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F yr F yf l r γ r γ β l f γ δ f Y X Fig.3 Bicycle model of vehicle dynamics. Table. ehicle specification. ehicle mass M 854 kg Wheelbase l.7 m Distanc

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(1)

3308

電気自動車における旋回を考慮した速度軌道最適化による

航続距離延長自動運転制御の基礎検討

Fundamental Research on Range Extension Autonomous Driving for Electric Vehicle

Based on Optimal Vehicle Velocity Profile in Consideration of Cornering

池澤 佑太(東京大学)

藤本 博志(東京大学)

川野 大輔(交通安全環境研究所)

後藤 雄一(交通安全環境研究所)

槌本 みさき(小野測器)

佐藤 宏治(小野測器)

Yuta Ikezawa, Hiroshi Fujimoto, The University of Tokyo, 5-1-5 Kashiwanoha, Kashiwa, Chiba Daisuke Kawano, Yuichi Goto, National Traffic Safety and Environment Laboratory

Misaki Tsuchimoto, Koji Sato, Ono Sokki Co.,Ltd.

Electric vehicle (EV) has been intensively studied in the last decade due to their environment friendly characteristics. However, the miles-per-charge of EV is shorter than that of internal combustion engine vehicles. To improve miles-per-charge, the authors’ group has proposed Range Extension Autonomous Driving (READ) system which minimizes consumption energy by optimizing velocity profile. But conventional system can be applied to only straight driving. Therefore this paper extends READ to be applied to not only straight driving but also curvy road. The effectiveness of the proposed method is verified by simulations and experiments.

Key Words: electric vehicle, range extension autonomous driving, cornering resistance,

optimization of velocity profile, motor loss, nonlinear optimal control

1 はじめに 近年,地球温暖化や化石燃料の枯渇などの環境問題が顕在化し てきているが,これらの問題を解決するために様々な研究が行 われている.解決策の一つとして,環境負荷の少ない電気自動車 (Electric Vehicle: EV)に注目が集まっている.環境面だけで なく,EVは従来の内燃機関を有する自動車と比べて,以下の4 つの優位点を持つ(1) 1. 従来の内燃機関を有する自動車と比較してトルク応答が2 桁速い. 2. モータに流れる電流を測定することで,トルクを正確に把握 できる. 3. 小型高出力であるため,分散配置が可能である. 4. 力行だけでなく回生が可能である. 以上のように,多くの利点があるEVだが,一充電走行距離 が短いという課題のため,普及が妨げられている.この課題を 解決するために,損失の少ないモータの設計に関する研究(2) チョッパを用いたドライブシステムにおける高効率化を図った研 究(3),路面から車体へワイヤレスで給電を行う研究(4)などが行 われている.

一方で,高度道路交通システム(Intelligent Transport

Sys-tems: ITS)(5)を活用して,交通流を改善することでエネルギー 問題を解決しようとする研究もある.前後の車の情報を利用した 隊列走行(6)や仮想的な信号(7)を導入することによって交通流 の改善が図られている.ITSがさらに進展していけば,全ての 車両が自動運転に移行していき,車両の速度はドライバーではな くITSが決定するようになると考えられる.これによって,目 的地まで安全に到達するだけでなく,速度軌道を最適化すること で消費エネルギーを削減することも可能となる.著者らのグルー プでは,ITSから停止位置や勾配情報を取得できるという仮定の 下,速度軌道を最適化することで消費エネルギーを最小化し,航 続距離を延長する航続距離延長自動運転制御(Range Extension

Autonomous Driving: READ)を提案してきた(8, 9).しかし,

Fig.1 FPEV2–Kanon. Wheel velocity[km/h] Torque[Nm] 50 60 70 75 80 85 90 0 20 40 60 80 0 50 100 150 200 250 300

(a) Front motor.

Wheel velocity[km/h] Torque[Nm] 60 70 75 80 85 90 0 20 40 60 80 0 50 100 150 200 250 300 (b) Rear motor.

Fig.2 Efficiency maps of front and rear motors.

従来の航続距離延長自動運転制御は何れも直線走行のみを考慮し ており,旋回を含んだコースに適用することはできない. 本稿では,車両の旋回運動,その際に生じるコーナリング抵抗 をモデル化することで,航続距離延長自動運転制御を旋回を含ん だコースで適用できるように拡張する.シミュレーション及び実 験によって提案法の有効性を示す. 2 実験車両と車両モデル 本章では,実験車両について紹介する.また,車両の運動モデ ル,消費電力モデルについて説明する. 2.1 実験車両 本稿では,著者らのグループが作成した実験車 両FPEV2-Kanonを使用した.車両の外観を図 1,車両諸元を 表1に示す.この車両は4輪に東洋電機製造製アウターロータ 型インホイールモータ(IWM)を搭載している.そのため,各輪

(2)

δf β V lf γ Fyf Fyr lr γ r V  γ V X Y

Fig.3 Bicycle model of vehicle dynamics.

Table.1 Vehicle specification.

Vehicle mass M

854 kg

Wheelbase l

1.72 m

Distance from center gravity

l

f

:1.01 m

to front and rear axle l

f

,l

r

l

r

:0.702 m

Gravity height h

g

0.510 m

Front wheel inertia J

ωf

1.24 kg

·m

2

Rear wheel inertia J

ωr

1.26 kg

·m

2

Wheel radius r

0.302 m

Front cornering stiffness C

f

12.5 kN/rad

Rear cornering stiffness C

r

28.2 kN/rad

Table.2 Specification of in–wheel motors.

Front

Rear

Manufacturer

TOYO DENKI SEIZO K.K.

Type

Direct Drive System

Rated torque

110 Nm

127 Nm

Maximum torque

500 Nm

530 Nm

Rated power

6.00 kW

6.00 kW

Maximum power

20.0 kW

25.0 kW

Rated speed

382 rpm

450 rpm

Maximum speed

1110 rpm

1200 rpm

独立駆動が可能である.このモータはダイレクトドライブ方式で あるので,減速ギアのバックラッシュによる影響がなく,路面か らの力が直接モータへ伝わる.また,このモータは表2に示すよ うに前後で仕様が異なり,図2に示すように効率特性も異なると いう特徴を有する. 2.2 車両の運動モデル 本節では前輪操舵,4輪独立駆動が可 能な自動車の運動モデルについて述べる. 2.2.1 車両の運動方程式 本稿では,図 3に示す2輪車両モデ ルで車両の運動を考える.また,左右の駆動力差モーメントを用 いないので,左右のトルクは等しいものとする.車輪の運動方程 式は(1)式,車両前後方向の運動方程式は(2)式で表され,総制 駆動力Fallは(3)式のように各輪で均等に配分される.また,横 方向の運動方程式は(4)式,ヨー方向の運動方程式は(5)式で表 される. Jωjω˙j= Tj− rFj (1) M ˙V = Fall− sgn(V )(FDR+ FCR) (2) Ff = Fr= 1 4Fall (3) M ay= M V ( ˙β + γ) =−2Yf− 2Yr (4) I ˙γ = 2(−lfYf + lrYr) (5) ここで,Jωj は車輪のイナーシャ,ωjは車輪角速度,Tjは車輪 軸周りのトルク,rはタイヤ半径,Fjは一輪当たりの制駆動力, Mは車体重量,V は車体速,sgnは符号関数,FDRは走行抵抗, FCRはコーナリング抵抗,ayは横加速度,βは車体横滑り角,

γはヨーレート,Yf,Yrは各輪の横力,Iは車体のイナーシャ,

lflrは車両重心点から前後駆動点までの距離である.また,添 え字のjには前輪,後輪を示すf,rが入る.走行抵抗FDRは以 下の式で表される. FDR(V ) = µ0M g + b|V | + 1 2ρCdAV 2 (6) ここで,µ0は転がり摩擦係数,bV の一次に比例する抵抗係 数,ρは空気密度,Cdは抗力係数,Aは前方投影面積である. 2.2.2 スリップ率 次に,スリップ率λjを車輪速Vωj = rωj, 車体速V を用いて(7)式で定義する. λj= Vωj− V max(Vωj, V, ϵ) (7) ここで,ϵは零割防止のための微小定数である.スリップ率λj が十分に小さければ,図4のように摩擦係数µjはほぼλjに比 例する(10).この傾きをドライビングスティフネス Ds′と定義す ると,一輪あたりの制駆動力Fjは(8)式で表される. Fj= µjNj≃ Ds′Njλj (8) ここで,Njは車両が車体速V,総制駆動力Fallで運動してい るときの前後一輪当たりの垂直抗力であり,(9),(10)式で表さ れる. Nf(V, Fall) = 1 2 [ lr lM g− hg l {Fall −sgn(V )(FDR(V ) + FCR)}] (9) Nr(V, Fall) = 1 2 [ lf l M g + hg l {Fall −sgn(V )(FDR(V ) + FCR)}] (10) ここで,hgは重心高である.なお,本稿では旋回時の左右の荷重 変動は考慮していない. 2.2.3 横力とコーナリング抵抗 次に,タイヤ横力,コーナリン グ抵抗のモデル化を行う.前輪に加わる横力,コーナリング抵抗 を図5に示す.コーナリングフォースは車輪横滑り角に比例する ので,以下の式で表される. Fyj=−Cjαj (11) ここで,Cjは各輪のコーナリングスティフネス,αjは各輪の車 輪横滑り角である.車輪横滑り角が十分に小さければ,コーナリ ングフォースとタイヤ横力Yjは等しいとみなせる. Yj≃ Fyj=−Cjαj (12)

(3)

−1 −0.5 0 0.5 1 −1 −0.5 0 0.5 1 slip ratio [−] friction coefficient [−] µ D s’λ Fig.4 µ–λ Curve(10). 各輪のタイヤ横力のうち,車輪進行方向成分をFCR′とすると

FCR′≃ −2Yfsinαf− 2Yrsinαr (13) ≃ 2Cfαf2+ 2Crαr2 (14) となる.このうち,x方向の力のみをコーナリング抵抗FCRと すると以下のようになる. FCR≃ 2Cfαf2cosδf+ 2Crαr2cosδr ≃ 2Cfαf2+ 2Crαr2 (15) 車輪横滑り角αf,αrは幾何学的関係から以下の式で表される. αf(V, β, γ, δf) = β + lfγ V − δf (16) αr(V, β, γ) = β− lrγ V (17) ここで,δfは前輪の実舵角である. 旋回半径Rの定常円旋回( ˙β = 0˙γ = 0)を仮定すると,車体 横滑り角,ヨーレート,前輪舵角,車輪横滑り角は何れも旋回半 径R,車体速V の関数として表される. β = (1− BV2) l R (18) γ = V R (19) δf = (1 + AV2) l R (20) αf =−AV2 l R− BV 2lr R (21) αr=−BV2 lr R (22) ここで,ABは以下の式で表される定数である. A =−M 2l2 lfCf − lrCr CfCr (23) B = M 2l lf lrCr (24) (21),(22)式を(15)式に代入すると,コーナリング抵抗は,車 体速V,旋回半径Rの関数として表される. FCR(V, R)≃ M2 2l2 ( lr2 Cf +lf 2 Cr ) V4 R2 (25) 2.3 入力電力モデル モータの機械損,インバータ損失を無視 するとインバータ入力電力Pinは(26)式で表される(11). Pin= Pout+ Pc+ Pi (26) ここで,Poutは各モータの機械出力の和,Pcは各モータの銅損 の和,Piは各モータの鉄損の和である.本稿では,旋回中にお いても左右の車輪速は等しいものとして消費電力のモデル化を 行う.

Yf

車体の進行方向

車輪の進行方向

Fyf

FCR'

lf γ

Fig.5 Cornering resistance of front tyre.

車輪の慣性力によるトルク,スリップ率λjは十分小さく,車 軸周りのトルクTj,車輪角速度ωjは以下の式で表される. Tj≃ rFj (27) ωj≃ V r(1 + λj) (28) 従って,機械出力Poutは(29)式で表される. Pout= 2 ∑ j=f,r ωjTj V Fall 2 ∑ j=f,r ( 1 + Fall 4Ds′Nj(V, Fall) ) (29) 次に,モータ銅損のモデル化を行う.リラクタンストルクに比 べてマグネットトルクが十分大きく,q軸電流がd軸電流に比べ て十分大きいとすると,モータ銅損Pcは次式で示される. Pc= 2 ∑ j=f,r Rjiqj2 ≃r2 8Fall 2 ∑ j=f,r Rj Ktj2 (30) ここで,Rjはモータの電機子巻線抵抗,iqjq軸電流,Ktjは トルク定数である. 次に,モータ鉄損のモデル化を行う.d軸電機子反作用が永久 磁石に依る速度起電力に比べて十分に小さいとして無視し,ス リップ率λjも十分に小さいとして無視すると,モータ鉄損Piは 次式で示される. Pi= 2 ∑ j=f,r vodj2+ voqj2 Rcj = 2 ∑ j=f,r ωej2 Rcj { (Ldjiodj+ Ψj)2+ (Lqjioqj)2 } ≃ 2V2 r2 ∑ j=f,r Pnj2 Rcj {( rLqjFall 4Ktj )2 + Ψj2 } (31) ここで,vodj,voqjはそれぞれdq軸の誘起電圧,Rcjは等価鉄損 抵抗,ωejはモータの電気角速度,Ldjd軸インダクタンス,

Lqjq軸インダクタンス,iodj,ioqjはそれぞれdq軸電流と

銅損電流のdq軸成分の差,Pnjは極対数,Ψjは磁束鎖交数であ る.等価鉄損抵抗Rcjは(32)式で表される. 1 Rcj(ωej) = 1 Rc0j + 1 Rc1j′|ωej| (32) ここで,右辺第1項は渦電流損,第2項はヒステリシス損を示 す.以上より,インバータ入力電力Pinは車体速V,総制駆動力 Fallの関数で表される.

(4)

3 消費エネルギー最初速度軌道の導出 初期条件,終端条件を満たしつつ,消費エネルギーWinを最小 とする速度軌道V (t)を求める.よって,評価関数,拘束条件は 以下のようになる. min.Win= ∫ tf t0 Pin(x(t), u(t))dt (34) s.t. x = f (x(t), u(t))˙ =      1 M[Fall− sgn(V )(FDR(V ) + FCR(V, R))] V (t) −2(Cf+Cr) M V β− [ 2(lfCf−lrCr) M V2 − 1 ] γ +2Cf M Vδf −2(lfCf+lrCr) I β− 2(lf2Cf+lr2Cr) IV γ + 2lfCf I δf      (35) χ(x(t0)) = x(t0)− x0 =     V (t0)− V0 X(t0)− X0 β(t0)− β0 γ(t0)− γ0     = 0 (36) ψ(x(tf)) = x(tf)− xf =     V (tf)− Vf X(tf)− Xf β(tf)− βf γ(tf)− γf     = 0 (37) ここで, x(t) =     V (t) X(t) β(t) γ(t)     (38) u(t) = [ Fall(t) δf(t) ] (39) である.また,x0は初期条件,xf は終端条件である.ただし, 本稿では数値計算を簡易化するため,前輪舵角δfを(20)式で与 え,上記の最適制御問題を勾配法(12)を用いて解くことで,消費 エネルギーを最小化する速度軌道を導出する. 4 シミュレーション 提案法の有効性を検証するため,シミュレーションを行った. 本章では,比較条件,シミュレーション結果について述べる. 4.1 比較条件 本稿では,図6のようなコースでの走行を考慮 する.また,終端時間tf を35.0 sとし,以下の3通りの比較条 件で最適化計算を行う. 従来法1 一定加速度axで加速した後,一定速度Vmaxで走行 し,一定加速度−axで減速する速度軌道を考える.(40)式で表 される速度軌道のうち,旋回を考慮した際に消費エネルギーが最 少となる速度軌道で走行する. V (t) =    V0+ axt (t0< t < t1) Vmax (t1< t < t2) Vmax− axt (t2< t < tf) (40) ここで, t1= Vmax− V0 ax + t0 (41) t2= tf Vmax− Vf ax (42) である.

Fig.6 Driving course.

従来法2 一定加速度axで加速した後,一定速度Vmaxで走行 し,コーナー開始地点からコーナー中間地点まで走行抵抗とコー ナリング抵抗のみで減速し,それ以降は速度軌道を時間軸に対象 に折り返した速度軌道を考える.(43)式で表される速度軌道の うち,旋回を考慮した際に消費エネルギーが最少となる速度軌道 で走行する V (t) =            V0+ axt (t0< t < t1) Vmax (t1< t < t2) VmaxM1 ∫t t2(FDR(V ) +FCR(V, R))dt (t2< t < t3) V (2t3− t) (t3< t < tf) (43) ここで, t1 = Vmax− V0 ax + t0 (44) t2 = t1+ 1 Vmax ( L−Vmax 2− V 02 2ax ) (45) t3 = tf+ t0 2 (46) である. 提案法3章で示した,旋回を考慮した最適制御問題を解き,導出 された速度軌道で走行する. 4.2 損失分離 エネルギー損失を詳細に分析するために, (47)-(52)式のように,機械出力Poutを車両の運動エネルギー変化の 仕事PM,車輪の回転運動エネルギー総和変化の仕事PJ,走行抵 抗で失われる仕事PDR,コーナリング抵抗で失われる仕事PCR, スリップで失われる仕事PSに分離した. Pout= PM+ PJ+ PDR+ PCR+ PS (47) PM= d dt ( 1 2M V 2 ) (48) PJ= 2 ∑ j=f,r d dt ( 1 2Jωjωj 2 ) (49) PDR= FDRV (50) PCR= FCRV (51) PS= FallVj=f,r 1 2λj (52) また,これらの積分値を以下のように定義する. WX = ∫ tf t0 PX(x(t), u(t))dt (53) ここで,添え字のXにはM,J,DR,CR,S,c,iが入る. 4.3 シミュレーション結果 図 7にシミュレーション結果を示 す.従来法2では,コーナー入り口からコーナー中間地点まで駆 動力を出さないため,従来法1と比較して旋回中の速度が低く なっている.コーナリング抵抗は速度V の4乗に比例するため, 図7(g)に示すように,コーナリング抵抗による損失WCRが従 来法1と比較して,13.2 %削減されている.そのため,従来法 1と比較して,消費エネルギーが1.45 %削減されている.

(5)

Traveling distance [m] Velocity [km/h] 0 50 100 150 200 0 10 20 30 Conv.1 Conv.2 Prop. (a) Velocity V . Traveling distance [m]

Total driving force [N]

0 50 100 150 200 −3000 −2000 −1000 0 1000 2000 Conv.1 Conv.2 Prop.

(b) Total driving force Fall.

Traveling distance [m] Cornering resistance [N] 0 50 100 150 200 0 100 200 300 400 500 Conv.1 Conv.2 Prop. (c) Cornering resistance FCR. Traveling distance [m]

Inverter input power [kW]

0 50 100 150 200 −20 −10 0 10 20 Conv.1 Conv.2 Prop.

(d) Inverter input power Pin.

Traveling distance [m]

Side slip angle [rad]

0 50 100 150 200 −0.02 0 0.02 0.04 Conv.1 Conv.2 Prop.

(e) Side slip angle β.

Traveling distance [m] Yaw−rate [rad/s] 0 50 100 150 200 −0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 Conv.1 Conv.2 Prop. (f) Yaw rate γ.

Conv.1 Conv.2 Prop. 0 25 50 75 Consumption energy [kWs] W i Wc W S W CR W DR (g) Consumption energy Win. 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 X position [m] Y position [m] Reference Conventional 1 Conventional 2 Proposed (h) XY position.

Fig.7 Simulation results (tf = 35.0 s).

CPI Fall V V V M s r Driving force distribution (1+λj ) Jωj r Fj * T j* Vehicle + + + + + * * * *

Fig.8 Vehicle speed control system.

提案法では,従来法よりも高い速度まで加速した後に,コー ナー手前から減速を開始し,コーナー出口付近から再加速する特 徴的な速度軌道が得られた.提案法の速度軌道は,従来法1と比 較して旋回中の速度が更に低くなっている.そのため,従来法1 と比較して,図7(g)に示すように,コーナリング抵抗による損 失WCRが49.0 %削減されている.旋回中の速度を更に下げる と,コーナリング抵抗による損失の削減率は更に大きくなるもの の,最高速度,最大加減速度が大きくなり,銅損,走行抵抗によ る損失が増加する.本稿で最適化を行った条件では,加減速度の 最大値が従来法1と比較して51.0 %大きくなっているものの, 大きな駆動力を出して走行する時間が短いため,銅損Wcの増加 は1.53 %に留まっている.また,最高速度は従来法1と比較し て16.1 %増加しているものの,旋回中の速度が従来法よりも低 いこともあり,走行抵抗による損失WDRの増加は0.57 %と小 さな値となっている.提案法では,銅損,走行抵抗による損失の 増加量と比較して,コーナリング抵抗による損失の削減量が十分 に大きいため,従来法1と比較して消費エネルギーが5.63 %削 減されている. 5 実験結果 提案法の有効性を検証するため,交通安全環境研究所自動車試 験場にて走行試験を行った.次節で述べる速度制御系を用いて速 度軌道に追従させ,軌道へ追従するように前輪舵角を手動で入力 し実験を行った. 5.1 制御系設計 本稿では,第1章で述べたように自動運転を 想定しており,車体速が自動制御可能であることを想定してい る.モデル化誤差の影響を受けずに,車体速を指令値に追従させ るために,図8に示す車体速制御系を用いた.図8の制御系は 車体速指令値V∗を入力として,フィードフォワードと車体速 フィードバックにより総制駆動力指令値Fallを生成する.総制 駆動力指令値Fallは(3)式に基づいて前後輪駆動力指令値Fj∗ に配分される.前後輪のトルク指令値Tj∗は前後輪のスリップ 率を考慮し次式で与える. Tj∗= rFj∗+ JωjV˙ r (1 + λj ) (54) ここで,右辺第2項は車輪慣性力を補償する項である.本稿で は,λj∗は以下の式で与えた. λ∗j=    0.05 ( ˙V∗> 0) 0 ( ˙V∗= 0) −0.05 ( ˙V∗< 0) (55) また,センサのノイズによる影響を考慮し,V˙は指令値を用い た.車体加速度制御器CPI(s)はPI制御器であり,以下の式で 示されるプラントに対して極配置法により極が−5 rad/sとなる ように設計した. V Fall = 1 M s (56) 5.2 実験結果 実験結果を図9に示す.測定は,それぞれの条 件に対して5回ずつ行った.また,インバータ入力電力Pinは測 定値を用いて次式で求めた. Pin= Vdc ∑ j=f,r Idcj (57) ここで,Vdcはインバータ入力電圧,Idcjは左右輪のインバータ 入力電流の和である.なお,本稿では4輪の車輪速の平均値を車 体速V として用いた. 図9(b)より,総制駆動力Fallはシミュレーション結果とよく 一致しており,走行抵抗,コーナリング抵抗のモデルの妥当性が 示された.また,図9(c)より,消費電力は加減速時にシミュレー ションと僅かにズレがあるものの,概ねシミュレーション結果と 一致している.図9(e)より,従来法1と比較して,従来法2で は1.58 %,提案法では2.33 %の消費エネルギー削減を達成し た.シミュレーションと比較して,消費電力の削減率が低下して いる原因として,前述の消費電力のモデル化誤差の影響があげら れる.

(6)

Traveling distance [m] Velocity [km/h] 0 50 100 150 200 0 10 20 30 Conv.1 Conv.2 Prop. (a) Velocity V . Distance traveled [m]

Total driving force [N]

0 50 100 150 200 −2000 −1000 0 1000 2000 3000 Conv. 1 Conv. 2 Prop.

(b) Total driving force Fall.

Distance traveled [m]

Inverter input power [kW]

0 50 100 150 200 −20 −10 0 10 20 30 Conv. 1 Conv. 2 Prop.

(c) Inverter input power Pin.

Distance traveled [m]

Yaw rate [rad/s]

0 50 100 150 200 0 0.25 0.5 0.75 1 Conv. 1 Conv. 2 Prop. (d) Yaw rate γ.

Conv.1 Conv.2 Prop. 70 72.5 75 77.5 80 Consumption energy [kWs]

(e) Consumption energy Win.

Fig.9 Experimental results (tf = 35.0 s).

6 結論 本稿では,速度軌道最適化による航続距離延長自動運転制御 (READ)を旋回を含んだコースでも適用できるように拡張した. 提案手法では,定常円旋回を仮定することで,車両のコーナリン グ抵抗を近似式で表し,数値的に速度軌道を最適化することで, 消費エネルギーを最小化する速度軌道を導出できる.旋回中の速 度を低くすることでコーナリング抵抗による損失を抑圧すること で消費エネルギーの削減を達成している.一方で,旋回中の速度 を低くしすぎると,旋回中以外の速度,加減速度を大きくする必 要が生じ,走行抵抗による損失,銅損が大きくなる.そのため, 上記の要素のトレードオフで最適な速度軌道が導出される.提案 手法の有効性をシミュレーション,実験によって確認した.従来 法と比較して,約2.33 %の消費電力削減を達成した 本稿では前輪操舵のみを考慮したが,今後の改題として前後輪 操舵や左右の駆動力差モーメントを考慮することがあげられる. これによって,本手法よりも前後輪の車輪横滑り角を小さくする ことができるので,コーナリング抵抗を削減でき,本手法よりも 航続距離を延長することができると考えられる. 謝辞 最後に本研究の一部はNEDO産業技術研究助成(プロジェク トID:05A48701d)及び,文部科学省科学研究費補助金(課題番 号:22246057及び26249061)によって行われたことを付記する. 参考文献

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(6) J. W. Kwon and D. Ghwa, “Adaptive Bidirectional Platoon Control Using a Coupled Sliding Mode Control Method”, IEEE Trans. on Intelligent Transport Systems, Vol. 15, No. 5 (2014), pp.2040–2048.

(7) M. Ferreira and P. M. d’Orey, “On the Impact of Vir-tual Traffic Lights on Carbon Emissions Mitigation”, IEEE Trans. on Intelligent Transport Systems, Vol. 13, No. 1 (2002), pp. 284–295.

(8) Y. Ikezawa, H. Fujimoto, and Y. Hori, “Range Extension Autonomous Driving for Electric Vehicles Based on Opti-mal Vehicle Velocity Trajectory Generation and Front-Rear Driving-Braking Force Distribution with Time Constraint”, The 1st IEEJ International Workshop on Sensing, Actuation, and Motion Control (2015).

(9) H. Yoshida and H. Fujimoto, “Range Extension Autonomous Driving for Electric Vehicles Based on an Optimal Vehi-cle Velocity Trajectory Considering Road Gradient Infor-mation”, The 1st IEEJ International Workshop on Sensing, Actuation, and Motion Control (2015).

(10) H. B. Pacejka and E. Bakker, “The Magic Formula Tyre Model”, Vehicle System Dynamics: International Journal of Vehicle Mechanics and Mobility, Vol. 21, No. 1 (1992), pp. 1–18.

(11) 原田信吾, 藤本博志, “電気自動車における損失を考慮した加減速軌 道および前後輪駆動力配分最適化による航続距離延長制御”, 第 1 回計測自動制御学会制御部門マルチシンポジウム (2014). (12) 大塚敏之, “非線形最適制御入門”, コロナ社 (2011).

参照

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