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第19回日本助産学会学術集会集録 一般演題 (口演)(その10)

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Academic year: 2021

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一 般演 題 〈研 究 〉 口演10 周 産 期 ケア1 36

妊 婦 の ス トレス対 処 能 力(SOC)と

産 後 うつ傾 向 の 関 連

金沢大学医学部保健学科 ○ 関 塚 真 美 〃 坂 井 明 美 〃 島 田 啓 子 〃 田淵 紀 子 〃 亀 田 幸枝 I 緒 言 産 後 うつ傾 向 は産 褥 早期 に発 見 され 対 処 され れ ば心 理的 健 康 障 害 にい た る結 果 を 阻 止 で き るが,産 後 うつ傾 向 を見逃 す と精 神 障 害 に いた る可 能 性 が あ る と指 摘 され てお り,産 後 うつ 傾 向 に な りや す い褥 婦 を早期 に ス ク リー ニ ン グす る こ とは重 要 とい え る。 産 後 うつ傾 向 に 関 して,出 産 体 験 の満 足 度 が低 い場 合 は産 後 うつ 傾 向 が 高 くな る こ と を示 唆 した先 行 研 究 が あ る。 出産 とは 産 婦 に とっ て 生 理 的 に も 心 理 社 会 的 に も ス トレス フル な 出 来 事 とい え る が, Lazurusの ス トレス理 論 で は 心理 社 会 的 ス トレス とは 主観 的 な もの で あ り,個 人 の認 知 と対 処 能 力 が ス トレス反 応 に影 響 す る とい われ て い る。 産 後 の 心 理 的健 康 に ス トレス認 知 とス ト レス 対処 能 力 は どの よ うに 関連 して い るの で あ ろ うか。 こ こで,ス トレス対 処 能 力 を測 定す る尺 度 の一 つ にSense of Coherenoe;首 尾 一 貫 感 覚(以 下SOC)が あ る。この 尺度 は ス トレス と健 康 の 関 連 にお け る研 究 で 広 く使 用 され て い る もの で あ り,SOCが 健 康 に対す る予測 力 を も って い る こ と を立 証 す る研 究 も少 な くな い。 そ こで ス トレス対 処 能 力 を 測 定す る尺 度 と してSOCを 用 い,ス トレス認 知(出 産満 足度) と妊娠 末期 の ス トレス対 処能 力(SOC)が 産 後 の ス トレス反 応(産 後 うつ 傾 向)と どの よ う な 関連 が あ る か を明 らか にす る こ とを 目的 に調 査 を行 った。 II 方 法 1.対象:A市 内 の ク リニ ック,総 合 病 院 に通 院 して い る経 膣分 娩 予 定 の単 胎 妊 婦45名 2.調査 時期:2004年4月 ∼8月 3.調査 内 容:妊 娠 末 期(35-38週)と 産 後3-4日 目の2回 に わ た り質 問 紙 調 査 を行 っ た。 内容 は(1)妊娠 末 期:基 本 的 属性,合 併 症 の 有 無,う つ尺 度(Zung),SOC(2)産 後:分 娩経 過,出 産 満 足 度(常 盤2002),産 後 うつ 尺 度(池 本 ら1986)と した 。SOCはAntonovsky(1993) の提 案 したSOCス ケー ル を も と に 山崎 が 開 発 した 日本 語 版 ス ケ ー ル を用 い た 。29項 目か ら な る尺 度 で あ り7段 階(1-7点)で 回答 を求 め,そ の合 計 得 点 で評 価 す る。 得 点 が 高 い ほ ど ス トレス に 直面 して も健 康 で い られ る特 性 を意 味 す る もの で あ る。 4.分 析 方 法:分 析 に はSPSS ver11.5を 用い,t検定,分 散 分析,Mann-Whitney検 定 ,

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外が 見 る こ とは な くケ ア へ の影 響 が な い こ とを説 明 し,署 名 に よ る同 意 を得 た。 III 結 果 回収率45名(100%)。 うち1名 は帝 王 切 開 とな った た め分 析 対 象 は44名 と した。平 均 年 齢28.2±3.5(22-36)歳 。 産 科 歴 は初 産22名,経 産22名 で あ った。 分 娩 所 要 時 間9.7± 6.5(時 間),分 娩 時 出血 量502.0±288.0(ml),胎 児 体 重3117.4±360.3(9)。 分娩 時 処置 が行 われ た の は23名(内 容 は会 陰 切 開,陣 痛 促 進 剤 使 用,分 娩誘 発 剤 使 用,吸 引分 娩 等), 行 われ な か っ た の は21名 で あ っ た。 産 科 歴 や 分娩 経 過 の 内容 等 に よ りSOC,う つ,出 産 満 足度,産 後 うつ の各 尺度 得 点 に は有 意 差 が な か っ た た め,産 科 歴 等 に よる分 類 は行 わず に分 析 を行 つた。 各 尺 度 得 点 を表1に 示 す。 表1.各尺度得 点(n=44) 産 後 うつ 尺度 得 点 を従 属 変数 と し,SOCと 出産 満 足 度 を2要 因 と し分散 分 析 を行 っ た とこ ろ,SOCと 出 産満 足度 に は交 互 作用 は認 め られ な か っ た。産 後 うつ 尺 度 とSOCの 関連 で は有 意 な負 の相 関(rs:-0.30)が あ り,SOC平 均 値 に よ り高 低2群 に分 け て 産後 うつ尺 度 得 点 を 比較 した とこ ろ,SOCが 低 い群 ほ ど産 後 うつ 尺度 得 点 が 有 意 に 高 か っ た。 ま た産 後 うつ 尺度 と出産満 足 度 の 関連 で は相 関 は な く,出 産 満 足度 高低 別 の比 較 で は満 足度 が低 い群 の ほ うが 産後 うつ 尺 度得 点 が 高い 傾 向 に あ っ た が有 意 差 は な か っ た。 また,産 後 うつ傾 向 が対 象者 の個 人 的 特 性 に よ る もの か を検 討 す るた め に妊 娠 末 期 の うつ 尺度 と産 後 うつ 尺度 との 関連 を み たが 相 関は な か っ た。 IV 考 察 産 褥 早期 の 産 後 うつ傾 向 を見 逃す と精 神 障 害 に い た る可 能 性 が あ る と指 摘 され てい る。 精 神障 害 の一 つ で あ る産 後 うつ病 を例 に とる と,そ の発 生 率 は13.4%と 報 告 され て お り,厚 生 労働 省 は 「健 や か 親 子21」 で 産後 うつ 病 の発 生 率 の減 少 を2010年 ま で の到 達 目標 に あ げ て い る。今 回 の調 査 でSOC得 点 が低 いす な わ ちス トレス対 処 能 力 が低 い ほ ど産 後 うつ 得 点 が 高 い とい う結 果 よ り,ス トレス対 処 能力 と産 後 うつ 傾 向 との 関連 が 示 唆 された。 しか し,出 産 満 足度 と産 後 うつ傾 向 との 関連 は な く先 行 研 究 の 結 果 と異 な って い た。 これ は今 回 の対 象数 が 少な い こ とや 対 象 の属 性 に よ る影 響 も あ る と考 え られ る が,今 後 さ らに対 象 数 を増 や す こ と や尺度 内容 を吟 味す る こ とで検 討 して い く必 要 が あ る。 ま た産 後 うつ 尺度 は妊娠 末期 の うつ 尺 度 との 関連 は な く,SOCと の 関連 がみ られ た こ とよ り,SOCを 用 い て妊 婦 の ス トレス 対処 能 力 を測 定す る こ とは,一 次 予 防 の観 点 か ら産 後 うつ 傾 向 に な りや す い褥 婦 を妊娠 末期 に ス ク リー ニ ング で き る指 標 とな る可能 性 も示唆 され た。 V 結論:ス トレス対 処 能 力 が低 い妊 婦 は産 褥 早期 の産 後 うつ 傾 向 が 高 か った。

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一 般演 題 〈研 究〉 口演10 周 産期 ケ ア1 37

産 褥早期 にお けるス トレス に関連 す る要 因

京都府立医科大学医学部看護学科 ○ 松 岡 知 子 " 五 十嵐 稔 子 " 宮 中 文 子 京都第一赤十字病院 原 田 節 子 済生会京都府病院 今 井 順 子 京都府立医科大学附属病院 飯 田 三 貴子 京都府立看護学校 吉 田 裕 子 第二岡本総合病院 前 田 育 久 子 I.緒 言 出 産 ・子 育 て に お い て 生 じ る 強 い 育 児 不 安 や 困 難 感 な ど が ス ト レ ス と な り,母 親 の 心 身 の 健 康 に 影 響 す る こ と は い う ま で も な い.産 褥 期 の ス トレ ス に 関 連 す る 要 因 に つ い て の 先 行 研 究 は,い く つ か 報 告 され て い る が,産 後2週 間 以 降 の 褥 婦 を 対 象 と した も の で あ り,産 褥 早 期 の 褥 婦 を 対 象 と した 研 究 は み られ な い. ス ト レス の 母 児 に 及 ぼ す 影 響 は,個 人 の パ ー ソ ナ リテ ィや ス ト レ ス 対 処 能 力,家 族 や 社 会 の 支 援 な ど に よ り違 い が あ る と考 え る.特 に,産 褥 早 期 で は 出 産 に よ る 影 響 を 受 け る こ とが 大 き い と 思 わ れ る.ま た,こ の 時 期 は 母 親 役 割 の 発 達 の 時 期 で あ り,ス ト レ ス が そ れ に 影 響 を 及 ぼ す こ と も 考 え られ る.そ こ で,産 後 早 期 の ス ト レス と そ の 関 連 要 因 に つ い て 検 討 し た. II.方 法 1.対 象;平 成15年9月 ∼ 平 成16年8月 ま で にK府 内5病 院 に お い て,調 査 の 目的 に 同 意 し 協 力 が 得 られ た 褥 婦411人 で あ る. 2.方 法:出 産 後4∼5日 目 に 質 問 紙 調 査 を 行 っ た. 3.調 査 項 目:出 産 後 に お け る 褥 婦 自身 の 主 観 的 な ス トレ ス の 有 無 と 内 容,出 産 体 験 の 満 足 度,母 親 お よ び 児 の 健 康 状 態,母 乳 哺 育 状 況,抑鬱 傾 向(Zungの 自 己 評 価 式 抑鬱 度 尺 度),母 親 意 識(宮 中 ら),夫 婦 関 係(Family-APGAR),属 性 項 目で あ る. 4.分 析 方 法:単 純 集 計 の 他 に,ス ト レス の 有 無 を 目的 変 数 と しx2検 定,t検 定 を 行 っ た. 有 意 水 準 は 危 険 率5%と し た.自 由 記 載 で 得 た ス ト レ ス の 内 容 は,ま と ま りの あ る 意 味 の 文 を 単 位 と し て 抽 出 し カ テ ゴ リー 化 を 行 っ た 。 母 親 意 識 は 肯 定 的 で あ る ほ ど 高 得 点 に な る よ う に 配 点 し得 点 化 した.抑鬱 傾 向 は 抑 鬱 度 が 高 い ほ ど 高 得 点 に な る よ う配 点 し得 点 化 した. 5.倫 理 的 配 慮:入 院 中 の 褥 婦 に 対 し て 研 究 説 明 と承 諾 の 手 続 き を 行 い,同 意 を 得 た. III.結 果 1.対 象 の 属 性 母 親 の 年 齢 は,17∼43歳,平 均30.4(SD=4.3)歳 で あ っ た.初 産 ・経 産 別 で は,初 産 婦197 人(47.9%),経 産 婦214人(52.1%)で あ っ た.就 労 の 有 無 は,専 業 主 婦 が259人(63.2%),有

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職 が151人(36.8%)で あ っ た.家 族 構 成 は,核 家 族337人(82.0%),拡 大 家 族74人(18.0%)で あ っ た.新 生 児 の 性 別 は,男203人(49.4%),女208人(50.6%)で あ っ た. 2.産 褥 早 期 の ス トレ ス の 有 無 と 内 容 産 褥 早 期 の ス トレ ス は,あ る が145人(35.3%), な い が266人(64.7%)で あ っ た.ス ト レス の 内 容 は,多 か っ た 順 に,「 授 乳 ・搾 乳(母 乳 が う ま く 出 な い,乳 首 が 痛 い,直 接 授 乳 で き な い の で 搾 乳 しな け れ ば な らな い 等)」40人,「 自 分 の 身 体(傷 口 が 痛 い,後 陣 痛 等)」30人,「 睡 眠 不 足(寝 不 足, 児 が 夜 寝 て くれ な い 等)」24人,「 今 後 の 不 安(赤 ち ゃ ん の 世 話 が で き る か,ど うや っ て 育 て た ら 図1 産褥 早 期 の ス トレスの 有 無 と主 な 内容 い い の か,漠 然 と 不 安 が あ る 等)」16人,「 児 の リス ク(子 ど も がNICU入 院 中,保 育 器 に 入 っ て い る 等)」11人,「 入 院 生 活(4人 部 屋 で 息 が 詰 ま る,児 が 泣 く と 同 室 者 に 気 を 遣 う,外 に 出 られ な い 等)」11人 等 で あ っ た(図1). 3.産 褥 早 期 の ス トレ ス に 関 連 す る要 因 に つ い て 1)母 子 の 健 康 状 態 ・出 産 体 験 と の 関 連 出 産 の 正 異 で は,「 異 常 」 の 母 親 は,「 正 常 」 の 母 親 に 比 べ て 有 意 に ス ト レ ス が 多 か っ た(P <0.01).ま た,出 産 体 験 で は 「あ ま りい い お 産 で な か っ た ・い い お 産 で な か っ た 」 と回 答 し た 母 親 は,「 い い お 産 だ っ た ・ま あ ま あ い い お 産 だ っ た 」 と 回 答 し た 母 親 に 比 べ て 有 意 に ス トレ ス が 多 か っ た(P<0.05).産 後 の 母 親 の 健 康 状 態 で は 「順 調 で な い 」 の 母 親 は,「 順 調 」 の母 親 に 比 べ て 有 意 に ス ト レス が 多 か っ た(P<0.05).新 生 児 の 経 過 で は 「順 調 で な い 」 児 の 母 親 は,「 順 調 」 な児 の 母 親 に 比 べ て 有 意 に ス ト レス が 多 か っ た(P<0.05). 2)母 親 意 識 と の 関 連 母 親 意 識 の 合 計 点 の 平 均 は,ス ト レス が あ る 母 親 は46.9(SD=5.6)点 で あ り,ス ト レ ス が な い 母 親50.0(SD=6.0)点 と有 意 に 低 か っ た(P<0.01). 3)抑 鬱 傾 向 と の 関 連 抑 鬱 傾 向 の 合 計 点 の 平 均 は,ス ト レ ス が あ る 母 親 は28.4(SD=5.7)点 で あ り,ス トレ ス が な い 母 親 24.6(SD=4.2)点 と 比 べ て 有 意 に 高 か っ た(P<0,01). IV.考 察 産 褥 早 期 に お け る ス トレ ス に 関 連 す る 要 因 は, 正 常 で な い 出 産,否 定 的 な 出 産 体 験,産 後 の 経 過 の 異 常,新 生 児 の 経 過 の 異 常,抑 鬱 傾 向 や 否 定 的 図2 産褥 早期 のストレスの 関連 要因 な 母 親 意 識 で あ っ た(図2).産 褥 早 期 の ス ト レス は,抑 鬱 傾 向,母 親 役 割 の 発 達 に 関 連 し て お り,ス ト レス 軽 減 の 為 の 助 産 ケ ア,す な わ ち,医 学 的 に 安 全 で あ り,満 足 感 の 得 られ る 出 産 体 験 が 経 験 で き る よ うな 助 産 ケ ア の 重 要 性 が 示 唆 され た.

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一般 演 題 〈研 究 〉 口演10 周 産 期 ケ ア1 38

産 婦 に とっ て 満 足 で き る 出産 体 験 とな る よ うな 看 護 者 の 関 わ り

-ク

リニ ッ クで の 出 産 体 験 者 へ の イ ン タ ビ ュー を通

して-聖隷三方原病院 ○ 爪 田 淑 子 山梨県立看護大学 滝 沢 美 津 子 I 緒 言 平成14年 度 の 合計特 殊 出生率 は1.32で あ った。 この 数値 に代 表 され るよ うに、少 子 高齢 化 は社会 現 象の一 つ として 定着 しつ つ ある。 この こ とと平 行 して 女 性達は 一 生に一 回か 二 回の 出産 体験 をよ り充実 した ものに し たい とい う願 い を持 って出産 に取 り組 む様 にな って い る。 シー ラ ・キ ッチ ンガー が 「出産 と いう 出来 事 は身体 的 で あるが 、同時 に精神的 、性 的情 緒 の充足 で あ る」1)と述 べ て いる よ うに、 出産 体験 は 産 婦 の精神 的 知覚 に お いて 非常 に重要 な意 味 を持 ってい る。そ こで 今回 、次 の3点 の 目的 を持 って本研 究 を行 った。 1 .出産 を体験 した女 性が妊娠 中 に描 く満足 す る出産 のイ メー ジ と実 際 に体験 した出産 の 差 異 を知 る。2.産 婦 が 抱 く自己イ メー ジ と看 護者 及び 医師 の助言 や誘 導 を含 むケ ア との不 一致 感 を知 る。3.1.と2.か ら産婦 が満足 でき る出産体 験 とな るよ うな看護 者 のケ ア介 入 と関わ り方 につ いて示 唆 を得 る。 II 方法 対 象者:関 東 の地方 都市 に生 活の拠 点 を持 ち市 内の ク リニ ックで 妊娠 期 の フ ォロー を受 け て出産 を体 験 した 女 性5名 。 出産 時 には調査 者が 立 ち会 った。調 査期間:平 成15年8月1日 か ら8月31日 。デ ー タ収 集方 法: 産褥3日 以 内 に半構 造的面 接方 法 を用 いた20∼30分 間 のイ ンタ ビ ュー 。イ ンタ ビ ュー の骨 子 は 「妊娠 中 に描 い てい た満足 で きる 出産 とは どのよ うな もので あ ったか 」 「実 際 に体 験 した 出産 は ど うで あった か 」 「看 護者 や医 師のケ アや診 療 は ど うで あ った か」 「看護 者や 医師 の 関わ り方 は ど うで あった か」の4項 目。デ ータ分 析方 法: テー プ レコーダ ー に録音 したイ ンタ ビュー 内容 は逐語 的 に書 きお こ しロー デ ー ター の逐語 録 を作 成 。並行 して フィー ル ドノー ツ を作 りイ ンタ ビュー 中の音 声 言語 以外 のデ ー タ を記 述 し補 足デ ー タ と し質 的 分析 を行 った 。4 段階 の分析 の プ ロセ スで スー パーバ イザ ーか らの助 言 を得て デ ータ の信 頼性 に努 力 した 。研 究 の倫 理 的配慮: 対象者 に は本研 究 の 目的 を文書 と口頭で 説明 し協 力の依 頼 を した。デ ー タは 本研 究以 外 の 目的 では 使用 しない 、 研 究協 力は 本人 の 自由意 志で あ り途 中で辞退 が 可能 で あ る ことを含 めて プ ライ バ シー の保 証 を厳 守す る 旨を伝 えた。 さ らに研 究 への協 力 、非協 力は入 院 中 の診療 や ケ アには 全 く影響 しな い こと を伝 えて最 終 的 に協 力の意 思 を確 認 した。 III 結果 デー タ分 析結 果か ら、産婦 が満 足で きる出 産体験 への看 護者 の 関わ り方 や ケ アの 具体 的 内容 につ いて 示唆 を

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1満 足で きる 出産 への イ メー ジでは初 産婦 は経 産婦 と比 べて 曖昧 であ った。 2満 足 できる 出産 にむ けて の準備 で は知識 の習 得 に重 きがお かれ ていた 。 3妊 娠 中に 出産準 備教 育の ク ラスで使 用 した資 料(パ ンフ レ ッ ト ・リー フ レッ ト)や マ タニテ ィ雑 誌か ら得 た 知識 や情報 は 、産婦 が"分 娩 とは"に つ いて 理解す る知 識 の助 け にはな るが 、産婦 自身 の 出産体験 で は 自己 イメー ジとの不 一致感 を生む材 料 とな って いた。 4分 娩進行 中の過 程で 満足感 の あった ケ アは 《声か け》《腰部 のマ ッサ ー ジ》《呼 吸法 の実 施》《看護 者 の付 き添 い》《い きみ の指導 》《家族 への分 娩進 行状 況 の説明》 で産 婦 に内在 す る力 を引 き出す き っか け とな って いた 。 5分 娩進行過 程 と各 ステー ジで短 息呼 吸 ・怒責 感の コ ン トロー ル ・一般 的な 呼吸法 の適 用 は産痛緩 和 や胎 児 を 良好な状態 で 出生へ と導 く助産 ケ アの"定 番"に な って いるが 、産婦 の身体 感覚 や反 応 に拮抗 す る場合 、不 一致感 となっ ていた 。 6医 療者 と産 婦で は"良 いケア"や"適 切 なケ ア"の 捉 え方や考 え方 に違 いが あ った。 7産 婦の満足 で きる 出産体験 やケ アに対す る評価 は 、産婦 と医療 者 間の信 頼関 係が影 響 して いた 。 IV 考察 看護 者は分娩進 行 中の産婦 の 身体的 、心 理的 状態 を まず は 、その ま ま受 け入 れ観察 や ケ アを媒体 と した 対話 を通 して産 婦の 反応 に注 目す る ことであ る。産婦 の反 応 の中 に 自分 のケ アが結 果の 一つ として反映 され るか ら である。我 々が 産婦 を対象 と した臨床 現場 で 日常的 に用 いて いるケ アは周 産期 医学 や助 産学 の正統 的 、承 認的 ケアとして一 般化 され た もので ある。 だか らこそ、全 て の場合 に適応 が可 能で あ ると い うの では な い。 とい う の も"出 産体験"は 、 と りわけ 一般 化(標 準化)と 個 別性 の間 の落 差が大 き いか らで ある。従 って時 に は疑 い の眼をもって適 用 させ る こ とも必要 であ る。 出産体験 者個 々 の"分 娩進行 過程 と状 況"の 場 面で 産婦 の側 で付 き添 いなが ら丁 寧 に観 察 して い くとい うケア の方法 の 中に新た な ケアや介 入 の仕方 への 気 づきが あ るか も しれ ない。産婦 と医療者 の信 頼 関係は 満足 でき る出産 体験 やケ アの評 価 と関係が あった。"信頼 で きた"と 産婦 が語 る内容 は 「声 かけ のタイ ミング、仕方 」な ど分娩 進行 とと もに変 化 してお り"信 頼 す る""関 係 の成 立"は 常 に 流動的で あった 。 また産婦 と医 療者 とで相 互 に作 り上げ て いく性質 も示 され た。 V 結論 産婦 は分 娩進行 の過 程で 自己イ メー ジとの不 一致 を感 じた場 合 出産体験 を否定的 に受 け止 めた 。 また 医師 や 看護者 との信 頼 関係が築 か れて いる場 合は 出産体 験 のプ ロセス が どのよ うで あれ肯 定的 に受 け止 めて い た。 産 婦 にとって満 足 でき る出産体 験 へのケ アの ア プ ロー チ として"脱 教 科書的 、脱 権威 的ケ ア"の 試 行 も一 つの 方 法であ るといえ る。 今回の研究 は対 象者 が5名 で調 査機 関 も1箇 所 で あ りデ ー タに偏 りが ある 。デー タ収 集 はイ ンタ ビ ュー とい う単独手法で あ る ことか ら主 観的 性質 が強 く信頼 性 ・妥 当性 を飽和 す るデ ー タ には至 らず質 的 量的補 完 偏が 求 め られる。本研 究 に関連 す る量的 、質 的研究 は多 々 あるが 、 ク リニ ックの特性 を もった 場 で出産 体験 を した女 性との忌憚 の な いイ ンタ ビュー 内容 が 小規模 施設 で産 婦が 満足 す るケ アの手 がか りを模 索 して い る看 護 者 への 一里塚 とな る可能性 を鑑 み発 信 した。 引用文献1) シーラ ・キッチンガー 助産婦の挑戦 日本看護協会出版会1990年

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一般 演 題 〈研 究〉 口演10周 産 艶 ユ _ 39

農 村 に嫁 い だ中国人女 性 の妊 娠 ・出産 体験

一 日本 人家 族 との家族 関係 とその 関連性 に注 目 して 一

岩 手県立大学看護学部 ○ 蛎 嫡 奈 津 子 L緒 旨 在 日外 国人 母子 に対す る看 護 は母 性看 護学 とともに 国際看 護学の 下位領 域である異文 化看 護 にお いて検討され る特徴を有す る。異文 化看 護とは 、看 護の視 点に 「文化 」の概 念を取 り込 んだもの であ り、対 象者 の 日常生活 におけ る価 値観や 文化尺度 で考 えた看 護 を提 供す ることをめざす。しか しこれ まで在 日外 国人の母 子保 健研究で は、主に 不法滞在 者 を対象 とし、その合併 症の発 生率や 周産 期死 亡率 などが高 率である事 実が 多く報 告 され 、また 医療費未 払い などといった経 済の 問題や 言葉 が通 じないことへ の対 策が論 じられ てきた(李、1998)。しか し、対象者 の生活の 問題 につ い て異 文化 看護 の視点 で報 告 したものは 非常 に少 なく、これ は1980年 代 に入 り社 会 問題 化 した農村 にお いて国際 結婚を した外 国人 女 性を対象 とした研究 が、医学 ・看護 学分 野に おい ては散 見す るに過 ぎない状 況にも表 れ てい る。しか しいくつか の報告か らは、日本 人家 族との人 間 関係 にお ける問題 が彼 女 たちの 妊娠 ・出産 体験、およ び その後 の生活 に非 常に大 きな影 響を 与えることが指 摘 され ている(桑山、1996、大 西ら、2003)。 そこで本研究 で は 、出生 数の うち母 の 国籍 別 の動 向にお い て増 加傾 向にあり、か つ 外 見が 日本 人と似 ていることか ら文化 の強要を 受 けや す い と考 えられ ている中国人 女性 に注 目し、彼女 たちの妊 娠 ・出産体 験を、家族の 役 割 構造 の概 念をもとに 日本人家 族との家 族関係との 関連 性 におい て明らか にすることとした。 皿.方 法 1.研 究対象lA県 の農村 地域 に在 住す る中 国人 女 性の うち、わが 国にお い て妊 娠 ・出産 を経 験した者。2.研究方 迭:半 構成 的面接法 を用い 、対象者 の 自宅 または対象者 が指 定した場所 にて各2∼3回 の 面接 を実施 した。調 査内 容 は① 出会 い∼ 来 日・結婚 、② 結 婚∼ 妊娠 判明 、③ 妊 娠 ∼ 出産 前 、④ 出産時 ∼産 後の4時 期にお い て具体的な妊 娠 ・出産 体験 の経過 、家 族との 関係 性 の程度や 変 化 、家事状 況 ・生活 時間の 変化 につ い て把 握した。調査 内容は許 可を得 て録 音または筆記 による記 録を行 い文字 化した。3.研究 期間:2003年3月 ∼12月 で あった。4。分 析方法:上 記の4っ の時期 にお ける妊 娠 出産 体験を整 理した後、日本 人家 族との家 族 関係 を 「家 族の役 割構 造」の分析概念を 用 い把 握す ることとした。まず対 象者 が家 族 に対 して抱 く役割 期待 と、対 象者が 認 知 す る実 際の 家 族の役 割遂行状 況 に注 目し、その一致 ・不 一致の程度 をみ た。さらに一致の場 合 にはそれ がもたらされた背 景因 子を、逆 に不一致の 場 合は役割 期待の 構成 要 因を抽 出し、役 割期待 と役 割 遂行 間の 一致 を促 進す る因 子とそ の関係 性 につ い て把握し た。5.倫 理 的配 慮:口頭 にて研究 目的 ・方法 を説 明し協 力意 思を確認 す るとともに 、この 協 力は 強制 で ない こと、い つでも取り消す ことが できること、得 た 情報 は研 究 以外 には用 いないことを説 明し、秘守 性・匿名性 を保 障 した。

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1.4つ の時期 にお ける体験 の特徴 ①来 日・結婚まで:8名 中5名 が 中国での見合 いを経 験 してお り、3名は知 人 ・親 戚の紹 介であった。この 時期は 義 父母など日本人家 族と会 うこともなく、夫の み と関わ っていた。中国人女 性の認識 としては 、夫 が適 齢期 を過ぎた年齢 であることもあり、義父 母 は 自分たちの結婚 を喜ん でくれ 、自分 を大切 に思ってくれると期待 していた。② 結 婚∼ 妊娠 判明:8名 中7名 は夫の年齢 のこともあり、結婚 後す ぐに妊娠 したいと考えていた。そして5名 は来 日・結 婚後1∼4ヶ 月の間に妊娠 が判 明した。この 時期 は試 行錯 誤 をしなが ら異 国の地 での新 しい生活 に溶 け込もうとしている時 期で あった。(3)妊娠∼出産 前:② と同様 、日本での 生活に溶 け込 む ことに努力 しなが らも、この時期 に は家族 内での 自分 の役割を模 索、そして 自分 なりに認 知していく時であった。これ らのことに比重 が置 かれ てお り、義父 母な ど 日本 人 家族との関係が 良くなかった場合 にも、問題 としては表 面化す ることがなか った。④ 出産 ∼産 後:日本 人家 族 との 関 係において問題 が表 出したのは 産後 の時期 であった。その 契機 となったの が産後 の 日中間の慣 習 にお ける相違 で あった。これ は慣 習の 内容 というよりもその厳 重さの程度 の相違 が大 きか った。具体例 としては 中国で は体 を冷 や さ ないこと、安 静を保 持 することにお いて 日本 と比 にならないほ ど厳 重 に、しかも徹 底して守 られるとい うことだった。そ してこの慣習の相違が 家族 内の役 割 に対 する期待 や 性別 役割に 関す る価 値観 の相違 を引き起こし、「自分は家 族 に 大切な存在 と思わ れ てい ない」という感 情として認識 され ることとなっていた。しか し慣習 の相違 が家族 内の 問題 とし て表面化す ることなく調整され ている場 合もあった。そこで 次にその要 因を家 族の役割構 造か ら抽 出す ることとした。 2.家族の役割構造 中国人女性が 日本人 家 族に抱く役 割期 待 と、実際 に 日本 人家 族が行 った役割 遂行 状況 の一 致 ・不 一致 の程度 を みたところ、夫に対しては8例 中4例 が 、義 父母に対 しては6例 中3例 がそれぞ れ一 致 、不 一致を認 めた。次 に不 一致が認 められ た場 合に対 し、中国人女性が 日本 人家族 に抱い た役 割期待 の構成 要因を抽 出したところ、それ らの ケースにお いては、言葉 の不 自由さを超 えて互 いを理 解 しあうとい う話 し合い の習慣 がない ことがわ かった。この話 し合いがないことにより相 手の価 値観や 思 いが理 解できず 、自分の 生まれ 育った 地域の慣 習 を基盤 とした価 値観 を より固定化させ ていた。そして観 念的なものを互い に押 し付 けあい 、感 情 的な トラブルが 引き起こされ ていた。一方 、役 割期待と役 割遂 行に一致 が認 められ た場合 には 、家 庭内で話 し合う習慣 があり、その場 で役割期 待や 役割 遂行 が修 正されていた。またこの話 し合い の習慣 が確立 するには夫の役 割 が大きかった。この ほか 、家 族以外の 地域 の人 々 との交流がある場台や 義 父母 との同居 がないこと、今後 の結婚 生活 に明るい 見通 しを持 ってい ることなども要 因とし て抽出された。一般 に役 割とは 学習 される行 動 様式と捉えられ てい るが、まさにこの学 習が家 庭 内でなされるような 機会の提供が重要であると思わ れた。したがって、妊 娠 ・出産 の 間に 日本人家 族 との 間で産後 に表面化 してくる問題 に対しては、その前 の時期 、つ まり妊娠 期か ら家族 との 間で話 し合 いの習慣 が形成 され るように、夫 を巻 き込 んだ 関 わりが重要になると考えられ た。 IV.結 諭 1.農村に嫁いだ 中国人 女性 の妊娠 ・出産 と日本人 家 族との生活 状況 との 関連 をみた ところ、日本人家族との間に問 題が表面化するの は産 後の 時期で あり、その 問題 は 日中間の 出産 にまつ わ る慣 習の 相違 、特 に厳重 さの相違 に 起因するものだった。 2・家族内で話し合う習 慣が確立 している場 合は 、互いの価値観や 思いが理解しあえ、日本人家族との間に起こる問 題が表面化す ることは少なかった。したがって、問題 が表面化 する前の 時期 、つ まり妊娠 期か ら日本 人家族 との 関 係性が構 築されるよう、夫を含 めた看 護 支援 が重要 となる。 引用文献 ・李節子: 在日外国人の母子保健、医学書院、1998. ・桑山紀彦: 国際結婚とストレス、明石書店、1996.・大西守ら: 国際結婚における心身医学的 問題、心身医学、35(3)、229-233、1995、・森岡清美ら:新しい家族社会学、培風館、2002.

参照

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