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KABC-Ⅱ K-ABC によるアセスメント事例のまとめ方 2006( 平成 18) 年 4 月 20 日作成 2018( 平成 30) 年 1 月 8 日改訂 KABC-Ⅱ K-ABC によるアセスメント事例のまとめ方 1 Ⅰ. 倫理的配慮検査の実施にあたっては 対象者に ( および対象者が未成年

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KABC-Ⅱ、K-ABC によるアセスメント事例のまとめ方

1 Ⅰ.倫理的配慮 検査の実施にあたっては、対象者に(および対象者が未成年である場合にはその保護者 にも)事前に十分に説明し了解を得ておく必要があります。また、事例を発表する際にも、 同様に、対象者に(および対象者が未成年である場合にはその保護者にも)発表・掲載の 了解を得てください。事例発表を行うときには、了解を得たことを明示してください(発表 資料に明記し、口頭でもその旨を伝える)。事例発表資料には、対象児を特定できる恐れの ある個人情報は記載しないでください。 Ⅱ.構成と内容 1.内 容 以下の内容を順に記載します。 ①タイトル 対象児の特徴、検査結果の要点、指導のねらいなどが分かるようなタイトルを付けます。 20〜40 字程度。原則として,メインタイトルだけで分かるようにしてください。 ②対象児 在籍する学校・学級、学年または年齢、(医療機関などで診断を受けている場合は)診断 名、性別。対象児が特定できないよう、イニシャルにするなどの配慮をします。 ③主訴(相談内容) 養育者または学級担任などからの主訴を 40〜100 字程度にまとめる。「不登校」や「算数 ができない」といった抽象的な表現ではなく、なるべく具体的にまとめてください。 ④概要 KABC-Ⅱやその他の検査の結果と解釈、指導方針と指導経過・結果についての要点を 300 〜400 字程度にまとめます。 ⑤本文 記載すべき項目は、2.本文に記載すべき内容に示してありますが、必ずしもこの通りの 書式ではなく、事例に合わせて適宜変更しても構いません。 ⑥参考文献 論文を執筆するにあたり引用または参考にした文献は、本文の最後に【参考文献】とし てリストを添付します。 2.本文に記載すべき内容 1 この「事例のまとめ方」は、日本 K-ABC アセスメント研究会の「K-ABC アセスメント研究」 の投稿の手引きをもとに、事例報告のまとめ方として作成したものである。

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1)背景となる情報 イニシャルや生年月日など、対象児を特定できる恐れのある個人情報は記載しません。 医療機関名や教育機関名は、「A 病院」「B 福祉センター」のように実名を伏せます。 ①生育歴及び現在までの経過 周産期や出生児、乳幼児期から現在までの経過について、医学的情報や医療的ケア、専 門機関や教育機関での療育歴や教育歴について記載します。 ②家庭環境 ③学校や家庭での現在(指導開始前)の様子 学級担任や養育者などから得られた情報、または著者が対象児を実際に観察して得た情 報を記載します。 ④初回面接時の様子 検査者(著者)が対象児と初めて会った際の様子について記載します。 ⑤K−ABC 検査場面での行動観察 ラポートは取れていたか、集中は持続していたか、投げやりな様子はなかったか、その 他特記すべき行動について記載する。 2)アセスメントリスト KABC-Ⅱ以外にも実施した検査がある場合には、実施した検査のリストと実施時の生活 年齢、参照する図表の番号を記載します。KABC-Ⅱのみを実施した場合は、省略して構い ません。 3)KABC-Ⅱ検査結果と解釈

「Table○ KABC-Ⅱの検査結果」「Fig.○ KABC-Ⅱ検査結果(カウフマンモデル)」「Fig. ○-1 KABC-Ⅱ標準得点間の差(認知尺度)」「Fig.○-2 KABC-Ⅱ標準得点間の差(修徳 尺度)」「Fig.○ KABC-Ⅱ検査結果(CHC モデル)」を添付します。「Table○ KABC-Ⅱ の検査結果」には検査実施時の生活年齢、所要時間を必ず記載してください。 なお、CHC モデルによる解釈を行わなかった場合、「Fig.○ KABC-Ⅱ検査結果(CHC モデル)」は省略して構いません。 (1)KABC-II 検査場面での行動観察 検査における入室から退室までの行動や、各下位検査における行動と、その解釈を記載 します。ラポートは取れていたか、集中は持続していたか、投げやりな様子はなかったか、 その他特記すべき行動について記載します。 必要に応じて「Table ○ 行動観察チェック表」を追加してください。 (2)カウフマンモデルによる検査結果と解釈

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<基本ステップ> ①認知総合尺度と習得総合尺度 両者の標準得点、信頼区間、およその能力水準、その解釈等を記載します。 ②認知総合尺度と習得総合尺度の比較 両者間の得点差、どちらが有意に高い(低い)か、その解釈等を記載します。 ③認知尺度の個人間差 認知4尺度の標準得点、信頼区間、およその能力水準、NS、NW、それらの解釈等を記 載します。 ④認知尺度の個人内差 認知4尺度における平均より有意に高い尺度(PS)、低い尺度(PW)、PS−PW 間にまれ な差があるか、それらの解釈等を記載します。 ⑤認知尺度間の比較 認知4尺度間の得点差、その解釈等を記載します。 ⑥認知検査間の比較 認知尺度の下位検査について、NS、NW、PS、PW などに基づき、特徴や解釈(限定的 能力など)を記述します。 ⑦習得尺度の個人間差 習得4尺度の標準得点、信頼区間、およその能力水準、NS、NW、それらの解釈等を記 載します。 ⑧習得尺度の個人内差 習得4尺度における平均より有意に高い尺度(PS)、低い尺度(PW)、PS−PW 間にまれ な差があるか、それらの解釈等を記載します。 ⑨習得尺度間の比較 習得4尺度間の得点差、その解釈等を記載します。 ⑩習得検査間の比較 習得尺度の下位検査について、NS、NW、PS、PW などに基づき、特徴や解釈(限定的 能力など)を記述します。 ⑪認知総合尺度と習得4尺度の比較、認知総合尺度と算数尺度検査の比較 認知総合尺度と習得4尺度との得点差、また、認知総合尺度と算数尺度検査との得点差、 その解釈等を記載します。 <選択ステップ:クラスター分析(事例によっては以下の4項目は省略されます)> ⑫「言語能力」と「非言語能力」の比較 ⑬「問題解決能力」と「記憶・学習能力」の比較 ⑭「有意味刺激の視覚認知」と「抽象刺激の視覚認知」の比較 ⑮「言語反応」と「指さし反応」の比較

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(3)CHC モデルによる検査結果と解釈(事例によってはこの節は省略されることもありま す) ①CHC 総合尺度 CHC 総合尺度の標準得点、信頼区間、およその能力水準等を記載します。 ②CHC 尺度の個人間差 CHC7尺度の標準得点、信頼区間、およその能力水準、NS、NW、それらの解釈等を記 載します。 ③CHC 尺度の個人内差 CHC7尺度における平均より有意に高い尺度(PS)、低い尺度(PW)、PS−PW 間にま れな差があるか、それらの解釈等を記載します。 ④CHC 尺度間の比較 CHC7尺度間の得点差、その解釈等を記載します。 ⑤CHC 検査間の比較 CHC 尺度の下位検査について、NS、NW、PS、PW などに基づき、特徴や解釈(限定的 能力など)を記述します。 4)その他の検査結果と解釈 KABC-II 以外にも検査を実施した場合には記載してください。検査結果について、表ま たは図を添付することが望ましいです。 5)総合解釈と指導方針 (1)総合解釈 KABC-Ⅱや、他検査、行動観察、背景情報などから得られた解釈のまとめを書きます。 矛盾する解釈がある場合は、どちらか一方に統合するとともに、矛盾する結果が得られた 原因についても考察し、書きます。ここでは細かい数字にはあまり触れる必要はありませ ん。 (2)指導(支援)の方針 総合解釈に基づく指導方針、支援方針を書きます。総合解釈と矛盾する指導・支援や、 総合解釈とは無関係な指導・支援にならないよう十分に留意してください。主訴に対応し て、どのような方針で指導、支援を行うか、また、その具体的な手だてや指導(支援)の 目標、具体的な計画はどのようにするかを、主訴ごとに分けて記載します。 6)指導の経過と結果 指導開始時の状態、指導した課題、指導期間や指導頻度・時間、指導経過、指導後の状

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態、指導課題以外での日常生活の変化などについて記載します。「指導経過および指導結果」 という小見出しは、適宜変更して構いません。 主訴や指導目標ごとに分けて記載するとよいでしょう。指導経過については、なるべく 具体的なデータを用いて説明することが望ましい。たとえば、指導過程における正答率の 変化や、指導前後の事例の状況について比較できる資料を提示するなどします。 その上で、指導目標がどの程度達成できたかについて、考察も示してください。 7)まとめと今後の課題 指導・支援の要点と、その根拠となった検査結果の解釈について簡潔にまとめます。ま た、十分指導しきれなかった点や、次に取り組むべき課題についても書きます。「まとめお よび今後の課題」という小見出しは、「考察」などに適宜変更して構いません。「今後も引 き続き、努力したい」といった抽象的な内容や、一般論ではなく、対象児の実態や、指導 の到達点をふまえて、今後必要と考えられる指導の内容、計画などをなるべく具体的な形 で書きます。 8)参考文献 書き方については、4.参考文献の書き方を参照してください。 ※具体的には「K−ABC アセスメント研究」を参照できます。 3.図・表の書き方 図表には、それぞれ通し番号をつけ、書く図表に示された内容を表す、簡潔なタイトル をつけます。図のタイトルは図の下に、表のタイトルは表の上に記入する。 図・表は、本文中に挿入するか、もしくは、レポートの最後にまとめて掲載します。本 文中に挿入する場合には、その位置は、ページの最上部、または、最下部です。つまり、 図表のために文章が途中で分割されることは避けます。 4.参考文献の書き方 事例報告を執筆するにあたり引用又は参考にした文献は、本文の最後に【参考文献】と してリストを添付します。参考にした文献にアクセスするのに必要な情報を示してくださ い。 雑誌の場合は、著者名、発行年、題目、雛誌名、巻(号)数、論文所在ページの順に記 載する。 〈記載例〉 柘植雅義(1999)同時処理が優位な学習困難を示す児童へのソーシャルスキルトレ ーニング.K−ABC アセスメント研究,1,83−89. 中村修・⻄沢勝則(1995)精神遅滞児のためのコンピュータ教材の開発と授業実践

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Ⅲ−ビデオ画像を活用した文の意味理解と表現の指導(1)−.日本特殊教育学会第 33 回大発表論文集,354−355.

単行本の場合は、著者名、発行年、書名、発行所の順に記載する。 〈記載例〉

Kaufman, A.S. & Kaufman, N.L.(1983)Kaufman Assessment Battery for Children Interpretive Manual. American Guidance Service. 松原達哉・藤田和弘・前川久男・ 石隈利紀(1993)K-ABC 心理・教育アセスメントバッテリー解釈マニュアル.丸善メ イツ。 前川久男・石隈利紀・藤田和弘・松原達哉(1995)K-ABC アセスメントと指導―解 釈の進め方と指導の実際−.丸善メイツ. 参考文献のリストは、著者名のアルファベット順(日本人著者はローマ字になおした場 合のアルファベット順)に並べる。 5.事例報告レポートのモデル 事例報告は、次の文献に記載された書き方をモデルにしてください。 小野純平・小林玄・原伸生・東原文子・星井純子(2017):日本版 KABC-Ⅱによる解釈 の進め方と実践事例.丸善出版. 日本 K-ABC アセスメント研究会(編集,発行):「K-ABC アセスメント研究」. 6.参考文献 この資料を作るに当たって参照した文献・資料は、次の通りです:

1)Lichtenberger, E.O., Mather, N.,Kaufman, N.L. & Kaufman, A.S.(著)上野一彦・染木 史緒(訳)(2008)エッセンシャルズ 心理アセスメントレポートの書き方.日本文化科 学社. 2)日本 K-ABC アセスメント研究会:「K-ABC アセスメント研究」事例研究執筆の手引き. 3)小野純平・小林玄・原伸生・東原文子・星井純子(2017)日本版 KABC-Ⅱによる解釈 の進め方と実践事例.丸善出版. 4)山本力・鶴田和美(編著)(2001)心理臨床家のための「事例研究」の進め方.北大路 書房.

参照

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