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コーチング教育導入による事業所社員の精神健康面への効果 (研究ノート)

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Academic year: 2021

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(1)人 間 看 護 学 研 究   10:109-115(2012). 109. 研 究 ノー ト. コー チ ング教 育 導 入 に よ る事 業 所 社 員 の 精 神 健 康 面 へ の効 果. 中 田 ゆ か り1),比 嘉   勇 人2),甘. 佐   京 子3).           1)参天 製 薬 株 式 会 社 滋 賀 工 場        2)富 山 大 学 大 学 院 医 学 薬 学 研 究 部           3)滋賀 県 立 大 学 人 間 看 護 学 部 背 景   精 神 的 ス トレス に よ る企 業 労 働 者 の健 康 被 害 が増 加 傾 向 に あ り、 組 織 的 ・継 続 的 な精 神 保 健 一 次 予 防 が 重 視 さ れ て い る。 しか し、 そ の 具 体 的 な 方 策 と効 果 に 関 す る研 究 報 告 は 少 な い。X事 業 所 で の先 行 調 査(2007)に. よ る と、 精 神 保 健 一 次 予 防 の要 と して 「 従 業 員 間 の良 好 な コ ミュニ ケ ー シ ョ ンの促 進 」. が 指 摘 され て い る。 目的   本 研 究 で は、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンを 強 調 した コー チ ン グ教 育 プ ロ グ ラム の 導 入 に よ る精 神 健 康 度 へ の 効 果 にっ いて 検 討 す る こ とを 目的 と した。 方 法   X事 業 所 の 管 理 職 補 佐 社 員 の 男 女41名 に コー チ ン グ教 育 プ ロ グ ラ ム を4回 実 施 した 。 調 査 対 象 者 は全 社 員(管 理 職 社 員 、 管 理 職 補 佐 社 員 、 一般 社 員)104名 育 導 入 前)」 「第2回(2008年11月)」. 「第3回(2009年5月)」. と し、 「第1回(2008年5月:コ. ー チ ング教. 「第4回(2009年10月:コ. ー チ ング教 育 終. 了 後)」 に精 神 健 康 度 の指 標 と して 用 い た 日本 語 版General  Health  Questionnaire12項. 目 版(以. GHQ)へ. 」 のGHQの. の 回 答 を求 め た 。 統 計 的分 析 に つ いて は、 有 効 回 答 者51名(男. 点 分 布 か ら 『精 神 健 康 度 高 群(n-8)』 に分 け、 群 別 にGHQ平. 『精 神 健 康 度 中 群(n-37)』. 均 得 点(従 属 変 数)と 測 定 時 期(独. 較 検 定 を行 な った。 有 意 水準 は5%と. 性)を. 「 第1回. 『精 神 健 康 度 低 群(n-6)』. 立 変 数)の. 下、 得. の3群. 一 元 配 置 分 散 分 析 お よ び多 重 比. した。. 結 果   分 散 分 析 の 結 果 、 『精 神 健 康 度 低 群 』 に の み 、 測 定 時 期 に有 意 な主 効 果 が 認 め られ た(p=0.01)。 そ こで 多 重 比 較 検 定 を 行 った と こ ろ、 『精 神 健 康 度 低 群 』 の 「第1回(26.33±5.24)」 50±1.64)」 でGHQ平. と 「第3回(16.. 均 得 点 が 有 意 に低 下 した(p-0.04)。. 結 論   コ ー チ ン グ教 育 導 入 に よ る精 神 健 康 度 へ の 効 果 は 『精 神 健 康 度 低 群 』 で の み 認 め られ た。 そ の 理 由 と して 、 『精 神 健 康 度 低 群 』 へ の周 囲 の 支 え とい う交 絡 因子 が 考 え られ 、 コ ー チ ン グ教 育 の受 講 者 で あ る管 理 職 補 佐 社 員 の 直 接 関 与 が 一 要 因 に な った と推 察 され る。 した が って 、 コ ー チ ング教 育 の 導 入 が 精 神 保 健 一 次 予 防対 策 の 直 接 ま た は間 接 的 な有 効 的 手 段 の ひ と っ に な る こ とが 示 唆 さ れ た。 本 プ ロ グ ラ ム の プ ロセ ス評 価 と して は、3∼5ヵ 月 の実 施 間 隔 が 非 効 果 的 で あ った こ とが 指 摘 さ れ、 本 プ ロ グ ラ ム の最 適 な実 施 回 数 にっ いて も負 荷 軽 減 の方 向 で の 検 討 を要 した。 精 神 健 康 面 の向 上 に 向 け た よ り質 の 高 い プ ロ グ ラ ム の構 築 、 職 場 で の フ ォ ロ ワ ー の役 割 を 担 う人 材 育 成 等 の シス テ ム構 築 が 、 今 後 の課 題 で あ る。 Effects. of coaching. ganizational Yukari. mental. health. promotion. of. or-. ",. School. Hayato. Higa",. Co . , Ltd. of Medicine and. esearch, UNIVERSITY "University of Shiga. 2011年9月30日. キ ー ワー ド  コー チ ン グ教 育 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン、 精 神 保 健一次予防. Pharmaceutical. "Graduate. 連 絡 先:中. on. employees. Nakada. "Santen. education. Kyoko. Shiga Plant, Pharmaceutical. OF TOYAMA, Prefecture School. 受 付 、2012年1月9日. 田ゆか り. Amasa". 受理. 1.緒 Sciences. for.  言. R.   厳 しい経 済 環 境 の 下 、 企 業 間 の 競 争 の激 化 や 人 事 労 務 of Human. Nursing. 管 理 の 変 化 等 、 労 働 環 境 の急 激 な変 化 に伴 う労 働 者 の ス トレ ス は増 加 の一 途 に あ る。 厚 生 労 働 省 が 行 っ た 「平 成 19年 労 働 者 健 康 状 況 調 査 」1)では 、 約6割. の労 働 者 が.       参 天 製 薬 株 式 会 社   滋 賀工 場. 「仕 事 に 関 して 強 い不 安 ・悩 み ・ス ト レス を 感 じ る」 状. 住   所:犬 上 郡 多 賀 町 四手348-3. 況 に あ る。 財 団 法 人 社 会 経 済 生 産 性 本 部2)が 上 場 企 業 に. e-mail : Yukari. Nakada@santen.co.jp. 対 して 最 近3年 間 の心 の病 の増 減 傾 向 を調 査 した と ころ、.

(2) 中田ゆか り. 110. 56.1%の 企 業 が 「増 加 傾 向 」 と回 答 して い る。 ま た 、 メ ンタ ル ヘ ル ス が 不 調 に な る と、 メ ン タル ヘ ル ス不 調 関 連. 員(管 理 職 や 管 理 職 補 佐 社 員 を含 め た全 社 員)の 精 神 健. 疾 患 の治 療 費 や 二 次 的 な 健 康 障 害 の治 療 費 、 休 業 に よ る.   な お 、 本 研 究 で は、 管 理 職 補 佐 社 員 を 「係 長 ク ラ ス お よ び 部 下 を もっ工 程 責 任 者 の職 位 の 者 」 と定 義 した。. 労 働 損 失 、 体 調 不 良 者 の 出 勤 中 の生 産 性 低 下 に よ る労 働 損 失 な どの 経 済 的 損 失 を 生 じる。 厚 生 労 働 省 は 、 自殺 や うつ 病 に よ って2009年 に 日本 経 済 が受 け た損 失 額 は2兆 6800億 円 に上 っ た と の推 計 を 公 表 した3)。   企 業 に お い て は、 うっ 病 を 中心 とす る メ ン タル ヘ ル ス. 康 度 へ の 変 化 に っ い て 検 討 す る こ とを 目的 と した。. 皿.概. 念枠組み.   背 景 的 要 因 を も ったX事 業 所 の 管 理 職 補 佐 社 員 に コー チ ン グ教 育 プ ロ グ ラ ム を導 入 す る こ とで 、 管 理 職 や一 般. 不 調 者 が 増 加 して お り、 うっ 病 を 患 う労 働 者 の 休 業 お よ び生 産 性 低 下 に伴 う経 済 的 損 失 、 お よ び職 場 に お いて こ の よ うな 労 働 者 に対 す る安 全 配 慮 義 務 を ど の よ う に遂 行. 社 員 を 含 め た全 社 員 の コ ミュニ ケ ー シ ョ ン量 の増 加 や コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ス キ ル な どが 変 化 し、 精 神 的健 康 に. して い くか と い う こ とが 問 題 とな って い る。 また 、 うつ.   今 回 、 管 理 職 で は な く管 理 職 補 佐 社 員 を教 育 した 理 由 は三 っ あ る。 一 っ 目 に管 理 職 は社 内 研 修 の必 須 項 目の 一. 病 を患 う労 働 者 は、 身 体 的 疾 病 に よ る休 業 に 比 べ て 休 業. 影 響 を与 え るの で は な い か とい う も の で あ る(図1)。. 期 間 が長 期 に な る こ とが 多 く、 復 職 して も再 燃 ・再 発 に よ る休 業 の 繰 り返 しや 発 病 以 前 の 業 務 遂 行 レベ ル に戻 る. っ と して す で に受 講 して い る こ と、 二 っ 目 に管 理 職 補 佐. ま で の リハ ビ リ期 間 を 要 す るな ど、 そ の対 応 に苦 慮 して い る企 業 が 多 い。. 可 能 性 が高 い こ と、 三 っ 目 に一 般 社 員 とか か わ る こ とが.   メ ンタ ル ヘ ル ス 不 調 者 を サ ポ ー トす る産 業 保 健 ス タ ッ. 社 員 は管 理 職 よ り人 数 が 多 く、 多 くの人 に影 響 を 与 え る 多 く、 事 実 上 最 も相 談 を聴 くこ と が多 い と考 え た た め で あ る。. フ(産 業 医 、 産 業 看 護 職 、 産 業 カ ウ ンセ ラ ー等)の 予 防 活 動 と して 、 作 業 環 境 改 善 や 労 働 安 全 衛 生 教 育 な どの 問 題 を 未 然 に防 ぐ た め の 「一 次 予 防 」、 調 査 票 に よ る ス ク リー ニ ング や健 診 ・診 療 な どの 問 題 の 早 期 発 見 と対 処 を 目的 と した 「二 次 予 防 」、 そ して治 療 と職 場 復 帰 支 援二 、 再 発 予 防 を 中 心 と した 「三 次 予 防 」 が あ る。 しか し、 現 実 に は復 職 困 難 事 例 、 対 人 関 係 ス キ ル の 未 熟 さ や パ ー ソ ナ リテ ィ上 の 問 題 に よ る職 場 不 適 応 事 例4)5)6)7)等へ の 対 応 に追 わ れ て い る こ とが 多 い。 ま た 、 職 場 か ら メ ンタ ル ヘ ル ス不 調 者 が 出現 す る と、 業 務 負 荷 の調 整 を 図 る た め に他 の従 業 員 に業 務 が 分 散 さ れ 、 結 果 的 に他 の 従 業 員 の 業 務 負 荷 が 増 大 し、 新 た な メ ン タル ヘ ル ス不 調 者 が 出. 図1  概念枠組み. 現 す る とい う悪 循 環 に 陥 る場 合 もあ る。 この た め 、 組 織 的 ・継 続 的 な精 神 保 健 一 次 予 防 対 策 が 重 視 され て い るが 、 そ の具 体 的 方 策 と効 果 にっ い て の 研 究 報 告 は少 な い。   医 薬 品 製 造 工 場 で あ るX事 業 所 に お い て も精 神 保 健 予 防 対 策 の 強 化 が検 討 され 、2007年11月. に事 業 所 社 員 を対. 象 と した調 査 が 実 施 さ れ た。 そ の 結 果 、 「コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン不 足 と精 神 的 健 康 問 題 と の関 連 」 が 明 らか と な り、. 皿.研 1.コ. 究方 法 ー チ ング 教 育 プ ログ ラ ム 内 容.   コ ー チ ン グ 教 育 は 、2008年8月. か ら2009年8月. の問 に. 「従 業 員 間 の 良 好 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの促 進 」 が 精 神. 4回. 保 健 一 次 予 防 対 策 と して 最 重 要 課 題 で あ る こ とが 指 摘 さ れ た。 この 調 査 結 果 か ら、 「良 好 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン」. した。   実 施 時 期 は 、 教 育 受 講 に 際 し業 務 上 最 も 出 席 しや す い. の た め に は 「コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ス キ ル の 向 上 」 「信. 2008年8月(第1回)、2009年1月(第2回)、2009年5. 頼 関 係 」 「指 示 命 令 型 で な く、 双 方 向 の コ ミュニ ケ ー シ ョ ン」 「一 人 ひ と りの 個 性 に 合 わ せ る」 「互 い に学 び合 う」.   実 施 方 法 は、 講 義 と 演 習(ロ. シ リ ー ズ で 実 施 し、1回. あ た り2時. 月(第3回)、2009年8月(第4回)と. 間 で 計8時. 間 と. した 。 ー ル プ レ イ を 含 む)と. し. が 必 須 で あ る。 そ の条 件 を満 た す もの と して、 近 年 保 健. た。 そ の講 師 は、 本 研 究 の研 究 者 が 担 当 した。. 医 療 の分 野 で も注 目 さ れ て い る 「コー チ ング」 に着 目 し た。.   コ ー チ ン グ教 育 受 講 者 は 、X事.   そ こ で本 研 究 で は 、X事 業 所 の管 理 職 補 佐 社 員 を対 象 に 、 コ ー チ ング教 育 プ ロ グ ラ ム の導 入 に よ るX事 業 所 社. で 研 究 の 協 力 が 得 られ た 男 女41名 で あ っ た 。 平 均 年 齢 は 、. 業 所 の管 理 職 補 佐 社 員. (係 長 ク ラ ス お よ び 部 下 を も つ 工 程 責 任 者 の 職 位 の 者). 38.24±8.23歳(平. 均 年 齢 ± 標 準 偏 差)で. あ っ た。.

(3) コー チ ング教 育 導 入 に よ る事 業 所 社 員 の精 神 健 康 面 へ の 効 果.   教 育 内 容 は 、 研 究 者 が コ ー チ ン グ に 関 す る 文 献8)-21) を 参 考 に 、 対 象 者 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ス キ ル や 理 解 度 を 考 慮 して 有 用 と考 え ら れ る 内 容 を 選 択 して 作 成 した 。 第1回. 111. 第3回. は 「第1回. 4回 は 「第1回. ・第2回 ・第2回. の 復 習 」 「承 認 の ス キ ル 」、 第 ・第3回. の 復 習 」 「総 ま と め 演. 習 」 「質 疑 応 答 」 と し た(表1)。. は 「コ ー チ ン グ 概 要 」 「コ ー チ ン グ の 考 え 方 」 「傾. 聴 ス キ ル 」、 第2回. は 「第1回. の 復 習 」 「質 問 の ス キ ル 」、. 2.研. 究対象者.   X事 業 所 の 全 社 員(管. 表1 . 理職 社員、 管理職補佐 社員、一. 般 社 員)104名(2008年5月. コ ー チ ング教 育 プ ログ ラ ム の 内 容. 現 在)の. うち 、 本 研 究 の趣. 旨 に 賛 同 し 同 意 し た 者 で 、 社 内 イ ン ト ラ ネ ッ トお よ び 質 第1回(2008年8月). 問 紙 を利 用 して 自記 式 で 回 答 で き る こ と を条 件 と し た。.   1.コ. こ の104名. ー チ ング概 要.     1)コ. ー チ ン グの語 源.     2)コ. ー チ ン グの 目的.   2.コ. 月 、2009年10月. ー チ ン グの考 え方. (男 性51名. ー チ ン グの基 本 的 な 考 え 方.     2)コ. ー チ ン グ の エ ッ セ ン ス(「 信 」 「認 」 「任 」).   3.コ. 、2009年5. と もデ ー タが収 集 で きた者 の うち、. 、 女 性11名)こ. 男 性 社 員51名 ±8.17歳. ー チ ン グの哲 学.     4)コ. の4回. 、2008年11月. 欠 損 値 の あ る もの を 除 い た。 女 性 の 対 象 者 数 が 少 な い.     1)コ     3)コ. を 対 象 に2008年5月. と か ら女 性 を 省 き 、 最 終 的 に. を 分 析 対 象 者 と し た 。 平 均 年 齢 は 、34.10. で あ っ た。. ー チ ン グの人 間観 ー チ ン グ の ス キ ル ①:『.     1)コ. 傾 聴 ス キ ル』. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの 割 合.     2)「. 5月 、2009年10月.     3)話. を 「聴 く」 ポ イ ン ト.     4)話. を 「聴 く」 座 り 方 ・姿 勢. ーチ ング概 要.     2)コ. ーチ ングの 考 え 方.     3)コ. ー チ ン グ の ス キ ル ①:『. 2009年5月 傾聴 スキル』.     4)『 傾 聴 ス キ ル 』 を 用 い た 演 習 ー チ ン グ の ス キ ル ②:『. 質 問のスキル』. ー チ ン グ で 必 要 な 質 問:拡.  . デ ル」 と質 問 例. 第3回(2009年5月)     1)コ. ー チ ン グ の ス キ ル ①:『. 傾 聴 の スキ ル』.     2)コ. ー チ ン グ の ス キ ル ②:『. 質 問 の ス キ ル』. 傾 聴 ス キ ル 』 と 『質 問 ス キ ル 』 を 用 い た 演 承 認 の ス キ ル』.     1)『 承 認 の ス キ ル 』 と は. は 得 点 が 低 い ほ ど 精 神 健 康 度 が 高 く、 得 点. ほめ 言 葉 」 を伝 え る と きの ポ イ ン ト の タイプ.     5)『 承 認 ス キ ル 』 を 用 い た 演 習. 「た ま に あ っ た 」 を1点. 、 「と き ど き あ っ た 」 を2点. 「し ば し ば あ っ た 」 を3点. 「と き ど き あ っ た 」 を1点. た(逆. 、 「し ば し ば あ っ た 」 を0点.   統 計 的 分 析 に っ い て は 、 有 効 回 答 者51名(男 2008年5月(1回. ・第3回 の 復 習. 目:コ. の 得 点 分 布(表2)か. ら 精 神 健 康 度 別 に3群. 均 得 点(従. 属 変 数)と. ー チ ン グ 教 育 導 入 前)、2008年11月. ー チ ン グ 教 育 導 入 中)、2009年5月(3回. 『傾 聴 の ス キ ル 』. (2回. ー チ ン グの スキ ル ②  . 『質 問 の ス キ ル 』. コ ー チ ン グ 教 育 導 入 中)、2009年10月(4回.   3)コ. ーチ ン グの ス キ ル③  . 『承 認 の ス キ ル 』. 疑応答. 測 定 時 期(2008年. 目:コ. 目:コ. ン グ 教 育 導 入 後))(独. 立 変 数)と. よ び 多 重 比 較 検 定(Bonferroni法)を   統 計 処 理 はSPSS . 性)を. に 分 類 し、. 5月(1回. ー チ ン グの スキ ル ①  . 3.質. 、 と. ー チ ン グ 教 育 導 入 前)のGHQ.   2)コ. ま とめ 演 習. 転項 目にっい. 、 「た ま に あ っ た 」 を2点.   1)コ. 2.総. 、 、. と し、 リ ッ カ ー ト法 を 用 い て. こ れ ら の 点 数 を 合 計(0∼36点)し. 群 別 にGHQ平. 第4回(2009年8月) ・第2回. 採. 目 の 質 問 に 対 し 、 「ま っ た く な い 」 を0点. した 。)。.     2)『 承 認 の ス キ ル 』 で 必 要 な ポ イ ン ト. 1.第1回. 『GHQ』. が 高 い ほ ど 精 神 健 康 度 が 低 い と さ れ て い る 。GHQの. て は 、 「ま っ た く な い 」 を3点.      習.     4)4っ. か ら2009年11月30. 析方法. 点 方 法 は12項. ・第2回 の 復 習.     3)「. ー タ を用 い た 。. 大 質 問 ・未 来.     3)『 質 問 ス キ ル 』 を 用 い た 演 習. ー チ ン グ の ス キ ル ③:『. 、. 業 所 の み で 収 集 した 自記 式. 日で あ っ た。.     2)「GROWモ.   2.コ. ー タ を 用 い 、2008年5月. に っ い て は 、X事.   デ ー タ 収 集 期 間 は 、2008年6月25日. 4.分.     3)『. 採 用 し た 。2008年11. は全 社 的 に 実 施 して い る 社 内 イ ン トラ ネ ッ. 質 問 紙 に よ るGHQデ.         質 問 ・肯 定 質 問.   1.第1回. 、2009年. Health  Question-. 下、  GHQ)を. トを 利 用 し て 収 集 し たGHQデ. の復 習.     1)コ. 目 版(以. 月 、2009年10月. 第2回(2009年1月)     1)コ. 、2008年11月. の健 康 診 断 時 期 に 合 わ せ 、 精 神 健 康 度. を 測 定 す る 日 本 語 版GHQ(General  naire)12項.     5)『 傾 聴 ス キ ル 』 を 用 い た 演 習.   2.コ. 査方 法.   デ ー タ 収 集 方 法 は 、2008年5月. き く」 の 意 味.   1.第1回. 3.調. 目: 目:コ. ーチ. の一元配置分 散分析 お 行 な った。. 17. OJ  for Windowsを. 使 用 し、 有.

(4) 112. 中 田 ゆか り. 意 水 準 は5%と. した。. (6名))に. 分 類 した 。.   分 類 方 法 に っ いて は、 『精 神 健 康 度 高 群 』 はGHQ平 表2  GHQの. 得 点(15.22点)か. 記述統計. 値 よ り小 さ い整 数(9点)以 『精 神 健 康 度 低 群 」 はGHQ平. 記述統計量 時期. ら標 準 偏 差(5.98点)を. 度数 最小値 最大値 平均値 標準偏差. 均. 差 し引 い た. 下 の 者(8名)と 均 得 点(15.22点)に. した 。 標準. 2008年5月. 51      5     21    15.22     5.98. 偏 差(5.98点)を の 者(6名)と. 足 した値 よ り大 き い整 数(22点)以 上 した。 『精 神 健 康 度 中群 」 は 『精 神 健 康. 2008年11月. 51      7     21    16.43    4.80. 度 高 群 』 と 『精 神 健 康 度 低 群 』 以 外 の 者(10∼21点). 2009年5月. 51     3     21   14.35    4.43. 2009年10月. 51      7     21    16.20    5.04. (37名)と した。2008年5月 、2008年11月 、2009年5月 、 2009年10月 の 精 神 健 康 度 群 別GHQ平 均 得 点 は表3の と お りで あ った。. 有効なケー スの数(リ ス トごと)   51. 表3  精神健康度群別GHQ平 均得点 5.倫. 理 的配慮. 精神健康度高群. 精神健康度 中群. 精神健康度低群.   事 前 に研 究 者 がX事 業 所 の 事 業 所 長 に本 研 究 の 趣 旨 ・. (GHQ9点 以下). (GHQ10∼21点). (GHQ22点 以上). 目的 を説 明 し、 秘 密 厳 守 を約 束 した 上 で 、 本 研 究 の実 施 にっ い て 同 意 と了 承 を 得 た。 ま た 、 研 究 の実 施 に当 た っ.     n=8.     n=37.     n=6. 2008年05月. 7.00±1.60. 15.19±3.12. 26.33±5.24. て は、 滋 賀 県 立 大 学 研 究 に関 す る倫 理 審 査 委 員 会 の承 認. 2008年11月. 11.50±2.98. 16.78±4.24. 20.83±5.04. (平 成20年. 2009年05月. 9.38±4.24. 15.08±4.07. 16.50±1.64. 2009年10月. 11.88±5.33. 16.73±4.71. 18.67±3.93. 第69号)を. 得 た。.   今 回 の調 査 は、総 所 要 時 間10∼30分 の社 内 イ ン トラネ ッ トお よ び 質 問 紙 へ の 回 答 の み で あ っ た た め、 侵 襲 性(危 険 性)は 非 常 に低 い と考 え られ た 。 ま た、 教 育 受 講 者 で あ る管 理 職 補 佐 社 員(41名)に っ いて は、 一・ 回 当 た り2.  . 『精 神 健 康 度 高 群 』 のGHQ平. 時 間 の教 育 を4回 受 講 す る とい う時 間 的拘 束 を 必 要 と し た が、 教 育 内 容 の特 性 と して若 干 の 心 身 の 反 応 が 生 じ る. が7.00±1.60点. が 、 侵 襲 性(危. り 、2008年5月. 険 性)は 非 常 に 低 い と考 え られ た。. 、2008年11月. 5月 が9.38±4.24点. 均 得 点 は 、2008年5月 が11.50±2.98点. 、2009年10月. のGHQ平. 、2009年. が11.88±5.33点. で あ. 均 得 点 が 最 も低 か っ た 。.   調 査 対 象 者 に対 して は、 研 究 の 意 義 、 目的 、 方 法 、 予 測 さ れ る結 果 や危 険 な ど に っ い て 、 社 内 イ ン トラ ネ ッ ト や質 問 紙 の 文 面 に よ り十 分 な説 明 を行 った 。 特 に 「研 究 へ の参 加 は任 意 で あ り、 参 加 に 同 意 しな い こ と を も って 不 利 益 な対 応 を受 けな い こと、参 加 に同 意 した場 合 で あ っ て も、 不 利 益 を受 け る こ とな くこれ を撤 回 す る こ とが で き る」 こ と の保 障 を 強 調 した。 こ の 内容 を 理 解 した うえ で、 自 らの 自 由意 志 に基 づ き回 答 した 時点 で 本 人 か らの 同意 が 得 られ た もの と した。   取 得 した 個 人 情 報 は、X事 業 所 健 康 支 援 室 内 で 管 理 し、 厳 格 な ア ク セ ス権 限 の 管 理 と制 御 を行 った 。 ま た、 デ ー. 図2 . GHQ平. 均 得 点(精 神 健 康 度 高 群   n=8). タの 保 管 に 当 た って は、 個 人 を 特 定 で きな い よ うに して 取 り扱 い、 安 全 管 理 の 徹 底 を 図 っ た。   本 研 究 へ の参 加 に よ り心 身 の 不 調 が生 じ た場 合 は、 た だ ち に産 業 医 の 介 入 を要 請 す る こ と と した 。.  . 『精 神 健 康 度 中 群 』 のGHQ平. が15.19±3.12点. 、2008年11月. 5月 が15.08±4.07点. IV.研. り、GHQ平. 究結果. 点 と3群.  有 効 回 答 者51名(男 性)を2008年5月(1回 目:コ ー チ ング 教 育 導 入 前)のGHQの 平 均 得 点 ±標 準 偏 差(表. 2008年. 2)か.  . (8名)、. ら精 神 健 康 度 レベ ル別 に3群(『. 精神健康 度高群』. 『精 神 健 康 度 中 群 』(37名)、 『精 神 健 康 度 低 群 」. 均 得 点 は 、2008年5月 が16.78±4.24点. 、2009年10月. 均 得 点 の 最 低 点 が15.08点. あ る い は11月. と も5月 はGHQ平. のGHQ平. また、. 均 得 点 が 低 く、10月. 均 得 点 が 高 くな って い た 。. 『精 神 健 康 度 低 群 』 のGHQ平. が26.33±5.24点. で あ. 、 最 高 点 が16.78. 中 最 も 点 差 が 小 さ か っ た(1.70点)。. 、2009年. 、2009年. が16.73±4.71点. 、2008年11月. 均 得 点 は 、2008年5月 が20.83±5.04点. 、2009年.

(5) コ ー チ ング教 育 導 入 に よ る事 業 所 社 員 の精 神 健 康 面 へ の 効 果. 113. 表4  一元配 置分散分析 および多重比較検定の結果 分散 分析. GHQ平 均得点 測 定 時 期. 図3  GHQ平. 均 得 点(精 神 健 康 度 中群:n=37). 5月 が16.50±1.64点 り 、2008年5月. のGHQ平. そ の 後GHQ平 16.50点. 、2009年10月. が18.67±3.93点. 均 得 点 が26.33点. と 最 も 高 く、. 均 得 点 が 低 下 し て い き 、2009年5月. が の. 精 神 健 康 度 が 最 も良 く な っ て い た 。 ま た 、2008年5月. と. のGHQ平. い た 。2009年10月 月 のGHQ平. 均 得 点 の 点 差 が 約10点 は 約2点. P. 精 神 健 康 度  高 群 第1-2-3-4回. 1.82 . 3.35. 0.71. 一. 精 神 健 康 度   中群 第1-2-3-4回. 3 . 3.46. 0.02. n.s.. 精神健康度  低群 第1-2-3-4回. 3 . 6.43. 0.01. 第1回 〉 第3回   (p=0.04). であ. と 最 も 低 く な っ て い た 。 っ ま り、2009年5月. 2009年5月. df    F. 多重比較検定 (Bonferroni法). 低 くな って. 高 く な っ た も の の 、2009年5. 均 得 点 に 次 い で 低 い点 数 で あ っ た。. のGHQ平. 均 得 点 よ り有 意 に 低 くな った(精. 高 くな った)と. V.考. 神 健康度 が. い え る。.  察.   2008年5月. 、2008年11月 、2009年5月. 計4回GHQを. 実 施 し、0元. 、2009年10月. の. 配 置 分 散 分 析 お よ び多 重 比. 較 検 定 を 行 な っ た。GHQは 点 数 が 低 い ほ ど精 神 健 康 度 が 高 く、 点 数 が 高 い ほ ど精 神 健 康 度 が 低 い と され て い る。 本 研 究 結 果 で のGHQ平. 均 得 点 は14.35点 か ら16.20点 と. な っ て お り、 新 納 ら22)が大 企 業2社. の 社 員(平. 均年齢. 39.16歳)を 対 象 に 行 ったGHQ平 均 得 点 の14.39点 と 比 べ、 同 レベ ル も し くは2点 程 度 高 い傾 向 で あ っ た。1997 年 に 実 施 した調 査 結 果 で あ るた め 、 そ の 後 の 経 済 的背 景 や労 働 者 の環 境 な ど大 き く変 動 して い る こ とや 今 回 男 性 の み を 対 象 に した た あ デ ー タ に偏 りが あ る可 能 性 も否 定 で き な い が 、 こ の研 究 結 果 と比 較 す る と、X事 業 所 の 精 図4  GHQ平. 均 得 点(精 神 健 康 度 低 群:n=6).  GHQ平 均 得 点 の4回(2008年5月 、2008年11月 、 2009年5月 、2009年10月)に っいて、有意 な差が あるか. 神 健 康 度 は著 し く低 い結 果 で は な か っ た と考 え られ る。   コ ー チ ン グ教 育 導 入 前(2008年5月)のGHQ得 点の 点 数 別 に3群 に分 け、 一 元 配 置 分 散 分 析 を 行 った 結 果 、. ど うか を 検 討 す る た め、 反 復 測 定 に よ る対 応 の あ る一 元. 『精 神 健 康 度 低 群(GHQ22点 以 上)』 の み 有 意 な 差 が 認 δ6られ た(p=0.005)。2008年5月 のGHQ平 均 得点 が最. 配 置 分 散 分 析 を用 い て 精 神 健 康 度 別(『 精 神 健 康 度 高 群. も高 く(26.33点)、2008年11月(20.83点)、2009年5月. (GHQ  g点 以 下)』、 『精 神 健 康 度 中 群(GHQ10∼21点)』 、 『精 神 健 康 度 低 群(GHQ22点 以 上)』)に3群 に分 け て 分. (16.50点)と. 低 くな り、1年. 間 で9.83点 のGHQ平. 均得. 析 を 行 っ た。. 点 の低 下 が 認 め られ た 。 ま た、2008年5月 と2009年5月 で は 有 意 な差 が 認 め ら れ た(p=0.040)。 こ れ は 、 『精 神.   そ の結 果 、 『精 神 健 康 度 中 群 』 と 『精 神 健 康 度 低 群 』 につ い て は実 施 時 期 で有 意 な差 が あ り、 『精 神 健 康 度 高. 健 康 度 低 群 』 へ の 周 囲 の 支 え と い う交 絡 因 子 が 考 え られ 、 コ ー チ ン グ教 育 の受 講 者 で あ る管 理 職 補 佐 社 員 の 直 接 関. 群 』 にっ い て は、 実 施 時 期 で 有 意 な 差 が 認 め られ な か っ た。 『精 神 健 康 度 中 群 』 と 『精 神 健 康 度 低 群 』 に つ い て.   2008年8月. は、 さ らに多 重 比 較 検 定 を行 っ た と こ ろ、 『精 神 健 康 度. 年11月 のGHQ平. 中群 』 にっ い て は有 意 差 が な く、 『精 神 健 康 度 低 群 』 に っ い て は2008年5月 と2009年5月 の 時 期 で 有 意 な 差 が 認. 康 度 中 群 』 が 高 くな って い た(精 神 健 康 度 が 低 くな って い た)に もか か わ らず、 『精 神 健 康 度 低 群 』 の み低 くな っ. め られ た(p-0.040)(表4)。. て い た(精 神 健 康 度 が 高 くな って い た)こ. 度 低 群 』 の2009年5月. のGHQ平. した が って 、 『精 神 健 康 均 得 点 は、2008年5月. 与 が一 要 因 に な った と推 察 さ れ る。 か ら コ ー チ ン グ教 育 を導 入 した 直 後 の2008 均 得 点 は、 『精 神 健 康 度 高 群 』、 『精 神 健. とか ら、 コ ー. チ ング教 育 の導 入 が 精 神 保 健 一 次 予 防対 策 の 直 接 ま た は.

(6) 114. 中田ゆか り. 間 接 的 な 有 効 的 手 段 の ひ とっ に な る こ とが 示 唆 さ れ た 。   一 方 、 今 回 の コ ー チ ング教 育 プ ロ グ ラム の 間 隔 は3∼ 5ヵ 月 と した。 これ は職 場 の実 態 に合 わ せ参 加 しや す い 時 期 に教 育 実 施 時 期 を 設 定 した が 、 や は りそ の 間 隔 が長 い 傾 向 が あ った。 教 育 間 隔 を短 くす る こ と は職 場 の実 態. VI.結.  語.   今 回 、X事 業 所 の 「従 業 員 間 の 良好 な コ ミュニ ケ ー シ ョ ンの促 進 」 とい う課 題 に対 し、 精 神 保 健 一 次 予 防 の 観 点 か ら、X事 業 所 の 管 理 職 補 佐 社 員41名 を 対 象 に、4回. シ. 上 困 難 で あ る と考 え られ る た め 、 教 育 効 果 を 持 続 さ せ る. リー ズ で コー チ ング教 育 プ ロ グ ラ ム を導 入 した。 調 査 対. 補 填 的 方 法 と して 、 フ ォ ロー ア ップ体 制 を 確 立 す る必 要 が あ る と考 え られ る。. 象 者 は 全 社 員104名 と し、 統 計 的 分 析 にっ い て は、 有 効.   教 育 プ ロ グ ラ ムの 内 容 に つ い て は、2回 目以 降 は前 回 の 復 習 の際 に、 受 講 者 が 実 際 に職 場 で活 用 しき れ な か っ. 度 高 群(GHQ  9点 以 下)」、 『精 神 健 康 度 中 群(GHQ10 ∼21点)』 、 『精 神 健 康 度 低 群(GHQ22点 以 上)』)に 分 類. 回 答 者51名(男. 性)を. 精 神 健 康 度 別 に3群(『. 精神 健康. た 事 例 な ど を演 習 す る な ど を 組 み 込 ん で い くと、 よ り職. し、 反 復 測 定 に よ る対 応 の あ る一 元 配 置分 散 分 析 お よ び. 場 に即 した形 で 理 解 が 深 め られ た の で は な いか と推 察 さ れ る。. 多 重 比 較 検 定 を行 っ た。 そ の結 果 、 『精 神 健 康 度 低 群 』 の2009年5月 のGHQ平 均 得 点 は、2008年5月 のGHQ平.   ま た、 教 育 回 数 にっ い て は、 今 回 の プ ロ グ ラ ム で は4. 均 得 点 よ り有 意 に低 くな った(精 神 健 康 度 が 高 くな った) こ とか ら、 コ ー チ ン グ教 育 が 『精 神 健 康 度 低 群 』 に対 し. 回 に設 定 した。 今 回 、 受 講 回 数 別 で の検 討 を行 って い な い た め、 よ り効 果 の 高 い教 育 回 数 を 明 示 す る こ とは 困 難 だ が 、4回. 目の 教 育 内 容 が 総 ま と め で あ った こ とか ら、. 本 プ ロ グ ラム の 最 適 な実 施 回 数 に っ い て は3回 程 度 の 方 向 で の検 討 を 要 す る。   本 研 究 で は 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ス キ ル教 育 の 手 法 と して コー チ ング を採 用 した 。 コ ミュニ ケ ー シ ョ ン ・ス キ ル の 関 連 手 法 に は、 カ ウ ンセ リン グや ア ドバ イ ジ ン グ、 コ ンサ ル テ ィ ング、 テ ィ ーチ ング、 メ ン タ リ ング、 マ ネ ー ジ ング な どが あ るが 、 近 年 は コ ー チ ン グや メ ン タ リ ング を採 用 して い る企 業 が 多 い 。 本 間11)によ る と、 コー チ ン グ と メ ン タ リ ング の共 通 点 は 「個 別 指 導 に よ って 問 題 解 決 ・状 況 対 応 能 力 を高 め る」 こ とで あ る。 一 方 、 相 違 点 は、 メ ン タ リ ングが 「同 じ会 社 ・職 業 で の個 人 的 経 験 を 元 に指 導 」 す る の に対 して 、 コー チ ング は 「対 象 は多 様 で 個 人 的 経 験 の な い分 野 で も可 能 」 と さ れ て い る こ とで あ る。 今 回 の 教 育 対 象 者 は管 理 職 補 佐 社 員 で あ り、 彼 ら は10年 以 上 の 職 歴 を持 った 一 般 社 員 な ど多 種 多 様 な 一 般. て 有 効 で あ る こ とが示 唆 され た。   精 神 健 康 面 の 向上 に 向 け た よ り質 の 高 い プ ロ グ ラ ム の 構 築 、 職 場 で の フ ォ ロ ワ ー の役 割 を担 う人 材 育 成 等 の シ ス テ ム 構 築 が 、 今 後 の 課 題 で あ る。. 謝 辞   本 研 究 に協 力 して い た だ き ま したX事 業 所 の 事 業 所 長 な らび に社 員 の皆 様 に心 よ り感 謝 申 し上 げ ます 。   な お 、 本 研 究 は滋 賀 県 立 大 学 大 学 院 人 間 看 護 学 研 究 科 に提 出 した修 士 論 文(平 成21年 度)の 研 究1を 加 筆 ・修 正 した も ので す 。. 文 献 1)厚. 生 労 働 省:平. 成19年 労 働 者 健 康 状 況 調 査 結 果 の 概.  . 況,http://www. . 社 員 とか か わ りを持 っ こ とが 多 い た δ6、新 任 者 へ の 指 導 と い う性 質 が 強 い メ ン タ リ ング よ り も適 合 して い た と い.  . dou/saigai/anzen/kenkouO7/index, . え る。 ま た 、 管 理 職 補 佐 社 員 を 対 象 と した 本 研 究 で は 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ス キ ルが 不 十 分 な状 況 で メ ンタ ー.  . 所:産.  . 財 団 法 人   社 会 経 済 生 産 性 本 部   メ ン タ ル ・ヘ ル ス. と して行 動 して しま うと、個 別 指 導 を され る側 の メ ンテ ィ へ の負 の 影 響 も懸 念 さ れ る こ とか ら、 「双 方 向 で コ ミュ.  . 研 究 所,2008.. 2)財. 3)厚. mhlw.  go. jp/toukei/itiran/rou. 業 人 メ ン タ ル ヘ ル ス 白 書2008年. 生 労 働 省:自. 2008..     う っ に よ る 社 会 的 損 失),http://www. . もっ コ ー チ ン グの 選 択 は適 切 で あ った と考 え られ る。.  .   今 回 の研 究 は、1事 業 所 の み を対 象 と して お り、 分 析. 4)岩. 対 象 者 数 が 少 な か った点 、 性 別 で の検 討 を行 って い な い.  . 職 場 復 帰 支 援,日. 点 が 研 究 の 限 界 で あ る。.  . 34-38,   2007..   X事 業 所 社 員 全 体 の コ ー チ ン グ教 育 の普 及 お よ び 精 神. 5)広. 健 康 面 の 向上 に 向 け た よ り質 の 高 い プ ロ グ ラ ム の 構 築 、.  . 職 場 で の フ ォ ロ ワ ー の役 割 を 担 う人 材 育 成 等 の シス テ ム. 6)小. 構 築 が、 今 後 の 課 題 で あ る。.    臨 床 精 神 医 学,35(8),1047-1051, . jp/stf/houdou/2r9852000000gvsy.  谷 泰 志:未. 瀬 徹 也:反. 版,p.63,. 殺 ・う っ 対 策 の 経 済 的 便 益(自. ニ ケ ー シ ョンを 行 い、 お互 い に学 び合 う」 と い う視 点 を. 7)福. html . 団 法 人 社 会 経 済 生 産 性 本 部 メ ン タ ル ・ヘ ル ス 研 究. 殺 や. mhlw.  go. html,2010.. 熟 な パ ー ソ ナ リテ ィ の 関 与 す る うっ と 本 精 神 科 病 院 協 会 雑 誌,26(11),. 復 欠 勤 者 一 そ の 病 態 と 対 応 一,精. 神科. 治 療 学,22(2),153-158,2007. 嶋 秀 幹,中. 井 城 次:対. 村 純:病. 休 ・休 職 者 の 動 向 と うっ 病, 2006.. 応 困 難 事 例 へ の 対 応 と 職 場 復 帰 支 援,.

(7) コ ー チ ング教 育 導 入 に よ る事 業 所 社 員 の精 神 健 康 面 へ の 効 果.     日本 医 師 会 雑 誌,136(1),65-72,  8)榎. 本 英 剛:【. 115.     ド社,2001.. 2007.. 16)木. 図 解 】 部 下 を 伸 ば す コ ー チ ン グ,PH. 磨 早 苗:今. す ぐ使 え る!コ. ー チ ン グ,  PHPビ. ジ. 田 勝 嗣,石.     グ入 門,日. 川 洋:よ. くわ か る ビ ジネ ス ・コ ー チ ン. 本 能 率 協 会 マ ネ ジ メ ン トセ ン タ ー,69,.     2002. 11)本. 間 正 人:入. 門 ビ ジ ネ ス コ ー チ ン グ,47-58,PHP. 瀬 理 保:コ. ー チ ン グ 入 門,日. ー シ ャ ル ・ゴ ー ル ドス ミ ス,マ.     人 」 の 法 則,日 藤 英 郎:部.     チ ン グ,ア. 18)桜. 井 一 紀,日. 「実 践 」. イ ヤ モ ン ド社,2002.. 解 コ ー チ ン グ ス キ ル,デ. 経 情 報 ス ト ラ テ ジ ー:チ.     出 し、 会 議 力 を 上 げ る!事. 19)桜. 井 一 紀:"結. 本経済新. ー ク ・ラ イ タ ー/. ー チ ン グ の 神 様 が 教 え る 「で き る. き出す職場 の コー. ィ ス カ ヴ ァー ・. ー ムカ を 引 き. 例 で 明 解 ビ ジ ネ ス現 場 の. 経BP社,2006.. 果 冒 を 出 す 部 下 を つ く る コ ー チ ン グ 術,. 崎 順 一・:看 護 管 理 に 活 か す コ ー チ ン グ,看. ハ ー バ ー ド ・ビ ジ ネ ス ・ レ ビ ュ ー 編 ー チ ン グ の 思 考 技 術,ダ. イ ヤモ ン. 護 管 理,. 178-183,  2002.. 澤 厚 生:現. 場 で 活 用 で き る コ ー チ ン グ 入 門,保. 健.     師 ジ ャ ー ナ ル,61(7),578-589,2005. 納 美 美,森.     日 本 版GHQ精. 俊 夫:企. 業 労 働 者 へ の 調 査 に基 づ い た. 神 健 康 調 査 票12項.     の 信 頼 性 と妥 当 性 の 検 討,精. ー ク 出 版,2002..     集 部   (編):コ. 21)柳. 22)新. 本 経 済 新 聞 出 版 社,2007. 下 の 能 力 を100%引. 15)DIAMOND . 20)宮.     12(3), .     斎 藤 聖 美   訳:コ. 14)佐. 分 を伸 ばす.     青 春 出 版 社,2002.. 間 正 人,松.     聞 出 版 社,2006. 13)マ. 木 義 幸:図.     コ ー チ ン グ 活 用 法,日.     研 究 所,2001. 12)本. 17)鈴. 橋 慶 治:自.     ト ゥ エ ン テ ィ ワ ン,2005..     ネ ス 新 書,2006. 10)本. 田 完 二,高.     コ ー チ ン グ,ダ.     P研 究 所,2005. 9)播. 村 孝,藤.     2001.. 目 版(GHQ-12). 神 医 学,43,431-436,.

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参照

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