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ADHD児のスピーチ学習に関する指導パッケージの検討 : 実行機能の役割に焦点をあてて

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Academic year: 2021

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(1)AD HD児のスピーチ学習に関する指導パッケージの検討       一実行機能の役割に焦点をあてて一. I 問題と目的. 専攻. 特別支援教育専攻. コース. 特別支援教育コーディネーターコース. 学籍番号. M11115B. 氏 名. 片小田 あゆみ. 標設定」「計画立案」「実行」「評価」とした。.  ADHD児は、おしゃべりであるが結局何を.  本研究では1名のADHD児に実行機能の. 言いたいのかわからないと言われる(宇野,. 役割に配慮したスピーチ指導を行った。この. 2010)。これはADHDの本質である行動抑制. rスピーチ」とは、計画的に自分の考えや意. の弱さと考えられている(Bark1ey2000)。. 見をまとめ「事物の説明」をすることを指し.  この行動抑制の困難さは、実行機能の課題. た。その結果からADHD児のスピーチ学習. に起因している。このように、実行機能に課. に関する指導パッケージについての検討を行. 題があるため、目標達成のために計画立てて. った。. 行動することが苦手となる。このことが学校. I 方法. では、よそ見をする、立ち上がる、急に発言.  指導にあたっては、実行機能の役割に応じ. するなど行動特徴となって現れる。また、学. て、人形(目標設定)、カテゴリーカード(計. 校では多くの場合、多動や衝動性など行動面. 画立案)、ワープロ(実行・評価)を活用した。. の問題がしばしば指摘され、実際の指導も行.  指導は、20XX年1月∼6月に計8回実施. 動面への対応が多くなる。ADHD児の学習面. した。また20XX年6月に、「比喩表現」「理. の指導は不注意への対応、衝動性への対応と. 由の述べ方」に関する追加指導を2回実施し. して「正確に書く」「文字を飛ばすことなく読. た。また、20XX年3月末からおよそ2ヵ月. む」r枠内に文字を入れる」など、周囲に気づ. ごとに計4回のスピーチテストを実施した。. かれやすい配慮に終始しがちである。実際は.  主な評価は、スピーチの変化、スピーチテ. 実行機能の課題からADHD児は、論理的に. スト、ITPA言語学習能力診断検査で行った。. ものごとをとらえ、表現することの困難性が. 皿 研究I(実行機能を踏まえた指導と評価). ある。しかしながら、この困難性に学校現場.  人形に伝えるという目標設定を行った。こ. や家庭では気づき実態がある。ことばはコミ. の目標に対して実行機能の「計画立案」「実行」. ュニケーション手段としての側面だけでなく、. 「評価」の役割に焦点をあて、指導を行った。. 自分の言動を振り返る手段としての側面もあ.  「カテゴリーカード」により、テーマに必. る。そこで、行動抑制の弱さをもつADHD. 要なことばを取捨選択させた。. 児がよりよく生きるためには、言語の獲得は.  対象児が行ったスピーチは、筆者がワープ. 豊かな生活に必要であると考える。. ロで即時に文字化した。ワープロ上の文とカ.  本研究では、実行機能の4つの役割を、「目. テゴリーカードを照らさせ、不足している語.

(2) を補わせ、不要な語を消去させた。またワー. ごとば」をモニタリングでき、客観的にとら. プロのカット&ぺ一ストを活用し、文の並べ. えることが可能となった。それにより文脈か. 替えをさせ、よりよい文の順序を考えさせた。. らはずれた文や、ことばが不足している文を.  追加指導では、ワーキングメモリを補うた. 探し、訂正することができた。また、ワープ. めの新たな教具を導入した。対象児に、教具. ロは文章を修正する前、途中、完成した文章. を操作させながら、スピーチを行わせた。. を一度に見ることができ、振り返りが可能と. w結果. なった。これにより、対象児はことばの「評.  カテゴリーカードを用いて、テーマに必要. 価」ができるようになり、文の前後を考え、. なことばを取捨選択することができた。ワー. つながりを意識したスピーチが可能となった。. プロの文を見ながら、文の修正や文の並べ替.  教具の工夫による視覚化が、ワーキングメ. えを繰り返し行い、文脈にそった文章構成を. モリの負荷軽減につながり、注意が持続でき. 考えることができた。また、文字化された最. た。このことがr行動抑制」をうながすこと. 初のスピーチと推敲後の文章を見比べて、ど. につながったと考える。r行動抑制の弱さ」を. こが変化をしたのか考えることができた。. 軽減できたことで、多くの情報から必要な情. V 研究I(スピーチカの総合評価). 報を取捨選択することができた。情報の抑制.  スピーチテストを実施した。対象児に出題. ができたことで、注意を持続し、必要な情報. したテーマに従い、毎回15個程度のスピー. が整理しやすくなり、文脈が維持できるよう. チをさせた。そのテストの結果を分析し、指. になった。よって、指導前よりも流暢なスピ. 導パッケージの般化・維持を測定し、指導の. ーチができるようになったと考える。. 効果を分析した。.  般化・維持については、指導を終えてから. VI結果. もカテゴリーカードは記憶され、活用されて.  時間経過に伴い、繰り返しやことばにつま. いた。このことから、視覚優位の児童にとっ. ることが減り、流暢なスピーチができるよう. て、イラストによるカテゴリーカードは記憶. になった。それに伴い話題が移り変わること. に残りやすく、有効な教具であると考える。. がなくなり、文脈が維持されるようになった。.  また、指導後時間が経つにつれ、スピーチ. V皿考察. の流暢性が高まった。これは、スピーチをワ.  実行機能の役割に、照らして考察をする。. ープロでモニタリングできるようにするなど、.  カテゴリーカードは、テーマを説明するた. ワーキングメモリの負荷を軽減させた指導が、. めに必要な観点(カテゴリー)を選択する手段. 意識的にモニタリングをしようとすることに. として活用できた。取捨選択ができたことで. っながったためではないかと考える。. 情報が整理しやすくなり、テーマに沿ったス.  以上から、語彙は豊富にあるが、文脈が維. ピーチを「計画立案」できることにつながっ. 持されないADHD児のスピーチ指導は、従. たと考える。. 来の国語的なアプローチだけでなく、実行機..  ワープロを使っての並べ替えは、「書く」負. 能の役割に焦点をあてたアプローチをするこ. 荷を軽減したことで、繰り返しの推敲を可能. とで、効果的な指導ができると考える。. とした。ワープロで筆者が対象児のスピーチ.          主任指導教員 宇野宏幸. を即時に文字化にしたことで、自分の「話し.          指導教員   宇野宏幸.

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