【研 究 論 文
1
UDC :691.
54 日本建 築 学会 構 造 系 論 文報 告集 第 349 号・
昭 和 60 年 3月凝
結
過
程
に
お
け
る
セ メ
ン
ト
ペ ー
スト
の
動的
粘
弾性率
測
定
に
関
す
る
研 究
正 会 員 正 会 員松
河
藤
上
泰 典
*嘉
人
**1.
序 コ ン クリー
トは,
練 り混ぜ開 始 後,
硬 化 初 期に至る間 に粘弾性 的性質が著し く変化する。
時間的に は,貫 入 針 を用い るコン ク リー
トの凝結試 験Dに よ る凝 結の終 結 時 間 を一
つ の 目安 とすれ ば,
練 り混ぜ開 始 後,
8時 間 程 度 が対象と な る が, こ の時 間は, コ ン クリー
トの施工管 理 上 重要な時 期である。
施 工 管 理,特に,
作 業が容 易に行え,
しか も,
でき上がっ た コ ン ク リー
ト構 造 物の品 質が良 好 で ある た め の施 工許 容時間に関 して は,
例 え ば,
JASS
5では,
施工に関 する仕様の 級“
甲種”
の場合,
打込み 継 続 中にお け る打 継 時 間 間 隔の限度を2.
5
時間 と規 定し て い る。 筆者等が 行っ た 実験で は 2 ) , モル タルの物 性が 著しい変化を始め る時期は,
1.
5−
3時 間に現れ, そ れ 以降で は作業性が低下す ること が予 測さ れ た。
し たがっ て,
この時期の コ ンク リー
トの物 性 変化が連続 的に把 握 さ れ れば, そ れ が施工管理 に反 映される と考える。
本研究は,
練り混 ぜ直後か ら硬化 初 期に至るコ ンク リー
トの物 性 変 化を,
’
その’
レオロジー
特性に よっ て連 続 的にと ら え るこ と を目的と し, 基 礎的研究と して, セ メ ン トペー
ス トを対象と し て検 討し たもので ある。
フ レ ッ シュ コ ン ク リー
ト, モ ルタル,
ある い は セ メ ン トペー
ス トの物 性をレ オロ ジー
的手法 を用い て解 析 的に 研 究する ことは,
近 年,
国 内外におい て盛 んで あ る。 軟 練り の試 料に対し て は 二重円筒回転粘 度 計を 用いた 研究 が 多い3,・
4)S。
硬 練り の試 料に対 し て は専ら平 行 平 板 プ ラス トメー
ター
が用い ら れる5)・
6)S。 材 令が大き く,
物 性 の変 化が安 定し たコ ン ク リー
ト等に対して は,
ク リー
プ 試 験 を 実 施し,
そ の物 性を力 学モ デル で表す 研究が行わ れ てい る7]・
S}S。
こ れらの試 験 法は,
いずれも測 定に際し て試 料に せん断 変 形 を与え,
応 カー
ひずみ関 係あ るい は,
応カー
ひずみ速 度 関 係 を求める必 要があり,
試料を乱さ な け れば 測 定 値 を得ることができない。 し た がっ て,
凝 結過 程に お ける コ ンク リー
トの よ うに Maturity に伴っ 串 九 州 大 学 助 教 授・
工 博 “ 九 州 大 学 助 手 (昭和59年4月21日原稿受 理日,
昭 和59年]0月8日改 訂 原 稿 受 理 日.
討論期 限 昭和60年6月 末 日) て変 化 する材 料の物 性 を 同一
試 料で継 続 的に追 跡す る よ うな場 合に は適さな い。
また,
供 試 体 を多 数 準 備して順 次 試 験 を行 うと しても,
以 上に述べ た試 験 法のいずれ か一
つ の試 験 法によっ て,
練り混ぜ後から硬 化 初 期に至る 全 経 過を測 定する ことは困 難で ある。 こ れ ら の問 題を克 服 する試 験 法とし て,
周 期 的 ある いは動 的な試 験 法が考 え ら れ る。 そ の中で, 縦波を用いた研 究は,
従来よ り数 多く行わ れて い る9}・
la)a」。
縦波 は,
物質 中を伝 播す る際 の波動の減衰が比較 的少な く, ま た, 測定も容 易である た め,実 用 性は高い と考え ら れ る。
ただし,同 方 法に よっ て測 定され る縦 波 伝 播 速 度は, 体 積 弾 性 率お よ び, ずり 弾 性 率の合 成さ れ た関 数で あり, 材 料 特 性を表す方 法と し て は曖 昧な面がある。 その点,
横 波は,
媒 体に体 積 変 化 を 生 じないため,
これを用い た場 合,
動 的 粘 弾 性 諸 係 数が一
義 的に求まり. レオロ ジー
量の試 験 法とし て は優 れ て い る。 ただし, コンクリー
トは , 組 成 として粗 骨 材 を含むため,
試 料 厚 を相 対 的に大 き くとる必 要があるが,
横 波の場 合, 波動の減 衰が大きく, 凝 結の初 期か ら透 過 波 を検 出する ことは困 難である。 コ ン クリー
トの場 合,
本研究で対 象と してい る物 性 変 化 を測 定する ことの で き る骨材の最 大 粒 径の限 界は,
15mm 程 度で ある。 した がっ て,
コ ン ク リー
ト試 料では,
ス ク リー
ニ ン グ等の前 処 理 を 必 要と す る場 合が生じ る。 し か し,
コ ンク リー
ト は,
セ メ ン トペー
ス ト と骨 材とで構 成さ れ る2
相 材 料で あ り,
凝結過 程にお け るレオロジー
特 性の経 時 変化は主 と し てマ ト リックスと し ての セ メン トペー
ス トの物 性 変 化に依存す る と考え られ る。
本研究で は,
凝 結 過 程を 通 じて,.
同一
試 料に対 し継 続 的にレオロジー
特性が得ら れ る測定 法と し て, 横波 を用 いる動的試験法を採用し,
セメ ン トペー
ス トにつ い て検 討 し た。
材 料の粘 弾 性 挙 動を求め る場合に は,
観 測す る タイム スケー
ルを常に考えてお く 必要が あ る。
例えば,
同一
材 料が 高 速 載 荷 試 験に対し ては完 全弾 性体に近い挙 動を示 し. ク リー
プ試 験に対し ては粘 性 流 動 を顕 著に示す とい う ように, 実 在 する物 質は,
観 測 する タイム スケー
ル に よっ て様々な応 答を示し,
測 定法に よっ ては一
面の情報を得るにすぎ ない場 合が多い
。
し た がっ て,
材料の粘 弾 性 挙 動 を完 全に把 握す る た めに は,
理 想 的には タイム ス ケー
ルがO〜
・ 。 に わ た る測 定 を 行 う 必要が あ る。
動 的 試 験 法で は,
角 振 動 数ω←2
πv, v:周 波 数 )の正弦的 振 動を与え る 場合, 定 性 的には時 間 t=
1/ω で の静 的 実 験 に等しい川 と いう性 質が あ り,
周 波 数を変 化させ ること に よ り,
タイム スケー
ルを種々設 定 するこ と ができ る。本研究は
,
横波によ る動 的 試 験 法をコ ン クリー
トの凝 結測定の手 段と して採 用 する にあた り,
粘 弾 性 挙 動の タ イム ス ケー
ル依 存性に関 して,
測定周波 数を4KHz−
500KHz の間で数段 階 変 化 させ る試験を実 施し,
検討を 行っ た。
2.
粘 弾 性 諸 係 数媒 体が弾 性 体の場合
,
一
次元 的に伝わ る横 波の波 動方 程式は (1}式で表さ れる。
ρ
籌
一G
壽
…・
…………一 …………・
…
(1) た だ し, p :媒 体の密 度 u :x 方 向 (波の進行方 向 )と 直 角方向の変 位 t:時間G
:動 的ずり弾性率一
方,
媒体が粘 弾 性 体の場 合,
ひずみ は応 力と同一
位 相で な く,
遅れ て現れ る。
こ の場 合,
動的 ずり弾 性 率Gl
は応力と同一
位 相の成分G
’
と 90°
位相がずれ た成 分G
”
と に分解さ れ,
次 式の よ うに表され る。
G
寧=G
’
+ iG”……・
…・
…………・
・
……・
・
…一
(2)G
’ は動 的ずり弾性 率 (貯 蔵 弾 性 率 )で,一
周期 当た り に貯 蔵さ れ,
かつ 回復さ れ るエ ネルギー
の尺 度を表わす。G
”
は動 的 損 失で,一
周 期当た りに系が熱と し て失な う エ ネル ギー
の尺度を表す。
(2)式に おい て,
位 相 角δ は次 式の よ う な関 係にあ る。
tan a
=
G”
/G ’……一 一・
・
・
………・
・
…・
r
(3 ) tan δは損 失正接で, 自由 振 動の減 衰や伝 波波動の減 褒 とい う ような巨 視 的 物 性 を表す指標と な る。粘弾 性 体 中を伝わ る横 波の波動 方 程 式は
,
(1 ), (2) 式よ り, 次式で表され る。・
器
一G
・籌
一
(G’
+ゴα }{
穿
一 ・
……・
(・) こ こで,
伝 播 波 動の減 衰が (5)式に示すよ うに e 関 数で表され る と仮 定し (4) 式を解く と,
G
’
およ びG
” は,
そ れ ぞ れ (6),
(7 )式の よ うに求まる。
∠4=
Ao
θ一
α
r−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5)
回
畿
ξ
亭
)・
…………・
・
・
……・
…・
…G 〃
一 … (壽蕃
ア・
……・
・
………・
…・
…・
…
(・) ただし,
A
:伝 播 距離x に おける波の振 幅 (x=
0→A =、
40) a 吸 収 係 数・
=一
シ
・瓷
・
・
…・
……・
…………
(8
> v :伝 播速 度 ま た, 動 的 ずり粘性率 ガは次 式で求め ら れ る。
η
’
=G ”
/、、………− tt…………・
……・
……・
・
〔9 ) η’
は ひ ず み速 度と同 位 相に あ る応 力 をひずみ速 度で 割っ た もの と定 義され,
粘 性 の 次 元 を有 し て い る。
η’
は一
般に,
非 常に低い周波数に おい て静 的な試 験で求ま る粘 性 係数に近づく。本 研 究に お い て は
,
材 料の粘 弾 性 挙 動を説明す るうえ で 重 要なパ ラメー
ター
で あ るG
’
, η’
,
tan
δに関し検 討を行う。G ”
は (9 )式に示すよ うに η「
に従属 的なパ ラメー
ター
である ため省 略す る。
3
.
測 定装置測 定 装 置は
,
前 述の動的 粘 弾 性 諸 係 数を計算す るにあ たっ て必要な, 横 波が 試料 中を伝 播す る の に要する時 間 お よび伝播 後の波 動の減 衰 を計 測 する もの で ある。
本 装 置の構 成は,
信 号の 発 生お よ び検出を行う本 体 部と発受 振子部より成る (図一
1)。
測 定 手 順は次の通りである。
i
)ゲー
トコ ン トロー
ル に より,
信号の リピ テー
ショ ン時 間 等 を設 定す る。
ii
> フ ァ ン ク ショ ンゼ ネレー
ター
に よ り,
パ ル ス波を発 生 し,
発 振 子を振動さ せ る。 ま た,
発 生 周 波 数を設定 する。
i
の オシ ロ ス コー
プに, 発 振 子お よび受振 子からの信号を 同 時に検 出し,
その時 間 差お よび出 力 を 測 定す る。 本 体の性 能仕様は以 下の通りである。
イ ) リ ピテー
ション時 間 :1
”sec〜
999 rnsec ロ )ゲー
トコ ン トロー
ル時 間 :1μsec〜
999 msecハ )発 生 周 波 数 :1KHz
− 500
KHz
二 〉最大 負 荷 電 圧 :
500W
ホ)検 出電 圧 :5 μ
V
へ )伝 達 時 間測 定 範 囲 :1μsec−
50 msec本 実験で使 用し た横波 振 動 子の周 波 数
一
出 力特 性 を図一
2に示 す 。4
.
吸 収 係 数の 算定 方 法お よ び実験条件一
般に,
吸収係数は伝 播 距 離の異な る2
点ない し数 点 図一
1 測 定 装 置の構成10 5 0 耋 9 ≦ く o f(kHz) 図
一
2 振 動 子の周 波 数 特性 荷 重 コー
フ’
ー
アンブ 図一
3 測 定状況 に お け る波 動の減 衰 曲 線より求め る方 法が用い られ る が,
セ メZ
トペー
ス トの よ うに Maturity に伴っ て変 化 する材料に対 し て は,一
対の振 動 子 間に静 置 された試料 につ い て測 定する ことが必要で あ る。
そこで,
あ ら か じ め各 周 波 数における基 準 出 力A 。
を求めてお き,
(8 ) 式に より一
対の振 動 子に よる 1 点の み の測定で吸 収 係 数 を算 定 する方 法 を検 討し た。
実験に供し た試 料は
,
水セメ ン ト比 27%の セ メ ン ト ペー
ス トで,
セ メ ン トは普通ボル トラン ドセ メ ン トを使 用 した。 セ メ ン トの凝結性 状を考え る場 合,
外 的 条 件 と して温 度の問 題が重 要な要因の一
つ と して挙 げら れ る が,
こ こ で は,、
練り混ぜ水の温度を調 節して,
練り上り 温度を20±1°C
と一
定 条 件に おい て実 験を行っ た。 試 料は,
練り 混 ぜ後 直ちに発 受 振子間に セ t;
トし,
振 動子 と試 料と の接 触 性を高める に 100g /cm ! の 圧 力 を加え た。 測 定 状 況を図一
3に示す。
な お,
測定は,
温 度20土 1°
C,
湿 度65±5%R .H
の養 生 室で行っ た。
5.
実験 結 果お よ び考 察5.
1 吸 収 係 数の算 定 法 同一
条 件 下で,
伝 播 距 離 すなわ ち試料の厚み の み を変 え た実験を繰 り返し行っ た場 合の, 伝 播距離必 と検 出 出 力A の 関 係を図一
4に示す。 た だ し, 測定値はいず れも練りま ぜ後の経 過 時 間が7時 間の値で あ る。 図 中 実 伝播 距 離 x (⊂m ) 図一
4 透 過 波の検 出 出 力 線は,
最 小二乗 近 似に よる回 帰 直線で あ る が,
相 関 係数 は周 波 数4KHz の 場合0.
81
と多 少 低い値 を 示すが,
そ の他の もの につ い て は,
いず れも0.
96以 上とな り本試 験 法の再現 性は良 好であ る と考え られ る。
し たがっ て,
回帰式より求まる A。を用い,
伝 播距離 1点の みの測 定 値 か ら吸 収 係 数を求めても十 分で あると考え る。.
5.
2
伝 播 速 度vV は
,
いずれの測 定 周 波 数に お いても,
ほ ぼ相似
形の 経 時 変化曲線 を示し た。
全 体 的な傾 向を示す一
例と して 周 波 数 IOOKHz
の測 定 結 果 を 図一
5に示す。
v は,
お よ そ 2〜
6時 間の範囲で律 速で,
そ の前 後で緩 や か なS 字 形 曲線 を描い て増 加す る。
同様な結 果は,角田等IZ )に よっ て得 られて いる。
v の 周波数依存 性につ いては,
高 分子 t(hour) 図一
5 伝 播 速度の経 時 変 化2
霈
ー
珈 宕魯
)
5 100 1h匚 CF−一
・
Cl−一一
e・
一
一
一
CF−
o−一
一
(F・
−
o 4 7 ts 2【)30 m f(kHz) 図一
6 伝播速度の 周波 数 依 存性 材料に関し,R .
S.
Witte
等]3> が行っ た周 波 数 0.
5KHz−
4KHz の縦波に よ る実験 が あ る。
それ によると,
伝 播 速 度は わずか に周波 数依存性を 示し,周 波 数が大き い場 合, 伝播速 度も大き く得られ て い る。 本 研 究にお ける横 波の 実 験に おい て は, 図一
6に示すように,
v の周 波 数 依 存 性は顕 著で な く, ほ ぼ一
定 値を示し た 。5.
3
吸収 係数a a は,
いずれの周 波 数 において も,
測 定 時間内に お い て ほ ぼ単調に減少す る。一
例として, 周 波 数 100kHz の測定に よっ て得ら れ たa の経 時 変 化 曲 線 を図一7
に示 す。波動の吸収 機構につ い ては様々な機 構が考え られ る。
す なわ ち, セ メ ン トペー
ス トの ように, 水お よびセ メ ン ト粒 子よ り成る懸 濁 溶 液におい ては,
媒 質 自身の吸 収,
粒子に よる散 乱,
粒 子と媒質との界面にお け る摩擦抵 抗,
粒 子 相互間の摩 擦 抵 抗によ る吸 収 等であ る。
本 奚験の測 定 範 囲におい ては,
セ メン トペー
ス トが練り 混ぜ 後, 吸 収の大きい高 粘性液体か ら,
吸 収の小さい粘 弾 性 固 体へ と変 化す る 過程を表し ている と考え られ る。
こ の点に関 し て は, 後の動的ずり粘性 率の項の所で考 察す る。
吸 収 係数の 周 波 数 依存 性につ い て は, 前 記R 、S.
Witte
等が 行っ た縦波に よ る実験では,
吸収係 数は伝播速度の場 合 と 同様,
わずかに周 波 数 依 存 性が み ら れ,
周 波 数が大き い ほど吸 収 係 数 も大きいとい う結果が得ら れて いる。 ま た,
同 じ く縦 波に よる実験におい てIvey
等】4)は,
特 定 周波 数で極 大 値を持つ とい う結 果 を得てい る。
縦 波の場3
ど 繕2 To
} 23
45
6
7
t(hour) 図一
7 吸 収 係 数の経 時変化 5.
OO
(
HI 転 ぎ謹
αOj
◇
5h【 7ht4
7
13203050 1C◎mo300500
fCKHZ } 図一8
吸 収 係 数の 周波数依存性 合は, 体 積 粘 性に よる吸 収 機 構が加わ りt 本 研 究にお け る横 波に よる実 験と単 純に比 較す る ことは で き な いが,
本 実 験におい て は, 図一
8に示 すように,
練り混ぜ後の 経 過 時 間が短い間は30kHz
あ た り に ピー
ク を持っ 山形 の曲線と な る が,
長 時 間にな る と,
わずかでは あ る が, 高 周 波 数 測に な る ほ ど α も大き く な る とい う結果が得 ら れた。 5.
4 動 的 ずり弾 性 率 G’
G
’
は, いずれの周 波 数に おい て も,
vの経 時 変 化 曲 線と同 様の増 加 傾 向 を示 し た。一
例と して,
周 波 数100
kHz
に お け る G’
の経時変化を 図一
9に示す。 G’
が急 増 する時 期は,
セ メ ン トの水和反応過程にお け る加速 期に 対応 し てい る と考え られ る。
こ の時 期は, セメ ン トの水 和 反応 が 活 発であり, 多量の水和 物が生 成され る。
水 和 生 成物の比 表面積は非 常に大きい ため,
粒子間の結 合 力 も 大 き く, 結 果 として剛 性が上が る と考えられ る。G’
の周 波 数 似 存 性につ いて は,
図一
10に示す よ うに,
周 波 数lookHz
程 度 まで は測 定 周 波 数が大き い ほ どG ’
は 大きく得られ, そ れ以 上の周 波 数に対 しては ほぼ一
定値鼎
乙 −(
馨
章)
b 斷 靼 献 島 ト 租 xlO50
12
3
4
5
6
7 tChour , 図一9
動 的 ずり弾 性 率の経 時 変 化105
;
04
辱
毫
i。 200
坦 融 咼 ト 穩 藤 to 念05
o
f 〔KHS , 図一
10 動 的 ずり弾 性 率の周波 数 依 存 性 f 〔KHz , 図一
11 G’
/G の周 波 数 依存性 を 示す。
こ れ は,一
般に他の材料に関す る実験’S)・
1fi,等に おい て も見ら れ る傾 向である。
力学モ デル で考 え た 場合,
測 定 周 波 数が大き く な る に従い , ダッシュ ポッ トで表さ れ る粘 性 機 構が退 化し,
バ ネで表され る弾性機構が相対 的に顕 著に な る ことで説 明さ れ る。
前 掲 (6)式に お い て, ω 2 》ゲη2の場 合次式が成立 する。
G
’
:G =
ρが・
………・
…・
・
・
・
……・
………・
…・
・
(10) 波 動 剛性率 δは, 伝 播 速度
の み の関 数である ため, 測 定 が容 易であり, 実 用 性の高いパ ラメー
ター
である。
図一
「
llに示す よ うに,
周 波 数loo kHz 以 上に な るとG7G
がほ ぼ 1とな り,
精 解の代わ り に略 算 式で ある G を使 用して もさ しつ か え ない。 し か し,
そ れ以 下の周 波 数に おい て は,
練 り混ぜ後の 経過時間 が 長 く な るほど精解に 近ずく傾 向に あ る もの の,一
般に略 算式 を使うこ と は不 適当であ る。
5.
5 動 的 ずり粘 性 率 ガ 液 体が速 度分布 を有する流 動 状 態にあ る場 合に は, ひ とつの部分がこれ に接 し ている部 分か ら相対 的に運 動 を 阻 止さ れ, 速 度の平均 化 が行われ る。
これが 粘 性 あるい は内部 摩擦の 発生 機 構で あ る。
水の 粘性率は1
×10
−
5 poise程度であ り,
フ レッ シュ ペー
ス トの粘 性率に 比べ て数桁オー
ダー
が小さい。 また, 練り混 ぜ後しばら く の 間は,
セメ ン ト粒子が水 中.
に浮 遊して い る状 態にあ り,
粘 性 抵 抗 機 構は,
主 と しぞ粒 子 界 面と液 体と の摩擦 抵 抗 に よ る も のであ ろう。 図一
12に み ら れ る よ う に,
η’
はG
’
と同 様の経 時変化を示す が,
η’
の増 加 速 度が急 激と な る時 期はG’
に比べ い くら か遅い よ うで あ る。 η’
が増 加す る 理由と しては,
水 和 生 成 物 が粒 子 間 隙を満た し,
粘性抵抗機 構とし て新た に粒子相互 間の摩 擦抵 抗 が 加 わ るこ と に よ る と考え ら れ る。
図一
13に η’
と 測定周波 数 との関 係を示す。 η’
も周波数 依 存 性を有 し,
測 定 周 波 数 が 大き く な る ほどη’は小さ な値を示す。一
般に,
静 的 試 験に おいては変形 が大き く, 分 子 あ るい は 粒 子相互 間の配 置が次々 に移り変わ る た め摩 擦 抵 抗も大きいが, 動 的 試 験におい て は,
ひずみ振 幅が小さく分子あるい は XIO36 ?5
:a
ざ4 臣 婬39
督2
1 0o o(
。 い宮
蓐
、
灘 坦 拝 9 ト 客 翻o
, 2 3 45
6
7 t〔hour } 図一
12 動 的 ずり粘 性 率の経 時 変化 f(kHz》 図一
13 動的ずり粘性率の周波数依存性粒 子が平 行 位 置 付 近で往 復 変 位 を繰り返 すにと ど ま り摩 擦 抵 抗は小さい1ηとい う説 明が与え ら れて いる。 本 実 験 に お い て は
,
図一
13に み ら れ る よ うに,
低 周 波 領 域に おい て一
定 値 すな わち,
静 的 粘 性 係 数に近 ずく傾 向が み ら れ,
こ の説 明を拡大解釈す るこ と に よ り,
η’
の周波 数 依 存 性を説 明できると考える。 ま た力 学モ デル で考え た場 合は,G
’
の項で述べ た よ うに,
測 定 周 波 数が大 き くなるに従い,
粘 性 的に挙 動 する機 構が退 化 して い くこ と を意 味し て い る。 ガの略 算 式ij
は次 式で与え ら れ る が,
G
と同 様に,
測 定 周 波 数100kHz
以 下に おいて は精 解と の差が大き く,il
を ガの 代用 と し て 用い ること はで き ない (図一
14
)。万; ρ。・
辱
………一 ・
・
…・
………・
…・
(11) ω ( t ω 》a: η’= 」フ)5.
6
損 失 正 接tan
δtan
δ の経 時 変化曲線を 図一15
に示す。
tan
a
は , 低 周波領 域の場合,
練り混 ぜ後減少を続け, 6〜
6.
5時 間1.
o
Isv》
α5
0
4 7 13 203050 100 20D3005C {) fCKHs ) 図一14
η’
/il
の周 波 数 依 存 性 、 自 西 P 周O
図一
15 tChour ) 損失正接の経 時変化一
6
一
で最 小と なり,
その後 増 加し始め る。 ま た, 高 周 波 領 域 に おいて は,
練り まぜ後ゆ る や か に増加 していた の が,
同時 刻 以後 増加 速 度 が 急 激 と な る。
セm δ は材 料の粘性,
弾性の総合さ れ た変数で あ り, その各々 が周波数依存性 を有す る た め,
こ のよ う な複雑な曲線と な る。
こ の機構 は 次の よ うに説 明 さ れ よ う。
セメ ン トペー
ス トは,
水 和 反応の潜伏 期 間に おい てもセメ ン ト粒子が次第に凝集し フロ ッ ク構 造を形 成す ること に よ り剛 性は徐々 に増 加す る。
しか し,
粒 子間の結 合 力 は未だ 弱 く,
粘 性 抵 抗の 機 構と しては,
練り 混 ぜ直後と 同 じ く, 水とセ メン ト粒 子 界面との摩擦 抵抗に よ るものが 主であり,
粘 性の増加は あ ま りみ られない。
その後,
セ メ ン トの水 和 反 応が活発 とな り, 水 和 生 成 物によっ て間 隙が埋め られ,
剛 性, 粘 性 と も急 激に増 加 する。 し た がっ て,
凝 結 過 程におい て,
剛性お よ び粘 性の発 現 速 度が異なる こと と なり,
図に み ら れ る複 雑な曲 線と なっ た もの と 推察さ れ る。
図一
16 はtan
δの周 波 数 依存性を 示 し た も ので あ る が,
測定 周波数が大きい ほどtan δ は小さ な値と な る。 これ は,
周 波 数・
が大きいほ ど波のエ ネルギー
ロ スが小さい こと を 表 してお り,
こ の点か らも観 測の タイム スケー
ルが短い ほど材料が弾 性 的 挙 動を示すこと が伺え る。
5.
7 緩 和スペ ク トルH
(T) 動 的 粘 弾 性 挙 動 を一
般 的な形で表 現 する た め に は,
内 部タイム スケー
ル の連 続 分 布の概 念か ら導か れ る緩 和ス』
ベ ク トルあ るい は 遅延スペ ク トルを求め ること が望ま し い。
し か し, 完全な スペ ク トル を求めるた めに は, 次 式 に示す よ う な積 分 方 程 式 を解く必 要があり, そのた めに は,
緩 和 時 間 τ(= η’
/G
’
,
単 位 :sec ) がO〜
。。の範 囲 にお ける実 験が必 要とな り,一
般に は不 可 能である。
、 口 d ρ 圏0
471320305010020030D500 fCKHs ) 図一
16 損 失 正 接の周 波 数 依 存 性G
’ (・)− G
・・∫
ン
(・>i
・ .ltSi
,’
.,d
(ln
・)…・
…
(12) ま た は,
・” (・)−
f
:
H(・) 、箒
. id {ln・〉…・
・
……・
(・3) そこで, 限ら れ た実験量 か ら緩和スペ ク トルを求め る近 似 法が多くの人によ り提 案され実 用に供され てい るが,
こ こ で はSchwarzl
の近 似 法に よっ た。
同 方 法に お い て も順次, 近似度 を上 げることが 可 能であるが, 本研 究に おいて は,
測 定 範 囲が狭 く測 定 間 隔 も粗い ため,
(13) 式か ら求まる一
次の近似式 (14 )に より緩 和スペ ク トル を求め た。
H 〔。)=
z
[G〃
(。〉]』
一
,/.………・
…・
………・
…
(14) π タ イムスケー
ルが 広範 囲にわた る測 定に お い て得られ る (;’
お よ び η’
は,
.
図一
17の模 式 図]s )に 示す ように短 時商側と長 時間側に周波 数に依 存し な い平坦 な領 域を有 す る曲 線と な り,
高分 子の分 野で は,
図中に示す よ うに そ れ ぞ れ, ゴ ム状 領 域,転移領域, ガ ラス状領 域と呼び, 区 分し て い る。
本 研 究にお け る測 定 範囲 は,
図一
10お よ び図一
13か ら推し て,.
転 移 領 域お よびガ ラス状 領 域 の一
部に該 当 するもの であ ろ う。
こ の ように, 得ら れ た 緩 和ス ペ ク トルは,
その全 貌 を示 す もの で はないが,
緩 や かな山 形の曲線とな っ た。
5.
8 動 的 粘 弾 性 率の経 時 変 化 1 爭 鉅 O 己(
ト}
エ ミ 亠 ヘ マ K 異 謝’
ω 図一
17 G’
,
〆の周波数特性模式 図 緩和 時間 [og.
丁 図一
18 緩 和スペ ク トル ’d
(f
’cm り7
’
(poise
) tChour , 図一
19 C’
,
η’
の経 時変化周波 数100kHz の測定で得ら れ た G
「
およ び 〆の経 時 変 化 曲 線 を両 対 数 グラ フ に示す。 (.
図一
19 >両 者は,
い ずれ も折 線で近 似する こ と がで き る。
図一
19より明ら か なように,
G’
およ びη’
の経 時変化曲 線は, い ずれ も 測定時 間内におい て 二 つの ステー
ジに分 類で き る。
す な わ ち,
約 1.
5時 間を境とし,
前 半に お いてはG’
お よ び η’
の増加 は緩やか で あり,
そ の後 急 激と な る。 こ の後 半 部分は,
5.
4お よ び 5.
5で説 明し たセ メン トの水 和 反 応過程にお ける加 速 期に対 応すると考え.
ら れ る。
し た がっ て,
前 半 部 分は潜 伏 期に対応すると見做さ れ る が,
こ の間におい てもG
’
お よびη’
は徐々 に増加して いる。
これは,
セ メ ン ト粒子 が粒子 間引 力 等によっ て次 第に凝 集し,
網 目 状の フ・
ロッ ク構 造を形 成し てい くことに 起因 す る。 潜 伏 期におい て は,
図一
19に見ら れ る よ うに,
剛 性 お よ び粘 性は小さ く,
外乱 を与え るこ とにより容 易に凝.
集 構 造 を破 壊す ること.
が可 能で あ る が,加速期に 入 る と,
’
剛性お よ び粘 性とも急 激に大き く な り, 凝集構 造を破 壊 する ためには非 常に大 きなエ ネルギー
を要す る よ うに な る こと が予 測さ れ る。
折 点の現れ る時間.
は,.
本実験の範 囲におい て,
周 波 数に よ らず一
定で あ り, 材料特性と考 え ること ができる。
これらの点は, コ ンク リー
トに おい て も同 様に考え る ことが で き る。
折 点の前 後で,打 設作業の難易度あ るいは,で き上がっ たコ ンクリー
ト構 造 物の品 質に差異が生じ るこ と が予想 さ れ,
こ の折 点に対 応する時間は コ ン ク リー
ト工事.
にお ける施工管 理 特 性 値 として利 用で き るものと考え る。
ま た,
折 点 以 降は主と して強 度 発 現 等に対応 する もの であ り,
硬 化 体の諸 物 性の早 期 判 定 等に対 する管理特 性 値と し て の利用 も 可能で あ ろ う。
6.
ま とめ 本 研 究は,
コ ン クリー
ト施工 に おける再 振 動 や 打 ち 足し許 容 時 間等の問 題に対す る施 工 管 理特性値と して
,
凝 結 過 程にお け るコ ン クリー
トの物 性 変 化を顕 著に表す と 考え ら れ るレオロジー
特 性によっ て評価す ることを目的 と す る もの であ る。
レ オロ ジー
特性の 測 定 法 として は 種々考え られ るが,
各 種試験法 を検討した結 果,
横 波の 伝播に よ る動 的 試 験 法が最適で あ ると判 断し, これを採 用 し た。
本 試 験法の特徴と し ては, 練り混ぜ直 後の軟ら か い状 態か ら凝 結 硬化 が 進行し た状 態の ものまで,
同一
試 料で連 続 的な測定が可能で あ ること, ま た, 動 的 粘 弾 性諸 係 数が一
義 的に求ま るこ と等が 挙 げら れ る。 こ こ で は, 基 礎 的 研 究とし て,
セメ ン トペー
ス トを対 象に凝結 過程に お ける粘 弾 性 諸 係 数の経時変化お よび 周 波 数 依 存 性に関 し て検 討 を行っ た。 それ らを要約すると以 下の よ うになる。
(1) 伝 播 速 度は, 測定範囲内にお い て周 波 数 依 存 性 を有せ ず,
練り混ぜ後の経 過 時 間に従い,
S
字 形の カー
ブ を描い て増 加 す る。
(
2
)吸収係 数は, 練り混ぜ後 7 時間程度まで ほ ぼ単 調に減 少する。 ま た,
練り混ぜ後の経 過 時 間 が 短い間 吸 収係 数は周 波 数 30kHz あ たり にピー
クを 有 するが.
長 時間に な ると 周 波 数が大きい ほ ど吸 収係数も大きい傾 向 にあ る。
(3)
動 的 ずり弾 性 率お よ び動 的 ずり粘 性 率は
,
測 定 時間内に おい て単 調に増 加 する が,
増加速度が急 激 とな る時期は両者で一
致せず, 動 的 ずり弾性 率の方が早く現 れ る。周 波 数依 存 性に関し て は,
動的ずり弾性 率の場 合, 周 波 数100kHz
程 度 まで は周 波 数が大き く なる に従い 動 的 ずり弾 性 率 も大き く な る が,
そ れ以 上の周 波 数に対 し てほぼ一
定 値と な る。一
方,
動 的 ずり粘 性 率の場 合,
低 周 波 領 域におい て一
定値に漸 近する傾 向がみ られる が,
高 周 波 領域に おい て は, 周 波 数に対し ほ ぼ直 線的に 低 下す る。 (4) 動的ずり弾性 率お よび動 的ず り粘 性 率 を 略 算 式 に よっ て計 算する場 合,
測 定 周波数が lookHz
以 上に おいては精 解と よ く一
致す る が, それ以 下の周 波 数にお い て は誤 差が大き く,
精解によるべ きで あ る。(5 )損 失正接の経 時変化曲線は
,
測 定 周 波 数によ り 異な る形 状 を示 すが,
いずれ の周波数におい ても練り混 ぜ後の経 過 時 間が 6.
5 時間程度か ら増 加 速 度が大き く な る。損 失正接を測 定 周 波 数に対し,
両 対 数グ ラフ にプロ ッ ト し た場 合,
損 失正接は,
直線的な減 少 を示 す。 (6) 本 実 験の範囲内に おいて得られ た緩 和スペ ク ト ル は, 緩や か な 山 形の曲 線と な り,
特定緩 和時 間に おい て卓越 し たス ペ ク トルを 有 するよ う な現象は み られ な い。(7 )動 的 粘 弾 性 率の経時変化 曲線 を両 対 数グラ フ上 にプロ ッ トし た場 合
,
いずれも約 1,
5時 間 付 近に折 点を 有す る2本の直 線で近似で き る。
折 点 前 後におい て動的 粘弾性率の 増加 速度は著しく異 なるた め, こ の点は,
コ ンク リー
ト工事にお ける施工管 理 特 性 値とし て の利 用が 考え ら れ る。
謝 辞 本 論 文 作 製に当た り,
貴重な御指導と御 援助をい た だ いた佐 治 泰 次 教 授に感 謝の意を表す。 本 研 究に は, 昭 和 57,
58年 度 文 部 省 科 学 研究費の助 成 を得た。
参 考 文献 1}JIS
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槇書 店SYNOPSIS
UDC:691.54
A
STUDY
ON
THE
DYNAMIC
VISCOELASTIC
PROPERTIES
OF
THE
CEMENT
PASTE
THROUGH
THE
SETTING
PROCESS
by Dr. YASUNORI MATSUFUJL A.ssoc.PTof,of Kyushu
Univ, and YOSHIHITO KAWAKAMIAssist, of Kyushu
Univ.,Mernbersof A.I.J.
The
purpose of thisstudyis
toestimate therheological propertiesof the cement pastethrough the settingprocess.
There are some type of measuring methods
for
rheological properties,among that we ches'ed the.dynamicmeasuring method
by
shear wave propergation.By
this method continual measurementfor
sarne specimenis
possiblethrough the
'liquid
state after mixing to thehardend
state.Inthe presentpaper, velocity and attenuation measurements of shear wave were rngde to obtain the
dynamic
viscoelastic constants of cement pastethrough thesetting process and variation of theseconstants were studied as a