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おいかけてみよう

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Academic year: 2021

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小学部5学年 自立活動 学習指導案

指導者 ○○ ○○ 1 題材名 おいかけてみよう 2 指導観 (1)実態観 対象となる児童は、肢体不自由と知的障害を併せ有する小学部5年生の児童で、自立活動中心の教 育課程を履修している(以下A児とする。) A児は四肢まひであり、全体的に低緊張である。活動姿勢は腹臥位やあぐら座位、割座の姿勢を好 む。教師の支援に合わせて姿勢を保持することが苦手で、学習中に泣くことがある。その要因として は、身体特性により抗重力姿勢を保つことや、筋のバランスを調整しながらゆっくりと動くことに困 難さがあること、刺激の量や質をコントロールしにくく手掌や足裏に感覚の過敏さがあること、身体 の急な位置変化に不安感や恐怖感を抱きやすいこと等が考えられる。しかし、学習の流れに見通しを もたせたり、A児の好きな遊び(歌遊び、スキンシップのある遊び等)を取り入れたりすることで、 落ち着いて学習に取り組む姿が見られるようになってきた。 コミュニケーションに関しては、快・不快の意思表出ははっきりしており、好きな活動では声を出 して笑顔になったり、両手を振ったりする姿が見られる。他者への一時的な注意の焦点化・関わりに 対する反応も見られるが、持続することが難しく、特に常同行動(膝を叩く、喉をつつく等)を繰り 返し行っている時は、働きかけに注意を向けることが難しい。しかし、主に関わる担任に対しては、 身体を寄せたり、言葉掛けやフレーズ(「ぴぴぴぴぴ」等の繰り返しのある言葉等)に期待して笑顔に なったりする等、注意を向け続けてやりとりを予測する姿が見られる。 確実な移動手段は身に付いていないものの、自分の身体の前方・左右(約1m範囲内)にある欲し い物に対しては手を伸ばしたり、腹臥位と割座の姿勢を繰り返したりすることで取ろうとする。しか し、その物に注意を向け続けることは難しく、取ることができないと注意が逸れてしまうことがある。 見ることに関しては、斜視があるために注視・追視することに困難さがみられるが、興味がある物 を目の前(約50cm範囲内)に提示すると、視線を向けて2~3秒程注視・追視することができつ つある。 学習到達度チェックリスト(徳永 豊「障害の重い子どもの目標設定ガイド」2014 年)による実態 把握では、聞くこと(受け止め・対応)はスコア○、話すこと(表現・要求)はスコア○、読むこと (見ること)はスコア○、書くこと(操作)はスコア○であった。 以上のような実態からA児は、外界に対する注意の持続が可能となり始めていて、大人による言葉 掛けに応答したり、やりとりを予測したりする学習、物に対して注視する・追視する等の学習を積み 重ねていく段階の児童であると考えた。 (2)題材観 本題材は、特別支援学校学習指導要領自立活動編の「3 人間関係の形成(1)他者とのかかわり の基礎に関すること」、「4 環境の把握(1)保有する感覚の活用に関すること」、「5 身体の動き (4)身体の移動能力に関すること」を受けて設定している。

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A児はこれまでにスクーターボードでの腹這い移動等を通して、ずり這いの基礎となる身体の動か し方に関する学習を経験してきた。また、机上学習において、物へ注意を向けて掴み取る学習や、人 へ注意を向けてやりとりを予測する学習、机上という平面上において探索・認知・操作する学習を経 験してきた。このことを受けて本題材では、目的の物や人への注意を持続させ、手の届く範囲の空間 において探索行動を行うこと、さらにその注意を「あれが欲しい」「先生の所へ行きたい」といった移 動への意欲に繋げることを指導の重点とする。このことは将来的に寝返りや、ずり這いを繰り返して 目的の物・人の所まで移動する学習、空間における探索・認知・操作の学習へと発展していくもので ある。また、これらの学習を通して、移動手段を獲得し自ら外界へ働きかける力をつけることは、主 体的に自己の力を可能な限り発揮し、よりよく生きていこうとする児童を育てる上からも意義深い。 (3)指導観 本題材の指導にあたっては、「遊び」を中心とした教師とのやりとりを通して、A児が楽しい気持ち で活動することで、身体を動かして移動することへの意欲を高めるようにする。本題材における「遊 び」とは、A児の好きな「歌遊び」「言葉のリズム(繰り返しの言葉)を楽しむ遊び」「スキンシップ や揺れのある遊び」「音の出る玩具を用いた遊び」で構成した活動とする。指導ではこれらの遊びにま ずA児を誘い、学習に対する意欲や教師に対する注意を引き出した後、ねらいとする活動に取り組ま せる。 追いかける物は「A児の興味・関心があるもの」「反応が即答的でありその反応がA児にとって快で あるもの」「単純で具体的な操作ができるもの」「教材を使った学習の積み重ねが既に出来ており、A 児にとって目に留まりやすいもの」という視点で選定した、「転がる玩具」「キーボードの玩具」を使 用する。 本題材において、教師の声を手掛かりにしながら追いかける物に注意を向けることができるよう、 移動する学習の際は教師の顔の前や横で物を提示し、A児を呼ぶようにする。また、A児を呼ぶ際は、 間をとり大きく息を吸い込んで期待させてから「○○ちゃん」と呼び、教師の方に視線を向けたタイ ミングで再度名前を呼ぶことで、より教師の方に注意を向けやすくする。注意を向けた際は、A児の 好きなスキンシップを介してすぐに称賛することで、注意を向けることへの意識付けを図る。学習に 対する意欲が低下したり、物・人に対して注意を向けづらくなったりした際は、「遊び」の活動に一度 戻ることにより、学習に対する意欲や教師に対する注意を再度引き出すことができるようにする。 目標とする姿が見られた時は、その動作を介したボディタッチ(教材に向かって伸ばしたA児の手 に教師の手を添える等)でA児を称賛し、称賛していることを動作で明確に伝えるようにする。 3 目標 ・目的の物・人への注意を持続させることができる。 ・寝返りやずり這い等の手段を使って、欲しい物を探索しながら移動することができる。 4 指導計画(全29時間) 第1次 ずり這いに必要な動き(身体を曲げる・伸ばす・ひねる等)の基礎を身につける。 ・・・7時間

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第2次 目的の物・人への注意を向け、移動する。 ・・・10時間(本時8/10) 第3次 目的の物・人への注意を持続させて、移動する。 ・・・12時間 5 本時 平成○○年○月○日(○) 第2時限 小学部プレイルーム 6 本時の目標 ・目的の物・人に注意を向け、その物・人に視線を向けたり、手を伸ばしたりすることができる。 ・仰臥位から腹這いに自ら進んで寝返りをすることができる。 ・スクーターボード上で膝関節伸展・屈曲させる動きを繰り返したりすることができる。 7 本時指導の考え方 A児は前時までの学習において、ロールマットを使った腹臥位で、身体を曲げたり伸ばしたりするこ とができるようになっている。また、教師からの「○○ちゃん」という呼名に対して笑顔になる等、特 定の人に対して注意を向けて応答する姿が見られるようになってきた。 そこで、導入段階では、「誰と学習をしているのか」を教師との歌遊びを通してとらえさせる。その後、 ずり這いに必要な体幹・上下肢のバランスを高める「起き上がり(身体の中心である腹部を使う)の活 動」「身体を捻って物を取る活動」「身体の曲げ伸ばしの活動」を「遊び」の中で行い、これから始まる 活動に向けて身体の意識付け、物・人に対する注意の意識付けを図る。展開では、まずA児が追いかけ たい物を選ばせた後、しばらくその物で遊ぶ時間をとる。何度もその物に手を伸ばしたり、玩具を操作 して笑顔になったりする等その物に対する興味・関心が出てきた頃に、物を少し離れたところに置くこ とによって、移動することへの意欲を高める。その後、寝返り・腹這い移動を行うことで、目的の場所 へ移動することの楽しさを感じさせる。そして、終末でもう一度教師との歌遊びを行うことで、達成感 や満足感を味わわせ、次時への意欲を高めたい。 8 準備 エアレックスマット2枚、ロールマット、キーボードの玩具、転がる玩具、スクーターボード、アイ ジョーベルト

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9 本時の展開 段階 配時 中心とする遊び(【 】) 学習活動と内容(○) 指導上の留意点 評価の観点 導入 3 分 7 分 1 始まりの遊び「さかなが はねて」をする。【歌遊び】 ○ 教師からの呼名や関わ りに注意を向け続けるこ と。 ○ 自立活動の学習が始ま ることに期待感をもつこ と。 2 本時において基礎となる 動きに取り組む。 ○ 体幹・上下肢のバラン スをとること。 (1) 「ぎっこんばったん」 をする。 【言葉のリズムを楽しむ遊 び】 【スキンシップや揺れのあ る遊び】 ○ 力を入れて腹部を使 い、体幹のバランスをと ること。 (2) 「どこかな遊び」をする。 ○ 割座でバランスをとり ながら身体を捻って物を 取ること。 【音の出る玩具を用いた遊 び】 (3) 「よいしょよいしょ」を する。 ○ ロールマットを使った 腹臥位で、繰り返し身体 を曲げ伸ばしすること。 【言葉のリズムを楽しむ遊 び】 ・間をとり、A児の目の前で 大きく息を吸い込んで期待さ せてから名前を呼ぶことで、 教師に注意を向けることがで きるようにする。 ・「ぴょーん」の前に間をもた せることで、期待感をもたせ る。 ・始まりの遊びをパターン化 することで、学習の見通しを もたせる。 ・「ぎーっこん、ばーったん」 という言葉のリズムに合わせ て揺れる遊びを始めに行う。 その後、その言葉に合わせて 活動することで、学習に対す る意欲と教師に対する注意を 引き出すことができるように する。 ・教師の親指をA児がしっか りと握っているのを確認して から行う。 ・臥位に戻る際も途中で止め、 腹部を意識させる。 ・容易に手を伸ばすことので きる距離にしばらく玩具を置 き、自由に遊ばせることで、 物に対する興味・関心を高め る ・教師の支援で反対側の手を 使って始めに玩具を触らせる ことで、提示した方向と反対 側の手を伸ばすことを意識さ せる。 ・A児の動きに合わせて「よ ーいしょよいしょ」とリズム よく言葉掛けをする。曲げ伸 ばしの動きが数回見られた後 に称賛することで、繰り返し の動きに対する意識付けを図 る。 ・教師からの呼名や関わりに 対し、注意を向けたり(右上 を見る)、笑顔になったりして いる。 ・途中で止めた時に、腹部に 力を入れて自分で起き上がろ うとしている。 ・割座でバランスを保ったま ま、反対側の手を使って物に 手を伸ばしている。 ・身体を曲げ伸ばすことを数 回繰り返している。

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展開 4 分 13 分 13 分 3 目的の物に向かって移動 する。 (1) 追いかけたい物を選ぶ。 ○ 教師や物に注意を向け ること。 (2) 寝返りで移動する。 ○ 目的の物・人に注意を 向けること。 ○ 目的の物・人に向かっ て、寝返りをすること。 【音の出る玩具を用いた遊 び】 (3) スクーターボードを使 って移動する。 ○ 目的の物・人に注意を 向けること。 ○ 目的の物・人に向かっ て、スクーターボードを 使って移動すること。 【音の出る玩具を用いた遊 び】 ・移動をする前に、教材を目 の前に2つ提示し、その中で 視線を向けたり手を伸ばした りした物を、追いかける物と して取り上げる。 ・容易に手を伸ばすことので きる距離にしばらく玩具を置 き、自由に遊ばせることで、 物に対する興味・関心を高め る。 ・教師の顔の近くに物を提示 し、教師と物の両方に注意を 向けやすくする。 ・腹臥位から仰臥位への動き の際は、横から左手または右 手をもって身体の向きを変え たり、腰のひねりを促したり する。 ・追いかける物に視線を向け る、手を伸ばす、身体の向き を変えて寝返りをしようとし た際は、その動作を介したボ ディタッチで即時的に称賛 し、称賛していることを動作 で明確に伝える。また、追い かけている物で遊ぶ時間をと る。 ・学習に対する意欲や物に対 する注意・興味が薄れてきた 際は、歌遊び、スキンシップ のある遊び等を行い、人に対 する注意・興味を引き起こす。 また、再度その物で遊ぶ活動 をしばらくとる。 ・(1)と同様、移動する前に教 材を選ばせる。 ・A児の動きの特性に合わせ、 胸部・腹部のみがスクーター ボードの上に乗るようにす る。 ・A児が膝関節を屈曲・伸展 させる動作に合わせて、踵を 床に軽く押さえる支援をす る。 ・(1)と同様、追いかける物に 視線を向ける、手を伸ばす、 自ら下肢を動かそうとした際 ◎追いかける物・人に視線を 向けたり、手を伸ばしたりし ながら、仰臥位から腹臥位へ 寝返りをしている。 ◎追いかける物に視線を向け たり、手を伸ばしたりしなが ら、膝関節伸展・屈曲させる 動きを繰り返している。

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は、その動作を介したボディ タッチで即時的に称賛し、称 賛していることを動作で明確 に伝える。また、追いかけて いる物で遊ぶ時間をとる。 ・学習に対する意欲や物に対 する注意・興味が薄れてきた 際は、スクーターボードを使 った揺れ遊び、歌遊び等を行 い、人に対する注意・興味を 引き起こす。また、再度その 物で遊ぶ活動をしばらくと る。 終末 5 分 4 本時学習のまとめをす る。【歌遊び】 ○ 教師からの呼名や関わ りに注意を向け続けるこ と。 ○ 本時活動を終えて、達 成感を感じること。 ・頑張ったこととその動作を 介したボディタッチを再度行 うことで、活動を振り返るこ とができるようにする。 ・好きな歌遊びを最後に行う ことで、達成感や成就感を感 じさせ、次時の意欲へとつな げる。 ・教師からの呼名や関わりに 対し、注意を向けたり(右上 を見る)、笑顔になったりして いる。

参照

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