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砂丘地におけるクロマツ林の施業に関する基礎的研究 (第1報) : 樹高,直径の分布および順位変動について

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Academic year: 2021

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(1)

回 積, 鳥大演報 No ll 1979

砂丘地 にお けるクロマツ林の施 業 に

関 す る基礎 的研 究

(第

1報

)

樹 高 り直径の分布 および順位変動 につ いて

小笠原 隆 三 ※

・ 浴 田 淳 一 ※※。魚 住 竹 司※

FundamentaI Studies on Treat!莉

ent Method of Pine Forest

(戸リカ

vs ttyPPbθ

4グガ

)On coastaI Sand Dune〔

I〕

Distribution and ranking―

change of E)iameter and Height

Ryuzo OGASAWARぜ

」u ch SAKOTA※ ※and Yll i UOzuMI※

S■

mmary

The distribution and the ranking― change of diameter and height of pine trees (P力αd Tんvηb9T=河 )on cOastal sand dune were investigated.

(1)The frequency curve of height was slightly L― type. (2)The frequency curve of diameter was slighdy」 ―type.

(3)The peak Of frequency distribution Of height and diameter were both slightly easy.

(4)The distribution with the Weibun function pretty fitted the actual

diameter distribution.

(5)The ranking― change of height and diameter tend tO decrease with

increasing forest age,

I'緒

砂丘地 はか って不毛の地であ ったのみな らず

,と

きには飛砂の害 を もた らす恐 しい存在で もあ った が

,現

在で は植林 による飛砂の固定が可能 とな り

,砂

丘地 にお ける農業開発が著 しい発展 をみ るに至 った。 しか し

,こ

のよ うな砂丘農業の発展 に ともない飛砂固定のた めに植栽 された クロマツ林の中には邪 魔にな り伐採 され る ものが み られ るよ うにな った。

` さらに近年我 国経済の急速な発展 に ともない砂丘地の観光開発

,工

業 開発

,宅

地開発がすすみ クロ (25)

鳥取大学農学部森林計画学研究室;LaboratOry of■ rest Planning Facdty Of Agriculture TOttori unlversity

鳥取県米子地方 振 興局;Yonago District FOrest Office,TOttOri Prefecture

(2)

小笠原 隆三 ・ 姶 田 淳 ― ・ 魚 住 侑 司 マツ林 もその開発対象地 とされ るよ うにな った。 一方 自然保護の面か らは植林によ り砂丘 は死 につつ あるとして厳 しい批判が むけ昴 るようになった。 森林 には多 くの効用が あ るに もかか わ らず砂丘地の ク ロマツ林 は飛砂固定 な どご く一部 の効用 しか み とめ られていないのが現状で ある。 森林の効用 の総合 的利用が 叫ばれてい る今 日

,砂

丘 クロマツ林 について も

,よ

り総合的に利用 して い くことを考 えていかな けれ ばな らない。 本研究 は砂丘地 にお け るクロマツ林,とくに戦後大規模 に植栽 された森林 について

,合

理的施業法 を 確 立す るための基礎 的研究 として

,そ

の実体 を明 らか にす ることを目的 として行 うもので ある。 今 回は ク ロマツ林の樹高

,直

径の分 布および順位変勃 について調べ た結果 を報 告す る。

材料 お よび方法

鳥取市湖 山砂丘地にある鳥大湖 山演習林内に植 栽 されてい るクロマツ林 を供試 した。 クロマツ林のほ とん どが戦後植栽 された もので, と くに20年 生前後の林分が多か った。 樹高

,直

径の分 布状態 を調べるために,林 内に設 け られて ある20ケ 所 の固定標準地

(15η

×15η) を用い

,標

準地 内の全立本 について

,そ

の樹高, 直径 を測定 した。 また

,歯

径分布 に ワイブル分布が適合す るか否 か を調べ るために

,こ

れ ら固定標準地のほか に 40η X 15η と 30η X 10 ηの二つ の標準地 を設 け た。

(Table,1)

樹高

,直

径等の大 きさのllk位変動 を調べ るため に個 栽当時の立木本数 をそのまま維持 していると ころに5η ×

,5η

X4η

の二つの標準地 を 設 け

,そ

の中の全立木 を伐採 し

,樹

幹解析 を行 い, 過去

,現

在 の樹高

,直

径 を測定 した。

結果および考察

樹高や直径の本数分布の状態 を明 らか にす るこ とは林分 の構造 を解析す る うえで大 きな意義 を も

Table.l Description of sample stands stand Age 一 H 一D No/11a と 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 b 24 21 21 23 23 21 22 24 25 21 40 19 19 19 20 20 25 22 22 20 20 19 86 85 79 71 65 45 80 74 72 98 9.2 54 61 57 38 59

48

77 68 36 53 62 97 103 83 82 78 54 84 79 74 104 103 61

66

61 37 60 60 73 70 37 55 68 3466 2933 4200 5467 5156 6044 4600 4444 5244 4200 2933 6200 6900 6700 7067 4578 5700 5600 4267 10400 6633 6100 =フ。 一般に人工造林 された林分では樹高や直径の分布は正規型であるが生育がすすむにつれて変化 して

(3)

た 。   か       て       を ︱ ︲ ︱ ︱ ︱ I P I ♭ ︱ ︱ ︱ ︲ レ   イ 長 一 一   a 一   ,     , ︲     ︲     ,     ︲ 4 0 4 4 0 砂丘地 におけるクロマツ林の施業 に関す る基礎的研究 (第 1報 ) ぃ く。その変化の状態は直径や樹高で も異な り

,相

対的密度が増す と各個体の大 きさの出現頻度は正 規分布か らはずれ

,モ

ー ドが小 さい方に移 り

L型

を示すのが直径で

,モ

ー ドが大 きい方に移 り」型を 示すのが樹高 とされている1)。 また

,こ

うした分布の変化は間伐の仕方等によって も大 きく変 ってい く23)。 stond 19 H

Fig. l Frequency distributiOn of tree

(27) り O O L P   ﹂ 0   ﹂ O n i 当 っ z height OH)

(4)

(28j 小笠原 隆三 ・ 姶 田 淳 ― ・ 魚 住 侑 司 植 栽後 間伐等の人為のあま り加 わ っていない砂丘 クロマツ林につ いて直径

,樹

高 の分布状態 を調べ たが

,そ

の うち閉鎖 して いる林分 につ いて一部 を示す と

Fig,1∼ 2の

よ うであ った。 直 径の場合 はモー ドがやや左側 に

,樹

高の場合 はモー ドがやや右側 にずれてい る傾 向がみ とめ られ る。 stond 8 ∽ Φ O ﹂ や   ﹂ 0   ﹂ 0 つ E コ Z ∽ ф O ﹂ ,   ﹄ 0   ﹂ ω O E E コ Z

D12 D12

Fig. 2 Frequency distributiOn of

D12

at breast heiglat(Dl.2)

stctnd 19

(5)

︲ ︲ べ ︲ ︲︲ ︲ ︲ ︲ ・ ^吼 r ︲ ︲ ︲ 砂丘地 におけるクロマツ林の施業 に関する基礎的研究 (第 1報) 佐藤等つの13年 生 ァカマツ林の調査で も植栽密度が高 くな ると直径の本数配分の モー ドが小 さい方 に移 る傾 向が み られ る。 また

,安

藤等5)も天然生 アカマツ幼令林で直径分布 は高密度 において

L型

に な ると述べ てい る。 しか し

,樹

高分布の場合

,KOyalna et alPは 9年

生 ァカマツで高密度 の場合樹 高分布は正規型 にな る としてい る。 間伐等の人為が加 わ ってお らず比 較 的 相 対 的 密 度 が高 くな ってい る林分 の多 い砂丘 ク ロマツ林 に ついて

,こ

うした分布状態 を明 らか にす るため Pearscjn法 によ る非対称度

(歪

度)や尖度等 を調べた。 その結果 を示す と

Table.2∼

3のよ うであ った。 C29) 樹高 の場合の非対称度

(歪

度)は 閉鎖の充分でない林分 で正の値 を示 す もの もみ られ た が 充 分 こ閉 鎖 し た林分ではほ とん ど負の値 を示 した。 この ことはモー ドが大 きい方 にず れているこ とを示 してお り,」 型 に 近 い分布状態であ る とみ る ことが で きる。 一方

,直

径 の場合 は樹高の場合 と 異な り非対称度 はほ とん どが正の値 をと り

,モ

ー ドが小 さい方 にずれて お り

,L型

に近 い分布状態であ るこ とを示 してい る。 岡のは近畿地方の アカマツ林で主 林木

,副

林木合計共平均直径が増大 して い くに伴 って歪度 は減少 してい くと述べて い る。 尖度は単峯型の分布における峰の とが りの程度 をあ らわす もので

,樹

高の場合 は大部分 3よ りわずかなが ら小 さいことか らやや鈍峯 とみ るこ とがで きる。

Table. 2 S tastisti∝ Of frequency distributiOn Of tree height(H) 殻 CS asmmetry kurtOsis I 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 9 747 9 704 3 857 3 873 8 178 3 058 2 369 3.146 4.570 2 733 3 339 1 660 2 328 2 180 1 859 2 898 4 878 1 889 3 250 2 339 - 0 326 - 0 574 -0 376 -0 380 + 0 105 + 0 544 - 1 108 - 0 756 -0 506 - 0 956 -0 196 -0 329

-0612

-0 229 + 0 163

-0614

-0121

-0312

-0 424 +0 570 1 691 1 938 2 469 2 385 1 788 2 520 4 263 3 043 2 569 3 801 2 o63 2 864 2 972 2 345 1 862 2 693 1 810 3 299 2 270 2 720 直径の場合 は

3を

こえる もの もい くつかみ られ るが

,3よ

り小 さめの林分が多 い ことか ら樹高の場 合に くらべ ると正規 に近 い として もやや鈍峯 とみ ることがで きよ う。 近年直径分布 をあ らわす確率密度関数 として

,ワ

イブル分布をあてはめる試みが行 われ るよ うにな った8∼ 10)。 砂丘 ク ロマツ林 について

,ワ

イブル分布に関す るパ ラメーターの推定 を行 い

,実

際の分 布 と理論分

(6)

小笠原 隆三 布 との比較 を試 みた。 前記 固定標準地の うち1(力 とあ ら た めて設 け られた2ケの標準地 につ いて フイブル分布 に関す るパ ラメー ターを示す とTVable.4のようであつ た。 これ らを もとにして現実の分布 (ヒ ス トグ ラム )と 理論分布 (実線) との関係 を調べた結果の一部 を示す とFig.3の よ うであ つた。 これ らについて理論度数 と現実度 数への適合度 を

5%の

危険率で検定 す ると12林分 全部適合す る とい う結 果 をえた。(なお

,他

の標準地 につ いて も本調査の前年調べ多 くは適合 をみた。) この ことか らワイブルによ る直径 分布 の モデルは砂丘 クロマツに もよ く適合す るとみてよい。 また

,今

後 こうした ことを もとに して砂丘 ク ロ マツ林の林分生長量の推定 も可能 と 思 われ る。 林本 は一般 に生育 してい く過程で 種 間

,種

内競争その他の要 因によ り 生長 に差がで き

,大

きさに順位が生 じてい く。 その大 きさの順位が生育の過程で どの よ うに変化 してい くか を知 るこ とは保育等の面か らも意義のある こ とで ある。 従来林本の順位変動 につ いて の報 告は多 くない。 只木等11)はアカマッ苗およびスギ 苗で順位変動量は競争開始期 に多 く, 生 育がすすむにつれ少 な くな って い ・ 姶 田 淳 ― ・ 魚 住 侑 司

Table.3 Stastistics of frequency distributiOn Of diameter at breast height(Dl.2)

Table.4 Description of Weibull distribution parameter

Variance AsHInetry Kurtosis

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 25 981 31 396 15 322 8 984 23 042 8 960 10 217 10 847 14 112 15 090 9 917 4 059 5 277 5 592 2 676 8 173 15 313 7 936 9 983 5 658 + 0 347 + 0 963 +0 731 + 0 195 + 0 553

+0614

+ 0 463 + 0 471 + 0 554 + 0 722

+0715

+ 0 360 + 0 080 + 0 060 + 0 258 -0 024 + 0 635

+0910

+0517

+ 0 707 2 073 4 513 3 360 2 472 2 368 3 162 2 572 3 158 2 998 3 106 3 286 2 399 2 470 2 577 2 212 2 168 2 792 4 772 2 708 2 823

r b 1 3 5 7 9 10 12 14 17 19 b 2 50 1 50 1 00 2 50 1 00 4 00 2 50 2 00 1 00 1 50 1 00 1.00 4 68 7 97 7 51 6 76 7 84 7 o7 4 27 4 87 6 34 6 52 6 47 6 93 1 40 1 85 1 45 1 95 1 95 1 70 1 90 2 05 1 55 1 90 2 60 2 35

(7)

砂丘地 におけるクロマツ林の施業 に関す る基礎的研究 (第 1報) くとして い る。 砂丘 クロマツ林 で植栽本数 をその まま維持 してい る とみ られ る林分 内 の二つの標準地 に ぉぃて

,全

立本の 現在

, 5年

前,10 年前

,15年

前 の樹 高

,直

径 を求 め, それが どのよ うに 変化す るか を調べ た。 直径

,樹

高のllE 位の変動状態 移区 示す ると

Fig.4∼

8の

よ うで あ った。 直径

,樹

高 と も 大 巾な変動 は少な い。 さらに

,こ

れ らの順位変勃相関 係数 を調 べ る と Table.5のよ うで あ った。

5年 ,10年

,15

年 と間隔が大 きく Stclnd 9 5 9 D12 9 Dlヱ

Fig. 3 Frequency distributiOn and frequency curve of Weibul

■striblltiOn Of diameter at breast heigllt(Dl.2)

な ると順位変動相関 係数が小 さくな り

,変

動が大 き くな る傾向がみ られ るが全般 には変動が少ない。′ また

,5年

間の変陽 係数 をみると初期の

15∼ 10年

で小 さく

, 10∼

5年

,5∼

0(現

在)にな るに つれ大 きくな る傾 1向が み られ る。 すな わ ち

,直

,樹

高 と も初期で変動が大 きく林令が高 くな る につれ変動が小 さくな ってい く傾 向のあることを示 してい る。

・500

∽ 0 0 ﹂ P   い 0   ﹂ 0 う E E コ 富 m ∽ 0 0 ﹂ ,   ﹂   ﹂ 0 0 E E コ Z │ げ

(8)

(32) 小笠原 隆三 ・ 姶 田 淳 ― ・ 魚 住 侑 司

15 years ago 0(preSent) 5

4 星 8 12 16 T , ︱ ︱ 一■ 一封 ,

0(PreSent) 5 10

yegr

Fig.4 Rank chalage Of tree heigllt(H)

0(Present) 5 10

yeclr

Fig. 6 Rank change Of tree

height(H)

yeclr

Fig. 5 Rank change OF diameter

at O.2m height(D彪 )

15 years ago

15 years ago 5

湿10

15 years ago 0(PreSent) 5

“ ︼ 帥 1 研 醐 日 測 再 國 朝 割 可 翠 i ﹃ ∼ year

Fig. 7 Rank change Of diameter

(9)

砂丘地 におけるクロマツ林の施業に関する基礎的研究 (第 I報 )

0(Present) 5 1o

yectr

Fig.8 Rank change of diameter breast high(D■2)

Table.5 Rank correlatiOn cOefacient of tree height(H)and diameter

at 02m height(DQ2)

(33)

2 0(Present) 5 years ago 10 years ago 15 years ago o (IIesent)

5 years age

071

10 years age 0 77 0 71

15 years agβ

P10t-1\

里生

0(Present) 5 years ago 10 years agO years ago

0(Presenl)

5 years

10 years ago 0 97

(10)

(34)

V

小笠原 隆三 ・ 姶 田 淳 ― ・ 魚 住 侑 司 し 日 砂 丘地 におけ るクロマツ林の樹高

,直

径の分 布およ びllk位変動 につ いて調べ た。

(1)樹

高の分布 はやや

L型

で あ った。

(2)直

径の分布 はやや

J型

で あ った。

(3)樹

高 分布

,直

径分布の尖度 はいづれ もやや鈍峯で あ った。 律

)ヮ

イブル分布 は直径 の分布 によ く適合す る。

(5)樹

,直

径 のllk位変動 は林令が高 ま るにつれ小 さ くな る傾向が み られた。

1)四

手井綱英編 :ア カマツ林の造成 地 球出版

1963

2)峯

一三 :林業経営 農 林出版

1969

3)寺

崎 渡 :ア カマツに関す る研究論文集 日本林学会等

1964

4)佐

藤大七郎・ 中村 賢太郎・ 扇田正三 :東大演報

48 1955

5)安

藤 貴・ 坂 口勝美・ 成 田忠範・ 佐藤 昭敏 :林試研報

144 1962

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lnst.Polytech,Osaka City Univ.7.Sero助

1956

7)岡

和夫 :ア カマツに関す る研究論文集 :日 本林学会等

1964

8)西

沢正久・ 木梨謙吉・ 長 正道 :日 林九支論

291976

9)西

沢正久 。木梨 謙吉・ 柿原道喜 。長 正道 :日 林請集

87 1976

101 木梨謙吉 :森 林調査詳説

,農

林 出版

1978

10

只木良也・ 四手井綱英 :日 林誌

44(8)1962

参照

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