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糖尿病治療 と 検査値

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Academic year: 2021

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糖尿病治療

検査値

横浜市立大学附属市民総合医療センター 薬剤部 佐々木 琢也

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HbA1c

( hemoglobin A1c, グリコヘモグロビン) • 血糖値が高いと、血液中のブドウ糖がヘモグロ ビンに結合しグリコヘモグロビンに変化 • ヘモグロビンに対するグリコヘモグロビン割合 (%)が血糖コントロールの指標となる • 過去1~2か月間の血糖コントロール状態を反映 ヘモグロビン A0 A1 a b

c

d e A2

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HbA1c値への影響

• 耐糖能正常者の基準値 4.6~6.2% • 赤血球寿命と関連があり、血液の特にヘモグロビ ンが関連する疾患や病態により変動する可能性 HbA1c値が高め HbA1c値が低め なり得るものどちらにも • 急速に改善した糖尿病 • 鉄欠乏状態 • 急激に発症・増悪した糖尿病 • 鉄欠乏性貧血の回復期 • 溶血(赤血球寿命↓) • 失血後(赤血球生成↑) • 輸血後 • エリスロポエチンで治療中の 腎性貧血 • 肝硬変 • 異常ヘモグロビン症

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当院で掲載する予定の検査値

• WBC

[白血球数]

• Neu

[好中球]

• Hb

[ヘモグロビン]

• Plt

[血小板数]

• CK

[クレアチンキナーゼ]

• AST

[アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ]

• ALT

[アラニンアミノトランスフェラーゼ] •

T-Bil

[総ビリルビン] •

Cr

[クレアチニン] •

K

[カリウム] •

CRP

[C反応性蛋白] •

PT-INR

[プロトロンビン時間-国際標準化]

• Hb-A1c

Alb

[アルブミン]

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GA

( グリコアルブミン ) • 血液中のアルブミンがどの程度ブドウ糖と結合 しているかを調べる検査(%) • HbA1cで把握しづらい比較的短期間の血糖変化 をとらえることができるため、短期間での薬物 療法の効果判定などに有用 • 過去約2~3週間の血糖コントロール状態を反映

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GA

( グリコアルブミン )

の目標値

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当院で掲載する予定の検査値

• WBC

[白血球数]

• Neu

[好中球]

• Hb

[ヘモグロビン]

• Plt

[血小板数]

• CK

[クレアチンキナーゼ]

• AST

[アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ]

• ALT

[アラニンアミノトランスフェラーゼ] •

T-Bil

[総ビリルビン] •

Cr

[クレアチニン] •

K

[カリウム] •

CRP

[C反応性蛋白] •

PT-INR

[プロトロンビン時間-国際標準化]

• Hb-A1c

Alb

[アルブミン]

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1,5-AG

( 1,5-アンヒドログルシトール ) • 体内の1,5-AG濃度は通常一定(排泄・再吸収) • 尿中にグルコースが存在すると尿細管での再吸 収が競合阻害され尿中に排泄 ⇒ 糖代謝状態が悪化すると低下 • アカルボースやSGLT2阻害薬を使用していると 低値を示す • 直近数日間の血糖コントロール状態を反映

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検査値まとめ

HbA1c GA 1,5-AG 目標値 6.0%未満 16.0%未満 14ug/mL以上 血糖 control 1~2ヶ月を反映 2~3週間を反映 直近数日間を反映 評価適性 適 • 血糖が長期安定している 状態 • 初診時の現状までの評価 • 妊娠中や透析患者 • 血糖降下薬等の短期間 的な効果判定 • 食後高血糖の判定 • 軽度な高血糖にも敏感 に反応 評価適性 不適 • 血糖変動が大きい • 妊婦 • 赤血球に影響を及ぼす場 合(出血、腎不全等) • ステロイド内服 • アルブミンに影響を与 える場合 (ネフローゼ、肝硬変等) • 妊娠、腎不全等で変動し やすい • アカルボース、SGLT2阻害薬等、 一部の薬剤で低値 検査 2週間前 1ヶ月前 2ヶ月前 1,5-AG GA HbA1c

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37% 2% 21% 13% 10% 8%

61%

2015.07-2015.09 外来処方状況(件数) DPP4阻害薬 ビグアナイド薬 α-GI薬 SU薬 チアゾリジン薬 グリニド系 SGLT2阻害薬 配合剤 経口血糖降下薬 インスリン GLP-1作動薬

糖尿病用薬

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糖尿病用薬

72% 11% 9% 2% 2% 4% 2015.07-2015.09 外来処方状況(診療科別) 内分泌・糖尿病内科 心臓血管センター 小児総合医療センター 腎臓・高血圧内科 消化器病センター その他 内分泌・糖尿病内科 心臓血管C 小児総合医療C

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DPP-4阻害薬

• 小腸から分泌されるインスリン分泌促進物質 (インクレチン)の分解酵素[DPP-4]を阻害 • 重篤な副作用、低血糖等のリスクが比較的低い • SU薬にかわり処方頻度が高くなってきている (低血糖リスクや副作用面) → SU薬は低用量傾向 ポイント 用法 用量調節 代謝・排泄経路

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DPP-4阻害薬

ジャヌビア® グラクティブ®

• 50mg/回 1日1回

(効果不十分な場合は 100mg 1日1回) • 主に腎臓で排泄されるため中等度以上の腎機

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DPP-4阻害薬

ネシーナ® • 25mg/回 1日1回 (効果不十分な場合の増量記載なし) • 中等度以上の腎機能障害がある患者では排泄 遅延が起こるため用量調節必要 末期腎不全患者については、血液透析との時間関係は問わない。 ※ : Ccrに相当する換算値(年齢60歳、体重65kg)

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DPP-4阻害薬

スイニー®

• 100mg/回 1日2回

(効果不十分な場合の200mg/回 1日2回

• 重度以上の腎機能障害がある患者では用量調節

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DPP-4阻害薬

トラゼンタ®

• 5mg/回 1日1回

(効果不十分な場合の増量記載なし) • 糞中に未変化体のまま排泄される胆汁排泄型

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DPP-4阻害薬

まとめ① 用法・用量 医薬品名 用法・用量 最大投与 腎機能障害時 その他(排泄 等) ジャヌビア® グラクティブ® 50mg/回 1日1回 100mg/日(増量可能) 中等度 25mg 1日1回 重度/末期(透析含む) 12.5mg 1日1回 腎臓(未変化体) ネシーナ® 25mg1日1回/回 25mg/日 中等度 12.5mg 1日1回 高度/末期(透析) 6.25mg 1日1回 腎臓(未変化体) エクア® 50mg1日2回/回 100mg/日 50mg末期/透析中1日1回 代謝は主に肝臓 尿中排泄(73.2%) オングリザ® 1日1回5mg/回 5mg/日 中等度以上(透析含む)2.5mgに減量 肝代謝・腎排泄 スイニー® 100mg1日2回/回 400mg/日(増量可能) 100mg重度/末期(透析)1日1回 腎臓(未変化体) テネリア® 20mg1日1回/回 (増量可能)40mg/日 - 肝代謝・腎排泄 トラゼンタ® 1日1回5mg/回 5mg/日 - 胆汁排泄型

(25)

DPP-4阻害薬

まとめ② 適応 医薬品名 効能・効果 ジャヌビア® グラクティブ® 2型糖尿病 ネシーナ® エクア® オングリザ® スイニー® 2型糖尿病 ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る (1)食事療法、運動療法のみ (2)食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用 (3)食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用 (4)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用 (5)食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用 テネリア® 2型糖尿病 トラゼンタ® グリニド薬や インスリン製剤との併用は・・・

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DPP-4阻害薬

まとめ③ 定期的な検査 医薬品名 血糖 腎機能 肝機能 ジャヌビア® グラクティブ® ● ● 定期的に検査を することが望ましい ネシーナ® ● (減量基準あり) エクア® ● (減量基準あり) ● 投与開始後1年間は3ヶ月毎 その後も定期的 オングリザ® ● (減量基準あり) スイニー® ● (減量基準あり) テネリア® ● トラゼンタ® ●

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■参考■ CCr:creatinine clearance

Cockcroft-Gault式

男性 CCr=((140-年齢)×体重kg)÷(72×SCr) 女性 CCr=0.85×((140-年齢kg)×体重÷(72×SCr) CCr : mL/min SCr : mg/dL 体重の単位: kg ( 140 - age.

37

) ×

58

kg 72 ×

0.90

= 92.2

mL/min 例えば、私の場合・・・

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ビグアナイド薬

• 肝臓に作用し、糖新生を抑制 • 筋肉での糖の取り込みを促進 → 抵抗性の改善 • 腸管での糖吸収を抑制

乳酸

→→→→→→

ブドウ糖

ポイント 消化器症状 乳酸アシドーシス ヨード造影剤 安い、体重増少ない、単独での低血糖少ない 腎臓・肝臓に問題なければ使い易い→海外でも推奨

(30)

ビグアナイド薬

メトグルコ® 服用初期に嘔気・下痢等の出現するが、継続服用にて 症状軽減

消化器症状

糖新生の抑制により、乳酸が蓄積しごくまれに発症 主な副作用:嘔吐、腹痛、呼吸困難 等

乳酸アシドーシス

併用により乳酸アシドーシスを起こすリスク 検査前は投与を一時中止(当院では2日前) 造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しない

ヨード造影剤

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ビグアナイド薬

メトグルコ® メトグルコを除くビグアナイド薬は、腎機能障害患者には禁忌である。 メトグルコは、中等度以上の腎機能障害患者では禁忌である。SCr 値(酵素 法)が男性 1.3mg/dL、女性 1.2mg/dL 以上の患者には投与を推奨しない。高 齢者では SCr 値が正常範囲内であっても実際の腎機能は低下していることが あるので、eGFR 等も考慮して腎機能 の評価を行う。ショック、急性心筋梗 塞、脱水、重症感染症の場合やヨード造影剤の併用では急性増悪すること がある。尚、SCr がこの値より低い場合でも添付文書の他の禁忌に該当する 症例などで、乳酸アシドーシスが報告されている。 日本糖尿病学会 ビグアナイド薬の適正使用に関するRecommendation【抜粋】

定期的な

機能

のチェックを!

(特に高齢者)

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ビグアナイド薬

メトグルコ® ビグアナイド薬は、肝臓での糖新生を抑制して血糖降下作用 を示すため、乳酸が増加 ■正常肝■ 代謝を亢進することで乳酸値を一定に保つように働く ■肝硬変・重度肝機能障害■ 乳酸代謝能が十分働かず、乳酸過多となり乳酸アシドーシス へ移行してしまう可能性あり ⇒ 禁忌

定期的な

機能

のチェックを!

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α-グルコシダーゼ阻害薬

食事 小腸 多糖類 (でんぷん) 二糖類 (ショ糖) 単糖類 (ブドウ糖) 体内へ吸収 アミラーゼ α-グルコシダーゼ阻害薬

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α-グルコシダーゼ阻害薬

• 食直前の服用が必須

• 他の血糖降下薬と併用の際は低血糖注意

• 低血糖症状の発現時はブドウ糖摂取

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α-グルコシダーゼ阻害薬

• 劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な 肝機能障害、黄疸(いずれも0.1%未満)があらわれるこ とがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合 には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 • 重篤な肝硬変例に投与した場合、便秘等を契機として高ア ンモニア血症が増悪し、意識障害(頻度不明)を伴うこと があるので、排便状況等を十分に観察し、異常が認められ た場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこ と。

重大な副作用欄に

機能

関連記載あり!

ベイスン®添付文書より抜粋

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α-グルコシダーゼ阻害薬

まとめ 定期的な検査 医薬品名 血糖 腎機能 肝機能 アカルボース ● 投与開始後6ヶ月までは月1回● その後も定期的 ボグリボース ● ミグリトール ● いずれも慎重投与の項に 「重篤な肝障害のある患者」「重篤な腎障害のある患者」の 記載あり

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• HbA1cは過去1~2か月間の血糖コントロール状 態を反映している • 合併症予防のためのHbA1c目標値は7.0%未満で あるが、年齢や低血糖リスク、生活環境によ り個別に設定されている • 経口血糖降下薬処方時の検査値モニタリングと しては・・・ 腎機能・肝機能チェックがやはり重要!

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• WBC

[白血球数]

• Neu

[好中球]

• Hb

[ヘモグロビン]

• Plt

[血小板数]

• CK

[クレアチンキナーゼ]

• AST

• ALT

当院で掲載する予定の検査値

T-Bil

[総ビリルビン] •

Cr

[クレアチニン] •

K

[カリウム] •

CRP

[C反応性蛋白] •

PT-INR

[プロトロンビン時間-国際標準化]

• Hb-A1c

Alb

[アルブミン]

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糖尿病治療ガイド2014-2015 出版社:文光堂 定価:700円+税 科学的根拠に基づく 糖尿病診療ガイドライン2013 出版社:南江堂 定価:3,800円+税 糖尿病療養指導ガイドブック 2015 出版社:メディカルレビュー社 定価:2,800円+税

参考書籍

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ご清聴ありがとうございました

薬剤部医薬品情報室 直通:045-253-5340 内線:2413 takuya81@yokohama-cu.ac.jp 佐々木 琢也 27. 10. 27

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(44)

SGLT2阻害薬

効能又は効果に関連する使用上の注意 • 重度腎機能障害 : 投与しないこと • 透析中末期腎不全 (効果が期待できない) • 中等度腎機能障害 : 必要性を慎重に判断 用法及び用量に関連する使用上の注意 • 重度肝機能障害 : 低用量から投与 (慎重投与にも記載) 重要な基本的注意 • 3ヶ月投与しても効果不十分 → 他治療へ変更 • 腎機能の定期的検査(Cr上昇・eGFR低下)

付録 SGLT2阻害薬

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地域連携への取り組みに関し、多大なご協力をいただき 本当にありがとうございます 今後ともよろしくお願い申し上げます

参照

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