道徳の授業の展開を考える (2)
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(3) 119. 群馬大学教育実践研究 第 26 号 119 ~ 128 頁 2009. 道徳の授業の展開を考える(2) ―フレーベルに学ぶ― 豊. 泉. 清. 浩. 学校教育講座教育学教室. A Study of the Content of Moral Class(2) ―learning from Fröbel― Seiko TOYOIZUMI Department of Education,Faculty of Education,Gunma University キーワード:道徳の時間、道徳性、フレーベル Keywords:moral class,morality,Fröbel (2008 年 10 月 31 日受理). はじめに 本稿の目的は、 フレーベル (F.W.A.Fröbel,1782-1852). 項目と関連する部分を探った。実際の授業でフレーベ ルを題材とする場合、 さまざまな工夫が考えられるが、. の生涯および教育実践を、小学校および中学校の道徳. 三つの観点として、教育者として生きた姿勢、人間の. の授業でいかに児童・生徒に教え、いかに児童・生徒. 善の問題、幼稚園と家庭との関連を取り上げた。本稿. と共に考えるかについて考察することにある。なぜ、. では、具体的な学習指導案は提示しないが、その前提. フレーベルを取り上げるのかといえば、 フレーベルは、. となる部分について考察する。. 幼児教育の父といわれるように、世界初の幼稚園を創 設し、その後幼稚園が普及する基礎を築いた人物であ. Ⅰ フレーベルの略伝. り、教育によって人間の善性を開花させ、国民の幸福. フレーベルは、1782 年 4 月 21 日にルードルシュタ. を実現するという理念を持ち、あらゆる困難を克服し. ットのオーベルヴァイスバッハで、牧師ヨハン・ヤー. て、その目標のために実践した人物だからである。し. コプ・フレーベルの六番目の末子として生まれた。父. たがって、本稿は、フレーベルの道徳教育観について. は、教区の約5千人の住民の魂の救済に責務を持つ、. は言及するが、フレーベルの道徳教育思想について考. 誠実で、厳格で、几帳面で、頑固で、気性の激しい人. 察することを目的とするものではない。. であった。父は、教区の仕事が忙しかったため、フレ. 本稿では、教師が児童・生徒にフレーベルの生涯を. ーベルの養育を奉公人や兄たちに任せた。. 話すときに大事であると思われる部分を中心に、まず. 母親は、1783 年 2 月に、フレーベルを出産して9. 略伝を記した。次に、フレーベルの教育活動を道徳の. か月後に、39 歳の若さでこの世を去った。1785 年 7. 授業における内容として考える場合、どのように展開. 月に父親は再婚している。 二人目の若い母ゾフィーは、. できるかについて三つの観点に分けて考察し、それぞ. 溢れる信頼をもって彼女を迎え、その母性愛を期待し. れの内容が、 『学習指導要領』における道徳教育の内容. ていた幼いフレーベルを、当初は心からの好意をもっ.
(4) 120. 豊泉清浩. て迎えている。しかし、二番目の母は、自分の息子が. マインに行った。クーリシュという人物により、その. 生まれると間もなく、フレーベルを親しみを込めて親. 地の「模範学校」の校長であった知人グルーナーを紹. 称で呼んでいたのを止め、人を遠ざける三人称で呼ぶ. 介された。この学校は、ペスタロッチーの教育原理に. ようになった。フレーベルは、再び放任され続けた。. よって授業が行なわれていた。グルーナーは、自分の. 父には、道徳的厳格主義があり、彼はこの厳格主義. 学校で教師を勤めるようフレーベルを招いた。フレー. によって教区と家庭を支配していた。父は、古い時代. ベルは、これを承諾した。. の神学者で、家庭内では、真に古代キリスト教徒的生. グルーナーは、フレーベルにペスタロッチーの論文. 活が支配していた。朝夕に父によって家族の全員が召. を読むよう提案した。フレーベルは、この論文に魅了. 集され、神学者たちの教えが語られた。. された。1805 年の初秋、フレーベルは3週間徒歩でイ. フレーベルは、幼い頃から自己内省的な傾向を強く. ヴェルドンへの旅をする。14 日間イヴェルドンに滞在. 持っていて、少年期の初めにすでに、自己の注意が自. した。イヴェルドンから戻る道中、彼は郵便馬車を利. 己の内面へ向かうようになっていた。 外界との関係は、. 用した。. 自然、とりわけ観察や思考を通じての植物との親密な 関係を形成していった。. フレーベルは、1806 年 6 月以降、フランクフルト・ アム・マインのホルツハウゼン家で家庭教師をした。. 父親も二番目の母親も、フレーベルを疎んじた。両. フレーベルは、1808 年 9 月に、再びイヴェルドンへ. 親の心がフレーベルから離れていくにつれ、フレーベ. 向かい、ホルツハウゼン家の三人の息子、カール、フ. ルの生活も次第に二人から離れていった。フレーベル. リッツ、アドルフと共に、家庭教師としてイヴェルド. は、長兄を慕った。長兄は、フレーベルの本性の人間. ンに滞在した。この間、フレーベルは、ペスタロッチ. 的要素を認めてくれて、しばしば虐待からかばってく. ーの基礎的メトーデの訓練を行なうとともに、ホルツ. れた。. ハウゼン家の子どもたちに最善の教育を与えようと努. 1792 年に、フレーベルは、実母の兄、すなわちイル. 力した。基礎的メトーデは、直観を明瞭な認識へ高め. ム市の地方監督であったホフマンに引き取られ、親切. る方法を意味する。フレーベルは、ペスタロッチーの. で温和な伯父の家で、幸福な4年間を過ごした。フレ. 生徒であるとともに、家庭教師でもあった。フレーベ. ーベルは、 1789 年からオーベルヴァイスバッハの初等. ルは、ペスタロッチーを常に尊敬していた。イヴェル. 学校へ通い、1792 年から 1796 年までイルム市の初等. ドン滞在中の 1809 年に、故郷のシュヴァルツブルク. 学校へ通った。1797 年 6 月に、彼は、ザーレ湖畔、. =ルードルシュタット侯妃にペスタロッチーの教育方. ヒルシュベルクの近くの林務官、ヴィッツのもとで、. 法を導入する建議を送った。1810 年 8 月フレーベル. 測量技師の見習いを始めた。 1799 年までこの見習いに. は、フランクフルト・アム・マインに戻った。1811. 従事したが、林務官は、多忙で、フレーベルは放任さ. 年 3 月、フレーベルはホルツハウゼン家の家庭教師を. れ続け、数学と植物学の書物に熱中した。. 辞めた。. フレーベルは、兄たちと同様に大学で研究すること. 1811 年 6 月、 フレーベルはゲッチンゲン大学に入学. を強く望むようになる。父親の承諾を得て、1799 年. し、古典語、物理学、化学、鉱物学、植物学を学んだ。. 10 月からイエナ大学で学ぶことになった。フレーベル. フレーベルの中心思想は、 「球体法則」といわれるもの. は、自然諸科学の研究を開始した。とりわけバッチュ. であるが、フレーベルはゲッチンゲンにおいて、1811. 教授のもとで植物学、ゲットリング教授のもとで化学. 年の彗星現象の期間に、 その構想を持ったといわれる。. を学び、自然学の基礎を徹底的に研究することによっ. 1812 年 10 月、フレーベルはベルリン大学に入学し. て、彼の自己形成への努力は初めて成就された。しか. た。ヴァイス教授のもとで、鉱物学、とりわけ結晶学. し、フレーベル自身の不注意もあり、経済的困窮のた. を学んだ。また、フィヒテの講義を聴講している。普. め、拘禁されるはめとなった。彼は、第4ゼメスター. 仏戦争が始まると、フレーベルは 1813 年 4 月にリュ. で、 勉学を中断し、 父親に引き取られることになった。. ッツォー義勇軍に入隊し、参戦した。この間、ランゲ. 父親は、1802 年 2 月 10 日にこの世を去った。. タールやミッデンドルフと知り合った。 彼は 1814 年 6. 1805 年 6 月にフレーベルはフランクフルト・アム・. 月に軍務を離れ、その8月に、ヴァイス教授のもとで.
(5) 道徳の授業の展開を考える(2). ベルリン大学鉱物学研究所の助手となった。 フレーベルは、ベルリンで、学問を生涯の天職とす. 121. ーロップが学園の指導を引き継いだ。7 月 14 日、シュ ニーダーと共にスイスに向かった。8 月 21 日ルツェル. るという考えを心に抱いていた。しかし、もう一つの. ン州から許可を得て、 ヴァルテンゼー学園を開設した。. 課題が彼に迫っていた。兄クリストフが 1813 年 12 月. 1834 年、ベルン州の申し出により、4 月以降4人の. にチフスで死去し、三人の息子を後に残した。フレー. 師範学校生徒の面倒を見る。ブルクドルフで 6 月から. ベルは、長い間熟慮した末、義姉からその息子たちの. 12 週間の教師の再教育コースの指導を最高責任者と. 教育の心配を取り除き、彼らを自ら教育すべき義務が. して担当した。1835 年 4 月 1 日、ベルン市民協議会. あると感じた。1816 年 4 月 9 日に、フレーベルは、. が新ブルクドルフ孤児院を開設した。フレーベルは、. ベルリン大学鉱物学研究所を退職し、11 月 13 日にチ. ヴィルヘルミーネ、ランゲタールと共にブルクドルフ. ューリンゲンのグリースハイムに「一般ドイツ学園」. に移住して、孤児院の指導に当たった。この時期に、. を創設した。兄クリストフの3人の遺児、兄クリスチ. フレーベルは、孤児院内の幼児の観察を通して、幼児. アンの2人の息子、ランゲタールの弟という計6人を. 教育に注目するようになり、幼稚園の構想を描き始め. 集めて学園経営に着手した。1817 年 6 月に、学園を. たといわれている。. カイルハウに移転した。この学園を一般に「カイルハ. スイス時代が終わる頃、フレーベルは、論文「新し. ウ学園」と呼んでいる。フレーベルは、カイルハウ学. い年 1836 年は生命の革新を要求する」を執筆した。. 園において、ランゲタール、ミッデンドルフ、バーロ. フレーベルによれば、 「生命の革新」と「生命の若返り」. ップなどの優秀な協力者との協働において学園を経営. の本拠は、常に家庭であり、それゆえこの論文には同. し、ペスタロッチーの基礎的メトーデを独自に発展さ. 時に「生命の革新」と「生命の若返り」のために幼児. せる道を探った。カイルハウの学校案内を中心とする. 教育の重要性を表明する意図が保持されている。1836. 『カイルハウ小論文集』と 1826 年に刊行された主著. 年 5 月 24 日、フレーベルは、ブルクドルフを去る直. 『人間の教育』に、カイルハウでの教育目的、教育内. 前に、 「ブルクドルフ孤児院内の初等教育学校案」を完. 容、教育方法、そしてフレーベルの中心思想である球. 成した。. 体法則が述べられている。. 1835 年から 36 年にかけて、フレーベルは、30 年以. 1818 年 9 月 11 日、フレーベルは、ベルリン大学鉱. 上もの間義務感を抱き続けてきた学校領域から目を転. 物学研究所で知り合ったヘリンエッテ・ヴィルヘルミ. じ、幼児ないし就学前の子どもの保育と家庭の革新と. ーネ・ホフマイスターという2歳年上の女性と結婚し. による人間の教育という構想を基礎に据える。子ども. た。ヴィルヘルミーネは、教養高きベルリン貴族の娘. の保育は、一連の遊具、道具によって支えられる。子. であり、フレーベルと同様、フィヒテ、シュライエル. どもの保育は、幼稚園において、 「庭=楽園」において. マッハーの講義の聴講生であった。ヴィルヘルミーネ. 行なわれる。. は、フレーベルの教育活動を生涯にわたって支えるこ とになる。. 1837 年1月 16 日、フレーベルは、ブランケンブル クに移住し、3 月に「自己教授と自己教育を導く直観. カイルハウ学園は、誤解によって「煽動家の巣窟」. 教授の施設」を開設した。5 月に、その施設を移転し、. と目され、生徒数が減少し、1824 年には生徒数 58 名. 「幼児と青少年の作業衝動を育成するための施設」と. であったのが、1829 年には5人に減少し、財政的危機. 改称し、そこで恩物(教育遊具)の製作と販売に着手. に陥った。フレーベルは、この危機を打開するために. した。. 多大の努力を傾け、学園をさらにヘルバに設立するた. 1839 年 5 月 13 日、あらゆる運命の変転にもフレー. め、1827 年から 1828 年にかけて、ザクセン・マイニ. ベルを支えた妻ヴィルヘルミーネは亡くなった。彼女. ンゲン・ヒルドブルクハウゼンのベルンハルト公爵と. は、フレーベルの教育者としての生活の喜びも悲しみ. 交渉し、成果を約束するような希望に満ちた協定を結. も、誠実に分かち持った。1839 年 6 月 1 日、幼児教. ぶ。しかし、この「ヘルバ・プラン」は、結局採用さ. 育指導者第1回講習科を開き、この講習科に「遊びと. れず、挫折することになる。. 作業の施設」を付設し、ここに6歳以下の幼児約 40. 1831 年 3 月、フレーベルはカイルハウを去り、バ. 名を集めて、幼児教育指導者養成のための実習を行な.
(6) 122. 豊泉清浩. った。. たら、幸せになれると考えた。そこでフレーベルは、. 1840 年のある春の日、 フレーベルはカイルハウから. まず最初に学校構想によって教育改革を行なおうと考. 山路を越えてブランケンブルクへ向かっていた。する. えていた。しかし、彼の転期は、ブルクドルフの孤児. と突然、彼は魅入られたように立ち止まり、大声で叫. 院長の経験によって、幼児教育の重要性に目を開かさ. ん だ 。「 見 つ か っ た ぞ ! 今 度 の 施 設 の 名 は. れたことにあった。幼稚園の創設によって彼が目指し. Kindergarten(幼稚園)としよう」と。こうして、そ. たのは、子どもだけの幸せではなく、父と母と子の幸. の年の 5 月 1 日から彼は、 「遊びと作業の施設」を「キ. せな家庭生活であった。幼い頃生みの母を亡くして、. ンダーガルテン」と呼んだ。. 孤独であった彼は、常に母と子を結びつけることを念. 1840 年6 月28 日、 グーテンベルクの活版術発明400. 願していた。幼稚園がその場であり、遊具がその方法. 周年記念日に、ブランケンブルクの施設を「一般ドイ. である。児童・生徒に、フレーベルの生涯から学ぶも. ツ幼稚園」と命名し、世界初の幼稚園が誕生した。そ. のとして、目標を持ち、それを実現するために、たゆ. れ以降、フレーベルは、幼稚園の拡充と恩物の普及に. まぬ努力をし、挫折することがあっても諦めることな. 尽力した。. く、やり貫こうとすることのすばらしさを伝えるべき. しかし、1851 年 8 月 7 日付で、プロイセン政府は. であると思う。. 「幼稚園禁止令」を告示した。なぜこの禁止令が出さ. また、フレーベルの場合、自分の目標が、単に自己. れたかについては、反政府的な自由教団と幼稚園運動. の幸福だけを追求するものではなく、ドイツ人すべて. の結びつきが、大きく関係していると見られている。. のためであり、ドイツという国家を考えていたことは. フレーベルも誤解に基づくこの「禁止令」の撤回を求. 重要な点である。最初に設立した学校を「一般ドイツ. めてあらゆる努力をするが、それを果たすことができ. 学園」と呼び、幼稚園は正式には「一般ドイツ幼稚園」. ず、1852 年 6 月 21 日、失意の内にマリーエンタール. と呼ばれた。これは、すべてのドイツ人に幼児教育と. で亡くなった。マーレンホルツ=ビューロー夫人やデ. 初等教育を受ける機会を与えるべきであるという理念. ィースターヴェークを始め、多くの人々の努力によっ. に基づいていると考えられる。つまりフレーベルは、. て、この「禁止令」は 1860 年に撤廃される。. すべてのドイツ人の幸福を考えていた。 最近の日本人は、自分の幸福だけを追求し、人のた. Ⅱ フレーベルの教育活動と道徳の授業. めになるというような意識が希薄であるといわれる。. 1.教育者として生きる. 自己の幸福を追求することは、決して悪いことではな. フレーベルは、建築家になろうとフランクフルト・. い。しかし、自分のことだけを考えて、周りのことを. アム・マインへ行ったが、偶然にもグルーナーに出会. 考えないと、 他人に迷惑をかけることになる。 最近は、. うことによって、教育者として生きる道を選択する。. 特に若い人達の間で、道徳意識が希薄になってきたと. イヴェルドンのペスタロッチーの学園において、ペス. いわれる。端的にいえば、公共心を持たずに、自己中. タロッチーの教育方法を学び、ペスタロッチーの基礎. 心的な行動をする傾向が強くなったということである。. 的メトーデを継承するとともに、それを批判的に発展. 個人の自由や権利は、尊重されなければならないが、. させた。 一般ドイツ学園の創設、 初等学校計画の立案、. それによって他人の自由や権利を奪ってはならない。. 孤児院長の経験、教員養成への傾注、一般ドイツ幼稚. 個人の自由や権利は、他者との調和や協調の上に成り. 園の創設と、彼は一生を教育の仕事に捧げた。何が彼. 立つものである。個人の幸福は、社会や国家の在り方. をここまで信念と情熱を持って教育活動に取り組ませ. と関係することを、児童・生徒と共に考えることが大. たのだろう。. 切である。. フレーベルは、人間の善さや本分は、教育によって. フレーベルの生涯は、すべての人に学校教育を、そ. こそ導かれ、開花されると考えていた。当時は、特に. して充実した家庭生活を与えるべきであるとの理念に. 農村の子どもたちは、教育を受けることができなかっ. 基づき、最終的に幼稚園の創設とその拡充に捧げられ. た。教育を受けていないから、貧しいし、悪いことを. た。フレーベルも、ペスタロッチーと同じように、学. してしまう。すべての子どもが学校で教育を受けられ. 校の経営が困難になったり、学校計画が実現できずに.
(7) 道徳の授業の展開を考える(2). 123. 挫折したり、 挫折と悲運の連続であった。 しかし彼は、. (1) 望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の. 決して諦めることなく、自分の信念を持ち続け、教育. 増進を図り,節度を守り節制に心掛け調和のある. 者として生き抜いた。このフレーベルの生きる姿勢か. 生活をする。. ら、児童・生徒と共に学ぶ授業展開が考えられる。 小学校および中学校の学習指導要領においては、道 徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行な う道徳教育の内容を、項目として設定している。ここ では、フレーベルの生き方から学ぶ内容に関連する次 の項目を引用する。 〔小学校第 1 学年及び第 2 学年〕 1 主として自分自身に関すること。 (1)健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、. (2)より高い目標を目指し,希望と勇気をもって着 実にやり抜く強い意志をもつ。 (3)自律の精神を重んじ,自主的に考え,誠実に実 行してその結果に責任をもつ。 (4)真理を愛し,真実を求め,理想の実現を目指し て自己の人生を切り拓いていく。 2 主として他の人とのかかわりに関すること。 (3) 友情の尊さを理解して心から信頼できる友達を もち,互いに励まし合い,高め合う。. 身の回りを整え、わがままをしないで、規則正し. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. い生活をする。. (4)自己が属する様々な集団の意義についての理解. (2)自分がやらなければならない勉強や仕事は,し っかりと行う。 〔小学校第 3 学年及び第 4 学年〕 1 主として自分自身に関すること。 (1)自分でできることは自分でやり、よく考えて行 動し、節度のある生活をする。 (2)自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂 げる。 (3)正しいと判断したことは,勇気をもって行う。. を深め,役割と責任を自覚し集団生活の向上に努 める。 (5)勤労の尊さや意義を理解し,奉仕の精神をもっ て,公共の福祉と社会の発展に努める。 以上の項目は、 児童・生徒が節度ある生活を通して、 目標を目指して主体的に生きていくことに関係してい る。児童・生徒が、フレーベルから学ぶ生きる姿勢を、 それらの項目との関連において考えていくことが、授 業展開となる。. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。 (2)働くことの大切さを知り,進んでみんなのため に働く。 〔小学校第 5 学年及び第 6 学年〕. 2.人間の本性は善である フレーベルは、人間の本性はもともと善であり、人 間の内には本来は善良な性質や傾向のあることは確か. 1 主として自分自身に関すること。. であると考えている。決して人間は本来、悪いもので. (1)生活習慣の大切さを知り,自分の生活を見直し,. はなく、同様に人間の内には、決して生れながらの悪. 節度を守り節制に心掛ける。 (2)より高い目標を立て,希望と勇気をもってくじ けないで努力する。 (4)誠実に,明るい心で楽しく生活する。 (5)真理を大切にし,進んで新しいものを求め,工 夫して生活をよりよくする。. い性質や傾向はあるものではない、と確信している。 フレーベルによれば、もし世の中に絶対的な悪といわ れるものがあるとすれば、それは虚偽である。虚偽は 最初の悪であり、すべての悪の本源である。 人間の中に現われているあらゆる欠陥の根底には、 押し潰されるか、押し除けられるかはしているが、善. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. い性質や善い傾向が、本来的かつ根源的に存在してい. (3)身近な集団に進んで参加し,自分の役割を自覚. るのである。ただそれが、抑圧されているか、誤解さ. し,協力して主体的に責任を果たす。 (4) 働くことの意義を理解し,社会に奉仕する喜 びを知って公共のために役に立つことをする。 〔中学校〕 1 主として自分自身に関すること。. れているか、あるいは誤った方向や曲がった方向に導 かれているだけなのである。それゆえ、あらゆる欠陥 を、いや邪悪や下劣ささえも、破壊し、破棄すること のできる唯一の、 しかも決して欺くことのない方法は、 人間の本質が持っている根源的に善い源泉や善い側面.
(8) 124. 豊泉清浩. を、まず探し、それを発見し、次にそれを養い、育み、. が、後に人間教育の基礎は幼児期にあるとの考えに至. まっすぐに立たせ、正しく導く努力を重ねるという点. り、家庭教育を支援することを目的として、幼稚園を. にある。こうすれば、欠陥は最後には、消え去るであ. 創設したのである。フレーベルの教育活動は、人間が. ろう。なぜなら、人間には自ら欠点を取り去りたい傾. 持っている善さを表現することへの助成に集約されて. 向があり、不正よりも正義を好んで求める傾向がある. いる。. からである。. ところで、児童・生徒と考えることは、人間は生ま. フレーベル教育学の中心思想は、万有在神論といわ. れながらにして善であるか、悪であるか、人間は善い. れるキリスト教的世界観であり、フレーベル自身は、. 行ないもするが、どうして悪い行ないもしてしまうの. それを球体法則と呼んでいる。球体法則は、難解であ. かということである。人間は生まれながらにして善で. ることが知られているが、その要点は、 『人間の教育』. あると考える立場を性善説といい、生まれながらにし. の冒頭の文章に端的に示されているように、万物の中. て悪であると考える立場を性悪説というのは、よく知. に、神的なものが宿り、働き、支配しているという思. られている。児童・生徒に人間は生まれながらにして. 想である。神的なものとは、神の性質ともいえるもの. 善であると思うか、悪であると思うか、あるいはどち. であるが、 神そのものでもある。 フレーベルによれば、. らでもないと思うか意見を出させることはおもしろい. 神と自然と人間の三位一体を人間に自覚させ、人間に. と思う。いろいろな意見が出ると思うが、教師はその. 宿る神的なものを表現することへの助成が、教育の使. 意見を黒板に書いて、それぞれの意見を尊重し、児童・. 命ということになる。したがって、教育原理は、受動. 生徒と考えることが大切である。人間には善い面もあ. 的・追随的教育が優位であり、命令的・干渉的教育は. るが、悪い面もある。人間は、完全ではないから誤り. 極力避けられるべきである。ただし、子どもが悪い行. を犯すこともある。このようなことを考えていく。. 為をした時などは、 命令的・干渉的教育が必要となる。. 児童・生徒に、人間には善い行ないをすることと悪. 子どもが、神的なものを表現するために自己活動が尊. い行ないをすることがあることを考えさせることは、. 重される。後年、フレーベルは、 「生の合一」という教. 悪い行いを憎み、善い行ないを実践することへ導く。. 育の目標を示す。すなわち教育は、 「神との合一」 、 「世. また人間は誤りを犯すこともあるが、それを責めるだ. 界との合一」 、 「自己との合一」へと導いていかなけれ. けでなく、許すことや、反省を促すことも大切である. ばならない。. ことを、共に考える。日々の勉学や生活の中で、善悪. フレーベルの宗教に関する部分は、小学生・中学生. を判断する能力を養い、善い行為を実践していくこと. には難しすぎるし、そもそも公立学校における道徳の. が道徳的生活の基本であることを指導していくのであ. 授業では、宗教に関する部分は慎重に扱わなければな. る。. らない。そこで、フレーベルの思想における神的なも. 人間における善悪の問題を考え、善を実践する指導. のあるいは神を、人間の善さと置き換えたら少しわか. を展開する道徳の時間の内容として、小学校および中. りやすくなるのではないかと思われる。. 学校の学習指導要領における次の項目を引用する。. すなわち、人間にはその本性として善さが備わって. 〔小学校第 1 学年及び第 2 学年〕. 生まれてくる。人間は、自己活動によってその善さを. 1 主として自分自身に関すること。. 表現する。自己活動とは、具体的には、遊び、言葉、. (3)よいことと悪いことの区別をし,よいと思うこ. 描画、数、労作などによる表現活動である。子どもの 善さを表現することを援助するのが、教育の使命であ り、教育者の仕事である、という具合になる。 フレーベルは、人間は生まれながらに善さを持って いると考えている。しかし、そのままでは善さを十分 発揮できないから、善さを十分発揮できるように教育. とを進んで行う。 (4)うそをついたりごまかしをしたりしないで,素 直に伸び伸びと生活する。 2 主として他の人とのかかわりに関すること。 (1)気持ちのよいあいさつ,言葉遣い,動作などに 心掛けて,明るく接する。. が必要なのだと考えた。最初は、学校を作って、授業. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. によって善さを表現する基礎を学ばせることを考えた. (1)約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切に.
(9) 道徳の授業の展開を考える(2). する。 〔小学校第 3 学年及び第 4 学年〕. 125. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。 (1)法やきまりの意義を理解し,遵守するとともに,. 1 主として自分自身に関すること。. 自他の権利を重んじ義務を確実に果たして,社会. (4)過ちは素直に改め,正直に明るい心で元気よく. の秩序と規律を高めるように努める。. 生活する。 (5)自分の特徴に気付き,よい所を伸ばす。 2 主として他の人とのかかわりに関すること。 (1)礼儀の大切さを知り,だれに対しても真心をも って接する。. (2)公徳心及び社会連帯の自覚を高め,よりよい社 会の実現に努める。 (3)正義を重んじ,だれに対しても公正,公平にし, 差別や偏見のない社会の実現に努める。 以上の項目内容のように、人間の本性を善であると. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. 考えるフレーベルの人間観を、児童・生徒が、善悪を. (1)約束や社会のきまりを守り,公徳心をもつ。. 判断し、善を実践すること、公徳心をもって、正義の. 〔小学校第 5 学年及び第 6 学年〕 1 主として自分自身に関すること。. 実現に努めることに関連づけて指導していくことが、 具体的展開として考えられる。. (3)自由を大切にし,自律的で責任のある行動をす る。 (6)自分の特徴を知って,悪い所を改めよい所を積 極的に伸ばす。. 3.幼稚園が目指したもの フレーベルの幼稚園は、今日のように幼稚園や保育 園に一定の期間、一日の内の一定の時間、幼児を預け. 2 主として他の人とのかかわりに関すること。. るというものではなく、家庭の延長として位置づけら. (1)時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって. れ、訓練された男女の保育者のもとで、幼児が遊戯や. 接する。 (2)だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立 場に立って親切にする。 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。 (1)公徳心をもって法やきまりを守り,自他の権利 を大切にし進んで義務を果たす。 (2)だれに対しても差別をすることや偏見をもつこ となく公正,公平にし,正義の実現に努める。 〔中学校〕 1 主として自分自身に関すること。 (5)自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個 性を伸ばして充実した生き方を追求する。 2 主として他の人とのかかわりに関すること。. 遊具の使用によって自己活動を促進し、また母と子、 父と子が遊ぶ場として構想されていた。フレーベルの 幼稚園には、いくつかの役割があった。ここでは次の 三点を挙げておく。 第一に、幼稚園は、幼児教育の指導者、保育者を養 成する意図を持つ施設である。 第二に、幼稚園は、子どもが自由な自己活動を通し て創造的な活動衝動を育む場である。その場合、幼稚 園での教育は、家庭の中で子どもの活動衝動を育むこ とに結びついている。 第三に、幼稚園は、充実した家庭生活が営めるよう に世のあらゆる両親と子どもを援助する施設である。 フレーベルは、就学前教育は、もはや家庭では十分. (5)それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなも. にできない、との認識に立ち、ドイツ幼稚園を、ドイ. のの見方や考え方があることを理解して,寛容の. ツ人を啓蒙する意図を有しながら、ドイツ人の共同の. 心をもち謙虚に他に学ぶ。. 教育事業として設立したことを明示している。つまり. (6)多くの人々の善意や支えにより,日々の生活や 現在の自分があることに感謝し,それにこたえる。 3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関す ること。 (3)人間には弱さや醜さを克服する強さや気高さが あることを信じて,人間として生きることに喜び を見いだすように努める。. ドイツ幼稚園は、子どもが遊戯や日常生活を通して、 保育者に見守られながら、あるいは母や父や友と遊び ながら、活動衝動・生命衝動を育み、幸せに成長して いくための、教育的な援助をする場であり、したがっ て家庭教育を充実させるための援助を社会全体にわた って実現しようとする場である。 フレーベルは、共同感情ということを重視する。共.
(10) 126. 豊泉清浩. 同感情とは、乳児期に母と子の間に育まれる基本的な 信頼感であり、家族や周囲の人々、さらには人類や神 との一体感情へ発展するものである。フレーベルの幼. (3)父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合 って楽しい家庭をつくる。 〔小学校第 5 学年及び第 6 学年〕. 稚園を題材にしながら、家族との関係を考える授業展. 2 主として他の人とのかかわりに関すること。. 開が考えられる。. (3)互いに信頼し,学び合って友情を深め,男女仲. 児童・生徒に、フレーベルが考えた幼稚園は、子ど. よく協力し助け合う。. もが一日の一定の時間をそこで過ごすというだけの場. (5)日々の生活が人々の支え合いや助け合いで成り. ではなく、むしろ、そこで母親や父親と遊ぶことを通. 立っていることに感謝し,それにこたえる。. して、幸せな時間を過ごす場であったことを伝え、幼. 3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関す. い頃を思い出してもらい、家族、つまり父、母、祖父 母、きょうだい、との関係を考えせる。 フレーベルも、ペスタロッチーと同じように、母と. ること。 (1) 生命がかけがえのないものであることを知り, 自他の生命を尊重する。. 子の信頼関係が、その後の他の人間や世界への信頼の. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. 基礎になると考えている。子どもは、家族を思いやる. (5)父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,. 気持もあるが、まだ依存的で、自己中心的なところが あり、 家族にわがままに振る舞うこともある。 だから、. 進んで役に立つことをする。 〔中学校〕. 家族との関係の中で、不満をもらすこともあるかもし. 2 主として他の人とのかかわりに関すること。. れない。しかし、人にはそれぞれ長所も短所もあり、. (2)温かい人間愛の精神を深め,他の人々に対し思. また性格や境遇の違いもあるから、よい面を見て、家 族を思いやる心が大切であることを教える。家族関係 について考える際、プライバシーについては十分考慮 する必要がある。 いろいろな境遇の子どもがいるので、 個々の問題には深く立ち入らない配慮が必要である。 フレーベルの幼稚園が目指したものから考えられる 道徳の授業展開の内容として、小学校および中学校の. いやりの心をもつ。 (4)男女は,互いに異性についての正しい理解を深 め,相手の人格を尊重する。 3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関す ること。 (1)生命の尊さを理解し,かけがえのない自他の生 命を尊重する。. 学習指導要領における次の項目を引用する。. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. 〔小学校第 1 学年及び第 2 学年〕. (6)父母,祖父母に敬愛の念を深め,家族の一員と. 2 主として他の人とのかかわりに関すること。 (2)幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で 接し,親切にする。. しての自覚をもって充実した家庭生活を築く。 以上の項目は、幼い人や高齢者、友達、そして父母、 祖父母とのかかわりに関する内容である。フレーベル. (3)友達と仲よくし,助け合う。. の幼稚園についての話から、家族や周囲の人々とのか. (4)日ごろ世話になっている人々に感謝する。. かわりを考えることが授業展開となる。. 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。 (3)父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなど をして,家族の役に立つ喜びを知る。 〔小学校第 3 学年及び第 4 学年〕. フレーベルの教育活動を、道徳の授業の展開として 考える立場から、以上の三つの観点に分けて可能性を 探った。その中でも、幼稚園が家庭生活と関連が深い. 2 主として他の人とのかかわりに関すること。. 部分は、今日の家庭を取り巻く状況から考えると、取. (2)相手のことを思いやり,進んで親切にする。. り扱い方が難しいかもしれない。しかし、フレーベル. (3)友達と互いに理解し,信頼し,助け合う。. が幼稚園を、 家庭生活を支援する目的で設立した点は、. (4)生活を支えている人々や高齢者に,尊敬と感謝. 今日でも重要な示唆を含んでいるので、取り上げてお. の気持ちをもって接する。 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。. いた。実際の授業展開では、三つの内容が相互に関連 するので、 「将来何になりたいか」 「なぜ勉強するのか」 、 、.
(11) 道徳の授業の展開を考える(2). 127. 「人間の善い行ない、悪い行ない」 、 「幼い子どもとの. 学ぶのか、将来何になりたいかがわからず、学習意欲. かかわり」 、 「家族とのかかわり」などのように、もう. の低下も見られる。フレーベルは、すべての子どもが. 少し内容をわかりやすく絞った方がよいかもしれない。. 学校で学べるように、またすべての幼児が幼稚園に入. 授業展開としては、 フレーベルの生涯や教育活動を、. れるようにという理念を持ち、あらゆる困難を克服し. 道徳の時間の内容に関連づけ、児童・生徒にわかりや. て目標に向かって行った。自ら高い目標と強い意志を. すく伝えることから始める。フレーベルの生涯につい. 持ち、 多くの人々の幸せのために突き進んだ人生から、. て、児童・生徒の感じたこと、考えたことを発表して. 児童・生徒が自ら生きる姿勢を学ぶことが、フレーベ. もらうだけでも、自己を見つめ、自分の生き方を考え. ルに学ぶ道徳の授業の要点になる。自分の目標を見つ. る機会になると思われる。フレーベルの生涯や教育活. け、自分を高めようとする意志を持ち、自らの人生を. 動を、道徳教育の内容項目に関連づけて、明確な目標. 切り開いていこうとする姿勢を育成することは、道徳. を見出す。その時間で考える内容を明確にし、その内. 教育の基礎になると考えられる。. 容を児童・生徒自身の事柄や体験と結びつけ、意見や 考えを発表してもらう。教師は、児童・生徒の意見や 考えの要点を板書して、皆で考える。特に人間の善悪. 〈参考文献〉. の問題については、多様な考え方が出てくるだろうか. (1)荘司雅子『フレーベルの教育学』玉川大学出版. ら、それを尊重する。児童・生徒が自分で考え、自分 の意見を持てるように導く。自らの人生を自らの努力 によって切り開くことがいかに大事であるか、善悪を 判断して善を実践することがいかに重要であるか、家 族とのかかわりがいかに大切であるか、このようなこ とについて考えることを通して、道徳的価値が自覚さ れると考える。. 部、1984 年。 (2)荘司雅子『フレーベル研究』玉川大学出版部、 1984 年。 (3)荘司雅子『フレーベル「人間の教育」入門』明 治図書、1973 年。 (4)荘司雅子『フレーベルの生涯と思想』玉川大学 出版部、1975 年。 (5)岩崎次男・林信二郎・酒井玲子・白川蓉子・阿. むすび 道徳教育の目標は、学校の教育活動全体を通じて、 道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性 を養うことにある。また、道徳の時間は、各教科、特 別活動および総合的な学習の時間などにおける道徳教 育を、補充、深化、統合し、道徳的価値の自覚を深め、 道徳的実践力を育成する時間である。道徳的実践力と は、一人一人の児童・生徒が、道徳的価値を自分の内 面から自覚し、将来出会うと予想される様々な場面や 状況においても、道徳的価値を実現するための適切な. 部真美子・山口一雄『フレーベル人間の教育』有 斐閣、1979 年。 (6)倉岡正雄『フレーベル教育学概説』建帛社、1982 年。 (7)小笠原道雄『フレーベルとその時代』玉川大学 出版部、1994 年。 (8)岩崎次男『フレーベル教育学の研究』玉川大学 出版部、1999 年。 (9)倉岡正雄『フレーベル教育思想の研究』風間書 房、1999 年。. 行為を主体的に選択し、実践することができるような. (10)シュプランガー、小笠原道雄・鳥光美緒子訳『フ. 内面的資質を意味している。それは、道徳的心情、道. レーベルの思想界より』玉川大学出版部、1983. 徳的判断力、道徳的実践意欲と態度を包括するもので. 年。. ある。したがって、道徳の時間は、児童・生徒がはっ. (11)ボルノウ、岡本英明訳『フレーベルの教育学―. きりと自覚できない道徳的体験の意味を、道徳的価値. ―ドイツ・ロマン派教育の華』理想社、1973 年。. として自覚させる時間であり、道徳的行為の基盤とな. (12)ハイラント、小笠原道雄・藤川信夫訳『フレー. る道徳的実践力を育成する時間である。. ベル入門』玉川大学出版部、1991 年。. 現代の若者に、フリーターやニートと呼ばれる現象. (13)R.ボルト・W.アイヒラー、小笠原道雄訳『フ. が見られるように、子どもたちの間にも、何のために. レーベル 生涯と活動』玉川大学出版部、2006.
(12) 128. 豊泉清浩. 年。 (14)小原國芳・荘司雅子監修『フレーベル全集』第 一巻(教育の弁明)玉川大学出版部、1977 年。 (15)小原國芳・荘司雅子監修『フレーベル全集』第 二巻(人の教育)玉川大学出版部、1976 年。 (16)小原國芳・荘司雅子監修『フレーベル全集』第 三巻(教育論文集)玉川大学出版部、1977 年。 (17)小原國芳・荘司雅子監修『フレーベル全集』第 四巻(幼稚園教育学)玉川大学出版部、1981 年。 (18)小原國芳・荘司雅子監修『フレーベル全集』第. 五巻(続幼稚園教育学・母の歌と愛撫の歌)玉川 大学出版部、1981 年。 (19)フレーベル、荒井武訳『人間の教育(上) 』岩 波書店、1964 年。 フレーベル、荒井武訳『人間の教育(下) 』岩波 書店、1964 年。 (20)文部科学省『小学校学習指導要領解説 道徳編』 東洋館出版社、2008 年。 (21)文部科学省『中学校学習指導要領解説 道徳編』 日本文教出版、2008 年。 (とよいずみ せいこう).
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