兵庫教育大学教科教育学会シンポジウム提案要旨
孝土全科ら二二とって「よみ」と8ま何カヽ
川VHI! 吉 社会科にとって「よみ」とは,情報間の関係を構築していくことである。 こ れは,明示できる情報間の関係の場合と,分析的には解明できない総合的関係 の場合とがある。総合的なものは,イメ-ジと呼ばれる。 社会科の学習は,「情報間の関係を構築することや,イメージを形成するこ と」をとおしておこなわれる。 本発表では,情報からイメージや関係を構築し ていく方法と,教科書記述からイメージや関係を構築する授業設計,について のべる。 1,情報からイメージや関係を構築していく方法 (1),書を読む 「読む」といえば,まず書である。 社会科の学習の基本の一つは,やはり読 書である。情報の無いところで問題を考えることはできない。 大量の情報の確 保には,何よりも大量の読書が必要である。 これまでの社会科学習を弱いもの にしていた原因の一つに,読みこなした情報量の不足があげられる。 社会科における「読む」には,量をこなす読書と同時に,自分の好みにあっ た書を繰り返して読む方法がある。 大量の情報が点的情報に留まっていたので は,有効性が低い。 情報間の関係がその人の中に,できていることが重要であ る。10回も20回も繰り返して読んでいる書である。 何か問題にぶつかった 際には,愛読書の著者ならばどう判断するかを,すぐに答が出せるようになっ ているはずである。これは一人の著者の書籍群でもよい。 (2),地域をよむ 実地観察は,社会科学習の骨格を形成する。 その場所に立てば観察ができる わけではない。「よみ」が必要である。 同じ場所に立っても,地域観寮の達人 と素人とでは,-その地域からよみとる情報に,夫と地ほどの差がでてくる。 この地域をよむ手法も,大きくは二つに分けられる。 一つは,できるだけ大 量の情報をその地域からよみとる手法と,問題意識を明榛にし関係情報のみを よみとる方法である。 前者は伝統的に地誌的研究方法といわれ,後者は系統地理的研究方法と呼ば 一一一Otl-れてきた。 この2分法は本質的違いを示すものではない。 認識の概念装置の明 示性との関係で考えることが適当である。 わたくしたちが,地域をよむのには,一定の概念装置が必要である。 それは 細菌を見るのに顕微鏡が必要なのと同じである。 地域をよむための明示的な概 念装置を示そうとしているのが,系統地理的方法であり,総合の重要性を主張 し,概念装置の明示性を出せないでいるのが地誌的研究方法である。 地域をよむためには,明示的な概念装置の形成と,それを組み合わせた総合 的概念装置の形成が必要である。 均蝣USESffi開削か男-亀田^;J^fj閑;fei田HI hiI 授業設計に際して,教科書をどのように読むかが,一つのキーポイントにな る。教科書には,その単元で習得させたい内容が,凝縮して書き込まれている。 一般的には,小学校の教科書では,基本的問いとその筈が示されている。 中学 校の教科書では,内容の多きと限られた紙面との関係で,問いを省いて答だけ が書かれている場合が多い。 したがって,小学校の教科書では,どのような問いがどのように配置されて いるのかを読む。 次に,それに対して,どのレベルの答が書き込まれているの かを検討するといった読みが,教師の基本的活動となる。 この構造と子どもの 状態とを絡めて,問いの検討や使える資料の収集状況を配慮して,授業設計を していく。 それに対して,中学校の教科書の場合には,まず,書き込まれている内容の 嚢に潜んでいる問いを読み込む作業をする事が必要である。 例えば,次のよう な作業である。 「冬の積雪は,北陸のおもな産業である農業に大きな制約をあたえている。 妻や野菜などの裏作がむずかしいうえに,雪で木の枝が折れるので,果樹栽 培もふるわない。 」 この教科書記述には,「北陸の積雪は,農業にどのような影響を与えていま すか。」rなぜ,北陸では果樹栽培が,不振なのですか。 」といった問いが隠 されている。 こういった問いを読みとり,構造化していくことが授業設計には 不可欠である。 この間いと内容が,イメージや情報間の関係を構築していく基 本となる。 社会科にとって「よみ」とは,書や地域から,問いをもって情報を抽出し, それを関係づけ,イメージ化することであることを述べた。