 銀行と併立して工業部の設置があり 工業部の下に芝浦製作所 参勤捲 }紡 , , 績, 王子製紙が諸紡績製糸場と共に名を連ねている 三井は三井銀行の融資を媒介として経営権をにぎったので , ある. しかし工業部そのものは明治3 1年には解散する. 工業部諸事業の不振のため である 三井銀行をメインバ . ンクとしつつも以後傍系とされるゆえん である. 三井財閥はリスクの多い会社には準直系の場合ですら三井の名 を与えなかった, 例えば東洋高圧, 東洋レーヨンの如きである 電気化学も三井銀行の資本により 小野田セメ . , ントは三井物産の下 で発展した企業である. 8)三井銀行史によれば昭和5年末,最大貸出残高は東京電燈の40 ,15万円を筆頭に大口貸出三井関係7社をあげ, その中に三井物産と共に王子製紙, 芝浦製作所, 電気化学があるが 芝浦製作所はその中で貸出残高は46 7万円 , とあり, 15年末では1 80万円 (預金2 45万円) とあり, 常に三井銀行の大口貸出対象であった ,0 , 9) 東芝やトヨタ自動車の二木会参加について出本雄二郎氏の文を紹介すると 「東芝の二本会参加については土光 氏は 『円切上げの直後で, 将来の経営も難しくなるから……社長に参加してみるといった』 と語っているし ト , ヨタ自動車工業にしても業績が急速に拡大した半面, 中央情報にうといという問題があったので二本会に参加し たということのよう である」 とある(山本雄二郎「財閥の現在三菱三井」経済セミナー19 7 8,8号収載) . これに よってみても積極的に グループ結集の意図をみることができない . 57.
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