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過納金とは 納付納入の時にはそれに対応する租税債務が存在していたが 結果的に不適法な納付納入となった場合における地方公共団体の徴収金のことであり 1 納付納入の時には一応適法であったものが その申告 更生 決定又は賦課決定が誤って過大にされていたため 後になって減額更正 減額の賦課決定又は賦課決定の

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Academic year: 2021

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(1)

(納税義務者が死亡した場合の特別徴収の取扱いについて)

【質問】 1.公的年金を受給していた本市の住民であるAは、平成 24 年3月3日に死亡していたことが平 成 28 年 10 月になってはじめて判明しましたが、死亡届が提出されていなかったため、死亡後 も年金保険者による個人市民税の特別徴収が継続されていました。 この場合、死亡後に課税していた平成 24 年度分以降の個人市民税についてはどのように 処理すべきでしょうか。(なお、Aには公的年金以外の所得はありません。) 2.本市の住民であるBは、平成 27 年中に上場株式等の配当所得を有しており、証券会社に開 設した特定口座を通じて個人道府県民税配当割が特別徴収されていましたが、平成 27 年 10 月に死亡しました。その後、Bの相続人から、平成 28 年度の個人市民税の課税において申告 をして分離課税を選択し、配当割額の控除の適用を受ければすでに特別徴収された税額の 一部が還付されるはずなので、個人市民税の申告をしたい旨の申出がありました。 この場合、配当割額の控除を適用し、B の相続人に還付することはできるのでしょうか。 【回答】 1.Aの死亡後に特別徴収が行われた個人住民税については、年金保険者等に還付することに なります。また、平成24年度分についてはAの相続人等に対して普通徴収により徴収を行う べきですが、除斥期間が経過しているため賦課決定を行うことは出来ません。 2.Bには平成 28 年度分の個人市民税が課税されませんので、配当割額の控除を適用すること はできません。 【解説】 (質問1について) 1.個人の市町村民税の賦課期日について 個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日となります。(地 方税法(以下「法」という。)第 318 条) 2.過誤納金の還付及び消滅時効について 地方団体の徴収金に関して過誤納金があるときは、地方団体の長は遅滞なく還付しなけれ ばなりません。(法第 17 条)

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過納金とは、納付納入の時にはそれに対応する租税債務が存在していたが、結果的に不 適法な納付納入となった場合における地方公共団体の徴収金のことであり、①納付納入の時 には一応適法であったものが、その申告、更生、決定又は賦課決定が誤って過大にされてい たため、後になって減額更正、減額の賦課決定又は賦課決定の取り消し等がされ、結果的に その納付が不適法なものとなった場合と、②納付納入の時においては全く適法なものであっ たが、後になってその課税を変更すべき事由が生じたため、遡って減額の更生等がなされ、 結果的にその納付が不適法なものとなった場合とがあるとされています。 また、誤納金とは、納付納入の時にはそれに対応する租税債務が存在していなかったため、 当初から明らかに不適法な納付納入があった場合における地方団体の徴収金のことであり、 ①税額を確定する行為(申告、更生、決定又は賦課決定)がないにもかかわらず納付納入され た地方公共団体の徴収金及び②確定税額を超えて納付納入された場合における超過納付納 入額をいうとされています。 さらに、過納金は、減額の賦課決定等の税額を減少させる処分があって初めて生ずるもの であり、納税者はこれらの処分があるまでは還付請求をすることができませんが、誤納金は何 らの処分を要せず、納付納入の時から当然に生じているものであり、納税者は当初から還付 請求をすることができるものとされています。 なお、地方団体の徴収金の過誤納により生ずる地方団体に対する請求権は、その請求を することができる日から5年経過した時は、時効により消滅します。(法第 18 条の3第1項) 3.賦課決定の期間制限について 地方税の賦課決定については、賦課決定により地方税を新たに課し又は増額をする場合 は、法定納期限の翌日から起算して3年を経過した日以後においてはすることができません。 (法第 17 条の5第3項) 4.公的年金の特別徴収について 個人住民税の納税義務者であって前年中に公的年金等(所得税法第 35 条第3項に規定す る公的年金等を指し、老齢又は退職を要件とする年金、恩給等、雑所得のうち公的年金等に 係る所得として公的年金等支払報告書の対象となるものと同様のもの)の支払を受けた者の うち、当該年度の初日(1月1日)において老齢等年金給付を受給している 65 歳以上の者につ いては、その公的年金等に係る所得に係る所得割額及び均等割額の合算額について特別徴 収の方法により徴収しなければなりません。(法第 321 条の7の2第1項、法第 321 条の7の8 第1項) また、年度途中において特別徴収の対象でなくなった場合において、特別徴収の方法によ り徴収されないこととなった税額については、徴収されないこととなった日以後に到来する普 通徴収の納期において、納期がない場合は直ちに普通徴収の方法により徴収することとされ ています。(法第 321 条の7の9第1項)

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5.特別徴収対象年金所得者が死亡した場合の還付先について 死亡後に支給された年金が、①死亡月までの月に係るものであるか、②死亡月の翌月以降 の月分に係るものであるか、によって取扱いが異なります。 ① 死亡後に、死亡月までの月に係る年金が支給され、当該年金(いわゆる未支給年金)から特 別徴収が行われた場合、その未支給年金は、遺族等が自己の名において請求を行う当該遺 族等に帰属するものであることから、当該請求を行った遺族等(未支給年金請求者)があった 場合は遺族等へ還付し、遺族等がなければ年金保険者へ還付することとなります。 ② 死亡後、年金保険者に対する死亡届の提出の遅れ等により死亡月の翌月以降の月分に係 る年金の支給が行われ、当該年金(いわゆる過払年金)から特別徴収が行われた場合、当該 過払年金は、特別徴収対象年金所得者に受給権はなく年金保険者に帰属するものであるた め、特別徴収した税額について、年金保険者へ還付することとなります。その場合、年金保険 者より市町村へ返納金納入告知書・還付請求書等が送付されます。 (質問2について) 1.前年所得課税主義 個人市町村民税所得割は、課税を行う年度の初日の属する年の前年の所得について算定 した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額を課税標準とするとなっており、いわゆる 前年所得課税主義がとられています。(法第 313 条第1項) 2.配当割の納税義務者と徴収の方法 特定配当等(法第 23 条第1項第 15 号)の所得に対しては、納税義務者の住所所在地であ る道府県において配当割として課税されます。(法第 24 条第1項第6号) そして、配当割の徴収については特別徴収の方法によらなければならないとされており(法 第 71 条の 30)、源泉徴収選択口座内配当等に係る配当割については、源泉徴収選択口座を 開設する証券会社等が、年間を通じて上場株式等に係る譲渡損失との間で損益通算を行い、 上場株式等に係る譲渡損失を控除してもなお配当割の対象となる配当の金額がある場合に、 その源泉徴収選択口座内配当等から特別徴収し、翌年1月 10 日までに道府県に納入するこ ととされています。(法附則第 35 条の2の5第2項) 3.特定配当等に係る申告と総合課税・分離課税との関係について 道府県民税における配当割の制度において、特定配当等に係る所得については、原則とし て個人住民税の申告を要しませんが、特定配当等に係る配当所得について個人住民税の申 告をした場合、納税義務者の選択により、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択するこ とができることとされています。 なお、特定配当等に係る配当所得について個人住民税の申告は、納税義務者の選択によ

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り、以下の3つの選択が可能になります。 申告しなかった場合 特定配当等に係る所得を有する者に係る総所得金額は 当該特定配当等に係る所得の金額を除外して算定し(法 第 32 条第 12 項、第 313 条第 12 項)、配当控除及び後述 する配当割額の控除の適用はありません。 申告し、総合課税を選択した場合 当該上場株式等に係る配当等に係る所得の金額につい ては、その者の総所得金額に含めて所得割を算定し(法第 32 条第 13 項、第 313 条第 13 項)、配当控除、配当割額の 控除の適用があります。 申告し、分離課税を選択した場合 当該上場株式等に係る配当等に係る所得の金額につい ては、その者の他の所得と区分して所得割を算定し(法附 則第 33 条の2第1項及び第5項)、配当控除の適用はあり ませんが配当割額の控除の適用があります。 4.配当割額の控除について 所得割の納税義務者が前年において配当割を課された場合において、翌年の4月1日の 属する年度分の個人住民税の申告書(確定申告書を含む。)に特定配当等に係る所得の明 細に関する事項等の必要事項を記載した場合には、当該配当割額を所得割の額から控除す ることとされています。(法 37 条の4、第 314 条の9) そして、配当割額を所得割額から控除した場合に、控除されるべき額で控除しきれなかった 金額(以下、「控除不足額」という。)があるときは、その納税義務者に対し、その控除不足額を 還付又は充当することとされています。(法施行令第 48 条の9の3、第 48 条の9の4) 【事例の検討】 (質問1について) Aは、平成 25 年度分の個人市民税の賦課期日である平成 25 年1月1日より前に死亡してい ることから、平成 25 年度分以降の個人市民税の課税については無効なものとなり、納入された 税額については、本来納税義務がなく、租税債務が存在していないことから、誤納金となります。 また、平成 25 年度分以降の個人市民税として平成 25 年4月以降に支給された年金から特別 徴収された税額については、当該年金は過払年金であり、Aに受給権はなく年金保険者に帰属 するものであるため、特別徴収した税額について、年金保険者へ還付することとなるため、その 請求をすることができる日(本件の場合は当該誤納金を納入した日)から5年経過するまでに年 金保険者から請求があれば、遅滞なく還付しなければなりません。 次に、平成 24 年度分の個人市民税については、賦課期日である平成 24 年1月1日以降の平 成 24 年3月3日に死亡していることから、本来は平成 24 年4月以降に支給される年金からの特

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別徴収を停止するとともに、Aの相続人等に対して賦課決定を行い、普通徴収の方法により徴収 する必要があります。 しかし、死亡が判明した平成 28 年 10 月時点では、法定納期限(本件の場合は平成 24 年6月、 法第 320 条)の翌日から起算して3年以上が経過しているため、Aの相続人等に対して賦課決定 を行うことができません。 なお、平成 24 年4月分は未支給年金となり、遺族等が自己の名において請求を行う当該遺族 等に帰属するものであることから、当該請求を行った遺族等(未支給年金請求者)がある場合は 遺族等へ還付し、遺族等がなければ年金保険者へ還付することになります。 また、平成 24 年6月から2月までに支給された年金から特別徴収された税額については、平 成 25 年度分以降の個人市民税の場合と同様、年金保険者に対して還付しなければなりませ ん。 (質問2について) 解説で述べたとおり、配当割額の控除を受けることができる場合とは、所得割の納税義務者 が前年において配当割を課された場合において、特定配当等が生じた年の翌年の4月 1 日の属 する年度分の個人住民税の申告書(確定申告と含む)にこれらに関する必要事項を記載した場 合ですが、本件についてみると、平成 27 年中に配当割を課されたBは、平成 28 年度の個人市民 税の賦課期日である平成 28 年1月1日より前に死亡しているため、そもそも平成 28 年度の個人 市民税所得割の納税義務者ではなく、課税をすることができません。 したがって、配当割額の控除を適用し、B の相続人に対して還付することはできません。 (Bの個人道府県府民税配当割に関しては、平成 27 年中に特別徴収されることで課税関係は完 了されています。) 【おわりに】 今回は、公的年金を受け取る納税義務者と配当割の納税義務者が死亡した場合の特別徴収 の取扱いについて2つの事例を紹介しました。納税義務者が死亡した後の事務処理や課税の考 え方については、あらゆる要素が関係しますので、実務においては、様々な関係法令や制度な どについて確認を行うことが必要となります。 【参考文献】 ・「地方税法総則逐条解説」 地方税務研究会編、一般財団法人地方税務協会発行 ・「平成 28 年度版 要説住民税」 市町村税務研究会編、株式会社ぎょうせい発行 ・「個人住民税の公的年金等からの特別徴収に係るQ&A集 改訂版(平成 28 年9月)」 (総務 省自治税務局市町村税課)

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・「市町村民税実務提要」(地方税制度研究会編集、株式会社ぎょうせい発行) (大阪府総務部市町村課税政グループ)

参照

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