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17.C型肝 変合併透析患者の膵臓癌への陽子線治療後 に発症した難治性胃潰瘍・胃毛細血管拡張症からの出 血に対してアルゴンプラズマ凝固療法(APC)が奏 功した一例 椎名 啓介,橋爪 洋明,佐藤 賢 斎藤 従道,古賀 康彦,堀口 昇男 山崎 勇一,柿崎 暁,森 昌朋 (群馬大院・医・病態制御内科学) 【症 例】 62歳, 男性 【主 訴】 黒色 【既往歴】 昭 和 38年 : 虫 垂 炎, 昭 和 52年 : 高 血 圧 症, 平成 4年 : 糖尿病, 平成 19 年糖尿病性腎症にて透析導 入 【嗜 好】 飲酒歴 : 日本酒 5合/日 (20歳より 54歳 まで, 以後は禁酒), 喫煙 : 40本/日 (20歳より) 【家族 歴】 : 骨肉種,長兄・次兄 : 急性心筋梗塞 【現病歴】 昭和 61年に肝機能障害を指摘された. 平成 12年 1月に 肝細胞癌 (HCC) と診断され, 他院にて計 3回の経皮的 エタノール注入療法が施行された. その後当科に転科, HCC に対して平成 12年 6月∼平成 20年 2月の間に計 3回の経カテーテル的肝動注・肝動脈塞栓術 (TACE)+ RFA が施行された. 平成 22年 1月の HCC の経過観察 中に施行された CT で膵癌を指摘された. 外科手術のリ スクが高いことと本人希望もあり, 筑波大学陽子線医学 利用研究センターにて平成 22年 3月より計 60Gyの陽 子線治療が行われた. 平成 22年 6月より黒色 に気付 き, 透析療法に通院中の前医より 血の進行を指摘され, 精査加療目的に平成 22年 7月 7日に当院当科紹介受診 と なった. 【身 体 所 見】 身 長 154.2cm, 体 重 54.2kg, BMI=22.3, 血圧 75/60mmHg, 脈拍 98/min. reg. 眼瞼結 膜に 血あり. 肝を肋弓下に 2横指触れる. 収縮期心雑 音あり. その他, 特記事項なし. 【入院時検査所見】 WBC 3100/ul, RBC 288×10 /ul, Hb 9.2g/dl, Plt 9.9× 10 /ul, PT (PT-INR) 107% (0.96), TP 6.1g/dl, ALB 2.9g/dl,T-bil.0.5mg/dl,AST 35U/L,ALT 22U/L,ALP 381U/L, LDH 244U/L, γ-GTP 122U/L, s-AMY 145U/ l, BUN 49mg/dl, Cr 7.04mg/dl, FBS 100mg/dl, HBs-Ag (−), HBc-Ab (−), HCV-Ab (+), CEA 1.7ng/ml, CA 19-9 42U/l, AFP 160.8ng/ml, PIVKA-Ⅱ 37mAU/ml, DUPAN-2 80U/ml, SPAN-1 11.7U/ml. 【入院後経過】 入院後の GIF で胃前 部後壁に H1 stageの潰瘍とその 周囲の発赤・毛細血管拡張を認め,同部からの Oozing を 認めたが,潰瘍からの出血は認めなかった.絶食・補液・ PPI・胃粘膜保護薬で加療したが,前 部後壁に限局して いた発赤は次第に全周性に悪化し, また十二指腸球部後 壁から下行脚 (特に十二指腸乳頭部周囲) にも発赤と出 血を認めるようになった.高圧酸素療法 (約 8週間)など も併用したが, 改善なく 血は進行し, 頻回の輸血が必 要であった. 保存的には改善の見込みがないと判断し, 計 9 回の APC と 1回のエトキシスクレロール局所注入 を行った. 治療による出血の悪化は一度も認めなかった. 前 部の変形と潰瘍形成を来したものの, 発赤・毛細血 管拡張・出血はコントロールされ, 食事再開後も輸血の 必要なく, 血の改善を認めたため, 合併した肝細胞癌 に TACE 施行の上, 軽快退院となった. 【 察】 び まん性前 部毛細血管拡張症 (DAVE) に対する APC の有効性は報告されているが,肝 変・透析療法中・陽子 線治療後というリスクファクターを複数合併する本症例 のようなケースにおいても APC やエトキシスクレロー ル局所注入は有効であると えられた. 【結 語】 C 型肝 変合併透析患者の膵臓癌への陽子線治療後に発症 した難治性胃潰瘍・胃毛細血管拡張症からの出血に対し て APC が奏功した一例を経験した.18.Rendu-Osler-Weber syndromeの出血性 胃 telan-giectasia を APC で止血し,多発する telantelan-giectasia を NBIで観察した1例 乾 正幸,工藤 智洋,星野 崇 相馬 宏光,長沼 篤,高木 (国立病院機構高崎 合医療センター 消化器内科) 症例は 84歳女性. 吐血を主訴に受診. 上部消化管内視 鏡検査を行ったところ胃内に活動性出血を伴う telan-giectasiaを認めた. これらが出血源と えアルゴンプラ ズマ凝固 (APC) 療法にて止血を行った. また胃内には 10ヶ所以上の telangiectasiaが多発しており今後の出血 のリスクを回避するため, 数回の APC 療法をおこなっ た. その後, 現在に至るまで約 1年半経過しているが, 消 化管からの再出血はみられていない. また APC 治療後 に残存している telangiectasiaに対して High vision sys-tem併用 NBI 観察を行ったところ, telangiectaisaは大小 不同のない拡張した血管の密集として捉えられ, その周 囲は背景粘膜と比べてやや淡く褪色調に描出された. Rendu-Osler-Weber syndromeの確定診断には, 反復性 鼻出血, 毛細血管拡張病変, 内臓の血管異常, 遺伝歴のう ち 3つ以上を満たすことが必要であるが, 本症例は出血 性胃 telangiectasia, 反復性鼻出血, 及び反復性鼻出血の 家族歴がみられたためと同疾患と診断した. 同疾患では 消化管の毛細血管拡張病変からの反復性出血が問題とな るが, telangiectasiaは血管病変であるため生検や内視鏡 的切除の適応となりにくく内視鏡所見と病理所見との比 較は困難である.Narrow Band Imaging (NBI)観察は,血 管病変が brownish areaとして捉えられるため病変の認 識能が上がり, また High Vision systemや拡大観察を併
用することにより微小血管像や表面構造の詳細な観察が 可能となる. よって telangiectasiaに対する NBI 観察は, 病変の拾い上げや質的診断に有用な方法になり得ると期 待され, 若干の文献学的 察を加え報告する. 19.当院における大腸ESDの現状と先進医療「内視鏡 的大腸粘膜下層剥離術」について 和田 正浩,岸 遂忠 (高崎PET 合画像診断センター 内視鏡 内科,真木病院 消化器内科) 中島 修,藤田 欣一,真木 武志 新井 昌明 (真木病院 外科) ESD による内視鏡治療は, 2006年 4月早期胃癌を対 象に, 2008年 4月早期食道癌を対象に保険適応となっ た. しかし, 大腸腫瘍に対する ESD は, 高度な技術が必 要で偶発症が重篤化しやすい等の理由から保険適応外と なっている. しかし 2009 年 7月より先進医療としての 治療が承認されている. 当院では, 日本消化器内視鏡学会の大腸 ESD 声明文 の勧告に準じ先進医療を申請し, 2010年 10月 1日より 先進医療「内視鏡的大腸粘膜下層剥離術」を開始した. 当院における大腸 ESD の現状と, 先進医療としての 大腸 ESD について報告する. 20.内視鏡センターの現状 岸 遂忠,和田 正浩 (高崎PET 合画像診断センター 内視鏡 内科) 中島 修,藤田 欣一,新井 昌明 真木 武志 (真木病院 外科) 当院内視鏡センターでは 2006年 5月の開院から 2010 年 10月までに, 40,069 件 (上部 ; 34,204件, 下部 ; 5,865 件) の消化管内視鏡を施行した. 治療内視鏡は, 大腸 EMR・polypectomyを 1,388件,ESD を 254件 (上部 175 件,大腸 ; 79 件),また,ダブルバルーン内視鏡 (DBE)を 98件施行した. 開院から 2009 年までの胃癌発見率は, 人 間ドック 0.26%, 保険診療 1.45%あった. その内の早期 胃癌率は, それぞれ 96.4%, 55.8%であった. 胃, 大腸 ESD の治療成績を加えた内視鏡センターの現状を報告 する.