IRUCAA@TDC : 東京歯科大学千葉病院臨床検査部における感染症検査の統計学的検討 : 特にB型肝炎,C型肝炎および梅毒について
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(2) 4 7 9. 臨床報告. 東京歯科大学千葉病院臨床検査部における 感染症検査の統計学的検討 ―特にB型肝炎,C型肝炎および梅毒について― 萩田恵子1). 仙波利寿1). 秦. 暢宏1). 川原由里香1) 才藤純一1). 成瀬晋一2). 國分克寿2). 鏡. 明展2). 佐藤大輔2). 国分栄仁2). 小池吉彦2). 村上. 聡2). 松坂賢一2). 井上. 孝1,2). 抄録:血液を介して感染するウイルス性肝炎や梅毒. 防止の対策を講じなければならない。つまり,入院. の検査は,観血的処置の多い歯科治療において欠く. 患者が原疾患とは別に,新たに病院内で感染症に罹. ことのできないものである。今回は,自動機器を使. 患してしまう院内感染1)や,使用済みの針や器具な. 用し CLEIA 法にて1 9 9 6年4月から2 0 0 4年1 2月の間. どが原因でおこる感染事故は,医療の進歩に反して. に東京歯科大学千葉病院臨床検査部で行った感染症. 複雑な現場状況が影響し大きな問題となっている。. 検査について,HBs 抗原・HCV 抗体・梅毒(RPR・. 中でも,特に問題となるのは血清肝炎と AIDS そし. TPHA) の 結 果 を! 1年 別 件 数, 2年 別 陽 性 数・陽 性 !. て梅毒であるが,ウイルス性肝炎は献血制度が整い. 率,! 3科別件数・陽性数・陽性率(HBs 抗原) , 4科 !. 輸血後肝炎としてはほとんどみられなくなり2),ま. 別件数・陽性数・陽性率(HCV 抗体) , 5科別件数・ !. た梅毒も新たな感染者数は減少している3)。しかし. 陽性数・陽性率(梅毒) を集計し考察した。. ながらこれらの感染症を術前に検査することは,観. HBs 抗原と HCV 抗体は,日赤血液センターに比 べ高い陽性率を示したが,梅毒検査はほぼ同じ陽性. 血処置を必要とする治療においては不可欠なものと なっている。. 率であった。. 今回我々は,東京歯科大学千葉病院臨床検査部に. 以上のことから,歯科治療前の感染症検査は院内. おいて行った HBs 抗原・HCV 抗体・梅毒(RPR・. 感染や感染事故を防ぐばかりでなく,患者間の感染. TPHA) の結果を統計学的に集計したので考察を加. を防ぐためにも重要であることが示唆される。. えて報告する。. 緒 言. 材料および方法. 様々な疾患を抱え抵抗力の低下した易感染者や,. 1 9 9 6年4月から2 0 0 4年1 2月までの8年9ヶ月の間. 患者を治療する医療の現場においては,細菌やウイ. に東京歯科大学千葉病院臨床検査部において, 感染. ルスが原因でおこる感染症の危険性を認識し,感染. 症の検査(HBs 抗原・HCV 抗体および RPR・TPHA) の 依 頼 が あ っ た 患 者 を 対 象 と し,1) 年別検査件. キーワード:感染症,HBs 抗原,HCV 抗体,梅毒, 針刺し事故 ) 孝) 東京歯科大学千葉病院臨床検査部1(部長:井上 2) 東京歯科大学臨床検査学研究室(主任教授:井上 孝) (2 0 0 5年8月1 9日受付) (2 0 0 5年1 0月6日受理) 別刷請求先:〒2 6 1 ‐ 8 5 0 2 千葉市美浜区真砂1−2−2 東京歯科大学臨床検査部 井上 孝. 数,2) 年別陽性数・陽性率,3) HBs 抗原陽性患者 の年別,科別,検査件数・陽性数・陽性率,4) HCV 抗体陽性患者の年別,科別,検査件数・陽性数・陽 性 率,お よ び5) RPR・TPHA 陽 性 患 者 の 年 別, 科別,検査件数・陽性数・陽性率について集計し た。. ― 41 ―.
(3) 4 8 0. 萩田, 他:感染症検査の統計学的検討. 検査に使用した測定方法は,HBs 抗原・HCV 抗. ある。口腔外科の件数は1 9 9 9年が1 2 0 7件でピークが. 体および TPHA に関しては化学発光酵素免疫測定. あり2 0 0 0年には9 1 3件と減少しその後 は 横 這 い で. 法(CLEIA 法) を,RPR は用手法(RPR 法) を用いて. あった。 陽性率は, 0. 9∼2. 3%の間でばらつきが見られた。. 検査した。. 科別では,内科の件数が1 9 9 8年から2 0 0 0年にかけ. 結 果 !. て2 5 0∼3 0 0件であったが,その後は減少していた。 陽性率は1. 1∼4. 8%とばらつきがあった。麻酔科の. 項目別検査件数の年次推移 表1は項目別に件数の年次推移を示したものであ. 件数は,6 0∼9 0件の間であまり変化はみられなかっ. る。検査件数は,検査対象 HBs 抗原・HCV 抗体・. た。補綴科の件数は,2 0 0 0年から徐々に増加してい. RPR・TPHA の4項目とも1 9 9 9年にピークがある. た。保存科については,年間1 0∼2 5件の間で推移し. が,毎年1 0 0 0件前後の依頼があり経年的な増減はな. ていた。保存科の陽性率は1 0. 0%以上の年があり他. かった。HBs 抗原と HCV 抗体の検査は,入院前に. 科に比べると高い比率を示していた。. 患者の状態を把握するために行われる入院時スク. $. HCV 抗体陽性患者の科別検査件数・陽性数・. リーニングセット検査の他に肝機能セット検査にも. 陽性率の年次推移. 含まれており,肝炎の既往のある患者や肝機能に異. 表4は HCV 抗体について科別に検査件数と陽性. 常 が あ る 患 者 に 選 択 的 に 行 わ れ て い た。RPR・. 数および陽性率の年次推移を示したものである。口. TPHA は入院時スクリーニングセット検査として. 腔外科の件数は1 9 9 9年が1 1 4 5件で最も多く,2 0 0 0∼. 行われることが殆どであった。. 2 0 0 4年は7 0 0∼9 0 0件となっていた。. ". 陽性率は,1 9 9 7年が5. 9%と高いが2 0 0 2年は2. 4%. 項目別陽性数・陽性率の年次推移 表2は項目別に陽性数と陽性率の年次推移を示し. に下がっていた。. た も の で あ る。HBs 抗 原 の 陽 性 率 は,平 均1. 8%. 科別では,内科の件数が1 9 9 8年から2 0 0 0年にかけ. で,1. 2∼2. 7%の範囲であった。HCV 抗体の陽性. て2 5 0∼3 5 0件になっていたが,その後は減少してい. 率は,1 9 9 7年が5. 8%と高くなっていたが,2 0 0 2年. た。陽性率は1. 6∼9. 7%とばらつきがあった。麻酔. には2. 2%まで下がっていた。RPR と TPHA につ. 科の件数は,ほとんどの検査依頼が入院スクリーニ. い て は1 9 9 6年 の 陽 性 率 が0. 6%,1 9 9 7年 が0. 7%で 表2. あったが,1 9 9 8年には0. 2%まで下がっていた。 #. HBs 抗原陽性患者の科別検査件数・陽性数・. 年別・項目別陽性数・陽性率(件・%) 1 9 9 6年(H8) 4月∼2 0 0 4年(H1 6) 1 2月 HBs 抗原 HCV 抗体. 陽性率の年次推移 表3は HBs 抗原陽性患者について科別に検査件. 1996年(H8) 4∼12月. 数と陽性数および陽性率の年次推移を示したもので. 1 9 9 7年(H9). 表1. 年別・項目別検査件数(件) 1 9 9 6年(H8) 4月∼2 0 0 4年(H1 6) 1 2月 HBs 抗原 HCV 抗体. 1996年(H8) 4∼12月 1 9 9 7年(H9) 1 9 9 8年(H1 0) 1 9 9 9年(H1 1) 2 0 0 0年(H1 2) 2 0 0 1年(H1 3) 2 0 0 2年(H1 4) 2 0 0 3年(H1 5) 2 0 0 4年(H1 6) 合. 計. RPR. TPHA. 8 4 5 1, 0 5 1 1, 4 4 7 1, 6 1 2 1, 2 5 2 1, 0 4 4 1, 1 5 5 1, 0 6 1 9 4 7. 8 1 7 1, 0 4 2 1, 4 2 3 1, 5 9 1 1, 2 5 0 1, 0 4 4 1, 1 4 4 1, 0 5 4 9 5 0. 6 5 1 8 3 4 1, 0 7 3 1, 1 0 7 9 2 9 9 5 9 1, 0 4 7 9 7 1 8 2 6. 6 5 1 8 3 4 1, 0 7 3 1, 1 0 7 9 2 9 9 5 9 1, 0 4 7 9 7 1 8 2 6. 1 0, 4 1 4. 1 0, 3 1 5. 8, 3 9 7. 8, 3 9 7. 1 9 9 8年(H1 0) 1 9 9 9年(H1 1) 2 0 0 0年(H1 2) 2 0 0 1年(H1 3) 2 0 0 2年(H1 4) 2 0 0 3年(H1 5) 2 0 0 4年(H1 6) 合. 計. 割合(%) ― 42 ―. 1 8 2. 1% 2 2 2. 1% 1 7 1. 2% 2 5 1. 6% 1 8 1. 4% 2 8 2. 7% 1 9 1. 6% 1 8 1. 7% 2 0 2. 1%. 3 2 3. 9% 6 0 5. 8% 4 9 3. 4% 4 7 3. 0% 4 2 3. 4% 4 5 4. 3% 2 5 2. 2% 2 8 2. 7% 2 7 2. 8%. 1 8 5. 3 5 5. 1. 8%. 3. 4%. RPR. TPHA. 4 0. 6% 6 0. 7% 2 0. 2% 1 0. 1% 2 0. 2% 3 0. 3% 3 0. 3% 6 0. 6% 4 0. 5%. 4 0. 6% 6 0. 7% 2 0. 2% 1 0. 1% 2 0. 2% 3 0. 3% 3 0. 3% 6 0. 6% 4 0. 5%. 3 1. 3 1. 0. 4%. 0. 4%.
(4) 歯科学報 表3. Vol.1 0 5,No.5(2 0 0 5). 4 8 1. 年別・科別検査件数・陽性数・陽性率(件・%) (HBs 抗原) 4月∼2 0 0 4年(H1 6) 1 2月 1 9 9 6年(H8) スポーツ歯科 放射線科. 合. 計. 口腔外科. 内. 科. 麻酔科. 補綴科. 保存科. 小児歯科. 矯正科. 検査部. 1 5/6 6 6 2. 3% 1 6/8 4 8 1. 9%. 1/7 1 1. 4% 2/9 3 2. 2%. 1/5 4 1. 9% 0/6 9 0. 0%. 0/2 7 0. 0% 1/2 4 4. 2%. 1/2 5 4. 0% 3/1 7 1 7. 6%. 0/2 0. 0% 0. 0. ―. ―. 0. 1 8/8 4 5. 0. ―. ―. 0. 2 2/1, 0 5 1. 1 9 9 8年(H1 0) 1 0/1, 0 6 5 0. 9% 1) 1 5/1, 2 0 7 1 9 9 9年(H1 1. 2% 2) 9/9 1 3 2 0 0 0年(H1 1. 0% 3) 1 7/8 5 3 2 0 0 1年(H1 2. 0% 4) 1 1/9 2 1 2 0 0 2年(H1 1. 2%. 4/2 7 9 1. 4% 7/3 1 1 2. 3% 6/2 5 5 2. 4% 3/6 2 4. 8% 1/7 8 1. 3%. 2/8 3 2. 4% 1/7 6 1. 3% 0/5 9 0. 0% 1/6 5 1. 5% 2/8 8 2. 3%. 0/6 0. 0% 0. 0. 0. ―. ―. 0. 1 7/1, 4 4 7. 0. 0. ―. ―. 0. 2 5/1, 6 1 2. 2/1 3 1 5. 4% 2/3 6 5. 6% 0/4 7 0. 0%. 1/1 4 7. 1% 2/1 8 1 1. 1% 1/1 2 8. 3% 5/2 4 2 0. 8% 5/1 4 3 5. 7%. 0. 0. ―. ―. 0. 1 8/1, 2 5 2. 0. 0. ―. 0. 2 8/1, 0 4 4. 0. 0/1 0. 0%. 0/4 0. 0% 0/5 0. 0%. 0/1 0. 0%. 0. 1 9/1, 1 5 5. 5) 2 0 0 3年(H1. 1 1/7 9 3 1. 4%. 1/9 4 1. 1%. 1/8 8 1. 1%. 1/4 8 2. 1%. 3/1 7 1 7. 7%. 0/2 0. 0%. 0. 1/1 9 5. 3%. 0. 0. 1 8/1, 0 6 1. 2 0 0 4年(H1 6). 1 3/7 2 7 1. 8%. 3/8 2 3. 7%. 1/7 9 1. 3%. 0/3 6 0. 0%. 3/8 3 7. 5%. 0. 0. 0/1 2 0. 0%. 0/2 0. 0%. 0/1 0. 0%. 2 0/9 4 7. 117/7, 993 2 8/1, 3 2 5 9/6 6 1. 6/2 3 7. 2 4/1 4 9. 0/4. 0/1. 1/4 0. 0/3. 0/1. 185/10, 414. 2. 5%. 1 6. 1%. 0. 0%. 0. 0%. 2. 5%. 0. 0%. 0. 0%. 1. 8%. 1996年(H8) 4∼12月 1 9 9 7年(H9). 合. 計. 割合(%). 1. 5%. 2. 1%. 表4. 1996年(H8) 4∼12月. 内. 科. 麻酔科. 補綴科. 保存科. 小児歯科. 矯正科. 検査部. 2 6/6 5 0 4. 0%. 1/6 2 1. 6%. 1/5 6 1. 8%. 1/2 7 3. 7%. 3/2 0 1 5. 0%. 0/2 0. 0%. 0. ―. ―. 0. 3 2/8 1 7. 5/8 2 6. 1% 1 1/2 4 7 4. 5% 1 2/3 5 2 3. 4%. 0/6 9 0. 0% 4/8 3 4. 8% 0/7 7 0. 0%. 1/2 4 4. 2% 0/6 0. 0% 0. 4/1 6 2 5. 0% 2/1 4 1 4. 3% 3/1 7 1 7. 6%. 0. 0. ―. ―. 0. 6 0/1, 0 4 2. 0. 0. ―. ―. 0. 4 9/1, 4 2 3. 0. 0. ―. ―. 0. 4 7/1, 5 9 1. 1 1/2 5 6 4. 3% 6/6 2 9. 7% 2/8 1 2. 5% 2/8 6 2. 3%. 2/5 9 3. 4% 1/6 5 1. 5% 0/8 8 0. 0% 2/8 9 2. 2%. 1/1 3 7. 7% 2/3 6 5. 6% 1/4 7 2. 1% 0/4 8 0. 0%. 2/1 3 1 5. 4% 4/2 1 1 9. 0% 0/1 4 0. 0% 2/1 7 1 1. 8%. 0. 0. ―. ―. 0. 4 2/1, 2 5 0. 0. 0. ―. 0. 4 5/1, 0 4 4. 0. 0/1 0. 0% 0. 0/4 0. 0% 0/5 0. 0% 0/1 9 0. 0%. 0/1 0. 0% 0. 0. 2 5/1, 1 4 4. 0. 2 8/1, 0 5 4. 2/7 4 2. 7%. 0/7 9 0. 0%. 1/3 6 2. 8%. 1/9 1 1. 1%. 0. 0. 0/1 2 0. 0%. 0/2 0. 0%. 0/1 0. 0%. 2 7/9 5 0. 7/2 3 7. 2 1/1 4 1. 0/3. 0/1. 0/4 0. 0/3. 0/1. 355/10, 315. 3. 0%. 1 4. 9%. 0. 0%. 0. 0%. 0. 0%. 0. 0%. 0. 0%. 3. 4%. 5 0/8 5 1 5. 9% 0) 3 2/1, 0 7 3 1 9 9 8年(H1 3. 0% 1) 3 2/1, 1 4 5 1 9 9 9年(H1 2. 8% 2 0 0 0年(H1 2) 2 6/9 0 9 2. 9% 3) 3 2/8 5 6 2 0 0 1年(H1 3. 7% 4) 2 2/9 0 7 2 0 0 2年(H1 2. 4% 5) 2 2/7 9 4 2 0 0 3年(H1 2. 8% 2 0 0 4年(H1 6) 2 3/7 3 7 3. 1% 計. 割合(%). 年別・科別検査件数・陽性数・陽性率(件・%) (HCV 抗体) 1 9 9 6年(H8) 4月∼2 0 0 4年(H1 6) 1 2月. 口腔外科. 1 9 9 7年(H9). 合. 1. 4%. 265/7, 922 5 2/1, 3 0 2 1 0/6 6 5 3. 3%. 4. 0%. 1. 5%. ングで HBs 抗原検査の件数とほぼ同じであり60∼. 0/1 0. 0%. !. スポーツ歯科 放射線科. 合. 計. RPR・TPHA 陽性患者の科別検査件数・陽性. 9 0件の間であまり変化はみられなかった。補綴科の. 数・陽性率の年次推移. 件数は,2 0 0 0年から徐々に増加していた。保存科に. 表5は RPR・TPHA について科別に検査件数と. ついては,9∼2 5件の間で推移していた。陽性率は. 陽性数および陽性率の年次推移を示したものであ. HBs 抗原と同様に1 0. 0%以上の年が多く他科に比. る。1 9 9 6年4∼1 2月の補綴科の4. 8%,1 9 9 7年の麻. べるとやはり高くなっていた。. 酔科の1. 9%と補綴科の5. 3%, 2 0 0 3年の内科の4. 3% ― 43 ―.
(5) 4 8 2. 萩田, 他:感染症検査の統計学的検討 表5. 口腔外科. スポーツ歯科 放射線科. 合. 計. 科. 麻酔科. 補綴科. 保存科. 小児歯科. 矯正科. 検査部. 3/5 7 4 0. 5% 4/7 4 3 0. 5%. 0/3 0. 0% 0/6 0. 0%. 0/5 2 0. 0% 1/5 3 1. 9%. 1/2 1 4. 8% 1/1 9 5. 3%. 0/1 0. 0% 0/1 3 0. 0%. 0. 0. ―. ―. 0. 4/6 5 1. 0. 0. ―. ―. 0. 6/8 3 4. 2/9 7 7 0. 2% 1/1, 0 1 8 0. 1% 2/8 4 7 0. 2% 3/8 2 6 0. 4% 3/8 7 0 0. 3%. 0/1 6 0. 0% 0/1 1 0. 0% 0/1 0 0. 0% 0/2 6 0. 0% 0/3 2 0. 0%. 0/8 0 0. 0% 0/7 6 0. 0% 0/5 6 0. 0% 0/6 3 0. 0% 0/8 8 0. 0%. 0. 0. 0. 0. ―. ―. 0. 2/1, 0 7 3. 0. 0. 0. ―. ―. 0. 1/1, 1 0 7. 0/1 2 0. 0% 0/3 3 0. 0% 0/4 7 0. 0%. 0/2 0. 0% 0/4 0. 0% 0/1 1 0. 0% 0/6 0. 0%. 0. 0. ―. ―. 0. 2/9 2 9. 0. 0. 0. ―. 0. 3/9 5 9. 0. 0. 0/4 0. 0%. 0. 0. 3/1, 0 4 7. 5) 2 0 0 3年(H1. 3/7 7 1 0. 4%. 2/4 6 4. 3%. 0/8 6 0. 0%. 1/4 7 2. 1%. 0/5 0. 0%. 0. 0. 0/1 6 0. 0%. 0. 0. 6/9 7 1. 2 0 0 4年(H1 6). 4/6 5 4 0. 6%. 0/4 0 0. 0%. 0/7 8 0. 0%. 0/3 6 0. 0%. 0/6 0. 0%. 0. 0. 0/1 1 0. 0%. 0. 0/1 0. 0%. 4/8 2 6. 25/7, 280 2/1 9 0. 1/6 3 2. 3/2 1 5. 0/4 8. 0. 0. 0/3 1. 0. 0/1. 3 1/8, 3 9 7. 0. 2%. 1. 4%. 0. 0%. 0. 0%. 0. 4%. 1996年(H8) 4∼12月 1 9 9 7年(H9) 1 9 9 8年(H1 0) 1) 1 9 9 9年(H1 2) 2 0 0 0年(H1 3) 2 0 0 1年(H1 4) 2 0 0 2年(H1. 合. 計. 割合(%). 0. 3%. 内. 年別・科別検査件数・陽性数・陽性率(件・%) (RPR/TPHA) 1 9 9 6年(H8) 4月∼2 0 0 4年(H1 6) 1 2月. 1. 1%. と補綴科の2. 1%,2 0 0 4年の口腔外科の0. 6%を除け. 0. 0%. 炎ウイルスによる輸血後肝炎は減少した。. ば,いずれも0. 5%以下の低い陽性率となっていた。. り C 型肝炎ウイルスが初めて発見され,かつ第1. 考 察 !. HCV 抗体の検査は,1 9 8 8年米国のグループによ 世代 HCV 抗体検査が開発され1 9 8 9年に確立され た6)。日赤血液センターでは輸血後肝炎予防対策と. 項目別検査件数の年次推移について 当病院において入院時スクリーニングとして行わ. して1 9 8 9年1 1月から第1世代の HCV 関連抗体(C. れている感染症検査は HBs 抗原・HCV 抗体・RPR・. 1 0 0-3抗体) のスクリーニングを導入し,1 9 9 2年2. TPHA の4項目であり,HBs 抗原・HCV 抗体は肝. 月からは第2世代 HCV 関連抗体測定系によるスク. 機能セット検査にも含まれている。2 0 0 0年までは入. リーニングを導入した5)。RPR と TPHA は,梅毒. 院時スクリーニングセット検査が7 0∼8 0%,2 0 0 1年. のスクリーニングとして行われる検査である。. からは入院時スクリーニングセット検査が9 0%を越. 日赤血液センターの資料によると総献血者数にお. えていた。入院時の感染症の検査は,患者の状態を. ける HBs 抗原陽性率は,1 9 8 6年が1. 1 8%,1 9 8 9年. 把握すると同時に手術やいろいろな処置によって発. が0. 9 4%で徐々に減少し,1 9 9 9年には0. 2%と報告. 生する可能性のある院内感染や感染事故を未然に防. されている。また,HCV 抗体陽性率は,1 9 9 0年が. ぐ目的もあり,今後は肝炎ウイルスや梅毒の他に. 1. 1%,1 9 9 3年が0. 7%,1 9 9 9年には0. 3%と報告さ. AIDS などにも対応する必要があると思われる。. れている。梅毒抗体陽性率は,1 9 8 9年から1 9 9 9年の. ". 間では0. 2∼0. 3%であった7)。 東京歯科大学千葉病院. 項目別陽性数・陽性率の年次推移について B型肝炎ウイルスは1 9 6 0年代初めに Australia 抗 4). における検査の結果は,HBs 抗原陽性率と HCV 抗. 原の発見を契機に見つかった 。輸血や汚染された. 体陽性率は日赤血液センターのデータより高率で. 針などを誤って刺した場合に血液を介して感染する. あった。RPR と TPHA については,1 9 9 8∼2 0 0 2年. が,我が国では輸血後肝炎予防対策として売血から. の陽性率は日赤血液センターとほぼ同じであった。. 献血への転換が進行し,1 9 6 8年に今日の日赤血液セ. 当病院の肝炎ウイルスの陽性率が日赤血液センター. 5). ンターを中心とする献血制度が確立され ,B型肝. に比べて高い理由は,入院患者のスクリーニングと. ― 44 ―.
(6) 歯科学報. Vol.1 0 5,No.5(2 0 0 5). 4 8 3. いう目的以外に肝炎の既往のある患者に対して検査. 不可欠な検査であるからと思われる。保存科の陽性. が行われているからであると思われる。これらの結. 率が高いのは,HBs 抗原と同様に患者の年齢層の. 果より,歯科治療においては特に肝炎ウイルスによ. 幅が広いためと思われる。補綴科の陽性率について. る感染症に十分注意する必要があると考えられる。. はばらつきがあるが,これは患者の年齢層が高く年. !. 毎の患者数にばらつきがあるからと思われる。小児. 科別検査件数・陽性数・陽性率の年次推移(HBs 抗原) について. 歯科・矯正科については,HBs 抗原と同様に感染. HBs 抗原の検査について科別に検査件数・陽性. 症検査が必要な患者が少ないと思われる。一般集団. 数および陽性率をみてみると,補綴科の件数が, 2 0 0 0. における HCV 抗体陽性率は,加齢と共に上昇する. 年から徐々に増加しているが,これはインプラント. ことがわかっており8),各科の患者の年齢層により. 治療に伴う術前検査として行われているものと思わ. 陽性率に差が出てくると考えられる。. れる。保存科については,年間1 0∼2 5件の間で推移. C型肝炎ウイルスの感染経路は輸血・観血的な医. していた。保存科の陽性率が特に高いのは,患者の. 療行為・針刺し事故・針治療・性行為・母子感染・. 年齢層の幅が広くB型肝炎キャリアの疑いのある患. 刺青・覚醒剤の回しうちなどが考えられる9)。輸血. 者や,肝炎の既往がある患者が多いためと思われる。. については前述のように, 1 9 8 9年には第1世代 HCV. 小児歯科・矯正科については,感染症検査が必要な. 抗体検査が確立されたため6),それ以前に輸血をし. 患者が少ないと思われる。. て感染した確率が高く,高齢になるほど HCV 抗体. B型肝炎ウイルスは,成人に感染した場合と幼小. 陽性率は高い傾向にあるものの,検査方法が確立さ. 児に感染した場合で以後の経過が異なり,成人では. れるとC型肝炎ウイルスに感染する機会は減少し若. 急性肝炎を発症し,多くの場合一過性感染に終わり. 年齢層の陽性率は低くなっていると思われる。しか. 終生免疫が得られるが,幼小児では持続感染状態. し,C型肝炎の針刺し事故による感染率は HCV 抗. 6). (キャリア) となると考えられている 。成人がB型. 体陽性で3∼8%2)という報告があり,感染予防の. 肝炎ウイルスに感染する可能性がある経路は,輸血. ワクチンが実用化されていないことも考慮すると,. による感染,針刺し事故に代表される汚染器具から. 観血処置の多い歯科治療においては感染防止の対策. の感染,性行為感染が考えられるが,輸血に関して. が重要であると考えられる。. 5). は1 9 6 8年に献血制度が確立され 輸血後肝炎は減少. #. (RPR・TPHA) について. しているのでその危険率は低いと考えられる。また, 母子感染については1 9 8 6年より母子感染防止対策が 6). 科別検査件数・陽性数および陽性率の年次推移 RPR と TPHA の検査については,入院スクリー. 行われており ,キャリア率は低いと考えられる。. ニングとしての件数が9割以上であり,臨床的に梅. B型肝炎は,感染源となるキャリアの低下と献血制. 毒が疑える患者の依頼はほとんどない。ある特定年. 度の確立により今後は減少すると推定されるが,当. を除けば,いずれも0. 5%以下の低い陽性率となっ. 病院の陽性率は日赤血液センターのデータより高い. ていた。梅毒の検査は RPR と TPHA の項目を行っ. こと,針刺し事故によるB型肝炎の感染率が HBe. ているが,RPR は感染初期に陽性になり治癒と共. 2). 抗原陽性者からでは1 9. 0%,陰性者からでは1. 9%. に陰性になるが,TPHA は梅毒の治療後も終生陽. と高いことを考慮すると,病院として感染経路であ. 性になるので,患者の年齢層の高い補綴科について. る針刺し事故を未然に防ぐための対策や,ワクチン. は TPHA のみ陽性の患者がいて陽性率が高くなる. 接種の徹底が重要と思われる。. のではないかと考えられた。. ". 科別検査件数・陽性数・陽性率の年次推移(HCV. 梅毒は1 9 6 5年頃より減少し,1 9 8 6年に第二のピー. 抗体) について. クをむかえたがその後は減少している3)。しかし,. HCV 抗体の検査について科別に検査件数・陽性. HIV 感染者の梅毒検査陽性 率 は 近 年 著 し く 高 く. 数および陽性率をみてみると,各科とも検査件数は. なっているという報告もあり10),感染者数が減少し. HBs 抗原と殆ど変わらなかった。これは,肝機能. ている梅毒も認識を新たにする必要があると思われ. 異常が疑われる場合 HBs 抗原と HCV 抗体は必要. る。. ― 45 ―.
(7) 4 8 4. 萩田, 他:感染症検査の統計学的検討. 結 論 当病院では入院時スクリーニングの感染症検査と して,HBs 抗原・HCV 抗体・RPR・TPHA の項目 を行っているが,肝炎ウイルスの陽性率が日赤血液 センターに比べて高い理由は,歯科大学病院という 特徴からいろいろな全身疾患を持った患者が訪れ, 既往歴のある患者に対して検査が行われているから であると考えられた。また,RPR・TPHA は陽性数・ 陽性率は増加していないが,梅毒と HIV の重複感 染という観点から梅毒検査は HIV 感染の早期発見 のきっかけになるのではないかと考えられた。 院内感染や感染事故が騒がれている現在,スタン ダードプリコーション11)の立場をとりながら,患者 の状態を把握し感染を未然に防ぐためにも,大学病 院という特性を生かし積極的に感染症に意識を向け ることが重要であると考えられた。. 参. 考. 文. 献. 1)本田武司:院内感染,標準微生物学,第8版,山西弘一, 平松啓一編集,3 9∼4 5,医学書院,東京,2 0 0 2.. 2)加藤眞三,石井裕正:検査データに基づく感染症の見方 と感染防止対策,臨床病理レビュー,特集第1 2 1号,岡田 淳,宮地勇人編集, 1 7 3∼1 7 7,臨床病理刊行会,東京, 2 0 0 2. 3)濱砂良一,南嶋洋一:STD とその周辺,知っておきた い現代感染症事情2,中山宏明,多田 功,南嶋洋一編 集,1 8∼2 4,医歯薬出版株式会社,東京,1 9 9 9. 4)志方俊夫:肝炎・肝硬変・肝癌,メディカル用語ライブ ラリー,第1版,小俣政男編集, 2 4∼2 5,羊土社,東京, 1 9 9 6. 5)吉澤浩司:C型肝炎, 輸血とC型肝炎, 第2版, 服部 信, 野本明男,小俣政男 監修・田中 慧,小原道法編集,1 0 3 ∼1 0 7,メジカルビュー社,東京,1 9 9 5. 6)大川和良,林 紀夫:ウイルス肝炎・肝硬変,図説消化 器病シリーズ1 0,三田村圭二編集, 7 7∼8 4,メジカルビュー 社,東京,2 0 0 1. 7)岡上 武,桐島寿彦:ウイルス肝炎・肝硬変,図説消化 器病シリーズ1 0,三田村圭二編集,1 1 4∼1 2 5,メジカル ビュー社,東京,2 0 0 1. 8)津熊秀明,田中英夫:C型肝炎,C型肝炎の疫学,第1 版,林 紀 夫,清 澤 研 道 編 集,1 1 2∼1 1 9,医 学 書 院,東 京,1 9 9 6. 9)今井昭彦:C型肝炎,C型肝炎ウイルスの感染様式,第 1版,林 紀夫,清澤研道編集,1 0 7∼1 1 1,医学書院,東 京,1 9 9 6. 1 0)大里和久:流行感染症の脅威:最新情報とその対策,臨 床病理レビュー,特集第1 2 9号,吉原なみ子監修,6 9∼7 7, 臨床病理刊行会,東京,2 0 0 4. 1 1)大久保 憲,大原永子:検査データに基づく感染症の見 方と感染防止対策,臨床病理レビュー,特集第1 2 1号,岡 田 淳,宮地勇人編集,2 2 0∼2 2 6,臨床病理刊行 会,東 京,2 0 0 2.. Examination for Infectious Diseases in Dental Treatment Keiko HAGITA1), Toshihisa SENBA1), Nobuhiro HATA1), Yurika KAWAHARA1), Junichi SAITOH1), Shinichi NARUSE2), Katsutoshi KOKUBUN2), Akinori KAGAMI2), Daisuke SATO2), Eitoyo KOKUBU2), Yoshihiko KOIKE2), Satoshi MURAKAMI2), Kenichi MATSUZAKA2), Takashi INOUE1,2) 1). Clinical Laboratory, Tokyo Dental College Chiba Hospital ; Director : Prof. Takashi INOUE. 2). Department of Clinical Pathophysiology, Tokyo Dental College ; Director : Prof. Takashi INOUE. Key words: Infection, HBs Antigen, HCV Antibody, Syphilis, Infection accident. Examination for infection is a necessity in the field of dental medicine where treatment is mainly surgical in nature, as both viral hepatitis and syphilis may be spread through infected blood. We report a statistical analysis of such examinations carried out at the Clinical Laboratory of Tokyo Dental College Chiba Hospital between 1996 and 2004. The examinations were performed with an Automatic machine using the CLEIA method examined : 1) HBs Antigens, 2) HCV Antibodies, and 3) Syphilis(both RPR and TPHA) , and analyzed : 1) Age distribution, 2) Positive ratio of each item, and 3) Positive ratio for each department for each item. The positive ratio of HBs Antigens and HCVAntibodies was a little higher than that found at the Nisseki Center, but the positive ratios of Syphilis(both RPR andTPHA) were almost the same. These results suggest that it is important to carry out examinations before commencing dental treatment in order to prevent not only needle infection and infection accidents but also infection between patients. (The Shikwa Gakuho,1 0 5:4 7 9∼4 8 4,2 0 0 5) ― 46 ―.
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