CAI二進法プログラムに関する学習記録の分析(3) : 高校生における実験結果
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(2) . 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). CA1 二 進 法 プロ グラム に関 する学 習記 録の 分析 (3) -- 高校生 における実験結果 清水. 清・鈴木正義・中川. 1 ,. 目. 正・辻. -. 宏光・花. 春美. 的. われわれは, CA I 学習 プ p グラム作成の前段階と して, ブッ ク形式二進法学習 プロ グラムを作 成 し, 函館市と亀田市および渡 島管内町村の中学校の第1学年か ら第3学年にいたる合計1 766人を 対 象 に, こ の プ ロ グラ ム に 関 す る 2 度 の 予 備 調 査 を 実施 した. そ して, そ れ らの 資 料 を C A I学習. プロ グラム作成の観点から分析し, その結果を報告した (中川・鈴木, 1 72) 9 , 次に, われわれは, これらの分析結果に基づいてCA1二進法プロ グラムを作成 し, 被験者として中学生を実際にCA I システム学習者 端末装置に着けて学習させ, その学習過程と結果の分析結果を報告した (鈴木・. 中 川 ・ 山 崎, 1973; 中 川 ・ 山 崎, 1973), そ の 後, わ れ わ れ は, C A I シス テ ム によ る 学 習 実験 の. 結 果 の 分 析 に 基 づ い て, さ らに 学習 効果 の 大 き い プ ロ グラ ム に改 良す る こ と を め ざ して, こ の C A. 1二進法学習 プp グラム (M2) を修正 し, 修正CA1二進 法 学 習 プロ グラム (M2 0) を作成 し て, プロ グラムの修正効果を実験的 に検討 した. 修正を行なっ た諸点, および, M2とM20の学習 効果の比較結果な どについては, 鈴木・中川・山崎 (1 974 ) の論文を参照されたい. 本報告は, 被 験者と して高校生をCAIシステム学習者端末装置に着けて M2 0を学習させた結果の分析を取扱っ. ており, 発達段階とCA I システムによる学習との関連に関する研究の一部である, 本報告の目的は, 次の事項を検討することである, 1 ) M2 { 0の学習効果.. { 2 } ヒ ン ト, 指 示 な どの 効 果.. 圏. 拡散的思考, 生産的思考, 推理的思考の3態 0における学習過程および結果との関 、考型とM2. 係,. 4 { } 中学生における実験結果との比較, 2. の. 験. 被. 方. 法. 者. C A I システムによる学習実験に参加した被験者は, 函館市立 束 高 等 学 校3年生3 5人 (男子15. 人, 女子2 0人) である, このうち思考力検査を受けた老” ま、 欠席な どのため減少し, 31人 (男子 扇 , 女 人, 子17人) である. 団. 実. 験. 期. 間. 実験期間は,= 日和48年6月 から7月 までである, 圏 実 験 装 置 使用 した 装 置もま, プ リ ンタ, キ ー ボ ー ド, ラ ン ダム ア ク セ ス ・ ス ラ イ ー か ら構成され る 学 習 者. 端末装置, それを集中制御する端末装置結合装置, および, システム全体を制御する電 子 計 算 機 (HITAC I0, 16 KW) から成る日立CA I シス テ ム で あ る, 62.
(3) . ・CA1二進法プログラムに関する学習記録の・分析 (3・ )・ 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美: 雑. 学習 プ ロ グラ ム. M20は, 十進法の減法を補数を使って加法で行なう方法, 二進法の補数の定義, 二進法の補数の 求め方, 二進法の減法を補数を使っ て加法で行なう方法な どに関するステッ プの主系列と, 副系列 と して ヒ ン ト 系 列 と 練習 系 列 を 合 わ せ も つ69枚 の ス ライ ドか ら成 る 二 進 法 学習 プ ロ グラ ム で あ る. M20の フ ロ ー チ ャ ー トは, 中 川 ・ 高 瀬 ・ 山 崎 (1974) の 論 文 に 示 さ れ て い る ので 参照 さ れ た い,. 5 ) 手 {. 続. i) 各被験者は, 前提テストと事前テストを受けた後, キー ボー ドの使用法, CA I プ ロ グ ラ ム. 学習の行ない方な どを実験者によっ て説明された. i) その後, 各被験者は学習者端末装置に着いてM2 0による プロ グラム学習 を行な っ た, i. i i i ) プロ グラム学習終了後, 各被験者は事後テス トを受けた, iv) C A I システムによる学習が終了した後, 被験者は集められて教研式 「思考・創造力検査」. (辰野, 1972) を受けた, v) 上記実験装置によっ て得られた反応内容, 学習得点, 学習所要時間, ヒント使用回数な どの 各種数値, 前提テス ト, 事前テスト, 事後テストの得点, およ び, 思考力検査によっ て得られた下 位尺度得点に基づいて, 被験者 の学習過程と結果について分析された. 3 , 結 果 と 考 察 全被験者 (35人) の学習過程と結果の分析 M20はM2を修正 した学習 プロ グラムであるが, 中学生を被験者とした場合, これら両プロ グラ 974) ムの学習 効果には差がないことが確かめられている (鈴木・中川・山崎, 1 , M20学習 の 際 用 の. い た前 提 テ ス ト, 事 前 テ ス ト, 事 後 テス ト の 満 点 は, 順 に 6 点, 8 点, 8 点 で あ り, 事 前 テ ス トと. 事後テス トの採点規準は上記論文 の場合とは異なり, 被験者が解 答記入する個所の正答を各1点と 97 3) の論文に示されてあり, また事前テス トと事後 した, 各テストの問題内容は, 中川・山崎 (1. テス トは同一問題で構成されている,. 全 被 験 者 の 前 提 テ ス ト に お け る 平 均 得 点 は 4,6000点 (SD=1,4182) で あ る が, 事前 テ ス ト にお. ける平均得点は極めて低い. CA I システムによるM20の学習の結果, 全被験者の平均得点は上昇 し, 事前テストと事後テストの得点間の差は, 高い信頼水準で有 意である (第1表) , 第1表 事前テストと事後テストの得点の比較 事前テスト 平 均. 事後テスト. 事前テスト--事後テス ト ----. 得 点. プロ グラム学習総点は, 学習 プロ グラムの各間に配属された得点のうち, 被験者が獲得 した得点 0 ′ こおいて各間で与えられる得点は, 次表の通りである, 各間を最高点で通過し の合計である, M2 ‘ た場 合, そ の 合 計 は68点 で あ る, 「MATIGAI MOITIDO」 は “ 誤答 の際, 自 動 的 に プ リ ンタ によ. って印字され提示される指示である, ヒントには請求ヒントと提示ヒントの2種類があり, 請求ヒ ま, 誤答の際, 自動 ′ ントは, 学習 者 が キ ー ボ ー ドを 操 作 して 請 求 す る ヒ ン ト を 意 味 し, 提 示 ヒ ン H 的 にス ラ イ ドで 提 示 さ れ る ヒ ン トで あ る, 第 1 ヒ ン トと は, 学習 者 によ る請 求, シス テ ム によ る自. 動提示を問わず, 学習者が受ける1回目の ヒ ントであり, 第2 ヒ ン トと は, シス テ ム の 自 動 提 示 に ・で あ る. な お, 主 系 列 の 問 題で 2 回 以 上 誤 答 した場 合 に よっ て学習者に与えられる 2 回 目 の ヒ ン1 63.
(4) . 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光.花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). は, 問題によっ て練習系列の問題が自動的に提示されるが, 練習問題の得点は プロ グラム学習総点 に加算されない. 段. 階. ー. ヒ ン トの 第2 ヒ ント ヒ ントの 間の種類 」 」一 一 あ る 問 の な い 問 な い 間. 問題提示の際1回で合格. 4点. と提示されて合格. 3. 第1ヒ ントを受けて合格 第2ヒントを受けて合格 正答を与えられて通過. 2. 「MATIGAI MOITIDOJ. 4 T. 八 丁. n d. 父 U. n ! ”. I. n v. n ”. 0. 第2表は, プロ グラム学習総点と事後テスト得点との関係を 示 している. これまで報告してきた 研究結果と同様に, これら得点間の相関は高い,1プロ グラム学習総点は被験者の学習過程におけ る 第2表. プログラム学習総点と事後テスト得点との関係. \ 事後テスト得点 \」- もー ー ー. 学習総点. \\ \. 0. I. 2. 4. 3. 63‐‐--68. 5. 6. 7. 8. 合計. I. 2. 2. 17. 22. 5. 6. I. 2. 57----62. I. 51---56. I. 45---‐50. 2. 39----44. 合. 計. I. 0. (t検定). 4. I. I. I 0. =0,7153 rご P <0.001. I. 0. 3. 2. 3. 3. 23. 35. 理解度を示 し, 事後テスト得点は被験者の学習結果の定着度を示すと考えられる. したがって, 両 得点間 に高い相関があることは, 学習過程における学習者の理解度が, 学習結果の定着に大きな影 響 を 与 え る も の で あ る こ と を 示 して い る.. 第3表と第4表は, 学習者が請求ヒントを利用 したり 「MATIGAI MOITIDO」 の指示を受け た 場合, その後に生じてくる正答の比率を取扱っ ている, 別の報告の中で述べる予定であるが, 中学 第3表. 請求ヒント使用の効果. 憂葡 使用後の問題通過 人. Q1 (HI) QI 1(H5) Q21(H6) Q23(H7) Q24(H8). 数. 人. . ム ハ 0 ハ 乙 . ふ 1 4. 数. 信頼水準 通過率 通過率の下限. 2. 1・0000 0,3333. 2. 1,0000. 1. 95 % の. 0,0975 0,0629 0 ,2237. 0 0. 通過率の下限については n. 2 )にょる ( o o ) (N-k十・ 5 ) も . ,触 *, 馬≠FX 証 扉 罰 (『 2 k………通 選者教 N………全使用者数. 7問に対する1回で合格する 生に比較 して,高校生は問題提示の際1回で合格する者が多く,全問題1 0%を越えており, 請求ヒントを利用 する者や提示ヒントを受ける者は極めて少な 者の比率は平均8 64.
(5) . 清水清,鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). い, 第4表は, 高校生の場合にも, 「MA. 第4表 1回目の誤答の際の IT工DO」 提示の効果 「MAT【GAI MO. TIGAI MOITIDO」 と い う指 示 だ け で,. 5 % の. 提示受理受理後の問題通過 9 信頼水準 人 数 人 数 通過率 通過率の下限 2. 0 ,6000 1・0000. 0.1894 0.2237. I. I. 1.0000. 0 .0975. Q5. I. 0. Q6. I. 0. Q I. 5. 3. Q2. 2. Q4. Q 7. 3. 3. Q 9. 14. 11. 1・0000 0.7857. QII. 7. 5. Q12. 3. 2. Q13. 6. 3. Q16. 0 .6667 0,5000. 3. 2. 0,6667. 0.1531 0,1353. Q17. I. 0. Q18. 17. 6. QI9. 9. 4. 0.3529 0 ,4444. 0 ,1667 0.1689. Q20. 2. 0. Q21. 7. 4. Q22. 7. 3. 0 ,5714 0.4286. 0,2252 0,1228. Q23. 4. I. Q24. 15. 4. 0.2500 0 ,2667. 0 ,0127 0.0965. その後に 正答反応がかなり多く 生じてく ることを示 しており, この単に再度思考 第5表. 思考 の型. 群 - - - - \. \\ 上位群 中位群 下位群. 拡 人 数 散 平均得点 的思考. 0,3686 0,5340. 43 0,71. 各思考型における被験者群. D. S. 範. 0,3411 0,1353. 囲. 生 人 数 産 的 平均得点 思 S D 考 範. 囲. 推理人. 数. 的 平均得点 思 S D 考. 10. 26.6000 18.7778 12.0000 2,3324 1,8122 2,4495 --7 31一‐23 22一‐16 15 11. 11. 9. 17,7273 12,4444 6.3636 1 ,4827 1,7069 2,1856 --10 20--16 15 9. 9-3. 14. 8. 19.1111 16.0000 12.1250 0 ,9938 1 ,0000 1,6154. 囲. 範. 12. 9. ‐一15 14 --9 20--18 17. を求める指示が, CAI シス テ ム に よ る 学習 に お い て 必 要 な 機能 で あ るこ と を 示 してい る, ) 各思考型における学習過程と結果の分析 2 (. 学習者の思考型, 思考力とM20における学習過程およ び結果との関係を調べるため, 思考力検査 として, 教研式 「思考・創造力検査」 を用いた. 本研究では, この検査によっ て得られる拡散的思 考, 生産的思考, 推理的思考の3尺度の各得点とM20における学習過程および結果との関連を検討 してい る,. C A I システムによる学習に参加した被験者は3 5人であるが, 思考力検査を受けた被験者は, 欠 席な どのため減少 し, 31人である, 各尺度において, 31人の被験者の得点の平均値と標準偏差を算 第6表 各群の事後テスト得点 \ \ 群 \ \ \ \ \ 、 、 \ \\. 群. 上位群 中位群 下位群. 思考の型 \ \. 拡恩 平均得点. 驚考. SD. 1,1662 2,4495 1,4625. 生恩 平均得点 産 的考 SD. 7,3636 6,5556 6,5455. 推思 平均得点. 7,4444 6.7143 6,3750. 器考. SD. 上一中 t. 7,2000 6,0000 7,1667. 1,1499 2,0062 2,0611. 1,0657 1 ,7496 2.3419. 間. P. 比. 中一下 t. P. 較. 上一下 t. P. 1.3097 N,S, -1.2921N,S, 0,0555 N,S,. 1.0704 N,S, 0,0105 N,S. 1,0961 N.S.. 1,0749 N,S. 0.3676 N,S, 1.1589 N,S,. 65.
(6) . 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). 出し, 平均値より2分の1標準偏差以上高い得点の者を上位群と して, 平均値より2分の1標準偏 差以上低い得点の者を下位群と して, 平均値より上下2分の1標準偏差以内の得点の者を中位群と して設定 した (第5表). 第6表は, 事後テス ト得点に関する各思考型の各群間の比較結果を示 している, 表か ら明 らかな ように, いずれの思考型においても, 各群の得点は相互に似た水準にあり, しかも満点が8点であ. ることを考えると高い水準にあると言える, 事後テスト得点に関 して, いずれの思考 型 に お い て も, 各群間には統計的に有意な差は認められない. したがっ て, 思考力の差によって, 事後テス ト. 得 点が上下に幅広く分かれることはないと言える,. 第7表は, プロ グラム学習の所要時間に関する各思考型の各群間の比較結果を示している, 拡散 的思考における上位群と下位群の間, 生産的思考における上位群と下位群の間に, 学習所要時間に 第7表 各群のプログラム学習所要時間 、 \. \. \. 群. 群 中位群. 下位群. 思考の型 \. 拡思 平均得点 散 的考 SD. 21,8000 28,7778 30,1667. 生思 平均得点 産 的考 SD. 22,0909 26.2222 32,7273. 3,8678 10,6539 7,9774. 2,9062 7,1922 10,2876. 思 平均得点 22,5556 28.9286 28.8750 椎,. 器考. SD. 5.5400 9,8159 7.6720. 間. 比. 較. 上--一中. 中--下. 上--下. t. t. t. P. P. P. -1.8297N,S ー0,3249N,S, -2,8917<0 ,01. -1,6502N,S -1,5210N.S, -3.1464 く0,01. -1,6956N,S, 0,0127N.S. -1,8428. 関 して有意な差が認め られるが, その他の群間には有意な差は認められない, プ p グラム学習総点に関 しては 第8表から明らかなように , , 推理的思考における上位群と中位. 群の間においてのみ有意な差が認められる, 概して, 各思考型における各群の学習総点は相互に 似 第8表 各群のプログラム学習総点 群. 上位群 中位群 下位群 拡思 平均得点 63,5000 58,1111 60.1667. 爵考. SD. 5.1817 8,3858 7,0455. 生恩 平均得点 産 SD 的考. 63.5455 61.2222 59,0909. 推恩 平均得点. 65.7778 58,1429 59,2500. 器考. SD. 4,9975 6.4598 8.0955. 2.8589 6,7703 8.5403. 間. 比. 較. 上一中. 中--下. 上--下. t. t. t. P. P. P. 1,6107 N.S, -0.5797N,S. 1,1843 N,S.. 0,8600 N,S. 0.6076N.S. 0.8996 N.S,. 3,0619 <0.01-0.3191N.S. 2.0298 N. .S . ・. 1. た水準にあり, しかもかなり高い水準にある. したがっ て, 事後テスト得点の場合と同様に, 署雪 総点は, 思考力の差によっ て上下に幅広く分かれることは少ないと言える. 第9表は, 各思考型における上位群, 中位群, 下位群の各間における得点と標準偏差 を示 してい. 66.
(7) . 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). こも表われ, 各思考型において, 3群の得点はほ る. プ p グラム学習総点の示す 特徴は各間の得点も. ぼ似た水準にあり, しかもかなり高い水準にある. 各間は, いずれの群の被験者にも容易に理解さ れて, 多くの正答を生じさせたことが理解できる, 別の報告の中で述べ る予定であるが, M20を中学生を被験者として実施 した結果では, 学習総点. および事後テスト得点に関 して, 各思考型の上位群と中位群の間を除く各群間に有意差が認められ る場合が多く, 思考力の高い学習者と低い学習者との間には, 学習過程における理解度および学習 結果の定着度に差があることが認められる, また, M20の修正前のプロ グラムであり同じ程度の学. 習効果をもつM2における学習の場合, 中学生においては, 事後テスト得点に関して, 各思考型の 上位群と中位群の間には有意な差は認められず, プロ グラム学習総点に関 しても, 各思考型の上位 群と中位群の間にはほとん ど有意な差は認め られず, 両得点に関 して, 各思考型の中 位群と下位群 の間, 上位群と下位群の間に有意な差が認められる場合が多い (鈴木・中川・山崎, 1 97 3) , しか し, 上述のように, 本報告の高校生を被験者とした結果では, 事後テスト得点に関 しては, 各思考. 型の各群間に有意な差は全く認め られず, 学習総点に関しても, 各思考型の各群間にはほとん ど有 意な差は認め られない, このような結果は, 次のような理由によるものと考えられる, 高校生は,. 中学生に比較して各思考力得点がかなり高くなっ ており, 高校生における各思考型の下位群の思考 力得点は, 上記論文に示されている結果からも理解できるように, 中学生における各思考型の中位 群の思考力得点とほぼ同じ水準にある, したがっ て, 中学生と高校生に関する実験結果を合わせて 第9表 各群の各間における得点. 思 問 考 型 題. 上. 平均. 得点. 位. 群. 中. SD. 平均得点. 位. 群 S. 下 D. 平均. 得点. 位. 群 S. D. I. 3 ,7778. r 0 ,6285 ≧. 2. 4 ,0000. 0 .0000. 4 ,0000. 0,0000. 3,9091. 0 .2875. 4. 4 ,0000. 0 ・0000. 3,8750. 0,3307. 4.0000. 0 ,0000. 3,7500. 0 ,4330. 3.9091. 0,2875. 5. 3 ,5556. 1 .2570. 4,0000. 0 ,0000. 4,0000. 0.0000. 拡 7. 4 .0000. 0 ・0000. 4.0000. 0 ,0000. 3,8182. 0,3857. 9. 3 ,1111. 1 ,2862. 3,1250. 0,5995. 3,9091. 0 ,2875. 11. 3 ,5556. 0 ,4969. 3,0000. 1.7320. 3,0909. 1,5048. 12. 4 ,0000. 0 ,0000. 3,8750. 0 ,3307. 3,5455. 1.1571. 13. 4 ,0000. 0 ,0000. 3,3750. 1,3169. 3,1818. 1 ,5266. 15. 4 .0000. 0,0000. 4 .0000. 0 ・0000. 4,0000. 0 ・0000. 16. 4 .0000. 0,0000. 3.3750. 1,3169. 4,0000. 0 .0000. 考 18. 3,4445. 1.2570. 2,5000. 1,9364. 1.7273. 1,9112. 19. 3 .4445. 1.2570. 3,5000. 1,3228. 2,9091. 1,7814. 21. 3 .8889. 0,3143. 3,2500. 1,3919. 3,6364. 0,6428. 22. 3 .4445. 1,2570. 2.8750. 1,6909. 3.5455. 1,1571. 23. 3 .7778. 0 ,6285. 3,2500. 1,3919. 3,9091. 0.2875. 24. 3 ,4444. 0 ,9558. 1,6250. 1 ,2183. 2,6364. 1,6109. 散. 的. 思. G7.
(8) 清水湾・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プロ グラムに関する学習記録の分析 (3) I. 3,8000. 0.6000. 3,7000. 0,4583. 4.0000. 0・0000. 2. 4,0000. 0・0000. 3,9000. 0.3000. 4.0000. 0,0000. 4. 4.0000. 0・0000. 4,0000. 0.0000. 3.8750. 0,3307. 5. 3,6000. 1.2000. 4,0000. 0・0000. 4,0000. 0,0000. 生 7. 4.0000. 0,0000. 3,9000. 0 ,3000. 3.7500. 0,4330. 9. 3,0000. 1.1832. 3.8000. 0 ,4000. 3,6250. 0,4841. 11. 3.6000. 0,4899. 3,5000. 1,2041. 2.3750. 1,8667. 12. 4.0000. 0.0000. 3.6000. 1.2000. 3,7500. 0,4330. 13. 4,0000. 0,0000.. 3,1000. 1.5779. 3,3750. 1.3169. 15. 4,0000. 0・0000. 4.0000. 0 .0000. 4,0000. 0.0000. 16. 3,8000. 0.4000. 4,0000. 0,0000. 3,5000. 1.3228. 考 18. 3.4000. 1,2000. 2,3000. 1,9000. 1.3751. 1 .7984. 19. 3,9000. 0.3000. 2.7000. 1,7916. 3,0000. 1,7320. 21. 3,8000. 0.4000. 3.7000. 0.6403. 3,1250. 1.3636. 22. 3,6000. 1,2000. 2,9000. 1,5132. 3.5000. 1,3228. 23. 3.8000. 0.6000. 3,6000. 1,2000. 3.6250. 0,6960. 24. 3.4000. 0,9165. 2.9000. 1 .3748. 1,7500. 1,4790. I. 3,7500. 0.6614. 3,9230. 0.2665. 3,8571. 0,3499. 2. 3 .8750. 0,3307. 3,9230. 0,2665. 4,0000. 0,0000. 4. 4 .0000. 0,0000. 3,9230. 0.2665. 4.0000. 0 ,0000. 産. 的. 思. 5. 4,0000. 0.0000. 4.0000. 0,0000. 3.4286. 1,3997. 推 7. 4 ,0000. 0・0000. 3.9230. 0.2665. 3.7143. 0,4518. 9. 3.7500. 0.6614. 3,2308. 1.1200. 3.5714. 0.4949. 11. 3 ,7500. 0.4330. 2,8462. 1 .6098. 3.8571. 0,3499. 12. 4 .0000. 0.0000. 3,9230. 0 ,2665. 3.4286. 1.3997. 13. 4.0000. 0.0000. 3,5385. 1 ,0824. 3,4286. 1,3997. 15. 4,0000. 0,0000. 4.0000. 0・0000. 4 .0000. 0.0000. IG. 4,0000. 0.0000. 3,5385. 1,0824. 4.0000. 0,0000. 考 18. 3,5000. 1,3228. 2,0000. 1,8810. 2,5715. 1.6781. 19. 4,0000. 0 .0000. 3.3077. 1 ,4349. 2.7143. 1,7496. 21. 3.8750. 0 .3307. 3,4615. 0 ,7458. 4.0000. 0,0000. 22. 3,8750. 0,3307. 3,3077. 1.4349. 3,4286. 1,3997. 23. 4,0000. 0,0000. 3,3077. 1.2016. 4,0000. 0・0000. 24. 3.5000. 1.0000. 2.0000. 1,5689. 3,5714. 0.7284. 理. 的. 思. 68.
(9) . 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). 考察すると, 思考力がある水準, 本研究で用 いた思考力検査の場合, 拡散的思考においては12~1 3 生産的思 点, 考においては5~6点, 推理的思考においては12~1 3点の付近を境界として, それ以. 上の得点の場合 には, 思考型を問わず, われわれ の作成した二進法プロ グラム (M2, M20) は ど の被験者にも円滑にほぼ同程度に理解され, 学習結果が定着されるものと解釈される, 0表は, 各種得点間の相関係数を示 している, プロ グラム学習総点と事後テスト得点との間に 第1 は高い相関があるが, これら両得点は, 各型の思考力得点に対して有意な相関をほとんど示 してお 第1 0表 各種得点間の相関係数 \\. 項 目. 項 目 \. 事後テスト 得 点 r. oロク ヤラム フ. 学習総点 事後テスト 得 点. P. 猪桑輪階券煮 P1. r. 0,7042 * ー0,7134 *. P. r. 0,2214. ‐0,4764 * ー0 ,0098. やラ ム フoロク. 生 産 的. 推 理 的. 思考力得点 r. 思考力得点. P. r. 0.3668 *. 0.3072. 0,2905. 0,2969. P. -0 ,4295 * ‐0,5564 暑 -0,1859. 学習所要時間 拡. (N=31). 散 的. 0,5623 *. 思考力得点. 0,0505. 生 産 的. 0 ,3496. 思考力得点 *← …・t検定により5%水準で有意. らず, わずかに学習総点と生産的思考力得点との間に有意な正の相関が認め られるだけである, プ ログラム学習所要時間は, 学習総点および事後テスト得点との間に負の相関を示 し, これらの得 点. の高い学習者は学習所要時間が短かく, これらの得点の低い学習者は学習 所要時間が長い傾向があ る. また, 学習所要時間は, 拡散的思考力得点および生産 的思考力得点に対して負の相関を示 し, これらの思考力の高い学習者は学習所要時間が短かく, これらの思考力の低い学習者は 学習所要時. 間が長い傾向がある,. 4,. 結. 戸 冊. CA I システムによるM2 0の学習実験に参加 した被験者は, 高等学校3年生35人であり, そのう. ち思考力検査を受けた者は31人である. CA I シス テ ム によ っ て 得 られ た 各種 数 値, 前 提 テス ト, 事前テスト, 事後テス トの得点, および, 思考力検査によっ て得られた下位尺度得点に基づいて, 被験者の学習過程と結果が分析された, その結果, 次の事項が結論として得られた.. 1 ( ) M20は, 被験者の学習に大きな効果を与え, 全被験者の事後テスト得点は極めて高く, 事前. テス ト 得 点 に 対 して, 高 い 信 頼 水 準 で 有 意 な 差 を 示 した, こ の こ と は, M20が ブ ッ ク 形 式 プ ロ グラ ム に よ る 2度の予備調 査の結果, および, C A I システムによる学習実験の結果を十分に検討 して 作成 した 学習 プ ロ グ ラ ム で あ る こ と によ る と 考 え られ る,. 2 1 プログラム学習総点と事後テス ト得点の間には, これまでの研究結果と同様に, 高い相関が ( あった. 学習者の学習過程における理解度は, 学習結果の定着に大きな影響を及ぼすと言える. 圏. 「MATIGAI MOITIDO」 の 提 示 は, C A I シ ス テ ム に よ る 学習 にお い て, そ の 間 の正 答 を. 生 じさ せ る か な り の程 度 の 効果 があり, した が っ て, こ の 指 示 は 必 要 な システ ム 機 能 で あ る, ま た 「. ・. 69.
(10) . 清水清・鈴木正義・中川正・辻宏光・花春美:CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析 (3). 被験者は, 中学生に比 較 して, 請求ヒントを利用 したり, 提示ヒントを受ける場合 が少なかっ た, } 事後テス ト得点に関 して, 各思考型の各 群間において有意な差は認め られず, 学習総点に関 4 ( しても, 各思考型の各群間に有意な差はほとん ど認め られなかった, このことは, 高校生の各型の 思考力得点は, 中学生に比較 してかなり高く, 中学生と高校生に関する実験結果を合わせて考 察す ると, 拡散的思考においては12~13点, 生産的思考においては5~6点, 推理的思考 に お い て は 12~13点の付近を境界 と して, それ以上の得点の場合, いずれの被験者もほぼ同じ水準の高い 事後 テスト得点と学習総点を獲得するこ とによると解釈された. すなわち, 思考力がある水準を越える と, 思考型の種類の違いが, M20による二進法の学習過程における理解度と学習結果の 定着度に対. して, 異なる影響を与えるこ とがほとんど無くな って しまうと考え られる, 5 } 上述の特徴は, 各思考型における上位群, 中位群, 下位群の各間における得点にも表われ, ( いずれの群の得点も相互に似た高い水準にあっ て, M20がいずれの群においてほぼ同じように円滑 に学習されていた. { 1 学習総点および事後テス ト得点の高い学習者は, 学習所要時間が短かく, それらの得点の低 6. い学習者は, 学習所要時間が長い傾向があった, また, 拡散的思考力得点およ び生産的思考力得点 の高い学習者は, 学習所要時間 が短かく, それらの得点の低い 学習者は, 学習所要時間 が長い傾向 が あ っ た,. 本報告は, 昭和48年度文部省特定研究 「科学教育」 部門の科学研究費によっ て行なわれた研究の 一部である. 研究の実施に際 し, 函館市立東高等学校横田淳一先生, 川辺哲雄先生から多大の ご協 力をいただいたことを記し, 感謝の意を表わしたい.. 献 文 7 2 備的調査結果の分析 CAI学習プログラム作成の予 中川正・鈴木正義 , 第23巻第 , 北海道教育大学紀要, 19. 1 号,. ,. 中川正・山崎正吉 国語と数学における三層とCAIプログラム学習の過程と結果 -- CAIシステムにおける 1 73 }÷-, 北海道教育大学紀要, 19 学習過程の分析( , 第24巻第1号. 1 ) 74 中川正,高瀬輝彦・山崎正吉 CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析( , , 北海道教育大学紀要,19 第24巻第2号. 鈴木正義・中川正・山崎正吉 思考型とCAIプログラム学習の過程と結果 --CAIシステムにおける学習過 2 973 )--, 北海道教育大学紀要, 1 程の分析{ , 第24巻第1号, 2 ) 7 4 鈴木正義,中川正・山崎正吉 CA1二進法プログラムに関する学習記録の分析{ , , 北海道教育大学紀要, 19 第24巻第2号. 7巻. 71 辰野千寿・沢田瑞也・横島章 思考力検査の検討 (1) , 第1 , 東京教育大学教育学部紀要, 19 ・函館分校 四 ) ( 本学教授・清水清外 名 72 辰野千寿 思考,創造力検査, 日本図書文化協会, 19 .. 70.
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