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原子炉燃料の更なる高燃焼度化に向けた被覆管の開発 ─フレッシュグリーン表面改質による耐食性および耐水素吸収性の向上─

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 原子炉燃料の更なる高燃焼度化に向けた被覆管の開発 ─フレッシュグリーン表面改質による耐食性および耐水素吸収性の向上─ 背 景 軽水炉プラント稼働率向上と燃料費低減、使用済燃料の発生量抑制によるサイクルコスト低減を目的に、燃 料の高燃焼度化が段階的に実施されている。更なる高燃焼度化には、炉水に長期間さらされる被覆管への水素 吸収を抑制することが必要とされている。この水素吸収の抑制対策として、被覆管の組成調整や微細組織制御 手法が適用されている。 当所は被覆管の表面改質で更に水素吸収を抑制することを提案している。当所では、チタンの表面で酸化と 炭化を同時に進行させる表面改質技術「フレッシュグリーン(FG)」を発明した。形成されるカーボンドープ 酸化チタン皮膜は緻密で密着性が高く、耐食性が大幅に改善されることを明らかにした。そこで、チタンと同 じ 4A 族であるジルコニウムに対しても FG 処理を行なうことによって、既存の原子炉で使用されているジル コニウム合金(ジルカロイ)被覆管の耐食性および耐水素吸収性が向上すると期待される。. 目 的 FG 処理をした沸騰水型原子炉用ジルカロイ 2 被覆管の耐食性と耐水素吸収性を炉外加速試験で把握する。 また、FG 処理技術の現行被覆管製造工程への適用性を検討する。. 主な成果 1.形成される FG 皮膜構造の同定 X 線回折および X 線光電子分光分析の結果、FG 処理(700 ℃、2h)によりジルコニウム表面に形成される 皮膜は単斜晶酸化ジルコニウムの酸素の一部を炭素で置換した結晶構造であり(図 1)、チタンと同様な FG 処理が可能であることを確認した。 2.FG 処理条件の最適化(耐食性および耐水素吸収性) 最終熱処理が 580 ℃、2h の市販のジルカロイ 2 被覆管(外径 14mm、内径 13mm、長さ 40mm)に対して、 温度 3 条件(500 ℃、580 ℃、660 ℃)、時間 2 条件(1h、4h)の組み合わせで FG 処理した。3 種類の炉外加 速試験* 1 を実施した結果、500 ℃、1h および 580 ℃、1h の FG 皮膜はジルカロイ 2 の腐食量および水素吸収 量を半分以下に抑制する効果を有する(図 2)。未処理のジルカロイ 2 中に水素化物が観察されたが、500 ℃、 1h の低温処理では水素化物が殆ど観察されず、耐水素吸収特性が良好である(図 3)。FG 皮膜は緻密で密着 性が高いことが耐食性を向上させ、腐食起因の水素量を低減したと推察される。 しかしながら 660 ℃の FG 処理では、未処理材よりも腐食が進行し、水素吸収量も大きくなる場合がある。 FE-TEM 観察により高温処理では基材中の金属間化合物が粗大化し、母材耐食性が劣化したことが要因と 考えられる。 3.FG 処理の被覆管製造工程への適用性 水素吸収を最も抑制できる FG 処理(500 ℃、1h)は BWR 用ジルカロイ 2 被覆管の最終焼鈍(580 ℃、2h) より低温短時間であるため、機械的性質や基材組織の変化は殆ど無い。FG 処理は微正圧下で実施でき、現 状の真空熱処理装置をそのまま用いることで、製造工程を大幅に変更することなく導入可能との見通しを得 た(図 4)。. 今後の展開 炉水に近い環境(360 ℃)で炉外長期試験により耐食性および水素吸収性を確認する。さらに炉内照射試験 により、照射が及ぼす影響を把握する。 主担当者. 関連報告書. 原子力技術研究所 原子炉システム安全領域 主任研究員 古谷 正裕 研究顧問  常磐井守泰 知的財産センター 技術移転グループ    上席研究員 田中 伸幸 「フレッシュグリーン表面改質被覆管の耐食性および耐水素吸収性」、電力中央研究所報告 L08014(2009年 3 月) M. Furuya, M. Tokiwai, N. Tanaka, M. Horie,“Surface Modification Technology of Titanium,‘Fresh Green’- Durability and Photocatalytic Activity of Carbon-Doped Titanium Dioxide Surface,”Ti-2007 Science and Technology, JIMIC 5, Japan Institute of Metals, Vol.II, pp.1727-1730, 2007.. * 1 :沸騰水型原子炉用被覆管の炉外加速試験として一般的なノジュラー腐食試験(500 ℃、11MPa 水蒸気中 24h)、 超臨界腐食試験(450 ℃、24MPa、超臨界水中24h)、および一様腐食試験(400℃、11MPa 水蒸気中336h)を実 施した。. 78.

(2) 5.原子力発電/原子力技術 C- H(C)結合. ジルカロイ2管材処理条件. Zr - C結合. 試験環境:400℃、 11MPa、336h. FG処理660℃、 4h 強度, (a.u.). フレッシュグリーン 表面改質で形成された カーボンドープ酸化 ジルコニウム皮膜 ZrO2 - xCx. FG処理660℃、 1h FG処理580℃、 4h FG処理580℃、 1h FG処理500℃、 1h. 電気炉内で形成 された酸化皮膜 Zr O2. 294. 292. 290. 288. 286. 284. 282. 未処理材 280. 278. 0. 276. 20. 40. 60. 80. 0. 2. 腐食増量 (mg/dm ). 束縛エネルギー, (eV). 図1 C1sのX線光電子分光分析結果. 50. 100. 150. 水素吸収量 (ppm). 図2 一様腐食試験による腐食増量と水素吸収量. 遊離炭素ではなくZr-C結合としてZrO2の 500℃、1hのFG処理では未処理材に対して腐食量が1/2に水素吸 酸素の一部を炭素で置換した構造である。 収量が1/5に低減した。他の腐食試験*1でも同様な結果を得た。. 5 (a)未処理材. (b)FG処理500℃、1h. (c)FG処理660℃、1h. 図3 水素化物の断面金相観察結果 未処理と高温FG処理で水素化物が観測された。500℃、1h処理では 水素吸収量が固溶限界以下で、水素化物は殆ど観測されなかった。. 素管 冷間圧延 2回繰り返し. 中間焼鈍 仕上圧延 最終焼鈍. 置き換え. 既存工程 580℃ , 2h. FG処理 500℃ , 1h. 最終焼鈍を兼ねて フレッシュグリーン 処理に置き換える. 矯正 研磨. 注:酸洗、脱脂、 サンド   フロー工程を除く. 製品検査. 図4 BWR用被覆管製造工程 最終焼鈍装置をそのままFG処理に置き換えられる見通しを得た。. 79.

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