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多値数を2の自然数乗としない多値QAM方式の構成と誤り率特性の検討(無線通信技術)

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(1)

Title

率特性の検討(無線通信技術)( 本文(Fulltext) )

Author(s)

野田, 誠一; 斉藤, 洋一; 吉田, 彰顕

Citation

[電子情報通信学会論文誌. B, 通信] vol.[88] no.[5] p.[921]-

[932]

Issue Date

2005-05

Rights

Copyright (C)2005 IEICE

Version

出版社版 (publisher version) postprint

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/24084

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

多値数を

2

の自然数乗としない多値

QAM

方式の構成と誤り率特性の

検討

野田

誠一

a)

斉藤

洋一

††

吉田

彰顕

†††

Study on Configuration and Error Ratio Performance of

M-QAM Whose

Number of Signal Points Is Not a Power of 2

Seiichi NODA

†a)

, Yoichi SAITO

††

, and Teruaki YOSHIDA

†††

あらまし 本論文は,多値数M を 2 の自然数乗としない多値変調方式(M-QAM: M-Quadrature Amplitude Modulation)の実現性を明らかにする.実用上の問題点は,M -QAM 信号 1 シンボルが整数ビットに対応しな いため構成が複雑になり,シンボル誤りがビット誤りに単純に変換されないことである.そこで,構成の簡素化及 びビット誤り率(BER)特性の最小化の観点から,バイナリー系列を有相関の複数シンボルに変換する多次元符 号化(2 値/M 値変換)手法を提案し,シンボル誤り率(SER)及びビット誤り率(BER)の理論式を明らかに する.32QAM と 64QAM の間として 40QAM,44QAM,48QAM,56QAM,60QAM の SER 特性を示す.

また,p を 3 以上の整数として多値数を 3 × 2p−1とする QAM 方式の構成を示し,特に 12QAM,24QAM の SER 特性の理論値を示し,BER 特性の理論値を差動符号化の適用の有無の条件で示すとともにコンピュータシ ミュレーションにより検証する.以上の結果から,M-QAM 方式は適応変調方式の選択肢を広げる意味でも有効 であることを述べる. キーワード M-QAM,12QAM,シンボル誤り率,ビット誤り率,適応変調

1.

ま え が き

今日まで,PSK(Phase Shift Keying)変調方式及 びQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調 方式は広く利用されてきた.しかし,位相数や多値数 Mnを自然数としたときM = 2nの場合に限定さ れている.ただし,M = 2nの例として,多次元トレ リス符号化変調[1]やトレリス符号化12QAM [2]が 提案されている.しかし,これらは多値数の増加を符 号化に利用しており,シンボル当りの伝送容量(伝送 効率;bit/symbol)を増加させるために利用している わけではない.また,他のM = 2nの例として3B2T 日本電気株式会社モバイルネットワーク事業企画部,横浜市

Mobile Network Planning Div., NEC, 4035 Ikebe-cho, Tsuzuki-ku, Yokohama-shi, 224–8555 Japan

††和歌山大学大学院システム工学研究科,和歌山市

Graduate School of Systems Engineering, Wakayama Uni-versity, Wakayama-shi, 640–5810 Japan

†††広島市立大学大学院情報科学研究科,広島市

Graduate School of Information Sciences, Hiroshima City University, Hiroshima-shi, 731–3194 Japan

a) E-mail: [email protected] 方式[3],12Level VSB-AM方式[4]が実用化された が,これらはベースバンド伝送方式であった. 多値数MM = 2nの一般的なM-QAMについ てはこれまで十分に研究されてきたとはいえない.そ の理由は,バイナリー情報との整合性の悪さや変復調 回路の複雑さにあったと考えられる.バイナリー情報 を複数のシンボルに有相関で符号化する手法について も確立しているとはいえない.更に,2n-QAM方式 のシンボル誤り率(SER)及びビット誤り率(BER) は知られているが[5], [6],一般的なM-QAM方式の SERとBERの関係は自明ではなく,バイナリー系列 をシンボル空間に符号化する仕方によりBER特性は 異なる.このため従来の変調方式を置換するだけの優 位性を見出せなかった.しかし,近年の半導体集積回 路の微細加工技術の進歩により,変復調回路の複雑さ は大きな障害ではなくなってきている.また,伝搬路 状況に応じて伝送容量を変化させる適応変調方式が注 目されており[7], [8],自然数に限定しない柔軟な伝送 効率を設定できれば効率的な(きめ細かな)適応変調 方式を実現できる.このような観点から,新たな変調

(3)

方式として12QAMと24QAMが注目されている[9]. 本論文は,多値数がM = 2nM-QAM変調方 式について構成方法を明らかにする.次に,ビット 誤り率を最小化する観点から,バイナリー情報のシ ンボル空間への符号化に関する最適化手法を論じる. M-QAM方式では1シンボルに非整数ビットを含む ため,b (≥ 3)ビットを Mm (≥ 2)シンボルに 符号化するいわゆる多次元符号化が必要になる.この とき,Mm シンボルが表すことのできる状態数 Mmは2bより大であるため,一般的に伝送効率は理 想値(log2M)よりも低下する.したがって,Eb/N0 対BER特性を最適化する符号化(2値/M値変換)手 法の解明が必要となる.2.ではM-QAM変調方式の 構成法を示し,例として自然数の間を1/4,1/3,1/2, 2/3,3/4に内分する伝送効率を実現するパラメータを 示し,SER特性及びBER特性の理論式を近似式の形 で示す.具体的には,32QAMと64QAMの間として

40QAM,44QAM,48QAM,56QAM,60QAMの

SER特性の理論値を示すとともに,各々の多値数を 基本として他の多値数へ拡張できることも示す.3.で は,3× 2p−1-QAM(p ≥ 3の自然数)についてBER 特性を最適化するための多次元符号化方式を提案す る.特に12QAM,24QAMについて差動符号化有無 のBER特性を理論的に導出し,コンピュータシミュ レーションにより確認する.4.では伝送効率の観点か らM-QAM方式の意義,利点を論じる.

2.

多値数(

M

)を

2

の自然数乗としない

QAM

変調方式の構成方法

2. 1 構 成 バイナリー情報の伝送を前提として,M-QAM変 調方式の構成を図1に示す.送信側では,b ビット のバイナリー情報は直列/並列変換器(S/P CONV) により直列から並列に変換され,2値/M 値変換器 (Binary/M-ary CONV)によりmシンボルのM 値 情報に変換される.更に,m シンボルのM 値情報 は多重化器(MUX)により時間軸上にm多重された 後,変調器(M-QAM MOD)によりM 値変調信号

となる.受信側では,復調器(M-QAM DEM),

DE-MUX,M 値/2値変換器(M-ary/Binary CONV),

並列/直列変換器(P/S CONV)により逆操作を行い, Mmシンボルからbビットのバイナリー情報が再 生される.変調波は,m個のシンボルに相関をもたせ ることでbビットのバイナリー情報を伝送している. 図 1 多値数を 2 の自然数乗としないM-QAM 方式の 構成

Fig. 1 Configuration ofM-QAM modulation/ demodulation scheme. ここで,b/mはほぼlog2M に等しくかつ超えない値 である.変調速度はバイナリー情報のm/bの速度に なっており,バイナリー伝送に比べて所要帯域はm/b に圧縮されている. M-QAM方式はMmシンボルによってbビッ トのバイナリー情報を伝送するため,伝送効率を1シ ンボルで伝送できる平均ビット数と定義する.2値/M 値変換に用いるシンボル数を大きくすることにより, 伝送効率はlog2M に下方から漸近する.M-QAM方 式の平均情報量は,M 個の信号点の発生確率が等し いときに最大となりlog2M である.一方,2値/M 値変換はm個のシンボルで等確率な 2b 個の信号を 伝送しているので,シンボル当りの平均情報量はb/m である.一般に,m を大きくとると伝送効率は増加 するが回路は複雑になる.以上の考察から,伝送効率 ηT は次式で表される. ηT = b/m [bit/symbol] (1) 2. 2 2値/M 値変換 PSKの場合には,位相数(M)が3,5,7のように 小さいこともあり,前節の2値/M 値変換は比較的容 易に構成できる.特性の向上と回路の複雑さの観点か らパラメータの選択の余地もある[10].しかし,QAM

(4)

方式の場合は,信号点数が多いため回路が複雑になる と同時に特性の理論的解析が容易ではない.そこで, 多値数M を2の自然数乗とそれ以外の因数M0に因 数分解し,M0 はmシンボルで有相関として2の自 然数乗部分は各シンボルで無相関とする2値/M 値変 換の構成を提案する.この構成は2値/M 値変換の規 模を縮小し,多値化への拡張を容易にし得る.更に, QAM方式に要求される平均電力の抑制及び信号点分 布の対称性が考慮されている.

こ こ で は ,32QAMと64QAMの 間 の M-QAM

方式として40QAM,44QAM,48QAM,56QAM,

60QAMの実現方法を検討する.これらの伝送効率 ηT はそれぞれ5 + 1/45 + 1/35 + 1/25 + 2/35 + 3/4 bit/symbolである.これらの多値数は,各々 25+1/425+1/325+1/225+2/325+3/4 にほぼ等し くかつ超える整数になっている.更に,対称性を考 慮して2を因数に多く含む値が選択されている.ま た,前述のM0 はそれぞれM0 = 5, 11, 3, 7, 15であ る.log2M0 の整数部と小数部をそれぞれ整数λ と 既約有理数µ/mで表す.ただし,µ/m は小数部に ほぼ等しく小さい値とする.つまり,M0 に対して, λ + µ/mをlog2M0 にほぼ等しい値としてmλ + µmの組合せを選択するとµは一意に決まる.例え ば,M0= 3に対してはλ = 1であり,(mλ + µ, m) の組合せの候補は(3, 2)(11, 7)(19, 12) などがあ る.これらから性能(伝送効率)よりも回路規模を重 視するとmλ + µ = 3m = 2となり,µ = 1に決ま る.別の見方をすれば,伝送効率ηT = p + µ/mM-QAMを実現するためには,λλ ≤ p − 2の整 数として,因数M0 を2λ+µ/m にほぼ等しく超える 整数とする.ここでλ ≤ p − 2としている理由は,多 値数M に因数4を含ませることで4象限の信号点数 を同一にするためである.M0 及びmを設定したと きのλµの値を表1に示す. 次に,相関を有するM0 値mシンボルの表す状態 表 1 2値/M 値変換の基本パラメータ

Table 1 Basic parameters for binary/M-ary conversion.

数を2mλ+µとするための一つの方法を示す.式(2) に示すように,第1のシンボルの因数M0 をM011∼ M01κκ個の部分集合に分ける.この部分集合ごと に第2から第mシンボルの2の自然数乗以外の因数 を式(4)に示すように M0 以下の値に制限して,式 (3)に示すようにM0ij(i = 2, · · · m, j = 1, · · · κ)を 設定する. M0 = κ



j=1 M01j (2) 2mλ+µ= κ



j=1



m



i=1 M0ij



(3) M0ij≤ M0 (i = 1, . . . , m, j = 1, . . . κ) (4) ここで,式(2)∼(4)はM0ijに対する制約条件であり, 既決パラメータであるM0,mλµから必ずしも一 意にM0ijは決まらない.M0ijの各要素は次のように 決めることができる.まず,第1シンボル(i = 1)の M0を2の整数乗の和として要素M01j(j = 1κ)を 決める.次に,M011に対応して,M0i1(i = 1m)の 積が式(3)の左辺を超えない最大値となるように,M0 以下の値を第2シンボル以降の要素 M0i1 (i = 2m)に割り当てる.更に,M01j(j = 2κ)に順次対 応して,M0ij(i = 1m)の積が式(3)の左辺の値と 既決定の値との差にほぼ等しく超えない値となるよう に,M0 以下の値を要素 M0ij (i = 2m)に割り当 てる.最終的に式(3)が成立するように各要素を決め る.M0 = 7 を例にとると(表2 (d)の場合),まず M011= 4,M012= 2,M013= 1とする.次にM011 に対応して,式(3)の左辺の値256に対して超えない 最大値としてM011× M021× M031= 4× 7× 7 = 196 と す る .次 に M012 に 対 応 し て ,式 (3)の 左 辺 の 値(256)と既決 定の値(196)との差60を考慮し てM012× M022× M032= 2× 7 × 4 = 56とする.最 後にM013 に対応して,式(3)の左辺の値(256)と 既決定の値(196 + 56 = 252)との差4を考慮して M013× M023× M033= 1× 4 × 1 = 4とすることで 式(3)が成立する各要素を決定できる. 表2に各々のM0 についてM0ij を示す.例えば, M0 = 5 の場合は表1から m = 4 として λ = 2µ = 1であり,表2 (a)から5 (= M0)を,4 (= M011) 個の要素からなる第1の部分集合と 1 (= M012) 個 の要素からなる第2の部分集合との 2 (= κ) 個の 部分集合に分ける.第1のシンボルのM0 が第1の

(5)

表 2 2値/M0値変換の基本パラメータ Table 2 Basic parameters for binary/M0conversion.

部分集合の値をとったときには,第2,第3,第4の シンボルは5 (= M021),5 (= M031),5 (= M041) の値をとる.一方,第1のシンボルのM0 が第2の 部分集合の値をとったときには,第2,第3,第4の シンボルは3 (= M022),2 (= M032),2 (= M042) の値をとる.その結果,4個の5値が表す状態数は, 4× 5 × 5 × 5 + 1 × 3 × 2 × 2 = 512で2mλ+µに等 しく式(2)∼(4)が成立する.表2 (b)∼(e)に示すM0 値についても,同様にこれらの式が成立している.な お,表2に示す値はM-QAM方式を実現する例であ り,ここに示す組合せに限定するものではない. パラメータの物理的意味としては,mは相関をもつ シンボル数,M0ijiは有相関のシンボルの番号,j は第1シンボルの因数M0 をκ個の部分集合に分け た部分集合の番号である.式(3)の意味は,M0m が 2mλ+µ よりも大きいために,第1シンボルを分けて 第2以降のシンボルを最大値M0に等しいか小さい値 の組合せとして,状態数を2mλ+µに等しくしている. 最後に,M-QAM方式の多値数MM0 を用い て表す.pM-QAM方式の伝送効率ηT の整数部 分でp ≥ λ + 2である整数とする.式(5)に示すよう に,2の累乗である2p−λM0 に掛けることで多値 数M が得られる.このとき,式(6)の条件で,2p−λM0ij(i = 1m, j = 1κ)に掛けることで各シン ボルの構成要素Mijが得られる. M = 2p−λM0 (5) Mij= 2p−λM0ij (6) 式(5)に示すM を多値数とし,式(6)に示すように mシンボルの各々の多値数を展開することで,式(3) と式(6)から式(7)が成立する.第1シンボルの多値 数MM11∼M1κκ個の部分集合に分け,この 部分集合ごとに第2から第mシンボルの多値数を式 (6)に示すようにMij (i = 1, · · · m, j = 1, · · · κ)を 設定する.その結果,相関を有するMmシンボル の表す状態数が2mp+µに等しいことを式(7)は示し ている.したがって,式(5),式(6)に示すパラメー タを用いることで,Mm シンボルで伝送効率を p + µ/mとするM-QAMを実現することができる. 2mp+µ= κ



j=1



m



i=1 Mij



(7) M0 = 3 を例にとれば,p = 3, 4, 5, 6 の場合とし て12QAM,24QAM,48QAM,96QAMによって伝 送効率ηT= 3.5, 4.5, 5.5, 6.5 bit/symbolM-QAM 方式を実現できる.表3に種々の伝送効率を実現する M-QAM方式を示す.pp ≥ λ + 2の整数として伝 送効率p + 1/4p + 1/3p + 1/2p + 2/3p + 3/4M-QAMを実現している. 2. 3 M -QAMの誤り率特性 M-QAM 信 号 の 平 均 電 力 PM-QAM は ,BPSK 信 号 電 力 PBPSK で 正 規 化 し て 平 均 電 力 Pav = PM-QAM/PBPSK と表す.ただし,M-QAMの最小 信号間距離はBPSKの信号間距離と等しいものとす

(6)

表 3 多値数を 2 の自然数乗としないM-QAM 方式

Table 3 M-QAM whose number of signal points is not a power of 2.

る.第i番シンボルの第j番の信号電力をPij,その 信号点の発生確率をpijとして,Pav は次式で与えら れる. Pav= 1 m m



i=1 M



j=1 Pijpij (8) なお,2n-QAM方式の場合はm = 1pij= 1/M で あるが,本論文のM-QAM方式では,mm ≥ 2 の整数で,pij は必ずしも一定ではない.

M-QAM方式の平均シンボル誤り率(SER)PSER

erfc(



γ/Pav)/2  1のときの近似式として次式 で与えられる. PSER(γ) = SQAM 2 erfc



γ/Pav



(9) erfc(x) = 2/√π



x e−t2dt (10)

ここで,SQAM はシンボル誤り係数(Symbol Error Coefficient)であり,最短距離にある隣接信号点の数 の平均値である.第i番シンボルの第j番信号点の隣 接信号点数をsij,その信号点の発生確率をpij とし て,SQAM は次式で与えられる. SQAM = 1 m m



i=1 M



j=1 sijpij (11)

M-QAM 方 式 の ビット 誤 り 率(BER)PBER

Eb/N0 をγb として,erfc(



ηTγb/Pav)/2  1の ときの近似式として次式で与えられる. PBER(γb) = BQAM 2ηT erfc



ηTγb/Pav



(12)

ここで,BQAM はビット誤り係数(Bit Error Coeffi-cient)であり,最短距離にある隣接信号点との間のハ ミング距離の和の平均値である.第i番シンボルの第 j番信号点の隣接信号点へのハミング距離をd(ijk),そ の信号点の発生確率をpijとして,BQAM は次式で与 えられる. BQAM = 1 m m



i=1 M



j=1



4



k=1 d(ijk)



pij (13) ここで,ハミング距離d(ijk)kは上下左右の4方向 を示しており,4方向のいずれかの方向に最短距離の 信号点がないときにはその方向についてゼロとする. また,伝送するバイナリー情報b = mp + µビットの 内,mλ + µビットは m個のシンボルで伝送してい るため単一のシンボルを観測してもハミング距離を決 定できない.したがって,有相関のmシンボルすべ ての場合の数2mλ+µそれぞれから得られるハミング 距離の平均値とする. 2. 4 32QAM,64QAMの間のQAM方式

40QAM,44QAM,48QAM,56QAM,60QAMに

ついて,平均電力Pav,シンボル誤り係数SQAM

表4に示す.Pav及びSQAM ともに信号点の発生確

率を考慮して算出されている.図2にSER特性の理

論値を示す.40QAM,44QAM,48QAM,56QAM,

60QAMが,32QAMと64QAMの間にあり,ほぼ

1/4,1/3,1/2,2/3,3/4に内分する位置にあること が分かる.これらは,p = 5としてηT = 5 + 1/4 か ら5 + 3/4を実現しているが,p ≥ λ + 2を満足する pを選択することで伝送効率が非整数のM-QAM方 式を実現できる.

3.

多値数を

3 × 2

p−1

とする

QAM

の特

性(

p ≥ 3

の整数)

多 値 数 を M = 3 × 2p−1 と す る 12QAM及 び

(7)

表 4 32QAMと 64QAM の間のM-QAM 方式のパラメータ

Table 4 M-QAM schemes between 32QAM and 64QAM.

図 2 32QAM,64QAM の間のM-QAM 方式の SER 特性

Fig. 2 SER performances ofM-QAM schemes between 32QAM and 64QAM.

24QAM等がある.これらは,従来の8PSK,16QAM, 32QAM等に比べて伝送効率及び所要Eb/N0 で中間 点を実現することが可能で,適応変調への適用が考え られている[9].しかし,12QAM及び24QAMの誤 り率特性の解析及びバイナリー情報の符号化に関する 最適化は必ずしも十分に検討されていない.本章では 3× 2p−1-QAM方式について構成を示し,SER特性 及びBER特性を明らかにする.そのとき,有相関の シンボル群へのビットの割当を最適化し,差動符号化 の有無の条件でBER特性を示す. 3. 1 構 成 多値数M を3× 2p−1とする変調方式では,各々 3×2p−1個の信号点を有する2シンボルを用いて2p+1 ビットのバイナリー情報を伝送する.(3× 2p−1)2 は 22p+1よりも大きいため,2p + 1ビットのバイナリー 情報を2シンボルの3× 2p−1値信号の上にマッピン グすることができる.動作原理としては次のとおり である.まず3× 2p−1個の信号点を 2× 2p−1 個と 1× 2p−1個の部分集合に分けて,各々第1及び第2の 部分集合とする.伝送すべき第1シンボルが第1の部 分集合から選択された場合,第2シンボルは全体集合 3× 2p−1個の信号点から選択する.一方,第1シンボ ルが第2の部分集合から選択された場合,第2シンボ ルは第1の部分集合2× 2p−1個の信号点から選択す る.その結果,式(7)に具体的数値を入れる形で次式 が成立する. 22p+1= (2× 2p−1)× (3 × 2p−1) + (1× 2p−1) × (2 × 2p−1) (14) したがって,有相関の2シンボルで 2p + 1ビット のバイナリー情報を伝送できる.前章で述べたパラ メータで表せば,表1から M0 = 3として m = 2κ = 2λ = 1µ = 1である.表2 (c)と式(6)から, M11= 2× 2p−1M12= 1× 2p−1M21= 3× 2p−1M22= 2× 2p−1である.3× 2p−1QAMのブロック図 を図3に示す.ここで,pの値が3,4,5,6のとき, 各々12QAM,24QAM,48QAM,96QAMを実現し ており,伝送効率は3.5,4.5,5.5,6.5 bit/symbolで ある.送信側では,b = 2p + 1 (= mp + µ)ビットのバ イナリー情報は直列/並列変換器(S/P CONV)で並 列信号となる.その並列信号の3 (= mλ + µ)ビット は2値/M0 値変換器(B/M0 CONV)で2 (= m)シ ンボルの3 (= M0)値情報となり,多重化器(MUX) で時間軸上に2 (= m)多重される.同様に,残りの 2(p − 1) (= m(p − λ))ビットも多重化器(MUX)で

(8)

図 3 3× 2p−1QAM方式の構成 Fig. 3 Configuration of 3× 2p−1QAM scheme.

図 4 3× 2p−1QAMの SER 特性 Fig. 4 SER performances of 3× 2p−1QAM.

時間軸上に2 (= m)多重される.その内の4ビット

は,多重化後に必要に応じて4を法とする差動符号化

を適用する.受信側では逆操作を行い,M-QAM信号

2 (= m)シンボルからb = 2p + 1 (= mp + µ)ビッ トのバイナリー情報を再生することができる.

12QAM,24QAM,48QAM,96QAM,の各々に

ついてCNR対SER特性を図4に示す.所要CNR は2n-QAMと比較してほぼ中間の値となっている. 3. 2 ビット誤り率を最適化する符号化 3× 2p−1-QAM方式のBERを最小化する観点から, バイナリー情報を正方格子上に配置された信号点へ マッピングする方法を提案する.そのとき,差動符号 化の有無で構成の簡素化とビット誤りの最小化を考慮 する.ここでは,三相位相変調(TPSK)でBERを 最小にする符号化手法[10]をM-QAM方式の符号化 の一部に適用する.符号化に際し,(1)信号点配置, (2)バイナリー情報の分割符号化,(3)符号化情報 の信号点への配置の3段階で検討する. (1) 信号点配置 まず,信号点配置として次の 条件を考慮する. 1 正方格子上に配置する. 2 平均電力を小さくする. 3 -1 180度回転対称とする.(差動符号化を適用し ない場合) 3 -2 または,90度回転対称とする.(差動符号化 を適用する場合) 4 両シンボルの配置はほぼ同等とする. 上記の 2 の条件から,発生確率の小さい符号を最大 振幅の信号点に割り当てる. -13 , -23 の条件は信号 点の発生確率の偏りにより生じるキャリヤリークの発 生を避けるためである. -23 の条件は90 トランス ペアレントな配置により差動符号化を可能とする条件 である. (2) バイナリー情報の分割符号化 次に,バイ ナリー情報をグループに分けて符号化する.2p + 1 ビット信号(b2p, · · · , b1, b0)を五つのグループに分け て,表5のように,(T1, T2),Q1,Q2,P1,P2 に 符号化する.すなわち,最初の3ビット(b2,b1,b0) で2シンボルの3値符号(T1,T2)を決定する.次 に,二つの2ビット(合計4ビット)で独立した二つの 4値符号Q1Q2 を決定する.最後に,残りがあれば (p > 3の場合)二つのp − 3ビット(合計2× (p − 3) ビット)で独立した二つの2p−3値符号P1,P2を決 定する.T1,T2は,リー距離dL=1のすべての誤り に対してバイナリー情報(b3,b1,b0)の誤りが最小 となるように符号化する[10].Q1Q2 及びP1,P2 は各々独立にグレイ符号化する. なお,要素が q − 1 以下の非負整数の集合 Zq = {0, 1, · · · , q − 1}の二つの元 uv のリー距離は, dL(u, v)= min[|u − v|, q − |u − v|]で定義され,長さ nの二つの系列u = u1u2· · · unv = v1v2· · · vn の間のリー距離は,dL(u, v) = n

i=1dL(ui, vi )で定義 される[12].本論文では,硬判定した受信系列Ti, Qi, Pi (i = 1, 2)の誤りを議論しており,リー距離dL

(9)

表 5 3× 2p−1QAM方式の符号化 Table 5 Coding for 3× 2p−1QAM scheme.

用いて評価する. (3) 符号化情報の信号点への配置 最後に符号 化情報をシンボルへ配置する.第iシンボルの符号 Ti, Qi, Pi (i = 1, 2)を次の手順に従って信号点上に 配置する. 1 Qiを象限信号とする. 2 Ti,Pi を象限内信号とする. 3 Ti= 2は最大振幅点に割り当てる. 4 隣接信号点で,Ti またはPi の一方のみが異 なるように配置する. ただし,不可能な場合には,Ti のハミング距離が 小さい符号の組合せを両方異なる部分に適用する. 5 -1 Ti,Piを両直交軸に対称に配置する. 5 -2 または,Ti,Piを90度回転対称に配置する. 上記手順で符号化した12QAM [11],及び24QAM の信号配置をそれぞれ図5 (a-1),(a-2)及び同図(b-1), (b-2)に示す. 3. 3 2値符号化の評価 熱雑音環境下での誤りは隣接信号点に誤る場合が支配 的と考えられる.したがって,隣接する信号間のハミン グ距離をdHとして,すべての隣接信号間でdHの平均 値を最小にすることでBERを小さくできる.2n-PSK の場合はグレイ符号化によりすべての隣接信号点間で dH= 1とすることが可能であり,このときBERは最 小化される.4値信号Qi, (i = 1, 2)及び2p−3値信号 Pi(i = 1, 2)は,グレイ符号化によって隣接信号間のハ ミング距離dHをすべて1にできる.しかし,有相関の 3値2シンボル(T1, T2)で生じるdL= 1の誤りに対 してはグレイ符号化でハミング距離を最小化できない. そこで,次の手順で3値2シンボル(T1, T2)の符号化 を行う.3値2シンボルを(t1, t0)と表現して,(0, 0)(0, 1)(0, 2)(1, 0)(1, 1)(1, 2)(2, 0)(2, 1)と 図 5 12QAM,24QAM のマッピング方式 Fig. 5 Mapping on 12QAM and 24QAM.

し,バイナリー情報3ビットを (b2, b1, b0) と表現 して,(0, 0, 0)(0, 0, 1)(0, 1, 0)(0, 1, 1)(1, 0, 0)(1, 0, 1)(1, 1, 0)(1, 1, 1)とする.バイナリー情報 (b2, b1, b0) を3値 シン ボル (t1, t0) に 重 複な く割 り当て ,非送信信号である (2, 2) に8種類の任意 のバ イ ナ リ ー 情 報 を 割 り 当 て る .この 場 合 の 数 は 8!× 8 = 322560 通りある.すべての場合について dL= 1 の誤りにおけるバイナリー情報間のハミング 距離を計算した結果,平均ハミング距離dHav の最小 値を与えるバイナリー情報(b2, b1, b0)の配列は192 通りあり,dHav の最小値は21/16である.dHav

(10)

表 6 バイナリー 3 ビット/3 値 2 シンボル変換における 最適符号化

Table 6 Optimal mapping of 3-binary/2-ternary conversion. 最小値を与えるバイナリー情報の配列(b2, b1, b0)を 表6に示す.表6は,場合の数192を4に縮退した 形で示している.つまり,各々の配列(b2, b1, b0) に おいてb2,b1,b0を入れ換えることができる.更に, 任意のbi(i = 0, 1, 2)に1を加えることができる.そ の結果として,6× 8 = 48の配列は1の配列に集約 し,192の配列は独立の4の配列に縮退する. 前項の方法でバイナリー情報をマッピングした場合 には,図5 (b-1)の例で見ても隣接信号間の誤りはTi, Qi,Pi でのいずれか一つで,dL を1として発生し ている.Qi,Pi はグレイ符号化されており,Ti は dL= 1の誤りに対してバイナリー情報の誤りは最小 化されている.したがって,本マッピング方式はBER を最小化するマッピングである.更に,図5に示す符 号化は正方格子にバイナリー情報を符号化する条件で, 平均電力の最小化や信号点配置の対称性の要求条件を 満たしている. なお,表5に示す3値2シンボル(T1, T2)の復号 において,信号伝送に用いない3値系列(2, 2)を受信 した場合には,シンボル誤りの検出は可能であるが, 必ずしも訂正できるとは限らない.硬判定した場合に は,最もdLの小さいシンボル系列に判定し,対応し たバイナリー系列に復号することが適当である.しか し,最小のシンボル系列が複数あるときには常に誤り 訂正ができるとはいえない.他方,軟判定して,最も ユークリッド距離の小さい送信シンボル系列に判定し, 対応するバイナリー情報に復号することで,誤り率は 改善されると期待される.しかし,非送信シンボル系 列の数は,送信シンボル系列に対して1/8の比率であ り,仮に軟判定して改善しても大きな量ではない.し たがって,本論文では,硬判定しいくつかあるdLの 小さいシンボル系列の一つに判定して復号する方式を 選択している. 3. 4 誤り率特性 シンボル誤り率PSERは式(9)で与えられる.この とき,M-QAM方式は信号点の発生確率が均等でな いことに注意する必要がある.図5 (a-1)の12QAM を例にとると,Ti= 0, 1の8個の信号点の発生確率 は各々12/128であり,Ti = 2 の4個の信号点の発 生確率は各々8/128である.ゆえに,平均電力Pav= 4× ((2 + 10) × 12/128 + (10) × 8/128) = 7であり, SQAM = 4×((4+2)×12/128+(2)×8/128) = 11/4 である.したがって,12QAM方式のシンボル誤り率 PSERは,CNRγとして次式で与えられる. PSER(γ) = 11/8 erfc



γ/7



(15) ビット誤り率PBERは同様に式(12)より得られる. 12QAMでは,2値/3値変換で表6の配列2を適用 すると3値信号0が1に,3値信号1が0,2に誤る ときの平均ハミング距離は各々4/3,4/3,7/6であり, 3値信号2が1に誤るときの平均ハミング距離は5/4 である.4値信号 Qi はグレイ符号化されているの で,dL= 1の誤りに対応する信号間のハミング距離 は1である.図5 (a-1)において,第1象限のTi= 0 の信号と隣接信号へのハミング距離は,第1及び第 2シンボルの平均値(d(1k)j + d (k) 2j)/2 として,上下左 右(k = 1, 2, 3, 4)で各々0,1,4/3,0である.また, Ti= 1の信号では各々7/6,1,1,4/3であり,Ti= 2 の信号では各々0,5/4,1,0である.ゆえに,BQAM = 4× ((7/3 + 27/6) × 12/128 + (9/4) × 8/128) = 25/8 である.したがって,12QAM方式のビット誤り率 PBER は,Eb/N0 をγbとして次式で与えられる. PBER(γb) = 25/56 erfc



γb/2



(16) 差 動 符 号 化 を 適 用 し た 場 合 の ビット 誤 り 率

PBER DIFF は,PBERと同様に式(12)より得られる. ただし,隣接信号間のハミング距離を計算する際には, 差動符号化されたQ1Q2に対応するb3,b4,b5,b6 の重みを2倍して計算する必要がある.例えば図5 (a-2) において,第1象限のTi= 0, 1, 2の信号と隣接信号 のハミング距離の和は,各々0+7/2+4/3+0 = 29/67/6+2+2+4/3 = 39/60+5/4+13/4+0 = 9/2で ある.ゆえに,BQAM = 4×((29/6+39/6)×12/128+

(11)

(9/2) × 8/128) = 43/8である.したがって,差動符 号化12QAM方式のビット誤り率PBER DIFF は次式 で与えられる.

PBER DIFF(γb) = 43/56 erfc



γb/2



(17) 24QAMの場合は,図5 (b-1)でTi= 0, 1の16個の 信号点の発生確率は各々24/512であり,Ti= 2の8 個の信号点の発生確率は各々16/512である.したがっ て,平均電力Pav= 4×((2+2×10+18)×24/512+ (26 + 26)× 16/512) = 14となる.また,SQAM = 4×((4+4+4+2)×24/512+(2+2)×16/512) = 25/8 である.したがって,24QAM方式のシンボル誤り率 PSER は,式(9)よりCNRγ として次式で与えら れる. PSER(γ) = 25/16 erfc



γ/14



(18) 2値/3値変換で表6の配列1を適用すると3値信 号0が1,2に,3値信号1が0,2に誤るときの平 均ハミング距離は各々4/3であり,3値信号2が1,0 に誤るときの平均ハミング距離は各々5/4である.4 値信号 Qi はグレイ符号化されているので,リー距 離dL が1に対応するハミング距離dH は1である. 図5 (b-1)において(Qi, Pi)と表して,(0, 0)(1, 0)(2, 0)(0, 1)(1, 1)(2, 1)の各々信号と隣接信号のハ ミング距離の和は各々13/3,14/3,9/4,14/3,7/3, 9/4であるので,BQAM = 4×((13/3+14/3+14/3+ 7/3) × 24/512 + (9/4 + 9/4) × 16/512) = 57/16で ある.例えば,(0, 0)の信号点は上下左の方向の信号 点にQiまたは Pi でdLが各1であり,グレイ符号 化しているのでハミング距離も各1となっている.一 方,右の信号点へ誤る場合は,3値信号Ti のみが0 から1に誤っており,平均ハミング距離は4/3である. ゆえに,(0, 0)の信号と隣接信号のハミング距離の和 は13/3である.したがって,24QAM方式のビット 誤り率PBERは,式(12)よりEb/N0 をγbとして次 式で与えられる. PBER(γb) = 57/144 erfc



4.5γb/14



(19) 差 動 符 号 化 を 適 用 し た 場 合 の ビット 誤 り 率

PBER DIFF は,PBER と同様に式(12)より得られ る.ただし,隣接信号点とのハミング距離を計算す

る際には,差動符号化の適用されているQ1Q2

対応するb3,b4,b5,b6 の重みを2倍して計算す

図 6 12QAM,24QAM の BER 特性 Fig. 6 BER performances on 12QAM and 24QAM.

る必要がある.図5 (b-2)において,2値/3値変換で 表6の配列1を適用すると,(Qi, Pi) を表す(0, 0)(1, 0)(2, 0)(0, 1)(1, 1)(2, 1)の信号と隣接信号 のハミング距離の和は各々19/3,24/3,17/4,20/3, 11/3,17/4であるので,BQAM = 91/16である.し たがって,差動符号化24QAM方式のビット誤り率

PBER DIFF は,式(12)よりEb/N0をγbとして次式 で与えられる.

PBER DIFF(γb) = 91/144 erfc



4.5γb/14



(20)

図6に,12QAM及び24QAMのBER特性の理論値 とシミュレーション結果(■及び◆)を示す.本提案の 符号化を用い差動符号化を適用しない12QAMでは, 従来例[9]に比べて BER = 1× 10−3 点で約0.4 dB 優れている[11].また,12QAMは8PSKに比べて伝 送効率が高く(3.5 bit/symbol),BER = 1× 10−6点 の所要Eb/N0 で約0.5 dB優れている.24QAMは, 伝送効率及び所要Eb/N0で16QAMと32QAMの中 間の特性を有する.

4.

多値数を

2

の自然数乗としない

QAM

方式の適用領域と課題

多値数がM = 2n の変調方式は伝送効率ηT を自 然数に限定しない.したがって,これらの変調方式は 適応変調の要素技術として利用できる.つまり,従来 の伝送効率と所要Eb/N0 特性において中間点を提供

(12)

図 7 3× 2p−1QAM方式の伝送効率と所要Eb/N0の 関係

Fig. 7 Transmission efficiency vs. requiredEb/N0 of 3× 2p−1QAM. できることにより,伝搬状況に応じて細かく変調方式 を設定できる.図7に各変調方式の伝送効率対所要 Eb/N0 特性を示す.BER = 1× 10−3 と1× 10−6の 所要Eb/N0 をそれぞれ◆,■で示し,位相数または 多値数を2nとするPSKまたはQAMの対応する値 を◇,□で参考に示している.これら変調方式は,複 数のシンボル誤りが複数のビット誤りに影響するため, 誤り率特性で大きく劣ると考えがちである.しかし, 本論で提案のマッピングを適用することで,多値数を M = 2n とする変調方式を結んだ線上の中間の特性 を実現していることが分かる.なお,多値数M = 2nM-QAM方式は,復調器において符号化シンボル 同期が必要になる.これは従来の変復調方式にない新 たな機能であるが,従来の方式でもフレーム同期機能 を備えており,この機能を利用すれば送信データの先 頭を知ることができるので,符号化シンボル同期も容 易に確立することができる.したがって,変復調器実 現上の問題は少ないと考えられる. 本論文のM-QAM方式では,硬判定による復調と している.誤り訂正方式の適用においては,M-QAM 方式は3,5,7,のように2nではない因数M0 を多 値数に含んでおり,これらの値を符号アルファベット とする非二元誤り訂正方式との整合性が良いと考え られる.誤り訂正方式の最適化は今後の課題と考えら れる.

5.

む す び

本論文は,pを3以上の整数として,伝送効率を p+1/4p+1/3p+1/2p+2/3p+3/4 bit/symbol と す る M-QAM 方 式 の 実 現 性 を 明 ら か に し た .

32QAMと64QAMの間として40QAM,44QAM,

48QAM,56QAM,60QAMのシンボル誤り率(SER) の近似式を示した.また,3× 2p−1-QAM方式につい てビット誤りの最小化に注目して構成法を示した.特 に12QAM,24QAMのビット誤り率(BER)の理論 値を差動符号化の有無の条件で示し,コンピュータシ ミュレーションにより検証した.その結果,M = 2nM-QAM方式は多値数に見合った所要CNRの増 加で伝送効率の向上を実現することを示した.また, 3× 2p−1-QAM方式は 2n-QAMの伝送効率と所要 Eb/N0 で中間の値となることを示した.以上の結果 から,M-QAM方式は適応変調方式の選択肢を広げ る意味でも有効であると考えられる. 今後の課題として,M-QAM方式を適応変調に適 用した場合のスループット改善効果を確認する必要が ある. 文 献

[1] L.F. Wei, “Trellis-coded modulation with multidi-mensional constellations,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.IT-33, no.4, pp.483–501, July 1987.

[2] C.E.D. Sterian, F. Laue, and M. Patzold, “Trellis-coded quadrature amplitude modulation with 2 N-dimensional constellations mobile radio channels,” IEEE Trans. Veh. Technol., vol.48, no.5, pp.1475– 1487, Sept. 1999.

[3] J.W. Lechleider, “Line codes for digital subscriber lines,” IEEE Commun. Mag., vol.27, no.9, pp.25–32, Sept. 1989. [4] 小川謹一郎,酒井善則,若原俊彦,“6.312 Mb/s PCM-FDM変換装置の設計,”通研実用化報告,vol.26, no.3, pp.985–1010, 1977. [5] 斉藤洋一,ディジタル無線通信の変復調,pp.116–125, 電 子情報通信学会,1996.

[6] J.G. Proakis, Digital Communications (fourth edi-tion), p.278, McGraw-Hill, 2000.

[7] 小牧省三,“可変容量マイクロ波方式に関する検討,”信学論 (B-II),vol.J73-B-II, no.10, pp.498–503, Oct. 1990. [8] 池田武弘,三瓶政一,森永規彦,“適応変調ダイナミック チャネル割当方式を用いたマルチメディア無線通信シス テム,”信学論(B-I),vol.J81-B-I, no.11, pp.681–690, Nov. 1998. [9] 電波産業会,“第二世代コードレス電話システム,ARIB STD-28(第四版),” March, 2002.

[10] S. Noda, K. Nakamura, and K. Koga, “Performance and application of PSK modulation whose number of phases is not a power of 2,” Proc. ISITA’02, pp.239– 242, Xi’an, Oct. 2002.

[11] 野田誠一,“12QAM におけるビット誤りを最小化するマッ ピングの検討,” 2004信学総大,B-5-202, March 2004.

(13)

[12] 今井秀樹,符号理論,p.32, 電子情報通信学会,1990. (平成 16 年 7 月 22 日受付,11 月 20 日再受付) 野田 誠一 (正員) 昭 48 阪大・基礎工・電気卒.昭 50 同大 大学院修士課程了.同年日本電気入社.マ イクロ波通信装置,高速無線アクセスシス テム,等のシステム開発に従事し,特に, 多値変復調技術,誤り訂正技術の開発に 従事.情報理論とその応用学会,IEEE 各 会員. 斉藤 洋一 (正員) 昭 47 東工大・工・電子物理卒.同年日本電信電話公社(現 NTT)入社.平 10 和歌山大学システム工学部教授,現在に至 る.この間,ディジタル無線通信システムの変復調,適応等化, 誤り訂正などの研究に従事.工博.平 8 本会論文賞,平 14 電 気通信普及財団テレコムシステム技術賞受賞.著書「ディジタ ル無線通信の変復調」(本会),「信号とシステム」(コロナ社). IEEE会員. 吉田 彰顕 (正員) 昭 48 阪大・基礎工・電気卒.昭 50 同大 大学院修士課程了.同年日本電信電話公社 (現 NTT)横須賀電気通信研究所入所.主 にディジタル無線通信システムの研究開発 に従事.工博.平 11 広島市立大学情報科 学部教授.現在,メディア融合型情報ネッ トワークの研究に従事.情報処理学会,IEEE 各会員.

Fig. 1 Configuration of M -QAM modulation/
表 2 2 値/ M 0 値変換の基本パラメータ Table 2 Basic parameters for binary/ M 0 conversion.
表 3 多値数を 2 の自然数乗としない M -QAM 方式
表 4 32QAM と 64QAM の間の M -QAM 方式のパラメータ Table 4 M -QAM schemes between 32QAM and 64QAM.
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参照

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約3倍の数値となっていた。),平成 23 年 5 月 18 日が 4.47~5.00 (入域の目 的は同月

当日 ・準備したものを元に、当日4名で対応 気付いたこと

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