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米ぬか混和・太陽熱併用処理によるネコブセンチュウ防除および土壌微生物相に与える影響: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

米ぬか混和・太陽熱併用処理によるネコブセンチュウ防

除および土壌微生物相に与える影響

Author(s)

田場, 聡; 大城, 篤; 高江洲, 和子; 諸見里, 善一; 澤岻, 哲也

Citation

沖縄農業, 37(1): 21-28

Issue Date

2003-07

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/1483

Rights

沖縄農業研究会

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米ぬか混和・太陽熱併用処理による

ネコブセンチュウ防除および

土壌微生物相に与える影響

田場聡1.4).大城篤1).高江洲和子l).諸見里善一2).澤岻哲也3) (1)沖縄県農業試験場・Z)琉球大学農学部・a)沖縄県農試宮古支場・4)現琉球大学農学部) SatoshiTaba,AtsushiOoshiro,KazukoTakaesu,Zen-ichiMoromizatoand TetsuyaTakushi:Controloftheroot-knotnematodebysolarizationwith mixofthericebranandeffectofthatonthemicronoraofthesoiL 緒言 太陽熱処理法は,太陽熱により土壌伝染性の 植物病原菌,植物寄生性線虫および雑草を死滅 させる物理的防除法である.これまで様々な方 法により太陽熱処理法が行われてきた.世界で 最初の太陽熱処理はKatanら5)によって行わ れ,ポリマルチフィルムを用いた土壌病害防除 を目的とする露地太陽熱処理であった.その後, 世界各地の暖地で実施されてきた.日本では宮 沢15)がヤクヨウニンジンの根腐病に効果を認め て以来,イチゴ萎黄病,ホウレンソウ株枯病, ナス半身萎凋病,トマト萎凋病,トマト青枯病, レタスビックベイン病および植物寄生性線虫で 効果が確認されている6-10).最近では有機物混 和による発酵熱と太陽熱を併用した処理法も考 案されている'9). 沖縄県では細菌,糸状菌および植物寄生性線 虫による各種土壌病害が発生し多大な被害をも たらしている.これらの病害は,いずれも難防 除であり,現在拡大しつつある花卉・野菜など の産地形成化の大きな障害となっている.土壌 病害は一般的に臭化メチルやクロルピクリン, D-D剤等の土壌消毒剤によって防除が行われ ている. しかし,これらの薬剤は土壌生態系の撹乱, 人畜への直接的および間接的影響などが危倶さ れており,臭化メチルについてはオゾン層破壊 を理由に2005年に全廃される.このため,環境 に優しい防除技術の見直し,さらには新しい防 除技術の開発が切望されている.そこで,本研 究では,ネコブセンチュウ防除における露地型 米ぬか混和・太陽熱(数種被覆法)併用処理の 効果を検討し,さらに土壌微生物相に与える影 響についても調査したので報告する. 材料および方法 1.サツマイモネコブセンチュウの生存に及ぼ す温度の影響(/nW加) トマト(品種:ちびっ子)で継代飼育したサ ツマイモネコブセンチュウMりんjdbgw0c

jl2cqgソ、伽cofbidetwhite(2期幼虫)を実験

に供試した.ネコブセンチュウ(50.2頭)を分 離して試験管に入れ(1ml),各温度に設定し たウオーターバス(40,45,50,55および60℃, 対照25℃)に水面が浸るまで入れてインキュベー 卜した.死滅(不動化)は10,30,60,120, 240および1440分(24時間)ごとに処理後7日 後まで顕微鏡下で判定した.卵嚢については成

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沖縄農業第37巻第1号(2003) 22 こぶが認められる),2(こぶが散見される), 3(中程度確認される),4(根全体に渡って 認められる.こぶ同士が数珠状に連なる)の指 数評価を行い算出した.各区24株について行った 線虫密度調査は自活性線虫とサツマイモネコ ブセンチュウについて行った.土壌の採集は太 陽熱処理前,処理後および栽培終了後の3回行 い,処理前では圃場全体の任意の10地点から約 2kgの土壌を採集し,ベールマン漏斗法(2反 復)により209生士当たりの線虫数を計数した. 処理後および栽培終了後は各試験区の任意の10 地点(うね)から採集し,同法により線虫密度 を計数した. 熟卵嚢を試験管当たり5個入れ,2令幼虫の場 合と同様の温度区を設置したウォーターバスで インキュベートし,25℃条件に戻した後,孵化 幼虫の有無を確認した.死滅の確認は,25℃条 件で1週間幼虫の孵化が起こらないことで判断 した. 2.米ぬか混和・露地太陽熱処理 試験区は無処理,チオファネートメチル,1 重被覆,2重密着被覆,トンネル2重被覆区, クロルピクリン区および米ぬか単独混和区(元 肥として10a当たり3t混和)と米ぬか混和と上 記3種の太陽熱処理を組み合わせた3区(以後 併用処理)の計10区を設置し,試験区面積は3 ×4㎡,3うれ,高さ30cm,幅80cmで行った. 各試験区はそれぞれ1.5m離して畦シートで仕 切り,他試験区の影響がないようにした後に十 分に潅水(含水比20.2%)して太陽熱処理を行っ た(処理期間は2000年8月15日~10月2日). なお米ぬか無混和区は元肥として堆肥(商品名: みのり堆肥)を10a当たり3t混和した.本試験 は沖縄県農業試験場園芸支場のサツマイモネコ

ブセンチュウ(M/ojdqgW0e伽cqgソ、伽Kofbidet

White)汚染圃場で行った. 5.土壌微生物相調査 太陽熱処理前後に試験区から土壌を採取し, 寒天平板希釈法22)により細菌および糸状菌を分 離し,細菌については菌数のみ,糸状菌につい ては菌数および菌相について調査を行った.分 離した糸状菌はコーンミール寒天斜面培地 (CMADifbo社製)で培養し,光学顕微鏡で 形態観察を行い,属レベルの同定を行った. 結果および考察 1.被覆法の検討 施設での太陽熱処理では,地下20cmで45~50 ℃まで温度上昇することが確認されているが, イスラエル5),西日本1.3.20)で行われた露地型 太陽熱処理では,地下20cmで40℃しか上がらな い.しかし,1999年8月に沖縄県農業試験場内 圃場で行った測定結果では,同じ深さにおいて, 1重被覆で46.9℃,トンネル2重被覆で47.5℃ まで温度上昇が確認されている(未発表データ). 伽Dj的における実験では,サツマイモネコブ センチュウ2期幼虫の死滅温度が40℃で4時間, 45℃以上では10分,卵嚢内の卵では40℃で24時 3.生育・収量調査 太陽熱処理後,オクラ(品種:ブルースカイ) を1畦当たり8本,計24本定植(2000年10月6 日)し,葉長・葉幅,草丈,茎直径および果実 収量(個数)について行った調査は2001年1月 6日に行った.なお畝幅80cm畝間30cmで行った. 4.根こぶ指数および線虫密度調査 根こぶ指数は各試験区のオクラを2001年1月 6日の栽培終了時に抜き取り,Oにぶの形成 が認められない),1(根全体に非常に僅かに

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田場・大城・高江洲・諸見里・潔岻:米ぬか混和・太陽熱併用処理によるネコブセンチュウ防除および土壊微生物相に与える影響23 間,45℃で1時間,50℃以上では10分で死滅す ることが明らかとなった(表1).また土壌病 原菌の中で耐熱性が高いとされている

月⑬αγ池”α【),SPojw”の死滅に要する温度が40

~45℃であることから,処理期間中の天候に左 右されるが,沖縄における露地型太陽熱処理は, ネコブセンチュウに対してだけではなく,土壌 病原菌(タバコモザイクウイルス・TMVなど ウイルス性土壌病害や黒点根腐病菌を除く)に も利用できる可能性があると考えられる. く2重密着区およびクロルピクリン区は他の区 に比べ大きくなる傾向が認められた.葉の幅に ついても同区で同じ傾向が認められた.草丈は, 米ぬか単独混和区を除く全ての米ぬか混和区 (トンネル2重,2重密着,1重被覆区)で大 きくなる傾向が認められた.茎の太さは全ての 米ぬか混和区およびクロルピクリン区で太くな る傾向が認められた.果実収量は1重被覆,米 ぬか混和した1重被覆,米ぬか単独混和区で高 く,最も収量の高かった区は米ぬか混和した1 重被覆区であった.米ぬか混和した2重被覆, 同じく2重密着被覆区は無処理区と同等の収量 であった(表2). 植物体の葉長・葉幅の大きさ,草丈,茎直径 などの生育および収量調査から判断して,最も 良い処理は米ぬか混和した1重被覆区であると 考えられる.同じ米ぬか混和条件であっても, 被覆法が異なると,特に収量に影響が出ること が明らかとなった. トンネル2重被覆区および密着2重被覆区で は,無処理区に比べ,収量が低下している.こ れは熱による土壌中の微生物相およびオクラに 対する植物生長促進性細菌や糸状菌の減少ある いは消滅によるもの,または熱による土壌成分 表1.サツマイモネコブセンチュウ2期幼虫 および卵(卵嚢)の生存に及ぼす温度 の影響. 温度(℃) サンプル40 4550-60 2令幼虫2401)10 10 卵嚢144060 10 1)単位(分) 2.米ぬか混和・太陽熱処理のオクラの生長お よび収量に及ぼす影響 数種ビニール被覆のオクラの生長および収量 に及ぼす影響を調査した結果,葉の大きさ(長 さ)では,トンネル2重被覆,米ぬか単独混和 区,米ぬかを混和したトンネル2重被覆,同じ 表2.オクラの成長および収量に及ぼす各種処理の影響. 葉(長)葉(幅) 草丈 茎(太さ)収量(個) 試験区 2重トンネル被覆 2重密着被覆 1重被覆 2重トンネル(米ぬか) 2重密着被覆(米ぬか) 1重被覆(米ぬか) 米ぬか ホスチアゼート粒剤 クロルピクリン 無処理 101.3±9.0 102.1±17.6 107.5±11.7 131.2±10.1 140.2±17.7 124.9±23.8 121.3±16.5 107.1±9.2 104.4±11.5 86.0±14.9 3434364353 ●●●●●●●●●● 0000000000 士十一士士士士士十一士士 3318877260 ●●●●●●●●●● 2222222222 2231133221 8809682138 1168900680 22.9±2.3 22.1±3.5 17.2±1.9 25.0±2.1 25.1±2.9 23.7±4.5 22.8±2.5 21.8±2.4 24.7±2.7 20.0±1.5 2788170789 3523464233 +一十一士士士士士士士十一 9436347396 1072311927 3323333232 1)平均±標準偏差. 注)栽培期間(2000年10月6日~2001年1月6日)

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沖縄農業第37巻第1号(2003) 24 %),米ぬか単独混和(21%),2重トンネル 被覆区(10%)の順で,米ぬか混和・太陽熱 併用処理区では,いずれもネコブ指数は0.0% であった(表3).以上のことから,米ぬか混 和と太陽熱処理を併用することで,より防除効 果が高まると考えられる. 土壌中の線虫密度を調査した結果,太陽熱処 理後,最もネコブセンチュウ密度が高かった区 は,無処理区(7.5頭/20g生士)であった. これに対し,米ぬか混和したトンネル2重被覆, 同じく1重被覆,米ぬか単独混和区およびクロ ルピクリン区の4区ではネコブセンチュウが検 出されなかった. また処理後の自活性線虫密度は米ぬか単独混 和区(36.0頭/20g生士),クロルピクリン区 (38.5頭/20g生士)で高く,栽培終了後には 1重被覆区および米ぬか混和した太陽熱処理区 での自活性線虫の増加がみられた(表4). このことから,2重被覆した太陽熱単独処理 に比較して,1重被覆および米ぬか混和併用区 では栽培終了後の自活性線虫数がある程度回復 することから,自活性線虫個体数に対する影響 (養分)に対する影響による可能性も考えられ た.太陽熱処理を行うと,土壌中の硝化作用に 関与すると考えられるアンモニア酸化成菌,亜 硝酸酸化細菌は激減する7)ことから,通常の土 壌に比べて硝化作用が抑制され,その後のアン モニア態窒素の蓄積は太陽熱処理やクロルピク リンなどでも死滅しないaUC"ノi`SS"肱/isが関 与していると考えられている4).太陽熱処理に おける米ぬか併用処理は,土壌中における消化 作用回復の手助けになると考えられる.また米 ぬかを混和した土壌から菌の分離を行うと多数 のBZZc"伽属菌が分離されることが明らかとなっ ている2,.BCzc"〃sspの培養濾液がキタネグ サレセンチュウ(PmlMc"肋Z4SpeMmlZS)を致 死させることが報告されている23)ことから,本 菌がネコブセンチュウの密度低下に寄与してい る可能性も考えられている. 3.根こぶ指数および土壌線虫密度 最も根こぶ指数が高かった区は無処理 (300%)で,次にホスチアゼート粒剤(26.3 %),2重密着被覆(12.5%),1重被覆(2.1 表3.試験区別の根こぶ指数. 詞[鰯61〆 司数一'1.0 ILO(1001 5.30-0300 l)I:2重トンネル被覆区,Ⅱ:2重密着被覆区,Ⅲ:1重被顧区,Ⅳ:2重トンネル被覆・米ぬか混和区,V:2重密着 被覆・米ぬか混和区,Ⅵ:1重被覆・米ぬか混和区,Ⅶ:米ぬか混和区,Ⅷ:ホスチアゼート粒剤区,Ⅸ:クロルピクリ ン区,X:無処理区. 2)ネコブ指数(%)=2(階級値×その植物体個体数)×100/調査個体総数×4. 表4.太陽熱処理後および栽培終了後の自活性線虫とネコブセンチュウ密度(頭/209生±) 試験区 I〃ⅡⅢⅣVⅥⅦⅧⅨX F2)RFRFRFRFRFRFRFRFRFR 土壌採集 1)I:2重トンネル被覆区,Ⅱ:2重密着被覆区,Ⅲ:1重被榎区,Ⅳ:2重トンネル被覆・米ぬか混和区,V:2重密 着被覆・米ぬか混和区,Ⅵ:1重被覆・米ぬか混和区,Ⅶ:米ぬか混和区,Ⅷ:ホスチアゼート粒剤区,Ⅸ:クロルピ クリン区,X:無処理区. 2)F:自活性線虫,R:ネコブセンチユウ. 注)太陽熱処理前調査では自活性線虫1.2頭/209生士、ネコブセンチュウ10/20g生士であった.

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田場・大城・高江洲・諸見里・鰐岻:米ぬか混和・太陽熱併用処理によるネコブセンチュウ防除および土壇微生物相に与える影響25 が緩和されると考えられる. が分離され,〃"jc伽"”およびPhjZz"hom属 菌が優占であったが,処理後では,太陽熱処理 を行った区では,2重被覆(米ぬか混和)区を

除いて,いずれもAW'19ノノノb`s属菌が非常に高い

優占率(90%以上)を示した.属数で比較して も全太陽熱処理区で属数の減少が確認された

(表6).太陽熱処理を行うことで,AW“""s

属菌が優占になることから,本属菌は熱に対し て高い耐久性を有していると考えられる. Kmzz〃ら5)は、土壌消毒後に残存する耐熱性を 有した微生物群が外部からの新たな病原菌の侵 入を防止していると推察している.このことか ら,本試験で太陽熱処理後、優占となった 4.露地太陽熱処理の土壌微生物相に与える影響 細菌の調査ではクロルピクリン区に比べ,ト ンネル2重被覆区を除く全太陽熱処理区および 米ぬか混和太陽熱併用処理区では,効果が劣り, トンネル2重被覆区のみ効果が勝った.また糸 状菌の調査では,最も殺菌効果が高い処理区は トンネル2重被覆でクロルピクリン以上の殺菌 効果が認められ,2重密着被覆,1重被覆区は クロルピクリン区と同等の殺菌効果であった (表5). 太陽熱処理,米ぬか混和前では9属の糸状菌 表5.太陽熱処理後の細菌および糸状菌数に及ぼす影響. 試験区I ⅡⅢⅣVⅥⅦⅧⅨX 1.0×1070.8×1082.5×1081.4×1081.6×1081.9×108-21.2×106211×108 1.7×1051.2×1059.4×1068.1×1072.6×1072.1×107-5.4×1052.8×107 菌82×106 状菌8.8×103 細 糸 1)I:2重トンネル被覆区,Ⅱ:2重密着被覆区,Ⅲ:1重被覆区,Ⅳ:2重トンネル被覆・米ぬか混和区,V: 2重密着被覆・米ぬか混和区,Ⅵ:1重被覆・米ぬか混和区,Ⅶ:米ぬか混和区,Ⅷ:ホスチアゼート粒剤区, Ⅸ:クロルピクリン区,X:無処理区. 2)-:調査していない.

注)処理前の菌数(細菌:2.4×107/g土,糸状菌:2.1×106/g土).

表6.太陽熱処理前後の糸状菌相に及ぼす影響. 試験区 属名I')ⅡⅢⅣVⅥⅦⅧⅨX処理前 20 皿22 AspeUjノノ"s Qz"djda aadospo河"m Czmノ"mJjZz Fz‘Samイm HtUmjcoJa MiJcoγ Pbecjノomz/ces Pb"jcjJJi"加 肋、ノOP/zo7zz p/Zo??za SZZzchgbot河S UM"02"〃 929898 96928 4 4 22 48朗4卯 48 16 56 56 32 100 珊刈22m 8 2 8 816 622 属数計 2111225 369 1)I:2重トンネル被覆区,Ⅱ:2重密着被覆区,Ⅲ:1重被覆区,Ⅳ:2重トンネル被覆・米ぬか混和区, v:2重密着被覆.米ぬか混和区,Ⅵ:1重被覆・米ぬか混和区,Ⅶ:米ぬか混和区,Ⅷ:ホスチアゼート 粒剤区,Ⅸ:クロルピクリン区.x:無処理区. 注)-:調査していない.表内の数値は%を表す.

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沖縄農業第37巻第1号(2003) 26 AW'igj1伽属菌が同様な効果(この場合はネコ ブセンチュウの増殖抑制)を行っている可能性 も考えられたが,mvitroではネコブセンチュ ウの生存あるいは運動性に対する影響は認めら れなかった. トンネル2重被覆のように,単に土壌温度を 上げると極端な土壌微生物数の減少が起こり, 微生物と自活性線虫数が激減すると考えられる. 強力な殺菌・殺虫効果を有しても,土壌自体の 緩衝効果を無くすことによって,病原菌や有害 線虫の侵入・増殖を促す結果になる可能性もあ る.実際,殺菌土では,静菌作用を減少させ, 外部からの病原菌の侵入により,無処理以上の 被害を受けることが報告されており'4),病原菌 の増加は他の土壌微生物の活動が大きく関与し ていることが多くの研究者によって報告されて いる2.11,12.18.23) る排泄物(アンモニア)がネコブセンチュウを 不動化させる可能性を示唆している. このように米ぬか単独(耕種)の効果も優れ ているが,太陽熱処理(物理的)を組み合わせ ることで,より高い防除効果が得られると考え られる.また本研究では米ぬか煮汁がネコブセ ンチュウを不動化させ,1日後には致死させる 場合があることが判明している(データ未記載). つまり,土壌に混和した米ぬかに熱(太陽熱) が加わることにより,ネコブセンチュウの死滅 あるいは不動化に関与する何らかの物質が土壌 中に浸出することで,さらに防除効果が高まる と推察される.これらの物質については今後検 討する必要がある. 今回検討した露地太陽熱処理法は,オクラに ついてであり,本方法が他の作物についても有 効であるかどうかは不明である.ただし,土壌 殺菌効果についてはトンネル2重被覆はクロル ピクリンに勝る効果が認められ,施設型太陽熱 処理と同レベルの殺菌効果を有すること,また ネコブセンチュウの密度低下についていうなら ば,米ぬか混和・太陽熱併用処理法は非常に高 い効果があると言える.本方法はコスト面から, 特に苗床消毒や集約型栽培圃場での利用が望ま しいと考えられる. 今後は,作物別の米ぬか混和量(成分率,N: P:K)や他の土壌成分に関する試験を推進す る必要があると考えられる.加えて潅水方法に ついても検討が必要である. 2005年の臭化メチル全廃や環境保全の立場か ら,環境に優しい持続型防除技術の開発が切望 される現在,本試験が,その一助になれば幸い である. 5.総合考察 本試験の結果から,ネコブセンチュウの防除 効果,植物体の生長・収量に及ぼす影響,殺菌・ 殺虫効果等から判断して,米ぬかを混和した1 重被覆区が最も良いと考えられた. 有機物土壌混和におけるネコブセンチュウ密 度抑制効果は,中園ら'7)により報告されている. 本報告では数十種類の有機物混和によるネコブ センチュウ密度抑制効果を検討しており,特に 米ぬか(腰高シャーレ試験)の効果が高いこと を報告している.有機物混和の効果として,物 理的移動阻害,天敵微生物の増殖,低級脂肪酸 やフェノール類の作用などが考えられている. 松山'3)はモロヘイヤにおいてネコブセンチュウ に対する米ぬかの防除効果を報告している.ま た諸見里ら!`)は米ぬかを土壌混和すると,士壌 中の細菌が爆発的に増加し,続いてこれを餌と する自活性線虫群が増加する.これらが放出す 摘要 本研究では,露地における米ぬか混和・太陽

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田場・大城・高江洲・諸見里・潔岻:米ぬか混和・太陽熱併用処理によるネコプセンチュウ防除および土壊微生物相に与える影響27 熱併用処理のネコブセンチュウに対する効果を 検討した.その結果,植物体の成長および収量 が良く,最もネコブセンチュウに対する防除効 果が高い処理法は,1重被覆・米ぬか混和併用 処理であった.太陽熱処理単独,米ぬか混和・ 太陽熱併用処理の土壌微生物に及ぼす影響を調 査した結果では,両処理とも糸状菌数の低下が 認められたが,後者では緩和された.また線虫 密度に関しても,前者ではネコブセンチュウだ けでなく,自活性線虫に対しても影響が強いが, 後者ではやや緩和された.以上のことからオク ラのネコブセンチュウ防除において最も有効な 処理法は1重被覆・米ぬか混和処理であると考 えられた. bythecombinationaltreatment・Asfbrthe nematodedensity,thesinglesolarheating hadastronginfluenceonfree-hving nematodesaswellasonsouthernroot-knot nematodebutitwasalleviatedbythe combination・Fromtheresultsmentioned above,itisconceivablethatthebest controlmethodofsouthernrootknot nematodemfestedonokraiscombmation methodofsinglecovenngandricebran treatments. 引用文献 1)合田薫・神納浄1978.ハクサイ根こ ぶ病の発生生態と防除に関する試験.近畿 中国地域試験研究打合せ資料:137. 2)Baker,KF.,NT・F1entje.,C、M、 OlsenandH・MStrettonl967・Effbct ofantagonistsongrowthandsurvival ofR肱0cm"ねso伽ノinsoiLPhytopathology 57:591-597. 3)家村浩海・中野昭信1978.レタスビック ベインに関する研究.昭和53年近畿中国地 域試験研究打合せ資料:135. 4)日高醇・清水忠夫1951.1クロールピ クリンによる土壌消毒の病害防除の効果. 泰野たばこ試報37:1-23. 5)Katan,J,A・Greenberger,H・alonand A・Grinstein、1976.Solarheatmgby polyethylenemulchingfbrthecontrol ofdiseasescausedbysoil-borne pathogensPhytopathology66:683-688. 6)小玉孝司・福井俊男1979.太陽熱とハウ ス密閉処理による土壌消毒法についてI・ 土壌伝染性病原菌の死滅条件の設定とハウ ス密閉処理による土壌温度の変化奈良農 謝辞 本試験を行うに当たり,実験圃場を提供して 頂いた沖縄県農業試験場園芸支場,根茎研究室, 金城鉄男室長および試験区設置に協力いただい た村本世利朝氏に深い感謝の意を表する. Summary lnthisstudytheeffectofuseofricebran togetherwithsolarheattreatmentinthe fieldsonsouthernroot-knotnematodethat isoneoftheimportantparasiteonokrais examinedAsaresult,thetreatment havingmosteffbctivenessoncontrollingthe nematodeandontheplantgrowthandon theyieldwasthecombinationofthesingle covenngandricebranmixturemethod Theeffbctofsingletreatmentwithsolar heatandusmgricebranandsolarheatin combinationonthemicronorainsoil showedthatfUngidecreasedinnumberon bothtreatmentsbuttheeffbctwasrelieved

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沖縄農業第37巻第1号(2003) 28 死滅温度と本病防除への適応.農業および 園芸45:279-1280. 16)諸見里善一・古我知信・田場聡2000. 有機物施用によるネコブセンチュウの減少 とそのメカニズム.日線虫誌30:63.(講 要). 17)中園和年1990.有機物施用と線虫被害. 植物防疫44:17-20. 18)Olsen,CM・andK.F、Baker、1968. Selectiveheattreatmentofson,andits effectontheinhibitionofRノ'た0cm"jtz so伽jbyaZc"ん`ss"b/"is、Phytopathology 58:79-87. 19)白木已歳1999.臭化メチルに頼らないハ ウスの新しい太陽熱処理法.農文協.東京. 1-134. 20)鈴木久弥・高橋克征・片岡光信1978.露 地太陽熱利用による根こぶ病防除に関する 試験.近畿中国地域試験研究打合せ資料: 132. 21)田場聡・諸見里善一2003.沖縄県で発 生する土壌線虫病の生物的および耕種的防 除法一とくにサツマイモネコブセンチュウ について-.日本植物病理学会バイオコン トロール研究会誌8:49-61. 22)脇本哲1993.植物病原性微生物研究法. ソフトサイエンス社.東京.469-470. 23)Walker,JT.,Specht,OH・andBekker, J・F,1966.Nematocidalactivityto Pratylenchuspenetransbyculture fluidsfromactynomycetesandbacteria Phytopathologyl2:347-351. 24)Warcup,』.H・l95LEffectofpartial sterilizationbysteamoffbrmalmon

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