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ガラス産業の未来に向けて

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Academic year: 2021

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(1)

このたび,(一社)ニューガラスフォーラムの会長を拝命することとなり,その責任の 重さに身の引き締まる思いである。会員の皆様からご支援・ご協力をいただき,職責を全 うしたいと考えている。 当法人のホームページの記載によると,ニューガラスとは,「新しい材料と新しい製造 技術や精密加工技術を用いて,ガラスが本来持っている優れた性質を,これまでの観念を 超えた精度に高め,高機能化したガラス」を意味する,とのことである。 ガラスに携わって約40年になるが,新入社員の頃を思い返すと,技術者としてこの産業 界に身をおいたからには,これまで世の中になかった何ものかを生み出したいものだ,と 考えていた。しかし,この記載内容を読み,いつのまにかそのような若々しい大志はどこ かへ行ってしまい,日々のビジネスに忙殺される毎日に浸り切っている自分に気づかされ た。そのニューガラスに深く関与する機会をいただき,これから私に何が出来るかを考え ている中で,その頃のことを思い出した次第である。 さらにさかのぼれば,私が子供の頃,科学雑誌や世の中に出回り始めたテレビの放送番 組などで,未来都市を構成する建物や乗り物の素材としてガラスを大きく表現しており, また,科学者の実験室の描写でも,ビーカーや試験管などのガラス製品がたくさん使用さ れていた。未来を表現する代表的な素材のひとつには,必ずガラス製品があったものであ る。 このように,ガラスには何か未来的なものを感じさせる魅力があるのではないか,と思 う。そして,ガラスに対するこうしたパブリックイメージを具現化する取り組みをしてい るのが,我がニューガラスフォーラムであろう。 同じく,ホームページには,「この法人は,ニューガラスの産業及び技術開発等に関す Keiji Yoshikawa

吉 川 恵 治

一般社団法人ニューガラスフォーラム会長 日本板硝子株式会社 取締役代表執行役社長兼 CEO

ガラス産業の未来に向けて

巻 頭 言

(2)

る情報の収集・提供,調査,研究開発,国際交流等を行うことにより,ニューガラス産業 の基盤の整備及び振興を図り,もってこの法人の会員の発展,我が国の学術及び科学技術 の振興,ひいては産業の発展と国民生活の向上及び国際経済の繁栄に寄与することを目的 とする。」と謳われている。 ガラス産業の裾野は年々広がっており,伝統的な建築用と自動車用のフラットガラス分 野以外でも,オプティクス,ディスプレイ,エレクトロニクス,環境・エネルギー,化 学・バイオメディカルなどの各分野でのガラス新技術と用途開発の発展は,目覚しいもの がある。最近では,新しい用途として,スマートフォンのカバーガラスや(欧州経済危機 以降,少しトーンダウンしているが)太陽光発電用ガラスなどが大量に出荷されている。 こうしたものを含めて,ニューガラスフォーラムでは,産・官・学の協力体制で,各個 社ではできない,将来に向けての技術ネタを掘り出していくことになる。 我々はこれまで,世界をリードする技術は日本から,と考えてきた。今後,ニューガラ スフォーラムで生み出されるイノベイティブなガラス技術が世界に続々と発信されていく こととなりたい。 そのためには,研究者としての勝ち負けや,ビジネスにおける成功・失敗と言う視点で はなく,当フォーラムの目的に謳われているような広く大きな視野で,純粋に研究に取り 組む姿勢が必要であると思う。欲にかられたり,科学技術を暴走させたりしないために も,産・官・学の団結とそれぞれの監視体制で,利害に偏ることなく,倫理的な視線も持 って新しい技術を世に問うていくことが必要であり,ニューガラスフォーラムではそれが 出来ると考えている。 重ねて会員の皆様のご指導・ご鞭撻,そしてご協力を期待するものである。 2

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