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鉄不足は筋力トレーニングによる筋肥大効果を抑制するか?

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Academic year: 2021

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別紙 成果報告書 滋賀県立大学 人間文化学部 生活栄養学科 東田一彦 研究課題名:鉄不足は筋力トレーニングによる筋肥大効果を抑制するか? サルコペニアとは、加齢によっておこる筋肉量および筋力の減少のことであり、身体的機能の 低下を引き起こすだけでなく、糖尿病をはじめとする様々な疾患の引き金となり、中高年の生活 の質を低下させる主要な原因となる。そのため、サルコペニアの予防は高齢社会、特に長寿県で ある滋賀県において健康寿命を延伸するために重要な課題である。 筋肉量は筋タンパク質の合成と分解のバランスにより調節されている。そのため、筋肉量の維 持には、筋タンパク質の合成を高める刺激を日常生活に取り入れることが必要となる。筋タンパ ク質の合成を最も刺激する方法として筋力トレーニングが知られており、サルコペニア予防に とって重要なツールである。 培養細胞を用いた予備実験から、鉄欠乏はタンパク質分解を促進することを明らかとなった。 そのため、鉄の摂取不足は筋タンパク質分解を促進することでサルコペニアの原因の一つとな っている可能性が考えられた。そこで、鉄欠乏状態で筋力トレーニングを行った場合、サルコペ ニア予防に重要な筋タンパク質の合成が十分に引き起こされないのではないか、と仮説を立て 検証を行った。 本研究では、実験動物に対し鉄欠乏食を摂取させた。鉄欠乏食を摂取したラットでは、摂取開 始からおよそ 1 週間で血中ヘモグロビン濃度およびヘマトクッリト値が有意に低下した。一方、 1 週間の鉄欠乏食摂取では、骨格筋内の鉄含有タンパク質に変化が認められなかった。その後、 電気刺激による筋収縮運動を負荷した。この運動様式は、ヒトが行うレジスタンストレーニング を模しており、運動実施後には筋タンパク質の合成が高まり、長期間実施することで筋量の増加 が起こる。電気刺激実施後に骨格筋サンプルを採取し、筋タンパク質合成の指標となる p70S6K タンパク質量を測定した。その結果、通常食群と鉄欠乏食群の p70S6K タンパク質量に有意な 差は認められなかった。これらの結果から、鉄欠乏貧血の初期段階では筋収縮による骨格筋のタ ンパク質合成には影響を及ぼさない可能性が示された。

参照

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〔付記〕

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