授業評価 にお ける授業満足度 の構成 要因
八 ッ橋 武明
-Factors Influencing
Degree
of Students'
Satisfaction
with Courses
Takeaki Yatsuhashi
Recently in various, universities including Bunkyo University, course evaluation by students is
actively encouraged.
However, little has been written about practical use of evaluations.
Although
the
author has conducted
course evaluations,
it was without a definite idea of how to utilize the evaluation
results. He finally considered
that course evaluations
should be utilized in order to raise the students'
degree
of satisfaction
with their courses.
What, then, are the factors which lead to students' satisfaction?
In this paper, factors which influence
students' degree of. course satisfaction
are derived using factor
analysis
and regression
analysis
for the data sets gathered
from the courses the author was taking charge
of. At first, analysis
is tried on the six courses independently,
then the results are compared
and the main
factors common to the all courses which influence the degree of satisfaction are extracted. The first
strongest
factor is lesson content
which is understandable
and seems useful to the students.
The second
factor is communications
between
students
and teacher.
1.は じ め に 最 近 は 大 学 冬 の 時 代 が 叫 ば れ 、 同 時 に生 き残 り を 目指 し た大 学 改 革 の 動 きが 広 が る 中 で 、 学 生 に よ る授 業 評 価 の 実 施 が 広 く行 わ れ る よ う に な りρ つ あ る。 文 教 大 学 情 報 学 部 は学 部 創 設 の 初 期 か ら授 業 評 価 を励 行 して き て い る た め 、 授 業 評 価 を実 施 し て い る教 員0比 率 は か な り高 い ζ とが 小 林(1993)に よ っ て報 告 さ れ て い る 。 同報 告『は少 し前 の デ ー タで あ る が 、80%の 教 員 が授 業 評 価 の 実 施 輝 験 者 とな っ て い う 。 こ れ は他 大 学 と比 レ て もか な り高 い 値 と の こ とで 、喜 ば しい こ と で はあ る 。 この 様 に実 施 経 験 が高 い授 業 評 価 で あ るが 、 調 査 結 果 が どの 様 な もの で あ った の か 、 また 調 査 結 果 を どの 様 に活 用 して い る か の 点 に な る と、 公 表 され る知 見 は ほ と ん どな い 。捜 業 向 上 の 自助 努 力 の た め の 調 査 と言 う位 置 づ け が あ り、 さ ら に 内 容 の 性 格 上 か ら、 本 来 的 に 公 表 され に くい た め と考 え られ る。 た だ し例 外 的 には 、 学 生 へ の 情 報 公 開 の 一 環 と思 わ れ るが 、 ホ ー ム ペ ー ジ上 で 紹 介 され て い る も のが あ る(サ イ ト例1)。 文 教 大 学 以外 で も同様 な報 告 は ホ ー ム ペ ー ジ上 で 紹 介 さ れ て い る もの が あ る(サ イ ト例2)。 検 索 をか け る と、 そ れ らの結 果 の 幾 つ か を知 る こ とが 出 来 る。幽 さ らに こ れ は 情 報 学 部 で の事 例 で は な い が 、 調 査 結 果 の 紹 介 に留 ま らず 、 調 査 を活 用 した 授 業
向 上 例 を丹 治(1996,1997)が 詳 し く報 告 して い る 。 こ れ は 注 目す べ き希 な例 で あ る。 丹 治 は授 業 評 価 で 「教 師 に対 して 質 問 が しや す い 」 の 評 価 点 が 低 か っ た の で 、 次 の改 善 策 を行 っ た 。 毎 回授 業 終 了 時 に 「意 見 ・質 問 用 紙 」 を 配 り、 質 問 ・意 見 を 自 由 記 入 させ て 回収 し、 次 回 まで に 質 問 ・ 意 見 とそ の 回答 を プ リ ン トに して 全 員 に配 付 す る 。 そ の 結 果 、 学 生 の疑 問 に 応 え る こ とが 出 来 、 か つ 「質 問」 と 厂回答 」 の 連 鎖 で の紙 上 討 論 も起 こ っ た り して 、 学 生 との 意 志 疎 通 が 向 上 した 。 そ の 結 果 、 この 項 目で の 学 生 の 授 業 評 価 は相 当 に向 上 した こ とが 報 告 さ れ て い る 。 実 は こ の 授 業 は 申 請 学 生 数 は、300∼350人 程 度 、 出席 者 数 は200人 ∼250人 程 度 の 大 規 模 授 業 で あ り、 報 告 者 の 作 業 量 と努 力 の 大 きさ を思 う と、 心 か ら敬 意 を払 わ ず に は い られ な い もの で あ ろ う。 授 業 評 価 の調 査 結 果 の 活 用 は 、基 本 的 には 教 員 の 自助 努 力 に任 され て お り、 各 教 員 は鋭 意 努 力 を して い る と思 わ れ る が 、 活 用 例 が 紹 介 され に くい の は 、 活 用 の ノ ウハ ウが 未 熟 で 、 ま だ 開 発 ・ 周 知 が な さ れ て い な い 点 もあ る と思 わ れ る 。 筆 者 の 場 合 、 か ね て か ら授 業 評 価 を 実 施 して きて い る が 、 沢 山 の 評 価 項 目が あ る 中 で 、何 に具 体 的 な 努 力 を集 中 す る か と な る と、 な か な か 見 当 が つ き に くか っ た記 憶 が あ る 。 そ こで あ る 時 点 か ら 、 か な り一 面 的 で は あ るが 、 評 価 の 視 点 を次 の よ う に整 理 す る こ と を試 み た。 授 業 評 価 で は教 師 が 学 生 か ら色 々 な 意 見 を聞 い て お り、授 業 で注 力 した教 師 の 努 力 項 目が ど の 様 に 評 価 され る か は もち ろ ん重 要 な こ とで あ る が 、 そ れ らの 結 果 が どの 様 に受 講 生 の授 業 に 対 す る満 足 度 を高 め た の か 、 も重 要 な知 見 で あ る 。 も しこ の 関係 が 分 か れ ば 、 学 生 の 授 業 満 足 度 を高 め る に は 、 何 に注 力 す る の が 効 果 的 か が 明 らか に な り、 調 査 結 果 の 活 用 が相 当 に 容 易 に な る と考 え られ る。 そ こで 最 近 の筆 者 の 幾 つ か の授 業 の授 業 評 価 デ ー タ を用 い て 、 授 業 満 足 度 が どの 様 な 評 価 項 目 か ら構 成 され る の か を 明 らか に す る こ と を試 み た 。 現 段 階 で は ま だ 色 々 と不 備 な 点 は あ るが 、 当 面 の分 析 結 果 は か な り単 純 で 、場 合 に よ っ て は何 らか の 役 に 立 つ こ と も あ る と思 わ れ る の で 、 以 下 の 報 告 を行 うこ と と した 。 2.事 例 に み る満足 度 の分 析 こ の 報 告 で 取 り上 げ た 科 目 は 、99年 度 と2000年 度 春 学 期 に 筆 者 が 担 当 した 広 報 学 科 専 門 科 目6 科 目で あ る。 具 体 的 に は、99年 度 コ ン ピ ュ ー タ と通 信A(春 学 期)、99年 度 コ ン ピ ュ ー タ と通 信B (秋 学 期)、99年 度 情 報 社 会(春 学 期)、99年 度 コ ン ピ ュ ー タ基 礎 ・応 用 演 習(通 年)、2000年 度 コ ン ピ ュ ー タ と通 信A(春 学 期)、2000年 度 情 報 社 会(春 学 期)で あ る 。(こ れ らは 後 に は 、99コ ン ピ ュ ー タ と通 信Aの よ う に略 記 す る 。)受 講 生 の 少 な い 科 目は デ ー タ数 が 小 さ い た め に 、 分 析 対 象 か らは 除 外 した。 これ らの 科 目の 中 か ら、 以 下 で は2000情 報 社 会 を分 析 の紹 介 の事 例 と して取 り上 げ 、 以 下 で 説 明 し て い く。 さ ら に そ の 後 に 、 同 様 な 分 析 を 行 っ た 他 の5科 目 も含 め 、6科 目 につ い て 横 断 的 に分 析 の結 果 を比 較 して、 主 な傾 向 を整 理 し、 知 見 を ま とめ た 。 2.1分 析 の 方 法 (1)デ ー タ計 測 法 授 業 評 価 にお け る デ ー タの 入 手 は、 一 般 的 に行 わ れ て い るの と同 様 に、 最 終 授 業 時 間 の 最 後 に 、
受 講 生 に調 査 票 とマ ー ク シ ー トを配 布 し、 無 記 名 で 回答 を得 て い る 。 こ の科 目で利 用 した 調 査 票 を 図1に 示 す 。 各 評 価 項 目 と もに 、 「1.そ う思 う」 ∼ 「5.そ う思 わ な い」 まで5段 階 で 評 価 値 を 得 て い る 。 通 常 利 用 さ れ て い る調 査 項 目 に、 幾 つ か の 意 図 が あ っ て 、 独 自 の項 目 を付 け加 え て い る 。 例 え ば 厂7.教 師 は授 業 に 熱 心 で あ る」 ∼ 「9.教 師 に は 威 厳 を感 じ る」 は 、 教 師 の 印 象 そ の もの が授 業 満 足 度 に 影 響 す る可 能性 が あ る と の 同 僚 の示 唆 に基 づ い て 、 そ の 可 能 性 を探 る た め に加 え た も の で あ る 。 こ の様 な 評 価 項 目に つ い て デ ー タ を入 手 した 。 (2)分 析 の 方 法 具 体 的 な 分析 結 果 の 報 告 に入 る前 に、 こ こで 採 用 した 分析 法 を説 明 す る。 まず 最 初 は 、 評 価 値 の平 均 値 を利 用 して 、 評 価 結 果 の概 要 を見 て い く。 全 体 の 平 均 、 満 足 度 別 の グル ー プ毎 の 平 均 値 を求 め 、 相 互 に比 較 す る 。 こ れ で 大 方 の傾 向 を把 握 す る こ とが 出 来 る 。 次 ぎ に満 足 度 と他 の 評 価 項 目 との 相 関係 数 を求 め 、 各 項 目が 満 足 度 と どの 様 な関 係 にあ る の か を整 理 す る 。 こ の時 点 で 相 当 に問 題 の所 在 を知 る こ とが 出 来 る。 さ ら に多 くの 評 価 項 目を 少 数 の 要 因 に 集 約 し、 問 題 の 構 造 を簡 略 化 す る こ と を 目指 して 、 因 子 分 析 を行 う。 この 後 で 満 足 度 を 目的 変 数 、 因子 ス コ ア を説 明 変 数 とす る 回 帰 分 析 を行 い 、 満 足 度 評 価 値 の 再 現 性 と と も に 、 因 子 ス コ ア の 回 帰 係 数 の 大 小 関係 を検 討 す る 。 こ れ に よ り満 足 度 を左 右 す る要 因 の 大 小 関係 を把 握 す る こ とが 出 来 る 。 大 筋 の 方 法 論 は この 様 な もの で 、 個 々 の 局 面 で 処 理 上 の注 意 が 必 要 で あ るが 、 そ れ らは 報 告 の 過 程 で 説 明 す る こ と とす る 。 2.2平 均 値 の 分 析 まず2000情 報 社 会 の授 業 満 足 度 が どの 様 な もの で あ っ た の か を 、 図2で 示 す 。 評 価 者 は61名 い て 、 満 足 層 は18.0%、 や や 満 足 層 は37.7%、 中 間 層 は 同 じ く37.7%、 や や 不 満 層 は6.6%と 言 うの が そ の 結 果 で あ る 。 この 分 布 を も と に満 足 度 別 の グル ー プ を作 る の だ が 、 サ ン プル 数 の制 約 か ら、 満 足 ・や や 満 足 層(55.7%,34名)、 中 間 ・や や 不 満 足 層(44.3%,27名)の2グ ル ー プ を 考 え る こ と と した 。 次 ぎ に個 々 の 評 価 項 目毎 の 評 価 値 の 平 均 値 を 図3に 示 す 。 図3に は3種 類 の 平 均 値 を プ ロ ッ トし て い る。 全 員 の 平 均 値 、 さ ら に満 足 度 別 の グ ル ー プ と して の満 足 ・や や 満 足 層 と中 間 ・や や 不 満 層 の3つ で あ る 。 この 図 で は最 上 部 に は授 業 満 足 度 の 平 均 値 、 そ の 下 に は は 全 員 の平 均 値 が 高 い順 に評 価 項 目が 記 載 さ れ 、配 列 され て い る 。 全 員 の グ ラ フ を見 る と、 「1.教 師 の 声 は 聞 きや す い 」、 「2.プ リ ン トは授 業 理 解 に役 立 つ 」 な ど が 上 位 にあ り、 最 も下位 に は 「5.教 師 に質 問 が しや す い」 が あ る 。 全 体 的 に は学 生 は 質 問 が し に くい との 評 価 で あ る。
図1調 査 票=授 業 ア ン ケ ー ト 【情 報 社 会一2000】 今 後 の 授 業 を よ り充 実 した もの に す る た め の 参 考 に しま す の で 、 無 記 名 か つ 率 直 に下 記 の 質 問 に 回 答 して下 さい 。 該 当 す る番 号 を マ ー ク して下 さい 。 そ 畠 ぢ 1.授 業 に つ い て ↓マ ー ク シー ト番 号 1.教 師 の 声 は 大 き く 聞 き や す い ・ ・ ・ … ■ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 2.教 師 の 板 書 は 分 か り や す い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 3.教 師 の 言 葉 使 い や 説 明 は 分 か り や す い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 4.授 業 で は 大 切 な 点 を 強 調 す る ・ ・ ・ ・・ ・ ・ … ■ ・ ・ ・ … ■ ・ ・1 5.教 師 に 対 し て 質 問 が し や す い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 6.プ リ ン ト は 授 業 理 解 に 役 立 つ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 7.教 師 は 授 業 に 熱 心 で あ る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ■ ・ ・ …1 8.教 師 に は 親 し み を 感 じ る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 9.教 師 に は 威 厳 を 感 じ る ・ ■ ■ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ■ ・ ・ …1 10.第2∼3回 情 報 、 情 報 化 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 11.第4∼5回 情 報 化 と 情 報 化 社 会 論 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ …1 12.第6回 生 活 情 報 化 の 指 標 と 動 向 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ ・ …1 13.第7回 情 報 流 通 と 情 報 環 境 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ ・ ・ ・ …1 14.第8回 メ デ ィ ア ・コ ミュ ニ テ ィの 構 造 と実 態 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ■ …1 15、 第9回 テ レ ビ と 生 活 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 16.第10回 放 送 産 業 の 変 容 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 17.第11回 イ ン タ ー ネ ッ トの 動 向 と 社 会 変 容 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ …1 18.第12回 情 報 化 と 国 土 利 用 等 の 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・ ・ ・ ・ … 壌 19.全 体 と し て は 、 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 20.全 体 と し て は 、 受 講 中 の 他 科 目 に 比 べ 、 授 業 内 容 は 良 か っ た ・ ・1 21.課 題 は 授 業 学 習 に は 有 効 で あ る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ■ 瞳 ・ ・ ■ ・ ・1 22.概 し て 授 業 内 容 が 理 解 で き た ・ ・ ・ ・ … ■ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 23.授 業 内 容 は 今 後 役 に 立 ち そ う ・9・ ・ … 巳 ・ ・ ・ … ■ ・ ・ …1 24.こ の 授 業 に 満 足 し て い る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 25.受 講 し て 良 か っ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ■ ・ …6・ ・ ・ ・ … ヨ1 五.こ の 科 目に 対 す る あ な た の 勉 強 に つ い て 少 し そ 畠 ㌻ え ど な ち い ら と
耄
員 思 あ わ ま な り い そ う 26.予 習 か 復 習 を し て い ま す か?し て い る 程 度 で 答 え て 下 さ い 。 1.ほ と ん ど全 部2.2/3程 度3.1/3程 度4.ほ と ん ど し な い 27.こ の 科 目 の 教 科 書 を 持 っ て い ま す か? 1.持 っ て い て よ く見 る2.持 っ て い て 時 々 見 る 3.持 っ て い る が あ ま り見 な い4.持 っ て い な い 28.こ の 科 目 の 勉 強 で 、 図 書 館 を 利 用 し ま す か? 1.よ く利 用 す る2.時 々 利 用 す る3.ほ と ん ど 利 用.し な い 29.こ の 科 目 は 関心 を持 っ て の履 修 で す か 、 単 位 が必 要 な た めの 履 修 で す か 。 1.関 心 に よ る履 修2.関 心 と単 位 の両 方3.単 位 の た め の 履 修 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3・ 3 3 3 3 3 3 3 3 3 皿.授 業 の あ り方 に つ い て 意 見 が あ れ ば 、 マ ー ク シ ー トの 裏 側 に 自由 に書 い て 下 さ い 。 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 そ 晶 お な い 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5図2授 業 に関す る満足 度 受 講 評 価 者(n=61) 口1満 足 圏2.や や 満足 0 20 40 戀3.ど ち と言 え ない 図4.や や 不満 60 比 率% 邏5.不 満 80 100 図32000情 報社 会の授業評 価平均値 24.授 業 に満 足 して い る 纏 1.教 師 の 声 は 聞 きや す い 6.フ。リントは 授 業 理 解 に 役 立 っ 7.教 師 は 授 業 に 熱 心 で あ る 3.教 師 の 言 葉 ・説 明 は 分 か りや す い* 15.9回 目「TVと生 活 」の 内 容 は 良 か っ た 19.全 体 と して 内 容 は 良 か っ た** 17.11回 目 「インターネット」の 内容 は良 か っ た* 23.内 容 は 今 後 に 役 立 ち そ う** 14.8回 目「メデ ィアコミュニティ」は 良 か った 12.6回 「生 活 情 報 化 」の 内 容 は 良 か っ た 16.10回 「放 送産 業 の 変 容 」は 良 か った 11.4-5回 目「情 報 化 社 会 論 」は良 か っ た* 4.授 業 で は 大 切 な 点 を強 調 す る 13.7回 目「情 報 環 境 」の 内 容 は 良か っ た 10.2-3回 「情 報 ・情 報 化 」の 内容 は良 か っ た 20.他 科 目に 比 べ て 内 容 は 良か っ た** 18.12回 「情 報 化 と国 土 利 用 」は良 か っ た 8.教 師 に 親 しみ を感 じる 2.教 師 の 板 書 は 分 か りや す い 9.教 師 に 威 厳 を感 じる 22.内 容 を理 解 で き た** 21.課 題 は 授 業 理解 に役 立 った 5.教 師 に 質 問 しやす い 一 ■ト 全 員N=61 孑'孑=● 了 二 平均値 の検 定 +:Sig.≦0.1、*:Sig.≦0.05、**:Sig.≦0.01、 ***:Sig .≦0.001、****:Sig.≦0.0001
次 ぎ に 満 足 度 別 グ ル ー プ 問 で どの 様 に 評 価 結 果 が 異 な る の か に注 目す る。 全 体 と して は 、 満 足 ・や や 満 足 層 は 多 くの 評 価 項 目 を高 く評 価 して お り、 中 間 ・や や 不 満 層 は 低 く評 価 して 、 双 方 に は 相 当 に大 きい 差 が あ る 。 図 中 に*印 を添付 して い る が 、 こ の 印 は分 散 分 析 にお け る平 均 値 の 分 離 の 有 意 性 を示 す もの で あ る。*印 の 多 い も の ほ ど 、 分 離 が 顕 著 で あ る 。 と こ ろ で 本 研 究 が 取 り上 げ て い る授 業 満 足 度 は 、 基 本 的 に は総 合 的 な概 念 で あ り、様 々 な項 目の 評 価 結 果 が 総 合 さ れ て 、 授 業 満 足 度 の量 的 な概 念 が 形 成 され る と考 え られ る 。 した が っ て満 足 度 グ ル ー プ 間 で 差 が 大 きい 項 目 は授 業 満 足 度 に有 効 に作 用 す る項 目で あ り、 差 が 小 さい 項 目は 、 満 足 度 に は寄 与 しな い 項 目で あ る こ とが 想 定 され る。 この 考 え に 従 う な らば 、*印 の 多 い 項 目 は満 足 度 に 強 く影 響 を与 え る項 目で あ り、 差 が 小 さ い 、 例 え ば 評 価 の 上 位 に あ る 「1.教 師 の 声 は 聞 きや す い」 な どの3項 目は 、 満 足 度 に は 影 響 を 与 え な い 項 目で あ る こ とが 期 待 さ れ る(個 人 的 に は残 念 な こ とで あ る が)。 つ ま り多 くの評 価 項 目の 視 点 か ら評 価 値 を得 て い る が 、 これ ら の 中 に は満 足 度 に有 効 に効 く項 目 と、 有 効 に効 か な い 項 目が 存 在 す る こ とが 現 実 に あ る と い う こ と で あ る。 した が っ て 有 効 に効 く項 目 を知 る こ と が 出 来 れ ば 、 わ れ わ れ の努 力 の 仕 方 はか な り整 理 さ れ て くる可 能性 が あ る 。 図3で は グ ル ー プ化 して 平 均 値 の 傾 向 か ら、 具 体 的 に狙 い を説 明 して きた が 、 も う少 し直 接 的 に こ の傾 向 を次 節 で 説 明 す る 。 2.3平 均 値 と相 関 係 数 で 見 る傾 向 平 均 値 の 分 離 が 満 足 度 と関 係 す る 可 能 性 を見 て き た が 、 この 点 は 満 足 度 と個 別 の 評 価 項 目の 相 関 が 直 接 的 な指 標 に な る 。 そ こで 横 軸 に評 価 項 目の 評 価 値 、 縦 軸 に 満 足 度 と評 価 項 目の 相 関 係 数 を と り、 各 項 目の位 置 づ け を整 理 した の が 図4で あ る。 先 に 図5を 利 用 して 、顧 客 満 足 度 分 析 的 な 見 方 を示 し て お く。 満 足 度 向 上 策 の 観 点 か ら は 、 同 図 に よ る と 、 平 均 値 が 低 くか つ 相 関 係 数 の 大 きい 領 域 は重 要 領 域 で あ り、 平 均 値 は低 い が 相 関 係 数 が 小 さい 領 域 は次 善 領 域 、 平 均 値 が 高 く相 関 係 数 が 大 き い領 域 は維 持 領 域 、 平 均 値 が 高 く相 関 係 数 が 小 さ い 領 域 は特 に対 策 を必 要 と し な い 領 域 で あ る 。 も し満 足 度 が 個 々 の 評 価 項 目の何 らか の 線 形 関 数 と して表 され る とす れ ば 、 こ の 考 え方 は ご く自然 な解 釈 で あ る。
図4評 価 平均値VS満 足度 との相関係 数 1.教 師 の声 は聞 きや す い 2.教 師 の板 書 は分 か りや す い 3.教 師 の言 葉 ・説 明 は 分 か りや す い 4.授 業 で は大 切 な 点 を強 調 す る 5.教 師 に 質 問 しや す い 6.プ リ ン トは授 業 理 解 に役 立 つ 7.教 師 は授 業 に熱 心 で あ る 8.教 師 に親 しみ を感 じる 9.教 師 に威 厳 を感 じ る 19.全 体 と して 授 業 内容 は 良 か っ た 20.他 科 目 に比 べ 授 業 内容 は 良 か っ た 21.宿 題 は授 業 理 解 に有 効 22.授 業 内容 は理 解 で きた 23.授 業 内容 は 今 後 に役 立 ち そ う 24.こ の授 業 に満足 して い る (注)上 図 で は 図 の 複 雑 さ を 避 け る た め と 、 後 の に横 並 び 比 較 に備 え る た め に 、10.∼18.の 毎 回 の授 業 に 関 す る 評 価 項 目 は省 略 し た 。 結 果 的 に見 る と、 これ らの 項 目 は 残 さ れ て い る項 目 との 相 関 が 強 く、 残 され て い る 項 目で 表 現 され て い る こ と に な る 。 図5領 域 区分の考 え方 ↑ 相 関 関 係 重要 領域 次善領域 維持領 域 特 に な し 悪 い← 評 価 値 → 良 い
この 考 え 方 に従 え ば 、 図4で は 厂22.授 業 内 容 の 理 解 」、 「21.宿 題 の 活 用 」、 「5.教 師へ の質 問」 辺 りが 重 要 な改 善 策 と な る 。 また 「1.教 師 の声 」、 「6.プ リ ン ト」、 「7.教 師 の 熱 心 さ」 は満 足 度 の 点 で は ど うで も よい項 目 とい う こ と に な る。 こ の 様 に して 満 足 度 の 観 点 か ら重 要 な 項 目の 選 択 を行 う こ とは 出 来 、 実 用 上 は そ れ な りの 到 達 点 で あ る が 、研 究 上 の 関 心 か ら は 、 図4で 垣 間 見 た よ う に 、 授 業 満 足 度 が 評 価 項 目の 関 数 と して どの 様 に表 せ るか 、 も関心 の あ る 問題 で あ る 。 こ の問 題 を扱 う の が 次 節 で あ る 。 2.4因 子 分 析 ζ 回帰 分 析 で 見 る傾 向 授 業 満 足 度 を様 々 な 項 目の 評 価 値 で 表 わ そ う とす る 場 合 、 授 業 満 足 度 を 目的 変 数 、 様 々 な項 目 の 評 価 値 を説 明 変 数 とす る 回 帰 分 析 が 考 え られ る。 と こ ろ が こ の 場 合 に は、 幾 つ か の 間 題 が 予 想 さ れ る 。 ① 回 帰 式 で 表 せ れ ば 、 係 数 の 相 対 的 な 比 較 か ら評 価 項 目が 満 足 度 に 寄 与 す る 程 度 を 知 る こ と が 出 来 る が 、 この 様 な 比 較 が 有 効 で あ る た め に は 、 分 析 に際 して 採 用 す る説 明 変 数 間 に 相 関 が あ っ て は な ら な い 。 変 数 間 に 相 関 が あ る 場 合 、 係 数 の 相 対 的 な 比 較 は 困 難 と な る(Norusis 1994)。 ② ま た 採 用 す る従 属 変 数 の 組 み 合 わ せ の 変 更 は 直 接 的 に 回 帰 係 数 に 影 響 し、 本 当 の 姿 を現 す こ とに は な らな い 。 ③ 分 析 に利 用 す る 説 明 変 数 が 多 い 場 合 、 従 属 変 数 の 多 くが 係 数 を持 つ 可 能 性 が あ る が 、 こ れ で は話 が 複 雑 に な り、 満 足 度 の背 景 にあ る構 造 を理 解 す る こ と に は な らな い 。 こ の 様 な 問 題 を解 決 す る た め に有 効 な 方 法 が 因 子 分 析 を利 用 す る こ とで あ る。 まず 多 数 あ る 評 価 項 目 に対 して 因子 分 析 を適 用 し、 個 々 の 評 価 項 目 を 因 子 の概 念 に 集 約 す る こ とが 出 来 る。 これ に よ り問 題 を よ り構 造 的 に 扱 う こ とが で き、 ③ の 問 題 を回 避 で き る 。 さ ら に評 価 値 の 代 わ りに 因 子 ス コ ア を用 い る と、 因子 ス コ ア は相 互 に独 立 で 無 相 関 で あ る た め 、① の 問 題 も回 避 で き る 。 ま た 因 子 は 複 数 の 評 価 項 目を含 む概 念 と して 形 成 さ れ る た め 、 採 用 す る 評 価 項 目 の組 み 合 わ せ が 変 わ っ て も、 因 子 が 大 き く影 響 を受 け る こ とは 起 こ りに くい 。 この 点 は 若 干 は 評 価 項 目が 異 な る科 目間 で も、 同様 な構 造 の議 論 を整 理 す る こ とが 出 来 る こ と を意 味 す る 。 こ の様 な点 を考 え て 、 沢 山 の 評 価 項 目 に対 して 因子 分 析 を行 い 、 次 い で 因 子 ス コ ア を説 明 変 数 、 満 足 度 を 目的 変 数 とす る 回 帰 分 析 を試 み た。 た だ し も と よ り因 子 分 析 で 抽 出 され た 因 子 が 満 足 度 の グル ー プ 差 に 関 与 す る 保 証 は な い が 、 満 足 度 グ ル ー プ が デ ー タの 分 散 を作 り出 して い る とす れ ば 、 そ の分 散 を もた ら して い る 因 子 の 存 在 を期 待 す る こ とは 無 理 な こ とで は な い 。 (1)因 子 分 析 の 結 果 図1に お い て 、1.∼23.の 評 価 項 目の う ち で10.∼18.を 除 い た15個 の 評 価 項 目に 因 子 分 析 を適 用 して 得 た5つ の 因 子 の 内 容 を表1に 示 す 。5つ の 因 子 は 、 第1因 子 が 「内 容 ・役 立 感 と理 解 」、 第 2因 子 が 「態 度 印 象(熱 心 ・親 しみ)」、 第3因 子 が 「知 識 伝 達(紙 ・要 点)」、 第4因 子 が 「義 務 的 課 題 」、 第5因 子 が 「双 方 向 性 」 で あ る 。 こ れ ら の 因 子 の命 名 に 際 して は 、 通 常 通 りに 因 子 負 荷 量 を重 視 したが 、 さ ら に後 の横 断 的 な比 較 も考 慮 し、共 通 性 の 高 い 命 名 を行 っ て い る 。 そ して この5
つ の 因 子 で 全 分 散 の の70 .7%を カ バ ー し 、 主 な 傾 向 は 説 明 可 能 で あ る 。 な お そ れ ぞ れ の 因 子 名 に は 因 子 ス コ ア を 表 す 変 数 名 が ∼fac51、fac52、fac53、fac54、fac55で 示 さ れ て い る 。 表1評 価 項 目の 因 子 の定 義2000josya 因子(平 方 和 、 寄 与 率) 因子 の内容 第1因 子(3.9,27.9%) fac51:内 容 ・役 立 感 と理 解 19.全 般:の内 容 良 好,22理 解 可 能,3.言 葉 説 明 適切, 23.今 後 に役 立 つ,20.他 科 目比 較 で 内容 良 好,2.板 書 分 か る 授 業 が 理 解 可 能 で 、 内 容 が 良 く、 役 立 つ との評 価 の 因子 。 第2因 子(1.9,13.8%) 血c52:態 度 印 象 (熱 心 ・親 し み) 7.熱 心 さ,8.親 しみ, 授 業 にお け る教 師 の態 度 の 印象 に関 す る 因 子 で あ る 。 第3因 子(1.4,1q.3%) fac53:知 識 伝 達(紙 ・要 点) 6.プ リ ン ト有 効,4.要 点 強 調, 教 師 の 授 業 で の 知 識 伝 達 を表 す 因 子 で あ る 。 第4因 子(1.4,9.9%) fac54:義 務 的 課 題 9.教 師 は威 厳 あ る,21.宿 題 有 用 主 に宿 題 の有 用 さ の 因 子 で あ る 。 第5因 子(1.2,8.7%) 血c55:双 方 向 性 1.声 聞 きや す い(一),5.質 問 容 易 授 業 で の双 方 向 的 な情 報 交 換 に関 す る 因子 で あ る。 (注)平 方 和 と寄与 率 はバ リマ ッ クス 回転 後 の値 であ る。寄 与 率 の 合計 は70.7%で あ る。 (2)回 帰 分 析 の 結 果 次 に この5つ の 因子 ス コ ア を諱 明 変 数 と し、 満 足 度 を 目的 変 数 とす る回 帰 分 析 を行 っ た。 分 析 は 全 説 明 変 数 を使 う強 制 投 入 方 式 と、 寄 与 の小 さ い説 明 変 数 を排 除 す る ス テ ップ ワ イズ 方 式 で 行 い 、 結 果 を比 較 した 。 そ の 結 果 を表2に 示 す 。 表2回 帰分析 の回帰 係数 因 子 強制投入方 式 ステ ップワイズ 方 式 fac51:内 容 ・役 立 感 と 理 解 0.653 0.653 fac52:態 度 印 象(熱 心 ・親 し み) 0.150 0.150 fac53:知 識 伝 達(紙 ・要 点 〉 0.074 一 fac54:義 務 的 課 題 0.108 一 fac55:双 方 向 性 一 〇.055 一 定 数 2.317 2。317 重相 関係数 0.862 0.785 寄与 率 α644 0.616 回帰 式の有意性P 0.0000 0.0000 した が っ て 、 授 業 満足 度 は次 の よ うな式 で 表 さ れ る こ とが 分 か っ た 。 授 業 満 足 度=0.653*£ac51+0.150*fac52+0.074*飴c53+0.108*fac54-0.055*fac55+2.317
主 な傾 向 は次 の よ う に ま とめ る こ とが 出 来 る 。 ① 授 業 満 足 度 の情 報 の64%は 、5つ の 因子 ス コ ア の 線 型1次 式(回 帰 式)で 表 さ れ て い る 。 他 の 未 知 の 要 因 の寄 与 は あ る が 、 そ れ らは36%に 留 ま る。 ② 因 子 ス コ ア は 標 準 化 さ れ 相 互 に独 立 し て い る の で 、 そ の 係 数 か ら直 接 に授 業 満 足 度 へ の 寄 与 を知 る こ とが 出 来 る 。 そ れ に よ る と、 「fac51:内 容 ・役 立 感 と理 解 」 は断 然 満 足 度 へ の 寄 与 は 大 き く、次 い で 「血c52:態 度 印象(熱 心 ・親 しみ)」 で あ る が 、前 者 は 後 者 の4倍 以 上 で あ る 。 ③ そ れ ら に対 して 、 第3因 子 か ら第5因 子 ま で の 要 因 は 、 ス テ ッ プ ワ イ ズ 方 式 で は 無 視 さ れ た よ う に、 満 足 度 に は あ ま り寄 与 して い な い 。 授 業 満 足 度 が 「内 容 ・役 立 感 と理 解 」、 「態 度 印 象 」 の2つ の 要 因 で 相 当 部 分 が 説 明 さ れ る わ け で あ る の で 、 この 授 業 にお い て は 、 授 業 満 足 度 を 向 上 さ せ る に は 、 この2点 、 と りわ け 「内容 ・役 立 感 と理 解 」 を 向 上 させ る こ とが 最 も効 果 的 で あ る 。 第3因 子 か ら 第5因 子 まで の要 因 は 、 い わ ば 第 1因 子 を実 現 す る た め の 方 法 、 な い しは支 援 的 な措 置 とな るの で 、 この 点 か ら も こ の 結 果 は素 直 に 納 得 され る結 果 で あ る 。 ち な み に 回帰 式 が 意 味 す る こ と を分 か りや す くす る た め に 、 満 足 度 グル ー プ別 の 因子 ス コ ア の 平 均 値 を 図6に 示 す 。 因子 ス コ ア は各 評 価 項 目の 評 価 値 の 標 準 化 デ ー タ か ら合 成 さ れ る。 元 々 の 評 価 値 は 、 好 評 が1、 不 評 が5の5段 階 で あ る た め 、 標 準 化 デ ー タで は 、 負 で 絶 対 値 が 大 きい ほ ど好 評 、 正 で 絶 対 値 が 大 きい ほ ど不 評 と な る 。 こ の 傾 向 を反 映 して 、 因子 ス コ ア は 負 で 絶 対 値 が 大 き い ほ ど好 評 と い う こ とに な る。 図5の 因 子 の5つ の 軸 は 外 側 ほ ど高 く評 価 され る よ う に作 成 して あ る 。 この 図 に よ る と、 グ ル ー プ別 の 相 違 は 歴 然 と して い る 。 最 も大 きい 差 は 「内 容 ・役 立 感 と理 解 」 の 軸 で 、 顕 著 な有 意 差 が 現 れ て お り、 こ れ が 満 足 度 を決 め る最 大 の 要 因 で あ る こ と を如 実 に 示 して い る 。 した が っ て 「内 容 ・役 立 感 と理 解 」 の面 で 中 間 ・や や 不 満 層 の 評 価 値 を高 め る こ と が 、 授 業 満 足 度 を高 め る た め の 当 面 の 最 大 の 課 題 で あ る と理 解 で きる 。 他 の4つ の 軸 につ い て は、 平 均 値 で 見 る 限 りは さ した る 差 は な い。 平 均 値 に は 現 れ て こ ない 範 囲 で の デ ー タの 分 散 傾 向 が あ るた め に、 回帰 係 数 を持 つ に至 っ て い るが 、 これ らは そ の程 度 の 問 題 と 理 解 で きる。 別 の括 りで 満 犀 度 グ ル ー プ を作 れ ば 見 え て くる が 、 こ こで は こ れ以 上 に は 触 れ ない 。 図6因 子 ス コア で見 る 満 足 度 グ ル ー プ別 の 評 価 態 度印象(熱 心 ・親 しみ) 内 容 ・役 立感 と理 解 緜 綿 一1 一〇.5 0 0.5 双 方向性 知識伝 達(紙 ・要点) 満足 ・やや満 足層N=34 義務的課題 一一一一一中 間 ・や や 木 満 層N冨26
3.科 目横 断 的 な比 較 同 様 な分 析 を他 の5科 目 につ い て も行 って い る の で 、 そ の 結 果 を相 互 比 較 が 可 能 な総 括 表 を作 成 した 。 そ れ を表3に 示 す 。授 業 の種 類 が 異 な っ た り、 授 業 に よっ て 評価 項 目が若 干 異 な っ た り、 ま た 同 じ科 目 で も受 講 生 数 の 変 化 な ど何 らか の理 由 で 授 業 進 行 が 異 な る の で 、 す べ て の 授 業 が 同 じ 満 足 度 の構 造 を 持 つ こ と は 考 え に くい 。 そ の結 果 と して 、 現 れ て くる 因 子 の概 念 は 、往 々 に して 若 干 は 異 な る こ とが あ ろ う。 そ の様 な差 が 現 れ る こ と を想 定 しな が ら表3は 作 成 され て い る。 6つ の 授 業 科 目で 、 合 計 で は13個 の 因 子 が 現 れ た。 類 似 して い る もの も あ る が 、 出 来 る だ け 素 直 に デ ー タ を反 映 した 名 称 を付 け た 。 ま た 回 帰 分 析 は どの 場 合 も、 寄 与 率 は65%弱 か ら90%弱 ま で の 範 囲 に あ り、 い ず れ の 場 合 も明 ら か に され た 最 も重 要 な 因 子 よ り重 要 な 未 知 の 要 因 が存 在 す る 可 能性 は低 い 。 主 な 傾 向 は下 記 の 様 に な る。 ① どの 授 業 科 目で も、授 業 満 足 度 を左 右 す る最 も重 要 な要 因 は、 「内容 ・役 立 感 と理 解 」 で あ る。 「99コ ン ピ ュ ー タ と通 信A」 で は 、 こ の要 因 は1つ の 因 子 と な らず に2つ の 因 子 と な っ て 現 れ て い る が 、 こ の2つ が この 因子 を作 る とみ る こ とが 出 来 る 。 つ ま り最 も重 要 な の は 、授 業 で 伝 え る 内容 が 良 く、 後 に役 に立 つ と感 じ られ 、 ま た 受 講 生 が 内 容 を理 解 出 来 る授 業 で あ る こ とで あ る 。 ② 次 い で 多 く現 れ て きた の は 、 厂双 方 向 性 」 で あ る。 質 問 が しや す い こ と、 相 互 に意 志 疎 通 が 容 易 に な され る こ とが 重 要 で あ る。 ③ 次 い で 「知 識 伝 達(声)」 、 「義 務 的 課 題 」、 態 度 印 象(好 感)」、 「態 度 印 象(熱 心 ・親 しみ)」 が 挙 げ られ る 。 ④ こ の 様 に み て く る と、 大 筋 は 「内 容 ・役 立 ち 感 と理 解 」 で 決 ま り、補 足 的 に 「双 方 向 性 」 が 貢 献 し、他 に は特 に注 目を要 す る もの は無 い 。 ⑤ さ ら に授 業 科 目 の 平 均 満 足 度 の 傾 向 と 回帰 係 数 の傾 向 を み て い く と、 満 足 度 が 低 い場 合 に は 「内 容 ・役 立 ち感 と理 解 」 の 係 数 が相 対 的 に大 き く、満 足 度 が高 くな る と 「内 容 ・役 立 ち 感 と理 解 」 の係 数 が 小 さ くな り、 他 の 因子 の寄 与 が 効 果 を持 つ よ う に な る、 こ とが 分 か る。
表3回 帰分析結果 の横 断的比較 2000情 社 99情 社 2000コ 通A 99コ 通A 99コ 通B 99コ 基 応 平均満足 度(評 価 人数)
233(61)
2.29(31)
2.44(36) 3.09(35)2.15(26)
1.65(20) 1 因子分析1因 子 数 5 5 5 5 5 3 「躯 一した分散 70.7% 72.9% 73.3% 74.2% 72.2% 79.0% 回帰分析(注) 説明変数 となる因子 内容 ・役 立 感 と理 解 .653# 一 .870# .918# .500# .468# 内容 と役立感 一 .480# 一 一 一 一 内容 と理解 _「 .434# 一 『 一 一 双方 向性 一 〇55 .285# .195 .419 .050 .264# 知識伝達(声) 一 『 .509 .211 一 .260# 知識伝達(紙 要点) .074 一 一 一 一 『 知識伝達(紙) 一 一 一 .232 一 『 知識伝達(説 明) 『 一 一 一 .140 一 義務的課題 .108 .191# 『 一 一 一 態 度印象(好 感) 一- 一 .151 一 .178# 一 態 度 印 象(熱 心 ・親 しみ) .150# 一 一 一 一 一 態 度 印 象(親 しみ ・好 感 〉 一 一 一 .131 一 『 態度 印象(熱 心 さ) 一 .056 .137 一 .031 一 定数 2.317『 卜 -2290 2.444 3.1181 2.120 1.684= 重相 関係 数 寄与率 分散分析 でのP .802 .644 .0000 .85'1 .724 .0000 。836 .699 .0000 .869』 .755 .0000 .829 .688 .0003 釣o .792 .0000 (注)L回 帰 分 析 は 、 因 子 分 析 で 得 ら れ た 因 子 ス コ ア を 説 明 変 数 と し、授 業 の 満 足 度 を 目 的 変 数 と し て 、 行 っ て い る 。 2.「 説 明 変 数 と な る 因子 」 の欄 で は 、 数 値 の 記 入 さ れ て い る 因 子 が そ の 授 業 に対 す る 因 子 分 析 で 得 ら れ た 因 子 で あ る。 一 印 は、 因 子 が な か っ た こ と を示 す 。 3.回 帰 分 析 は 、 全 変 数 を投 入 す る 「強 制 投 入 法 」 で 行 っ て い る 。 寄 与 の 小 さい 変 数 を 無 視 す る 「ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 」 で は 、#印 を 付 け た 説 明 変 数 だ け が 同 じ係 数 値 で採 用 さ れ て い る。 こ の 点 で 、#印 の 因 子 に注 目 す る こ との 合 理 性 が あ る 。 結 局 、 授 業 の 満 足 度 を高 め る に は、 「役 立 つ 可 能 性 の 高 い 内 容 の授 業 を、 学 生 が 理 解 で きる よ う に 行 う」 の が 第1で あ る。 そ れ を よ り効 果 的 に 行 うた め に、 「双 方 向 の 意 志 疎 通 を確 保 」 し、次 い で 「知 識 伝 達 」 の 方 法 を工 夫 し、 「態 度 印 象 」 に も気 を配 る 、 と い う こ とが 重 要 だ 、 とい うの が結 論 の 骨 子 で あ る 。 あ る意 味 で は当 た り前 の こ とが 再 確 認 され た と言 っ て もい い か も知 れ な い 。 表 には こ の骨 子 以 外 に 、科 目別 の 差 の 論 点 もあ り得 る が 、 こ こ で は 議 論 は省 略 す る。4.考 察 3∼4年 前 か ら、授 業 満 足 度 が ど の様 な 要 因 か ら構 成 さ れ て い る の か に つ い て 、 若 干 気 に な り始 め た 。 そ こ で 幾 つ か の 科 目 を予 備 的 に分 析 して み る と、 満 足 度 の 構 造 が あ りそ うだ と い う 目安 が 得 られ た。 そ こ で評 価 項 目 を調 整 して 、 デ ー タ を集 め て分 析 を行 い 、今 回 の 報 告 に 至 っ た 。 しか し議 論 が足 りない 点 が 目 につ く。 そ れ らを今 後 の 課 題 と して整 理 して み る 。 まず 評 価 項 目 で あ るが 、 正 確 な 把 握 をす る に は、 適 切 な 評 価 項 目の 選 択 が 必 要 で あ る 。 今 回 の 分 析 で 用 い て い る評 価 項 目は 、 情 報 学 部 で 一 般 的 に用 い られ て い た項 目 に加 え て 、 自分 が検 証 し た い と考 え た 「教 師 の 接 触 印 象 」 や 厂授 業 内 容 」 な ど を加 え て い る。 取 りあ え ず 選 ん で み た 、 と 言 う項 目で あ る。 と こ ろが 具 体 的 な寄 与 率 の 範 囲 を み る と、 決 定 的 に貢 献 す る 因 子 と は とは 言 わ な い ま で も、 ま だ満 足 度 に貢 献 す る未 知 の 因 子 の 存 在 が あ る こ とが 見 て 取 れ る 。 こ の 点 で は 、 評 価 項 目 に は追 加 の 余 地 が あ る。 次 は 分析 結 果 の 汎 用 性 の 問 題 で あ る。 狭 く考 えれ ば 、 今 回 の 報 告 は筆 者 の授 業 に つ い て の 、 満 足 度 の 構 造 で あ る。 しか しそ の 辺 は ど うだ ろ う か 。 結 果 か ら見 る と、 満 足 度 の 要 因 の 中 心 は 、 「内 容 ・役 立 感 と理 解 」 で あ る。 学 生 に残 る知 識 や概 念 に は 、 教 師 の個 人 性 は 反 映 し に くい よ う に思 え る。 さ ら に学 生 は評 価 に際 して 、 暗 黙 の う ち に受 講 中 の 他 科 目 と比 較 を行 う こ とで あ ろ う 。 す る と個 人性 は弱 ま る こ とが 考 え られ る。 そ れ に対 して教 師 の 個 人性 が 前 面 に 出 る 厂態 度 印 象 」 や 「知 識 伝 達 」 の 因 子 は 、 概 して満 足 度 へ の 寄 与 が 小 さい 。 とす る と今 回 報 告 した 満 足 度 の 構 造 は 、 教 師個 人 に 依 存 しな い 、 汎 用 性 の あ る 構 造 と も考 え ら れ る 。 こ の辺 は今 後 の 検 証 に期 待 した い と こ ろ で あ る 。 しか し検 証 の結 果 、 も し満 足 度 の構 造 が 個 人 個 人 に よ っ て 異 な る こ とが 分 か れ ば 、 こ れ は これ で か な り面 白 い議 論 で あ る。 教 師 の採 用 試 験:のあ り方 が 大 き く変 わ る か も知 れ な い 。 次 は分 析 の 効 果 と限 界 の例 で あ る。 コ ン ピ ュ ー タ と通 信Aは コ ン ピュ ー タ と通 信 の 仕 組 み に 関 す る授 業 で あ る 。 こ の種 の 授 業 は どち ら か と言 え ば 、 広 報 学 科 の学 生 に は取 っ つ き に くい 授 業 で あ る 。99年 の 満 足 度 評 価 値 が か な り低 か っ た た め 、2000年 に は授 業 で 取 り上 げ る 項 目 を減 ら し、 丁 寧 か つ 双 方 向 的 な要 素 を増 や した 。 結 果 と して は 、 満 足 度 は 高 ま り、 少 し易 し く した寄 与 もあ ろ うが 、 試 験 の 成 績 も平 均 で10点 余 り程 度 上 昇 した 。 と こ ろ が2000情 報 社 会 で は 、99年 に比 して 人 数 が 倍 増 し た 。 そ の結 果 と して 、授 業 で は 課 題 の 提 出 と返 却 が 十 分 に は 出 来 な か っ た。 そ の効 果 か 、 マ ー ジ ナ ル な 学 生 の 増 加 も あ っ た よ う だ が 、 試 験 の 成 績 は平 均 点 で10点 程 度 下 が っ た 。 し か し満 足 度 に は双 方 に差 は な か っ た 。 こ の様 な具 体 的 な例 は 、 教 師 が 満 足 度 を解 釈 して利 用 す る 際 の効 用 と限 界 を示 して い る と考 え られ る 。 そ の 様 な 限 界 を 踏 ま え た上 で の 利 用 が 必 要 で あ る。 満 足 度 は注 目す べ きで は あ る が 、 断 片 的 な1つ の指 標 に過 ぎ ない と考 え るべ きで あ る 。 と こ ろ で 今 回 報 告 を ま とめ る に 際 して 、 は じめ て 教 育 評 価 関係 の 文 献(例 え ば、 梶 田1994)に 目 を通 して 、 教 育 目標 の 分 類 体 系 の存 在 を知 っ た 。 そ の 中 で は 授 業 を実 験 計 画 的 に 設 計 す る概 念 が 提 唱 さ れ て い る 。 こ の 中 に お い て は授 業 調 査 の た め の調 査 とい う概 念 は な く、 終 了 時 の授 業 調 査 を含 め た授 業 設 計 が 先 行 して い る。 明 示 的 な意 図 を含 め た授 業 設 計 、 そ の 成 果 を検 証 す る授 業 評 価 の考 え方 で あ る。 当然 と言 え ば 当 然 だが 、 こ の 様 な観 点 か ら の授 業 評 価 の あ り方 、 満 足 度 の 研 究 も今 後 の 重 要 な 課 題 で あ る 。 最 後 に、 本 報 告 で は不 可 避 的 に私 の 成 績 を 表 す よ う な授 業 評 価 デ ー タ を利 用 して い る。 これ ら の デ ー タ は読 者 諸 兄 の もの と比 較 す る と、 あ ま り芳 し くな く、 公 表 に は 耐 え られ な い もの か も し れ な い 。 も しそ の様 に感 じ られ た場 合 に は、 こ の研 究 成 果 を生 か した 今 後 の 改 善 努 力 に免 じて 、 ご容 赦 をお 願 い す る次 第 で あ る。
【引 用 文献 】 梶 田 叡 一(1994)厂 教 育 評 価 第2版 」 有 斐 閣 双 書(1994.3)第5章PP.127-157 小 林 勝 法(1993),厂 文 教 大 学 教 員 の 教 育 改 善 に対 す る 意 向 と実 態 」,文 教 大 学 教 育 研 究 所 紀 要 第2 号(1993.9)PP.39-51 丹 治 哲 雄(1996),「 学 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト を 用 い た 授 業 改 善 の 試 み(1)」,文 教 大 学 教 育 研 究 所 紀 要 第5号(1996.11)PP.111-115 丹 治 哲 雄(1997),「 学 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー トを 用 い た 授 業 改 善 の 試 み(H)」 文 教 大 学 教 育 研 究 所 紀 要 第6号(1997.11)PP.33-41
MJ.Non弼is(1994)著 、SPSS社 訳 「SPSSforWindowsBaseSystem統 計 編Release6.OJ(日 本 語 版)」 エ ス ・ピ ー ・エ ス ・エ ス(株)PP.12-31 サ イ ト例1ht‡p:〃www.shonan.bun:kyo訊cjp厂ishizuka! サ イ ト例2ht‡P:〃wwwρsakac.acjplerclhldex.html htΦ:〃www.info.nara-k.acjp厂matsuo1∫YuGYOIQUESTIONNAIRE lquestionnah'e_index1【tml htΦ:〃tanaka.ecn.fi)u.acjplinfosys _questions_00htmI ht‡P:〃www.aichi-gakuin.acjp1【d (著 者:や つ は し た け あ き 文 教 大 学 情 報 学 部 受 付:平 成12年12月22日)