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教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻 三き 至五 :?z. Eコ ロロ /1"" 英 語 ) コ ー ス 指 導 教 員 伊 東 治 己 中 住 幸 治 1.研究の目的と動機 第2章では、文法用語の成立過程や特殊性 現在、英語教育現場で依然続く英文法指導 日本語用語を使用する際に混乱を招く点等、 自己目的化による文法偏重傾向と、世間から 日本の英語文法指導の問題点を挙げた。次に、 の「聞く、話す」に機能を限定したコミュニ 中学校・高等学校学習指導要領(現行、新版) ケーション偏重からくる文法(用語)不要論、 で使用されている文法用語の違い、中高検定 という 2つの相対する考えが存在する状況下 教科書(英語1, II)それぞれ3種類を取り で、高等学校新学習指導要領で「授業は英語上げた上で使用されている文法用語の違いを で行うことを基本とするJr
文法の用語や用法 拾い上げた上で、今後教科書から消える可能 等に関する指導は必要最小限にj としづ指針 性のある文法用語を挙げた。そして、文法用 が示された。この文面をとらえると、「英語で 語の過去の研究や議論から文法用語否定論、 行うことのできる」文法指導への転換、さら 肯定論を挙げた後、最後に文法用語を語るう に言うと、文法用語の排除、というシナリオ えで留意すべき点を指摘した。 も見えるように思われる。しかし、文法用語 第3章では、第1の調査として、高校1、 が長年使われているとしづ事実、文法用語と 2年生を対象としたアンケートを実施し、英 言っても決してひとまとめでとらえるころの 語への印象、各文法用語への意識、文法指導 できるものではないとしづ事実から考えると、や文法用語の効果に関する意識を調査した。 このまま何の吟味もなくただ文法用語が消え なお アンケートは2種類用意し、表現の違 ゆくのを見守ることには違和感を覚える。以 う文法用語を比較できるようにした。分析で 上の点から、本研究では、文法用語と取り巻 は、取り上げた文法用語の意識を表で示した く現状把握とともに、過去の研究や議論をま だけでなく、第2
章で取り上げた文法用語と とめ、学習者や教員の文法用語全体、個々の 比較し、学習指導要領、教科書とのズレがあ 文法用語に対する意識、そして学習者の文法 る用語を特定した。文法学習、文法用語の意 用語の知識と文法運用度の相関関係を調査し、識では、学習者が英語に持つ印象によって、 文法用語の役割や英語学習の中の位置等につ 学習者が気づかない効果があることも分かつ いて提言を行うことを目的としている。2
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論文の概要 た。 第4章では、第 2の調査として、教員を対 第 l章では本研究の動機と目的を述べる。象としてアンケートを実施し、文法用語の使 Q υ つ 山 つ U用頻度、各文法用語への意識、表現の違う文 ロセス、そして⑤英語コミュニケーションに 法用語の活用志向性、文法指導や文法用語の おける文法用語の果たす役割、が議論、提唱 効果に関する意識、新学習指導要領下で予想 された。特に、文法用語とコミュニケーショ される文法指導の変化に関する意見、を尋ね ンは相反するものではなく、お互いが適切な た。各文法用語、表現の異なる文法用語への バランスの中で共存して活用されるべきであ 意識が表で示された他、教員は一般に文法用 ることが強調された。 語使用傾向が強く、新学習指導要領下でも「英 3.今後の課題 文法」授業の存続と合わせ、