高齢者における心身と口腔機能との関係を解明するための
縦断介入研究
15390582平成15年度∼平成17年度科学研究費補助金
(基盤研究(B))研究成果報告書
平成18年5月
研究代表者 服部佳功
東北大学大学院歯学研究科助教授
独立行政法人日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究伯)研究成果報告書
高齢者における心身と口腔機能との関係を解明するための
縦断介入研究
15390582平成15年度∼平成17年度科学研究費補助金
(基盤研究(B))研究成果報告書
平成18年5月
研究代表者 服部佳功
東北大学大学院歯学研究科助教授
【研究組織】 研究代表者: 研究分担者: 研究分担者: 研究分担者: 研究分担者: 研究分担者: 【交付決定額】
服部佳功(東北大学・大学院歯学研究科・助教授)
辻一郎 (東北大学・大学院医学系研究科・教授)
渡追誠 (東北大学・大学院歯学研究科・教授)
菊池雅彦(東北大学・病院・教授)
高津匡樹(東北大学・病院・助手)
荒井啓行(東北大学・大学院医学系研究科・教授)
(金額単位:円) 直 接 経 費 間 接 経 費 合 計 平 成 1 5 年 度 7 ,1 0 0 ,0 0 0 0 7 ,1 0 0 ,0 0 0 平 成 1 6 年 度 3 ,8 0 0 ,0 0 0 0 3 ,8 0 0 ,0 0 0 平 成 1 7 年 度 2 ,8 0 0 ,0 0 0 0 2 ,8 0 0 ,0 0 0 総 計 1 3 ,7 0 0 ,0 0 0 0 1 3 ,7 0 0 ,0 0 0はじめに
不老ageless、不死immortalityは、人類積年の夢であった。そして見果てぬ夢 であり続けた。不死はもとよりのこと、不老すら呼び名を抗加齢anti−ageingと変えた ところで、実現の兆しも見えてはいない。 だが、その手前にある長寿の方は、かなりのところまで手中に納めたように見える。 平成16年簡易生命表1は、日本人の平均寿命が男性78.64年、女性85.59年に 達し、第二次世界大戦以降の長期的な延長傾向が、今なお続いていることを示してい る。100歳を越える高齢者、百寿者centenarianと呼ばれる人々も、加速度的にそ の数を増している。1963年には全国でわずか153人であった百寿者は、81年には 1,000人を超え、98年には10,000人を突破し、2005年には25,000人を上回る に至った。 長寿は不老不死に連なる道程の一里塚である。もとより望ましい変化でなければな らない。旧世代よりも長い寿命、高い生活水準は、まざれもなく過去の経済成長や、そ れと歩調を合わせた科学の進歩の賜物なのである。にもかかわらず、高齢者人口の増 大が今日わが国において社会問題視されるのは、それが高齢者人口の対総人口比 の増大、つまり人口の高齢化increasinglongevityを伴っているためである。そして その、いまひとつの原因は、少子化decliningftrtilityという、背景をまるで異にする 人口の変化である。 内閣府のまとめた平成17年度少子化社会自書2によれば、2004年の合計特殊 出生率totalftrtilityrateは1.29と、史上最低の水準を示している。人口の維持 に必要な値である2.08に遠く及ばないことはいうまでもない。この値が1.3を割り込 んでいる国を人口学では超少子化国lowestlowftrtilitycountriesと呼ぶようだ が、今日のわが国はまさにその状態にある。かつて超少子化国であった国にイタリア があるが、同国の出生率は現在上昇の基調にある。かわって近年急速な出生率の低下を示しているのは隣国の韓国や、同じく東アジアに位置を占める台湾、香港、シン ガポールだが、これらの国々では高齢化の進行がわが国に比べてはるかに緩やかで ある。少子化と高齢化が同時に先鋭化しているわが国は、他国との比較が許されない 状況に置かれているといってよい。 じっさい少子化による人口の減少と長寿による高齢者人口の増大は、他国とは比 較にならない速度での高齢化をもたらしてきた。全人口に占める65歳以上の高齢者 の人口比を高齢化率と呼ぶ。高齢化率は1950年には5%に過ぎなかったが、 1970年に7%を超えて高齢化社会に突入し、1994年には14%を超えて高齢社会 に進んだ。平成17年度高齢社会白書3によれば、2004年のこの比率はさらに増し て19.5%に達している。高齢化率が7%から倍の14%に達するまでの所要年数で ある倍化年数は24年であるが、115年のフランス、85年のスウェーデンはもとより、 比較的短い40年のドイツ、47年のイギリスと比較してもきわめて短い。高齢化が著し く速やかとは、こういう事実をいう。 高齢者人口の増大は2020年頃まで継続し、その後はおおむね安定的に推移す るようだ。他方、総人口は2006年をピークに、その後は減少に転じるとされ、その結 果、高齢化率は上昇を続ける。2015年には26.0%、2050年には35.7%に達する という試算である。さらに詳しく見れば、前期高齢者人口は2016年をピークに減少に 転ずる一方、後期高齢者人口は増加を続け、2018年には前期高齢者人口を上回る と見込まれている。健康長寿の推進によって就労年齢の上限が上昇するとしても、人 口の増大が後期高齢者に偏るとすれば、労働者人口やその全人口比は減少し、社会 の生産性の低下は避けられまい。けだし長寿は、出生率の低下を随伴することで、経 済社会に負のインパクトを与える現象となったのである。 そのインパクトは、高齢社会を支える社会基盤である医療、介護、年金といった社 会保障制度にも暗い影を落とす。少子高齢社会aged societywitha declining birthrateにおいては、生産性の低下が社会保障制度の持続可能性を脅かす直接 の要因となりうるということだ。年金や医療などを柱とするわが国の社会保障制度は、若 年層から高齢層への所得移転tranSferincomeという側面を有していて、若年層の 順調な人口増や着実な所得水準の向上が財源の調達を担保する構造である。財源を
負担する若年者の人口が減少し、受給者である高齢者の人口が増加すれば、若年世 代の負担は強まり、世代間の所得再分配を基盤とする現制度の根本的な見直しや、 制度そのものの破綻をも招きかねないと懸念されている。少なくとも現行の給付と負担 を、ともに縮小する方向に進むであろうことは、多くの識者の共通して指摘するところで ある。 生産性の漸減を基調とする少子社会が長命を寿ぐには、若年世代の負担の縮小 を、そしてその分の高齢者世代への給付の縮′J、を図らなければならない。医療にせよ 介護にせよ、健康状態が悪化し、自立した生活が困難になるにしたがって、コストが急 増する。給付の縮小をはかるには、健康状態や生活の自立度をより良好な状態に維 持、回復することが重要であり、必要な手立ては広義の予防である。しかし、医療保険 は基本的には疾病への対応であって、予防を目的とする給付はほぼ認められない。し たがって、医療保険の給付を医療保険によって抑制しようとするならば、より低コストの 医学的管理によって、高コストな医療介入の必要を低下させるはかない。 介護に関しては、本年4月に施行された介護保険制度改正において、予防重視 が明瞭に謳いあげられている。介護保険はそもそも高齢者の自立支援を目標とする制 度であったが、これまで予防に関して十分な効果を上げられず、むしろ制度導入以来、 軽度認定者(要支援・要介護1)の増加率が認定者全体の増加率を大きく上回り、軽 度者の重度化傾向も指摘されていた。また様々な研究やモデル事業を通じて介護度 の重度化を予防するいくつかの手立てが有効であることが検証されてきた。今回の介 護保険制度改正で予防重視の姿勢が明瞭に打ち出されたのはこうした理由によると、 総合的介護予防システムについてのマニュアルはその冒頭近くに記している4。 同マニュアルは、廃用症候群の予防・改善を目指したサービスを、必要な高齢者 に対して集中的に提供することを、その手段として強調しており、具体的なサービスは 個々人の運動機能や栄養状態、口腔機能の改善に向けた支援であるが、これらは認 知・情緒面(心身機能レベル)を改善し、生活行為(活動レベル)を高めるものであって、 結果的に生きがいや自己実現の達成(参加レベル)や、生活の質(QOL)の向上を支 援することに繋がると述べている。
運動機能と栄養状態と並んで口腔機能が取り上げられている理由は、口腔機能、 とりわけ摂食礁下機能の低下が低栄養や脱水を経て運動器の機能低下をもたらす、 気道感染や誤喋性肺炎のリスクを高める、食の楽しみを失うなどのより直接の影響の ほかに、さまざまな自己実現を妨げるという間接的な影響があり、口腔機能改善を目 的とした口腔ケアがそれら影響に対して有効な予防効果が実証されているためである と、口腔機能の向上マニュアル5は記している。 とはいえ、このマニュアルに必要に応じて歯科等、医療機関の受診を勧奨すること が明記されているように、口腔ケアのみで口腔機能の改善は目指せない。歯科の硬組 織疾患はほぼ非可逆的な過程を辿る。その治療に患部の除去と人工物による補綴修 復という手段が選ばれるのはこのためであり、食物摂取に関わる口腔機能の障害も、こ の方法によってのみ回復可能である。本来、口腔ケアと歯科治療は不可分である。口 腔衛生を目的とする口腔ケアは、歯科治療を伴うことで、ようやくその効果を発挿する のである。 残念なことに、介護保険の賄う口腔ケアは、コスト低減のために歯科関係者の関与 を前提としない形態である。歯科治療の必要性の判断を前提とした受診勧奨は、した がって、歯科の非専門家の判断で行われる。しかし、これでは折角の制度が機能不全 に陥りかねない。 ̄現行の歯科衛生士法は、歯科疾患の診断やケア計画の立案を国家 資格を有する衛生士自身が行うことを禁じ、衛生士の業務を口腔衛生手技や指導の 実践のみにほぼ限定している。診断や治療方針の立案といった行為が重要視された 結果である。歯科衛生士の職域の是非はさておき、こうした歯科医療の現状と、資格 を有しない非専門家に口腔ケアの実践から歯科受診勧奨までを委ねる新しい介護保 険制度には、明らかに不整合である。私見を述べさせていただけるならば、歯科衛生 士の職域はやや拡大して、自身でケア計画の立案、実施が行えるようすべきであり、 そうしたうえで介護予防の口腔ケアは、その担い手を歯科衛生士とすべきなのである。 歯科医療を担当する歯科医師との連携も、専門職である歯科衛生士が相手であるとき、 よりよく機能するであろう。 いささか議論が脇に逸れたが、ケアとキュアからなる歯科医療のコストが、終極的 には高齢者に健康長寿をもたらすとすれば、それは有意義な支出であるし、また高齢
者の生活を支援するコストを全体として低減させるとすれば、それは先に述べた給付 縮小の観点から重要な支出である。口腔ケアはもとより、歯科医療のコストすら、医療 全体のなかではきわめて低廉なのである。 いよいよ本研究の目的を述べる段階にきた。少子高齢社会がその構成員の長寿 を喜ぶためには、高齢者を支える社会的コストの低減が必須の要件である。それには 高齢者の健康や自立を損なう原因を予防することが重要である。口腔機能、とりわけ 摂食機能の維持、回復を図る口腔ケアや歯科治療が、その直接の目的に止まらず、 高齢者の自立や社会参加を促し、生活の質を高め、もって高齢者を支える社会的コス トの増大を抑止できるとすれば、こうした歯科的介入に要する費えはきわめて効率よい 支出となろう。本研究の目的は、歯科的介入が高齢者の口腔状態と機能、心身の健 康状態にどのような影響をもたらすかを、1年間の縦断研究によって明らかにすること である。歯科的介入には軽重さまざまな方略があろうが、今回はそのなかでもっとも低 廉な方法であるという理由で、集団健康診断における受診勧奨をその手段に選んだ。
研究方法
<研究対象> 仙台市の近郊、鶴ヶ谷地区で、寝たきり予防健診と銘打たれた事業が企画、実施 された。主体は東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野(主任:辻一郎教授) である。この事業には医学系研究科の多くの分野が参画し、歯学研究科からは当分 野が参加した。この事業は平成15年と16年の2年度に亘って行われ、対象は同 地区に居住する70歳以上の高齢者とされた。対象全員に事業の主旨、内容を記し た案内が送付され、参加の同意を募る。希望者を対象に包括的な健康診断を実施し、 その結果を参加者に還元するとともに、得られたデータから高齢者の健康を左右する 要件を探り出してゆこうというものである。 初年度の健診は平成15年7月18日から8月8日にかけて行われ、1,178名 (男性489名、女性689名)が受診した。受診者の平均年齢は75.7±4.8歳であ った。歯科健診の受診者は、うち1,172名であり、後述する基準にしたがって、227 名が異常なし、116名が要指導、829名が要治療と判定された。第2年度の健診は 翌平成16年7月15日から31日にかけ、962名(男性438名、女性524名)を 集めて行われた。受診者の平均年齢は75.0±4.8歳であった。うち954名が歯科 健診を受診した。 本研究の対象は、第1回の歯科健診において、歯科治療もしくは指導が必要と判 定され、受診を勧奨された945名のうち、第2回健診を受診した530名である。 なお本調査の目的、実施方法等は、事前に東北大学大学院歯学研究科ならびに 医学系研究科倫理委員会の承認を受けた。また対象者に調査研究に関する説明を 行い、書面による同意を得た者を解析対象とした。<調査項目>
1.歯科健診
歯科健診は、東北大学大学院歯学研究科加齢歯科学分野に所属する歯科医師 (総勢25名)が担当した。担当者は健診項目について事前に打ち合わせを行い、診 断基準の統一を図った。本研究での調査項目は以下のとおりである。 ①現在歯および喪失歯 現在歯については、健全歯、未処置う蝕歯、う蝕を除く未処置歯のいずれかに分 類した。未処置う蝕歯は、歯冠部曖合面が残存している歯と歯冠部が崩壊した、いわ ゆる残根歯を区別した。う蝕を除く未処置歯とは、唆摩耗、着色、斑状歯、外傷、酸食 症、形態異常などの歯を示す。喪失歯については、義歯やブリッジなどの欠損補綴処 置が必要な要補綴歯、すでに欠損補綴処置が施されている欠損補綴歯、最後方白歯 や便宜抜歯などで喪失した補綴不要歯のいずれかに分類した。そのうえで現在歯数、 機能歯数、未補綴歯数を以下のように定義した。 i.現在歯数:残根歯を除く現在歯の総数 ii.機能歯数:現在歯数と欠損補綴歯数の和 iii.未補綴歯数:要補綴歯数と残根歯数の和 ②歯周組織(CPI:CommunityPeriodontalIndex) 歯周組織の評価には、WHO基準によるCommunityPeriodontalIndex (CPI)を用いた。上顎、下顎の左右側第1、第2大白歯と上顎右側中切歯および下顎 左側中切歯の歯肉をWHOのプローブでブロービングし、以下のようにコード化し、6 部位の中で最高のコードをCPIスコアとして採用した。 i.コード0:異常なしii.コード1:ブロービング後の出血 iii.コード2:ブロービングによる歯石の検出 iv.コード3:歯周ポケットが4mm以上6mm未満 Ⅴ.コード4:歯周ポケットが6mm以上 ③歯科受診指導 口腔内診査の結果から、以下のように歯科受診の必要性を判定した。判定結果は、 受診勧奨の有無に関わらず、口頭で簡単に説明するとともに、判定結果を記載した書 面を手渡した。 i.異常なし: CPIコードが0で、その他の異常がない ii.要指導: CPIコードが1で、その他の異常がない iii.要治療: CPIコードが2以上、またはその他の異常がある 2.歯科アンケート:面接による聞き取り調査 ①食のQOL 食事や食行動に関するQOLについて調査する目的で、武兄の食行動・食態度 の積極性尺度6を用いた。これは、以下の社会的側面10項目、個人的側面5項目、 総括的評価5項目の合計20項目からなり、食に関するQOLの指標として信頼性と 妥当性が検証された尺度である。 社会的側面10項目、個人的側面5項目、総括的評価5項目の計20項目につ いて、それぞれ0∼3点の4段階で自己評価させるもので、その合計点数を求め、 60点満点中38点以上を高群、28∼37点を中群、27点以下を低群と分類する。 社会的側面(10項目) 1.食事を作る行動 ● 食事の共有時に自分が食事の準備や料理をする ● 人との関係で食事作りが楽しみになる ● 人にあげるために食事を作る
2.食事を食べる行動 ● グループ活動の仲間と食事を共有する ● 親戚、友人、近所の人と食事を共有する 3.食物や食情報を交換する行動 ● 若い世代へ料理の味を伝承する ● 健康や栄養について家族や友人と情報交換する ● 食事のやり取りにおいて自分からあげる方が多い ● 作った料理や食材のやり取りをする ● 料理の作り方や味付けについで情報交換をする 個人的側面(5項目) 1.食事を作る行動 ● 食事作りに不自由がない ● 食料品の買物に不自由がない ● 食事作りに関わっている ● 食事作りが好き 2.食事を食べる行動 ● 食事を食べるのに介助の必要はない 総括的評価(5項目) ● 食事がおいしい ● 食事が楽しい ● 食生活に満足している ● 食欲がある ②阻囁能力 阻囁能力の評価には、眞木らの岨囁能力指数スケール7を用いた。これは魚肉、 ごはん、ちくわ、かまぼこ、こんにゃく、鶏肉、りんご、はくさい、せんべい、ピーナッツの 10種類の食品種について、岨噂の可否を、「噛める」、「何とか噛める」、「どちらとも言 えない」、「あまり噛めない」、「噛めない」の5段階で回答させるもので、それぞれに
10点、7.5点、5.0点、2.5点、0点を与えて合計得点(100点満点)を岨囁能力の スコアとした。 ③食事における不満 食事において不満、不快と感じることなど、以下の9項目の有無を質問した。 1.岨囁障害に関する項目 ●「噛みづらい」 ・「噛みやすいものを摂取する」 2.礁下障害に関する項目 ●「飲み込みづらい」 ●「飲み込みやすいものを摂取する」 ●「むせる」 ●「こぼれる」 ●「喋下後に残る」 3.その他の項目 ●「頬唇を噛む」 ●「味覚異常」 ④OralImpactsonDailyPerfbrmanCeS(0IDP) 歯や歯肉、義歯など口腔内の問題に起因して最近生じた日常生活の制限を、 TsakosらのOralImpactsOnDailyPerformanCeS(0IDP)8により調査した。あ らかじめ用意された制限の項目について、その有無を回答させる方式である。 ● 食事が出来なかった、食べたいのもが食べられなかった。 ● 会話をしづらかった、はっきり話せなかった。 ● 歯や入れ歯を磨けなかった。 ・家事などの日常の行動に支障があった。 ● 買い物や訪問などの外出に支障があった。 ● 良く眠れなかった。
● リラックスできなかった。 ● 歯を見せて笑うことや、大きく口を開けることができなかった。 ● 感情的になったり、気分がめいったりした。 ● 友人や近所の人に会うことができなかった。 ⑤義歯に関する問題点 使用中の義歯の問題点について、以下の10項目の有無を質問した。 ● 痛い ● 噛みづらい ● 飲み込みづらい ● ほっべたや唇を噛む ● 入れ歯と歯ぐきの間に食べ物が入る ● 食べ物の味がしない ● 落ちやすい、安定しない、ゆるい ● 話しにくい ● 変な味がする ● 見た目がわるい ⑥歯磨き回数 歯磨きの実施の頻度を、「日に2回以上」、「日に1回」、「週に4∼5回」、「週に 1∼2回」、「1ヵ月に1回以下」の5段階で評価させた。 ⑦歯科受診行動 歯科受診の機会、現在の受診の必要性、かかりつけ歯科医の有無、最終受診時 期について質問した。
3.運動機能検査
(∋脚伸展パワー 歯科受診の機会、現在の受診の必要性、かかりつけ歯科医の有無、最終受診時 期について質問した。脚の筋力を評価するため、脚伸展パワー装置(アネロプレス 3500;コンビ社)を用いて測定した。5回の試行のうち、最も高い2測定値の卑近を 体重補正した値を評価に用いた。 ②10m最大歩行速度 予備路3m、歩行路10mを最大努力で歩行した際の、歩行路10mの所要時間 を計測した。2回試行し、低値を分速に換算した値で歩行能力を評価した。 ③Timedupandgotest 椅子から立ち上がり、3m先の目印を折り返して再び椅子に座るまでの時間を測 定し、起居、歩行動作の評価を行った。。試行2回のうち、低値を評価に用いた。 ④ファンクショナル・リーチ バランス能力の指標として、ファンクショナル・リーチを測定した。ファンクショナル・ リーチとは、立位で両腕を肩の高さで伸ばした時の尺骨遠心端の突起部から、足の位 置を動かさずにできるだけ前方へ腕を伸ばした時の尺骨遠心端の突起部までの距離 で、2回の試行のうち高値を評価に用いた。
4.精神機能検査
①GeriatricDepressionScale(GDS)Blinkらによって開発された30項目のGeriatric Depression Scale(GDS)9 を用いて、抑うつ状態の評価を行った。解析では、10点以下を正常、11点以上をう
つ疑いとした。
認知機能の評価には、Mini−Mental State Examination(MMSE)10を用いた。 28点以上を正常、27点以下を痴呆疑いとした。 5.身体・生活活動能力関連 ①MOS(MedicalOutcomeStudy) 身体活動レベルを評価するため、MedicalOutcome Study(MOS)11を用いた。 質問により以下の7段階で評価し、5以上を高値、4以下を低値とした。 6:強い運動を要する活動が可能 5:中等度以上の運動量の活動が可能 4:坂道を登ったり、2∼3まで階段を登ることができる 3:体を曲げたり、のばしたり、しゃがんだりすることができる 2:50mくらい歩くことができる 1:食事・着替え・入浴・トイレができる 0:全部不可能である ②老研式活動能力指標 生活活動能力(IADL)の評価には、古谷野らによる老研式活動能力指標12を用い た。13項目の質問に対して、「はい」と回答した項目数の合計を得点とした。
③栄養摂取状態
採血試料中の総タンパク(TP)、アルブミン(Alb)、総コレステロール(TC)、HDL− コレステロール(HDL)、中性脂肪(TG)の各値を測定し、栄養摂取状態の評価に用 いた。④QOL
Euro−QOl(日本語版)の5項目法13における、移動の程度、身の回りの管理、普 段の活動、痛み・不快感、不安・ふさぎこみについて、問題等の有無を調査した。⑤ソーシャルサポート 村岡らの報告14を参照し、以下の5項目の有無について質問した。 1.相談による支援 ● 困った時の相談相手 ● 体の具合が悪い時の相談相手 2.身辺介助による支援: ● 家事などの日常生活を援助してくれる人 ● 具合の悪い時病院に連れて行ってくれる人 ● 寝込んだ時身の回りの世話をしてくれる人 6.その他の基本情報 以上の他、参加者の基本情報として、既往疾患の有無、喫煙状況、飲酒状況、最 終学歴、同居人数、配偶者の有無を、面接聞き取り法により調査した。 <統計学的解析> 第1回健診時に歯科受診の勧奨を受けた研究対象者を、第2回健診時までの 約1年間に、実際に歯科受診した者と、受診しなかった者の2群に分類し、両群の 特徴を比較検討した。統計解析にはX二乗検定、f検定を用い、有意水準5%未満 を有意とした。
結果
本研究の対象は、第1回の歯科健診において、歯科治療もしくは指導が必要と判 定され、受診を勧奨された945名のうち、第2回健診を受診した530名である。この 対象者を、受診勧奨にしたがって第2回健診までの約1年の間に歯科受診を行った 群、367名(69.2%)と、行わなかった群、163名(30.8%)に分けて、受診行動の相 違が口腔状態や心身の状態に及ぼす影響を比較検討した。なお、以下では前者を受 診群、後者を非受診群と呼称することとする。 受診群、非受診群の平均年齢は、それぞれ74.3±4.2歳ならびに75.3±4.6 歳で、群間で統計学意的有意差はなかった。年齢を5歳毎に階層化し、各層に含ま れる人数を比較しても、有意な差異は兄いだせなかった。性構成は、受診群が男性 176名、女性191名.、非受診群が男性71孝.、女性92名で、群間に有意差を認め なかった。そのほか、最終修学年齢、独居か否か、配偶者の有無についても、群間に 有意差を認めなかった。したがって、以下の検討では、これらについての統計学的補 正を行わなかった。1.初年度の結果
初年度における群間の比較は、受診勧奨に対する反応の相違にどのような背景が あるかを検討する意義がある。歯科健診結果、歯科アンケート結果、それ以外の診査、 調査結果について、以下に結果を抄録する。 ① 口腔状態 はじめに初年度の口腔状態を比較した。平均現在歯数は、受診群で17.3±8.5 本に対し、非受診群では14.4±10.6本と、非受診群が有意(p=0.001)に少ない結果となった。また無菌顎者は、受診群では367名中14名に対し、非受診群では 163名中32名と、非受診群で有意(p<0.0001)に高率に含まれた。一方、健全歯 数は受診群、非受診群の平均歯数がそれぞれ6.4±6.0本および6.5±7.1本で有 意差はなかった。詳細は略するが、廓蝕歯数、補綴歯数、CPIにも有意差を認めなか った。 歯や校合状態で群間に有意差を認めたのは、処置歯や校合支持に関する項目で ある。受診群、非受診群の平均処置歯数は、それぞれ10.0±5.7本および7.3± 6.0本で、受診群で有意(p<0.0001)に多く、要補綴歯数と残根数を合わせた未補 綴歯数はそれぞれ1.4±4.0本および1.8±4.3本で、受診群で有意(p=0.0025) に少なかった。校合支持状態は、受診者群で有意(p=0.0077)に良好であった。 以上より、受診勧奨を行った初年度の歯や曖合の状態は、受診群のほうが現在歯 数や処置歯数が多く、未補綴歯数が少なく、曖合支持状態が良好であることで、より 良好な歯列、唆合状態にあることが判明した。その一方、嚇蝕歯数やCPIには差がな く、要指導と要治療の人数を比較すると、要治療の人数の割合は受診群で有意 (p=0.0091)に多かった。 ②面接による歯科アンケート結果 つぎに、面接による歯科アンケートの結果を比較した。 食のQOL、食に関する不満、OHIP、岨噂能力、義歯使用の有無、義歯への不満、 歯や歯ぐきの問題の項目は、いずれも群間に有意差を認めなかった。有意差を認め たのは歯磨きの回数と主観的な受診の必要性である。歯磨き回数を1日あたり2回 以上と2回未満に別け、各群でそれぞれの人数を比較したところ、受診群では2回 以上が284名、未満が79名に対し、非受診群ではそれぞれ111名、48名で、両 群間の差は有意(p=0.0389)であった。 受診の必要性についても感じる、感じないに別け、それぞれの人数を比較したとこ ろ、受診群では感じるが185名、感じないが178名であったのに対し、非受診群で はそれぞれ63名、100名で、両群間には有意(p=0.0089)な差を認めた。
かかりつけ歯科医のある、なしに関しては、受診群では339名が「ある」と回答し、 「ない」と回答した27名の12倍以上に達したが、非受診群では「ある」が122名、 「ない」が40名で、かかりつけ歯科医があるとの回答は、受診群で有意(p<0.0001) に多かった。歯科医師を最後に受診した時期については、1年以内、1∼2年前、2 ∼5年前、5∼10年前、10年以上前の5階層に区別しても、1年以内、1∼2年前、 2年以上前の3階層に区別しても、また1年以内と1年以上前の2階層に区分して も、受診群と非受診群の人数には有意な差異(それぞれp<0.0001、く0.001、 =0.027)があり、最終受診からの年数の浅い対象者が受診群により多かった。 ③上記以外の診査、調査結果 上記以外の診査、調査の項目には、喫煙や飲酒の習慣、全身疾患の有無、GDS、 MMSE、IADL、MOS、QOL、ソーシャルサポート、体力、脚伸展パワー、ファンクショ ナルリーチ、Timedup&go test、10m最大歩行速度、ならびに血液検査の諸項 目がある。これらのうち、受診群と非受診群で有意差を認めたのは喫煙の習慣と MMSEのみであった。喫煙は、禁煙もしくは非喫煙者が受診群で有意(p=0.0312) に多く、MMSEは28以上とそれ未満の2階層に区別した場合に、28以上の対象 者が受診群に有意(p=0.0323)に多い結果となった。 2.2年目の結果 2年目における群間の比較は、歯科受診の効果を概観する意義がある。それに基 づいて、初年度からの変化分を比較するのが、次の行程である。初年度と同様に、歯 科健診結果、歯科アンケート結果、それ以外の結果について、結果を抄録する。 (》 口腔状態 2年目の口腔状態は、現在歯数、機能歯数、処置歯数が受診群で有意に多く、未 補綴歯数、靡蝕歯数が有意に少ないという結果であった。校合支持、CPIも、受診群 で有意により良好な結果を収めた。
まず現在歯数だが、受診群の平均が16.9±8.7本であるのに対し、非受診群で は14.3±10.5本で、受診群が有意(p=0.0036)に多かった。同様に機能歯数は 27.2±1.9本に対して25.9±5.3本(pく0.0001)、処置歯数は10.3±6.0本に対 して7.7±6.3本(p<0.0001)であった。反対に麟蝕歯数は0.4±0.9本に対して 0.7±1.5本(p=0.0034)、未補綴歯数は0.7±1.6本に対して2.0±5.3本 (p<0.0001)と、非受診群で有意に多かった。 スコア別に5階層に分けた曖合支持には群間でp=0.0415の、またスコア別に 5階層に区別したCPIにはp=0.0259の有意差を認めた。 ②面接による歯科アンケート結果 面接による歯科アンケートの結果については、義歯使用の有無と、義歯への不満、 かかりつけ歯科医の有無のみに有意差を認めた。すなわち、義歯使用に関しては、受 診群でありと答えた対象者が有意(p=0.0013)に多く、一方、義歯への不満は、非受 診群でありと答えた対象者が有意(p=0.0041)に多かった。かかりつけ歯科医の有無 には、初年度同様の有意差(p<0.0001)を認めた。 ③上記以外の診査、調査結果 上記以外の診査、調査の項目には、喫煙や飲酒の習慣、全身疾患の有無、GDS、 MMSE、IADL、MOS、QOL、ソーシャルサポート、体力、脚伸展パワー、ファンクショ ナルリーチ、Timedup&go test、10m最大歩行速度、ならびに血液検査の諸項 目がある。これらのうち、受診群と非受診群で有意差を認めたのはMMSEとQOLの 管理カテゴリーのスコア、血中TP値のみであった。受診群では、MMSEは28以上 とそれ未満の2階層に区別した場合の28以上の対象者が有意(p=0.0263)に多く、 QOL管理カテゴリーでは問題なしが有意(p=0.0189)に多かった。血中TP値は、 受診群が平均7.1±0.4に対し、非受診群では平均7.2±0.4と、受診群で有意 (p=0.021)に低値を示した。 3.初年度から2年目までの変化
初年度から2年目までに生じた変化は、少なくともその一部が初年度の状態によ って引き起こされた結果であると考えることができる。したがって、ふたつの時点の差分 を比較検討することで、両群間の相違である歯科受診の効果をより鮮明にできるという 意義がある。初年度や2年目と比較して有意な変化は乏しいので、歯科健診結果、歯 科アンケート結果、それ以外の結果をまとめて報告する。 初年度から2年目までの約1年間の変化分について、群間で有意差を認めたの は、現在歯数、麟蝕歯数、GDS、血中TP値のみであった。 現在歯数は、受診群では0.4±1.4本の減少を示したのに対して、非受診群では 0.1±1.0本の減少に止まり、群間に有意差(p=0.0094)を認めた。鮪蝕歯数は、受 診群では0.3±1.7本の減少であったのに対して、非受診群では0.2±1.3本の増 加を示し、両群にはp=0.0013の有意差が認められた。 GDSは、受診群が0.4±2.0の減少に対して、非受診群では1.0±3.2と、有意 (p=0.0305)に大きな減少を示した。血中TP値の減少幅は、受診群が0.2±0.4に 対して、非受診群では0.1±0.3と、非受診群のほうが有意(p=0.0164)に小さな減 少幅となった。
考察
緒言に記したように、少子高齢化は社会保障制度の経済基盤を脆弱化する。高齢 者向けの社会保障制度の長期的存続を図ろうとすれば、その内容を低廉なコストで賄 いうるものとしなければならず、それは必然的に予防的色彩の強いものとなるであろう。 歯科的介入が高齢者の口腔状態や心身機能に及ぼす影響の解明を企図して行った 本研究が、介入の方法として、コストの嵩む個別の口腔ケアや歯科治療ではなく、集 団歯科健診に基づく受診勧奨を選んだのは、第1に、集団歯科健診という手段の高 齢者1名あたりの単価が、他の方法と比較して格段に低廉と考えられることである。 今国会で審議中の「医療制度改革関連法案」は、生活習慣病の予防徹底を医療 費抑制の方策と位置づけ、「特定健康診査」、すなわち糖尿病など生活習慣病に関す る健康診査と、「特定保健指導」、すなわち特定健康診査の結果、健康保持に努める 必要がある者に対して行なう保健指導の導入を、その具体的な手段に掲げている。健 診と事後指導という手段が、糖尿病などの生活習慣病予防に有効という考え方が、そ こにはある。歯周病などの歯科疾患も生活習慣病の性格を帯びている。糖尿病と同じ く、健診と事後指導という方法が予防に有効と考えることに無理はなかろう。 第2の理由は、受診勧奨によって歯科受診が促され、その分、歯科医療費が嵩 むとしても、それが公的医療制度を経済的に逼迫させるインパクトがあろうとは思われ ないことである。平成15年度の「国民医療費の概況」15は、歯科診療医療費が国民 医療費のわずか8.0%を占めるに過ぎず、しかも65歳以上の高齢者に費やされた 歯科診療医療費はその総額の27.0%を占めるに過ぎないことを報じている。一般の 医療費が増齢に伴って加速度的に増大するのに対して、歯科診療医療費がこのよう な変化傾向を示さないことが伺われる。高齢者の受診率の増大が、ただちに歯科医療 費の高騰をもたらすと考える理由は乏しい。考察
緒言に記したように、少子高齢化は社会保障制度の経済基盤を脆弱化する。高齢 者向けの社会保障制度の長期的存続を図ろうとすれば、その内容を低廉なコストで賄 いうるものとしなければならず、それは必然的に予防的色彩の強いものとなるであろう。 歯科的介入が高齢者の口腔状態や心身機能に及ぼす影響の解明を企図して行った 本研究が、介入の方法として、コストの嵩む個別の口腔ケアや歯科治療ではなく、集 団歯科健診に基づく受診勧奨を選んだのは、第1に、集団歯科健診という手段の高 齢者1名あたりの単価が、他の方法と比較して格段に低廉と考えられることである。 今国会で審議中の「医療制度改革関連法案」は、生活習慣病の予防徹底を医療 費抑制の方策と位置づけ、「特定健康診査」、すなわち糖尿病など生活習慣病に関す る健康診査と、「特定保健指導」、すなわち特定健康診査の結果、健康保持に努める 必要がある者に対して行なう保健指導の導入を、その具体的な手段に掲げている。健 診と事後指導という手段が、糖尿病などの生活習慣病予防に有効という考え方が、そ こにはある。歯周病などの歯科疾患も生活習慣病の性格を帯びている。糖尿病と同じ く、健診と事後指導という方法が予防に有効と考えることに無理はなかろう。 第2の理由は、受診勧奨によって歯科受診が促され、その分、歯科医療費が嵩 むとしても、それが公的医療制度を経済的に逼迫させるインパクトがあろうとは思われ ないことである。平成15年度の「国民医療費の概況」15は、歯科診療医療費が国民 医療費のわずか8.0%を占めるに過ぎず、しかも65歳以上の高齢者に費やされた 歯科診療医療費はその総額の27.0%を占めるに過ぎないことを報じている。一般の 医療費が増齢に伴って加速度的に増大するのに対して、歯科診療医療費がこのよう な変化傾向を示さないことが伺われる。高齢者の受診率の増大が、ただちに歯科医療 費の高騰をもたらすと考える理由は乏しい。さて以下の考察では、本研究の結果をつぎの観点から考察したい。第1は、歯科 受診の効果である。初年度の結果と2年度の結果、あるいはその間の変化を、歯科 受診群と非受診群で比較すれば、そこには歯科受診の効果ないし影響が現れ出よう。 第2に、受診の有無に関わらず、口腔状態の変化と心身状態の変化から明らかにな る両者の関連である。対象者には初年度に歯科診療の必要を書面で伝えている。受 診の有無とは別に、歯口清掃などの日常行動に、なんらかの変化が生じる可能性は 否定できず、その場合、そうした変化の分だけ、介入の効果は小さく見積もられかねな い。第3は、受診行動とその動機である。受診勧奨に対して、それにしたがって受診 する群としない群は、どのように別れるのか。その要因の解明は、健診と事後指導とい う予防策の成否に直接に関わるという点で、きわめて重要と考える。以上、3点の考察 を、順に述べてゆきたい。 第1は歯科受診の効果である。麟蝕歯数は受診群では減少、非受診群では増加 し、その差は平均0.5本に及んだ。歯科受診が麟蝕の減少に効果を示したことがわ かる。初年度から2年目までの変化には差を認めなかったものの、受診者群で義歯 の使用者数が増し、義歯に関する問題が減少したという結果は、歯科受診の効果と捉 えるべきであろう。一方、現在歯数はむしろ受診群でより多く(平均0.3本)減少した。 残根以外の理由で抜歯を必要とする歯に対して、積極的に処置を行った結果かもし れないが、GDSの変化とともに、理由の判然としない変化であった。 とはいえ、歯科受診が麟蝕の減少や義歯の利用促進に有効であるとの結果は重 要である。8020財団の支援のもと、宮城県国民健康保険団体連合会の協力を得て、 本研究と同時期に当分野が行った研究が、歯数と歯科以外の医療費の関係を明らか にしたからである。この研究によれば、現在歯数4本以下の群と20本以上の群を比 較すると、1ヶ月の医療費は前者のほうが5,600円ほど高いという。これは、歯の健 康に気遣う人はそもそも健康への意識が高いという側面もあろうが、栄養摂取や気道 感染症などとの関連も否定できないところである。歯数による医療費の相違は、高齢 者ほど大きい傾向も伺われている。今後の研究によって、口腔状態と全身の健康の関 連がより明確になれば、低廉なコストの歯科治療を推進することで、医療費の削減が 可能にする途が開かれるのではと期待される。
第3の受診行動とその動機については、興味深い結果が得られた。受診群の方 が現在歯数や処置歯数が多く、未補綴歯数が少なく、校合支持状態が良好なのであ る。たしかに受診群の方が歯みがき回数が多いという結果が得られてはいるが、繭蝕 歯数やCPIには差がないことから、歯列や嘆合の差は歯口清掃習慣や技術の相違 によってもたらされたものではなく、むしろ受診回数や頻度の相違に由来するかと疑わ れる。また、かかりつけ歯科医があると回答する者、受診を必要と考える者が受診群に より多く、直近の歯科受診からの経過年数がより短いことなどは、歯科受診への積極 性がそもそも両群で異なっていたことを示しているのではないだろうか。 もちろん受診群は勧奨者全体のほぼ70%に達したのだから、勧奨は確かに有効 であったと考えなければならない。しかし、残る30%を受診へと導くには、単に歯科疾 患の存在や治療の必要を示すだけでは不十分であることを、この結果は示しているよ うに思われる。 当分野に所属して修士課程を修了した星は、県下19の歯科医院の歯科医師と、 そこを受診する患者に対して広範な内容のアンケート調査を行い、その一部として受 診動機や受診勧奨の経験を尋ねている。患者側の回答者は1,137名で、有効回答 は869名(76.4%)というから、小さくはない規模の調査である。そして、この調査の 結果は、驚くべきものであった。19名の歯科医師は、いずれも患者に診察結果や受 診勧奨を含めた情報提供をしていると回答したにもかかわらず、通院患者は、かかり つけ医をもっていると回答した者でさえ、そうした情報提供を受けていると回答した者 は、その半数に満たなかったのである。 今日、テレビを始めとするマスコミが、口腔衛生や口腔ケアに関する情報を日常的 に流している。歯科医院で提供される情報が廟蝕、歯周病と関連した歯口清掃の必 要性であるとしたら、それは患者には既に「よく知っている」知識に過ぎない。歯や口 腔の健康が、単に歯や口の形態、機能の保全に止まらず、心身機能を含めたより幅広 い健康に寄与するとの情報提供が同時に行われるとしたら、健診や事後指導としての 受診勧奨は、より有効なものとなろうと思われる。
鶴ヶ谷で行われた寝たきり予防健診、通称「鶴ヶ谷プロジェクト」は、多くの成果をも たらした。歯科に限っても、現在歯数、機能歯数が、運動機能、精神機能、脳機能な ど、ひとの健康と密接に関連することを示してきた。その成果には、健診の事後指導に おいて、口腔ケアや歯科受診の動機付けを行うに適した内容が豊富に含まれる。本研 究は、疾患の存在やその成因を指摘する従来の事後指導法が、30%の対象者には 有効に働かなかったことを示した。この知見に基づき、著者らは患者への情報提供を 目的としたビデオ教材を作成した。残念ながらその介入効果を本研究において検証 することはできなかった。ビデオを研究成果の一部とし、効果検証は今後の課題に残 したい。
参考文献 1.厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課(2005).平成16年簡易 生命表.http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/lifeO4/ 2.内閣府共生社会政策統括官(2005):少子化社会白書. http://www8・CaO・gO・jp/shoushi/whitepaper/W− 2005/17WebHonpen/index.htm1 3.内閣府共生社会政策統括官(2005):高齢社会白書. http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/W− 2005/zenbun/17index.htm1 4.総合的介護予防システムについての研究班(2006):総合的介護予防システムに ついてのマニュア/レ. http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/051221/index.htm1 5.口腔機能の向上についての研究班(2006):口腔機能の向上マニュアル ∼高齢 者が一生おいしく、楽しく、安全な食生活を営むために∼. http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/051221/dl/06a.pdf 6.武見ゆかり(2001):高齢者における食から見たQOL指標としての食行動・食態 度の積極性尺度の開発.民族衛生67(1):3−27. 7.眞木吉信,杉原直樹,高江洲義矩(1995):面接調査に基づく老年者の岨囁能力 指数スケールの開発と評価.老年歯学9:165−173. 8.TsakosG,MarcenesW,SheihamA(2001):Evaluationofamodined VerSionoftheindexoforalimpactsondailyperformances(OIDP)in elderlypopulationsintwoEuropeanCOuntries.Gerodontology18: 121−130. 9.BlinkTA,YesavageJA,LumO,HeersemaP,etal.(1982):Screening testsfbrgeriatricdepression.ClinGerontologistl:37−44. 10. FoIsteinMF,FoIsteinSF,McHughPR(1975):Mini−MentalState; ApracticalmethodforgradingthecognitivestateofpatiantSfbrthe Clinician.JPsychiatrRes12:189−198.
11. ShunichiF,JohnEW,MarkK,SayuriW,BarbaraG(1998): PsychometricandclinicaltestsofvalidityoftheJapaneseSF−36 HealthSurvey.JClinEpidemio151:1045−1053・ 12. 古谷野亘,柴田博,中里克治ほか(1987):地域老人における活動能力の測 定:老研式活動能力指標の開発.公衛誌34:109−114. 13. BrooksR,theEuroQOLGroup(1996):EuroQOL,Thecurrent StateOfplay.HealthPolicy37:53−72. 14. 村岡義明,生地新,井原一成(1996):地域在宅高齢者のうつ状態の身体・ 心理・社会的背景要因について.老年精神医学誌7:397−407. 15. 厚生労働省大臣官房統計情報部(2006):平成15年度国民医療費の概況. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k−iryohi/03/index.html
11. ShunichiF,JohnEW,MarkK,SayuriW,BarbaraG(1998): PsychometricandclinicaltestsofvalidityoftheJapaneSeSF−36 HealthSurvey.JClinEpidemio151:1045LlO53. 12. 古谷野亘,柴田博,中里克治ほか(1987):地域老人における活動能力の測 定:老研式活動能力指標の開発.公衛誌34:109−114. 13. BrooksR,theEuroQOLGroup(1996):EuroQOL,Thecurrent StateOfplay.HealthPolicy37:53−72. 14. 村岡義明,生地新,井原一成(1996):地域在宅高齢者のうつ状態の身体・ 心理・社会的背景要因について.老年精神医学誌7:397−407. 15, 厚生労働省大臣官房統計情報部(2006):平成15年度国民医療費の概況. http://www.mhlw.go.jp/toukei/Saikin/hw/k−iryohi/03/index.html
1年 日 全 体 受 診 な し0 受 診 あ り1 P ∩ 対 象 者 数 5 30 1 63 3 0 .8% 3 6 7 6 9.2 % 53 0 年 齢 平 均 m ea n ± S D 7 5 .0 ± 4 .3 7 5_3 ± 4 .6 74 _8 ± 4 ,2 N S 5 3 0 4 階 層 70 −7 4 2 8 6 8 5 20 1 N S 53 0 7 5−7 9 16 3 5 2 1 1 1 80 −8 4 6 1 1 7 9 4 4 8 5 − 2 0 1 1 2 階 層 70 −7 4 2 8 6 8 5 20 1 N S 5 30 75 − 2 4 4 78 16 6 性 別 男 性 2 4 7 7 1 17 6 N S 5 30 女 性 2 8 3 9 2 19 1 現 在 歯 平 均 m e a n ± S D 16 .4 ± 9 .3 14 .4 ± 10 .6 1 7.3 ± 8 .5 0 >00 1 5 30 有 無 な し :0 4 6 3 2 14 < 0 .00 0 1 あ り 二1 4 8 4 13 1 3 5 3 階 層 0 :0 4 6 3 2 1 4 < 0 .00 0 1 5 30 1−19 :1 22 8 5 7 17 1 20 −:2 25 6 7 4 18 2 機 能 歯 平 均 m ea n :±S D 26 .4 土 4 .2 2 6 .2 :±4 .5 2 6 .5 :±4 .1 0 .0 0 38 5 30 階 層 0−2 7 :0 23 0 7 2 15 8 N S 28 −:1 30 0 9 1 2 0 9 未 補 綴 歯 (要 補 綴 +C 4 ) 平 均 m ea n :±S D 1.5 :±4 .1 1.8 :±4 .3 1.4 ± 4 .0 0 .0 0 2 5 5 30 有 無 な し :0 3 7 1 1 14 2 5 7 N S 5 30 あ り:1 1 59 4 9 1 10 健 全 歯 数 平 均 m ea n :±S D 6 .4 :土6 .3 6 .5 ± 7.1 6 .4 土 6 .0 N S 5 3 0 処 置 歯 数 平 均 m ea n ± S D 9 .2 =±5 .9 7 .3 ± 6 .0 10 .0 ± 5 .7 < 0 .0 0 0 1 5 3 0 カ リエ ス 数 平 均 m ea n ± S D 0 .6 ± 1.4 0 ,5 ± 1,1 0 ,6 :± 1,5 N S 5 3 0 補 綴 歯 数 平 均 m ea n :±S D 10 .0 :±9 .4 1 1.2 ± 10 .9 9 .5 :±8 6 N S 5 3 0 唆 合 支 持 階 層 0 :0 2 34 8 7 7 10 14 7 0 .0 0 7 7 5 3 0 (E iC hn e r’S ) 1 :1 2 :2 4 6 55 3 9 4 5 3 :3 74 2 2 5 2 4 :4 1 2 1 3 7 8 4 C P I ス コア S (泊reO :0 S CO re l :1 23 58 6 2 0 17 3 8 N S 4 5 5 s co re2 :2 1 26 3 4 9 2 S (泊re3 :3 20 2 5 3 14 9 s co re4 :4 4 6 12 3 4 3 階 層 健 常 (0 ):0 軽 度 (ト 2 ):1 2 3 1 84 6 54 17 13 0 N S 4 5 5 中 等 度 (3 −4 ):2 2 48 6 5 18 3 食 の Q O L 階 層 −2 7 :0 1 0 7 38 6 9 N S 53 0 28 −3 7 :1 2 0 2 6 2 14 0 3 8−:2 2 2 1 6 3 1 58 食 不 満 有 無 な し :0 1 90 54 1 36 N S 5 3 0 あ り :1 3 40 10 9 23 1 O H P l階 層 ス コ ア O H P I(0 )ニ0 O H P I(1−9 ):1 3 9 1 1 3 9 12 3 4 0 26 8 9 9 N S 5 3 0 岨 哨 能 力 ス コ ア < 100 :0 17 2 57 1 15 N S 5 3 0 100 :1 3 5 8 10 6 25 2 義 歯 使 用 有 無 あ り :1 16 5 59 10 ti N S 4 8 8 な し :0 3 2 3 9 0 23 3 義 歯 の 不 満 有 無 な し :0 2 2 5 6 1 16 4 N S 3 54 あ り :1 12 9 4 2 8 7 歯 磨 き 回 数 2階 層 1 日 2 回 以 上 1 日 1回 以 下 3 9 5 12 7 1 1 1 4 8 28 4 7 9 0 .0 3 8 9 5 2 2 歯 の 問 題 な し :0 2 7 5 78 19 7 N S 5 3 0 あ り :1 2 5 5 8 5 17 0
歯 ぐき の 問 題 な し :0 あ り :1 4 7 6 54 14 9 14 3 27 4 0 N S 53 0 受 診 の 必 要 性 4 階 層 強 く感 じる :0 1 2 7 2 9 98 0 .0 2 8 1 5 2 6 (主 観 ) ま あ ま あ 感 じる :1 12 1 3 4 8 7 あ ま り感 じな い :2 12 4 4 0 8 4 全 く感 じな い :3 15 4 60 9 4 2 階 層 感 じる 24 8 6 3 18 5 0 .00 8 9 5 26 感 じ な い 2 78 10 0 17 8 受 診 の 動 機 定 期 的 気 に な る 時 1 1 1 13 5 8 4 7 10 3 8 8 N S < 0 .0 0 0 1 5 0 9 5 28 支 障 あ る 時 2 6 3 9 6 16 7 か か りつ け 歯 科 医 あ り :1 な し :0 4 6 1 6 7 1 22 4 0 33 9 2 7 最 終 受 診 5 階 層 1 年 以 内 1−2 年 前 2−5 年 前 5 −10 年 前 10 年 以 上 前 32 8 64 89 2 6 2 2 5 4 3 0 4 9 17 1 3 2 75 34 40 9 9 < 0 .00 0 1 5 2 9 3 階 層 1 年 以 内 3 2 8 5 4 27 5 < 0 .0 0 0 1 52 9 1−2 年 前 2 年 以 上 前 6 4 13 7 3 0 7 9 34 3 3 6 2 階 層 1年 以 内 3 28 54 2 7 5 0 .0 2 7 5 2 9 1 年 以 上 前 2 0 1 10 9 3 7 0 歯 科 指 導 有 無 指 導 な し 要 指 導 要 治 療 7 3 4 5 7 3 2 13 1 4 1 3 26 0 .0 0 9 1 53 0 4 階 層 要 指 導 要 治 療 (カ リエ ス ) 要 治 療 (歯 周 病 ) 要 治 療 (補 綴 ) 7 3 15 5 3 80 15 4 3 2 3 6 10 0 54 4 1 11 9 2 8 0 10 0 0 .0 0 2 5 7 6 2 3 階 層 要 治 療 (カ リエ ス ) 要 治 療 (歯 周 病 ) 要 治 療 (補 綴 ) 15 5 38 0 1 54 3 6 10 0 5 4 1 19 28 0 10 0 0 ,04 75 6 89 喫 煙 3階 層 喫 煙 :1 禁 煙 :2 非 喫 煙 :3 6 2 16 4 2 9 7 2 8 4 5 89 3 4 1 19 20 8 0 .0 3 12 52 3 2 階 屏 n eV e r P re Se nt & ev e r 29 7 22 6 8 9 7 3 20 8 15 3 N S 5 2 3 2 37 5 7 2 20 7 3 14 7 2 16 4 4 3 14 8 N S 2 7 7 飲 酒 3階 層 飲 酒 ニ1 禁 酒 :2 非 飲 酒 :3 全 身 疾 患 (5種 ) 有 無 な い :0 あ り :1 19 2 3 3 8 62 10 1 13 0 2 37 N S 53 0 G D S m e a n + S D 8 .1 :± 5.0 8 .2 ± 4 .7 8 .0 ± 5.2 N S 5 2 9 3階 層 −10 :0 11 −14 :1 1 5−:2 39 8 70 6 1 12 3 20 20 2 7 5 5 0 4 1 N S 5 2 9 2 階 層 −10 :0 11 −:1 3 9 8 13 1 1 2 3 40 27 5 9 1 N S 52 9 M M S E 平 m e a n :±S D 2 7 .7 ± 2 .2 2 7 .4 =±2 .6 2 7.9 土 2 ,1 0 .0 32 52 8 3 階 層 −2 1 :0 2 2−2 7 :1 28 −:2 7 19 5 3 26 2 7 1 8 1 2 9 2 3 5 N S 4 7 52 8 2 階 層 −2 7 :0 2 8 一:1 20 3 2 2 7 6 8 3 12 9 2 3 9 0 .0 3 2 7 3 5 28 lA D L 平 m e an ± S D 12 .0 ± 1.9 1 2 .0 :±2.0 12 .0 =±1.8 N S 5 30 2 階 層 13 点 以 下 :0 13 点 :1 2 1 3 1 8 6 2 9 7 1 5 6 2 1 1 N 6 S 5 3 0 M O S 平 m ea n ± S D 4 _5 ± 1.6 4 ,5 ± 1.6 4 .5 ± 1 .6 N S 52 7 2 階 層 低 値 群 5未 済 :0 1 5 2 5 0 102 N S 5 2 7
高 値 群 5 以 上 :1 3 7 5 1 1 2 26 3 Q O L カテ ゴ リー V A S 0 −60 :0 12 7 44 8 3 N S 52 8 6 1−7 5 :1 11 9 38 8 1 76 −80 :2 14 9 4 1 10 8 8 1−100 :3 13 3 40 9 3 移 動 問 題 な い :1 4 4 5 13 3 3 1 2 N S 52 8 問 題 あ り :2 8 3 30 5 3 管 理 問 題 な い :1 5 2 2 16 2 36 0 N S 5 28 問 題 あ り :2 6 1 5 活 動 問 題 な い :1 4 8 2 15 3 32 9 N S 5 28 問 題 あ り :2 4 ti 10 3 6 痛 み 問 題 な い :1 3 2 7 98 22 9 N S 52 8 問 題 あ り :2 2 0 1 6 5 13 ti 不 安 問 題 な い :1 4 5 6 1 44 3 12 N S 52 8 問 題 あ り :2 7 2 1 9 5 3 ソーシャルサポ ート 有 無 サ ポ ー トな し :0 2 6 6 7 3 19 3 N S 53 0 サ ポ ー トあ り :1 2 6 4 90 1 74 困 っ た とき い な い :0 12 6 40 8 6 N S 53 0 い る :1 4 0 4 12 3 28 1 具 合 が 悪 い い な い :0 1 10 4 0 7 0 N S 5 30 い る :1 4 2 0 12 3 2 9 7 日 常 生 活 い な い :0 2 0 5 6 9 13 6 N S 5 30 い る :1 3 2 5 9 4 2 3 1 病 院 い な い :0 13 8 4 6 9 2 N S 5 30 い る :1 3 9 2 11 7 2 7 5 世 話 い な い :0 14 7 4 7 10 0 N S 5 30 い る :1 3 8 3 11 6 2 6 7 体 力 4 分 位 0 −9 :0 1 10 3 7 7 3 N S 5 30 10 −12 :1 13 8 4 3 9 5 13 :2 12 0 3 9 8 1 14 :3 16 2 4 4 1 18 学 歴 (就 学 年 齢 ) 2 階 層 18 歳 以 下 :0 3 3 9 1 13 2 2 6 N S 5 2 6 19 歳 以 上 :1 18 7 4 9 13 8 一 人 暮 ら し 2 階 層 N o :0 4 0 0 12 4 2 7 6 N S 5 2 6 Y e s :1 12 6 3 8 8 8 配 偶 者 3 階 層 な し :0 3 3 9 10 1 2 3 8 N S 5 2 6 あ り :1 未 婚 :3 16 6 2 1 5 3 8 1 13 13 脚 伸 展 パ ワ ー 平 均 m e a n ± S D 10 .6 ± 4 .5 10 .1 ± 4 .4 10 .8 :土4 .5 N S 5 10 ファンクシ]ナルリーチ 平 均 m e a n :±S D 3 1.1 ± 5 .7 3 0 .6 :±5 .9 3 1.3 :±5 .6 N S 5 2 2 T im ed u p & g o te st 平 均 m e a n ± S D 9 .2 :±2 .0 9 .3 :±2 .1 9_1 :±2 .0 N S 5 20 10 m 最 大 歩 行 速 度 平 均 m e a n ± S D 1.8 ± 0 ,3 1 .7 ± 0 .3 1.8 ± 0 .4 N S 5 1 3 血 液 検 査 T P m e a n :±S D 7 .3 ± 0 .4 7 .3 :±0 _5 7.3 :±0 .4 N S 5 28 A lb m e a n ± S D 4 .3 :と0 .3 4 .3 :±0 .3 4 .3 :±0 .3 N S 5 28 T C m e a n ± S D 20 3 .5 ;±3 3 ,4 2 0 1.7 ± 3 3 .8 2 0 4 .2 ±:3 3 .2 N S 5 28 H D L m e a n :±S D 5 5.5 :± 14 ,2 5 3 .7 ± 1 1.9 5 6 .2 ± 15 .1 N S 5 28 T G m e a n ± S D 15 2 .1 :±7 8 .4 15 0 .8 :± 77 _4 15 2 _8 ± 7 8 .9 N S 5 28 G O T m e a n ± S D 2 4 .3 :±1 1.0 2 5 .1 土 13 .4 24 .0 :±9 .7 N S 5 28 G P T m e a n =ヒS D 18 .4 :±1 1.7 18 .0 ± 1 1.4 18 .6 ± 11 .8 N S 5 28 γ− G T P m e a n :±S D 3 1.2 :±3 9 .7 3 3 .7 ± 5 8 .2 3 0 .1 ± 2 7 .8 N S 5 28 C r m e a n ± S D 0 .8 :±0 .4 0 .8 :±0 .2 0 _8 =ヒ0 .5 N S 5 28 U A m e a n :±S D 5 .3 ± 1.4 5 .3 ± 1.5 5.3 ± 1 .3 N S 5 28
2 年 日 全 体 受 診 な し0 受 診 あ り1 P n 人 数 5 3 0 16 3 3 0 .8 % 3 6 7 6 9 ,2 ,i 53 0 年 齢 平 均 m e a n ± S D 7 5 .7 ± 4 .3 7 5 .9 ± 4 .5 75 .6 :±4 .2 N S 5 3 0 4 階 層 70 −7 4 2 66 8 2 1 8 4 N S 5 3 0 7 5−7 9 1 6 3 4 7 1 1 6 8 0 −8 4 7 3 2 2 5 1 8 5 − 2 8 12 1 6 2 階 層 7 0 −7 4 2 6 6 8 2 1 8 4 N S 5 3 0 7 5 − 2 64 8 1 1 8 3 性 別 男 性 2 4 7 7 1 17 6 N S 53 0 女 性 2 8 3 9 2 19 1 現 在 歯 平 均 m e a n :± S D 1 6 .1 ± 9 .4 14 .3 ± 10 .5 1 6 .9 ± 8 .7 0 、0 0 3 6 53 0 有 無 な し :0 4 6 2 9 17 < 0 .0 0 0 1 あ り :1 4 8 4 1 34 3 50 階 層 0 :0 4 8 3 1 1 7 < 0 .0 0 0 1 5 30 1−19 :1 2 3 4 6 1 1 7 3 2 0 −:2 2 4 8 7 1 1 7 7 機 能 歯 平 均 m e a n ± S D 2 6 _8 ± 3 .4 2 5.9 :±5 .3 2 7 .2 :± 1.9 < 0 .0 0 0 1 5 3 0 階 層 0 −2 7 :0 2 18 7 7 1 4 1 N S 5 3 0 28 −:1 3 12 8 6 2 2 6 未 補 綴 歯 (要 補 綴 十C 4 ) 平 均 m e a n ± S D 1 ,1 =ヒ3 .3 2 .0 ;ヒ5 .3 0 .7 ± 1 .6 < 0 .0 0 0 1 5 3 0 有 無 な し :0 3 9 8 1 1 5 2 8 3 N S 5 3 0 あ り :1 13 2 4 8 8 4 健 全 歯 数 平 均 m e a n ± S D 5 .9 :±6 ,4 5 .7 :±6 .8 6 .0 ± 6 .2 N S 5 3 0 処 置 歯 数 平 均 m e a n ± S D 9 .5 :±6 .2 7 .7 ± 6 .3 10 .3 ± 6 .0 < 0 .0 0 0 1 5 3 0 カ リエ ス 数 平 均 m e a n :±S D 0 .5 ± 1.1 0 .7 ± 1 .5 0 ,4 :±0 .9 0 .0 0 3 4 5 3 0 補 綴 歯 数 平 均 m e a n :±S D 10 .7 ± 9 ,6 1 1 .6 ± 1 1 .1 10 .3 :±8 .8 N S 5 3 0 唆 合 支 持 階 層 0 :0 2 3 7 8 5 8 13 15 2 0 .0 4 15 5 3 0 (E ic h n e r’S) 1 :1 2 :2 50 58 4 2 4 5 3 :3 73 2 3 5 0 4 :4 1 1 2 3 4 7 8 C P I ス コ ア sc o re O :0 8 0 1 1 6 9 0 .0 2 5 9 4 4 6 SC O re l :1 4 3 15 2 8 sc o re 2 :2 1 24 3 6 8 8 sC 0 re 3 :3 1 6 5 4 8 1 17 S(;O re 4 :4 34 1 3 2 1 3 階 層 健 常 (0 ):0 8 0 1 1 6 9 0 .0 0 9 4 4 4 6 軽 度 (1−2 ):1 1 6 7 5 1 1 16 中 等 度 (3 −4 ):2 1 9 9 6 1 13 8 食 の Q O L 階 層 −2 7 :0 9 0 2 9 6 1 N S 5 30 2 8 −3 7 :1 2 1 7 6 5 1 5 2 3 8 −:2 2 2 3 6 9 1 54 食 不 満 有 無 な し :0 2 3 7 70 16 7 N S 5 30 あ り :1 2 9 3 9 3 2 0 0 O H P I階 層 ス コ ア O H P I(0 ):0 4 2 5 1 3 3 2 9 2 N S 5 3 0 O H P I(1−9 ):1 1 0 5 30 7 5 岨 哺 能 力 ス コア < 10 0 :0 1 5 7 5 2 10 5 N S 5 30 10 0 :1 3 7 3 1 1 1 2 6 2 義 歯 使 用 有 無 あ り :1 1 8 7 74 1 1 3 0 .0 0 1 3 5 2 5 な し :0 3 3 8 8 8 2 50 義 歯 の 不 満 有 無 な し :0 2 4 9 5 9 1 90 0 、0 0 4 1 3 6 1
あ り :1 1 1 2 4 3 6 9 歯 磨 き 回 数 2 階 層 1 日 2 回 以 上 3 8 7 1 10 2 7 7 N S 5 14 1 日 1 回 以 下 1 2 7 4 3 8 4 歯 の 問 題 な し :0 2 2 7 6 0 16 7 N S 5 3 0 あ り :1 30 3 1 0 3 20 0 歯 ぐき の 問 題 な し :0 4 3 5 1 2 6 30 9 N S 5 3 0 あ り :1 9 5 3 7 5 8 受 診 の 必 要 性 4 階 層 強 く感 じる :0 13 2 3 4 9 8 N S 5 2 7 (主 観 ) ま あ ま あ 感 じ る :1 1 17 4 6 7 1 あ ま り感 じな い :2 9 4 2 7 6 7 全 く感 じな い :3 18 4 5 6 1 2 8 2 階 層 感 じる 2 4 9 8 0 1 6 9 N S 5 2 7 感 じな い 2 78 8 3 1 9 5 受 診 の 動 機 定 期 的 1 2 7 3 1 2 4 < 0 .0 0 0 1 5 1 5 気 に な る 時 1 2 9 3 7 9 2 支 障 あ る 時 2 5 9 1 10 1 4 9 か か りつ け 歯 科 医 あ り :1 4 54 1 10 3 4 4 < 0 .0 0 0 1 5 2 8 な し :0 74 5 2 2 2 最 終 受 診 5 階 層 1 年 以 内 1 −2 年 前 2 −5 年 前 5 −1 0 年 前 10 年 以 上 前 3 6 6 6 3 5 7 2 4 1 9 0 6 3 5 7 24 1 9 3 6 6 0 0 0 0 < 0 .0 0 0 1 5 2 9 3 階 層 1年 以 内 1 −2 年 前 2 年 以 上 前 3 6 6 6 3 10 0 0 6 3 1 0 0 3 6 6 0 0 − 5 2 9 2 階 層 1年 以 内 1 年 以 上 前 3 6 6 16 3 0 1 6 3 3 6 6 0 − 5 2 9 歯 科 指 導 有 無 指 導 な し 要 指 導 要 治 療 1 14 2 5 3 8 9 2 8 8 12 5 8 6 1 7 2 6 4 5 2 8 4 階 層 要 指 導 妾 治 療 (カ リエ ス ) 2 5 13 3 8 5 4 1 7 7 9 0 .0 2 8 6 6 0 4 要 治 療 (歯 周 病 ) 3 2 7 9 9 2 2 8 要 治 療 (補 綴 ) 1 1 9 5 2 6 7 3 階 層 要 治 療 (カ リエ ス ) 1 3 3 54 7 9 0 .0 11 6 5 7 9 要 治 療 (歯 周 病 ) 3 2 7 9 9 2 2 8 要 治 療 (補 綴 ) 1 1 9 5 2 6 7 喫 煙 3 階 層 喫 煙 :1 5 1 2 1 3 0 N S 5 19 5 1 9 禁 煙 :2 1 6 9 50 1 19 非 喫 煙 :3 2 9 9 8 8 2 1 1 2 階 層 n eV e r 2 9 9 8 8 2 1 1 N S P re Se n t & e v e r 2 2 0 7 1 14 9 飲 酒 3 階 層 軟 さ酉 :1 2 2 4 6 9 15 5 N S 4 8 5 禁 酒 :2 5 7 13 4 4 非 飲 酒 :3 2 0 4 6 4 14 0 全 身 疾 患 (5 種 ) 有 無 な い :0 18 3 6 5 1 18 N S 5 30 あ り :1 3 4 7 9 8 24 9 G D S 平 均 m e a n :±S D 7 .5 ± 5.1 7 .2 :±4 .8 7 .7 =ヒ5 .2 N S 5 30 3 階 層 −10 :0 4 0 7 1 3 2 2 7 5 N S 1 ト 14 :1 7 1 1 6 15 5 5 1 5−:2 5 2 3 7 2 階 層 −10 :0 4 0 7 13 2 2 7 5 N S 1 1−:1 1 2 3 3 1 9 2 M M S E 平 均 m e a n :± S D 2 8 2 :± 2 .3 2 8 .0 ± 2 .5 2 8 .3 ± 2 .1 N S 5 2 5
3 階 層 −2 1 :0 2 2 −2 7 :1 12 1 1 5 4 4 5 8 70 N S 5 2 5 2 8 −:2 3 9 8 1 1 2 2 8 6 2 階 層 −2 7 :0 1 2 7 4 9 78 0 .0 2 6 3 5 2 5 2 8 −:1 3 98 1 1 2 2 8 6 lA D L 平 均 m ea n :± S D 1 2 .0 :± 1 ,9 1 1.9 :±2 .1 12 _1 :± 1.8 N S 5 3 0 2 階 層 13 点 以 下 :0 2 2 9 7 0 1 5 9 N S 5 3 0 13 点 :1 30 1 9 3 2 0 8 M O S 平 均 m e a n :± S D 4 .5 :± 1 .6 4 .6 :± 1.7 4 .5 :土 1.6 N S 5 2 8 2 階 層 低 値 群 5 未 満 :0 1 3 2 3 5 9 7 N S 5 2 8 高 値 群 5 以 上 :1 3 9 6 12 6 2 70 Q O L カ テ ゴ リー V A S 0 −6 0 :0 1 0 8 3 6 7 2 N S 5 3 0 6 1−7 5 ニ1 9 6 2 5 7 1 7 6 −8 0 :2 1 6 0 4 8 1 1 2 8 1−10 0 :3 1 6 6 5 4 1 1 2 移 動 問 題 な い :1 4 6 0 14 6 3 14 N S 5 3 0 問 題 あ り :2 7 0 1 7 5 3 管 理 問 題 な い :1 問 題 あ り :2 5 2 3 7 1 5 8 5 3 6 5 2 0 .0 1 8 9 53 0 活 動 問 題 な い :1 問 題 あ り :2 5 0 2 2 8 1 5 6 7 3 4 6 2 1 N S 5 3 0 痛 み 問 題 な い :1 3 4 1 10 3 2 3 8 N S 5 3 0 問 題 あ り :2 18 9 6 0 1 2 9 不 安 問 題 な い :1 4 7 6 14 4 3 3 2 N S 5 3 0 問 題 あ り :2 5 4 19 3 5 ソーシャルサポ ー ト 有 無 サ ポ ー トな し :0 3 1 7 10 0 2 1 7 N S 4 9 0 サ ポ ー トあ り :1 1 73 5 0 12 3 困 っ た とき い な い :0 4 4 12 3 2 N S 4 9 0 い る :1 4 4 6 13 8 3 0 8 具 合 が 悪 い い な い :0 3 2 12 2 0 N S 4 9 0 い る :1 4 58 13 8 3 2 0 日 常 生 活 い な い :0 13 4 3 4 10 0 N S 4 9 0 い る :1 3 5 6 1 16 2 4 0 病 院 い な い :0 54 17 3 7 N S 4 9 0 い る :1 4 3 6 13 3 3 0 3 世 話 い な い :0 6 2 19 4 3 N S 4 8 9 い る :1 4 2 7 13 1 2 9 6 体 力 4 分 位 0 −9 :0 10 6 3 2 7 4 N S 5 3 0 10 −1 2 :1 14 1 4 7 9 4 1 3 :2 1 24 3 6 8 8 1 4 :3 1 5 9 4 8 ‖ 1 学 歴 (就 学 年 齢 ) 2 階 層 18 以 上 :1 1 8 9 6 6 12 3 N S 5 2 6 18 未 満 :0 3 3 7 9 6 2 4 1 一 人 暮 ら し 2 階 層 N o :0 4 0 0 12 4 2 7 6 N S 5 2 6 Y e s :1 1 2 9 3 9 9 0 配 偶 者 3 階 層 な し ニ0 3 3 9 10 1 2 3 8 N S 5 3 0 あ り :1 未 婚 :3 1 7 0 2 1 56 6 1 14 15 脚 伸 展 パ ワ ー 平 均 m e a n ± S D 8 .6 ± 4 .4 8 .1 =ヒ4 .4 8 .8 :±4 .3 N S 4 9 6 ファンクシ]ナルリーチ 平 均 m e a n =ヒS D 2 9 .2 ± 5.8 2 8 .8 ± 6 .0 2 9 .4 ± 5 .7 N S 5 1 9 T im e d u p & go te st 平 均 m e a n ± S D 9 .3 :±2 .3 9 .2 ± 2 .3 9.4 ± 2 .3 N S 5 1 8 10 m 最 大 歩 行 速 度 平 均 m e a n ± S D 1.8 ± 0 .3 1 .7 :±0 .4 1 .8 =ヒ0 .3 N S 5 1 0 血 液 検 査 T P m e a n :± S D 7 .1 ± 0 .4 7 .2 ± 0 .4 7 .1 :±0 .4 0 .0 2 1 5 2 1 A H) l m e a n ± S D 4 .2 =ヒ0 .3 4 .2 ± 0 .3 4 .2 :±0 .2 N S 5 2 1 T C m e a n :± S D 2 0 3 ± 3 3.4 2 0 4 ± 3 4 .5 20 2 .6 :± 3 3 .0 N S 5 2 1 H D L m e a n :± S D 56 .4 :± 14 .8 5 5 ,5 ± 12 .5 5 6 .7 =ヒ1 5 .8 N S 5 2 1
T G m e a n ± S D 14 7.3 :± 7 8 .9 15 0 .9 ± 8 2 .1 1 4 5 .7 ± 7 7 .4 N S 5 2 1 G O T m e a n ± S D 2 5 .4 :± 1 1 .6 2 6 .4 :± 14 .9 2 5 .0 ± 9 .7 N S 5 2 1 G P T m e a n ± S D 1 7 .8 :± 1 0 .8 17 .3 ± 10 .1 1 8 .1 :± 1 1.1 N S 5 2 1 γ− G T P m e a n ± S D 34 .9 ± 4 1 ,0 3 8 .8 ± 6 3 .0 3 3 .2 :±2 5 .4 N S 52 1 C r m e a n ± S D 0 ,8 :±0 .4 0 .8 ± 0 .2 0 .8 :±0 .4 N S 52 1 U A m e a n ± S D 5 .4 ± 1 .3 5.4 :± 1 .4 5 .3 ± 1,2 N S 5 2 1