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紹介 河合正弘・深作喜一郎編著/監訳, マイケル・G・プランマー, アレクサンドラ・トルチアック=デュヴァル編著『開発のための政策一貫性 -- 東アジアの経済発展と先進諸国の役割』

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Academic year: 2021

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紹介 河合正弘・深作喜一郎編著/監訳, マイケル

・G・プランマー, アレクサンドラ・トルチアック

=デュヴァル編著『開発のための政策一貫性 -- 東

アジアの経済発展と先進諸国の役割』

著者

東方 孝之

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジア経済

47

10

ページ

69-69

発行年

2006-10

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00007435

(2)

 『アジア経済』XLVII‐10(2006.10)

   

 政策の一貫性が途上国の発展のために望ましいこ とは,おそらく誰もが認めるところであろう。ミレ ニアム開発目標でも目標のひとつとして位置づけら れていることからもその重要性は窺える。では実際 に,OECD諸国の政策は途上国,なかでも「東アジ アの奇跡」ともてはやされた地域の発展にどのよう に貢献してきたのだろうか。これが本書における中 心課題とされる。  第1部(第1章)では,1980年代半ば以降の東ア ジアの発展を概観し,その政策課題を論じた上で, OECD諸国がとるべき政策一貫性の課題を列挙して いる。続いて第2部(第2∼7章)ではOECD諸国 の政策がもたらす相互作用ならびに影響をみていく。 第2章では,途上国と先進国との経済的・金融的な 相関関係を分析した結果を紹介し,第3章では,ア メリカ・EUの貿易政策における一貫性の明らかな 欠如を例示し,その原因は先進国の国内政策の形成 過程にある,とする。第4章では日本の貿易関連政 策に焦点を当て,さまざまな政策が一貫性に十分な 配慮なく策定・施行されてきたことを明らかにして いる。第5章では,インドネシア,ベトナムを事例 として,OECD諸国の農業政策が両国の貧困削減に 与えた影響を検討している。第6章では援助の役割 について,アメリカ,オーストラリア,日本をとり あげ,日本の援助政策と外交政策(二国間FTA優先 策)には矛盾があり,東アジアの地域協力に関して 一貫性のある政策を採用できていないことを指摘し ている。第7章では直感的な比較優位の変化による 汚染回避仮説が単純にあてはまらないとする実証結 果を紹介し,政策・環境・経済という集合体がアジ アの発展途上国の環境に好影響をもたらしてきた, という点で政策の一貫性があったとする。  第3部は5つの章から構成されている。第8章で はOECD諸国が東アジアの経済統合促進にあたって 重要な役割を担ってきたことを強調し,途上国が OECD諸国の政策から便益を得るには,国内政策, 制度・統治の基盤を強化しなければならない,とい うことを教訓として導き出す。第9章では東アジア における貿易と外国直接投資(FDI)を分析し,重 層的経済発展を触発した貿易― FDIの相互依存関係 の形成にOECD諸国が重要な役割を果たしたことを 指摘する。第10章では韓国をとりあげ,先進国はそ の経済発展への影響という観点からは,完全に首尾 一貫した政策をとっていたわけではないこと,そし て第11章では中国の経済成長を,国際援助,国際的 な協議,FDI,WTO加盟という4つの国外要因に注 目して概観する。第12章では労働移動の傾向を,高 度熟練労働者の動きに焦点を当てながら概観し,第 4部ではこれまでの章を参考にしつつ,CLMV諸国 (カンボジア,ラオス,ミャンマー,ベトナム),南 アジア,中央アジア,ラテンアメリカの開発のため にOECD諸国が果たしうる役割が述べられている。  各章とも先行研究をもとにうまくまとめられてお り,関心分野についてのサーベイ論文として参考に なるだろう。しかし,650ページもの分量にもかか わらず索引がない(原著にもない)のが難点である。 また,内容についても通読後もの足りなさが残った が,それは主にOECD諸国側の分析が欠如している ことからくるように思う。先進国内・国家間で政策 一貫性を達成することは,その多様な利害関係調整 コストを考えると困難であることは想像に難くない。 よって,もしOECD諸国による政策の一貫性が容易 に達成できないことが明らかとされるのであれば, 結局は先進国の政策から便益を得られるよう努力す る(第8章),という経路しか途上国側には残されて いないことにならないだろうか(もしくは第3章の, 途上国から先進国側へ圧力をかけるという興味深い 提案もあるが)。今後のさらなる研究を待ちたい。 (アジア経済研究所新領域研究センター)

河合正弘・深作喜一郎編著/監訳,マイ

ケル・G・プランマー,アレクサンドラ・

トルチアック=デュヴァル編著

『開発のための政策一貫性

――東

アジアの経済発展と先進諸国の役割――

東 方 孝 之 ひがし かた たか ゆき 明石書店 2006年 650ページ

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