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波浪結合全球大気モデルによる波浪の気候への影響評価 Ocean Surface Wave Impacts on Climate System by Wave Coupled Atmospheric Global Climate Model

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Academic year: 2021

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C16

波浪結合全球大気モデルによる波浪の気候への影響評価

Ocean Surface Wave Impacts on Climate System

by Coupled Atmospheric Global Climate-Wave Model

〇志村智也・竹見哲也・森 信人

〇Tomoya SHIMURA, Tetsuya TAKEMI and Nobuhito MORI

Ocean surface waves take important roles at an interface between atmosphere and ocean. Momentum flux between them depends on conditions of ocean surface waves and thus waves can have impacts on climate system. The process of wave-dependent momentum transport is implemented into Atmospheric Global Climate Model using global wave model. The impacts of ocean waves on climate system are explored in comparison between global climate simulations with and without ocean wave coupling.

1.はじめに 気候変動特性の解明や気候変動による影響評価 が盛んに行われている.気候変動に関する研究は, 気候モデルによる気候シミュレーション結果に多 くを依っており,実際の気候の物理過程を良く表 現した精緻な気候モデルが望まれる. 近年,気候システムにおける波浪の役割の重要 性が指摘されている(Cavaleri et al., 2012).大気海 洋間における運動量輸送,運動エネルギー輸送, 熱輸送が波浪の状態に依存することが観測されて いる.しかしながら,既往の気候モデルにおいて, 波浪に依存した物理過程は海上風速で表現されて いるか,無視されている.そこで,本研究では, 全球大気気候モデルおよび全球波浪モデルを用い て,大気―波浪間の相互作用を陽に解きつつ気候 計算を行う.そして,気候システム(大気場)に対 する波浪の影響を評価する. 2.方法 海 面 に お け る 運 動 量 輸 送 は バ ル ク 輸 送 式 (ρu*2=ρCdU2, ρ:密度, u*:摩擦速度, Cd:抵抗係数, U: 海上風速)を用いて計算される.抵抗係数は粗度 (海面・波浪の状態)によって決定される.Taylor and Yelland (2001,以下 TY2001)は,粗度が波形勾配(波 高と波長の比)に依存した式を提案している.また, Drennan et al. (2003, 以下 DR2003)は,波齢(摩擦速 度と波速の比)で表現している.上記の粗度と波浪 の関係式を介して,気候モデルから風速を,波浪 モデルからは波高,波長,波速を逐次やり取りし て気候計算を実施した.図 1 は TY2001 を用いた 計算例であり,ある時刻の風速,波高,波長,抵 抗係数を表している.また,コントロール実験と して粗度を風速のみで表現した式(Charnock 式)を 用いた気候計算も実施した.Charnock パラメータ に 0.01 または 0.02 を用いた(CHA001, CHA002 と 表記).境界条件として 1990 年から 2014 年の海面 温度観測値を与えて 25 年間の積分を行った. 3.結果 図 2 は,北太平洋中緯度における風速と抵抗係 数の関係をそれぞれの気候計算でプロットしたも のである.CHA001 と CHA002 では風速に対する 抵抗係数がほとんど一意に決まるが,TY2001 と DR2003 では大きなばらつきがある.平均的には, TY2001 は CHA001 と CHA002 の間をとる関係で あり,DR2003 では抵抗係数が低風速で CHA001 より小さく,高風速で CHA002 より大きくなる. この関係は海域に依存しており,うねりの影響が 強い低緯度では TY2001,DR2003 ともに抵抗係数 が小さくなる.図 3 は,TY2001 と CHA002 の海 上風速気候値の差である.全体的に TY2001 の方 が大きくなり,特に低緯度で顕著である.これは 図 2 と整合的である.その他波浪の気候に対する 影響の詳細は講演会で発表する. 参考文献

・Cavaleri et al. (2012): BAMS, 93, 1651-1661 ・Taylor and Yelland (2001): J. Phys. Oceanogr., 31,

572–590

(2)

図 1: TY2001 を用いた波浪結合計算例. (左上)海上風速,(右上)有義波高,(左下)ピーク波長,(右下) 抵抗係数のスナップショットを表す.気候モデルから波浪モデルへ海上風速を,波浪モデルから波高 と波長を気候モデルに渡し,そこから計算された抵抗係数を用いて気候計算が進められる.

図 2: 北太平洋中緯度における風速と抵抗係数の 関係.CHA001, CHA002, DR2003, TY2001 それぞ れ平均値と標準偏差の 2 倍の範囲をプロットして いる.参考値として COARE3(Fairall et al., 2003,

J.clim.)を付している.

図 3: TY2001 と CHA002 の海上風速気候値の差 [m/s].

図 1:  TY2001 を用いた波浪結合計算例.  (左上)海上風速,(右上)有義波高,(左下)ピーク波長,(右下) 抵抗係数のスナップショットを表す.気候モデルから波浪モデルへ海上風速を,波浪モデルから波高 と波長を気候モデルに渡し,そこから計算された抵抗係数を用いて気候計算が進められる.

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