平成 24 年度 雪に関する学習活動実践研究
札幌市立山の手南小学校の取組
(学校ホームページ http://www.yamanoteminami-e.sapporo-c.ed.jp/)
1.学校の実態
本校では、平成21年度からの「札幌らしい特色ある学校教育」の取組開始より生
活 科 ・ 総 合 的 な 学 習の時 間 を 活 用 し て 「 雪」に 関 す る 実 践 を 積 み 重 ね て き て い る 。
内容としては、
○1年生 草笛公園で雪を使って遊びづくり
○2年生 学校グラウンドで雪の遊び場づくり
○3年生 雪の結晶観察や、冬の三角山の生き物探索
○4年生 社会科との関連での除雪車体験や雪に関する新聞作り
○5・6年生 自分たちの興味関心 に基づいた課題設定による調べ活動や、北海道内
の「利雪」の取組事例からエネルギー問題について考える学習
など多岐にわたる。
また、プロスキーヤー及び全日本スキー連盟デモンストレーターを招いての講演
会やグラウンドの雪遊び用の雪山制作など、雪に親しむ環境作りにも力を入れてい
る。
2.実践1
(1) 単元名
1年 生活科 「ふゆとなかよし」
(2) 単元の目標
冬の自然に親しみながら遊びを工夫し、楽しんだ
ことを表現しようとする。
(3) 取組の様子
校区内の「草笛公園」に一学期から繰り返し出かけ
それぞれの季節に合わせて遊びを工夫してきた。
冬には雪を利用してどんな遊びができるか考え
活動してきた。
(4) 実践のまとめ
子ども同士で協力することで、より楽しい活動に
なるという気付きを生むことができるような場の設
定から活動を高めることができた。
はじめは何も持たずに出かけ、全身で雪とふれあ
い、友達とかかわりながら遊びを工夫していった。
二回目以降はもっと楽しく遊ぶために必要なもの
を準備して出かけ、より大きな物を作ったり、きれい
に飾り付けたりして雪を使って楽しく遊ぶための工
夫に気付く姿が見られた。 写真
3.実践2
(1) 単元名
2年 生活科 「スノーフェスティバル」
(2) 単元の目標
雪を使ったフェスティバルを学校のグラウンドで計画し、進んで遊ぶと共に冬の生
活を楽しもうとする意欲を高める。また、雪や寒さを使っての遊びや制作を工夫しみ
んなで楽しむと共に表現する事ができる。
(3) 取組の様子
① 計画
・どんな「フェスティバル」にしたい
か、作戦を立てる
・そのために必要な道具の準備につ
いても考える。
② まずはフェスティバル会場に様々
な「エリア」を作ることから始めた
子どもたち。校庭にたっぷりと積
もった雪を掘り進み、迷路や秘密
基地をつくりながら活動を積み重
ねた。1年生を招待して楽しく遊
ぶことを目標に、どんなフェステ
ィバル会場を作ったら楽しめるか
考えた。
③ 自分たちで作った会場だけではな
く、他のクラスの会場でも遊んだ
り、雪山を利用して遊んだりと
様々な楽しみ方を考えた。
(4) 実践のまとめ
雪を掘ったり固めたりしながら、
いろいろな遊びコーナー(的あて、ボ
ーリング、迷路、秘密基地、そりすべ
り、宝さがし、かまくらなど)を作る
活動を通してみんなで楽しむ冬のフェスティバルになった。1年生を招待して楽しく
遊ぶことや、学校のスキー山を利用しての遊びなども取り入れ、雪や冬の寒さの中で
も楽しみながら遊べることや、季節の違いによって遊びが変わることに気付くことが
できた。
4.実践3
(1) 単元名
3年 総合的な学習の時間 「雪とあくしゅ」
(2) 単元の目標
雪の結晶に興味関心をもち、観察の仕方や、観察
器具の使い方を知る。また、観察をしたり、スケッ
チをしたりしながら、表現する事ができる。
(3) 取組の様子
① 雪の結晶にはどんな種類があるの?
北海道雪たんけん館の「雪を観察しよう」の
ページで、雪の結晶の種類や、どうやってでき
るのかなどを調べる活動をした。
② 雪の結晶観察をしよう
雪の結晶の種類を調べたあと、屋外で実際に
雪の結晶を観察、スケッチをした。
(実践研究校予算で購入
したルーペを使用)
③ 雪博士の特別授業
教育大学 高橋庸哉教授による雪
の学習特別授業を実施した。
1・雪の結晶を描いてみよう
2・雪の結晶は何角形?
3・雪はどこから来るの?
・気象衛星の雲の動きの動画
・石狩湾上空の雪雲動画
4・雪の結晶の種類、温度によってで
きる結晶の違い
5・人工雪の成長の様子
6・過冷却実験映像と実験の仕方
7・質問コーナー
(4) 実践のまとめ
ルーペで実際の雪の結晶を見る前に「雪たんけ
ん館」で雪の結晶の種類をしっかりと学習するこ
とで理解が深まった。高橋教授の特別授業は3年
生でも充分に理解ができ、雪について「しっかり
と観る」ための知識が身についた。3年生以上な
ら、高学年にも対応して知的な興味関心を引き出
すすばらしい内容である。
5.実践4
(1) 単元名
3年 総合的な学習の時間 「雪とあくしゅ」
(2) 単元の目標
雪や寒さに興味関心をもち、スノーキャンドルや、アイスキャンドルなどの作り方
を調べて制作し、「山の手南雪明かりのみち 2013」を行う。
(3) 取組の様子
①
雪明かりの路、スノーキャンドル調べ
小樽の雪あかりの路や、地域でスノーキャンドルをみた経験などを話し合い、ど
んな「山の手南雪あかりのみち」を作りたいか話し合った。
②
実際の活動の様子
・雪対策室から活動の支援をいただいた。
(バケツ 20 個、キャンドル 200 個)
・バケツで雪を運び、雪山を積み上げて、キ
ャンドル台を造成。
・スノーキャンドルを 150 個程度作成し、正
門前に並べ「山の手南雪あかりのみち
2013」を開催した。(2 月 12 日、14 日)
(4) 実践のまとめ
アイスキャンドルに比べてスノーキャンドルは子ども
たちでも比較的作りやすく、たくさんのキャンドルを作
ることができ、地域の方々や保護者にも大変好評だった。
キャンドルに点灯した2日間で少なくとも 100 名以上の
地域住民、保護者、児童が訪れ、実際に作った子どもた
ちにとっても大変満足感のある活動となった。雪対策室
の支援に心から感謝する。
6.実践5
(1) 単元名
4年 社会科 「雪とくらす~札幌市の除雪」
(2) 単元の目標
大雪から生活や安全を守るための関係
機関の働きについて具体的に調べる。ま
た、地域の人々の工夫や努力について、
地域の人々の生活と関連付けて考える事
ができる。
(3) 取組の様子
西土木、大成ロテックの協力により除
雪車の試乗体験を行う。
(4) 実践のまとめ
実際の重機の大きさ、除雪車からの視
界が悪く近くの物は見えないことを実感
することができた。
7.実践6
(1) 単元名
4年 総合的な学習の時間 「雪HOT COM.」
(2) 単元の目標
札幌市の除雪や、雪に対する取組、雪や寒さなどへの興味関心から、自分なりの
課題をもち、探究した内容について表現活動を行う。
(3) 取組の様子
札幌市雪対策室主催の「雪と暮らすおはなし発表会」展示部門への出品をゴール
として、各自の興味関心に基づいて調べ、まとめていく。
(雪の実践校予算 マーカー使用)
(4) 実践のまとめ
子どもそれぞれの興味関心に基づいて調べ学習をする際には「北海道雪たんけん
館」の WEB サイトが大変有効であった。クイズや、ゲームなどもふんだんに取り入れ
られていて無理なく「雪」にかかわる理解をすすめ、調べ、考えた結果を表現する事が
できた。各自のまとめは雪対策室主催の「雪と暮らすおはなし発表会」で展示された。
8.実践7
(1) 単元名
5年 総合的な学習の時間
「雪のプレゼン HOT COM.」
(2) 単元の目標
札幌市の雪のくらし全般に雪や寒さな
どに興味関心を基に課題を設定し、プレ
ゼンテーションを通して広く自分たちの
「冬の札幌」への提言を発信していく。
(3) 取組の様子
①
冬の札幌のよさにはどんなものがあ
るのか。
・ まず各学級で「冬の札幌」にはどん
なよさがあるのか、伝えたい「冬の
札幌」のよさは何か話し合った。
②
それぞれのよさを伝えるためのプレ
ゼンテーションを作る
・ 興味関心をもった課題ごとにグル
ープを作り、調べ学習をすすめる。
・ 北海道雪プロジェクト発行のテキ
スト「はじめよう雪のプレゼンテ
ーション」や、「北海道雪たんけん
館」の活用をしながらグループご
とに調べ進めていった。
③
「雪と暮らすお話し発表会」への出品
・ グループ内で分担を決め、調べて
きたことを「はっぴょう名人」を使
っ てプ レゼ ンシー トを作 って い
く。
・ 札幌市雪対策室主催の「雪と暮らす
おはなし発表会」プレゼンテーショ
ン部門へ出品した。
(4) 実践のまとめ
雪たんけん館のテキストは、どのよう
に自分たちが調べたことをプレゼンにし
ていくかがわかりやすく説明されてい
た。サッポロファクトリーでの発表がで
きることは子どもたちにとっても大きな
経験となった。
9.実践8
(1) 単元名
6年 社会科 「私たちのくらしと税」
(2) 単元の目標
札幌市の除雪に関してどの程度の税金
がどのように使われているのか、札幌市民
の生活とのかかわりから考える。
(3) 取組の様子
① 除雪と税の関係の授業を社会科の一時
間として行った。
② 札幌市雪対策室による出前授業を通し
て具体的にどの程度の規模で、どのよ
うに税金が除雪に使われているのかの
学習をした。
(4) 実践のまとめ
雪対策室による出前授業を通して、子ど
もたちは、雪対策に 140 億円もの税金が使
われていることや、札幌市の除排雪がどの
ように行われて自分たちの生活を支えてい
るのかを理解した。雪対策室の出前授業で
は具体的な数字や、作業の様子の写真を多
く使うことで、子どもたちにも大変わかり
やすい内容であり、子どもたちの理解が確
かなものとなっていた。
10.研究のまとめ
山の手南小学校では全学年が2学期から「雪」の学習に取り組んできていた。今回の実践
を通して、山の手南小学校の「雪学カリキュラム」の策定に向けて大きく研究が深まった。
成果と課題は以下の通り。
成果
(1) 様々な連携の中での実践
地域や行政、研究者と、様々な連携のあり方を考え、除雪業者、雪対策室、北海道
教育大学北海道雪プロジェクトとたくさんの皆様に尽力いただきながら実践できたこ
とは、今回の大きな成果としてあげられる。
(2) 各学年の発達段階に応じたカリキュラム
今まで本校で行われてきた様々な実践、活動を各学年に応じたカリキュラムとする
ための整理ができた。
課題
今後は、「遊び」も含めた「雪とのかかわり方」を教育課程の中に位置付け、札幌の
冬を誇りに思い、札幌の冬を楽しむ自立した札幌人の育成に向け、実践を積み重ねて
いきたい。