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衛星通信を利用した電子新聞の配信システム

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Academic year: 2021

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特集

マルチメディアーアプリケーション編一

衛星通信を利用した電子新

の配信システム

ElectronicNewspaperDistributionSystemViaSate‖ite

白石興二郎*

坂下

巌*

通信衛星 電子新聞 干 ロ 干 [] 干 家庭での利用イメージ

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新聞社 衛星通信を利用した電子新聞の配信システムイメージ 電子化によって写真や文字情報のほか,動画・音声による新しいサービスが可能となる。新聞社でも,電子化された新聞情報を衛星通信で全 国ヘ一斉に配信する「電子新聞+について研究開発を進めている。

活版印刷の発明以来,出版物は情報を得る手段と

して日常生活に必要不可欠なものとなっている。

その一方で,近年,出版物の編集制作ではコンピ

ュータ化が進み,電子化された情報をCD-ROMなど

の媒体で出版する「電子出版+などが普及してきて

いる。

新聞業界でも電子化された新聞情報をそのまま提

供する「電子新聞+の検討が開始されており,文字

や写真だけでなく動画や音声による付加情報を加え

た新しいマルチメディア型の情報サービスを模索し

*読売新聞社メディア企画局 **H立製作所宇宙技術推進本部 ている。

今回,読売新聞社と日立製作所は,ディジタル化

された情報をそのまま電子新聞として編集し,衛星

通信で全国へ一斉に配信するシステムを共同で研究

開発を進めており,平成6年11月からフェーズⅠの

基礎実験を開始した。現在,機能の付加・向上を目

的としたフェーズⅠⅠの応用実験を実施している。

今後,この実験を推進することにより,将来の実

用化へ向けて運用面での課題抽出や各種の技術・ノ

ウハウの取得を図る。

41

(2)

552 日立評論 VOL.77 No.8(1995-8)

n

はじめに .ミニごi度怖軸化社会の集大成とも言えるマルチメディア時 代が近づきつつある現在,マルチメディアに対応した新

サービスが種々検討されているが,その-一つに情報の多

様化をねらった「電子新聞+があげられる。 米田では,サンノゼ・マーキュリー・ニューズ社(ナイ

ト・リッダー社傘下)やダウ・ジョーンズ社,ニューヨー

ク・タイムズ社などがすでにパソコン(パーソナルコン ピュータ)通信による電子新聞サービスを開始している

ほか,ワシントン・ポスト社も検討を開始している。

読売新聞社とH_ ̄中二製作所は,このような背景のもと, 屯子新聞としての基本形態や,通信手段を含むトータル システム構築などのテーマを中心に,平戌6年初めから

共同検討を開始し,同年11月から衛星通信t【Jl線を用いた

電子新聞の配信実験を行っている。

ここでは,共同検討した電子新聞の基本形態および実

験の概要について述べる。

電子新聞の特長

現状の新聞では,桐紙サイズやページ数などの物理的 な制約から,掲載できる記事数や記事内容が制限される ことは避けられない。しかし「電子新聞+では,そのよ

うな物理的な制約を受けないため,取材したすべての情

報や関連データなどの報道ができ,記事内科こ情報の深 みを加えることができる。すなわち,より付加価値を高

めた新規の情報サービスが可能となる。

さらに,電子化されているため,関連記事の検索や記

事の切り抜きが容易に行える。マルチメディア化によっ

て写真や動向などのビジュアル情報が増大し,データが

大容量となるが,光磁気ディスクなどの′トさな記録媒体 読売新聞社の東京本社

送受信装置端局装置

[コ

電子編集装置 日立製作所の大森局 42 に保仔できるという精良がある。

B

実験概要

3.1システムコンセプト 実験システムの構築にあたり,下記2ノ亡(をシステムコ

ンセプトとして検討を行った。

(1)衛星過信による放送型システム 将来的には全国で数百万人以上の購読者を対象とした 配信が必要なため,同幸馴も

即時性,広域件に優れた衛

星過信を用いて,大量のデータを,地域を問わず全回へ 瞬時に送れるシステムとする。 (2)ユーザーフレンドリーなシステム 企業だけでなく,家庭の一般購読者も対象とするため, 老若男女を問わず,気軽に扱えるシステムとする。 3.2 実験ステップ 共同実験は, ̄F記フェーズに分けて実施している。

(1)フェーズⅠ:基礎実験(基本形態検言、‖

(2)フェーズⅠⅠ:応用実験(機能の付加・向上)

フェーズⅠでは,現在の紙面制作に用いられている

CTS(Computerized Typesetting System)の実データ

を利用し,現実に即した電子新聞の基本形態を検討・評

価する。フェーズⅠⅠでは,将来のサービスも加味し,軌

t申lおよび音声等の機能付加や操作性などの機能向上を主

体に,ネットワーク運用上の課題抽出や技術・ノウハウ の蓄積を目的としている。 3.3 システム構成 この実験システムの構成を図=に示す。 CTS内から紙面データ,記事テキスト,写穴・凶表, 動画・音声の各素材データを東京の大森にある日 ̄市二製作 所のビルへ伝送する。伝送されたデータは,電了偏集装 置に素材ファイルとして蓄積された後,電イ・新聞の形式

感:〕+CSAT-1

読売新聞社の東京・大阪本社

二∫国

許⊥圧∃

プリンタ

∈喜∋

CSディジタルチュ l コント ディジタルレコーダ 注:略語説明 +CSAT(+apanCommunicatio=S Sate=舶Co.,lnc.) CS(CommunicationS∂telllte) 図l衛星配信実験のシス テム構成 素材データを編集したあと, 衛星回線で同時に伝送する。

(3)

衛星通信を利用した電子新聞の配信システム 553 表l 基本機能 フェーズⅠⅠでは,フェーズⅠのテキスト,静止画に動画,音声を 付加した。 項 目 機 能 紙面ファイル単位 朝刊または夕刊 記事選択方式 (‥紙面イメージから選択 (2)ヘッドラインから選択 表示情報種別 テキスト,静止画,動画,音声 そ の 他 関連記事検索,記事スクラップなど に編集され,同ビル屋上に設置されたアップリンク局か ら通信衛星へ送信される。

送信されたデータは,読売新聞社の東京本社,人阪本

社,および横浜にある日立製作所の事業所の3拠点で受

信し,ディジタルレコーダで記録し,テレビなどのモニ タへ再′Ⅰ ̄三表示するとともに,必要に応じてカラープリン タで印刷する。

電子新聞の基本形態

4.1基本機能

今回検討した電子新聞の基本機能を表】に示す。

読みたい紙面の選択は,現状同様,=付をベースに割 下りまたは夕刊を単純としてファイル化し,ファイル選択

によって紙面情報を表示する。

次に,記事選択方式は,現状の新開の読み ̄小こ近い方 式として紙の新聞イメージをそのまま去ホし,その中か ら.ミ己事を選択する方式と,記事をヘッドライン形式にま とめ,ヘッドラインから記事を選択する方式の2方式と しいずれの方式が記事内容,重要性を把指しやすいか比

較検討した。

選択した記事は,軌画・音声,写真・図表,およびテ キストで衣示する。動向・音声または写真・l¥卜占データ が校数ある記事では,選択後各データを順次表示するオ

ート表ホ機能を持っておi),当然,手釣によって任意の

データを選択することも可能である。 さらに,関連の記事がある場付こは,記事テキストを 表示する記事内面や写真内面から関連記事をi_自二接選択 し,表示することもできる。 また,保存したい記事だけを別ファイル化するスクラ

ップ機能により,例えば天気欄や特集記事をジャンル別

に編集することも可能である。

基本的なデータ階層と内面推移を図2に示す。 4.2 端末操作方法

内面への情報の再年表ホおよびプリンタへの仙ノJなど

の操作は,ディジタルレコーダに接続されている簡易コ

ントローラを片卜、て簡単に操作できるように,画 ̄由に操

作メニューボタンを表示し,そのボタンを指示・選択す る方式とした。コントローラは,カーソル移動のための 「上- ̄F左右ボタン+,メニューを決定する「選択ボタン+,

一つ前の画面に戻る「戻リボタン+で構成しており,こ

のコントローラで画面上のメニューを選択することによ って内面が遷移する。 紙面イメージ上で記事選択をする場合は,カーソル位 置の記事を枠で囲み,記事の重要性を蜘るボリュームが

把握できるようになっている。さらに今F=ま,情事は表ホ

媒体として一般の家庭に広く普及しているテレビも対象 としているため,テレビの解像度を考慮し,記私室択の 際に耐而下部に記事の見川しが補足表示できる仕組みと した。 なお,内面が記事画面などに遷移した場合は,操作メ

ニュー領域の操作ボタンも内耐こ治った機能に日勤的に

替わるようになっている。 実際の駄向イメージ両面および写真内向を図3に示す。 \ 紙面選択 ページ選択 l 記事選択 一 手 動 動画表示 紙面イメージ 写真表不 テキスト表示 l記こ奉1 l記事Nl

○月○日l

朝刊 l 】 l l l‖川川

l.l.l.りり.l.リ

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l.l.l.1山l.l.1

△月△日 夕刊 l記事11 l言己尊Ml ヘッドライン 言己記 事・・‥事 Xl ll l】 ll ll 図2 データ階層と画面推移 記事選択は紙面イメージか らと,ヘッドラインから選択 の2方式がある。記事選択後 は動画からテキストまで自動 的に表示するモードもある。 43

(4)

554 日立評論 VOL.77 No.8(1995-8) 読売新聞 三_G91印判 昇マネ玩3噌 衣ベータ 辞ベータ

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t壬l▲tt■付きヤ■ヽ暮 Ⅰ 一か∴■十「小.一ト"+ H′爪‖特徴けヽ宅←畑■り 一ゝ骨1騒いけ托托‥構・几 ■β ‖‥し 臼1 -・し 図3 紙面イメージおよび写真の画面表示例 紙面イメージ上のカーソル位置の記事は赤枠で固まれている。 写真は画面全体に表示し,迫力ある画面とした。

購読者の意識調査

この実験の一環として,操作性などの使い勝手の評価 および一般購読者の電子新聞に対する意識調査を行うた

め,平成6年11月7日から13日までの1週間,東京の銀

牌で電子新聞端末を公開展示し,アンケート調査を実施 した。期間中,一般の方に端末を操作してもらったり, 見てもらったりしてアンケートを回収した。総サンプル 数640,うち有効回答581が得られ,その結果,予想以上 に電子新聞が受け人れられやすいことがわかった(図4 参照)。 画面で読む には違和感 がある.っ 興味がある。 将来 使いたい いいえ (67%) はい (33%) はい(97%) はい(91%) いいえ (3%) いいぇ (9%) 0% 50% 100% (a)電子新聞端末を見て,どの ように惑いこか。 すべて電子新聞 22% 今のまま (紙の新聞) 8% 70% 紙と電子新聞の共存 (b)新聞の将来は,どのように なると思うか。 図4 一般公開実験での購読者の意識調査結果 アンケートの結果,予想以上に電子新聞が受け入れられやすい環 境にあることがわかった。 ↑回実験を行うにあたり,特に画面で「読む+ことに ついて拒否反応を示す率が高いであろうと予想していた が,予想以上に違和感を覚えた人が少なく,また新聞の 電子化を必然的な流れとして受け止め,今後に対して期 待していることがわかった。 また,操作性についてはおおむね好評であったので, 今後さらに簡易化を進める予定である。

おわりに

ここでは,電子新聞の衛星配信実験についてフェーズⅠ およびフェーズⅠⅠ実験を中心に述べた。この実験により, 初期段階ではあるものの,電子新開の編集方式,伝送手 段および端末側の記録から再生まで,システムとしての 基本機能を評価,確認でき,また課題を明確にすること もできた。 電子新開は,単に現状の新聞情報の電子化にとどまら

ず,将来のマルチメディア情報社会で,各種情報提供サ

ービスのいわば窓口,日次的な役割も果たしていくと期 待されている。今後は実験成果をベースに,さらに機能 の付加・向上を図り,実運用へ向けたトータルシステム

の構築を進めていく考えである。

参考文献 1)石出,外:マルチメディア衛星通信へのアプローチ,1995年電子情報通信学会総合大会(1995-3) 2)山凹,外ニマルチメディア衛星通信のシステム構成,1995年電子情報通信学会総合大会(1995-3)

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