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【08】大田原市における「多言語による高校進学ガイダンス」(2014.9.26)体験談発表より 「頑張るきっかけ」

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Academic year: 2021

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7 HANDSnext 真岡市教育委員会では、去る 10 月 11 日、宇都 宮大学HANDSプロジェクトとの共催で、「多言 語による高校進学ガイダンス」を開催いたしました。 今回のガイダンスには、当日の申込者を合わ せ、20家族の参加がありました。参加者は、 小学生・中学生・既卒者で、スペイン語・ポル トガル語・中国語・フィリピン語を母国語とし ている方々でした。 受付において、お互いの再会を喜ばれている 方や、家族だけでなく親族も一緒に来られた方 なども見られ、ほほえましく感じられる場面も ありました。 用意していただいた資料を基に、通訳の方か らの高校入学に関わる説明を受けながら、真剣 な中にも和やかな雰囲気で、参加者からの質問 も交えガイダンスが進んでいきました。その後、 全体としての質疑応答を行い、最後に卒業生の 体験談発表がありました。今回の活動を通して、 皆さんこんにちは。今日私からお話しするのは、 「私が勉強を頑張ろうと思ったきっかけ」です。 私はフィリピン人の母と日本人の父のもと、日 本で生まれました。ほとんどを日本で過ごしてき ましたが、2 歳から 4 歳の 2 年間はフィリピンで 過ごしました。ちょうど 言葉をよく吸収する頃で す。そのおかげで私はタガログ 語を覚えられた と思っています。けれどその分私は、日本にいる 子ども達よりも日本語で遅れを取ることになりま した。 日本に帰ってきてまず苦労したのは、同じ年の 母国語で会話ができることは、参加者にとって 分かりやすく、安心してコミュニケーションを 図れる場であることを、改めて感じました。 本市での実施は今回を含めて3回目ですが、 開催ごとに申込み数と実際の参加者が増えてい ます。それだけ、高校進学に対して熱心な家庭 が増えてきているのだと感じています。 また、学生ボランティアによる夏季集団支援 として、夏休みを利用した外国籍の小中学生を 対象とした学習支援も HANDS プロジェクトに 協力していただいています。 最 後 に、 ご 協 力 い た だ き ま し た 宇 都 宮 大 学 HANDS プロジェクトの皆様には、今回のガイ ダンスのほか、夏休みを利用して行う外国籍の 小中学生を対象とした学習支援についてもご協 力いただくなど、何かとお世話になっており、 大変感謝しております。この場をお借りして、 お礼申し上げます。 友だちとのコミュニケーションでした。家では父が 日本語で話しかけてくるので、幸いにも日本語を聞 き取り、理解することにはすぐ慣れました。しかし 自分から日本語を話すとなると、ほとんど出来ま せんでした。学校に入り同じ年の子と接することに なった私は、周りと自分の違いに気づくことになり ました。話しかけられても、うまく返せない。話に もついていけない。私がハーフだとわかったときに は「お前の母親は外人なんだろう、日本語ができ ないんだろう」と馬鹿にされ、笑われました。子 供だけでなく日本人の親たちにも。言い返すことも

真岡市における「多言語による高校進学ガイダンス」を開催して

真岡市教育委員会学校教育課副主幹兼指導主事 宇都宮大学国際学部1年

櫻 井 明 彦

小野寺まゆみ

大田原市における

「多言語による高校進学ガイダンス」

(2014.9.26)

体験談発表より

「頑張るきっかけ」

(2)

8 HANDSnext 出来ないで、とても辛くて何よりも悔しかったのを 今でも覚えています。けれど私は自分の母親がフィ リピン人ではなく日本人だったら…と考えたことは たったの一度もありませんでした。それは母の私に 対する接し方が一番大きかったと思っています。 母は学 校へ通う私を独りにはしませんでした。 自分も日本の文化に慣れない状 態で、日本語も 満足に出来ない状 態でも、授業参 観、運 動会、 PTA 総会など学校に関わることがあれば必ず来 てくれました。親の姿を学 校で見かけることが、 勉強している自分の姿を見てくれることが、どれ だけ自分の心の支えとなったのか、今わかります。 また母自身が学校に関わることでいいことがもう 1 つありました。外国人、そしてハーフである私へ の理解が生まれてきたのです。誰でも見知らぬも のには不信感を覚えます。それは私達だけでな く、相手も同じだったんです。母は後ろから私を 見守るのではなく、常に隣に立っていてくれました。 それからは学校へいくのも辛くなかった、どれだ け周りに馬鹿にされても、私は自分の母を誇りに 思うようになりました。母はとても頑張ってくれた、 だから今度は私が頑張る番だと、そう思いました。 時がたってその思いを胸に私は高校へ進学す る道を選びました。そこで私はとても素晴らし い先生に出会いました。とても厳しく、それで いて生徒をよく見て理解してくれる優しい先生 でした。勉強を頑張ると決めたものの、自分に 自信がなかった私の背中をよく後押ししてくれ ました。ボランティアや委員会、生徒会などに 自分から積極的に行けたのも、その先生が私を 保育園や外国人学校に通園通学する外国につ ながる子どもたちの学校生活の様子などを見学 し、意見交換や共遊で交流することを目的とし て、9 月 10 日「グローバルサマーツアー 2014」(主 認めてくれたおかげです。中学よりも主体的に 広く行動できたことが高校で得た一番の財産で す。なにもできずに悔しかった頃の気持ちと、 支えてくれた母と恩師への感謝が私の勉強への 原動力です。もちろん道をそれて、勉強せずに 遊んでいたいときもあります。そんなときはこ れらのことを思い出すと踏みとどまれるのです。 これから皆さんは高校進学するか、しないかの 大きな分岐点にたつと思います。不安も悩みもあ るとは思います。進学してまで何を勉強するのか、 なんのために勉強するのか。将来の夢がまだない 人もいるでしょう。私も聞かれたらすぐに答えられ ません。それでも何故勉強するのかと聞かれたら、 「ここまで支えてくれた人に応えるため」だと答えら れます。自分の中に理由を見出せないときは、周 りをちょっと見渡してみるのもいいかもしれません。 理由はなんだっていいんです。将来幸せになりたい から、などと曖昧なものでもいいと私は思います。 高校進学だけではありませんが、どうか勉強が大 変だとか面倒、という理由で自分の人生を狭めて しまうのだけは避けてほしいと思います。保護者の 皆さんにはどうか、後ろでも前でもなく隣で支えて ください。同じスピードで歩んで欲しいと思います。 最後に、「外国人」であることに恥ではなく誇 りをもっていてほしいです。正しいことをした なら胸を張っていてほしいと思います。まず自 分で自分を認めてあげてください。そんなあな たを認めてくれる人が必ずいるはずです。皆さ んが力強く生きる姿を楽しみにしています。 催 HANDS プロジェクト)を実施しました。ブ ラジル人学校「コレージオ・ピタゴラス太田校」 (群馬県太田市)と 3 つの保育園「みよし保育園」 「大泉保育園」「坂田保育園」(いずれも群馬県大 宇都宮大学国際学部 3 年

新屋ジエゴ明夫

グローバルサマーツアー2014

参照

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