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ケイパビリティからスローライフを再定義するー雲南・麗江古城における客桟の外来経営者に着目してー

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Academic year: 2021

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ケイパビリティからスローライフを再定義するー雲

南・麗江古城における客桟の外来経営者に着目して

著者

艾 ??

雑誌名

農業経済研究報告

52

ページ

43-43

発行年

2021-02-28

URL

http://hdl.handle.net/10097/00131584

(2)

令和 2 年度 資源環境経済学講座 修士論文要旨

(令和 3 年 3 月修了)

ケイパビリティからスローライフを再定義する

ー雲南・麗江古城における客桟の外来経営者に着目してー

艾 婷婷(資源環境経済学講座・環境経済学分野) 【目的】「夢の楽園」として知られる麗江古城は、スローライフをテーマにした観光で有名 である。スローライフとは人生をゆったりと楽しもうという考え方であるという基本的立場 をとる文献が多いが、これは人々の表面的な行動から捉えた理解にすぎないと考えられる。 本研究では、人の生き方の幅(人の置かれた環境の前提:ケイパビリティ)が人生を豊かに するための前提であると考え、スローライフを、環境と自己決定に着目して再定義する。本 研究はケイパビリティ(生き方の幅)の視点から、中国の観光地雲南・麗江古城における客 桟を経営する外来経営者が観光を通したスローライフを提供する役割を持っている可能性を 明らかにすることでスロー社会のあり方について一つの提案を行う。 【方法】外来経営者の場所愛着とスローライフを推進する意識(以下は「意識」と称する) との間にはどのような関係があるか、それを推進する過程で、外来経営者が観光客の自己決 定を尊重し、彼らのケイパビリティを拡大していく宿泊環境を作るかどうかに関する、スロ ーライフを推進する外来経営者の意識・行動モデルを作成した。麗江古城で客桟を経営して いる筆者の知人に依頼し、客桟を経営している外来経営者を対象にスノーボールサンプリン グの方法でアンケートを実施した。それに加えて、SNS で麗江古城での客桟の経営者に連絡 し、アンケート回答への協力を依頼した。 【分析結果】「場所愛着」と「意識」の相関係数は0.50 であり、有意な中程度の相関があ る。「場所愛着」と「スローライフを推進する取り組み」(以下は「取り組み」と称する) の相関係数は0.36 であり、有意な弱い相関がある。「意識」と「取り組みを独立変数に、 自己決定を従属変数に設定して回帰分析を行ったところ、「意識」と「取り組み」は「自己 決定」に顕著な正の関係があり、「意識」と「取り組み」は自己決定の46.5%を説明でき る。「意識」と「取り組み」は「自己決定」を規定する重要な要因である。出身地で場所愛 着に差があるかどうかに関し、平均値の差についてt 検定を行ったところ有意差が見られ た。この結果から、外来経営者は地元経営者よりも麗江古城に対する場所愛着が高いと解釈 できる。出身地で「意識」に差があるかどうかについてt 検定を行ったところ、平均値に有 意差が見られた。この結果から、外来経営者は地元経営者よりも「意識」が高いと解釈でき る。出身地で「取り組み」に差があるかどうかについてt 検定を行ったところ、平均値に有 意差が見られた。この結果から、外来経営者は地元経営者よりも「取り組み」を行う傾向が あると解釈できる。出身地別に、客桟で観光客の「自己決定」を尊重することに差があるか どうかに関し、平均値の差についてt 検定を行ったところ有意差が見られた。この結果か ら、外来経営者は地元経営者よりも観光客の「自己決定」を尊重する傾向があると解釈でき る。 【結論】調査結果を分析した結果、外来経営者の場所愛着がスローライフを推進する意識と 関係しており、それを推進する過程で外来経営者は観光客の自己決定を尊重し、彼らのケイ パビリティを拡大していく可能性があることが明らかになった。以上より、スロー社会をケ イパビリティと自己決定から評価し、その上でスロー社会のあり方を検討することの重要性 を示した。 43

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